JP2019157104A - 粘着シートまたはテープの貼り付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着層の種類や粘着層の厚みによらず、こしのない柔軟性のある基材を用いた粘着シートまたはテープに対しても、粘着層表面に被着体を貼り付けた初期の段階では容易に剥がすことができるが、一日後には強力な粘着力を発現することが課題であった。【解決手段】貼付ける温度にて液状であり分子量が10〜100の物質を、粘着シートまたはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に付着させる工程を含む粘着シートまたはテープの貼り付け方法を特徴とする。貼付け後、粘着シートまたはテープを被着体から容易に剥がすことができ、被着体に仮貼付けした後に位置調整したり、貼り直り(リワーク)も可能となる。【選択図】なし

Description

本発明は、建築部材、例えば、壁パネル、ボード、天井板等の接着あるいは、金属、ガラス、木材、プラスチック材料等の接着に有用な粘着シートまたはテープの貼り付け方法に関する。
粘着テープ又は粘着シートは金属、ガラス、木材、紙、段ボール、プラスチック材料などの種々の被着体面への接着に広く使用されている。この粘着テープ又はシートの粘着剤層を構成する粘着剤の代表的な例としては、アクリル系モノマーを原料として合成された重合体を主成分として含有するアクリル系粘着剤や、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのゴム系重合体を主成分として含有されるゴム系粘着剤などが挙げられる。上記粘着テープ又はシートでは、各用途に応じて異なった接着力を示す粘着剤が用いられるが、壁パネル、ボード、天井板等の建築部材の接着や、金属、ガラス、木材、プラスチック材料の接着等の場合には、強固な接着力(大きな接着強度、大きな接着力)が必要とされる粘着剤が用いられ、該粘着剤が使用されたシートまたはテープは部材固定用粘着シートまたはテープと呼ばれている。従来、強固な接着力が必要とされる部材固定用粘着テープ、粘着シートの貼り付け作業を行う際、しわが入ったり、貼り付け位置が意図した位置よりずれたりしないように仮貼付けして位置調整したり、粘着テープ又はシートを被着体より引き剥がして再度、貼り直すということが要求される。しかし、接着が完了しているために位置調整が困難であったり、接着力が高いため、引き剥がし時に大きな力が粘着テープ又はシートにかかって破断して、被着体を汚染したり、再貼り付けができなくなることが多い。または、粘着テープ又はシートが破れなくても、引き剥がし時に大きな剥離力を要し、作業効率が低下する。
粘着剤の貼り付け直後の被着体への接着強度を弱め、引き剥がしを可能にする方法(いわゆるリワーク性を付与する方法)として、粘着テープ又はシートの接着層表面に非粘着性物質を付着して凸部を形成したもの(文献1)が提案されているが、その接着層内に凸部が埋没できる程度の弾性と厚みを必要とし、建築部材に対して仮止めや恒久的な接合に使用できても、テープやフィルム等の薄膜体では粘着層厚みが薄いために使用が困難であった。また腰のない柔軟性のある基材を用いた粘着テープ又はシートでも粘着層の弾性が低いために使用が困難であった。粘着テープ又はシートの接着層表面に多数の貫通孔を均等に分散したシートを貼り付けたもの(文献2)では、前記薄膜体でも使用可能とするが、引き剥がし可能にするための圧着力の調整が難しく、圧着力が弱いと仮貼付け時に剥がれてしまい粘着テープ又はシートを位置調整することが難しく、圧着力が強いと強固に接着し引き剥がしが困難であった。
特開平7−310057号公報 特開2011−26481号公報
前記事情に鑑みて、発明が解決しようとする課題とは、粘着層の弾性や厚みによらず、こしのない柔軟性のある基材を用いた粘着シートまたはテープに対しても、粘着層表面に被着体を貼り付けた直後では容易に剥がすことができ、貼り付けてから経時で(日ごとに)粘着力が上昇し、最終的には強力な粘着力を発現することである。
前記課題を解決するための本発明の粘着シートまたはテープの貼り付け方法は、貼付ける温度及び気圧にて液状であり分子量が10〜100の液状物質を、粘着シートまたはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に付着させる工程を含むことを特徴とする。すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(8)により達成される。
