以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図9は、本実施の形態による貨幣処理システムおよびこのような貨幣処理システムにおける貨幣処理装置の構成等を示す図である。
本実施の形態による貨幣処理装置2は、図1に示すような紙幣処理装置10および図8に示すような硬貨処理装置110が左右に並ぶよう配置されることにより構成されている。ここで、本実施の形態による貨幣処理装置2における紙幣処理装置10は、バラ紙幣の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣から帯封紙幣を形成したりこの形成された帯封紙幣の出金処理を行ったりすることができるようになっている。また、本実施の形態による貨幣処理装置2における硬貨処理装置110は、バラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨に紙やフィルム等の包装媒体を巻くことにより包装硬貨を形成したりこの形成された包装硬貨の出金処理を行ったりすることができるようになっている。このような貨幣処理装置2は、例えば、銀行等の金融機関(より詳細には、金融機関の事務所スペース)に設置され、金融機関の行員等により利用されるようになっている。また、図9に示すように、貨幣処理装置2には、当該貨幣処理装置2の管理を行う管理装置3が通信可能に接続されている。これらの貨幣処理装置2および管理装置3により、本実施の形態における貨幣処理システム1が構成されている。
まず、本実施の形態による貨幣処理装置2における紙幣処理装置10の構成について図1乃至図7を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置10は略直方体形状の筐体12を有しており、この筐体12の前面には、筐体12の外部から内部にバラ紙幣を入金するための投入部14、筐体12の内部から外部にバラ紙幣を出金するためのバラ紙幣投出部24、筐体12の内部から外部に帯封紙幣を出金するための帯封紙幣投出部48がそれぞれ設けられている。なお、図2における筐体12の左側の側面が紙幣処理装置10の前面側(すなわち、図1に示すように紙幣処理装置10を手前側から見たときの正面側)となっており、図2における右方向が筐体12の奥行き方向となっている。
図1に示すように、投入部14の前面は筐体12の外部に開口しており、操作者はこの開口を介して投入部14の内部にアクセスする(具体的には、投入部14の内部に手を入れる)ことができるようになっている。このことにより、操作者は投入部14の内部にバラ紙幣の束を投入することができるようになる。
一方、バラ紙幣投出部24および帯封紙幣投出部48にはそれぞれシャッター24a、48aが設けられており、これらのシャッター24a、48aは、バラ紙幣投出部24の前面に面する開口(すなわち、バラ紙幣の出金口)や帯封紙幣投出部48の前面に面する開口(すなわち、帯封紙幣の出金口)をそれぞれ開閉するようになっている。そして、シャッター24a、48aによりバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の開口が開かれると、操作者はバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の内部にそれぞれアクセスする(具体的には、バラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の内部に手を入れる)ことができるようになり、当該操作者はバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48に集積されているバラ紙幣や帯封紙幣を筐体12の内部から外部に取り出すことができるようになる。これらのシャッター24a、48aはシャッター駆動部24b、48b(図9参照)によりそれぞれ駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置10では、バラ紙幣投出部24は、バラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣を筐体12の外部に排出するための出金部として機能するとともに、入金処理時に後述する識別部20により識別することができなかったバラ紙幣や、識別部20により正常なバラ紙幣ではないと識別されたバラ紙幣を筐体12の外部に排出するための入金リジェクト部として機能するようになっている。
また、図2に示すように、筐体12の前面におけるバラ紙幣投出部24の下方には、紙幣処理装置10においてバラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣投出部24により筐体12の外部に出金すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される出金リジェクト部26が設けられている。出金リジェクト部26の前面は筐体12の外部に開口しておらず、操作者は筐体12から紙幣処理装置10の本体部分(引出ユニット)を手前側に引き出さない限りこの出金リジェクト部26にアクセスすることができないようになっている。
図2に示すように、投入部14には、当該投入部14に投入されたバラ紙幣を1枚ずつ筐体12の内部に繰り出すための繰出部16が設けられている。また、筐体12の内部には、当該筐体12内でバラ紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部18が設けられており、繰出部16により投入部14から繰り出されたバラ紙幣は搬送部18により筐体12内で搬送されるようになっている。また、搬送部18には識別部20が設けられており、搬送部18により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別されるようになっている。また、搬送部18には表裏反転部22が設けられており、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うように反転させられるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部18には入金一時保留部30および複数(図2に示す例では4つ)のバラ紙幣収納部32がそれぞれ接続されており、搬送部18からこれらの入金一時保留部30や各バラ紙幣収納部32にバラ紙幣が送られるようになっている。これらの入金一時保留部30や各バラ紙幣収納部32には図2における上下方向に移動可能となっているステージ30a、32aがそれぞれ設けられており、これらのステージ30a、32a上でバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。
また、入金一時保留部30の上端部の近傍には紙幣繰出繰入部30bが設けられており、当該入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入部30bより1枚ずつ搬送部18に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入部30bにより搬送部18から入金一時保留部30にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、入金一時保留部30には、バラ紙幣の入金処理において識別部20により識別されたバラ紙幣が各バラ紙幣収納部32に収納される前に一時的に保留されるようになっている。
また、各バラ紙幣収納部32の上端部の近傍には紙幣繰出繰入部32bが設けられており、各バラ紙幣収納部32に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入部32bにより1枚ずつ搬送部18に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入部32bにより搬送部18から各バラ紙幣収納部32にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、各バラ紙幣収納部32には、それぞれ予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるようになっている。なお、予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるバラ紙幣収納部32が4つ設けられる代わりに、複数のバラ紙幣収納部32のうち少なくとも1つのバラ紙幣収納部32に複数の金種のバラ紙幣が混合状態で収納されるようになっていてもよい。
図1および図2に示すように、筐体12の下部には下部扉12aが設けられており、この下部扉12aを開くことにより操作者は入金一時保留部30の内部にアクセスすることができるようになっている。また、入金一時保留部30および各バラ紙幣収納部32は、筐体12の内部から手前側に(すなわち、図2における左方向に)引き出し可能となっている引出ユニット13(図2乃至図4参照)に収容されている。なお、図3は、引出ユニット13が筐体12の内部に収容されているときの状態を概略的に示す側面図であり、図4は、引出ユニット13が筐体12の内部から手前側に引き出されたときの状態を概略的に示す側面図である。そして、図4に示すように、操作者が下部扉12aを開いて引出ユニット13を筐体12の内部から手前側に引き出すことにより、当該操作者は各バラ紙幣収納部32を引出ユニット13から取り外したり引出ユニット13に装着したりすることができるようになる。また、筐体12の内部における引出ユニット13が収容される収容領域の後端部には検知センサ59が設けられているとともに、引出ユニット13の後端部には検知センサ59により検知される被検知板13aが取り付けられている。そして、図3に示すように、引出ユニット13が筐体12の内部に収容されているときには検知センサ59により被検知板13aが検知されることによって、後述する制御部300において筐体12内に引出ユニット13が収容されていると判定される。一方、図4に示すように、引出ユニット13が筐体12の内部から手前側に引き出されているときには検知センサ59により被検知板13aが検知されない。このことにより、後述する制御部300において筐体12内に引出ユニット13が収容されていないと判定される。
また、本実施の形態による紙幣処理装置10では、引出ユニット13を筐体12の内部にロックするためのロック機構50が引出ユニット13に設けられている。このようなロック機構50の構成の詳細について図5乃至図7を用いて説明する。なお、図5は、ロック機構50におけるロック部材52(後述)がロック位置に位置しているときの状態を示す図であり、図6は、ロック部材52がロック解除位置に位置しているときの状態を示す図である。また、図7は、引出ユニット13がロック機構50によりハーフロックされているときの状態を示す図である。
ロック機構50は、引出ユニット13に位置固定で設けられた固定部材51と、固定部材51に対して軸52aを中心として回転自在となっているロック部材52と、ロック部材52に取り付けられたリンク板56とを有しており、ロック部材52およびリンク板56は軸52aを中心として一体的に回転するようになっている。また、軸52aにはねじりバネ(図示せず)が設けられており、当該ねじりバネによりロック部材52に対して図5乃至図7における時計回りの方向に回転する力が常に付勢されるようになっている。また、ロック部材52の近傍にはストッパ(図示せず)が設けられており、このようなストッパによりロック部材52は図5に示すような位置からこれ以上軸52aを中心として時計回りの方向に回転しないようになっている。
また、ロック機構50は、軸52aを中心としてリンク板56を回転させる駆動部としてモータ54を有しており、当該モータ54によりロック部材52およびリンク板56は軸52aを中心として一体的に回転させられるようになっている。具体的には、ロック部材52およびリンク板56は図5に示すようなロック位置および図6に示すようなロック解除位置の間で軸52aを中心として一体的に回転するようになっている。また、図3乃至図7に示すように、紙幣処理装置10の筐体12側にはロック部材52により引っ掛けられるロックピン58が設けられている。より詳細には、ロック部材52は、ロックピン58を引っ掛けるための突出部分52bおよびこの突出部分52bに引き続く傾斜面52cを有している。ここで、図3に示すように引出ユニット13が筐体12の内部に完全に収容されている状態では、ロック部材52はロック位置に維持されるようになっており、この場合には図5に示すようにロックピン58がロック部材52の突出部分52bにより引っ掛けられることにより引出ユニット13が筐体12の内部でロックされるようになっている。一方、モータ54が軸52aを中心としてロック部材52およびリンク板56を図5における反時計回りの方向に回転させ、図6に示すようにロックピン58がロック部材52から外れるようになると、ロック機構50による引出ユニット13のロックが解除され、図4に示すように操作者は引出ユニット13を筐体12から手前側に引き出すことができるようになる。
そして、引出ユニット13が筐体12から手前側に引き出されている状態でモータ54によりリンク板56に駆動力が伝達されなくなると、軸52aに設けられたねじりバネによりロック部材52およびリンク板56が図5に示す位置に戻されるようになる。このような状態で操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に押し込むと、ロックピン58にロック部材52の傾斜面52cが接触したときにねじりバネによる付勢力に抗してロック部材52が軸52aを中心として図5乃至図7における反時計回りの方向に回転することによりロックピン58がロック部材52の突出部分52bを乗り越える。その後、ロックピン58がロック部材52の突出部分52bに引っ掛けられることにより引出ユニット13は筐体12の内部にロックされるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置10では、ロック機構50により引出ユニット13が筐体12の内部に完全にロックされないようなハーフロック状態となる場合がある。具体的には、引出ユニット13が筐体12から手前側に引き出されている状態から操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に押し込んだときに、図7に示すようにロックピン58がロック部材52の突出部分52bを完全に乗り越えず、この突出部分52bの頂部近傍でロックピン58が引っ掛かってしまう場合がある。このような場合には、引出ユニット13の後端部に設けられている被検知板13aが検知センサ59により検知されることによって、後述する制御部300において筐体12内に引出ユニット13が収容されていると判定されるが、ロックピン58がロック部材52の突出部分52bに完全に引っ掛けられていないためこのような状態から操作者が引出ユニット13を筐体12から手前側に引き出すことが可能となる。
