JP2019201558A - 植物加工物及びその二次加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】農薬成分を含んでいない植物加工物を提供する。【解決手段】植物加工物は、植物の搾汁、抽出物又は乾燥物からなる植物加工物であって、前記植物は、閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであり、前記搾汁、前記抽出物又は前記乾燥物は、農薬成分を含んでいないものである。【選択図】なし

Description

本願発明は、植物加工物及びその二次加工品に関するものである。
従来から、果実やハーブ、野菜などの植物の搾汁、抽出物又は乾燥物からなる植物加工物を用いて、食品や化粧品などの二次加工品を生産することが行われている(例えば特許文献1を参照。)。
植物加工物の原料となる植物の栽培には、その生産性を高めるために通常農薬が使用され、多くの場合、収穫した植物には農薬が残留している。そして、農薬が残留した植物を加工した植物加工物(搾汁、抽出物又は乾燥物など)には農薬成分が含まれ、このような植物加工物を用いた二次加工品にも農薬成分が含まれる。
また、健康や安全性を考慮して、農薬を使用せずに植物を栽培する無農薬栽培が行われている。しかし、無農薬栽培であっても、土壌に農薬が含まれていたり、周辺環境から飛散した農薬が栽培植物に付着したりして、収穫した植物に農薬が含まれていることがある。
また、植物の残留農薬を除去する方法として、水洗除去する方法(例えば特許文献2を参照。)や紫外線を照射する方法(例えば特許文献3を参照。)などが提案されている。
特許第4217080号公報 特開2012−152185号公報 特開2016−214172号公報 国際公開第2016/190017号公報
しかし、植物の残留農薬を完全に除去することは困難であり、また、残留農薬の除去作業に時間と手間がかかるという問題があった。
本願発明は、このような現状を改善すべく、農薬成分を含んでいない植物加工物及びその二次加工品を提供することを目的とするものである。
本願発明の植物加工物は、植物の搾汁、抽出物又は乾燥物からなる植物加工物であって、前記植物は、閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであり、前記搾汁、前記抽出物又は前記乾燥物は、農薬成分を含んでいないものである。
本願発明によれば、原料となる植物は、閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであるから、当該植物には農薬の付着及び含有が無く、その植物を加工した搾汁、抽出物又は乾燥物からなる植物加工物として、農薬成分を含んでいないものを提供でき、当該植物加工物の安全性及び付加価値を向上できる。
ここで、水耕栽培とは、植物の成長に必要な水分や養分が、培土を用いずに養液を用いて与えられる栽培方法である。このような水耕栽培を実現する装置の一つとして、縦型の水耕栽培装置が知られている(例えば特許文献4を参照)。なお、本願発明の植物加工物の原料となる植物は、農薬を含んでいない養液を使用して水耕栽培にて栽培されたものである。
水耕栽培で栽培された植物は、通常、搾汁や抽出物、乾燥物などには加工されずに、原形を保ったまま流通される。特に、水耕栽培で栽培されたイチゴ果実やハーブについては、原形を保ったまま流通されるのが一般的であり、搾汁や抽出物、乾燥物などには加工されない。
本願発明の植物加工物において、搾汁や抽出物、乾燥物の原料となる前記植物の例は、イチゴ果実又はハーブである。
この態様によれば、イチゴ果実又はハーブは閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであるから、農薬成分を含まないイチゴ果実又はハーブの搾汁、抽出物又は乾燥物からなる安全性の高い植物加工物を提供できる。
なお、本願発明の植物加工物は、イチゴ果実又はハーブの植物の搾汁、抽出物又は乾燥物に限定されない。例えば、本願発明の植物加工物の原料となる植物は、閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであればよく、例えば、トマトなどのイチゴ以外の果実野菜、ホウレンソウなどの葉物野菜、バラなどの花卉などであってもよい。
本願発明の二次加工品は、本願発明の植物加工物を用いたものである。例えば、本願発明の二次加工品として、本願発明の植物加工物としての植物の搾汁、抽出物又は乾燥物を使用した飲料や化粧品、焼菓子などを挙げることができる。
本願発明の二次加工品によれば、農薬成分を含んでいない本願発明の植物加工物を用いたものであるので、農薬成分が人体へ及ぼす悪影響をなくすことができ、二次加工品の安全性及び付加価値を向上できる。
