以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る光検出素子の平面図である。図2は、図1に示された光検出素子の断面図である。図2の(a)は図1のIIa−IIa線に沿っての断面図であり、図2の(b)は図1のIIb−IIb線に沿っての断面図である。図1,2に示される光検出素子1は、半導体エネルギーギャップに相当する波長よりも長い波長の光を検出可能な素子として構成されている。光検出素子1は、例えば波長1200nm以上の近赤外光の検出に用いられるショットキー接合型の光検出素子である。
光検出素子1は、半導体部2と、絶縁膜3と、電極4,5と、複数(ここでは4つ)の接合体10と、を備えている。半導体部2は、ここでは、直方体状を呈している。半導体部2は、例えばシリコンを含む。半導体部2は、一例として、n型の導電型を有するSi基板である。半導体部2は、第1面2sと、第1面の反対側において第1面2sと略平行に延びる第2面2rと、を含む。第1面2s及び第2面2rには、入射光(例えば近赤外光)L1,L2の散乱を防ぐために、鏡面加工が施されていてもよい。光検出素子1は、第1面2s側からの入射光L1及び第2面2r側からの入射光L2のいずれも検出可能である。したがって、第1面2s及び第2面2rは、いずれも入射面となり得る。
絶縁膜3は、半導体部2の第1面2sに設けられている。ここでは、絶縁膜3は、第1面2sに交差(直交)する方向からみて長方形状に形成されており、第1面2sの一端部に偏在して設けられている。絶縁膜3は、例えば、シリコン酸化物(例えばSiO2)からなる。絶縁膜3は、例えば、化学気相成長法によって形成される。
電極4は、第1面2s上において、絶縁膜3上に設けられている。電極4は、例えば、第1面2sに交差(直交)する方向からみて、絶縁膜3よりも小さな長方形状に形成されている。電極4は、第1面2sと接合を形成していない。電極5は、第2面2rに設けられている。電極5は、第2面2rの縁部に偏在して設けられている。ただし、第2面2rを入射面として使用しない場合には、第2面2rの全体に電極5を設けてもよい。電極5は、第2面2rにおいて、半導体部2との間にオーミック電極を形成している。なお、電極5が設けられる範囲を調整することによって、第2面2rに交差する方向からみて、第2面2rにおけるオーミック電極が形成されていないエリアが、後述する第1面2sにおける接合エリアA1に重複しないようにしてもよい。
電極4,5は、光検出素子1のアノード及びカソードを提供する。電極4,5の材料は、例えば、オーミック電極用の金属として、例えば、Ti、Cr、Ni、In、Al、Au、及び、Pt等が例示される。また、電極4,5は、例えば、Ti/AuやNi/Au等の積層構造により構成されてもよい。さらに、電極4,5は、NiSi等のシリサイド(シリコン化合物)や、InAu等の合金により構成されてもよい。電極4,5は、例えば、真空蒸着法により形成される。
接合体10は、第1面2sに設けられている。接合体10は、第1面2sにおいて、半導体部2との間にショットキー接合を形成している。接合体10は、互いに離間して配置されている。第1面2sにおける接合体10が設けられていないエリアは、金属との接合が形成されていない。したがって、第1面2sは、接合体10によってショットキー接合が形成された接合エリアA1と、金属との接合が形成されていない非接合エリアA2と、を含む。非接合エリアA2は、外部に露出していてもよいし、例えば、第1面2sに対してシリコン窒化物(例えばSiN)等の透明誘電体膜からなる反射防止膜が形成されることによって、金属以外の物質と接合されていてもよい。すなわち、非接合エリアA2は、少なくとも金属から露出することによって、検出の対象となる波長の光に対して実質的に透明であればよい。
接合体10は、それぞれ、直方体状に形成されており、第1面2sに交差(直交)する方向からみて、第1面2sにおける絶縁膜3及び電極4が設けられた一端部から他端部にわたって延在する長方形状を呈している。すなわち、接合体10は、第1面に沿って直線状に延在している。また、接合体10は、互いに離間しつつ互いに平行になるように、その短手方向に沿って配列されている。すなわち、接合体10は、第1面2sに交差(直交)する方向からみて、互いの間に非接合エリアA2が介在するように、その延在方向に交差(直交)する方向に沿って配列されている。接合体10の断面形状は、互いに同一である。