また、図2に示すように、搬送部18には複数(図2に示す例では2つ)の整理一時保留部40が接続されており、当該搬送部18から各整理一時保留部40にバラ紙幣が送られるとこれらの整理一時保留部40にバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、本実施の形態による紙幣処理装置10では、所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封部42が各整理一時保留部40の隣に設けられている。
また、図2に示すように、筐体12の内部において帯封部42の近傍にはアーム機構44が設けられており、当該アーム機構44は各整理一時保留部40、帯封部42および後述する帯封紙幣揚送部46の間で移動可能となっている。このようなアーム機構44は、各整理一時保留部40に集積された所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を帯封部42に搬送するようになっている。また、帯封部42において帯封処理が行われる際に、所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を保持しているアーム機構44はこの帯封部42に移動し、当該帯封部42においてアーム機構44の上下一対のアーム部により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれるようになっている。また、帯封部42において帯封処理が行われた後、アーム機構44は帯封部42から帯封紙幣揚送部46に移動して、この帯封紙幣揚送部46のステージ46a(後述)上に帯封紙幣を受け渡すことができるようになっている。
帯封紙幣揚送部46には、図2における上下方向に移動可能となっているステージ46aが設けられており、帯封部42により作成された帯封紙幣がアーム機構44からステージ46a上に受け渡されると、当該ステージ46a上に帯封紙幣が集積されるようになる。そして、アーム機構44からステージ46a上に帯封紙幣が受け渡された後、ステージ46aが図2における上方向に移動することにより帯封紙幣投出部48と同じ高さレベルに到達すると、ステージ46a上から帯封紙幣投出部48に帯封紙幣を受け渡すことができるようになる。そして、ステージ46a上から帯封紙幣投出部48に帯封紙幣が受け渡された後、シャッター48aが開くと、操作者は帯封紙幣投出部48の内部にアクセスしてこの帯封紙幣投出部48に集積されている帯封紙幣を筐体12の外部に取り出すことができるようになる。また、ステージ46aが更に上昇すると、当該ステージ46a上に集積されている帯封紙幣を後述する帯封紙幣搬送部60に受け渡したり、帯封紙幣搬送部60から帯封紙幣をステージ46a上に集積させたりすることができるようになる。
図2に示すように、筐体12の内部における上部領域には、複数(図2に示す例では4つ)の帯封紙幣収納部70が設けられており、これらの帯封紙幣収納部70には、帯封部42により作成された帯封紙幣が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、各帯封紙幣収納部70には、それぞれ予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納されるようになっている。なお、予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納される帯封紙幣収納部70が4つ設けられる代わりに、複数の帯封紙幣収納部70のうち少なくとも1つの帯封紙幣収納部70に金種が異なる帯封紙幣が混合状態で収納されるようになっていてもよい。
各帯封紙幣収納部70の内部にはそれぞれ図2における上下方向に移動可能となっているステージ70aが設けられており、帯封紙幣収納部70の上端部(天井部分)に設けられた開口(図示せず)からこれらの各帯封紙幣収納部70に送られた帯封紙幣はステージ70a上に積層状態で集積されるようになっている。また、各帯封紙幣収納部70から帯封紙幣を出す場合には、ステージ70aが上昇することにより各帯封紙幣収納部70の上端部(天井部分)に設けられた開口から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
また、これらの各帯封紙幣収納部70の上方には帯封紙幣の搬送を行う帯封紙幣搬送部60が設けられている。帯封紙幣搬送部60は、複数の突起60aが等間隔で設けられた循環ベルト60bを有しており、この循環ベルト60bは図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、帯封紙幣搬送部60により帯封紙幣が搬送される際に、当該帯封紙幣は循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における左右いずれかの方向に移動するようになる。また、図2に示すように、帯封紙幣搬送部60による帯封紙幣の搬送路における帯封紙幣揚送部46の上端と帯封紙幣収納部70との間には判別部62が設けられており、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は当該判別部62によりその金種が判別されるようになっている。
ここで、帯封部42により形成された帯封紙幣を各帯封紙幣収納部70に収納させる際には、アーム機構44から帯封紙幣が帯封紙幣揚送部46のステージ46a上に受け渡された後に当該ステージ46aが上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。また、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、ステージ46a上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送され、判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて対応する各帯封紙幣収納部70に収納されるようになる。一方、各帯封紙幣収納部70に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣投出部48により筐体12の外部に出金する際には、循環ベルト60bは図2における時計回りの方向に循環移動し、各帯封紙幣収納部70から上方に押し出された帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送されるようになる。また、ステージ46aが上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ46a上に集積される。複数の帯封紙幣を出金する際には、帯封紙幣の送り込みに合わせてステージ46aが所定量(具体的には、帯封紙幣の厚み寸法相当)ずつ下降する。ステージ46a上に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ46aが受渡し位置まで下降してこのステージ46a上から帯封紙幣投出部48に帯封紙幣が受け渡されるようになる。
なお、本実施の形態の紙幣処理装置10において、筐体12の内部における下部領域に設けられた引出ユニット13以外にも引出ユニットが1または複数設けられており、当該引出ユニットを筐体12の手前側に引き出すことができるようになっていてもよい。また、この場合には、筐体12の前面には、引出ユニット13以外の引出ユニットに対応して前扉が設けられるようになり、当該前扉を開くことにより引出ユニット13以外の引出ユニットを筐体12の手前側に引き出すことができるようになる。また、引出ユニット13以外の引出ユニットにもロック機構50が設けられており、当該ロック機構50は対応する引出ユニットを筐体12の内部にロックするようになっている。ここで、引出ユニット13以外の引出ユニットに設けられたロック機構50は、引出ユニット13に設けられたロック機構50と略同一の構成となっている。
次に、本実施の形態による貨幣処理装置2における硬貨処理装置110の構成について図8を用いて簡単に説明する。図8に示すように、硬貨処理装置110は、左右に並ぶよう配置されるバラ硬貨処理ユニット120および包装硬貨処理ユニット130から構成されている。バラ硬貨処理ユニット120は、筐体112の内部に投入されたバラ硬貨を識別部(図示せず)により識別した後にバラ硬貨収納部(図示せず)に金種毎に収納するようになっている。また、バラ硬貨の出金処理が行われる際には、バラ硬貨収納部に収納されているバラ硬貨が当該バラ硬貨収納部から繰り出されてバラ硬貨投出口から筐体112の外部に投出されるようになる。また、バラ硬貨処理ユニット120の内部には、所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装する包装部(図示せず)が設けられており、包装部により作成された包装硬貨は包装硬貨処理ユニット130の包装硬貨収納部(図示せず)に金種毎に収納されるようになっている。また、包装硬貨の出金処理が行われる際には、包装硬貨収納部に収納されている包装硬貨が当該包装硬貨収納部から繰り出されて包装硬貨投出口から筐体112の外部に投出されるようになる。
また、図9に示すように、本実施の形態の貨幣処理装置2には、当該貨幣処理装置2の各構成部材の制御を行うCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部300が設けられている。より詳細には、制御部300には、紙幣処理装置10の繰出部16、搬送部18、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30(具体的には、入金一時保留部30に設けられたステージ30aの駆動機構(図示せず)や紙幣繰出繰入部30b)、各バラ紙幣収納部32(具体的には、各バラ紙幣収納部32に設けられたステージ32aの駆動機構(図示せず)や紙幣繰出繰入部32b)、帯封部42、アーム機構44、帯封紙幣揚送部46、帯封紙幣搬送部60、判別部62、各帯封紙幣収納部70(具体的には、各帯封紙幣収納部70に設けられたステージ70aの駆動機構(図示せず))、引出ユニット13に設けられたロック機構50、検知センサ59、各シャッター24a、48aを開閉させるシャッター駆動部24b、48b等がそれぞれ接続されている。そして、識別部20によるバラ紙幣の識別結果に係る情報や判別部62による帯封紙幣の金種の判別結果に係る情報、検知センサ59による検知結果に係る情報等が制御部300に送られるとともに、制御部300は紙幣処理装置10の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図9に示すように、制御部300には、硬貨処理装置110におけるバラ硬貨処理ユニット120の各構成部材および包装硬貨処理ユニット130の各構成部材がそれぞれ接続されている。そして、制御部300は、バラ硬貨処理ユニット120の各構成部材および包装硬貨処理ユニット130の各構成部材に指令の信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図9に示すように、制御部300には、操作表示部302、印字部304、記憶部306、通信インターフェース部308および記録媒体読取部309がそれぞれ接続されている。図8に示すように、操作表示部302は、例えば硬貨処理装置110の筐体112の上部に設けられたタッチパネル等からなり、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110における紙幣や硬貨の処理状況や、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報を表示するようになっている。また、操作者はこの操作表示部302により制御部300に様々な指令を入力することができるようになっている。また、図8に示すように、印字部304は、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110における紙幣や硬貨の処理状況や、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報をレシート等に印刷するプリンタ等から構成されている。また、記憶部306は、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110における紙幣や硬貨の処理履歴や、紙幣処理装置10や硬貨処理装置110に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報を記憶するようになっている。また、本実施の形態では、記憶部306には、制御部300により実行することが可能なプログラム307が記憶されている。このような記憶部306は、ROMやRAMなどのメモリー、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのディスク状記憶媒体、その他の公知な記憶媒体から構成され得る。そして、制御部300は、記憶部306に記録されているプログラムに沿って、貨幣処理装置2の各構成部材に処理を実行させるようになっている。また、制御部300は、通信インターフェース部308を介して、貨幣処理装置2の管理を行う管理装置3に対して様々な信号の送受信を行うことができるようになっている。
また、貨幣処理装置2において、持ち運び可能な記録媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROMなどのディスク状記憶媒体等)に記録されている情報を読み取る記録媒体読取部309が設けられていてもよい。このような記録媒体には、制御部300により実行することが可能なプログラムが記憶されている。また、記録媒体に記録されているプログラムが記録媒体読取部309により読み取られると、制御部300は、記憶部306に記憶されているプログラム307の代わりに、記録媒体読取部309により持ち運び可能な記録媒体から読み取られたプログラムに基づいて貨幣処理装置2の各構成部材に処理を実行させるようになっていてもよい。
また、図9に示すように、制御部300は、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段301を有している。ここで、異常情報出力手段301により出力される異常に係る情報は、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されたという情報である。このような異常情報出力手段301の機能の詳細については後述する。
次に、このような構成からなる貨幣処理装置2の動作について以下に説明する。なお、以下に示すような貨幣処理装置2の動作は、制御部300が貨幣処理装置2の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