本願発明は、農薬成分を含んでいない植物加工物及びその二次加工品を提供できる。
水耕栽培装置の一例を示す側面図である。 同水耕栽培装置を示す正面図である。 同水耕栽培装置を示す平面図である。 同水耕栽培装置の栽培パイプ上端部周辺を拡大して示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。 同水耕栽培装置の支持フレーム体上端部周辺を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。 同水耕栽培装置の栽培パイプ下端部周辺を示す図であり、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。 栽培パイプを拡大して示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)のA−A位置に沿った断面図である。 (A)は植物保持体の筒部材を筒軸方向から見た図、(B)は植物保持体の保持部材と筒部材を分離して示す斜視図、(C)は植物保持体を示す斜視図、(D)は植物保持体が配置された栽培パイプを示す縦断面図である。 栽培パイプの取付け手順を説明するための正面図である。 照明機構の照明装置支持フレームをスライド移動させた状態を示す側面図である。 栽培パイプと養液供給パイプとの接続構造の変形例を示す縦断面図である。 栽培パイプと養液回収パイプとの接続構造の変形例を示す縦断面図である。 栽培パイプと養液回収パイプとの接続構造の他の変形例を示す縦断面図である。 上端キャップ部材の変形例を示す図であり、(A)は縦断面図、(B)は斜視図、(C)は平面図である。 上端キャップ部材の取付け例を説明するための図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
以下、実施形態を示して本願発明を具体的に説明するが、本願発明は下記実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
閉鎖空間内に設置した水耕栽培装置を用いて、殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの農薬を使わずにイチゴを栽培する。ここで、イチゴは、一般的な栽培イチゴであるオランダイチゴであり、特に限定されるものではないが、例えば日本国内育成品種である、おいCベリー、とちおとめ、レッドパール、とよのか、ひのみね、サンチーゴ、純ベリー、ピーストロ、女峰、リンダモール、アイストロ、栃の峰、さつまおとめ、とちひめ、さちのか、けいきわせ、さがほのか、アイベリー、章姫、カレンベリー、紅ほっぺ、福岡S6号(あまおう)、濃姫、宝交早生などを挙げることができる。
閉鎖空間内にて、水耕栽培装置を用いて、温湿度管理、養液供給管理、養液水質管理、二酸化炭素濃度管理、光照射時間管理及び衛生管理を行いながら、農薬を用いずにイチゴを栽培する。栽培条件の一例を説明する。水耕栽培装置を設置した閉鎖空間内は、太陽光などの外部光が入射しないように遮光されている。閉鎖空間内の温度を15〜30度程度、好ましくは18〜21度程度に維持し、湿度を70%以下、好ましくは50〜70%程度に維持する。水耕栽培装置に定植されたイチゴに、弱酸性の養液を間欠的に供給する一方、光を1日(24時間)のうち8〜14時間程度、照射する。ここで、植物に照射する光は、例えばLED照明装置を用いた人工光である。また、外部から閉鎖空間内へ害虫(ダニやアブラムシなど)が侵入しないように、衛生管理を行う。例えば、作業者が閉鎖空間内に出入りする際には、外気が閉鎖空間内になるべく流入しないように出入りすると共に、作業者の衣服等に付着したホコリ等をなるべく除去した上で閉鎖空間に入るようにする。また、閉鎖空間内の空気を入れ替える換気システムの外気取入れ口及び内気排出口にはフィルタを設ける。例えばイチゴの花が咲いてから3〜4週間後に、赤くなったイチゴ果実を収穫する。当該イチゴは、閉鎖空間内にて農薬を使わずに栽培されたものであるから、収穫したイチゴ果実には農薬成分が含まれていない。
収穫したイチゴ果実のヘタを取った後、圧搾して、植物加工物の一例としてのイチゴ果汁(搾汁)を得る。原料となるイチゴ果実に農薬成分が含まれていないので、得られるイチゴ果汁は農薬成分を含んでおらず、安全性及び付加価値を向上できる。
(実施形態2)
得られたイチゴ果汁を発酵させて、スパークリングワイン(発泡性ワイン)を製造する。ここで、スパークリングワインを醸造する過程での二次発酵の方式は、特に限定されるものではないが、例えば瓶内二次発酵方式又はタンク内二次発酵方式である。当該ワインの醸造過程で、酸化を防止したりするために、酸化防止剤(例えば二酸化硫黄などの亜硫酸塩)を添加する。
