以下、実施形態及び例示物を示して、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に挙げる実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)アリル基を有するポリフェニレン化合物、を含む。
このような樹脂組成物を用いることにより、誘電正接が低く、かつHAST試験後においても、導体層との間の密着性に優れる硬化物を得ることが可能となる。さらには、得られた硬化物は、通常HAST試験前の導体層との間の密着性にも優れる。
樹脂組成物は、(A)〜(C)成分に組み合わせて、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(D)無機充填材、(E)熱可塑性樹脂、(F)硬化促進剤、(G)重合開始剤、及び(H)その他の添加剤等が挙げられる。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、(A)エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよいが、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。(A)エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いることで、樹脂組成物層の可撓性を向上させたり、樹脂組成物層の硬化物の破断強度を向上させたりできる。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4−グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−7200HH」、「HP−7200H」、「EXA−7311」、「EXA−7311−G3」、「EXA−7311−G4」、「EXA−7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG−100」、「CG−500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:1〜1:20、より好ましくは1:1.5〜1:10、特に好ましくは1:2〜1:5である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。さらに、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、適度な粘着性がもたらされる。また、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する。さらに、通常は、十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、樹脂組成物層の硬化物の架橋密度が十分となり、表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100〜5000、より好ましくは250〜3000、さらに好ましくは400〜1500である。
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
(A)エポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す絶縁層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
<(B)硬化剤>
樹脂組成物は、(B)成分として、硬化剤を含む。(B)硬化剤は、通常、(A)エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させる機能を有する。
(B)硬化剤としては、例えば、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などが挙げられる。(B)硬化剤は1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を併用してもよい。
活性エステル系硬化剤としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する化合物を用いることができる。中でも、活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系硬化剤が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンチレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」、「HPC−8000H−65TM」、「EXB−8000L−65TM」、「EXB−8150−65T」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤として「EXB9416−70BK」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」;日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」;新日鉄住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN−495V」「SN375」;DIC社製の「TD−2090」、「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−1356」、「LA−3018−50P」、「EXB−9500」;等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル、等の2官能シアネート樹脂;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂;これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL−950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子内中に1個以上のアミノ基を有する硬化剤が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C−200S」、「KAYABOND C−100」、「カヤハードA−A」、「カヤハードA−B」、「カヤハードA−S」、三菱化学社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
上述した中でも、(B)硬化剤としては、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤から選択される1種以上であることが好ましく、活性エステル系硬化剤又はフェノール系硬化剤であることがより好ましい。
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との量比は、[(A)成分のエポキシ基の合計数]:[(B)硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01〜1:5の範囲が好ましく、1:0.5〜1:3がより好ましく、1:1〜1:2がさらに好ましい。ここで、「(A)エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する(A)エポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「(B)硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する(B)硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができ、更に通常は、樹脂組成物層の硬化物の耐熱性がより向上する。
(B)硬化剤の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
<(C)アリル基を有するポリフェニレン化合物>