紙幣処理装置10において紙幣の入金処理や出金処理、精査処理等の処理が行われている間に、例えば搬送部18やバラ紙幣収納部32、帯封紙幣収納部70等において紙幣が詰まる等の異常(エラー)が発生すると、紙幣処理装置10における紙幣の処理が中断されるとともに、操作表示部302には異常の解除操作方法が各工程に対応して順に表示される。また、引出ユニット13の内部(例えば、入金一時保留部30やバラ紙幣収納部32等)で紙幣の詰まり等の異常が発生した場合には、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令が管理装置3から貨幣処理装置2に送信される。そして、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令が制御部300に与えられると、ロック機構50による引出ユニット13のロックが解除される。より詳細には、ロック機構50においてモータ54が軸52aを中心としてロック部材52およびリンク板56を図5における反時計回りの方向に回転させ、図6に示すようにロックピン58がロック部材52から外れるようになる。このことにより、ロック機構50による引出ユニット13のロックが解除され、操作者は引出ユニット13を筐体12から手前側に引き出すことができるようになる。
その後、操作者が引出ユニット13を筐体12から手前側に引き出すと、検知センサ59により引出ユニット13の被検知板13aが検知されなくなる。そして、詰まりの原因となる紙幣が操作者によって引出ユニット13から取り除かれ、異常が解消されると、ロック機構50においてロック部材52がロック位置に移動させられる。具体的には、ロック機構50においてモータ54によりリンク板56に駆動力が伝達されなくなり、ねじりバネによりロック部材52およびリンク板56が図5に示す位置に戻されるようになる。このような状態で操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に押し込むと、ロックピン58にロック部材52の傾斜面52cが接触したときにねじりバネによる付勢力に抗してロック部材52が軸52aを中心として図5における反時計回りの方向に回転することによりロック部材52の突出部分52bがロックピン58を乗り越えるようになり、その後にロックピン58がロック部材52の突出部分52bに引っ掛けられることにより引出ユニット13は筐体12の内部にロックされるようになる。また、引出ユニット13が筐体12の内部に収容されると、検知センサ59により引出ユニット13の被検知板13aが検知される。このようにして操作者により引出ユニット13が筐体12の内部に戻され、下部扉12aが閉じられると、紙幣処理装置10においてリセット動作が行われ、紙幣処理装置10は待機状態に戻ったり、あるいは元の処理の続きが行われたりするようになる。このようにして本実施の形態における異常の解除操作に係る一連の動作が完了する。
なお、操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に戻す際に、引出ユニット13を押し込む力が弱い等により、ロック機構50が引出ユニット13を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまう場合がある。具体的には、引出ユニット13が筐体12から手前側に引き出されている状態から操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に押し込んだときに、図7に示すようにロックピン58がロック部材52の突出部分52bを完全に乗り越えず、この突出部分52bの頂部近傍でロックピン58が引っ掛かってしまう。このような状態をハーフロック状態という。なお、ハーフロック状態の場合には、引出ユニット13の後端部に設けられている被検知板13aが検知センサ59により検知されることによって、後述する制御部300において筐体12内に引出ユニット13が収容されていると判定される。しかしながら、ロックピン58がロック部材52の突出部分52bに完全に引っ掛けられていないためこのような状態から操作者が引出ユニット13を筐体12から手前側に引き出すことが可能となる。
ここで、操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に戻す際に、ロック機構50が引出ユニット13を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまうと、この操作者が貨幣処理装置2から離れた後に別の第三者により引出ユニット13が筐体12から引き出されることにより各バラ紙幣収納部32に収納されているバラ紙幣がこの第三者によって持ち去られてしまうおそれがある。このため、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出された場合にはこのことを報知する必要がある。
この点について、本実施の形態の貨幣処理装置2では、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令が管理装置3から貨幣処理装置2に送信されず、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令を制御部300が受け付けていない状態で、検知センサ59による検知結果に基づいて引出ユニット13が筐体12に収容されている収容状態から筐体12から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301によって異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されたという情報)が出力されるようになっている。また、異常情報出力手段301により出力された異常に係る情報は操作表示部302に表示されるようになっており、このような操作表示部302による表示によってハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されたという情報が報知されるようになっている。このことにより、操作者が引出ユニット13を筐体12の内部に戻す際に、引出ユニット13を押し込む力が弱い等により、ロック機構50が引出ユニット13を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまった場合でも、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されると、この情報を操作表示部302によって報知することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理装置2では、異常情報出力手段301により出力された異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されたという情報)が制御部300から通信インターフェース部308により管理装置3に送信されるようになっていてもよい。この場合には、管理装置3において、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されたという情報を把握することができるようになる。また、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力されると、紙幣処理装置10において紙幣の処理を行うことができなくなるようにしてもよい。さらに、紙幣処理装置10において紙幣の処理が行われている最中に異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力されると、紙幣処理装置10における紙幣の処理が停止されるようになっていてもよい。これらの技術的事項によれば、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出された場合に紙幣処理装置10において紙幣の余分な処理が行われてしまうことを抑制することができるようになる。また、紙幣処理装置10における紙幣の処理が停止されると、停止された紙幣の処理に係る情報が制御部300から通信インターフェース部308により管理装置3に送信されるようになっていてもよい。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣処理システム1によれば、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令が管理装置3から貨幣処理装置2に与えられていない状態で検知センサ59による検知結果に基づいて引出ユニット13が筐体12に収容されている収容状態から筐体12から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力されるようになっている。また、本実施の形態の貨幣処理装置2によれば、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令を受け付けていない状態で検知センサ59による検知結果に基づいて引出ユニット13が筐体12に収容されている収容状態から筐体12から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力されるようになっている。これらの技術的事項によれば、ロック機構50が引出ユニット13を不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、貨幣処理装置2(具体的には、紙幣処理装置10)の構造をシンプルなものとすることができる。
より詳細に説明すると、従来の貨幣処理装置では、引出ユニットが筐体から引き出されたか否かを検知するインターロックスイッチ(図3等における検知センサ59に対応)とは別に、ロック機構が引出ユニットを不完全にロックしているハーフロック状態を検知するためにロック機構の近傍にフォトインタラプタを設けたりロック機構と一体に遮蔽板を形成したりする必要があった。しかしながら、このようなフォトインタラプタや遮蔽板を設けると貨幣処理装置の内部構造が複雑になってしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態の貨幣処理システム1や貨幣処理装置2によれば、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令が管理装置3から貨幣処理装置2に与えられていない状態や、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令を受け付けていない状態で、引出ユニット13が筐体12から引き出されたと判定されたときに異常に係る情報を出力することにより、引出ユニット13のハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部(例えば、上述した従来の貨幣処理装置におけるフォトインタラプタ等)の設置を省略することができる。
また、本実施の形態による貨幣処理システム1は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
上述した態様では、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段301が貨幣処理装置2の制御部300に設けられている例について述べたが、本実施の形態による貨幣処理システムはこのような態様に限定されることはない。他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段が管理装置3に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は当該管理装置3のモニタ等に表示されたり、管理装置3から貨幣処理装置2の制御部300に送信されることによって貨幣処理装置2の操作表示部302に表示されたりするようになる。また、更に他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段が貨幣処理システム1における貨幣処理装置2や管理装置3以外の装置に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は、貨幣処理装置2や管理装置3以外の装置のモニタ等に表示されたり、当該装置から貨幣処理装置2の制御部300に送信されることによって貨幣処理装置2の操作表示部302に表示されたりするようになる。
また、上記の説明では、異常情報出力手段301により出力された異常に係る情報を操作表示部302に表示させることにより当該情報を操作者に報知するような態様について述べたが、本実施の形態による貨幣処理システムはこのような態様に限定されることはない。他の例として、異常情報出力手段301により出力された異常に係る情報が音声等の表示以外の方法により操作者に報知されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態による貨幣処理装置2の硬貨処理装置110において、筐体112から引き出し可能な引出ユニット(図示せず)が設けられるとともに、引出ユニットを筐体112内でロックするロック機構(図示せず)が設けられてもよい。ここで、硬貨処理装置110に設けられるロック機構として、図1等に示す紙幣処理装置10に設けられたロック機構50と略同一の構成のものが用いられる。また、このような硬貨処理装置110では、筐体112内に引出ユニットが収容されていることを検知するための検知手段として、図1等に示す紙幣処理装置10に設けられた検知センサ59と略同一の構成の検知センサが用いられる。このような構成の硬貨処理装置110を備えた貨幣処理装置2では、硬貨処理装置110のロック機構による引出ユニットのロックを解除する指令が管理装置3から貨幣処理装置2に与えられていない状態で、硬貨処理装置110において検知センサによる検知結果に基づいて引出ユニットが筐体112に収容されている収容状態から筐体112から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力される。また、このような構成の硬貨処理装置110を備えた貨幣処理装置2では、硬貨処理装置110のロック機構による引出ユニットのロックを解除する指令を受け付けていない状態で検知センサによる検知結果に基づいて引出ユニットが筐体112に収容されている収容状態から筐体112から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力される。これらの技術的事項によれば、硬貨処理装置110においてロック機構が引出ユニットを不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態の引出ユニットが筐体112から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、貨幣処理装置2(具体的には、硬貨処理装置110)の構造をシンプルなものとすることができる。