接合体10は、第1面2sに形成され、第1面2sにおいて半導体部2との間にショットキー接合を形成する第1金属層11と、第1金属層11上に形成された誘電体層12と、誘電体層12上に形成された第2金属層13と、を含む。第1金属層11、誘電体層12、及び、第2金属層13は、第1面2sから順に積層されている。すなわち、接合体10は、いわゆるMIM構造を有している。第1金属層11、誘電体層12、及び、第2金属層13のそれぞれのエッジは、互いに一致しており、これらの積層構造によって直方体状の接合体10が構成されている。なお、接合体10の一端部は、絶縁膜3及び電極4に重複しており、信号出力用に用いられ得る電極4に電気的に接続されている。なお、電極4の下部(第1面2s側)には絶縁膜3が介在している。このため、暗電流が抑制される。
第1金属層11の材料は、ショットキー電極用金属として、例えば、Au、Pt、Al、Ti、Ni、及び、Cr等が例示される。また、また、第1金属層11は、例えば、Ti/AuやNi/Au等の積層構造により構成されてもよい。さらに、第1金属層11は、PtSiやNiSi等のシリサイド(シリコン化合物)により構成されてもよい。第2金属層13は、第1金属層11の材料と同一の材料により構成されてもよいし、別の任意の金属から構成されてもよい。
誘電体層12の材料としては、例えば、シリコン酸化物(例えばSiO2)及びシリコン窒化物(例えばSiN)、もしくは、フッ化マグネシウム(例えばMgF2)や酸化チタン(例えばTiO2)等の半導体プロセスにおいて成膜可能な任意の誘電体から構成され得る。さらに、誘電体層12は、所定の屈折率を有して誘電体として振る舞うSi、Ge、ZnO等の半導体に分類される材料から構成されてもよい。
ここで、半導体部2とオーミック接合を形成する電極5、及び、半導体部2とショットキー接合を形成する第1金属層11の材料は、半導体部2の材料及び導電型に応じて、上述した種々の材料の中から適宜に組み合わせを選択し得る。例えば、半導体部2が、n型のSiから構成される場合には、ショットキー接合を形成する第1金属層11の材料として、Au、Pt、Ni、及び、Al等、もしくは、これら金属の積層構造、さらには、これら金属のシリサイドが選択され得るし、オーミック接合を形成する電極5の材料として、Ti、Cr、及び、In等、もしくは、AuやAlとの積層構造が選択され得る。
また、半導体部2が、p型のSiから構成される場合には、ショットキー接合を形成する第1金属層11の材料として、Ti及びCr等、もしくは、AuやAlとの積層構造、さらには、これら金属のシリサイドが選択され得るし、オーミック接合を形成する電極5の材料として、Au、Pt、Al、Ni、及び、In等、もしくは、これら金属の積層構造が選択され得る。また、上述したように、第1金属層11の材料と第2金属層13の材料とは、互いに異なる材料が選択されてもよい。例えば、第1金属層11の材料として、よりエネルギー吸収の高い金属、または、ショットキー接合に適した金属を選択する一方で、第2金属層13の材料として、より低コストな金属を選択してもよい。さらに、半導体部2の材料は、Siに限らず、IV属のGeや、化合物半導体であるGaAs、InGaAs、GaN、及び、InGaNといったように、光半導体として使用される任意の材料とすることができる。
ここで、接合体10に係るパラメータは、次のように設定されている。すなわち、まず、接合体10の共振器長L、及び、誘電体層12の厚さTは、L=(2N+1)・λp/2(式1)、λp=λ0/neff(式2)、neff=n(1+2δ/T)1/2(式3)を満たすように設定される。なお、λpは、表面プラズモンの共振波長であって、基本モードの場合には共振器長の半分の長さになる。λ0は入射光L1,L2の波長、neffは誘電体層12の構造パラメータを含む実効的な屈折率である。また、nは誘電体層12の本来の屈折率であり、δは第1金属層11及び第2金属層13の表皮深さ(入射光L1,L2の強度が1/eに減少する距離)である。Nは、0もしくは正の整数である。
これにより、波長λpの入射光L1,L2の入射に応じて、表面プラズモン共鳴を生じさせることができる。具体的には、接合体10の共振器の方向に沿った入射光L1,L2の電場振動が、第1金属層11及び第2金属層13の自由電子の共鳴的な集団振動を励起し、そのエネルギーが第1金属層11及び第2金属層13内に吸収され得る。すなわち、接合体10は、表面プラズモン共鳴を生じさせるように形成されている。
また、接合体10は、少なくとも1つの方向(ここでは、接合体10の短手方向)について一定のピッチ(周期)Pで配列されている。そして、ピッチPは、各々の接合体10が入射光L1,L2のエネルギーを吸収する範囲を越えず、且つ、当該範囲が重なり過ぎないように設定される。これにより、エネルギー吸収の高効率化が実現される。