樹脂組成物は、(C)アリル基を有するポリフェニレン化合物を含有する。ポリフェニレン化合物とは、置換基を有していてもよいフェニレン基を1分子中に2個以上含む化合物を表す。ポリフェニレン化合物に含まれるフェニレン基は、フェニレン基同士の間の結合又は連結基を中心として回転することができる。よって、(C)成分は柔軟性に優れ、その結果密着性に寄与するものと考えられる。また、アリル基は、極性が低いので(C)成分がアリル基を有することで、硬化物の誘電正接が低下すると考えられる。
(C)成分は、置換基を有していてもよいフェニレン基が直接結合で結合したポリフェニレン構造を含んでいてもよい。ポリフェニレン構造は、例えば、ビフェニル構造、ターフェニル構造、及びこれらの二量体等が挙げられる。また、(C)成分は、置換基を有していてもよいフェニレン基が、連結基で連結された構造を含んでいてもよい。そのような構造としては、例えば、ジフェニルエーテル構造、ビフェニルアラルキル構造、フェニレン−アルキレン−フェニレンからなる構造等が挙げられる。中でも、(C)成分としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、ビフェニル構造を含むことが好ましい。
(C)成分1分子あたりのアリル基の数は、硬化物の誘電正接を低くする観点から、好ましくは2以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは3以下であり、2が特に好ましい。2以上のアリル基は、フェニレン基1つあたり1つ有することが好ましい。
アリル基は、フェニレン基に直接結合していてもよいが、本発明の効果を顕著に得る観点から、連結基を介してフェニレン基と結合していることが好ましい。
連結基としては、フェニレン基とアリル基とを連結する2価の基を用い得る。このような連結基としては、例えば、−C(=O)O−、−C(=O)−、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アリーレン基、及びこれら2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる2価の基等が挙げられる。
アルキレン基としては、炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。アリーレン基としては、炭素原子数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素原子数が6〜14のアリーレン基がより好ましく、炭素原子数6〜10のアリーレン基がさらに好ましい。
2種以上の組み合わせからなる2価の基としては、例えば、カルボニル基と酸素原子の組み合わせからなる基;カルボニル基、酸素原子及びアルキレン基の組み合わせからなる基等が挙げられる。
アリル基は、直接又は連結基を介して、フェニレン基の2〜6位のいずれかと結合していることが好ましく、2位で結合していることがより好ましい。
フェニレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、オキソ基等が挙げられる。
(C)成分としては、下記式(1)で表される構造を有することが好ましい。
(式(1)中、R
1はそれぞれ独立に−C(=O)O−、−C(=O)−、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アリーレン基、及びこれら2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる2価の基を表し、R
2はそれぞれ独立に単結合、酸素原子又はアルキレン基を表す。nは2又は3を表す。)
R1はそれぞれ独立に−C(=O)O−、−C(=O)−、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アリーレン基、及びこれら2種以上の組み合わせからなる2価の基を表す。R1で表される基は、連結基において説明したとおりである。
R1は、ベンゼン環の2〜6位のいずれかと結合していることが好ましく、ベンゼン環の2位で結合していることがより好ましい。
R2はそれぞれ独立に単結合、酸素原子又はアルキレン基を表す。アルキレン基は、炭素原子数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。R2としては、単結合を表すことが好ましい。
nは2又は3を表し、2が好ましい。
(C)成分としては、下記式(2)で表される構造を有することが好ましい。
(式(2)中、R
11及びR
12はそれぞれ独立に−C(=O)O−、−C(=O)−、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アリーレン基、及びこれら2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる2価の基を表し、R
21は単結合、酸素原子又はアルキレン基を表す。)
R11及びR12はそれぞれ独立に−C(=O)O−、−C(=O)−、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アリーレン基、及びこれら2種以上の組み合わせからなる群より選ばれる2価の基を表す。R11及びR12は式(1)中のR1と同義である。
R21はそれぞれ独立に単結合、酸素原子又はアルキレン基を表す。R21は式(1)中のR2と同義である。
(C)成分の具体例としては、ジフェン酸ジアリル等が挙げられる。(C)成分は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。上限は好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、又は10質量%以下である。樹脂組成物の「樹脂成分」とは、樹脂組成物に含まれる不揮発成分のうち、(D)無機充填材を除いた成分をいう。
<(D)無機充填材>
樹脂組成物は、(D)無機充填材を含有し得る。無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。無機充填材の材料の例としては、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。(D)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)無機充填材の市販品としては、例えば、電化化学工業社製の「UFP−30」;新日鉄住金マテリアルズ社製の「SP60−05」、「SP507−05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」;デンカ社製の「UFP−30」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO−C4」、「SO−C2」、「SO−C1」;などが挙げられる。
(D)無機充填材の平均粒径は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
(D)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で(D)無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出した。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA−960」等が挙げられる。
(D)無機充填材の比表面積は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1m2/g以上、より好ましくは5m2/g以上、特に好ましくは10m2/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m2/g以下、50m2/g以下又は40m2/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM−1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(D)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM−7103」(3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部〜5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部〜3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部〜2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m2以上が好ましく、0.1mg/m2以上がより好ましく、0.2mg/m2以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m2以下が好ましく、0.8mg/m2以下がより好ましく、0.5mg/m2以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA−320V」等を使用することができる。