このようにして得られるスパークリングワインは、原料となるイチゴ果汁に農薬成分が含まれていないので、当該ワイン自体にも農薬成分が含まれておらず、安全性及び付加価値を向上できる。
さらに、本願発明者は、農薬成分が含まれていないイチゴ果汁を使用してワインを醸造すると、醸造過程で酸化防止剤を添加しているにもかかわらず、得られるワインの透明度が向上することを見出した。
本願発明のイチゴ果汁を使用して醸造した本願発明のスパークリングワイン(本願発明品)と、イチゴ果汁を使用した市販のスパークリングワイン(市販品)について、透明度を目視にて比較した。ここで、本願発明品と市販品は、ともに酸化防止剤(亜硫酸塩)が含まれているものである。透明度を比較した結果、本願発明品は濁りがなくて透明度が高いのに対して、市販品は少し白濁して透明度が低かった。
このように、本願発明のイチゴ果汁(植物加工物の一例)を発酵させたスパークリングワイン(二次加工品の一例)は、農薬成分を含まないことから、安全性及び付加価値を向上できるとともに、酸化防止剤が添加されていても透明度を向上できる。なお、市販品にて透明度が低くなる原因は、原料のイチゴ果汁に農薬成分が含まれることから、農薬成分と酸化防止剤が化学反応し、生成した化合物が透明度を低くしているものと推測される。
(実施形態3)
上記実施形態1と同様にして、閉鎖空間内に設置した水耕栽培装置を用いて、農薬を使わずにイチゴを栽培し、農薬成分を含んでいないイチゴ果実を収穫する。収穫したイチゴ果実のヘタを取った後、当該イチゴ果実を凍結乾燥機にて真空凍結乾燥(フリーズドライ)した後、ミキサーにて粉砕して粉末状のイチゴ果実パウダーを得る。
得られるイチゴ果実パウダー(植物加工物としての乾燥物の一例)は、原料となるイチゴ果実に農薬成分が含まれていないので、農薬成分が含まれておらず、安全性及び付加価値を向上できる。
(実施形態4)
このようにして得られるイチゴ果実パウダーは、様々な食品に使用でき、例えば、イチゴ果実パウダーを混合した焼菓子に使用できる。小麦粉、卵、砂糖など焼菓子原料1kg(キログラム)に対してイチゴ果実パウダーを0.07g(グラム)程度配合して混合し、焼成機にて焼き上げた後、自然放冷して焼菓子を製造する。得られる焼菓子には、イチゴ果実パウダー由来の農薬成分が含まれていないので、安全性及び付加価値を向上できる。なお、本願発明の植物加工物の一例としてのイチゴ果実パウダーは、焼菓子以外の食品にも使用可能である。
(実施形態5)
閉鎖空間内に設置した水耕栽培装置を用いて、殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの農薬を使わずにハーブを栽培する。ここで、栽培されるハーブの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、メリッサ(レモンバーム)、セイヨウハッカ(ペパーミント)、ラベンダー、バジル、タイム、コリアンダー、ローズマリーなどを挙げることができる。
閉鎖空間内にて、温湿度管理、養液供給管理、養液水質管理、二酸化炭素濃度管理、光照射時間管理及び衛生管理を行いながらハーブを栽培する。ここで、ハーブの栽培条件の一例は、上記実施形態1で説明したイチゴの栽培条件と同様である。そして、栽培したハーブの葉を収穫する。収穫したハーブ葉は、閉鎖空間内にて農薬を使わずに栽培されたものであるから、当該ハーブ葉には農薬成分が含まれていない。当該ハーブ葉を凍結乾燥機にて真空凍結乾燥した後、ミキサーにて粉砕して粉末状のハーブ葉パウダーを得る。
得られるハーブ葉パウダー(植物加工物としての乾燥物の一例)は、原料となるハーブ葉に農薬成分が含まれていないので、農薬成分が含まれておらず、安全性及び付加価値を向上できる。
(実施形態6)
上記実施形態3で得られるイチゴ果実パウダーや、上記実施形態5で得られるハーブ葉パウダーは、食品以外の二次加工品、例えば石鹸にも使用できる。油脂などの石鹸原料(石油系合成界面活性剤を含んでいない)60gに対してイチゴ果実パウダー又はハーブ葉パウダーを0.08g程度配合し、反応釜と呼ばれる容器内にて混合及び化学反応させた後、金属製の型枠に流し込んでゆっくりと冷やし固める。型抜き後、石鹸を所望の大きさに裁断(切断)し、乾燥させる。その後、石鹸の形を整える型打作業や、石鹸の表面を滑らかにする湯浸及び拭き上げ作業、石鹸をさらに乾燥させる作業などを行う。
このようにして得られるイチゴ果実パウダー又はハーブ葉パウダーを含有する石鹸は、農薬成分が含まれていないので、安全性及び付加価値を向上できる。また、イチゴ果実パウダーが含まれていることで、イチゴ独特の甘い香り又はハーブ独特のすっきりとした香りがする上、使用時にイチゴ果実パウダー又はハーブ葉パウダーの粒感が心地よい石鹸を実現できる。
(実施形態7)