また、本実施の形態による貨幣処理システム1において、貨幣処理装置2が管理装置3と通信可能に接続されておらず、貨幣処理装置2が単体で用いられるようになっていてもよい。この場合には、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令を操作者が操作表示部302によって制御部300に入力することにより、ロック機構50による引出ユニット13のロックが解除される。ここで、単体で用いられる貨幣処理装置2において、ロック機構50による引出ユニット13のロックを解除する指令を受け付けていない状態で検知センサ59による検知結果に基づいて引出ユニット13が筐体12に収容されている収容状態から筐体12から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段301により異常に係る情報が出力されるようになっている。このように、貨幣処理装置2が単体で用いられる場合でも、ロック機構50が引出ユニット13を不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態の引出ユニット13が筐体12から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、貨幣処理装置2の構造をシンプルなものとすることができる。
なお、本発明に係る有価媒体処理システムや有価媒体処理装置は、紙幣や硬貨からなる貨幣の処理を行う貨幣処理システム1や貨幣処理装置2に限定されることはない。本発明に係る有価媒体処理システムや有価媒体処理装置として、紙幣や硬貨以外の有価媒体(例えば、小切手や商品券等)の処理を行うものが用いられてもよい。
また、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗における顧客が立ち入ることができるフロント領域の精算所に設けられた貨幣釣銭機に、本発明の原理を適用することができるようになっている。このような本発明の原理が適用される貨幣釣銭機について図10乃至図15を用いて説明する。なお、図10は、本発明の原理が適用される貨幣釣銭機の外観を示す斜視図であり、図11は、図10に示す貨幣釣銭機における紙幣処理装置の内部構成を側方から見たときの構成図であり、図12は、図10に示す紙幣処理装置において引出ユニットを筐体の内部から手前側に引き出したときの状態を示す側面図である。また、図13は、図10に示す貨幣釣銭機における硬貨処理装置の内部構成を上方から見たときの構成図であり、図14は、図10に示す貨幣釣銭機において包装硬貨収納装置の収納ドロアを筐体から引き出したときの構成を上方から見たときの構成図である。また、図15は、図10に示す貨幣釣銭機およびPOSレジスタにおける制御系の構成を示す機能ブロック図である。
図10等に示すように、本発明の原理が適用される貨幣釣銭機500は、上下に並ぶよう配置された硬貨処理装置550および包装硬貨収納装置580と、これらの硬貨処理装置550や包装硬貨収納装置580の隣に並ぶよう配置された紙幣処理装置510とを備えており、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550の上方にはPOSレジスタ590が載置されるようになっている。紙幣処理装置510および硬貨処理装置550は、それぞれ、それぞれ硬貨や紙幣の処理処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置580は、各金種の包装硬貨を取り出し可能に収納するようになっている。また、POSレジスタ590は、貨幣釣銭機500の管理を行う管理装置として用いられるようになっている。
まず、紙幣処理装置510の構成について図10および図11を用いて具体的に説明する。図10および図11に示すように、紙幣処理装置510は、略直方体形状の筐体512と、筐体512の前面側に設けられた紙幣受入部520と、筐体512の前面側において紙幣受入部520の下方に設けられた紙幣払出部522と、筐体512の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部530と、筐体512の内部で紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を繰出可能な複数の紙幣収納部534、536、538とを備えている。なお、図11において、筐体512の右側の側面が紙幣処理装置510の手前側の面となっており、図11における左向きの方向が紙幣処理装置510の奥行き方向となっている。図11に示すように、搬送部530は、筐体512の中央位置に配置された周回搬送部530aおよび複数の接続搬送部530bから構成されている。また、紙幣受入部520、紙幣払出部522、出金リジェクト部524、収納カセット528を着脱自在に装着可能なカセット装着部526および3つの紙幣収納部534、536、538が、それぞれ、周回搬送部530aを取り囲むよう配置されている。また、図11に示すように、複数の接続搬送部530bの各々により、紙幣受入部520、紙幣払出部522、出金リジェクト部524、カセット装着部526および3つの紙幣収納部534、536、538の各々と、周回搬送部530aとの間をそれぞれ接続するようになっている。また、周回搬送部530aには識別部532が設けられており、この識別部532は、周回搬送部530aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行うようになっている。
周回搬送部530aは、図11における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に紙幣を1枚ずつ搬送することができるようになっている。また、搬送部530において、周回搬送部530aと各接続搬送部530bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部530aに沿って配置されている。
図10および図11に示すように、筐体512の前面には、紙幣受入部520の紙幣受入口520aと、紙幣払出部522の紙幣取出口522aとがそれぞれ設けられている。また、カセット装着部526の前面側には扉526aが設けられており、この扉526aを開くことにより収納カセット528をカセット装着部526に装着させたりこのカセット装着部526から収納カセット528を取り出したりすることができるようになっている。
紙幣受入部520には紙幣繰出機構521が設けられており、紙幣受入口520aに1枚あるいは複数枚の紙幣が投入されたことが検知されると紙幣繰出機構521が駆動されることにより紙幣が接続搬送部530bを介して周回搬送部530a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
紙幣払出部522は、各紙幣収納部534、536、538から周回搬送部530aに繰り出された紙幣を紙幣取出口522aにより筐体512の外部へ放出するようになっている。
出金リジェクト部524は、出金処理時において各紙幣収納部534、536、538から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により識別部532で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納するようになっている。また、紙幣受入部520から筐体512の内部に取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により識別部532で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部522に返却されるようになっている。
各紙幣収納部534、536、538は、識別部532の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納するようになっている。これらの紙幣収納部534、536、538には、紙幣処理装置510に入金された売上金としての紙幣や釣銭として出金されるべき紙幣が収納されるようになっている。具体的には、例えば紙幣収納部534には千円札が収納され、紙幣収納部536には二千円札および五千円札が混合状態で収納され、紙幣収納部538には一万円札が収納されるようになっている。また、各紙幣収納部534、536、538にはそれぞれ紙幣繰出機構535、537、539が設けられており、これらの紙幣収納部534、536、538に収納されている紙幣は各紙幣繰出機構535、537、539により接続搬送部530bを介して周回搬送部530a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
また、図12に示すように、図10に示す貨幣釣銭機500の紙幣処理装置510には、筐体512の内部から手前側に引き出すことができる引出ユニット513が設けられており、このような引出ユニット513に上述した紙幣受入部520、紙幣払出部522、出金リジェクト部524、カセット装着部526、搬送部530、各紙幣収納部534、536、538等が設けられている。また、筐体512の内部における引出ユニット513が収容される収容領域の後端部には検知センサ531(図15参照)が設けられているとともに、引出ユニット513の後端部には検知センサ531により検知される被検知板(図示せず)が取り付けられている。そして、引出ユニット513が筐体512の内部に収容されているときには検知センサ531により被検知板が検知されることによって、後述する紙幣制御部510aにおいて筐体512内に引出ユニット513が収容されていると判定される。一方、引出ユニット513が筐体512の内部から手前側に引き出されているときには検知センサ531により被検知板が検知されない。このことにより、後述する紙幣制御部510aにおいて筐体512内に引出ユニット513が収容されていないと判定される。また、引出ユニット513には、当該引出ユニット513を筐体512の内部にロックするためのロック機構529(図15参照)が設けられている。このようなロック機構529は、図1等に示す紙幣処理装置10に設けられたロック機構50と略同一の構成となっている。
次に、硬貨処理装置550の構成について説明する。図10および図13に示すように、硬貨処理装置550は、略直方体形状の筐体551と、筐体551の前面側に設けられた硬貨受入部552と、筐体551の前面側において硬貨受入部552の下方に設けられた硬貨払出部566と、筐体551の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部560とを備えている。
硬貨受入部552は、硬貨投入口を介して受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ筐体551内に取り込むようになっている。より詳細には、硬貨受入部552には繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構553(図15参照)が設けられており、硬貨受入部552に受け入れられた硬貨を検知するとこの硬貨繰出機構553が駆動されることにより当該硬貨繰出機構553によって硬貨が筐体551の内部に1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、図13に示すように、硬貨受入部552には、当該硬貨受入部552により筐体551の内部に繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部554が接続されている。
図13に示すように、入金搬送部554の途中には、硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う識別部556と、分岐部558とがそれぞれ設けられている。分岐部558は、識別部556による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部566から払い出されるべき硬貨を入金搬送部554から分岐させて出金搬送部562へ案内するようになっている。
一方、正常硬貨等の筐体551内に収納されるべき硬貨は入金搬送部554により各収納繰出部560へ搬送されるようになっている。収納繰出部560は硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能となるよう構成されている。具体的には、例えば日本国で流通している硬貨の6つの金種(500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨)に対応して6つの収納繰出部560が設けられており、入金搬送部554の上流側(すなわち、図13における下側)から低額順に各収納繰出部560に硬貨が金種毎に収納されるようになっている。また、収納繰出部560には、当該収納繰出部560に収納された硬貨を1枚ずつ出金搬送部562に繰り出す硬貨繰出機構(図示せず)が設けられている。
出金搬送部562は、収納繰出部560から繰り出された硬貨を硬貨払出部566へ搬送するようになっている。また、出金搬送部562は、分岐部558により入金搬送部554から分岐させられたリジェクト硬貨等を硬貨払出部566へ搬送するようになっている。
また、図10に示す貨幣釣銭機500の硬貨処理装置550には、筐体551の内部から手前側に引き出すことができる引出ユニット(図示せず)が設けられており、このような引出ユニットに上述した硬貨受入部552、入金搬送部554、各収納繰出部560、出金搬送部562、硬貨払出部566等が設けられている。また、筐体551の内部における引出ユニットが収容される収容領域の後端部には検知センサ569(図15参照)が設けられているとともに、引出ユニットの後端部には検知センサ569により検知される被検知板(図示せず)が取り付けられている。そして、引出ユニットが筐体551の内部に収容されているときには検知センサ569により被検知板が検知されることによって、後述する硬貨制御部550aにおいて筐体551内に引出ユニットが収容されていると判定される。一方、引出ユニットが筐体551の内部から手前側に引き出されているときには検知センサ569により被検知板が検知されない。このことにより、後述する硬貨制御部550aにおいて筐体551内に引出ユニットが収容されていないと判定される。また、引出ユニットには、当該引出ユニットを筐体551の内部にロックするためのロック機構570(図15参照)が設けられている。このようなロック機構570は、図1等に示す紙幣処理装置10に設けられたロック機構50と略同一の構成となっている。
次に、包装硬貨収納装置580の構成について具体的に説明する。図10および図14に示すように、包装硬貨収納装置580は、手前側の側面が開口している略直方体形状の筐体581と、筐体581内に収容可能となっているとともに当該筐体581から手前側に引き出し可能な収納ドロア582とを備えており、収納ドロア582には各金種の包装硬貨が例えば2列で収納されるようになっている(図14において、収納ドロア582に収納された各金種の包装硬貨を斜線で示している)。ここで、収納ドロア582には、包装硬貨を1本ずつ収納する収納部(ポケット)が複数個形成されており、各収納部に収納される包装硬貨の金種が予め設定されている。具体的には、図14において参照符号Aで示す領域には8本の100円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Bで示す領域には1本の500円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Cで示す領域には1本の50円の包装硬貨が収納可能となっている。また、図14において参照符号Dで示す領域には6本の10円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Eで示す領域には4本の1円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Fで示す領域には1本の5円の包装硬貨が収納可能となっている。
