JP2019192568A - 車両の除電器 - Google Patents
車両の除電器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019192568A JP2019192568A JP2018086301A JP2018086301A JP2019192568A JP 2019192568 A JP2019192568 A JP 2019192568A JP 2018086301 A JP2018086301 A JP 2018086301A JP 2018086301 A JP2018086301 A JP 2018086301A JP 2019192568 A JP2019192568 A JP 2019192568A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- tape
- adhesive tape
- static eliminator
- vehicle body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Elimination Of Static Electricity (AREA)
Abstract
【課題】車体における静電気を十分に中和除電することができると共に、材料コストや製造コストを低減することができ、しかも、外観の見栄えを良好に維持することのできる車両の除電器を提供する。【解決手段】車両1の除電器6において、正の極性の静電気を帯びる特定部位に粘着剤8を介して貼付される樹脂テープ7を備え、粘着剤8の表面抵抗値は1×1010(Ω)から1×1011(Ω)であり、樹脂テープ7は負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって形成され、樹脂テープ7の表面積は放電特性が同じであるアルミニウム粘着テープと同じ表面積であり、樹脂テープ7およびアルミニウム粘着テープの各周縁部は自己放電を生じさせるように鋭利もしくは尖って形成され、樹脂テープ7の周縁部6Aの長さはアルミニウム粘着テープの周縁部の長さの3倍から5倍である。【選択図】図5
Description
この発明は、車両における静電気を除電する除電器に関するものである。
車両および空気は共に正に帯電することが知られており、走行時に車両およびその周囲を流れる空気流が共に正に帯電すると、それらの間の斥力によって車両表面から空気流が剥離する可能性がある。車体が帯びている正の極性の静電気を除電して上述した空気流の剥離を抑制する除電器の一例が特許文献1に記載されている。その除電器は、車体の周囲を流れる空気流が、車体表面に沿う流れから、車体表面から離れた流れに変化し始める箇所のうち、空気流の剥離を抑制することによって車両の操縦安定性を良好にすることのできる特定部位に設けられている。除電器は、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属材料や導電性高分子、導電性プラスチックなどによって構成された導電性のシートを、導電性の粘着剤を介して特定部位に貼り付けて構成されている。また、その外縁部は自己放電を生じやすくするために鋭利もしくは尖って形成されている。除電器は導電性を有しているため、走行時に車体が正に帯電すると、車体と同様に正に帯電する。また、除電器の外縁部は尖っているため、その外縁部に電荷が集中してその周囲に負の極性の空気イオンが引き寄せられる。また、コロナ放電によって負の極性の空気イオンが生じ、その負の極性の空気イオンによって除電器の周囲における車体の正の極性の静電気が中和除電されてその電位が低下させられ、斥力が小さくなる。それらの結果、除電器の周囲に空気流が引き寄せられるから、空気流の剥離を抑制して車体の操縦安定性を向上することができる、とされている。
特許文献1に記載された除電器を構成している、導電性のある各種の材料は、従来一般的に用いられる導電性のない合成樹脂材料と比較して高価であり、特許文献1に記載された構成では、材料コストや製造コストを抑制する点で未だ、改良の余地があった。なお、特許文献1に記載された除電器を車体表面に貼ると、外観の見栄えを損なう可能性があり、この点でも未だ、改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目して成されたものであり、車体における静電気を十分に中和除電することができると共に、材料コストや製造コストを低減することができ、しかも、外観の見栄えを良好に維持することのできる車両の除電器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、路面に対して絶縁状態になっている車両における、前記車両の走行による要因と、前記車両の走行による要因以外の他の要因とのうち、少なくとも一方の要因によって正の極性の静電気を帯びる少なくとも一つの特定部位に設けられていて、自己放電によって負の極性の空気イオンを生じさせ、前記負の極性の空気イオンによって前記特定部位の正の電位を中和除電して低下させるように構成された前記車両の除電器において、前記特定部位に粘着剤を介して貼付される樹脂テープを備え、前記粘着剤の表面抵抗値は、1×1010(Ω)から1×1011(Ω)であり、前記樹脂テープは、前記特定部位と比較して前記特定部位とは反対の負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって形成され、前記樹脂テープの表面積は、前記負の極性の空気イオンによって前記特定部位の正の電位を中和除電して低下させる放電特性が同じであるアルミニウム粘着テープと同じ表面積であって、前記樹脂テープの周縁部と前記アルミニウム粘着テープの周縁部とのそれぞれは、前記自己放電を生じさせるように鋭利もしくは尖って形成され、前記樹脂テープの周縁部の長さは、前記アルミニウム粘着テープの周縁部の長さの3倍から5倍であることを特徴とするものである。
この発明によれば、車両には、車両の走行による要因と、前記車両の走行による要因以外の他の要因とのうち、少なくとも一方の要因によって正の極性の静電気を帯びる特定部位があり、特定部位のうちの少なくとも一つの特定部位にこの発明の除電器が設けられる。上記の特定部位としては、例えば、車体の周囲を流れる空気流が車体の表面に沿う流れから車体の表面から離れた流れに変化し始める箇所を挙げることができる。この発明では、上記の特定部位に、自己放電により負の極性の空気イオンを生じさせ、その負の極性の静電気によって特定部位およびその周囲の正の電位を中和除電して低下させる樹脂テープが粘着剤を介して除電器として設けられている。樹脂テープは、特定部位と比較して負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって形成され、粘着剤の表面抵抗値は1×1010(Ω)から1×1011(Ω)の範囲に設定されている。また、樹脂テープは、金属材料や導電性を有する合成樹脂材料などを備えていないため、そのような導電性のある材料を有するテープと比較して、低コストであり、したがって、除電器の材料コストや製造コストを低減することができる。