JP2019181735A - 積層体の製造方法及び基材の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法及び基材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019181735A
JP2019181735A JP2018072619A JP2018072619A JP2019181735A JP 2019181735 A JP2019181735 A JP 2019181735A JP 2018072619 A JP2018072619 A JP 2018072619A JP 2018072619 A JP2018072619 A JP 2018072619A JP 2019181735 A JP2019181735 A JP 2019181735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
layer
inorganic layer
group
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018072619A
Other languages
English (en)
Inventor
祐輔 佐藤
Yusuke Sato
祐輔 佐藤
木寺 信隆
Nobutaka Kidera
信隆 木寺
陽司 中島
Yoji Nakajima
陽司 中島
細田 朋也
Tomoya Hosoda
朋也 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2018072619A priority Critical patent/JP2019181735A/ja
Publication of JP2019181735A publication Critical patent/JP2019181735A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】寸法安定性及び電気特性に優れ、かつ無機層とフッ素樹脂層との接着性に優れる積層体を製造できる方法、及び積層体の製造に好適に用いられる基材の製造方法の提供。【解決手段】25℃における抵抗率が102Ω・cm以上である無機層20と、無機層20の表面に設けられた、下記フッ素樹脂を含むフッ素樹脂層22とを有する積層体11を製造する方法であり、無機層20を有する第1の基材の無機層20の表面、及びフッ素樹脂層22を有する第2の基材のフッ素樹脂層22の表面のいずれか一方又は両方を表面処理し、第1の基材と第2の基材とを無機層20とフッ素樹脂層22とが接した状態でフッ素樹脂の融点以上で熱圧着する、積層体の製造方法。フッ素樹脂:カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、溶融成形可能であるフッ素樹脂。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体の製造方法、及び積層体の製造方法に用いられる基材の製造方法に関する。
電子機器の薄型化、軽量化に対する要求がますます強くなり、半導体パッケージやプリント配線板の薄型化、高密度化が進んでいる。薄型化、高密度化に対応して半導体パッケージやプリント配線板に電子部品を安定に実装するためには、実装時に生じるそりを抑えることが重要になる。電子部品の実装時における半導体パッケージやプリント配線板のそりを抑えるためには、半導体パッケージやプリント配線板に用いる積層体の熱膨張係数を電子部品の熱膨張係数に近付けること及び積層体の弾性率を高めること、すなわち積層体の寸法安定性に優れることが望まれる。
寸法安定性に優れたプリント配線板用の積層体としては、ガラスフィルムと、エポキシ樹脂及び銅箔からなる銅張積層板とを積層したものが提案されている(特許文献1)。
また、寸法安定性及び電気特性に優れたプリント配線板用の積層体としては、無機基板(ガラス基板、セラミック基板、半導体基板)と、フッ素樹脂フィルムと、ポリイミド及び銅箔からなる銅張積層板とを積層したものが提案されている(特許文献2)。
特表2004−512667号公報 特開2011−11457号公報
特許文献1に記載の積層体は、フッ素樹脂層を有さないため、電気特性が不充分である。そのため、特許文献1に記載の積層体を用いた半導体パッケージやプリント配線板は、高周波帯域の周波数に充分に対応できない。
特許文献2に記載の積層体は、無機基板とフッ素樹脂フィルムとの接着性が不充分である。
本発明は、寸法安定性及び電気特性に優れ、かつ無機層とフッ素樹脂層との接着性に優れる積層体を製造できる方法、及び積層体の製造に好適に用いられる基材の製造方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層と、前記無機層の表面に設けられた、下記フッ素樹脂を含むフッ素樹脂層とを有する積層体を製造する方法であり、前記無機層を有する第1の基材の前記無機層の表面、及び前記フッ素樹脂層を有する第2の基材の前記フッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方を表面処理し、前記第1の基材と前記第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で前記フッ素樹脂の融点以上で熱圧着する、積層体の製造方法。
フッ素樹脂:カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、溶融成形可能であるフッ素樹脂。
<2>前記無機層の表面及び前記フッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方をプラズマ処理する、前記<1>の積層体の製造方法。
<3>前記無機層の表面をウェット処理する、前記<1>の積層体の製造方法。
<4>前記無機層の表面をウェット処理し、前記フッ素樹脂層の表面をプラズマ処理する、前記<1>の積層体の製造方法。
<5>前記第1の基材と前記第2の基材とを、前記フッ素樹脂の融点以上で、かつ0.2MPa以上の圧力で熱圧着する、前記<1>〜<4>のいずれかの積層体の製造方法。
<6>前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する含フッ素共重合体である、前記<1>〜<5>のいずれかの積層体の製造方法。
<7>前記無機層の表面を表面処理し、表面処理された前記無機層の表面の算術平均粗さRaが1.0μm以下である、前記<1>〜<6>のいずれかの積層体の製造方法。
<8>前記無機層の材料が、ガラス、セラミックス又は半導体である、前記<1>〜<7>のいずれかの積層体の製造方法。
<9>前記第1の基材が前記無機層のみを有する、又は前記第1の基材が両方の最表層に前記無機層を有し、前記第1の基材を2枚の前記第2の基材で挟んで熱圧着する、前記<1>〜<8>のいずれかの積層体の製造方法。
<10>前記第2の基材が前記フッ素樹脂層のみを有し、前記第1の基材と前記第2の基材とを熱圧着した後又は圧着すると同時に、前記フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する、前記<1>〜<9>のいずれかの積層体の製造方法。
<11>前記第2の基材が、金属箔からなる金属層をさらに有する、前記<1>〜<9>のいずれかの積層体の製造方法。
<12>前記無機層に孔が形成されている、前記<1>〜<11>のいずれかの積層体の製造方法。
<13>25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層を有する第1の基材と、フッ素樹脂層を有する第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で熱圧着する際に用いられる前記第1の基材を製造する方法であり、前記第1の基材の前記無機層の表面をウェット処理又はプラズマ処理する、第1の基材の製造方法。
<14>25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層を有する第1の基材と、下記フッ素樹脂を含むフッ素樹脂層を有する第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で熱圧着する際に用いられる前記第2の基材を製造する方法であり、前記第2の基材の前記フッ素樹脂層の表面をプラズマ処理する、第2の基材の製造方法。
フッ素樹脂:カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、溶融成形可能であるフッ素樹脂。
本発明の積層体の製造方法によれば、寸法安定性及び電気特性に優れ、かつ無機層とフッ素樹脂層との接着性に優れる積層体を製造できる。
本発明の基材の製造方法によれば、本発明の積層体の製造方法に好適に用いられる基材を製造できる。
本発明における積層体の一例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。 本発明における積層体の他の例を示す断面図である。 例6の剥離試験後の積層体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 例12の剥離試験後の積層体の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが0.01〜1000g/10分となる温度が存在することを意味する。
「MFR」は、JIS K 7210−1:2014(対応国際規格ISO 1133−1:2011)に規定されるメルトマスフローレイトである。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度を意味する。
「比誘電率」は、ASTM D 150に準拠した変成器ブリッジ法にしたがい、温度を23℃±2℃の範囲内、相対湿度を50%±5%RHの範囲内に保持した試験環境において、絶縁破壊試験装置を用いて1MHzで求めた値である。高周波数帯では、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)法により、23℃±2℃、50±5%RHの範囲内の環境下にて、周波数20GHzで測定される値である。
「25℃における抵抗率」は、JIS K 7194−1994に準拠し、一直線状に等間隔に配列した探針間隔5mmのプローブを用い、試料の5点以上を測定した平均値である。
「算術平均粗さRa」は、JIS B 0601:2013(対応国際規格ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される。算術平均粗さRaを求める際の、粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとする。
「Ra(AFM)」は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したときの算術平均粗さRaである。Ra(AFM)は、Oxford Instruments社製のAFMを用いて測定された値である。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を有する基を意味する。