また、筐体581の内部における収納ドロア582が収容される収容領域の後端部には検知センサ587(図15参照)が設けられているとともに、収納ドロア582の後端部には検知センサ587により検知される被検知板(図示せず)が取り付けられている。そして、収納ドロア582が筐体581の内部に収容されているときには検知センサ587により被検知板が検知されることによって、後述する包装硬貨制御部580aにおいて筐体581内に収納ドロア582が収容されていると判定される。一方、収納ドロア582が筐体581の内部から手前側に引き出されているときには検知センサ587により被検知板が検知されない。このことにより、後述する包装硬貨制御部580aにおいて筐体581内に収納ドロア582が収容されていないと判定される。また、図15に示すように、包装硬貨収納装置580の筐体581の内部には、収納ドロア582が筐体581に完全に収容されたときに当該収納ドロア582を筐体581内にロックするためのロック機構586が設けられている。ここで、ロック機構586が収納ドロア582を筐体581の内部にロックしたときには、この収納ドロア582を筐体581から手前側に引き出すことができなくなり、よって収納ドロア582から包装硬貨を取り出すことができなくなる。
また、包装硬貨収納装置580の筐体581における前面開口の近傍には、収納ドロア582が筐体581から手前側に引き出されたり筐体581の内部に戻されたりする際に当該収納ドロア582に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段584が設けられている。具体的には、図14等に示すように、検知手段584は包装硬貨の中心孔の有無を検知するための光センサ584a、包装硬貨の直径を検知するための光センサ584bおよび筐体581からの収納ドロア582の引き出し量を検知するロータリエンコーダ584cを有している。ここで、各光センサ584aは発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光は、包装硬貨収納装置580の幅方向(図14における左右方向)に延びる光軸を通って受光素子に送られるようになっている。そして、収納ドロア582が筐体581から手前側に引き出されたり筐体581の内部に戻されたりする際に、収納ドロア582の各収納部に収納されている包装硬貨の中心孔の有無が光センサ584aにより検知されるようになる。また、各光センサ584bも発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光は、鉛直方向(図14の紙面に直交する方向)に延びる光軸を通って受光素子に送られるようになっている。そして、収納ドロア582が筐体581から手前側に引き出されたり筐体581の内部に戻されたりする際に、収納ドロア582の各収納部に収納されている包装硬貨の直径の大きさが光センサ584bにより検知されるようになる。前述したように、収納ドロア582において、各々の収納部に収納される包装硬貨の金種が予め設定されているため、光センサ584aおよび光センサ584bにより検知された包装硬貨の中心孔の有無や直径の大きさ、ならびにロータリエンコーダ584cにより検知された筐体581からの収納ドロア582の引き出し量に基づいて、収納ドロア582に収納された包装硬貨の金種毎の本数、および各包装硬貨が収納ドロア582内の所定の位置に正しく収納されているか否か等が検知されるようになっている。
なお、本実施の形態による包装硬貨収納装置580は上記の構成のものに限定されることはない。他の構成の包装硬貨収納装置580において、収納ドロア582に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段584として、収納ドロア582の収納部に収納される包装硬貨の有無および金種(材質)を検出するセンサを全ての収納部に配置するような方式のものが用いられてもよい。
次に、POSレジスタ590の構成について具体的に説明する。図10および図15に示すように、POSレジスタ590は、POS制御部591と、POS制御部591にそれぞれ接続されたモニタ等の表示部593および操作キー等の操作部594とを備えている。操作部594は、操作者が操作することができるようになっており、POS制御部591に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、表示部593は、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550における紙幣や硬貨の処理状況や、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報を表示するようになっている。また、POSレジスタ590には顧客が視認可能な追加の表示部593aが設けられており、様々な情報を表示部593に表示させる代わりに、あるいは表示部593における表示に加えて、追加の表示部593aにおいて表示が行われるようになっていてもよい。また、POSレジスタ590にはカードリーダ596および印字部597が設けられている(図15参照、図10では図示せず)。カードリーダ596は、店員等の操作者が携帯するIDカードを読み取ることにより当該操作者のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部597は例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報をレシートに印字するようになっている。
次に、このような貨幣釣銭機500における制御系の構成について図15を用いて説明する。図15に示すように、硬貨処理装置550は、CPU(中央演算処理ユニット)等の上位制御部502および硬貨制御部550aを有しており、これらの上位制御部502および硬貨制御部550aは互いに接続されている。また、紙幣処理装置510はCPU等の紙幣制御部510aを有しており、この紙幣制御部510aは硬貨処理装置550の上位制御部502に接続されている。また、包装硬貨収納装置580はCPU等の包装硬貨制御部580aを有しており、この包装硬貨制御部580aは硬貨処理装置550の上位制御部502に接続されている。また、POSレジスタ590に設けられたCPU等のPOS制御部591も硬貨処理装置550の上位制御部502に接続されている。また、図示していないが、POSレジスタ590のPOS制御部591は店舗サーバ等の上位端末と通信可能に接続されている。
図15に示すように、硬貨処理装置550の上位制御部502には、紙幣処理装置510、包装硬貨収納装置580およびPOSレジスタ590の各々と通信を行うための通信部503、操作表示部504、記憶部506がそれぞれ接続されている。この上位制御部502は、通信部503により、紙幣処理装置510の紙幣制御部510a、包装硬貨収納装置580の包装硬貨制御部580aおよびPOSレジスタ590のPOS制御部591に対して信号の送受信を行うようになっている。また、操作表示部504は硬貨処理装置550の筐体551の上面に設けられたタッチパネル等からなり、操作者が操作するための操作画面や、紙幣処理装置510、硬貨処理装置550および包装硬貨収納装置580の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報が操作表示部504に表示されるようになっている。このような操作表示部504において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって上位制御部502に様々な指令を入力することができるようになっている。記憶部506には、紙幣処理装置510、硬貨処理装置550および包装硬貨収納装置580の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報や、貨幣釣銭機500における貨幣の処理履歴等の様々な情報が記憶されるようになっている。また、記憶部506には、上位制御部502により実行することが可能なプログラムが記憶されている。このような記憶部506は、ROMやRAMなどのメモリー、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのディスク状記憶媒体、その他の公知な記憶媒体から構成され得る。そして、上位制御部502は、記憶部506に記録されているプログラムに沿って、紙幣処理装置510、硬貨処理装置550および包装硬貨収納装置580の各構成部材に処理を実行させるようになっている。
また、上位制御部502には異常情報出力手段508が接続されている。異常情報出力手段508は、ハーフロック状態の紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニット、包装硬貨収納装置580の収納ドロア582が筐体512、551、581から引き出されたときに異常に係る情報を出力するようになっている。このような異常情報出力手段508の機能の詳細については後述する。
また、紙幣処理装置510の紙幣制御部510aには、通信部540、紙幣繰出機構521、搬送部530、識別部532、紙幣繰出機構535、537、539、カセット装着部526、ロック機構529、検知センサ531等が接続されており、識別部532による紙幣の識別情報や検知センサ531による検知情報が紙幣制御部510aに送られるとともに、紙幣制御部510aは紙幣処理装置510の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、紙幣制御部510aは、通信部540により、硬貨処理装置550の上位制御部502に対して信号の送受信を行うようになっている。
また、硬貨処理装置550の硬貨制御部550aには、硬貨繰出機構553、入金搬送部554、識別部556、分岐部558、各収納繰出部560、出金搬送部562、検知センサ569、ロック機構570等が接続されており、識別部556による硬貨の識別情報や検知センサ569による検知情報が硬貨制御部550aに送られるとともに、硬貨制御部550aは硬貨処理装置550の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。
また、包装硬貨収納装置580の包装硬貨制御部580aには、通信部589、検知手段584、ロック機構586、検知センサ587および記憶部588等が接続されており、検知手段584による包装硬貨の検知情報や検知センサ587による検知情報が包装硬貨制御部580aに送られるとともに、包装硬貨制御部580aはロック機構586に指令信号を送ることにより当該ロック機構586の制御を行うようになっている。また、包装硬貨制御部580aは、通信部589により、硬貨処理装置550の上位制御部502に対して信号の送受信を行うようになっている。また、包装硬貨収納装置580の収納ドロア582に収納されている包装硬貨の在高の情報等が記憶部588に記憶されるようになっている。
また、POSレジスタ590のPOS制御部591には、表示部593、操作部594、記憶部595、通信部592、カードリーダ596、印字部597等がそれぞれ通信可能に接続されており、操作者により操作部594に入力された指令が当該操作部594からPOS制御部591に送られたり、カードリーダ596により読み取られた店員等の操作者のIDカードに係る情報がPOS制御部591に送られたりするようになっている。また、POS制御部591は表示部593に指令を送ることにより当該表示部593に様々な情報を表示させるようになっている。なお、POS制御部591は、表示部593に様々な情報を表示させる代わりに、あるいは表示部593における表示に加えて、追加の表示部593aにおいて表示を行わせるようになっていてもよい。また、POS制御部591は印字部597に指令を送ることにより当該印字部597により様々な情報をレシート等に印字させるようになっている。また、POSレジスタ590のPOS制御部591は、通信部592により、硬貨処理装置550の上位制御部502や店舗サーバ等の上位端末(図示せず)に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部595には、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550等から送信された、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550における硬貨や紙幣の処理状況や、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550、包装硬貨収納装置580の内部に収納されている硬貨や紙幣、包装硬貨の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣釣銭機500の動作について以下に説明する。なお、以下に示すような貨幣釣銭機500の動作は、各制御部502、510a、550a、580aが貨幣釣銭機500の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
紙幣処理装置510や硬貨処理装置550において紙幣や硬貨の入金処理や出金処理、精査処理等の処理が行われている間に、紙幣や硬貨が搬送部530や入金搬送部554等で詰まる等の異常(エラー)が発生すると、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550における紙幣や硬貨の処理が中断されるとともに、操作表示部504には異常の解除操作方法が各工程に対応して順に表示される。また、紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットの内部で紙幣や硬貨の詰まり等の異常が発生した場合には、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令がPOSレジスタ590から貨幣釣銭機500に送信される。そして、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令が上位制御部502に与えられると、紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックや硬貨処理装置550の引出ユニットのロックが解除される。このことにより、操作者は紙幣処理装置510の引出ユニット513を筐体512から手前側に引き出したり、硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体551から手前側に引き出したりすることができるようになる。