また、この発明では、樹脂テープの表面積は、自己放電による負の空気イオンによって特定部位およびその周囲の正の電位を中和除電して低下させる、いわゆる放電特性が同じであるアルミニウム粘着テープの表面積と同じに設定されている。また、樹脂テープの周縁部の長さはアルミニウム粘着テープの周縁部の長さの3倍から5倍に設定されている。つまり、樹脂テープにおける負の極性の静電気と正の極性の静電気を帯びる空気とが接触したり、自己放電を生じたりする箇所あるいは長さが可及的に長くなっている。そのため、アルミニウム粘着テープと比較して樹脂テープの電気抵抗が大きく電気が流れにくいとしても、車両の走行に伴って樹脂テープが負の極性の静電気を帯び、また、その電位が増大すると、樹脂テープの周囲に正に帯電している空気イオンを含む空気流をクーロン力によって引き寄せることができる。なお、このようにクーロン力によって車体表面に空気流を引き寄せる場合には、特定部位の表面に樹脂テープを貼ることが好ましい。また、自己放電を生じると、それによって生じた負の極性の空気イオンによって特定部位の周囲の正の電位が中和除電されて低下させられる。その結果、車体と空気流との間の斥力(反発力)が低下させられる。このようにして、この発明では、車体の表面近傍から空気流が剥離することを抑制できる。そして、車体の表面に作用する空圧が想定を超えて変化したり、それに伴って車体の空力特性が悪化したりすることを抑制することができるので、操縦安定性などの走行性能が低下することを抑制することができる。さらに、樹脂テープは合成樹脂材料によって形成されるから、色彩や形状などのデザイン、材料などの選択の自由度が大きい。そのため、車体表面に除電器として貼付するとしても、車両の見栄えを良好に維持したり、あるいは見栄えを損なうことを抑制したりできる。
次に、この発明の実施形態を具体的に説明する。図1は、この発明の実施形態における車両の前半部分を示す斜視図である。図1に示す車両1の骨格を成す車体は、例えば、設計上、定めた剛性の図示しない鋼板に、合成樹脂材料により形成された図示しないカバー部材を取り付け、そのカバー部材の表面に図示しないガラス製のコーティングを付して構成される。その車体が、ゴムなどの金属材料と比較して電気抵抗の大きい材料によって構成されたタイヤ2を介して路面に接している。したがって、路面と車体とは、それらの間で電気がほとんど流れない絶縁状態となっており、車体の表面と空気との摩擦、あるいは、走行時に路面に対してタイヤ2の外表面が繰り返し接触および離隔するなどの内的要因や、雷雲あるいは送電線などの外的要因などによって車体に静電気が生じた場合には、その静電気は路面に流れることなく、車体に溜まる。なお、上述した内的要因が、この発明の実施形態における車両の走行による要因に相当し、上述した外的要因が、この発明の実施形態における車両の走行による要因以外の他の要因に相当している。
また、車両1は複数の内外装部品を備えており、それらの内外装部品には、軽量化や加工性などの観点から、合成樹脂材料が多く用いられている。そのため、内外装部品は、上述した内的要因や外的要因などによって静電気を帯びやすく、また、合成樹脂材料の電気抵抗が金属材料の電気抵抗と比較して大きいことが要因となって帯電量が多くなる。なお、上記の内外装部品としては、バンパカバー3、ドアミラー4、ヘッドランプ5、ドアノブ(図示せず)、テールランプ(図示せず)、アンテナフィン(図示せず)、樹脂製サイドドア(図示せず)、樹脂製バックドア(図示せず)、天井カバー(図示せず)、ステアリングホイールにおける樹脂製のコラムカバー(それぞれ図示せず)等を挙げることができる。
上述した車体や各種の内外装部品、空気などは、従来一般的に、全体として正の極性の静電気を帯びやすいことが知られている。そのため、内的要因や外的要因などによって車体や内外装部品が共に正の極性の静電気を帯びると、車体や内外装部品と、車体の表面に沿った空気の流れ(以下、空気流と記す。)とが互いに反発し合い、すなわち車体や内外装部品の正電荷と空気流の正電荷とによって斥力が生じ、その斥力によって車体や内外装部品から空気流が剥離する可能性がある。なお、正の極性の静電気を帯びる車体や内外装部品、および、正の極性の静電気を帯びることによって空気流の変化が生じる箇所などがこの発明の実施形態における特定部位に相当している。
ここで、「空気流が剥離する」とは、車体の表面に沿った空気流が車体の表面から離れるように変化することであり、上述した特定部位のうち、そのような空気流の変化が生じる特定部位は、具体的には、車体を前方から見た場合に、車体の外面が車体の内側に屈曲する箇所である。例えば、車体の左右両側では、車幅が狭くなるように屈曲する箇所であり、バンパカバー3では、車両後方に向けてバンパカバー3が屈曲する箇所である。ボンネットやルーフでは、それらの高さが低くなるように屈曲する箇所である。アンダーカバーなどの車体下面に露出している部分では、それらの高さが車両後方に向けて次第に低くなっている箇所から水平に変化するように屈曲する箇所、あるいは車両後方に向けて水平であった箇所から高さが次第に高くなるように屈曲する箇所などである。また、車体の外側に突出しているドアミラー4やアンテナフィン、あるいは段差のある箇所なども、空気流の剥離が生じる特定部位に相当する。
図1に示す例では、車幅方向でバンパカバー3の両端部やその付近が特定部位となっている。その特定部位の裏面であって、かつ、空気流に曝される箇所に、当該特定部位およびその周囲での空気流の剥離を抑制する、この発明の実施形態に係る除電器6が設けられている。つまり除電器6は、車幅方向での中央部を中心としてほぼ左右対称に設けられ、かつ、車両1の内側に露出している。なお、バンパカバー3を構成する合成樹脂材料としては、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)などを挙げることができる。
図2に、図1に示す除電器6の断面図を示してある。図2に示すように、除電器6は合成樹脂材料によって構成された樹脂テープ7を備え、その樹脂テープ7が粘着剤8を介してバンパカバー3に貼付されている。樹脂テープ7を構成する合成樹脂材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、セロファン(登録商標)、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)などを挙げることができる。すなわち、樹脂テープ7は、図3に示す帯電列上で、上述した車体や特定部位、特許文献1に記載された除電器を構成するアルミニウムなどの金属材料よりも負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって構成されている。なお、この発明の実施形態における除電器6を構成することのできる合成樹脂材料を図3に点線で囲って示してある。