「酸無水物基」とは、−C(=O)−O−C(=O)−で表される基を意味する。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1〜図4における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<積層体>
本発明の製造方法で得られる積層体は、無機層と、無機層の表面に設けられたフッ素樹脂層とを有する。
積層体は、フッ素樹脂層の表面に設けられた金属層をさらに有することが好ましい。
積層体は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて無機層、フッ素樹脂層及び金属層以外の層(以下、「他の層」とも記す。)を有していてもよい。
図1は、本発明における積層体の一例を示す断面図である。
積層体11は、無機層20と、無機層20の第1の面に設けられたフッ素樹脂層22とを有する。
図2は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体12は、無機層20と、無機層20の第1の面に設けられたフッ素樹脂層22と、フッ素樹脂層22の表面に設けられた金属層24とを有する。
図3は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体13は、無機層20と、無機層20の第1の面及び第2の面のそれぞれに設けられたフッ素樹脂層22とを有する。
図4は、本発明における積層体の他の例を示す断面図である。
積層体14は、無機層20と、無機層20の第1の面及び第2の面のそれぞれに設けられたフッ素樹脂層22と、フッ素樹脂層22の表面に設けられた金属層24とを有する。
(無機層)
無機層は、本発明の製造方法で用いた基材における無機層に由来する層である。
無機層には、スルーホール、ビアホール等の孔が形成されていてもよい。
無機層の25℃における抵抗率は、10Ω・cm以上であり、10Ω・cm以上が好ましく、10Ω・cm以上がより好ましい。無機層の25℃における抵抗率が前記範囲以上であれば、金属層が除外される。金属以外の無機材料からなる無機層は、半導体パッケージやプリント配線板における基板として好適に用いることができる。無機層の25℃における抵抗率は高ければ高いほどよく、上限値は限定されない。
無機層の材料としては、半導体パッケージやプリント配線板における基板として好適である点から、ガラス、セラミックス又は半導体が好ましく、ガラスがより好ましい。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、ソーダカリガラス、ソーダアルミケイ酸塩ガラス、アルミノボレートガラス、アルミノボロシリケートガラス、低膨張ガラス、石英ガラス、ポーラスガラス等が挙げられる。
セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コディライト、ステアタイト、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
半導体としては、シリコン、ゲルマニウム、セレン、錫、テルル、GeAs、GaP、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、InP、InAs、InSb、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、AlGaAs、GaInAs、AlInAs、AlGaInAs等が挙げられる。
無機層の厚さは、0.05〜2.00mmが好ましく、0.10〜1.00mmがより好ましく、0.20〜0.70mmがさらに好ましい。無機層の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、積層体の寸法安定性がさらに優れる。無機層の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、半導体パッケージやプリント配線板を充分に薄型化できる。
(フッ素樹脂層)
フッ素樹脂層は、本発明の製造方法で形成されるフッ素樹脂層である。
フッ素樹脂層は、特定のフッ素樹脂(以下、「フッ素樹脂A」とも記す。)を含む。
フッ素樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて無機フィラー、フッ素樹脂A以外の樹脂、添加剤等を含んでいてもよい。
フッ素樹脂層中のフッ素樹脂Aの割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。フッ素樹脂Aの割合の上限値は100質量%である。フッ素樹脂Aの割合が前記範囲の下限値以上であれば、積層体の電気特性がさらに優れる。
フッ素樹脂層の厚さは、1〜1000μmが好ましく、2〜500μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。フッ素樹脂層の厚さが前記下限値以上であれば、積層体の電気特性がさらに優れる。フッ素樹脂層の厚さが前記上限値以下であれば、半導体パッケージやプリント配線板を充分に薄型化できる。
フッ素樹脂層の比誘電率(測定周波数:1MHz)は、2.0〜3.5が好ましく、2.0〜3.0がより好ましい。フッ素樹脂層の比誘電率が前記範囲の上限値以下であれば、低誘電率が求められる半導体パッケージやプリント配線板に積層体を好適に用いることができる。フッ素樹脂層の比誘電率が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層の電気特性及び接着性の双方に優れる。
フッ素樹脂層の表面のRa(AFM)は、3.0nm以上が好ましく、8.0nm以上がより好ましく、12nm以上がさらに好ましい。フッ素樹脂層の表面のRa(AFM)が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層と金属箔との接着性に優れる。Ra(AFM)は、1μm以下が好ましい。
フッ素樹脂層の表面のRa(AFM)は、Oxford Instruments社製のAFMを用い、下記測定条件にて1μm範囲の表面について測定する。
プローブ:AC160TS−C3(先端R <7nm、バネ定数 26N/m)、測定モード:AC−Air、Scan Rate:1Hz。
フッ素樹脂Aは、溶融成形可能である。フッ素樹脂Aが溶融成形可能であることによって、後述する本発明の製造方法において、フッ素樹脂パウダーを溶融してフッ素樹脂層を形成しやすくなる。
溶融成形が可能なフッ素樹脂Aとしては、荷重49Nの条件下、フッ素樹脂Aの融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが0.1〜1000g/10分(好ましくは0.5〜100g/10分、より好ましくは1〜30g/10分、さらに好ましくは5〜20g/10分)となる温度が存在するものが好ましい。MFRが前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂Aの溶融成形性に優れ、フッ素樹脂層の表面平滑性、外観に優れる。MFRが前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の機械的強度に優れる。
フッ素樹脂Aの融点は、150℃以上が好ましく、200℃以上325℃以下がより好ましく、250℃以上320℃以下がさらに好ましく、280℃以上315℃以下が特に好ましい。フッ素樹脂Aの融点が前記範囲の下限値以上であれば、積層体の耐熱性に優れる。フッ素樹脂Aの融点が前記範囲の上限値以下であれば、積層体を製造する際に汎用的な装置を使用できる。
フッ素樹脂Aのフッ素含有量は、70〜80質量%が好ましく、70〜78質量%がより好ましい。フッ素含有量は、フッ素樹脂Aの総質量に対するフッ素原子の合計質量の割合である。フッ素含有量が前記下限値以上であれば、フッ素樹脂層の耐熱性に優れる。また、積層体の電気特性がさらに優れる。フッ素含有量が前記上限値以下であれば、フッ素樹脂Aの溶融成形性に優れる。フッ素含有量は、19F−NMRによって求める。
フッ素樹脂Aの比誘電率(測定周波数:1MHz)は、2.5以下が好ましく、2.4以下がより好ましく、2.0〜2.4が特に好ましい。フッ素樹脂Aの比誘電率が低いほど、積層体の電気特性がさらに優れる。比誘電率の下限値は、通常2.0である。フッ素樹脂Aの比誘電率は、TFE単位の割合によって調整できる。
フッ素樹脂Aは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位を有する含フッ素共重合体であることが好ましい。フッ素樹脂AがTFEに基づく単位を有する含フッ素共重合体であれば、積層体の電気特性に優れる。
フッ素樹脂Aは、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「接着性官能基」とも記す。)を有する。フッ素樹脂Aが接着性官能基を有することによって、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性に優れる。フッ素樹脂A中の接着性官能基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
フッ素樹脂Aとしては、接着性官能基を有する単位や接着性官能基を有する末端基を有する含フッ素共重合体が挙げられる。接着性官能基を有する含フッ素共重合体としては、接着性官能基を有するTFE−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、接着性官能基を有するTFE−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、接着性官能基を有するエチレン−TFE共重合体(ETFE)、接着性官能基を有するポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
フッ素樹脂A中の接着性官能基は、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性の点から、カルボニル基含有基であることが好ましい。
カルボニル基含有基としては、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基等が挙げられる。
炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基における炭化水素基としては、炭素数2〜8のアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、カルボニル基の炭素原子を含まない炭素数である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
カルボニル基含有基としては、酸無水物基、カルボキシ基が好ましい。
フッ素樹脂A中の接着性官能基の含有量は、フッ素樹脂Aの主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個が好ましく、100〜50000個がより好ましく、100〜10000個がさらに好ましく、300〜5000個が特に好ましい。接着性官能基の含有量が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性がさらに優れる。
接着性官能基の含有量は、核磁気共鳴(NMR)分析、赤外吸収スペクトル分析等の方法によって測定できる。例えば、特開2007−314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて、含フッ素共重合体を構成する全単位中の接着性官能基を有する単位の割合(モル%)を求め、この割合から、接着性官能基の含有量を算出できる。