(D)無機充填材の含有量は、誘電正接を低くする観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。通常、(D)無機充填材の含有量が多いと密着性が低下する傾向にある。しかし、前記の樹脂組成物は(C)成分を含有するので、(D)無機充填材の含有量が多くても密着性は低下せず、HAST後の密着性を良好にすることが可能となる。
<(E)熱可塑性樹脂>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更に(E)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
(E)成分としての熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、本発明の所望の効果を顕著に得る観点、並びに、表面粗さが小さく導体層との密着性に特に優れる絶縁層を得る観点から、フェノキシ樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」;等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000−2」、「電化ブチラール5000−A」、「電化ブチラール6000−C」、「電化ブチラール6000−EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX−5Z)、KSシリーズ(例えばKS−1)、BLシリーズ、BMシリーズ;等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE−2St 1200」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
(E)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは8,000以上、より好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
(E)熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
<(F)硬化促進剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更に、(F)硬化促進剤を含んでいてもよい。
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。中でも、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン等が挙げられ、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200−H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
(F)硬化促進剤の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
<(G)重合開始剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更に、(G)重合開始剤を含んでいてもよい。(G)重合開始剤は、通常(C)成分におけるアリル基の架橋を促進させる機能を有する。(G)重合開始剤は1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を併用してもよい。
(G)重合開始剤としては、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートt−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物が挙げられる。
(G)重合開始剤の市販品としては、例えば、日油社製の「パーブチルC」、「パーブチルA」、「パーブチルP」、「パーブチルL」、「パーブチルO」、「パーブチルND」、「パーブチルZ」等が挙げられる。
(G)重合開始剤の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
<(H)その他の添加剤>
樹脂組成物は、上述した成分以外に、任意の成分として、更にその他の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機充填材;増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等の樹脂添加剤;などが挙げられる。これらの添加剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<樹脂組成物の物性、用途>
樹脂組成物を200℃で90分間熱硬化させた硬化物は、誘電正接が低いという特性を示す。よって、前記の硬化物は、誘電正接が低い絶縁層をもたらす。誘電正接としては、好ましくは0.005以下、より好ましくは0.004以下、0.003以下である。一方、誘電正接の下限値は特に限定されないが、0.0001以上等とし得る。前記の誘電正接の評価は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物を100℃で30分間、次いで170℃で30分間、さらに200℃で90分間熱硬化させた硬化物は、通常HAST試験前の銅箔との間の密着性(ピール強度)に優れるという特性を示す。よって、前記の硬化物は、HAST試験前の銅箔との密着性に優れる絶縁層をもたらす。HAST試験前の銅箔との密着強度としては、好ましくは0.4kgf/cm以上、より好ましくは0.5kgf/cm以上、さらに好ましくは0.6kgf/cm以上である。一方、HAST試験前の密着強度の上限値は特に限定されないが、5kgf/cm以下等とし得る。前記のHAST試験前の密着強度の評価は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
樹脂組成物を100℃で30分間、次いで170℃で30分間、さらに200℃で90分間熱硬化させた硬化物は、HAST試験後の銅箔との間の密着性(ピール強度)に優れるという特性を示す。よって、前記の硬化物は、HAST試験後の銅箔との密着性に優れる絶縁層をもたらす。HAST試験後の銅箔との密着強度としては、好ましくは0.15kgf/cm以上、より好ましくは0.2kgf/cm以上、さらに好ましくは0.25kgf/cm以上である。一方、HAST試験後の密着強度の上限値は特に限定されないが、5kgf/cm以下等とし得る。前記のHAST試験後の密着強度の評価は、後述する実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、誘電正接が低く、HAST試験後においても、導体層との間の密着性に優れる絶縁層をもたらすことができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、絶縁用途の樹脂組成物として好適に使用することができる。具体的には、絶縁層上に形成される導体層(再配線層を含む)を形成するための当該絶縁層を形成するための樹脂組成物(導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。