一方、粘着剤8は、正の極性の静電気を帯びるバンパカバー3に負の極性の静電気を帯びる樹脂テープ7を貼り付けるものであり、従来知られた非導電性の粘着剤によって構成されている。粘着剤8の表面抵抗値は1×1010(Ω)から1×1011(Ω)の範囲に設定されており、そのため、粘着剤8は、バンパカバー3に対してほぼ絶縁した状態で樹脂テープ7を接着する。このように除電器は、非導電性の合成樹脂材料と非導電性の粘着剤とからなる粘着テープであり、したがって、除電器6としては例えば、従来知られたポリ塩化ビニルテープを用いることができる。なお、以下の説明では、除電器6を単にビニルテープ6と記す。
また、ここに示す例では、ビニルテープ6の周縁部6Aは鋭利もしくは尖って形成されている。これは、ビニルテープ6が静電気を帯びた場合に、自己放電つまりコロナ放電を生じやすくするためである。図4の(A)に示す例では、長方形状のビニルテープ6に互いに平行な複数のスリットが形成され、四つの辺のそれぞれが鋭く切り立って形成されると共に、各スリットの周縁部も鋭く切り立って形成される。こうすることによってビニルテープ6が静電気を帯びた場合に、その電荷が周縁部6Aに集中してコロナ放電が生じやすくなる。なお、周縁部6Aのそれぞれが鋸歯状に形成されていてもよく、このような構成であっても、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さを可及的に長くすることができる。また、四つの角部のそれぞれが鋭く尖って形成されていてもよい。更に、図4の(B)に示すように、長方形状のビニルテープ6に互いに平行な複数の細溝を形成し、その細溝の周縁部6Aを鋭く切り立たせ、あるいは、鋸歯状に形成してもよい。要は、この発明の実施形態では、除電器としてビニルテープ6を用いる場合には、ビニルテープ6にスリットや細溝を形成したり、周縁部6Aを鋸歯状に形成したりすることによって表面積に対して周縁部6Aが可及的に長く形成されていればよい。
特定部位に貼付するビニルテープ6の表面積や周縁部6Aの長さについて説明する。先ず、特定部位に貼り付けかつ自己放電を生じさせることによって前記特定部位およびその周囲における正の極性の静電気が中和除電されて車両1の操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを求める。そのアルミニウム粘着テープとしては、特許文献1に記載のあるアルミニウム粘着テープを採用することができる。例えば、車両1を所定距離、走行させて車体を帯電させ、その帯電している車体の特定部位にアルミニウム粘着テープを貼付する。当該アルミニウム粘着テープの表面積、周縁部の長さは予め設定されている。そして、再び、車両1を走行させ、アルミニウム粘着テープでの自己放電によって前記特定部位およびその周囲における正の極性の静電気が中和除電されて車両1の操縦安定性が良好になるか否かを運転者による官能試験によって評価する。この走行実験を、アルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを変えて繰り返し行って操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを求めた。
次いで、操縦安定性が良好になったと評価されたアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを基準値として採用し、上記と同様にして帯電させた車両1の特定部位に、アルミニウム粘着テープに替えてビニルテープ6を貼付した。そのビニルテープ6の表面積はアルミニウム粘着テープの表面積と同じに設定してあり、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さのみ、変更した。なお、ビニルテープ6にスリットや細溝を形成したり、周縁部6Aを鋸歯状に形成したりすることによって、周縁部6Aの全長を長くすることができる。そして、上記と同様にして再度、車両1を走行させ、ビニルテープ6での自己放電によって前記特定部位およびその周囲における正の極性の静電気が中和除電されて車両1の操縦安定性が良好になるか否かを運転者による官能試験によって評価した。この走行実験を、特定部位に貼付するビニルテープ6の周縁部6Aの長さのみを変更して繰り返し行い、自己放電によって特定部位およびその周囲における正の極性の静電気が中和除電されて車両1の操縦安定性が良好になる、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さを求めた。つまり、特定部位にアルミニウム粘着テープを貼付した場合と同じ放電特性を得ることができるビニルテープ6の周縁部6Aの長さを求めた。
その結果、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さをアルミニウム粘着テープの少なくとも3倍に設定すると、アルミニウム粘着テープと放電特性が同じになり、車両1の操縦安定性が良好になることが認められた。また、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さがアルミニウム粘着テープの5倍以上になると、操縦安定性の低下が認められた。これは、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さが過大になると、それに伴ってコロナ放電による静電気の放電量も増大し、その結果、車体の静電気の電位が大きく低下して一時的にコロナ放電が生じなくなるためであると思われる。つまり、車体と空気流との間にクーロン力が生じている状態と、そのようなクーロン力が生じていない状態とが交互に生じ、空力特性が断続的に変化するためであると思われる。そのため、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さの最大値はアルミニウム粘着テープの5倍に設定した。なお、この発明の実施形態で「放電特性が同じ」とは、特定部位にビニルテープ6を貼付した場合であっても、特定部位にアルミニウム粘着テープを貼付した場合と同様に、自己放電が生じ、それによって生じた負の極性の空気イオンによって特定部位およびその周囲における正の極性の静電気が中和除電されて操縦安定性が良好になることを意味する。
次に、上述した走行実験について具体的に説明する。
(第1性能試験)
(比較例1)