接着性官能基は、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性の点から、フッ素樹脂Aの主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方として存在することが好ましい。
接着性官能基が主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方として存在するフッ素樹脂Aは、単量体の重合の際に、接着性官能基を有する単量体を共重合させる、接着性官能基をもたらす連鎖移動剤や重合開始剤を使用して単量体を重合させる、等の方法で製造できる。これら方法を併用することもできる。特に、接着性官能基を有する単量体を共重合させることにより、その単量体単位を有する共重合体を製造して、接着性官能基が少なくとも主鎖のペンダント基として存在するフッ素樹脂Aとすることが好ましい。
接着性官能基を有する単量体としては、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、又はイソシアネート基を有する単量体が好ましく、酸無水物基又はカルボキシ基を有する単量体が特に好ましい。具体的には、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ウンデシレン酸等のカルボキシ基を有する単量体、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する単量体、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、エポキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
接着性官能基をもたらす連鎖移動剤としては、カルボキシ基、エステル結合、水酸基等を有する連鎖移動剤が好ましい。具体的には、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
接着性官能基をもたらす重合開始剤としては、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル等の過酸化物系重合開始剤が好ましい。具体的には、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
接着性官能基が少なくとも主鎖のペンダント基として存在するフッ素樹脂Aとしては、接着性にさらに優れる点から、下記の含フッ素共重合体A1が特に好ましい。
含フッ素共重合体A1:TFEに由来する単位と、酸無水物基を有する環状炭化水素単量体(以下、「酸無水物単量体」とも記す。)に由来する単位と、含フッ素単量体(ただし、TFEを除く。)に由来する単位とを有する含フッ素共重合体。
以下、TFEに由来する単位を「TFE単位」、酸無水物単量体に由来する単位を「単位u2」、上記含フッ素単量体に由来する単位を「単位u3」とも記す。
酸無水物単量体としては、IAH、CAH、NAH、無水マレイン酸等が挙げられる。酸無水物単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸無水物単量体としては、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。IAH、CAH及びNAHのいずれかを用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11−193312号公報参照)を用いることなく、酸無水物基を有する含フッ素共重合体A1を容易に製造できる。
酸無水物単量体としては、フッ素樹脂層と無機層又は金属層との接着性接着性がさらに優れる点から、IAH、NAHが特に好ましい。
含フッ素共重合体A1には、単位u2における酸無水物基の一部が加水分解し、その結果、酸無水物単量体に対応するジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等)の単位が含まれる場合がある。ジカルボン酸の単位が含まれる場合、ジカルボン酸の単位の含有量は、単位u2の含有量に含まれるものとする。
単位u3を構成する含フッ素単量体としては、重合性炭素−炭素二重結合を1つ有する含フッ素化合物が好ましく、フルオロオレフィン(クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、ヘキサフルオロイソブチレン等。ただし、TFEを除く。)、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基である。)(以下、「PAVE」とも記す。)、CF=CFORf2SO(ただし、Rf2は炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基であり、Xはハロゲン原子又は水酸基である。)、CF=CFORf3CO(ただし、Rf3は炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基、又は炭素数2〜10のペルフルオロアルキル基の炭素原子間に酸素原子を含む基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、CF=CF(CFOCF=CF(ただし、pは1又は2である。)、CH=CX(CF(ただし、Xは水素原子又はフッ素原子であり、qは2〜10の整数であり、Xは水素原子又はフッ素原子である。)(以下、「FAE」とも記す。)、環構造を有する含フッ素単量体(ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等)等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、含フッ素共重合体A1の溶融成形性、フッ素樹脂層の耐屈曲性等に優れる点から、HFP、PAVE及びFAEからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
PAVEとしては、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)が好ましい。
FAEとしては、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH、CH=CH(CFH等が挙げられる。
FAEとしては、CH=CH(CFq1(ただし、q1は、2〜6であり、2〜4が好ましい。)が好ましく、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFHがより好ましく、CH=CH(CFF(以下、「PFBE」とも記す。)、CH=CH(CFF(以下、「PFEE」とも記す。)がさらに好ましい。
含フッ素共重合体A1は、TFE単位、単位u2及び単位u3に加えて、非フッ素単量体(ただし、酸無水物単量体を除く。)に由来する単位をさらに有していてもよい。
非フッ素単量体としては、重合性炭素−炭素二重結合を1つ有する非フッ素化合物が好ましく、たとえば、オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン等)、ビニルエステル(酢酸ビニル等)等が挙げられる。非フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素共重合体A1の好ましい具体例としては、下記のものが挙げられる。
TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFEE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFEE単位とエチレン単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とPFBE単位とエチレン単位とを有する共重合体等。
含フッ素共重合体A1としては、耐熱性が良好である点から、TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体が好ましい。
含フッ素重共合体A1がTFE単位と単位u2と単位u3とからなる場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
TFE単位の割合は、全単位のうち、50〜99.89モル%が好ましく、90〜99.49モル%がより好ましく、95〜98.95モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、全単位のうち、0.01〜5モル%が好ましく、0.01〜3モル%がより好ましく、0.05〜1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、全単位のうち、0.1〜49.99モル%が好ましく、0.5〜9.99モル%がより好ましく、1〜4.95モル%がさらに好ましい。
各単位の割合が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層の耐熱性、耐薬品性、高温での弾性率が優れる。単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1における酸無水物基の量が適切になり、接着性がさらに優れる。単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1の溶融成形性に優れ、また、フッ素樹脂層の耐屈曲性に優れる。
含フッ素共重合体A1がTFE単位と単位u2と単位u3と非フッ素単量体に由来する単位とからなり、非フッ素単量体に由来する単位がエチレン単位である場合の各単位の好ましい割合は下記のとおりである。
TFE単位の割合は、全単位のうち、25〜80モル%が好ましく、40〜65モル%がより好ましく、45〜63モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、全単位のうち、0.01〜5モル%が好ましく、0.03〜3モル%がより好ましく、0.05〜1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、全単位のうち、0.2〜20モル%が好ましく、0.5〜15モル%がより好ましく、1〜12モル%がさらに好ましい。
エチレン単位の割合は、全単位のうち、20〜75モル%が好ましく、35〜50モル%がより好ましく、37〜55モル%がさらに好ましい。
各単位の含有量が前記範囲内であれば、フッ素樹脂層の耐薬品性等に優れる。単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1における酸無水物基の量が適切になり、接着性がさらに優れる。単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素共重合体A1の溶融成形性に優れ、また、フッ素樹脂層の耐屈曲性等に優れる。
各単位の割合は、含フッ素共重合体A1の溶融NMR分析、フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトル分析等によって算出できる。
含フッ素共重合体A1は、常法により製造できる。例えば、TFEと酸無水物単量体と含フッ素単量体とを重合することによって含フッ素共重合体A1を製造できる。