以上の光検出素子1が、例えば1.55μmの波長に合わせて構成されている場合、すなわち、上記の接合体10のパラメータの設定において波長λpを1.55μmとした場合、接合体10の共振器の方向に沿った電場振動を有する波長1.55μmの近赤外光が入射光L1,L2として入射すると、表面プラズモン共鳴が生じ、入射光L1,L2のエネルギーが接合体10に吸収され、第1金属層11及び第2金属層13内の自由電子が効率よく励起される。そして、半導体部2とショットキー接合を形成する第1金属層11内の励起された電子が、ショットキー障壁を越えて半導体部2内に注入されることにより、表面プラズモン共鳴によって増強された信号が、電極4,5を通じて光電変換電流として外部に取り出される。
なお、入射光L1,L2の電場振動の方向が、共振器の方向と直交する場合、表面プラズモン共鳴が生じないため、光感度の増強は行われない。したがって、本実施形態に係る光検出素子1のように、接合体10が一方向に直線状に延びている場合(接合体10がストライプ状である場合)、入射光L1,L2の偏光方向に対して依存性を有することとなる。
図3は、図1,2に示された光検出素子の吸収スペクトルのシミュレーション結果を示すグラフである。図3のシミュレーションにおいては、半導体部2をSi基板とし、接合体10をAuとSiO2とのMIM構造とした。また、共振器長Lを0,20μmとし、誘電体層12の厚さTを10nmとし、ピッチPを0.35μmとした。さらに、入射光を、第1面2s側からの入射光L1であって波長が1.55μmのものとした。図3の結果は、以上の条件のもとでRCWA(厳密結合波理論)によって求められたものである。
図3に示されるように、この場合には、1.55μmに吸収のピークが生じている。上記の(式1)〜(式3)において、nを1.46とし、δを30nmとした場合、共振波長であるλpが1.55μmとなり、シミュレーション結果との一致が確認できる。
図4は、図1,2に示された光検出素子における入射光に対する吸収分布を示す図である。図4においては、入射光L1,L2の波長を1.55μmとし、その入射光L1,L2に対する吸収分布をFDTD(時間領域差分法)により求めている。図4の(a)は、入射光を第1面2s側からの入射光L1とした場合を示し、図4の(b)は、入射光を第2面2r側からの入射光L2とした場合を示している。図4の横軸のX及び縦軸のZは、図2の(a)に示される直交座標系SのX軸及びZ軸に対応しており、それぞれ、光検出素子1におけるX軸方向の位置、及び、Z軸方向の位置を示している。図4の(a)に示されるように、入射光L1のエネルギーは、接合体10において吸収されており、ショットキー接合のための第1金属層11においても一部が吸収されていることが確認される。
ここで、第2面2rにおいては、オーミック電極である電極5が一部のみに設けられており、残部にはオーミック電極が形成されていない。このため、第2面2rにおける当該部分から、半導体部2内に入射光L2を導入可能である。そして、第2面2r側から光検出素子1に導入された入射光L2は、第1金属層11と半導体部2とのショットキー接合部に直接(金属を介在させずに)照射される。このため、表面プラズモン共鳴によって接合体10に吸収されるエネルギーのうち、より多くのエネルギーを第1金属層11において吸収させることが期待できる。実際に、図4の(b)に示されるように、入射光L2のエネルギーの大部分が、第1金属層11において吸収されていることが確認される。
引き続いて、本実施形態に係る光検出素子の製造方法の一例について説明する。図5〜7は、図1,2に示された光検出素子の製造方法の主な工程を示す図である。図5〜7においては、それぞれの(a)及び(b)の上部が平面図であり、下部が断面図である。この製造方法においては、まず、図5の(a)に示されるように、半導体部2(例えばSi基板)を用意する。続いて、図5の(b)に示されるように、半導体部2の第1面2sに対して、例えばプラズマCVDによって、絶縁膜3のための絶縁膜(例えばSiO2膜)を形成する。そして、フォトリソグラフィ及びRIEによるドライエッチングによって、当該絶縁膜をパターニングし、絶縁膜3を形成する。
続いて、図6の(a)に示されるように、フォトリソグラフィ、金属(例えばAu)の真空蒸着、及びリフトオフによって、絶縁膜3上に電極4を形成する(パターニングする)。続いて、図6の(b)に示されるように、フォトリソグラフィ、金属(例えばTi)の真空蒸着、及びリフトオフによって、第2面2r上に電極5を形成する(パターニングする)。なお、第1面2sを入射面として使用する場合には、電極5のパターニングは不要であり、第2面2rの全面に電極5を形成してもよい。
続いて、図7に示されるように、MIM構造を有する接合体10を形成する。すなわち、まず、図7の(a)に示されるように、第1面2s上にフォトレジスト又は電子線レジストを塗布し、紫外線又は電子線を用いてストライプパターンを形成する。これにより、第1面2s(及び、絶縁膜3、電極4の一部)の上に開口20hが形成されたレジストマスク20が形成される。ここでは、開口20hの幅が共振器長Lとなるようにパターニングを行う。