(1)被着体に部材固定用粘着シートまたはテープを貼り付ける方法であって、分子量が10〜100の液状化合物を含む液状物質を、粘着シートまたはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に2〜10ml/m付着させる工程を含む、部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(2)前記物質の溶解度パラメーターが、前記粘着層に含有する重合体の溶解度パラメーターより1以上高い物質である請求項1に記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(3)前記物質の沸点が50℃以上である請求項1または請求項2に記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(4)前記粘着層に含有される重合体が、アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(5)前記物質を粘着シートもしくはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に塗布した後に、該粘着シートまたはテープを被着体に貼り付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(6)前記粘着シートまたはテープの粘着層の厚みが、5〜500μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(7)前記粘着シートまたはテープの粘着層表面に対する前記物質の占有面積が、50〜100%である、請求項1〜6のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
(8)部材固定用粘着シートまたはテープを請求項1〜7の貼付け方法を用いて貼り付ける積層体の製造方法。
上記貼付け方法により、部材固定用粘着シートまたはテープの粘着層表面が被着体表面に触れても初期は大きな粘着力が発現せず、さらに粘着層表面を被着体に貼り付けて圧着しても、圧着直後の段階では該粘着シートまたはテープを被着体から容易に剥がすことができる。そのため、前記粘着シートまたはテープを被着体に仮貼付け(仮止め)した後に位置調整することが可能となり、また、前記粘着シートまたはテープの貼り直し(リワーク)も可能となる。そして、貼り付けてから経時で(日ごとに)粘着力が上昇し、最終的には強力な粘着力を発現する。本発明は、粘着層の厚みや弾性によらず効果が発現しており、さらに粘着剤を特定の構造や組成に改質することもなく多様の種類の粘着剤であっても効果を発現する。よって、粘着剤の選定や貼付け方法に対して熟練やセンスが無くても粘着テープ、粘着シートの貼り付けが容易となる。
前記工程を含むことにより、粘着シートまたはテープを被着体に貼り付けた直後、前記の液状であり分子量が10〜100の物質が、粘着層表面と被着体表面との間に介在するために接着力が抑制される。貼り付けた後、液状物質が経時で粘着層に移行し粘着層と被着体との界面から前記介在する液状物質が減少することにより接着力が発現すると考えられる。また驚くべきことに、前記液状物質の付着量を規定することで、該液状物質を吸収した粘着層は、被着体との接着力と粘着層自体の凝集力を両立でき、液状物質を吸収する前の粘着層と比べて大きな接着力を発現することができた。この事は、貼付け後に十分に乾燥させなくても大きな接着力を発現するもので、乾燥機(ドライヤー)、ドライルーム、恒温恒湿ルームなどの空調設備の設置や、長期の乾燥時間を要しないものである。なお粘着剤の分野において、粘着と接着は同じ意味であり、粘着と示すこともあれば接着と示すこともある。よって、粘着力と接着力は同じ意味であり、粘着力と示すこともあれば接着力と示すこともある。
以下に、本発明を実施する為の形態について説明する。
<分子量が10〜100の液状化合物を含む液状物質(本文明細書中、液状物質と呼称する)>
貼り付ける温度及び気圧にて液状であって分子量が10〜100を有する液状化合物を含む液状物質である。本発明の課題を解決することに支障がない範囲で前記液状化合物以外の液状物質を含有してもよい。好ましくは前記液状化合物のみであってもよい。これにより、前記液状物質を粘着層表面及び/または被着体表面に均一に付着させることができ、貼付け後、粘着層に移行することが可能である。貼付け直後、粘着層の溶解や膨潤がなく、粘着層と被着体の界面に介在できる液状物質として、粘着層と相溶性が低い液状物質が好ましい。また、貼り付けた後に液状物質が粘着層に移行することで粘着層の接着力を向上させるには、高極性の液状物質が好ましい。該粘着層との相溶性については、粘着層と液状物質の溶解度パラメーター(SP)値の差で調べることができる。粘着層のSP値については、粘着層に含有している重合体が主成分であるため、該重合体のSP値に相当する。液状物質のSP値については、R.F.Fedors:Polym.Eng.Sci.,14, [2].147(1974)に記載の方法を使用できる。重合体のSP値については、後述する数値を使用することができる。前記液状物質は、前記重合体のSP値に対し1以上高いSP値であることが好ましく、より好ましくは2以上、更に好ましくは5以上、特に好ましくは10以上高いSP値であることが好ましい。前記SP値の上限として、20以下が好ましい。