ハッチバックタイプの第1試験車両を用意し、約30Km走行して車体を帯電させた。次いで、車体における予め定めた特定部位に、周縁部を鋭く切り立たせた所定長さのアルミニウム粘着テープを貼り付けた。このアルミニウム粘着テープが除電器として機能する。その後、再度、第1試験車両を走行させた。そして、特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けることによって、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるか否かを、運転者による官能試験によって評価した。このような走行実験を特定部位に貼り付けるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを変えて、複数回行って、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを求めた。その結果、特定部位に厚さ50μm、周縁部の長さが25mmのアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第1試験車両の加速操作や減速操作、操舵操作などに対する車両1の加速や減速、旋回が良好になった。つまり、操作性や操縦安定性が良好になった。なお、下記の各実験例では、比較例1で操作性や操縦安定性が良好になったアルミニウム粘着テープの表面積と同じ表面積のビニルテープ6を特定部位に貼り付け、その特定部位に貼り付けるビニルテープ6の周縁部6Aの長さを変更して上述した走行実験を行った。第1性能試験を行った日の気温は約20°、天候は晴れであった。
(第1性能試験)
(比較例1)
ハッチバックタイプの第1試験車両を用意し、約30Km走行して車体を帯電させた。次いで、車体における予め定めた特定部位に、周縁部を鋭く切り立たせた所定長さのアルミニウム粘着テープを貼り付けた。このアルミニウム粘着テープが除電器として機能する。その後、再度、第1試験車両を走行させた。そして、特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けることによって、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるか否かを、運転者による官能試験によって評価した。このような走行実験を特定部位に貼り付けるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを変えて、複数回行って、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを求めた。その結果、特定部位に厚さ50μm、周縁部の長さが25mmのアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第1試験車両の加速操作や減速操作、操舵操作などに対する車両1の加速や減速、旋回が良好になった。つまり、操作性や操縦安定性が良好になった。なお、下記の各実験例では、比較例1で操作性や操縦安定性が良好になったアルミニウム粘着テープの表面積と同じ表面積のビニルテープ6を特定部位に貼り付け、その特定部位に貼り付けるビニルテープ6の周縁部6Aの長さを変更して上述した走行実験を行った。第1性能試験を行った日の気温は約20°、天候は晴れであった。
(実験例1)
比較例1のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが25mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例1と同様に走行実験を行った。そして、第1試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
比較例1のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが25mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例1と同様に走行実験を行った。そして、第1試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
(実験例2)
比較例1のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが110mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例1と同様に走行実験を行った。そして、第1試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、周縁部6Aの合計長さは、ビニルテープ6の周縁部6Aを鋸歯状に形成して調整してもよく、あるいは、図4の(A)や図4の(B)に示すように、ビニルテープ6にスリットや細溝を形成して調整してもよい。また、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
比較例1のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが110mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例1と同様に走行実験を行った。そして、第1試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、周縁部6Aの合計長さは、ビニルテープ6の周縁部6Aを鋸歯状に形成して調整してもよく、あるいは、図4の(A)や図4の(B)に示すように、ビニルテープ6にスリットや細溝を形成して調整してもよい。また、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
(第1性能試験の評価)
(比較例1)
特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、操作性や操縦安定性が良好になった理由について検討する。アルミニウムなどの金属材料は図3に示すように、ビニルテープ6などの合成樹脂材料よりも正の極性の静電気を帯びやすいため、アルミニウム粘着テープは車体と同様に正の極性の静電気を帯びる。その電荷がアルミニウム粘着テープの周縁部に集中する。
(比較例1)
特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、操作性や操縦安定性が良好になった理由について検討する。アルミニウムなどの金属材料は図3に示すように、ビニルテープ6などの合成樹脂材料よりも正の極性の静電気を帯びやすいため、アルミニウム粘着テープは車体と同様に正の極性の静電気を帯びる。その電荷がアルミニウム粘着テープの周縁部に集中する。
このようにして、アルミニウム粘着テープの周縁部に電荷つまり正の極性の静電気が集中すると、それらの周囲に負の極性の空気イオン(マイナスイオン)がクーロン力によって引き寄せられる。周縁部に電荷が更に集中すると、ついにはコロナ放電が生じる。言い換えれば、比較例1では、アルミニウム粘着テープに対して特定部位やその周囲から正の極性の静電気が常に供給され、その静電気を消費するように持続的にコロナ放電が生じる。そして、コロナ放電によって新たに生じた負の極性の空気イオンや上記のクーロン力によって引き寄せられたマイナスイオンなどによって特定部位やその周囲、具体的には、特定部位を中心として直径約100mmの範囲において、正の極性の静電気が中和除電される。こうして特定部位やその周囲の正の極性の静電気の電位(V)が低下する。その結果、車体と空気流との間の斥力が低減する。このようなコロナ放電を伴う空気イオンの引き寄せや斥力の低下などによって、特定部位やその周囲における車体表面からの空気流の剥離が抑制される。そして、特定部位やその周囲での空気の乱流や空圧の変動などが抑制される。つまり、空気流は乱れることなく、図1に矢印Aで示すように、車体の表面に沿って円滑に流れる。その結果、設計したとおり、もしくは設計に近い空力特性が得られ、操作性や操縦安定性が良好になったと思われる。なお、車体の帯電は、第1試験車両が走行することによって生じ、この発明の実施形態に係る除電器は、車体や特定部位が帯びる静電気によって動作するから、低速走行から高速走行までの全速度範囲に亘って走行特性が良好になる。