その後、操作者が紙幣処理装置510の引出ユニット513を筐体512から手前側に引き出したり、硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体551から手前側に引き出したりすると、紙幣処理装置510において検知センサ531により引出ユニット513が検知されなくなったり、硬貨処理装置550において検知センサ569により引出ユニットが検知されなくなったりする。そして、詰まりの原因となる紙幣や硬貨が操作者によって紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットから取り除かれ、異常が解消された後、操作者により紙幣処理装置510の引出ユニット513が筐体512の内部に戻されたり硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体551の内部に戻されたりするようになる。ここで、紙幣処理装置510の引出ユニット513が筐体512の内部に収容されると、検知センサ531により引出ユニット513が検知される。また、硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体551の内部に収容されると、検知センサ569により引出ユニットが検知される。その後、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550においてリセット動作が行われ、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550は待機状態に戻ったり、あるいは元の処理の続きが行われたりするようになる。このようにして本実施の形態における異常の解除操作に係る一連の動作が完了する。
なお、操作者が紙幣処理装置510の引出ユニット513を筐体512の内部に戻したり硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体551の内部に戻したりする際に、紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを押し込む力が弱い等により、ロック機構529、570が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまう場合がある。なお、ハーフロック状態の場合でも、検知センサ531により紙幣処理装置510の引出ユニット513が検知されたり、検知センサ569により硬貨処理装置550の引出ユニットが検知されたりするため、上位制御部502において紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551の内部に収容されていると判定される。しかしながら、ハーフロック状態の場合でも、操作者が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体512、551から手前側に引き出すことが可能となる。
ここで、操作者が紙幣処理装置510の引出ユニット513を筐体512の内部に戻したり硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体551の内部に戻したりする際に、ロック機構529、570が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまうと、この操作者が貨幣釣銭機500から離れた後に別の第三者により紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されることにより紙幣処理装置510や硬貨処理装置550に収納されている紙幣や硬貨がこの第三者によって持ち去られてしまうおそれがある。このため、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出された場合にはこのことを報知する必要がある。
この点について、本実施の形態の貨幣釣銭機500では、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令がPOSレジスタ590から貨幣釣銭機500に送信されず、当該指令を上位制御部502が受け付けていない状態で、検知センサ531、569による検知結果に基づいて紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551に収容されている収容状態から筐体512、551から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段508によって異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されたという情報)が出力されるようになっている。また、異常情報出力手段508により出力された異常に係る情報は操作表示部504に表示されるようになっており、このような操作表示部504による表示によってハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されたという情報が報知されるようになっている。このことにより、操作者が紙幣処理装置510の引出ユニット513を筐体512の内部に戻したり硬貨処理装置550の引出ユニットを筐体551の内部に戻したりする際に、紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを押し込む力が弱い等により、ロック機構529、570が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまった場合でも、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されると、この情報を操作表示部504によって報知することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣釣銭機500では、異常情報出力手段508により出力された異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されたという情報)が上位制御部502から通信部503により管理装置としてのPOSレジスタ590に送信されるようになっていてもよい。この場合には、POSレジスタ590において、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されたという情報を把握することができるようになる。また、異常情報出力手段508により異常に係る情報が出力されると、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550において紙幣や硬貨の処理を行うことができなくなるようにしてもよい。さらに、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550において紙幣や硬貨の処理が行われている最中に異常情報出力手段508により異常に係る情報が出力されると、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550における紙幣や硬貨の処理が停止されるようになっていてもよい。これらの技術的事項によれば、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出された場合に紙幣処理装置510や硬貨処理装置550において紙幣や硬貨の余分な処理が行われてしまうことを抑制することができるようになる。また、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550における紙幣や硬貨の処理が停止されると、停止された紙幣や硬貨の処理に係る情報が上位制御部502から通信部503によりPOSレジスタ590に送信されるようになっていてもよい。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣釣銭機500によれば、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令がPOSレジスタ590から貨幣釣銭機500に与えられていない状態で、検知センサ531、569による検知結果に基づいて紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551に収容されている収容状態から筐体512、551から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段508により異常に係る情報が出力されるようになっている。このような技術的事項によれば、ロック機構529、570が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、貨幣釣銭機500(具体的には、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550)の構造をシンプルなものとすることができる。
また、本実施の形態による貨幣釣銭機500は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
上述した態様では、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段508が貨幣釣銭機500の上位制御部502に接続されている例について述べたが、本実施の形態による貨幣釣銭機500はこのような態様に限定されることはない。他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段がPOSレジスタ590に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は当該POSレジスタ590の表示部593等に表示されたり、POSレジスタ590から貨幣釣銭機500の上位制御部502に送信されることによって貨幣釣銭機500の操作表示部504に表示されたりするようになる。また、更に他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段が貨幣釣銭機500やPOSレジスタ590以外の装置に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は、貨幣釣銭機500やPOSレジスタ590以外の装置のモニタ等に表示されたり、当該装置から貨幣釣銭機500の上位制御部502に送信されることによって貨幣釣銭機500の操作表示部504に表示されたりするようになる。
また、貨幣釣銭機500の包装硬貨収納装置580においても、ロック機構586による収納ドロア582のロックを解除する指令がPOSレジスタ590から貨幣釣銭機500に送信されず、当該指令を上位制御部502が受け付けていない状態で、検知センサ587による検知結果に基づいて収納ドロア582が筐体581に収容されている収容状態から筐体581から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段508によって異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態となっている収納ドロア582が筐体581から引き出されたという情報)が出力されるようになっていてもよい。この場合には、異常情報出力手段508により出力された異常に係る情報は操作表示部504に表示されるようになっており、このような操作表示部504による表示によってハーフロック状態となっている包装硬貨収納装置580の収納ドロア582が筐体581から引き出されたという情報が報知されるようになっている。このことにより、操作者が包装硬貨収納装置580の収納ドロア582を筐体581の内部に戻したりする際に、収納ドロア582を押し込む力が弱い等により、ロック機構586が収納ドロア582を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまった場合でも、ハーフロック状態となっている収納ドロア582が筐体581から引き出されると、この情報を操作表示部504によって報知することができるようになる。この場合には、ロック機構586が収納ドロア582を不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態となっている収納ドロア582が筐体581から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、包装硬貨収納装置580の構造をシンプルなものとすることができる。
また、本実施の形態では、貨幣釣銭機500がPOSレジスタ590と通信可能に接続されておらず、貨幣釣銭機500が単体で用いられるようになっていてもよい。この場合には、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令を操作者が操作表示部504によって上位制御部502に入力することにより、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックが解除される。ここで、単体で用いられる貨幣釣銭機500において、ロック機構529による紙幣処理装置510の引出ユニット513のロックやロック機構570による硬貨処理装置550の引出ユニットのロックを解除する指令を受け付けていない状態で、検知センサ531、569による検知結果に基づいて紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551に収容されている収容状態から筐体512、551から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段508により異常に係る情報が出力されるようになっている。このように、貨幣釣銭機500が単体で用いられる場合でも、ロック機構529、570が紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットを不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態となっている紙幣処理装置510の引出ユニット513や硬貨処理装置550の引出ユニットが筐体512、551から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、貨幣釣銭機500(具体的には、紙幣処理装置510や硬貨処理装置550)の構造をシンプルなものとすることができる。
また、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗における顧客が立ち入ることができないバックヤード領域の精算所に設けられた出納機としての有価媒体処理装置に、本発明の原理を適用することができるようになっている。このような本発明の原理が適用される有価媒体処理装置について図16乃至図18を用いて説明する。なお、図16は、本発明の原理が適用される有価媒体処理装置の外観を示す斜視図であり、図17は、図16に示す有価媒体処理装置における紙葉類処理機構および硬貨処理機構の内部構成を側方から見たときの構成図である。また、図18は、図16に示す有価媒体処理装置における制御系の構成を示す機能ブロック図である。