単量体の重合に際しては、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
重合方法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
含フッ素共重合体A1を製造する際、酸無水物単量体の重合中の濃度は、全単量体に対して0.01〜5モル%が好ましく、0.1〜3モル%がより好ましく、0.1〜2モル%がさらに好ましい。酸無水物単量体の濃度が前記範囲内であれば、重合速度が適度なものになる。酸無水物単量体の濃度が高すぎると、重合速度が低下する傾向がある。
酸無水物単量体が重合で消費されるにしたがって、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に供給し、酸無水物単量体の濃度を前記範囲内に維持することが好ましい。
(金属層)
金属層は、本発明の製造方法で用いた金属箔に由来する層である。金属層は、金属箔そのものであってもよく、金属箔に由来する導体回路であってもよい。
金属箔の材料としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む。)、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。半導体パッケージやプリント配線板においては、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔が多用されており、本発明においても銅箔が好適である。
金属箔の表面には、防錆層(クロメート等の酸化物皮膜等)、耐熱層等が形成されていてもよい。
金属箔の表面には、接着層との接着性を高めるための表面処理(カップリング剤処理等)が施されていてもよい。
導体回路としては、金属箔をエッチング等によって所定のパターンに加工したもの、金属箔を用いたセミアディティブ法(SAP法)又はモディファイドセミアディティブ法(MSAP法)による電解めっきによって形成されたもの等が挙げられる。
(他の層)
積層体における他の層としては、特定のフッ素樹脂層以外の樹脂層(保護層、接着層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルム等)、特定の無機層以外の無機層、フッ素樹脂層の表面に設けられていない金属層、繊維強化樹脂層等が挙げられる。積層体における他の層は、本発明の製造方法で用いた無機層を有する基材における無機層以外の層に由来する層であってもよい。
積層体における他の層は、無機層の表面に設けられていてもよく、フッ素樹脂層の表面に設けられていてもよく、フッ素樹脂層と金属層との間に設けられていてもよく、金属層の表面に設けられていてもよい。
積層体には、電子部品(抵抗、インダクタ、コンデンサ等)等が設けられていてもよい。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、無機層を有する第1の基材の無機層の表面、及びフッ素樹脂層を有する第2の基材のフッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方を表面処理し、第1の基材と第2の基材とを、無機層とフッ素樹脂層とが接した状態でフッ素樹脂Aの融点以上で熱圧着する方法である。
本発明の積層体の製造方法においては、第1の基材が無機層のみを有する、又は第1の基材が両方の最表層に無機層を有する場合、第1の基材を2枚の第2の基材で挟んで熱圧着してもよい。
本発明の積層体の製造方法においては、第2の基材がフッ素樹脂層のみを有する場合、第1の基材と第2の基材とを熱圧着した後又は圧着すると同時に、フッ素樹脂層の表面に第3の基材を積層してもよい。
(第1の基材)
第1の基材は、無機層を有する。
第1の基材は、無機層のみを有する単層基材(ガラス基材、セラミックス基材、半導体基材等)であってもよく、無機層と無機層以外の層とを有する積層基材であってもよい。
無機層以外の層としては、フッ素樹脂層が形成される側とは反対側の表面に設けられた、特定のフッ素樹脂層以外の樹脂層(保護層、接着層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルム等)、特定の無機層以外の無機層、フッ素樹脂層の表面に設けられていない金属層、繊維強化樹脂層等が挙げられる。
無機層にスルーホール、ブラインドホール等の孔を形成してもよい。
孔は、例えば、レーザー加工法又は放電補助式レーザー加工法によって形成される。
孔の形状は、特に限定されない。例えば、COレーザーを用いる場合、レーザー光が照射される側の表面(第1の表面)に形成される開口の直径(上孔径)は、40〜150μmが好ましく、50〜100μmがより好ましく、60〜90μmがさらに好ましい。COレーザーを用いる場合、レーザー光が照射される側とは反対側の表面(第2の表面)に形成される開口の直径(下孔径)は、10〜60μmが好ましく、20〜50μmがより好ましく、30〜40μmがさらに好ましい。また、UVレーザーを用いる場合、上孔径は、1〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、10〜15μmがさらに好ましい。UVレーザーを用いる場合、下孔径は、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。
(第2の基材)
第2の基材は、フッ素樹脂層を有する。
第2の基材は、フッ素樹脂層のみを有する単層基材(フッ素樹脂フィルム等)であってもよく、フッ素樹脂層とフッ素樹脂層以外の層とを有する積層基材(銅張積層板等)であってもよい。
フッ素樹脂以外の層としては、無機層と接する側とは反対側の表面に設けられた、金属層、特定のフッ素樹脂層以外の樹脂層(保護層、接着層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、カバーレイフィルム等)、特定の無機層以外の無機層、繊維強化樹脂層等が挙げられる。フッ素樹脂以外の層としては、積層体を半導体パッケージやプリント配線板の基板として用いる点から、金属箔からなる金属層が好ましい。
第2の基材は、例えば、下記の方法I又は方法IIによって製造できる。
方法I:フッ素樹脂Aを含むフッ素樹脂パウダーが液状媒体に分散した液状組成物を塗布対象基材の表面に塗布し、乾燥した後、焼成する方法。
方法II:フッ素樹脂Aを含む樹脂組成物を成形してフッ素樹脂フィルムを得る方法。
(液状組成物)
液状組成物は、特定のフッ素樹脂パウダーと、界面活性剤と、液状媒体とを含む。
液状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて無機フィラー、特定のフッ素樹脂パウダー以外の樹脂パウダー、液状媒体に溶解し得る樹脂(以下、「溶解性樹脂」とも記す。)、界面活性剤以外の添加剤等を含んでいてもよい。
分散媒である液状媒体は、25℃で液状の不活性な成分である。
液状媒体は、液状組成物に含まれる液状媒体の以外の成分よりも低沸点であり、加熱等によって揮発し除去できるものが好ましい。
液状媒体としては、水、アルコール(メタノール、エタノール等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)、エーテル(ジエチルエーテル、ジオキサン等)、エステル(乳酸エチル、酢酸エチル等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、グリコールエーテル(エチレングリコールモノイソプロピルエーテル等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)等が挙げられる。液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。液状媒体としては、フッ素樹脂パウダーと反応しないものが好ましい。
フッ素樹脂パウダーは、フッ素樹脂Aを含むパウダー材料からなる。
パウダー材料は、フッ素樹脂Aを主成分とすることが好ましい。フッ素樹脂Aが主成分であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。また、嵩密度の高いフッ素樹脂パウダーが得られやすい。フッ素樹脂パウダーの嵩密度が大きいほど、ハンドリング性に優れる。フッ素樹脂Aを主成分とするパウダー材料とは、パウダー材料中のフッ素樹脂Aの割合が80質量%以上であることを意味する。パウダー材料中のフッ素樹脂Aの割合は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
フッ素樹脂パウダーのD50は、0.3〜6.0μmが好ましく、0.4〜5.0μmがより好ましく、0.5〜4.5μmがさらに好ましく、0.7〜4.0μmがよりさらに好ましく、1.0〜3.5μmが特に好ましい。フッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂パウダーの流動性が充分で取り扱いが容易である。フッ素樹脂パウダーのD50が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。また、フッ素樹脂層へのフッ素樹脂パウダーの充填率を高くでき、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。また、フッ素樹脂層の厚さを薄くできる。
フッ素樹脂パウダーのD90は、8.0μm以下が好ましく、6.0μm以下がより好ましく、1.5〜5.0μmがさらに好ましい。フッ素樹脂パウダーのD90が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂パウダーの液状媒体への分散性に優れる。フッ素樹脂パウダーのD90は、フッ素樹脂層の均一性に優れる点から、D50に近づけることが好ましい。
フッ素樹脂パウダーの疎充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05〜0.5g/mLがより好ましく、0.08〜0.5g/mLが特に好ましい。
フッ素樹脂パウダーの密充填嵩密度は、0.05g/mL以上が好ましく、0.05〜0.8g/mLがより好ましく、0.1〜0.8g/mLが特に好ましい。
疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂パウダーのハンドリング性がさらに優れる。また、フッ素樹脂層へのフッ素樹脂パウダーの充填率を高くできる。疎充填嵩密度又は密充填嵩密度が前記範囲の上限値以下であれば、汎用的なプロセスで用いることができる。
パウダー材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素樹脂A以外の成分をさらに含んでいてもよい。フッ素樹脂A以外の成分としては、フッ素樹脂A以外の樹脂、無機フィラー、ゴム等が挙げられる。フッ素樹脂A以外の樹脂としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。
フッ素樹脂パウダーは、例えば、下記の方法によって製造できる。
・溶液重合法、懸濁重合法又は乳化重合法によってフッ素樹脂Aを得て、有機溶媒又は水性媒体を除去して粒状のフッ素樹脂Aを回収し、必要に応じて粒状のフッ素樹脂Aを粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