続いて、図7の(b)に示されるように、例えば電子ビーム真空蒸着装置を用いて、第1金属層11のための金属(例えばAu)、誘電体層12のための誘電体(例えばSiN)、及び、第2金属層13のための金属(例えばAu)を連続して成膜してMIM構造の膜を形成する。ここでは、誘電体の膜厚が、誘電体層12の厚さTとなるように成膜を行う。そして、レジスト剥離液を用いてレジストマスク20を剥離してリフトオフを行うことにより、MIM構造の膜から接合体10を形成する。これにより、光検出素子1が形成される。なお、電極4,5のパターニングは、化学エッチング又はドライエッチングを用いてもよい。また、MIM構造の膜のパターニングにおいては、予め平坦なMIM構造の膜を堆積した後に、ドライエッチングを用いて、共振器長Lのストライプ状となるように当該膜をパターニングしてもよい。
以上説明したように、光検出素子1においては、半導体部2の第1面2s上に、半導体部2とショットキー接合を形成する接合体10を備えている。そして、接合体10は、順に積層された第1金属層11、誘電体層12、及び、第2金属層13を含むいわゆるMIM構造を有している。しかも、接合体10は、半導体部2の第1面2sのうちの接合エリアA1に設けられる。換言すれば、半導体部2の第1面2sには、金属との接合が形成されていない非接合エリアA2が設定されている。このため、入射光L1,L2を、金属層によって遮光されずにショットキー接合部に到達させることができる。よって、例えばシリコン等の安価な材料を半導体部2として用いつつ、高感度な光検出を実現可能である。
なお、光検出素子1にあっては、半導体部2の第1面2sと反対側の第2面2rからの入射光L2の検出に対しても、入射光L2は接合体10を認識できるので、第1面2s側からの入射光L1の検出と同等、もしくはそれ以上の感度を提供可能である。
また、光検出素子1は、第1面2sに沿って直線状に延在する複数の接合体10を備えている。接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、互いの間に非接合エリアA2が介在するように、延在方向に交差する方向に沿って配列されている。このため、光検出の感度について、入射光L1,L2の偏光方向に対する依存性を持たせることができる。したがって、偏光方向の依存性を利用する状況において好適に採用され得る。
また、光検出素子1においては、接合体10は、その延在方向に交差する方向について一定のピッチPで配列されている。このため、接合体10の構造が簡素化され、製造が容易化される。よって、より安価に光検出素子1を提供できる。また、接合体10が等間隔で配列される方向について、第1面2s内での感度のばらつきが抑制される。
さらに、光検出素子1においては、接合体10は、互いに同一の断面形状を有している。このため、接合体10の製造が容易化される。よって、より安価に光検出素子1を提供できる。
なお、上述したように、光検出素子1においては、半導体部2は、シリコンを含んでもよい。この場合、半導体部2を安価に製造できる。
ここで、図8は、実施例に係る光検出素子の反射スペクトル特性を示すグラフである。図8のグラフは、第1面2s側から入射光L2を入射したときの反射スペクトル特性を示す。この例では、共振器長Lが1.03μm、誘電体層12の厚さTが160nm、ピッチPが1.29μmであった(いずれも実測値)。MIMの表面プラズモン共鳴としては二次の条件、すなわち、上記(式1)でN=2に該当する形状となる。図8に示されるように、計測された反射率は、波長1.52μmで最少となり、16%を示した。この波長を中心に入射光L2が吸収されていることが分かる。
図9及び図10は、当該実施例に係る光検出素子の形状実測値をもとに行ったスペクトル応答シミュレーション結果を示すグラフである。図9,10に示されるように、実測されたスペクトル特性とはやや異なるが、反射率が波長1.57μmでほぼ0となり、かつ、吸収率が波長1.56μmで最大の72%となっている。
図11は、別の実施例に係る光検出素子の分光感度特性を示すグラフである。図11に示されるように、波長1.57μmを中心に光感度の増強が観測されていることが分かる。簡易的に直線(破線)で示した増強がない場合の光感度に比べて、1ケタ以上の感度増強が認められる。なお、図8〜11に示したデータは、あくまで、本実施形態に係る光検出素子1の効果の一端を示すためのものに過ぎず、各値を最適化した場合を示すものではない。
[第2実施形態]