図16および図17に示すように、本実施の形態による有価媒体処理装置710は略直方体形状の筐体712を有しており、この筐体712内には、紙幣や商品券等の紙葉類の処理を行う紙葉類処理機構720および硬貨の処理を行う硬貨処理機構750がそれぞれ設けられている。また、図16等に示すように、有価媒体処理装置710を正面から見て右側部分には上方から順に紙葉類投入部722、リジェクト部730、およびスタッカ部732(後述)の前面開口を開閉するためのシャッター733がそれぞれ配設されている。また、有価媒体処理装置710を正面から見て左側部分には硬貨投入部752が配設されている。また、有価媒体処理装置710の上側部分には例えばタッチパネル等からなる操作表示部782が配設されている。また、有価媒体処理装置710の前面下部には下部扉714が設けられており、この下部扉714を開くことにより、筐体712内に収容された紙葉類回収カセット738、740(後述)や硬貨回収カセット768、770(後述)を筐体712の外部に引き出すことができるようになっている。
次に、このような有価媒体処理装置710における紙葉類処理機構720および硬貨処理機構750の構成の詳細についてそれぞれ図17を用いて以下に説明する。なお、図17においては、紙葉類処理機構720の構成と硬貨処理機構750の構成とを1枚の図面に表示するため、両処理機構が前後に位置するように模式的に示されている。図17に示すように、紙葉類処理機構720において、紙葉類投入部722には紙葉類繰出部723が設けられており、この紙葉類投入部722に積層状態で投入された紙幣や商品券等の紙葉類は紙葉類繰出部723により1枚ずつ有価媒体処理装置710の筐体712内に繰り出されるようになっている。また、紙葉類投入部722には紙葉類搬送部724が接続されており、紙葉類繰出部723により紙葉類投入部722から繰り出された紙幣や商品券等の紙葉類は紙葉類搬送部724により1枚ずつ搬送されるようになっている。また、紙葉類搬送部724には紙葉類識別部726が介設されており、紙葉類搬送部724により搬送される紙幣や商品券等の紙葉類は紙葉類識別部726によりその種類や金種等について識別が行われるようになっている。より詳細には、紙葉類識別部726には撮像部としてイメージセンサ727が設けられており、このイメージセンサ727により紙幣や商品券等の紙葉類の表面が撮像されてその画像データが取得されるようになっている。また、紙葉類識別部726は、イメージセンサ727により取得された紙幣や商品券の画像データに基づいて、紙幣の記番号や商品券の券番号(以下、これらをまとめて有価媒体の識別番号ともいう)を取得するようになっている。
また、紙葉類搬送部724における紙葉類識別部726よりも下流側には消し込み部728が設けられている。消し込み部728は例えばインクジェットプリンタ等からなり、紙葉類識別部726により識別が行われた紙葉類が商品券である場合には、このような商品券の表面に対して消し込み部728により「済」印等の所定の内容が印字されるようになっている。このことにより、有価媒体処理装置710の筐体712内に投入されて紙葉類識別部726により識別が行われた商品券について、所定の内容が印字されることにより、操作者はこのような商品券が紙葉類処理機構720で処理済のものであることを視認することができるようになる。なお、消し込み部728により商品券に印字される内容や位置は任意に設定することができるようになっている。また、商品券の種類に応じて、消し込み部728による印字を行うか否かの設定を行うことができるようになっている。
また、図17に示すように、紙葉類搬送部724にはリジェクト部730が接続されており、紙葉類識別部726により識別された紙葉類のうち、正常な紙幣ではないと識別された紙幣や予め設定された所定の種類のものではない商品券がリジェクト券として紙葉類搬送部724からリジェクト部730に送られてこのリジェクト部730に集積されるようになっている。リジェクト部730は有価媒体処理装置710の筐体712の外部から操作者がアクセス可能となっており、リジェクト部730に集積されたリジェクト券は操作者により筐体712の外部に取り出されるようになっている。
また、図17に示すように、紙葉類搬送部724にはスタッカ部732が接続されており、このスタッカ部732には、紙葉類搬送部724から送られた100枚程度までの紙葉類が集積されるようになっている。スタッカ部732は、シャッター733を介して外部からアクセス可能となっており、シャッター733の開放時に外部から紙葉類を取り出し可能となっている。もっとも、シャッター733の設置を省略することも可能である。その場合は、スタッカ部731は、リジェクト部730と同様に、常時外部からアクセス可能(紙葉類を取り出し可能)となる。
また、図17に示すように、紙葉類搬送部724には第1の紙葉類一時保留部734および第2の紙葉類一時保留部736がそれぞれ接続されており、紙葉類識別部726により識別された紙葉類のうち予め設定された所定の種類の紙葉類が紙葉類搬送部724から第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に送られてこれらの第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に一時的に保留されるようになっている。また、第1の紙葉類一時保留部734の下方には第1の紙葉類回収カセット738が設けられているとともに、第2の紙葉類一時保留部736の下方には第2の紙葉類回収カセット740が設けられている。そして、第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に紙葉類が一時的に保留された後、有価媒体処理装置710の制御部780(後述)に対して操作表示部782(後述)により入金確定の指令が与えられると、第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736の底面が開放されてこれらの第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に一時的に保留されている紙葉類が第1の紙葉類回収カセット738や第2の紙葉類回収カセット740に収納されるようになっている。これらの第1の紙葉類回収カセット738や第2の紙葉類回収カセット740は、有価媒体処理装置710の筐体712から取り外し可能となっており、第1の紙葉類回収カセット738や第2の紙葉類回収カセット740を筐体712から取り外すことによりこれらの第1の紙葉類回収カセット738や第2の紙葉類回収カセット740に収納されている紙葉類を取り出すことができるようになっている。
また、第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に紙葉類が一時的に保留された後、有価媒体処理装置710の制御部780(後述)に対して操作表示部782(後述)により返却指令が与えられると、第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736に一時的に保留された紙葉類が有価媒体処理装置710の筐体712の外部に返却されるようになっている。ここで、第1の紙葉類一時保留部734や第2の紙葉類一時保留部736は、第1の紙葉類回収カセット738や第2の紙葉類回収カセット740から独立して有価媒体処理装置710の筐体712から手前側に引き出し可能となっている。具体的には、図16に示すように、有価媒体処理装置710の前面において下部扉714の右上箇所に一時保留部用扉716が設けられており、第1の紙葉類一時保留部734内の保留紙幣を回収する際には、この一時保留部用扉716を開くことで第1の紙葉類一時保留部734内の保留紙幣を取り出すことができるようになっている。一方、第2の紙葉類一時保留部736内の保留紙幣を回収する際には、この一時保留部用扉716を開き、第1の紙葉類一時保留部734および第2の紙葉類一時保留部736をそれぞれ筐体712から手前側に引き出すことで第2の紙葉類一時保留部736の上面から保留紙幣を取り出すことができるようになる。
次に、硬貨処理機構750の構成について以下に説明する。図16および図17に示すように、硬貨処理機構750には例えばホッパ等からなる硬貨投入部752が設けられており、この硬貨投入部752には硬貨搬送部754が接続されている。ここで、硬貨投入部752に投入された硬貨は硬貨搬送部754により一層一列状態で1枚ずつ搬送されるようになっている。また、硬貨搬送部754には硬貨識別部756が設けられており、硬貨搬送部754により搬送される硬貨は硬貨識別部756によりその真偽や金種等について識別が行われるようになっている。また、硬貨識別部756よりも硬貨の搬送方向における下流側において、硬貨搬送部754の搬送面には硬貨リジェクト口および2つの分岐口がそれぞれ設けられており、これらの硬貨リジェクト口や各分岐口にはソレノイド付き選別部材(図示せず)がそれぞれ設けられている。そして、各ソレノイド付き選別部材により、硬貨搬送部754により搬送される硬貨が硬貨リジェクト口や各分岐口に選択的に入れられ、硬貨搬送部754から分岐されるようになっている。
図17に示すように、硬貨搬送部754における硬貨リジェクト口の下方には硬貨リジェクトシュート758を介して硬貨リジェクト部760が設けられている。ここで、硬貨識別部756により識別された硬貨のうち、正常な硬貨ではないリジェクト硬貨は硬貨リジェクト口により硬貨搬送部754から分岐されて硬貨リジェクトシュート758に送られ、この硬貨リジェクトシュート758により硬貨リジェクト部760に導かれるようになっている。このような硬貨リジェクト部760は有価媒体処理装置710の筐体712の外部に取り出し可能となっており、操作者は、硬貨リジェクト部760を筐体712の外部に取り出した後、この硬貨リジェクト部760からリジェクト硬貨を取り出すようになっている。
また、硬貨搬送部754に設けられた2つの分岐口の各々の下方には第1の硬貨搬送シュート761および第2の硬貨搬送シュート763を介して第1の硬貨一時保留部762および第2の硬貨一時保留部764がそれぞれ設けられており、所定の金種の硬貨がそれぞれ硬貨搬送部754から分岐口により分岐されて第1の硬貨搬送シュート761や第2の硬貨搬送シュート763に送られ、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764に一時的に保留されるようになっている。ここで、第1の硬貨一時保留部762および第2の硬貨一時保留部764はそれぞれ、上方および下方が開口された枠体と、この枠体の下方開口を選択的に閉じる底板とを有しており、枠体の下方開口を底板が閉じた状態で、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764に硬貨が一時的に保留されるようになっている。
また、図17に示すように、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764の下方には、硬貨返却箱766、第1の硬貨回収カセット768および第2の硬貨回収カセット770がそれぞれ設けられており、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764に一時的に保留された硬貨は、これらの硬貨返却箱766、第1の硬貨回収カセット768および第2の硬貨回収カセット770のうち何れかに送られるようになっている。ここで、第1の硬貨回収カセット768には第1の硬貨一時保留部762に一時的に保留された硬貨が送られるようになっており、また、第2の硬貨回収カセット770には第2の硬貨一時保留部764に一時的に保留された硬貨が送られるようになっている。また、硬貨返却箱766は2つの領域に区分けされている。そして、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764に硬貨が一時的に保留された後、有価媒体処理装置710の制御部780(後述)に対して操作表示部782(後述)により入金確定の指令が与えられると、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764の枠体が水平方向に移動して、この枠体内にある硬貨がそれぞれ第1の硬貨回収カセット768や第2の硬貨回収カセット770に収納されるようになる。これらの第1の硬貨回収カセット768や第2の硬貨回収カセット770は、有価媒体処理装置710の筐体712から取り外し可能となっており、第1の硬貨回収カセット768や第2の硬貨回収カセット770を筐体712から取り外すことによりこれらの第1の硬貨回収カセット768や第2の硬貨回収カセット770に収納されている硬貨を取り出すことができるようになっている。
また、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764に硬貨が一時的に保留された後、有価媒体処理装置710の制御部780(後述)に対して操作表示部782(後述)により返却指令が与えられると、第1の硬貨一時保留部762や第2の硬貨一時保留部764の底板が水平方向に移動して枠体の下部開口が開くことにより、この枠体内にある硬貨が硬貨返却箱766に収納される。ここで、前述したように硬貨返却箱766は2つの領域に区分けされており、第1の硬貨一時保留部762および第2の硬貨一時保留部764からそれぞれ送られた硬貨が、2つに区分けされた各領域に収納されるようになる。硬貨返却箱766は有価媒体処理装置710の筐体712から前方に引き出し可能となっており、硬貨返却箱766を筐体712から前方に引き出すことにより操作者はこの硬貨返却箱766から返却硬貨を取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態では、第1の紙葉類回収カセット738、第2の紙葉類回収カセット740、第1の硬貨回収カセット768および第2の硬貨回収カセット770はそれぞれ引出ユニット713に収容されており、この引出ユニット713から各カセット738、740、768、770を取り出し可能となっている。また、引出ユニット713は筐体712から引き出し可能となっている。また、筐体712の内部における引出ユニット713が収容される収容領域の後端部には検知センサ776が設けられているとともに、引出ユニット713の後端部には検知センサ776により検知される被検知板(図示せず)が取り付けられている。そして、引出ユニット713が筐体712の内部に収容されているときには検知センサ776により被検知板が検知されることによって、後述する制御部780において筐体712内に引出ユニット713が収容されていると判定される。一方、引出ユニット713が筐体712の内部から手前側に引き出されているときには検知センサ776により被検知板が検知されない。このことにより、後述する制御部780において筐体712内に引出ユニット713が収容されていないと判定される。また、引出ユニット713には、当該引出ユニット713を筐体712の内部にロックするためのロック機構775(図18参照)が設けられている。このようなロック機構775は、図1等に示す紙幣処理装置10に設けられたロック機構50と略同一の構成となっている。