(実験例1)
これに対して、実験例1では、比較例1によるような操作性や操縦安定性は得られなかった。その理由について検討する。実験例1では、第1試験車両の走行に伴う空気との摩擦によってビニルテープ6は負の極性の静電気を帯びる。そのビニルテープ6は従来一般的に、アルミニウム粘着テープと比較して電気抵抗が大きく電気が流れにくい。そのために、周縁部6Aを鋭く切り立たせて形成したとしても、アルミニウム粘着テープと比較して、その周縁部6Aに電荷が集中したり、コロナ放電が生じたりしにくいと思われる。その結果、正の極性の空気流を引き寄せにくく、また、正の極性の静電気を中和除電したりする負の極性の空気イオンの発生量が少なくなる。つまり、比較例1と同様の作用・効果を得るためには、周縁部6Aの長さが短く、そのために、比較例1によるような操作性や操縦安定性は得られなかったと思われる。
これに対して、実験例1では、比較例1によるような操作性や操縦安定性は得られなかった。その理由について検討する。実験例1では、第1試験車両の走行に伴う空気との摩擦によってビニルテープ6は負の極性の静電気を帯びる。そのビニルテープ6は従来一般的に、アルミニウム粘着テープと比較して電気抵抗が大きく電気が流れにくい。そのために、周縁部6Aを鋭く切り立たせて形成したとしても、アルミニウム粘着テープと比較して、その周縁部6Aに電荷が集中したり、コロナ放電が生じたりしにくいと思われる。その結果、正の極性の空気流を引き寄せにくく、また、正の極性の静電気を中和除電したりする負の極性の空気イオンの発生量が少なくなる。つまり、比較例1と同様の作用・効果を得るためには、周縁部6Aの長さが短く、そのために、比較例1によるような操作性や操縦安定性は得られなかったと思われる。
(実験例2)
実験例2では、比較例1とほぼ同様に、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になった。その理由について検討する。実験例2でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さは、比較例1のアルミニウム粘着テープの周縁部の長さや、実験例1でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さの約4.4倍となっている。つまり、電荷が集中していて空気流と接触したり、コロナ放電が生じたりする周縁部6Aの合計長さが可及的に長く設定されている。そのため、比較例1と同様の作用・効果を得ることができたと思われる。具体的には、第1試験車両の走行に伴う空気との摩擦によってビニルテープ6が負の極性の静電気を帯びると、その静電気はビニルテープ6やその周縁部6Aに集中する。そして、その周囲に比較例1とは反対に、図5に示すように、正の極性の空気イオンが引き寄せられる。また、周縁部6Aでコロナ放電が生じると、図6に示すように、比較例1と同様に、負の極性の空気イオンが生じる。そして、コロナ放電によって生じた負の極性の空気イオンや、空気中のマイナスイオンなどによって特定部位やその周囲の正の極性の静電気が中和除電される。こうして特定部位の電位が低下すると、電位の低くなった特定部位に対してその周囲から高い電位の静電気が供給され、持続的にコロナ放電が生じる。したがって、実験例2の構成であっても、比較例1と同様に、コロナ放電を伴う空気イオンの引き寄せや斥力の低下などによって、特定部位やその周囲における車体表面からの空気流の剥離を抑制できたと思われる。その結果、比較例1とほぼ同様の作用・効果を得ることができたと思われる。
実験例2では、比較例1とほぼ同様に、第1試験車両の操作性や操縦安定性が良好になった。その理由について検討する。実験例2でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さは、比較例1のアルミニウム粘着テープの周縁部の長さや、実験例1でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さの約4.4倍となっている。つまり、電荷が集中していて空気流と接触したり、コロナ放電が生じたりする周縁部6Aの合計長さが可及的に長く設定されている。そのため、比較例1と同様の作用・効果を得ることができたと思われる。具体的には、第1試験車両の走行に伴う空気との摩擦によってビニルテープ6が負の極性の静電気を帯びると、その静電気はビニルテープ6やその周縁部6Aに集中する。そして、その周囲に比較例1とは反対に、図5に示すように、正の極性の空気イオンが引き寄せられる。また、周縁部6Aでコロナ放電が生じると、図6に示すように、比較例1と同様に、負の極性の空気イオンが生じる。そして、コロナ放電によって生じた負の極性の空気イオンや、空気中のマイナスイオンなどによって特定部位やその周囲の正の極性の静電気が中和除電される。こうして特定部位の電位が低下すると、電位の低くなった特定部位に対してその周囲から高い電位の静電気が供給され、持続的にコロナ放電が生じる。したがって、実験例2の構成であっても、比較例1と同様に、コロナ放電を伴う空気イオンの引き寄せや斥力の低下などによって、特定部位やその周囲における車体表面からの空気流の剥離を抑制できたと思われる。その結果、比較例1とほぼ同様の作用・効果を得ることができたと思われる。
(第2性能試験)
(比較例2)
セダンタイプの第2試験車両を用意し、上述した比較例1と同様にして、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの周縁部の長さを求めた。その結果、特定部位に厚さが50μm、周縁部の長さが190mmのアルミニウム粘着テープを粘着剤を介して貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第2試験車両の加速操作や減速操作、操舵操作などに対する車両の加速や減速、旋回が良好になった。つまり、操作性や操縦安定性が良好になった。なお、下記の各実験例では、比較例2で操作性や操縦安定性が良好になったアルミニウム粘着テープの表面積と同じ表面積のビニルテープ6を特定部位に貼り付け、その特定部位に貼り付けたビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さのみを変更して上述した走行実験を行った。第2性能試験を行った日の気温は約26°、天候は晴れであった。
(比較例2)