・フッ素樹脂A、必要に応じて他の成分を溶融混練し、混練物を粉砕し、必要に応じて粉砕物を分級する方法。
界面活性剤は、液状媒体へのフッ素樹脂パウダーの分散安定性を向上させる。また、無機層とフッ素樹脂層との界面において、無機層の表面張力とフッ素樹脂Aの表面張力を緩和して無機層とフッ素樹脂層との接着性を向上させる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、含フッ素基及び親水性基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤を用いることによって、液状媒体の表面張力を低下させ、フッ素樹脂パウダーの表面に対する濡れ性を向上させてフッ素樹脂パウダーの分散性を向上させるとともに、含フッ素基がフッ素樹脂パウダーの表面に吸着し、親水性基が液状媒体中に伸長し、親水性基の立体障害によってフッ素樹脂パウダーの凝集を防止して分散安定性をさらに向上させる。フッ素系界面活性剤としては、下記のものが挙げられる。
ネオス社製のフタージェントMシリーズ、フタージェントFシリーズ、フタージェントGシリーズ、フタージェントP・Dシリーズ、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント730FL、フタージェント730LM、フタージェント610FM、フタージェント601AD、フタージェント601ADH2、フタージェント602A、フタージェント650AC、フタージェント681。
AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(サーフロンS−386等)。
DIC社製のメガファックシリーズ(メガファックF−553、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−557、メガファックF−559、メガファックF−562、メガファックF−565等)。
ダイキン工業社製のユニダインシリーズ(ユニダインDS−403N等)。
液状組成物が含んでもよい溶解性樹脂は、非硬化性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。
非硬化性樹脂としては、熱溶融性樹脂、非溶融性樹脂が挙げられる。熱溶融性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、多官能シアン酸エステル樹脂、多官能マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、反応性基を有するフッ素樹脂(ただし、含フッ素共重合体Aを除く。)、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、プリント配線板に有用な点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸が好ましく、エポキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化性ポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸がより好ましい。熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状組成物中のフッ素樹脂パウダーの割合は、5〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましく、35〜45質量%がさらに好ましい。フッ素樹脂パウダーの割合が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。フッ素樹脂パウダーの割合が前記範囲の上限値以下であれば、液状組成物においてフッ素樹脂パウダーが均一に分散しやすく、またフッ素樹脂層が機械的強度に優れる。
液状組成物中の液状媒体の割合は、15〜65質量%が好ましく、25〜50質量部がより好ましい。液状媒体の割合が前記範囲内であれば、液状組成物の塗布性が良好となる。液状媒体の割合が前記範囲の上限値以下であれば、液状媒体の使用量が少ないため、乾燥不良に由来するフッ素樹脂層の外観不良が起こりにくい。
液状組成物中の界面活性剤の割合は、0.1〜30質量%が好ましく、3〜20質量部がより好ましく、5〜10質量部がさらに好ましい。界面活性剤の割合が前記範囲の下限値以上であれば、液状組成物においてフッ素樹脂パウダーが均一に分散しやすい。界面活性剤の割合が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。
液状組成物が溶解性樹脂を含む場合、液状組成物中の溶解性樹脂の割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。溶解性樹脂の割合が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層が機械的強度に優れる。溶解性樹脂の割合が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂層の比誘電率及び誘電正接をさらに低くできる。
(第2の基材の製造)
方法Iにおいては、液状組成物を塗布対象基材の表面に塗布する。
塗布対象基材としては、金属箔、特定のフッ素樹脂を含むフッ素樹脂フィルム以外の樹脂フィルム、無機基材、繊維強化樹脂基材等が挙げられ、積層体を半導体パッケージやプリント配線板の基板として用いる点から、金属箔が好ましい。
塗布方法としては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等が挙げられる。
方法Iにおいては、液状組成物を塗布した塗布対象基材を乾燥し、焼成することによって、フッ素樹脂パウダーが溶融し、フッ素樹脂層が形成される。
乾燥においては、液状媒体を完全に揮発させる必要はなく、塗膜が膜形状を安定して維持できる程度まで揮発させればよい。乾燥においては、液状組成物に含まれていた液状媒体のうち、50質量%以上を揮発させることが好ましい。
乾燥は、1段階で実施してもよく、異なる温度にて2段階以上で実施してもよい。
乾燥温度は、50〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。乾燥温度は、雰囲気の温度である。
乾燥時間は、0.1〜30分間が好ましく、0.5〜20分間がより好ましい。
焼成は、塗料の塗布と同時であってもよく、塗料の塗布の後であってもよく、塗料の塗布及び焼成を繰り返してもよい。
焼成温度は、フッ素樹脂Aの融点以上が好ましく、180〜400℃がより好ましく、200〜360℃がさらに好ましい。焼成温度は、雰囲気の温度である。
焼成時間は、0.5〜30分間が好ましく、1〜10分間がより好ましい。
方法IIにおいては、フッ素樹脂フィルムは、フッ素樹脂Aを含む樹脂組成物を公知の溶融成形法(押出成形法等)によってフィルム状に成形することによって製造できる。樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素樹脂A以外の成分をさらに含んでいてもよい。フッ素樹脂A以外の成分としては、フッ素樹脂A以外の樹脂、無機フィラー、ゴム、各種添加剤等が挙げられる。
フッ素樹脂フィルムは、液状組成物を用いたキャスト法によって製造してもよい。
(第3の基材)
第3の基材としては、金属箔、特定のフッ素樹脂を含むフッ素樹脂フィルム以外の樹脂フィルム、無機基材、繊維強化樹脂基材等が挙げられる。第3の基材としては、積層体を半導体パッケージやプリント配線板の基板として用いる点から、金属箔が好ましい。
(表面処理)
第1の基材の無機層の表面、及び第2の基材のフッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方を表面処理塗布対象基材の無機層の表面を表面処理することによって、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。第3の基材を用いる場合、第3の基材の表面を表面処理してもよい。
表面処理としては、ウェット処理、プラズマ処理(大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理)、コロナ処理、UVオゾン処理、エキシマ処理等が挙げられる。
第1の基材の無機層に対する表面処理としては、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる点から、ウェット処理又はプラズマ処理が好ましく、ウェット処理が特に好ましい。特に、無機層が孔を有する場合に、無機層の表面をウェット処理することによって、孔にフッ素樹脂Aが充分に入り込み、孔におけるフッ素樹脂Aの欠落のない積層体を製造できる。
第2の基材のフッ素樹脂層に対する表面処理としては、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる点から、プラズマ処理が好ましく、真空プラズマ処理が特に好ましい。
無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる点から、無機層の表面をウェット処理し、フッ素樹脂層の表面をプラズマ処理することが好ましい。
ウェット処理は、無機層の表面にウェット処理液を接触させ、以下の効果の1つ以上を発現する処理である。効果としては、表面清浄化、表面修飾、表面粗面化が挙げられる。無機層に孔が形成されている場合、プラズマ処理や紫外線照射では孔の内壁面を活性化しにくいため、ウェット処理が好適に用いられる。なお、粗面化し過ぎると無機層での伝送ロスが発生するため、粗面化処理については算術平均粗さRaが1μm以下となるウェット処理を選択するのが好ましい。
表面清浄化に用いるウェット処理液は、汚れの対象(油分、フラックス、研磨剤、離型剤、微粒子等)に応じて適宜選定される。ウェット処理液は、水系ウェット処理液であってもよく、非水系ウェット処理液であってもよい。水系ウェット処理液は、中性であってもよく、アルカリ性であってもよく、酸性であってもよい。非水系ウェット処理液としては、炭化水素系ウェット処理液、フッ素系ウェット処理液、臭素系ウェット処理液、アルコール系ウェット処理液等が挙げられる。ウェット処理液は、界面活性剤等を含んでいてもよい。
表面修飾は、熱圧着の際にフッ素樹脂層の接着性官能基と化学的に結合し得る反応性官能基(シラノール基、アミノ基、炭化水素基等)を無機層の表面に導入する目的で行われる。表面修飾は、無機層の表面をエッチングする、無機層の表面に表面処理剤を付着させる、等によって行われる。表面修飾に用いるウェット処理液としては、公知のガラスのエッチング液(アルカリ水溶液、フッ酸水溶液等)、表面処理剤(シランカップリング剤、カチオンポリマー、キレート剤等)を含む液等が挙げられる。
表面修飾に用いるエッチング液は、無機層の材料に応じて公知のエッチング液の中から適宜選択すればよい。エッチング液としては、フッ酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等を含む溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを含む溶液等が挙げられる。無機層の材料がガラスである場合、表面の粗面化が進みすぎないpH11〜14のアルカリ水溶液が好ましい。