引き続いて、光検出素子の第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る光検出素子を示す図である。図12の(a)は平面図であり、図12の(b)は図12の(a)のVIII−VIII線に沿っての断面図である。図12に示されるように、光検出素子1Aは、第1実施形態に係る光検出素子1と比較して、接合体10の形状、及び、接合体10の形状に応じた絶縁膜3及び電極4の形状において、光検出素子1と相違している。光検出素子1Aの他の構成は、光検出素子1と同様である。
図12に示されるように、光検出素子1Aは、第1面2sに沿って円環状に延在する複数の接合体10と、その円環の中心に位置する円形状の接合体10と、を備えている。接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、互いの間に非接合エリアA2が介在するように、同心円状に配列されている。それぞれの接合体10の共振器長L、ピッチP、及び厚さTは、第1実施形態と同様である。また、接合体10は、その円形に直交する断面内において、互いに同一の断面形状を有している。
さらに、この光検出素子1Aにおいては、接合体10の共振器長L及びピッチPが、接合体10の周方向に沿って一定である。このため、この光検出素子1Aにおいては、光検出の感度について、入射光L1,L2の偏光方向に対する依存性を抑制できる。なお、光検出素子1Aにおいては、絶縁膜3及び電極4が、接合体10の径方向に沿って延在しており、それぞれの接合体10が電極4に電気的に接続されている。
以上の実施形態は、本発明に係る光検出素子の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る光検出素子は、上述した光検出素子1,1Aに限定されない。本発明に係る光検出素子は、上述した光検出素子1,1Aを任意に変更したものとすることができる。引き続いて、光検出素子の変形例について説明する。
図13は、第1変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図14は、図13に示された光検出素子の断面図である。図14の(a)は図13のIXa−IXa線に沿っての断面図であり、図14の(b)は図13のIXb−IXb線に沿っての断面図である。図13,14に示されるように、光検出素子1Bは、第1実施形態に係る光検出素子1と比較して、接合体10の形状、及び、接合体10の形状に応じた絶縁膜3及び電極4の形状において、光検出素子1と相違している。光検出素子1Bの他の構成は、光検出素子1と同様である。
光検出素子1Bは、複数の円形状(円柱状)の接合体10を備えている。接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて互いの間に非接合エリアA2が介在するように配列されている。接合体10は、第1面2sに沿っており、且つ、互いに交差(直交)する2方向について、一定のピッチ(周期)Pで配列されている。また、接合体10は、その円形に直交する断面内において、互いに同一の断面形状を有している。なお、光検出素子1Bにおいては、絶縁膜3及び電極4が、接合体10の1つの配列方向に沿って延在しており、それぞれの接合体10が電極4に電気的に接続されている。
さらに、光検出素子1Bにおいては、接合体10の直径が共振器長Lとされている。このため、それぞれの接合体10に着目したとき、共振器長Lは、接合体10の周方向に一定である。このため、この光検出素子1Bにおいては、各々の接合体10による光検出の感度について、入射光L1,L2の偏光方向に対する依存性を抑制できる。
図15は、第2変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図15に示される光検出素子1Cは、図13,14に示された光検出素子1Bと比較して、接合体10の配列の点で異なり、他の点で一致している。すなわち、光検出素子1Cにおいては、複数の円形状(円柱状)の接合体10が、三角格子状に配列されている。より具体的には、ここでは、接合体10は、第1面2sに沿っており、且つ、互いに45°の角度で交差する2方向について、一定のピッチ(周期)Pで配列されている。このため、接合体10の配列間隔に対する入射光L1,L2の偏光方向の依存性を光検出素子1Bと比較してさらに抑えることができる。
図16は、第3変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図16に示される光検出素子1Dは、第1実施形態に係る光検出素子1と比較して、接合体10の形状について光検出素子1と相違している。光検出素子1Dの他の構成は、光検出素子1と同様である。光検出素子1Dは、第1面2sに沿って直線状に延在する複数の接合体10を備えている。また、接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、互いの間に非接合エリアが介在するように、延在方向に交差する方向に沿って配列されている。