セダンタイプの第2試験車両を用意し、上述した比較例1と同様にして、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープの周縁部の長さを求めた。その結果、特定部位に厚さが50μm、周縁部の長さが190mmのアルミニウム粘着テープを粘着剤を介して貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第2試験車両の加速操作や減速操作、操舵操作などに対する車両の加速や減速、旋回が良好になった。つまり、操作性や操縦安定性が良好になった。なお、下記の各実験例では、比較例2で操作性や操縦安定性が良好になったアルミニウム粘着テープの表面積と同じ表面積のビニルテープ6を特定部位に貼り付け、その特定部位に貼り付けたビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さのみを変更して上述した走行実験を行った。第2性能試験を行った日の気温は約26°、天候は晴れであった。
(実験例3)
比較例2のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが190mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例2と同様に走行実験を行った。そして、第2試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
比較例2のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが190mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例2と同様に走行実験を行った。そして、第2試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
(実験例4)
比較例2のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが550mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例2と同様に走行実験を行った。そして、第2試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、周縁部6Aの合計長さは、上述した図4の(A)や図4の(B)に示すように、スリットや細溝を形成して調整した。また、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
比較例2のアルミニウム粘着テープに替えて、厚さが50μm、周縁部6Aの合計長さが550mmのビニルテープ6を除電器として予め定めた特定部位に貼り付けた以外は、上述した比較例2と同様に走行実験を行った。そして、第2試験車両の操作性や操縦安定性を、運転者による官能試験によって評価した。なお、周縁部6Aの合計長さは、上述した図4の(A)や図4の(B)に示すように、スリットや細溝を形成して調整した。また、アルミニウム粘着テープの表面積とビニルテープ6の表面積とは、それぞれ同じ表面積に設定した。
(第2性能試験の評価)
(比較例2)
特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第2試験車両の操作性や操舵安定性などが良好になった。これは、比較例1と同様の原理によって、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になったと思われる。
(比較例2)
特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けて走行すると、アルミニウム粘着テープを貼り付けていない場合に比較して、第2試験車両の操作性や操舵安定性などが良好になった。これは、比較例1と同様の原理によって、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になったと思われる。
(実験例3)
これに対して、実験例3では、比較例2によるような操作性や操縦安定性は得られなかった。これは、実験例1と同様の原理により、つまり、比較例2と同様の作用・効果を得るためには、ビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さが短く、そのために、比較例2によるような操作性や操縦安定性は得られなかったと思われる。
これに対して、実験例3では、比較例2によるような操作性や操縦安定性は得られなかった。これは、実験例1と同様の原理により、つまり、比較例2と同様の作用・効果を得るためには、ビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さが短く、そのために、比較例2によるような操作性や操縦安定性は得られなかったと思われる。
(実験例4)
一方、実験例4では、比較例2とほぼ同様に、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になった。実験例4でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さは、比較例2のアルミニウム粘着テープの周縁部の長さや、実験例3でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さの約2.9倍となっている。すなわち、実験例2と同様の原理により、比較例2と同様の作用・効果を得ることができたと思われる。
一方、実験例4では、比較例2とほぼ同様に、第2試験車両の操作性や操縦安定性が良好になった。実験例4でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さは、比較例2のアルミニウム粘着テープの周縁部の長さや、実験例3でのビニルテープ6の周縁部6Aの合計長さの約2.9倍となっている。すなわち、実験例2と同様の原理により、比較例2と同様の作用・効果を得ることができたと思われる。
このように、この発明の実施形態によれば、上述した操縦安定性が良好になるアルミニウム粘着テープと同じ表面積であって、かつ、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さをアルミニウム粘着テープの周縁部の長さの少なくとも3倍に設定すると、特定部位にアルミニウム粘着テープを貼り付けた場合と同様の放電特性を得ることができる。そのビニルテープ6は、導電性のある材料を備えない分、アルミニウム粘着テープと比較して低コストであるから、除電器の材料コストや製造コストを可及的に低く抑えることができる。