粘着層表面及び/または被着体表面に付着した液状物質は、粘着シートまたはテープを貼り付けるまでに付着したまま存在していることが必要であり、貼付ける作業の雰囲気下(温度や湿度)で揮発しないようにするために沸点が高い液状物質を使用することが好ましい。例えば、1気圧における沸点が50℃以上の液状物質が好ましく、70℃以上がより好ましく、特に好ましくは80℃以上である。
前記液状物質の例示として挙げると、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、エタノール、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ヘキサン等があるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの液状物質において、好ましくは水、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、エタノール、酢酸であり、特に好ましくは水である。これらの液状物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。例えば、貼付ける作業の雰囲気下(温度や湿度)で、液状物質の揮発性を調整する観点から水とエチレングリコールの混合液、水とエタノールの混合液、水とイソプロピルアルコールの混合液を使用してもよい。表1に各液状物質に対する分子量、SP値(溶解度パラメーター)、沸点を示す。
Figure 2019157104
<部材固定用粘着シートまたはテープ(本文明細書中、粘着テープと呼称)>
本発明に使用する粘着テープは、紙、不織布、織布、ポリエステルフフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、アルミニウム箔など従来公知の任意の基材の片面または両面に、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤等に代表される粘着剤を塗布して、粘着層を形成する。片面のみ粘着層がある粘着テープと両面に粘着層がある粘着テープがある。前記粘着剤は、部材を永久に固定する粘着剤(永久固定用粘着剤)として大きな接着力を有するものであり、4N/10mm以上、好ましくは6N/10mm以上、特にこのましくは8N/10mmの接着力を有するものが好ましい。これにより被着体と強固な接着が可能となる。
粘着層の厚みは、部材固定用、シート貼り付け用、テープ貼付け用と用途ごとに異なるので、使用したい用途によって適宜調整すればよい。粘着層の一般的な厚みは5μm〜2mmであり、好ましくは、5μm〜500μmである。粘着層のより好ましい厚みは、10μm〜100μmであり、最も好ましくは15μm〜50μmである。シートとテープの違いは、貼り付ける基材の厚みで区別でき、シートは1〜10mmの厚みの基材を示し、テープは0.1μm〜1mmの厚みの基材を示す。テープの厚みは1μm〜0.5mmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。粘着フィルムは粘着テープに該当し、厚み0.1μm〜1mmで幅の広い基材を示す。
前記の粘着テープに使用される基材は、前記に記載した例示の他に樹脂発泡体も使用でき、両面テープの芯材として樹脂発泡体が用いられた粘着両面テープなどが知られている。厚み100μm〜10mmの樹脂発泡体の両面に150〜300μmの粘着層を貼りつけた粘着両面テープは、強固な粘着両面テープを作製できる。前記樹脂発泡体の例示を挙げると、エーテル系ポリウレタンフォーム、ポリエステル系ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリスチレンフォーム、ネオプレン系ゴム製フォーム、クロロプレン系ゴム製フォーム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム製フォーム、ニトリルゴム製フォームなどのゴム系フォーム等がある。
<粘着層に含有する重合体>