表面修飾に用いるエッチング液は、キレート剤を含むことが好ましい。エッチング液がキレート剤を含むことによって、ウェット処理後の無機層の表面にキレート剤が配位し、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。エッチング液中のキレート剤の割合は、0.1質量%以上が好ましい。エッチング液に用いるキレート剤としては、特開2016−60862号公報に記載のアルカリ性のキレート剤等が挙げられる。
表面修飾に用いるシランカップリング剤としては、アミノシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、ウレイドシラン、アルキルシラン等が挙げられる。
表面修飾に用いるカチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン縮合体等のアミンタイプのカチオンポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩)、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド4級塩)、トリメチルアンモニウムアルキルアクリルアミド重合体塩、ジメチルアミンエピクロルヒドリン縮合体塩等の4級アンモニウムタイプのカチオンポリマー等が挙げられる。
表面修飾に用いるキレート剤としては、グルコン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等が挙げられる。
表面粗面化は、無機層の表面を粗面化してアンカー効果で接着性を上げる処理である。 表面粗面化に用いるウェット処理液としては、公知のガラスのエッチング液(アルカリ水溶液、フッ酸水溶液等)が挙げられる。
真空プラズマ処理の方式としては、高周波誘導方式、容量結合型電極方式、コロナ放電電極−プラズマジェット方式、平行平板方式、リモートプラズマ方式、ICP型高密度プラズマ方式等が挙げられる。真空プラズマ処理に用いるガスとしては、酸素ガス、窒素ガス、希ガス(アルゴンガス等)、水素ガス、アンモニアガス等が挙げられ、希ガス又は窒素ガスが好ましい。ガスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、アルゴンガス100体積%であってもよく、水素ガス/窒素ガスが70/30(体積比)の混合ガスでもよく、水素ガス/窒素ガス/アルゴンガスが35/15/50(体積比)の混合ガスでもよい。
真空プラズマ処理の雰囲気としては、希ガス又は窒素ガスの体積分率が50体積%以上の雰囲気が好ましく、70体積%以上の雰囲気がより好ましく、90体積%以上の雰囲気がさらに好ましく、100体積%の雰囲気が特に好ましい。希ガス又は窒素ガスの体積分率が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂層の表面を充分に粗面化できる。
真空プラズマ処理におけるガス流量、真空度、処理時間は、表面処理されるフッ素樹脂層の組成や真空プラズマ処理装置の構造により適宜選択される。
表面処理後の無機層の表面の算術平均粗さRaは、1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.001〜0.1μmがさらに好ましい。無機層の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の下限値以上であれば、無機層の表面が充分に粗面化され、無機層とフッ素樹脂層との接着性がさらに優れる。無機層の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の上限値以下であれば、無機層の機械的強度の低下が抑えられる。
なお、表面処理後の無機層の表面のRa(AFM)も1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.001〜0.1μmがさらに好ましい。好ましい理由は上記算術平均粗さRaと同様である。
表面処理後の無機層の表面のRa(AFM)は、後述する実施例に記載した方法により測定できる。
(熱圧着)
第1の基材と第2の基材とを、無機層とフッ素樹脂層とが接した状態でフッ素樹脂Aの融点以上で熱圧着する。
第1の基材が無機層のみを有する、又は第1の基材が両方の最表層に無機層を有する場合、第1の基材を2枚の第2の基材で挟んで熱圧着してもよい。
第2の基材がフッ素樹脂層のみを有する場合、第1の基材と第2の基材とを熱圧着した後又は圧着すると同時に、フッ素樹脂層の表面に第3の基材を熱圧着してもよい。
熱圧着としては、熱プレス、熱ラミネート等が挙げられる。
圧着時の温度は、フッ素樹脂Aの融点以上であり、融点より10℃以上高い温度が好ましく、融点より20℃以上高い温度がより好ましく、融点より40℃以上高い温度がさらに好ましい。圧着時の温度は、融点より3℃高い温度を超えないことが好ましい。圧着時の温度が前記範囲内であれば、フッ素樹脂Aの熱劣化を抑制しつつ、無機層とフッ素樹脂層とを充分に接着できる。圧着時の温度は、熱盤の温度である。
圧着時の圧力は、0.2MPa以上が好ましく、0.5MPa以上がより好ましく、1.0MPa以上がさらに好ましい。圧着時の圧力は、10.0MPa以下が好ましい。圧着時の圧力が前記範囲内であれば、無機層を破損することなく、フッ素樹脂層と金属箔とを充分に接着できる。また、無機層の孔への樹脂充填も可能となる。
熱圧着は真空雰囲気下で行うことが好ましい。真空度は100kPa以下が好ましく、50kPa以下がより好ましく、20kPa以下がさらに好ましい。真空度が前記範囲内であれば、積層体を構成するフッ素樹脂層、無機層及び金属層のそれぞれの界面への気泡混入を抑制できると同時に、酸化による劣化も抑制できる。
また、前記真空度に到達したのちに昇温することが好ましい。前記真空度に到達する前に昇温すると、フッ素樹脂層が軟化された状態、すなわち一定程度の流動性、密着性がある状態にて圧着されてしまい、気泡の原因となる。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層体の製造方法にあっては、無機層を有する第1の基材を用いているため、寸法安定性に優れる積層体を製造できる。
また、本発明の積層体の製造方法にあっては、フッ素樹脂Aを含むフッ素樹脂層を有する第2の基材を用いているため、電気特性に優れる積層体を製造できる。
また、本発明の積層体の製造方法にあっては、第1の基材の無機層の表面及び第2の基材のフッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方を表面処理し、第1の基材と第2の基材とを、無機層とフッ素樹脂層とが接した状態でフッ素樹脂の融点以上で熱圧着するため、無機層とフッ素樹脂層との接着性に優れる積層体を製造できる。
特に、無機層が孔を有する場合に、無機層の表面をウェット処理することによって、孔にフッ素樹脂Aが充分に入り込み、孔におけるフッ素樹脂Aの欠落のない積層体を製造できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜10は実施例であり、例11〜16は比較例である。
(含フッ素共重合体における各単位の割合)
NAH単位の割合は、赤外吸収スペクトル分析によって求めた。NAH単位以外の単位の割合は、溶融NMR分析及びフッ素含有量分析によって求めた。
(赤外吸収スペクトル分析)
含フッ素共重合体をプレス成形して厚さ200μmのフィルムを得た。フィルムを赤外分光法によって分析して赤外吸収スペクトルを得た。赤外吸収スペクトルにおいて、含フッ素共重合体中のNAH単位の吸収ピークは1778cm−1に現れる。この吸収ピークの吸光度を測定し、NAHのモル吸光係数20810mol−1・L・cm−1を用いて、含フッ素共重合体におけるNAH単位の割合を求めた。
(融点)
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC−7020)を用い、含フッ素共重合体を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とした。
(MFR)
メルトインデクサー(テクノセブン社製)を用い、372℃、49N荷重下で、直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する含フッ素共重合体の質量(g)を測定してMFRとした。
(比誘電率)
ASTM D 150に準拠した変成器ブリッジ法にしたがい、温度を23℃±2℃の範囲内、相対湿度を50%±5%RHの範囲内に保持した試験環境において、絶縁破壊試験装置(ヤマヨ試験機社製、YSY−243−100RHO)を用いて1MHzで求めた値を比誘電率とした。また、さらに高周波数帯では、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)法により、23℃±2℃、50±5%RHの範囲内の環境下にて、周波数20GHzで測定した。
(含フッ素共重合体のD50)
上から順に、2.000メッシュ篩(目開き2.400mm)、1.410メッシュ篩(目開き1.705mm)、1.000メッシュ篩(目開き1.205mm)、0.710メッシュ篩(目開き0.855mm)、0.500メッシュ篩(目開き0.605mm)、0.250メッシュ篩(目開き0.375mm)、0.149メッシュ篩(目開き0.100mm)、受け皿を重ねた。一番上の篩に含フッ素共重合体を入れ、30分間振とう器で篩分けした。各篩の上に残った含フッ素共重合体の質量を測定し、各目開き値に対する通過質量の累計をグラフに表し、通過質量の累計が50%となる粒子径を求め、これを含フッ素共重合体のD50とした。
(樹脂パウダーのD50及びD90)
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920測定器)を用い、樹脂パウダーを水中に分散させ、粒度分布を測定し、樹脂パウダーのD50及びD90を算出した。
(疎充填嵩密度及び密充填嵩密度)
樹脂パウダーの疎充填嵩密度、密充填嵩密度は、国際公開第2016/017801号の段落[0117]、[0118]に記載の方法によって測定した。
(抵抗率)
基材の25℃における抵抗率は、抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製、ロレスタMCP−T250)を用いて測定した。
(Ra(AFM))
表面処理後の無機層の表面のRa(AFM)は、Oxford Instruments社製のAFM『Cypher S』を用いて表面凹凸を計測し、算出した。
プローブ:AC55TS(先端R <7nm、バネ定数 85N/m)、
測定モード:AC−Air、
Scan Area:30μm角、
Scan Rate:1Hz、
Scanpoint:256×256。
Ra(AFM)は、各scanpointにおける高さと、平均高さの差分の平均で定義した。
(剥離試験)
積層体から、長さ100mm、幅10mmの矩形状の試験片を切り出した。試験片の長さ方向の一端から50mmの位置までフッ素樹脂層と無機層とを剥離した。試験片の長さ方向の一端から50mmの位置を中央にして、引張り試験機(オリエンテック社製)を用いて、引張り速度50mm/分で90°剥離し、最大荷重を剥離強度(N/cm)とした。
(含フッ素共重合体Aの製造)