特に、光検出素子1Dにおいては、接合体10が、互いに異なる共振器長Lを有している。より具体的には、接合体10の共振器長Lは、第1面2sの一方側から他方側に向かうにつれて大きくなっている。また、それぞれの接合体10に着目すると、その延在方向に沿って共振器長Lが一定である。つまり、光検出素子1Dは、互いに段階的に異なる複数の共振器長Lを有している。このため、光検出素子1Dにおいては、共振波長の帯域が拡大され、より広い波長範囲において光電変換信号を増強できる。なお、ここでは、接合体10のピッチPが一定でないが、ピッチPが一定であってもよい。
図17は、第4変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図18は、第5変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図17に示される光検出素子1E、及び、図18に示される光検出素子1Fは、第1実施形態に係る光検出素子1と比較して、接合体10の形状について光検出素子1と相違している。光検出素子1E,1Fの他の構成は、光検出素子1と同様である。光検出素子1E,1Fは、第1面2sに沿って延在する複数の接合体10を備えている。また、接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、互いの間に非接合エリアが介在するように、延在方向に交差する方向に沿って配列されている。
特に、光検出素子1E,1Fにおいては、接合体10が、接合体10の延在方向に交差する方向のサイズ(共振器長L)が、接合体10の延在方向に沿って連続的に変化している。これにより、それぞれの接合体10に着目すると、共振器長Lが連続的に変化している。すなわち、光検出素子1E,1Fは、連続的に異なる無数の共振器長Lを有することになる。このため、光検出素子1E,1Fにおいては、共振波長の帯域が連続的に拡大される。
なお、光検出素子1Eにおいては、接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、三角形状に形成されている。また、光検出素子1Eにおいては、接合体10は、その三角形状が互い違いになりように配列されている。光検出素子1Eにおいては、互いに隣り合う接合体10の間の間隔は、接合体10の延在方向に沿って一定であるが、ピッチPは異なっている。ただし、ピッチPを一定にしてもよい。
一方で、光検出素子1Fにおいては、接合体10は、第1面2sに交差する方向からみて、接合体10の延在方向に交差する方向のサイズ(共振器長L)が相対的に大きい部分と、相対的に小さい部分とが交互に現れるように、波状に形成されている。そして、複数の接合体10は、1つの接合体のサイズの大きな部分と他の接合体10のサイズの小さな部分とが交互になるように配列されている。この場合にも、互いに隣り合う接合体10の間の間隔は、接合体10の延在方向に沿って一定であるが、ピッチPは異なっている。ただし、ピッチPを一定にしてもよい。
以上の変形例では、接合体10が一方向に延在しており、且つ、その延在方向に沿って共振器長Lが変化する例について説明した。これに対して、例えば、図13や図15に示されたような円形状(円柱状)の接合体10に対して、共振器長Lが異なるように構成してもよい。すなわち、互いに直径が異なる複数の接合体10を用いるようにしてもよい。
図19は、第6変形例に係る光検出素子を示す平面図である。図19に示される光検出素子1Gは、第1実施形態に係る光検出素子1と比較して、電極5の位置について光検出素子1と相違している。光検出素子1Gの他の構成は、光検出素子1と同様である。光検出素子1Gにおいては、電極5が第1面2s上に形成されている。これにより、電気信号を取り出すための外部回路との電気接続が、半導体部2の同一面(ここでは第1面2s)で行うことができるため、フリップチップボンディング等の特殊なアセンブリ方法にも対応しやすくなる。さらに、第2面2r側から入射光L2が入射する場合には、第2面2rの全面を光入射面とすることができるため、入射光L2の位置合わせが簡便になるとともに、電極5による入射光L2のロスをなくすことができる。
なお、以上の光検出素子1〜1Gにおいては、半導体部2の光入射面(第1面2s又は第2面2r)に対して、SiN等の透明誘電体膜からなる反射防止膜を形成してもよい。ただし、接合体10が形成された側の面(上記の例では第1面2s)に反射防止膜を形成する場合には、形成された反射防止膜が表面プラズモン共鳴に影響を抑制するための設計が必要となる。