また、図18に示すように、本実施の形態の有価媒体処理装置710では、この有価媒体処理装置710における各構成要素の制御を行うCPU(中央演算処理ユニット)等の制御部780が設けられている。より詳細には、制御部780には紙葉類処理機構720、硬貨処理機構750、ロック機構775、検知センサ776等がそれぞれ接続されており、この制御部780から各構成要素に指令信号が送られることにより、これらの各構成要素が制御されるようになっている。また、前述したように、有価媒体処理装置710の上側部分には例えばタッチパネル等からなる操作表示部782が配設されているが、この操作表示部782も制御部780に接続されており、このことにより、操作者は操作表示部782によって制御部780に対して様々な指令を与えたり、あるいは操作表示部782における表示内容が制御部780により制御されたりするようになっている。このような操作表示部782には、例えば操作ガイダンスや入金処理時の取引データ、あるいは各回収カセット738、740、768、770に収納された貨幣や商品券の在高等のデータが表示されるようになっている。
また、制御部780には記憶部784が接続されており、この記憶部784には、入金処理時の取引データや、各回収カセット738、740、768、770に収納された貨幣や商品券の在高等のデータが記憶されるようになっている。また、本実施の形態では、制御部780は、紙葉類投入部722により筐体712内に投入され、紙葉類識別部726により識別が行われた紙幣や商品券等の有価媒体について、当該紙葉類識別部726においてイメージセンサ727により取得された有価媒体の画像データに基づいて取得された有価媒体の識別番号(具体的には、紙幣の記番号や商品券の券番号)を記憶部784に記憶させるようになっている。また、記憶部784には、制御部780により実行することが可能なプログラムが記憶されている。このような記憶部784は、ROMやRAMなどのメモリー、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのディスク状記憶媒体、その他の公知な記憶媒体から構成され得る。そして、制御部780は、記憶部784に記録されているプログラムに沿って、有価媒体処理装置710の各構成部材に処理を実行させるようになっている。
また、制御部780には、操作者の管理権限を認証するための認証部786が設けられている。認証部786は、例えば有価媒体処理装置710の上側部分における操作表示部782の右側に配置され、操作者が携帯するICカードの読み取りを行うICカードリーダ783(図16参照)からなり、このようなICカードリーダ783で操作者が携帯するICカードの読み取りを行うことによりこの操作者の管理権限が店舗側の管理権限および警送会社側の管理権限のうち何れかを判定するようになっている。また、制御部780にはプリンタ788が接続されており、このプリンタ788により、入金処理時の取引データや、有価媒体処理装置710の締め処理や回収処理の際における各回収カセット738、740、768、770やスタッカ部732に収納された貨幣や商品券の在高等のデータ等の印字が行われるようになっている。また、制御部780には通信部790が接続されており、この通信部790により、有価媒体処理装置710の制御部780は外部の管理装置792に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。具体的には、有価媒体処理装置710の入金処理時の取引データが通信部790を介して管理装置792に送信されたり、有価媒体処理装置710の様々な設定情報等が通信部790により管理装置792から受信されたりするようになっている。
また、図18に示すように、制御部780は、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段781を有している。ここで、異常情報出力手段781により出力される異常に係る情報は、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されたという情報である。このような異常情報出力手段781の機能の詳細については後述する。
次に、このような構成からなる有価媒体処理装置710の動作について以下に説明する。なお、以下に示すような有価媒体処理装置710の動作は、制御部780が有価媒体処理装置710の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
有価媒体処理装置710において紙葉類や硬貨の入金処理や出金処理が行われている間に、例えば紙葉類処理機構720や硬貨処理機構750において紙葉類や硬貨が詰まる等の異常(エラー)が発生すると、紙葉類処理機構720や硬貨処理機構750における紙葉類や硬貨の処理が中断されるとともに、操作表示部782には異常の解除操作方法が各工程に対応して順に表示される。また、引出ユニット713の内部(例えば、各カセット738、740、768、770等)で紙葉類や硬貨の詰まり等の異常が発生した場合には、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令が管理装置792から有価媒体処理装置710に送信される。そして、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令が制御部780に与えられると、ロック機構775による引出ユニット713のロックが解除される。このことにより、操作者は引出ユニット713を筐体712から手前側に引き出すことができるようになる。
その後、操作者が引出ユニット713を筐体712から手前側に引き出すと、検知センサ776により引出ユニット713の被検知板が検知されなくなる。そして、詰まりの原因となる紙葉類や硬貨が操作者によって引出ユニット713から取り除かれ、異常が解消された後、操作者が引出ユニット713を筐体712の内部に押し込むと、引出ユニット713は筐体712の内部にロックされるようになる。また、引出ユニット713が筐体712の内部に収容されると、検知センサ776により引出ユニット713の被検知板が検知される。このようにして操作者により引出ユニット713が筐体712の内部に収容されると、有価媒体処理装置710においてリセット動作が行われ、有価媒体処理装置710は待機状態に戻ったり、あるいは元の処理の続きが行われたりするようになる。このようにして本実施の形態における異常の解除操作に係る一連の動作が完了する。
なお、操作者が引出ユニット713を筐体712の内部に戻す際に、引出ユニット713を押し込む力が弱い等により、ロック機構775が引出ユニット713を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまう場合がある。なお、ハーフロック状態の場合には、引出ユニット713の後端部に設けられている被検知板が検知センサ759により検知されることによって、制御部780において筐体712内に引出ユニット713が収容されていると判定される。しかしながら、このようなハーフロック状態から操作者が引出ユニット713を筐体712から手前側に引き出すことが可能となる。
ここで、操作者が引出ユニット713を筐体712の内部に戻す際に、ロック機構775が引出ユニット713を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまうと、この操作者が有価媒体処理装置710から離れた後に別の第三者により引出ユニット713が筐体712から引き出されることにより各回収カセット738、740、768、770がこの第三者によって持ち去られてしまうおそれがある。このため、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出された場合にはこのことを報知する必要がある。
この点について、本実施の形態の有価媒体処理装置710では、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令が管理装置792から有価媒体処理装置710に送信されず、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令を制御部780が受け付けていない状態で、検知センサ776による検知結果に基づいて引出ユニット713が筐体712に収容されている収容状態から筐体712から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段781によって異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されたという情報)が出力されるようになっている。また、異常情報出力手段781により出力された異常に係る情報は操作表示部782に表示されるようになっており、このような操作表示部782による表示によってハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されたという情報が報知されるようになっている。このことにより、操作者が引出ユニット713を筐体712の内部に戻す際に、引出ユニット713を押し込む力が弱い等により、ロック機構775が引出ユニット713を不完全にロックするようなハーフロック状態となってしまった場合でも、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されると、この情報を操作表示部782によって報知することができるようになる。
また、本実施の形態の有価媒体処理装置710では、異常情報出力手段781により出力された異常に係る情報(具体的には、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されたという情報)が制御部780から通信部790により管理装置792に送信されるようになっていてもよい。この場合には、管理装置792において、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されたという情報を把握することができるようになる。また、異常情報出力手段781により異常に係る情報が出力されると、有価媒体処理装置710において紙葉類や硬貨の処理を行うことができなくなるようにしてもよい。さらに、有価媒体処理装置710において紙葉類や硬貨が行われている最中に異常情報出力手段781により異常に係る情報が出力されると、有価媒体処理装置710における紙葉類や硬貨の処理が停止されるようになっていてもよい。これらの技術的事項によれば、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出された場合に有価媒体処理装置710において紙葉類や硬貨の余分な処理が行われてしまうことを抑制することができるようになる。また、有価媒体処理装置710における紙葉類や硬貨の処理が停止されると、停止された紙葉類や硬貨の処理に係る情報が制御部780から通信部790により管理装置792に送信されるようになっていてもよい。
以上のような構成からなる本実施の形態の有価媒体処理装置710によれば、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令が管理装置792から有価媒体処理装置710に与えられていない状態で検知センサ776による検知結果に基づいて引出ユニット713が筐体712に収容されている収容状態から筐体712から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段781により異常に係る情報が出力されるようになっている。このような技術的事項によれば、ロック機構775が引出ユニット713を不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、有価媒体処理装置710の構造をシンプルなものとすることができる。
また、本実施の形態による有価媒体処理装置710は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
上述した態様では、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段781が有価媒体処理装置710の制御部780に設けられている例について述べたが、本実施の形態による有価媒体処理装置710はこのような態様に限定されることはない。他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段が管理装置792に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は当該管理装置792のモニタ等に表示されたり、管理装置792から有価媒体処理装置710の制御部780に送信されることによって有価媒体処理装置710の操作表示部782に表示されたりするようになる。また、更に他の例として、異常に係る情報を出力する異常情報出力手段が有価媒体処理装置710や管理装置792以外の装置に設けられていてもよい。この場合には、異常情報出力手段により出力された異常に係る情報は、有価媒体処理装置710や管理装置792以外の装置のモニタ等に表示されたり、当該装置から有価媒体処理装置710の制御部780に送信されることによって有価媒体処理装置710の操作表示部782に表示されたりするようになる。
また、本実施の形態による有価媒体処理装置710が管理装置792と通信可能に接続されておらず、有価媒体処理装置710が単体で用いられるようになっていてもよい。この場合には、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令を操作者が操作表示部782によって制御部780に入力することにより、ロック機構775による引出ユニット713のロックが解除される。ここで、単体で用いられる有価媒体処理装置710において、ロック機構775による引出ユニット713のロックを解除する指令を受け付けていない状態で検知センサ776による検知結果に基づいて引出ユニット713が筐体712に収容されている収容状態から筐体712から引き出された引出状態になったと判定されたときに、異常情報出力手段781により異常に係る情報が出力されるようになっている。このように、有価媒体処理装置710が単体で用いられる場合でも、ロック機構775が引出ユニット713を不完全にロックしているハーフロック状態を検知するハーフロック状態検知部を設けなくても、ハーフロック状態の引出ユニット713が筐体712から引き出されると異常に係る情報を出力することができるため、有価媒体処理装置710の構造をシンプルなものとすることができる。
なお、上記の説明では、本発明の原理を、銀行等の金融機関の事務所スペースに設置される貨幣処理システム、商業施設の店舗における顧客が立ち入ることができるフロント領域の精算所に設けられた貨幣釣銭機、および商業施設の店舗における顧客が立ち入ることができないバックヤード領域の精算所に設けられた出納機としての有価媒体処理装置にそれぞれ適用した例について述べたが、本発明の原理が適用される有価媒体処理装置や有価媒体処理システムはこのような例に限定されることはない。本発明の原理が適用される有価媒体処理装置として、他の様々な種類の装置を用いることができる。