なお、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さをアルミニウム粘着テープの周縁部の長さの5倍以上に設定した場合には、実験例2や実験例4と比較して、第1試験車両や第2試験車両の操作性や操縦安定性の低下が認められた。これは、ビニルテープ6の周縁部6Aの長さが過大になると、それに伴ってコロナ放電による車体の静電気の放電量も増大し、その結果、車体の静電気の電位が大きく低下して一時的にコロナ放電が生じなくなるためであると思われる。つまり、コロナ放電が断続的に生じる状態となる。このような状態では、車体と空気流との間にクーロン力が生じている状態と、そのようなクーロン力が生じていない状態とが交互に生じ、その結果、車両1の空力特性が断続的に変化するためであると思われる。そのため、上述したビニルテープ6の周縁部6A材の合計長さは、アルミニウム粘着テープの周縁部の長さのほぼ5倍までにすることが好ましい。
この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、特許を請求している範囲で適宜に変更して実施することができる。例えば、この発明は、路面に対して絶縁状態になっている車両における、前記車両の走行による要因と、前記車両の走行による要因以外の他の要因とのうち、少なくとも一方の要因によって正の極性の静電気を帯びる少なくとも一つの特定部位に設けられていて、自己放電によって負の極性の空気イオンを生じさせ、前記負の極性の空気イオンによって前記特定部位の正の電位を中和除電して低下させるように構成された前記車両の除電方法あるいは前記車両の除電器の製造方法において、前記特定部位に設けられることによって前記車両の操縦安定性を良好にすることのできるアルミニウム粘着テープの表面積および周縁部の長さを求め、前記特定部位よりも負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって形成されていて前記アルミニウム粘着テープと同じ表面積であって、かつ、周縁部の長さが前記アルミニウム粘着テープの3倍から5倍である樹脂テープを形成し、表面抵抗値が1×1010(Ω)から1×1011(Ω)である粘着剤を介して前記特定部位に前記樹脂テープが設けられることを特徴とする車両の除電方法あるいは前記車両の除電器の製造方法と言うことができる。
なお、特定部位の裏面に替えて特定部位の表面にビニルテープ6を貼ると、空気流と車体表面との間に直接的にクーロン力が働くため、クーロン力による空気流の引き寄せを効果的に生じさせるには好ましい。一方で、裏面に貼ったとしても、上述したように、コロナ放電による特定部位の除電は特定部位を中心とした所定の範囲におよび、その結果、空気流と車体表面との間の斥力が小さくなるから、結局、車体表面に貼った場合とほぼ同様の作用・効果を得ることができる。また、特定部位は、上述したバンパカバー3における両端部以外にも複数あり、この発明の実施形態に係る除電器を取り付ける箇所、つまり、除電器を取り付けることによって空気流の剥離を抑制することのできる複数の特定部位の例が特許文献1に記載されている。すなわち、小型ハッチバックタイプの車両においては、その車体の上面から空気流が剥離することを抑制するように、エンジンフードの前端部、エンジンフードの後端部、フロントガラスの下端部、フロントガラスの上端部、天井の前端部、天井の前部、天井の後部、ルーフスポイラーなどに除電器を配置する。また、ワイパーが車両の外表面に露出している場合には、ワイパーに空気流が衝突して空気流が剥離する可能性があるので、ワイパーのブレードおよびアームに除電器を配置する。なお、エンジンフードや天井における車幅方向での中央部分や、その中央部分を挟んで両側に所定の間隔を空けて除電器を複数配置する。または、中央部分に加えて左右均等に除電器を複数配置して、車幅方向の全幅に亘って空気流の剥離を抑制することが好ましい。
また、除電器は、少なからず厚みがあるため、空気流に曝されると、除電器の近傍で空気流が乱れる可能性がある。そのため、例えば、エンジンフードの後端部における裏面や、フロントガラスの外表面であってかつエンジンフードより下側の箇所など、車体表面を流動する空気流に直接、曝されない位置に除電器を配置することが好ましい。また、セダンタイプの車両において、リアガラスとラゲージドアとの間に隙間があり、そのリアガラスからの空気流の剥離を抑制する場合には、車両の上下方向でリアガラスの外表面であって、ラゲージドアより下側の箇所に除電器を配置することが好ましい。
そしてハッチバックタイプの車両において、リアスポイラーやリアバックドアガラスからの空気流の剥離を抑制する場合には、リアスポイラーの上面もしくは下面に除電器を配置することが好ましい。また、リアバックドアガラスの外表面における上部に除電器を配置することが好ましい。なお、ワンボックスタイプの車両においても、リアスポイラーやリアバックドアガラスからの空気流の剥離を抑制する場合には、リアスポイラーの上面もしくは下面、および、リアバックドアガラスの外表面における上部に除電器を配置することが好ましい。
また、燃料タンクが車両の下面に露出していて走行風に曝されている場合には、車両の前後方向で燃料タンクの前方部および後方部に除電器を配置する。さらに、アンダーカバーにおいては、車両1の上下方向で屈曲する箇所に除電器を配置する。アンダーカバーにリアディフューザが設けられている場合における除電器の取り付け位置について説明すると、リアデュフューザは、車体の下面を介して車体の後方側に流動する空気流の流速を増大させるために、その後方側が鉛直方向で上側に向けて傾斜して形成されている。つまり、屈曲している。そのため、リアデュフューザの屈曲点またはその近傍に除電器を配置する。また、フェンダライナにおけるフェンダーハウス側とは反対側の面に除電器を配置すると、前輪に制動力を作用させるブレーキを冷却するためにフェンダーハウスに取り込まれた空気が、車幅方向で外側に吸引されにくくなる事態が生じることを抑制することができる。すなわち、フェンダーハウス内の空気流の流速が低下することを抑制することができる。さらに、運転者によって操作されるステアリングホイールのシャフトを覆っている樹脂製のコラムカバーに除電器を設けてもよい。この場合には、静電気によるグリースの粘性の増大を抑制してステアリングホイールの回動を滑らかにすることができる。
そして、この発明の実施形態に係る除電器として機能するビニルテープ6は上述したように、合成樹脂材料によって形成されているから、色彩や形状の設計の自由度が大きく、また、透明や半透明にすることができる。例えば、ビニルテープ6を透明や半透明にした場合には、ビニルテープ6の裏面に文字や図形などの所定の意匠を、金や銅などの導電性金属粉などを用いて印刷することができる。こうすることにより、ビニルテープ6が帯電した場合には自己放電を行う面積を確保できると共に、ビニルテープ6が透明あるいは半透明であるから、例えば、前席におけるサイド窓ガラスにビニルテープ6を貼付することができ、サイド窓ガラスからの空気流の剥離を抑制することができる。具体的には、サイド窓ガラスが最も上昇したときに、戸袋の外にビニルテープ6が位置するように、車両1の上下方向でサイド窓ガラスの上部または下部にビニルテープ6を貼付する。なお、可視光線透過率は70%以上に設定する。また、サイド窓ガラスの車室内側にビニルテープ6を貼付すると、車室の外側に貼付する場合と比較して、外部の塵埃による汚れや傷を抑制することができる。そのため、サイド窓ガラスの車室内側にビニルテープ6を貼付することが好ましい。なお、導電性金属粉を用いた意匠部分の表面に上述したスリットや細溝を形成したり、輪郭部や周縁部を鋸歯状に形成したりしてもよい。