アクリル系粘着剤においては、一般に、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これらに、アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル化合物、無水マレイン酸などの酸無水物基含有ビニル化合物、ビニルピロリドンなどのビニル基含有複素環化合物、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有ビニル化合物、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有ビニル化合物、ヒドロキシエチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有ビニル化合物、アクリルアミドなどのアミド基含有ビニル化合物などの改質用モノマーを加えた単量体混合物の共重合体(アクリル系重合体)を含有している。
ゴム系粘着剤においては、一般に、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴム系ポリマーである。
粘着層に含有する重合体は、前記液状物質と相溶しにくいことがよいが、一般的にSP値が8〜11であり、好ましくは9〜10である。上記において、粘着層に含有する重合体としてアクリル系重合体が好ましい。アクリル系重合体を使用することで前記液状物質が経時で移行しやすく、移行した後に粘着剤層の接着力を向上させることができる。
上記SP値は、例えば、以下の計算式により求めることができる。
Figure 2019157104
式中、δは、単量体のSP値である。Δe1は、単量体の蒸発エネルギーの計算値(kc
al/mol)である。ΔVmは、単量体の分子容の計算値(ml/mol)である。
式中、δは、単量体のSP値である。Δe1は、単量体の蒸発エネルギーの計算値(kc
al/mol)である。ΔVmは、単量体の分子容の計算値(ml/mol)である。
なお、代表的な単量体について、上記式に従って求めたSP値(溶解度パラメーター)は、以下の通りである。
ブチルアクリレート:9.77
2−エチルヘキシルアクリレート:9.22
メタクリル酸メチル:9.93
スチレン:8.6
エチルアクリレート:10.2
メタクリル酸:12.54
メタクリロニトリル:12.7
ヒドロキシエチルメタクリレート:13.47
アクリル酸:14.04
アクリルアミド:19.19
メタクリルアミド:16.25
アクリロニトリル:14.39
酢酸ビニル:10.56
<被着体>
本発明は、金属、ガラス、木材、紙、プラスチック、メラミン樹脂塗膜など広範な被着体への接着に用いることができる。好適には、金属又はメラミン樹脂塗膜が挙げられる。
<液状物質を付着させる方法>
前記液状物質を粘着層表面及び/または被着体表面に付着させる方法としては、スプレーで噴霧(塗布)する方法、刷毛で塗布する方法、粘着層表面及び/または被着体表面を前記液状物質の液体に浸漬(ディップ)する方法、液状物質を霧にした雰囲気下に粘着層表面及び/または被着体表面を放置する方法等を用いることができる。貼付け作業のし易さからスプレーで塗布する方法が好ましい。スプレーで塗布する方法において、スプレーの噴霧される液状物質の液滴粒径は、1〜1000μmである。
前記液状物質を付着させる量は、2〜10ml/mであり、好ましくは3〜7ml/m、より好ましくは4〜6ml/mである。質量にして、2〜10g/mであり、好ましくは3〜7g/m、より好ましくは4〜6g/mである。付着量をこの範囲にすることで、本発明の課題を達成することができる。2ml/m以下(質量にして2g/m以下)であると、揮発・塗布ムラ等により塗布されない部分が大きくなり貼付け直後の粘着テープを安定的に被着体から剥がすことが困難になり、一方、過剰に付着(例えば、100ml/m、質量にして100g/m)すると、粘着層へ移行する液状成分が過剰となり粘着層の凝集力が低下し、更に移行しきれずに粘着層と被着体との界面に液状物質が存在するため、接着力が大きく低下する。
前記粘着テープの粘着層表面に対する前記液状物質の付着面積(占有面積)が、50〜100%であることが好ましい。前記占有面積がこの範囲であると、本発明の課題を達成することができる。
前記粘着テープの貼り付ける温度は、特に限定されることはなく、貼付け作業できる温度域でよい。例えば、0〜50℃の温度である。また貼付け作業できる気圧は、一般に1気圧(常圧)である。貼付け直後の粘着力は5N/10mm以下であり、好ましくは4N/10mm、特に好ましくは3N/10mm、最も好ましくは2N/10mmである。これにより、前記粘着シートまたはテープの貼り直し(リワーク)が容易になる。また、貼付け直後の粘着力と貼付け後24時間経過後の粘着力との比(貼付け直後の粘着力/24時間経過後の粘着力)が0.5以下であり、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下、最も好ましくは0.2以下である。これにより、前記粘着シートまたはテープの貼り直し(リワーク)が容易にも関わらず、貼り付けてから経時で(日ごとに)粘着力が上昇し、最終的には強力な粘着力を発現することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、各例中、「部」とは断りのない限り、「質量(重量)部」を意味する。