また、後述する多層プリント配線板において、多層プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(多層プリント配線板の絶縁層形成用樹脂組成物)、プリント配線板の層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の層間絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。
また、例えば、以下の(1)〜(6)工程を経て半導体チップパッケージが製造される場合、本発明の樹脂組成物は、再配線層を形成するための絶縁層としての再配線形成層用の樹脂組成物(再配線形成層形成用の樹脂組成物)、及び半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップ封止用の樹脂組成物)としても好適に使用することができる。半導体チップパッケージが製造される際、封止層上に更に再配線層を形成してもよい。
(1)基材に仮固定フィルムを積層する工程、
(2)半導体チップを、仮固定フィルム上に仮固定する工程、
(3)半導体チップ上に封止層を形成する工程、
(4)基材及び仮固定フィルムを半導体チップから剥離する工程、
(5)半導体チップの基材及び仮固定フィルムを剥離した面に、絶縁層としての再配線形成層を形成する工程、及び
(6)再配線形成層上に、導体層としての再配線層を形成する工程
また、本発明の樹脂組成物は、部品埋め込み性に良好な絶縁層をもたらすことから、プリント配線板が部品内蔵回路板である場合にも好適に使用することができる。
[樹脂シート]
本発明の樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含む。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上、10μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、さらに必要に応じて、その他の層を含んでいてもよい。斯かるその他の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
樹脂シートは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶剤等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃〜150℃で3分間〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む。
プリント配線板は、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用し得る。
内層基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃〜240℃、より好ましくは150℃〜220℃、さらに好ましくは170℃〜210℃である。硬化時間は好ましくは5分間〜120分間、より好ましくは10分間〜100分間、さらに好ましくは15分間〜100分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上115℃以下、より好ましくは70℃以上110℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5分間〜150分間、より好ましくは15分間〜120分間、さらに好ましくは15分間〜100分間)予備加熱してもよい。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至工程(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。また、必要に応じて、工程(II)〜工程(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。通常、この工程(IV)において、スミアの除去も行われる。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に絶縁層を5分間〜15分間浸漬させることが好ましい。粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。下限については特に限定されないが、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上等とし得る。また、粗化処理後の絶縁層表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは350nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。下限については特に限定されないが、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上等とし得る。絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)及び二乗平均平方根粗さ(Rq)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(V)は、導体層を形成する工程であり、絶縁層上に導体層を形成する。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
一実施形態において、導体層は、メッキにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができ、製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法により形成することが好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、等が挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無い。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示の無い限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、以下に説明する操作は、別途明示の無い限り、常温常圧の環境で行った。
[実施例1]
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量169)10部、及び、ナフトール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ESN475V」、エポキシ当量約330)30部を、ソルベントナフサ40部に撹拌しながら加熱溶解させた。これを室温にまで冷却し、エポキシ樹脂の溶解組成物を調製した。
このエポキシ樹脂の溶解組成物に、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)5部、トリアジン骨格及びノボラック構造を有するフェノール系硬化剤(DIC社製「LA−3018−50P」、活性基当量約151、固形分50%の2−メトキシプロパノール溶液)5部、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)60部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)1部、重合開始剤としてパーブチルC(「perbutyl−C」、日油社製、固形分20%のMEK溶液)1部、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)230部、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)5部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。
ジフェン酸ジアリル(DAD)の構造は以下のとおりである。
支持体として、離型層を備えたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。この支持体の離型層上に、前記の樹脂ワニスを、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように均一に塗布した。その後、樹脂ワニスを80℃〜100℃(平均90℃)で6分間乾燥させて、支持体及び樹脂組成物層を含む樹脂シートを作製した。