また、上述した構成のビニルテープ6は車体表面にも貼付することができる。例えば、車幅方向でフロントバンパーの両側面であってかつ外表面に、上述した文字や図形などの意匠部分と同じ形状を成すビニルテープ6を貼付する。このような場合であっても、意匠部分の表面積つまりビニルテープ6の表面積を、これと放電特性が同じであるアルミニウム粘着テープの表面積と同じに設定する。そして、意匠部分の輪郭部あるいは周縁部の長さをアルミニウム粘着テープの周縁部の長さの3倍から5倍に設定する。なお、意匠部分に上述したスリットや細溝を形成したり、輪郭部や周縁部を鋸歯状に形成したりして輪郭部や周縁部の全長を調整する。また、意匠の輪郭部あるいは周縁部を鋭く切り立たせる。こうすることにより、車両1の見栄えを良好に維持しながら空気流の剥離を抑制することができる。
そして、車両における各種の部材は、フレームに固定されており、そのフレームは、バッテリのアース部(マイナス端子部)と電気的に接続されている。したがって、バッテリのマイナス端子すなわちマイナスターミナルやアース線に除電器としてビニルテープ6を巻き付けると、フレームの電位を低下させて上述した各種の部材に帯電する正の極性の静電気の電位を低下することができる。
1…車両、 2…タイヤ、 3…バンパカバー(特定部位)、 6…ビニルテープ(除電器)、 7…樹脂テープ、 8…粘着剤。
Claims (1)
- 路面に対して絶縁状態になっている車両における、前記車両の走行による要因と、前記車両の走行による要因以外の他の要因とのうち、少なくとも一方の要因によって正の極性の静電気を帯びる少なくとも一つの特定部位に設けられていて、自己放電によって負の極性の空気イオンを生じさせ、前記負の極性の空気イオンによって前記特定部位の正の電位を中和除電して低下させるように構成された前記車両の除電器において、
前記特定部位に粘着剤を介して貼付される樹脂テープを備え、
前記粘着剤の表面抵抗値は、1×1010(Ω)から1×1011(Ω)であり、
前記樹脂テープは、前記特定部位と比較して前記特定部位とは反対の負の極性の静電気を帯びやすい合成樹脂材料によって形成され、
前記樹脂テープの表面積は、前記負の極性の空気イオンによって前記特定部位の正の電位を中和除電して低下させる放電特性が同じであるアルミニウム粘着テープと同じ表面積であって、
前記樹脂テープの周縁部と前記アルミニウム粘着テープの周縁部とのそれぞれは、前記自己放電を生じさせるように鋭利もしくは尖って形成され、
前記樹脂テープの周縁部の長さは、前記アルミニウム粘着テープの周縁部の長さの3倍から5倍である
ことを特徴とする車両の除電器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018086301A JP2019192568A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 車両の除電器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018086301A JP2019192568A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 車両の除電器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2019192568A true JP2019192568A (ja) | 2019-10-31 |
Family
ID=68390795
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018086301A Pending JP2019192568A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 車両の除電器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2019192568A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3967557A1 (en) | 2020-09-10 | 2022-03-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and electrostatic elimination component |
-
2018
- 2018-04-27 JP JP2018086301A patent/JP2019192568A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3967557A1 (en) | 2020-09-10 | 2022-03-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and electrostatic elimination component |
| JP2022046043A (ja) * | 2020-09-10 | 2022-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | 車両及び除電部品 |
| US11447083B2 (en) | 2020-09-10 | 2022-09-20 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and electrostatic elimination component |
| JP7367642B2 (ja) | 2020-09-10 | 2023-10-24 | トヨタ自動車株式会社 | 車両及び除電部品 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6168157B2 (ja) | 車両およびその製造方法 | |
| CN105730383B (zh) | 车辆 | |
| US11279305B2 (en) | Vehicle | |
| US11447083B2 (en) | Vehicle and electrostatic elimination component | |
| JP6217675B2 (ja) | 車両 | |
| JP6344292B2 (ja) | 車両 | |
| US10988093B2 (en) | Vehicular static eliminating device and vehicle | |
| JP2019108111A (ja) | 空気流用の貼付シート状部材及びそれを用いた走行車両 | |
| JP2019192568A (ja) | 車両の除電器 | |
| JP2022046037A (ja) | 車両 | |
| JP2025187049A (ja) | 車両制御装置 |