製造例1(アクリル系重合体の製造方法)
冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗及び撹拌機を備えた反応容器内に酢酸エチル100部(質量部、以下同じ)、2−エチルヘキシルアクリレート45部、ブチルアクリレート49.2部、酢酸ビニル4.0部、アクリル酸1.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3部を入れた後、過酸化物系重合開始剤(日本油脂株式会社製、商品名:ナイパーBMT−K40)0.1部を入れ、窒素ガス雰囲気中にて80℃で3時間反応させた後に、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部とアゾ系重合開始剤(株式会社日本ファインケム社製、商品名:ABN−E)0.3部、酢酸エチル10部を添加し、さらに80℃で3時間反応させることにより、重量平均分子量が60万であるアクリル系重合体を得た。製造例2と製造例3については、表2に記載の処方にした以外は上記製造方法と同じである。
(実施例1)
製造例1で得られたアクリル系重合体の溶液100部に対してイソシアネート架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E)を1.0部添加することにより、粘着剤組成物を得た。アプリケーターを用いて前記で得られた粘着剤を剥離紙(サンエー化研株式会社製、商品名:K−80HS)に塗布し、80℃の温度で3分間乾燥させることにより、厚さが30μmである粘着剤層を形成させた。この粘着剤層上にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm)を貼り合わせることにより、片面が粘着面である粘着テープを得た。
<初期粘着力の試験方法>
前記粘着テープを長さ50mm、幅10mmの長方形に裁断することにより、粘着テープを作製した。室温で、表面が研磨されたステンレス鋼板に霧吹きで液状物質として水を5.6ml/m(重量にして5.6g/m)散布(塗布)した。前記粘着テープの粘着層表面に対する前記水の付着面積(占有面積)が80%であった。前記で得られた粘着テープの剥離紙を剥離し、その粘着面を前記の液体を塗布したステンレス鋼板の表面に貼りあわせ、質量が2kgのロールで1往復圧着させることにより貼り付けた。貼付けてから室温(約23℃)で20分間静置した後、同温下で剥離角度180°、剥離速度30mm/minで剥離したときの剥離力を測定した。これを貼付け直後の粘着力とした。
<1日後粘着力の試験方法>
前記粘着テープを長さ50mm、幅10mmの長方形に裁断することにより、粘着テープを作製した。室温で、表面が研磨されたステンレス鋼板に霧吹きで液状物質として水を5.6ml/m(重量にして5.6g/m)散布(塗布)した。前記粘着テープの粘着層表面に対する前記水の付着面積(占有面積)が80%であった。前記で得られた粘着テープの剥離紙を剥離し、その粘着面を前記の液体を塗布したステンレス鋼板の表面に貼りあわせ、質量が2kgのロールで1往復圧着させることにより貼り付けた。貼付けてから室温(約23℃)で1日(24時間)静置した後、同温下で剥離角度180°、剥離速度30mm/minで剥離したときの剥離力を測定した。これを24時間経過後の粘着力とした。
(実施例2〜5)
表3に記載した液状物質に変更する以外、実施例1と同様である。評価結果を実施例3に記載する。
(実施例6)
製造例2で得られたアクリル系重合体への変更と粘着剤組成物に含有するイソシアネート架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E)を1.5部添加に変更する以外、実施例1と同様である。評価結果を実施例3に記載する。
(実施例7)
製造例3で得られたアクリル系重合体に変更と粘着剤組成物に含有するイソシアネート架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E)を1.5部添加に変更する以外、実施例1と同様である。評価結果を実施例3に記載する。
(比較例1)
液状物質を塗布しない以外、実施例1と同様である。評価結果を表4に記載する。
(比較例2)
液状物質を塗布しない以外、実施例6と同様である。評価結果を表4に記載する。
(比較例3)
液状物質を塗布しない以外、実施例7と同様である。評価結果を表4に記載する。
Figure 2019157104