TFE、NAH(日立化成社製、無水ハイミック酸)、PPVE(旭硝子社製)を用いて、国際公開第2016/017801号の段落[0123]に記載の手順で含フッ素共重合体A1−1を製造した。含フッ素共重合体A1−1における各単位の割合は、NAH単位/TFE単位/PPVE単位=0.1/97.9/2.0(モル%)であった。含フッ素共重合体A1−1の融点は300℃であり、MFRは17.6g/10分であり、比誘電率は2.1(測定周波数:1MHz)であり、フッ素含有量は75質量%であり、含フッ素共重合体A1−1の主鎖炭素数1×10個に対する接着性官能基の含有量は1000個であり、D50は1554μmであった。
(フッ素樹脂フィルムの製造)
750mm巾のコートハンガーダイを有する65mmφ単軸押出機を用い、ダイ温度340℃で含フッ素共重合体A1−1をフィルム状に押出成形して、厚さ50μmのフッ素樹脂フィルムを得た。
(フッ素樹脂パウダーの製造)
ジェットミル(セイシン企業社製、シングルトラックジェットミル FS−4型)を用い、粉砕圧力:0.5MPa、処理速度:1kg/時間の条件で、含フッ素共重合体A1−1を粉砕してフッ素樹脂パウダーX−1を得た。フッ素樹脂パウダーX−1のD50は2.58μmであり、D90は7.1μmであった。フッ素樹脂パウダーX−1の疎充填嵩密度は0.278g/mLであり、密充填嵩密度は0.328g/mLであった。
(液状組成物の調製)
樹脂パウダーX−1の120gに、ノニオン性界面活性剤(ネオス社製、フタージェント710FL)の9g、メチルエチルケトンの234gを徐々に添加し、ラボスターラー(ヤマト科学社製、型式:LT−500)を用いて60分間撹拌して液状組成物を得た。
(ポリイミドフィルム)
ポリイミドフィルムとして、宇部興産社製、ユーピレックス(登録商標)125S、厚さ:125μmを用意した。
(例1)
ガラス基材として、無アルカリガラス板(旭硝子社製、EN−A1、厚さ:0.3mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))を用意した。
ガラス基材を、23℃にて、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波を照射しながらウェット処理した。超音波照射によって液温は徐々に上がり、1時間後には45℃となっていた。1時間浸漬した後、ガラス基材を液から引き上げた。ガラス基材を純水で充分に洗浄し後、エアブローで乾燥し、ウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
ウェット処理したガラス基材、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルムの順に重ねた状態で真空プレス機に投入し、真空度:10kPa、圧着時の温度:340℃、圧着時の圧力:2.0MPa、ホールド:10分間の条件で真空圧着し、積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例2)
ガラス基材として、石英ガラス板(旭硝子社製、厚さ:0.7mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))を用意した。
ガラス基材を、23℃のガラス洗浄液(横浜油脂工業社製、ガラス洗浄液セミクリーンGE−5の原液、pH:13)に浸漬し、超音波を照射しながらウェット処理した。超音波照射によって液温は徐々に上がり、1時間後には45℃となっていた。1時間浸漬した後、ガラス基材を液から引き上げた。ガラス基材を純水で充分に洗浄し後、エアブローで乾燥し、ウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
ウェット処理したガラス基材、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルムの順に重ねた状態で真空プレス機に投入し、真空度:10kPa、圧着時の温度:340℃、圧着時の圧力:2.0MPa、ホールド:10分間の条件で真空圧着し、積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例3)
ガラス基材を、無アルカリガラス板(旭硝子社製、EN−A1、厚さ:0.3mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))に変更した以外は、例2と同様にしてウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例3のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例2と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例4)
ガラス基材を、化学強化ガラス板(旭硝子社製、ドラゴントレイル(登録商標)、厚さ:0.7mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))に変更した以外は、例2と同様にしてウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例4のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例2と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例5)
ガラス基材を、ソーダライムガラス板(厚さ:0.7mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))に変更した以外は、例2と同様にしてウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例5のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例2と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例6)
無アルカリガラス板を100mg/Lのポリエチレンイミン(質量平均分子量:600)の水溶液に10秒間浸漬した後、水洗、乾燥し、ウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例6のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例1と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例7)
無アルカリガラス板を100mg/Lのポリエチレンイミン(質量平均分子量:10,000)の水溶液に10秒浸漬した後、水洗、乾燥し、ウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例7のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例1と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例8)
無アルカリガラス板を10mMのヒドロキシエタンジホスホン酸水溶液に1分間浸漬した後、水洗、乾燥し、ウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
例8のウェット処理したガラス基材に変更した以外は、例1と同様にして積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例9)
例2と同様にしてウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
銅箔(福田金属箔粉工業社製、CF−T4X−SV、厚さ:12μm)の粗面化面に液状組成物を塗布し、窒素雰囲気下において100℃で15分乾燥し、350℃で15分間加熱し、徐冷した。厚さ5μmのフッ素樹脂層を有する銅張積層板を得た。
銅張積層板のフッ素樹脂層の表面をプラズマ処理した。プラズマ処理装置としてはNORDSON MARCH社のAP−1000を用いた。プラズマ処理条件としては、AP−1000のRF出力を300W、電極間ギャップを2インチ、導入ガスの種類をアルゴンガス(Ar)、導入ガス流量を50cm/分、圧力を13Pa、処理時間を1分とした。
フッ素樹脂層とガラス基材とが接するように、真空プラズマ処理した銅張積層板とウェット処理したガラス基材とを重ねた状態で真空プレス機に投入し、真空度:10kPa、圧着時の温度:340℃、圧着時の圧力:2.0MPa、ホールド:10分間の条件で真空圧着し、積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例10)
無アルカリガラス板(旭硝子社製、EN−A1、直径:200mm、厚さ:0.3mm、25℃における抵抗率:測定範囲外(10Ω・cm以上))の中央の100mm×100mmの領域に、上孔径:85μm、下孔径:40μmの貫通孔を正方格子状に100000箇所形成した。
ガラス基材を、孔を形成した無アルカリガラス板に変更した以外は、例1と同様にしてウェット処理したガラス基材を得た。ウェット処理したガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。
ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ウェット処理したガラス基材、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルムの順に重ねた状態で真空プレス機に投入し、真空度:10kPa、圧着時の温度:340℃、圧着時の圧力:2.0MPa、ホールド:10分間の条件で真空圧着し、積層体を得た。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
また、剥離試験後の積層体を割断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。ガラス基材の孔の部分の断面のSEM写真を図5に示す。SEM写真の左側がガラス基材であり、右側がフッ素樹脂である。ガラス基材の孔からのフッ素樹脂の剥離は見えなかった。
(例11〜14)
ガラス基材の表面をウェット処理しなかった以外は、例2〜5と同様にして積層体を得た。ガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例15)
ガラス基材の表面をウェット処理せず、銅張積層板のフッ素樹脂層の表面を真空プラズマ処理しなかった以外は、例9と同様にして積層体を得た。ガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
(例16)
ガラス基材の表面をウェット処理しなかった以外は、例10と同様にして積層体を得た。ガラス基材の表面のRa(AFM)を表1に示す。積層体のフッ素樹脂層と無機層との界面の剥離強度を表1に示す。
また、剥離試験後の積層体を割断し、断面をSEMで観察した。ガラス基材の孔の部分の断面のSEM写真を図6に示す。SEM写真の左側がガラス基材であり、右側がフッ素樹脂である。ガラス基材の孔からのフッ素樹脂の剥離が散見された。
本発明の製造方法で得られた積層体は、半導体パッケージやプリント配線板に用いる基板等として有用である。
11 積層体、
12 積層体、
13 積層体、
14 積層体、
20 無機層、
22 フッ素樹脂層、
24 金属層。

Claims (14)