[実施例2]
実施例1において、活性エステル系硬化剤(DIC社製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、固形分65質量%のトルエン溶液)60部を、活性エステル系硬化剤(DIC社製「EXB―8150−60T」、活性基当量230、固形分60%のトルエン溶液)60部に変え、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)の量を230部から220部に変えた。以上の事項以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[実施例3]
実施例2において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)の量を5部から2.5部に変え、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)の量を220部から215部に変えた。以上の事項以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[実施例4]
実施例2において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)の量を5部から10部に変え、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)の量を220部から235部に変えた。以上の事項以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[実施例5]
実施例2において、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)5部を用いなかった。以上の事項以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[比較例1]
実施例1において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)5部を用いず、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)の量を230部から220部に変えた。以上の事項以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[比較例2]
実施例2において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)5部を用いず、アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、アドマテックス社製「SO−C2」)の量を220部から215部に変えた。以上の事項以外は、実施例2と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[比較例3]
実施例3において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)5部を、ダップ樹脂(DAP)(大阪ソーダ社製)5部に変えた。以上の事項以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
[比較例4]
実施例3において、アリル基を有するポリフェニレン化合物(ジフェン酸ジアリル(DAD)、日触テクノファインケミカル社製)5部を、イソダップ樹脂(DAI)(大阪ソーダ社製)5部に変えた。以上の事項以外は、実施例3と同様にして樹脂ワニス、樹脂シートを作製した。
イソダップ樹脂(DAI)の構造は以下のとおりである。
[ピール強度1、ピール強度2の測定]
<評価基板Aの作製>
内層基板として、表面に銅箔を有するガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.8mm、パナソニック社製「R1515A」)を用意した。この内層基板の表面の銅箔を、すべてエッチングして除去した。その後、190℃にて30分乾燥を行った。
上述した実施例及び比較例で得た樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が前記の内層基板と接合するように、内層基板の両面にラミネートした。このラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、温度100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着することにより、実施した。
次いで、ラミネートされた樹脂シートを、大気圧下、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間、熱プレスして平滑化した。その後、支持体を剥離して、樹脂組成物層、内層基板及び樹脂組成物層をこの順で含む「中間複層体I」を得た。
他方、光沢面を有する銅箔(厚み35μm、三井金属社製「3EC−III」)を用意した。この銅箔の光沢面を、マイクロエッチング剤(メック社製「CZ8101」)を用いて、銅エッチング量1μmにてエッチングして、粗化処理を行い、「粗化銅箔」を得た。
この粗化銅箔を、当該粗化銅箔の粗化処理を施された面が中間複層体Iの樹脂組成物層に接合するように、中間複層体Iの両面にラミネートした。このラミネートは、前述した内層基板への樹脂シートのラミネートと同じ条件で行った。これにより、粗化銅箔、樹脂組成物層、内層基板、樹脂組成物層及び粗化銅箔をこの順で含む「中間複層体II」を得た。
この中間複層体IIを、100℃のオーブンに投入して30分間加熱し、次いで170℃のオーブンに移し替えて30分間加熱した。次いで、中間複層体IIを、オーブンから室温雰囲気下に取り出した後、更に200℃のオーブンに投入して90分間追加で加熱した。これにより、樹脂組成物層の熱硬化が行われて、粗化銅箔、樹脂組成物層の硬化物としての絶縁層、内層基板、樹脂組成物層の硬化物としての絶縁層、及び、粗化銅箔をこの順で含む「評価基板A」を得た。この評価基材Aにおいて、粗化銅箔が、導体層に相当する。
<HAST試験前のピール強度の測定(ピール強度1)>
前記の評価基板Aを用いて、粗化銅箔と絶縁層とのピール強度の測定を行った。このピール強度の測定は、JIS C6481に準拠して行った。具体的には、下記の操作によって、ピール強度の測定を行った。
評価基板Aの粗化銅箔に、幅10mm、長さ100mmの矩形部分を囲む切込みをいれた。この矩形部分の一端を剥がして、つかみ具(ティー・エス・イー社製、オートコム型試験機「AC−50C−SL」)で掴んだ。前記矩形部分の長さ35mmの範囲を垂直方向に引き剥がし、この引き剥がし時の荷重(kgf/cm)を、ピール強度として測定した。前記の引き剥がしは、室温中にて、50mm/分の速度で行った。
<HAST試験後のピール強度の測定(ピール強度2)>
一方、評価基板Aを、温度130℃、湿度85%RHの環境に100時間置くHAST試験を行った。そして、このHAST試験後、HAST試験前と同じ方法によって、評価基板Aの粗化銅箔と絶縁層とのピール強度の測定を行った。
[誘電正接の測定]
各実施例および各比較例で得られた樹脂シートを200℃で90分熱硬化させて、支持体を剥離してシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、空洞共振器摂動法誘電率測定装置(関東応用電子開発社製、CP521)及びネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製、E8362B)を使用して、空洞共振法で測定周波数5.8GHzにて誘電正接(tanδ)の測定を行った。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
表中、「(D)成分の含有量」は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合の(D)成分の含有量を表す。
実施例1〜5において、(D)成分〜(G)成分を含有しない場合であっても、程度に差はあるものの、上記実施例と同様の結果に帰着することを確認している。