Figure 2019157104
Figure 2019157104
表3より、本発明の実施例1〜2、実施例6〜7は、粘着層に含有するアクリル系重合体に対してSP値が1以上高い液状物質をステンレス鋼板に塗布した後、該アクリル系重合体の粘着層を有する粘着テープを貼り付けることで、初期粘着力(貼付け直後の粘着力)が低く引き剥がしが容易であることが分かった。そして貼付けてから1日経過後の粘着力(経時後の粘着力)が向上していることが分かった。一方、表4より、前記の液状物質を塗布する工程のない比較例1〜3は、貼付け直後から粘着力が大きく引き剥がすことが困難であった。初期粘着力と1日後粘着力の比(初期粘着力/1日後粘着力)は、貼付け直後の粘着力と貼付け後24時間経過後の粘着力との比(貼付け直後の粘着力/24時間経過後の粘着力)と同じ意味である。表3より、実施例1の(初期粘着力/1日後粘着力)は0.25、実施例2では0.28、実施例6では0.14、実施例7では0.25であり、いずれも0.5以下である。表4より、比較例1の(初期粘着力/1日後粘着力)は0.78、比較例2では0.65、比較例3では0.80である。
(実施例8)
製造例1で得られたアクリル系ポリマーの溶液100部に対してイソシアネート架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E)を2.0部添加することにより、粘着剤組成物を得た。アプリケーターを用いて前記で得られた粘着剤を剥離紙(住友化学株式会社製、商品名:SLB−80WD)に塗布し、80℃の温度で5分間乾燥させることにより、厚さが200μmである粘着剤層を形成させた。この粘着剤層をポリエチレンフォーム基材(厚さ:1mm)の両面に貼り合わせ、ゴムロールで2kgf/cm2(約0.2MPa)の圧力でラミネートし、40℃の雰囲気中で2日間養生することにより両面が粘着面である粘着テープを得た。
本発明の粘着テープの貼付け方法は、貼付け直後の段階では粘着シートまたはテープを被着体から容易に剥がすことができ、貼り付けてから以降は経時で(日ごとに)粘着力が上昇し、最終的には強力な粘着力を発現する。そのため、壁パネル、ボード、天井板等の建築部材の接着や、金属、ガラス、木材、プラスチック材料の接着及び、金属、ガラス、木材、プラスチック材料へのフィルムやシートの接着等、大きな接着強度が必要とされる用途に使用される。

Claims (8)

  1. 被着体に部材固定用粘着シートまたはテープを貼り付ける方法であって、分子量が10〜100の液状化合物を含む液状物質を、該粘着シートまたはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に2〜10ml/m付着させる工程を含む、粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  2. 前記物質の溶解度パラメーターが、前記粘着層に含有する重合体の溶解度パラメーターより1以上高い物質である請求項1に記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  3. 前記物質の沸点が50℃以上である請求項1または請求項に記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  4. 前記粘着層に含有される重合体が、アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  5. 前記物質を前記粘着シートまたはテープの粘着層表面及び/又は、被着体表面に塗布した後に、該粘着シートまたはテープを被着体に貼り付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  6. 前記粘着シートまたはテープの粘着層の厚みが、5〜500μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  7. 前記粘着シートまたはテープの粘着層表面に対する前記液状物質の占有面積が、50〜100%である、請求項1〜6のいずれかに記載の部材固定用粘着シートまたはテープの貼り付け方法。
  8. 部材固定用粘着シートまたはテープを請求項1〜7の貼付け方法を用いて貼り付ける積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023514198A (ja) * 2020-02-11 2023-04-05 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 剥離可能な感圧接着剤およびその使用

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