  1. 25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層と、前記無機層の表面に設けられた、下記フッ素樹脂を含むフッ素樹脂層とを有する積層体を製造する方法であり、
    前記無機層を有する第1の基材の前記無機層の表面、及び前記フッ素樹脂層を有する第2の基材の前記フッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方を表面処理し、
    前記第1の基材と前記第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で前記フッ素樹脂の融点以上で熱圧着する、積層体の製造方法。
    フッ素樹脂:
    カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、溶融成形可能であるフッ素樹脂。
  2. 前記無機層の表面及び前記フッ素樹脂層の表面のいずれか一方又は両方をプラズマ処理する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記無機層の表面をウェット処理する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記無機層の表面をウェット処理し、前記フッ素樹脂層の表面をプラズマ処理する、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記第1の基材と前記第2の基材とを、前記フッ素樹脂の融点以上で、かつ0.2MPa以上の圧力で熱圧着する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに基づく単位を有する含フッ素共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記無機層の表面を表面処理し、
    表面処理された前記無機層の表面の算術平均粗さRaが1.0μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  8. 前記無機層の材料が、ガラス、セラミックス又は半導体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記第1の基材が前記無機層のみを有する、又は前記第1の基材が両方の最表層に前記無機層を有し、
    前記第1の基材を2枚の前記第2の基材で挟んで熱圧着する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記第2の基材が前記フッ素樹脂層のみを有し、
    前記第1の基材と前記第2の基材とを熱圧着した後又は圧着すると同時に、前記フッ素樹脂層の表面に金属箔を積層する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  11. 前記第2の基材が、金属箔からなる金属層をさらに有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記無機層に孔が形成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  13. 25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層を有する第1の基材と、フッ素樹脂層を有する第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で熱圧着する際に用いられる前記第1の基材を製造する方法であり、
    前記第1の基材の前記無機層の表面をウェット処理又はプラズマ処理する、第1の基材の製造方法。
  14. 25℃における抵抗率が10Ω・cm以上である無機層を有する第1の基材と、下記フッ素樹脂を含むフッ素樹脂層を有する第2の基材とを、前記無機層と前記フッ素樹脂層とが接した状態で熱圧着する際に用いられる前記第2の基材を製造する方法であり、
    前記第2の基材の前記フッ素樹脂層の表面をプラズマ処理する、第2の基材の製造方法。
    フッ素樹脂:
    カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、溶融成形可能であるフッ素樹脂。
JP2018072619A 2018-04-04 2018-04-04 積層体の製造方法及び基材の製造方法 Pending JP2019181735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018072619A JP2019181735A (ja) 2018-04-04 2018-04-04 積層体の製造方法及び基材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018072619A JP2019181735A (ja) 2018-04-04 2018-04-04 積層体の製造方法及び基材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019181735A true JP2019181735A (ja) 2019-10-24

Family

ID=68338898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018072619A Pending JP2019181735A (ja) 2018-04-04 2018-04-04 積層体の製造方法及び基材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019181735A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022239740A1 (ja) * 2021-05-10 2022-11-17 株式会社神鋼環境ソリューション グラスライニング製品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10146927A (ja) * 1996-09-19 1998-06-02 Du Pont Kk フッ素樹脂フィルム積層体およびその製造方法
JP2001505149A (ja) * 1997-06-30 2001-04-17 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 保護グレージング積層品のための中間層フィルム
JP2011011457A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyobo Co Ltd 多層フッ素樹脂基板
JP2011011456A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyobo Co Ltd 多層フッ素樹脂フィルムおよび多層フッ素樹脂基板
JP2012149248A (ja) * 2010-12-27 2012-08-09 Dainippon Printing Co Ltd 積層体およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10146927A (ja) * 1996-09-19 1998-06-02 Du Pont Kk フッ素樹脂フィルム積層体およびその製造方法
JP2001505149A (ja) * 1997-06-30 2001-04-17 サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション 保護グレージング積層品のための中間層フィルム
JP2011011457A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyobo Co Ltd 多層フッ素樹脂基板
JP2011011456A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Toyobo Co Ltd 多層フッ素樹脂フィルムおよび多層フッ素樹脂基板
JP2012149248A (ja) * 2010-12-27 2012-08-09 Dainippon Printing Co Ltd 積層体およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022239740A1 (ja) * 2021-05-10 2022-11-17 株式会社神鋼環境ソリューション グラスライニング製品
JP2022173815A (ja) * 2021-05-10 2022-11-22 株式会社神鋼環境ソリューション グラスライニング製品
JP7299941B2 (ja) 2021-05-10 2023-06-28 株式会社神鋼環境ソリューション グラスライニング製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7151140B2 (ja) フッ素樹脂シート、積層体及びそれらの製造方法
JP7234921B2 (ja) 熱プレス積層体、および、熱プレス積層体の製造方法
CN112334534B (zh) 粉末分散液、层叠体、膜和含浸织造布
KR102715822B1 (ko) 수지가 부착된 금속박의 제조 방법, 수지가 부착된 금속박, 적층체 및 프린트 기판
JP7230932B2 (ja) 積層体及びその製造方法、複合積層体の製造方法、並びにポリマーフィルムの製造方法
JPWO2018043683A1 (ja) 金属積層板およびその製造方法、ならびにプリント基板の製造方法
KR102754199B1 (ko) 유리 수지 적층체, 복합 적층체, 및 그것들의 제조 방법
JP7746987B2 (ja) 熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーを含む層を有する積層体の製造方法
WO2020090607A1 (ja) 分散液
JP2020090021A (ja) 複合積層体
KR20210016327A (ko) 수지 부착 금속박의 제조 방법 및 수지 부착 금속박
JP2021075030A (ja) 積層体、積層体の製造方法、シート、及びプリント回路基板
WO2021075504A1 (ja) 非水系分散液及び積層体の製造方法
WO2019235439A1 (ja) 分散液、樹脂付金属箔の製造方法、及びプリント基板の製造方法
JP7243724B2 (ja) 樹脂付金属箔
JP7059764B2 (ja) 積層体の製造方法
JP2019181735A (ja) 積層体の製造方法及び基材の製造方法
JP2020070401A (ja) 分散液
JP2024102462A (ja) フッ素樹脂組成物、塗料、プリント基板、基板用誘電材料、積層回路基板、シート及びフッ素樹脂組成物の製造方法
JP7247536B2 (ja) 複合体の製造方法及び複合体
JPWO2020171024A1 (ja) 積層体及び積層体の製造方法
JP7771961B2 (ja) 積層フィルムの製造方法及び積層フィルム
JP2024102463A (ja) フッ素樹脂組成物、塗料組成物、塗装物品およびシート状組成物
JP2020093196A (ja) 処理金属基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221115