上記実施形態5で得られるハーブ葉パウダーからエキスを抽出して、ハーブ葉エキスを得る。ここで、抽出溶剤は、水(お湯)、油、アルコール、BG(ブチレングリコール)など、特に限定されないが、例えば水(お湯)である。なお、上記実施形態5と同様にして、閉鎖空間内に設置した水耕栽培装置を用いて農薬を使わずに栽培したハーブ葉から直接エキスを抽出して、ハーブ葉エキスを得てもよい。
得られるハーブ葉エキス(植物加工物としての抽出物の一例)は、原料となるハーブ葉に農薬成分が含まれていないので、農薬成分が含まれておらず、安全性及び付加価値を向上できる。
(実施形態8)
上記実施形態1で得られるイチゴ果汁や、上記実施形態7で得られるハーブ葉エキスは、様々な二次加工品、例えば化粧品に使用できる。化粧品の一例として、ハンドクリームを例に挙げると、まず、ハンドクリームの原料となる水相(水溶性の原料)と油相(油溶性の原料)を共に加熱し、調剤釜に混入する。水相と油相が混ざり合って乳化する。乳化後、徐々に冷却して、それぞれの目的に応じてイチゴ果汁又はハーブ葉エキス(例えばメリッサ葉エキスやセイヨウハッカ葉エキス)と香料を添加して混練する。さらに冷却を続けると、次第に粘度が上がってきて、クリーム状になる。得られたクリーム状のハンドクリームをチューブに充填して、箱に入れてハンドクリーム製品が完成する。
このようにして得られるハンドクリームは、イチゴ果汁又はハーブ葉エキスを含んでいるので、イチゴ果汁又はハーブの独特の心地よい香り及び効能を有するとともに、イチゴ果汁又はハーブ葉エキス由来の農薬成分が含まれていないので、安全性及び付加価値が向上する。以下に、ハンドクリームの配合成分の一例を挙げる。
ミントハンドクリームの配合成分;水、ステアリルアルコール、ミネラルオイル、ステアリン酸グリセリル、BG(ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジメチコン、カプリルヒドロキサム酸、セイヨウハッカ葉エキス、フェノキシエタノール、プロパンジオール、セテスー20、カルボマー、キサンタンガム、水酸化カリウム、香料
イチゴハンドクリームの配合成分;水、ステアリルアルコール、ミネラルオイル、ステアリン酸グリセリル、BG、ペンチレングリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジメチコン、カプリルヒドロキサム酸、イチゴ果汁、フェノキシエタノール、プロパンジオール、セテスー20、カルボマー、キサンタンガム、水酸化カリウム、香料
レモンバームハンドクリームの配合成分;水、ステアリルアルコール、ミネラルオイル、ステアリン酸グリセリル、BG、ペンチレングリコール、エチルヘキサン酸セチル、ジメチコン、カプリルヒドロキサム酸、メッリサ葉エキス、フェノキシエタノール、プロパンジオール、セテスー20、カルボマー、キサンタンガム、水酸化カリウム、香料
なお、本願発明の植物加工物の原料となる植物は、イチゴ果実又はハーブに限定されず、他の植物であってもよい。また、上記実施形態では挙げていないが、本願発明には、イチゴ果実の抽出物も含まれる。また、本願発明の植物加工物としての乾燥物は、粉末状のものに限定されず、例えば粒状又はブロック状のものであってもよい。
また、本願発明の二次加工品は、上記実施形態に挙げられたものに限定されず、本願発明の植物加工物を用いた二次加工品を含む。
次に、本願発明の植物加工物の原料となる植物を栽培するための水耕栽培装置の例について説明する。ただし、以下に説明する縦置きの水耕栽培装置は、あくまで一例であり、本願発明の植物加工物の原料となる植物は、他の水耕栽培装置、例えば養液が横向きに流れる横置きの栽培パイプに栽培植物が定植される水耕栽培装置を用いて栽培されたものであってもよい。
近年、水耕栽培と呼ばれる栽培方法が盛んになりつつある。水耕栽培では、植物の成長に必要な水分や養分が、培土を用いずに養液を用いて与えられる。このような水耕栽培を実現する装置の一つとして、縦型の水耕栽培装置が知られている(例えば特許文献4を参照)。
従来の縦型の水耕栽培装置では、植物保持体が挿入される植栽穴を側面に有する栽培パイプが略鉛直方向に又は傾斜して縦置き配置されている。また、栽培パイプの上端側に養液供給パイプが接続され、栽培パイプの下端側に養液回収パイプが接続される。一般に、栽培パイプに供給される養液は、養液供給パイプから栽培パイプに供給され、栽培パイプの下端側から養液回収パイプを介して回収され、養液供給パイプに再度供給されるように適宜循環される。
水耕栽培装置では、養液に発生した藻が栽培パイプ内に付着することが知られている。藻は、養液に含まれる栄養分を吸収し、植栽穴に定植された植物の成長を阻害するので、藻を除去する洗浄を行うことが好ましい。しかし、縦置きの栽培パイプを有する水耕栽培装置においては、栽培パイプ内に付着した藻の除去洗浄が困難であるという問題があった。
そこで、以下に説明する水耕栽培装置の参考例では、栽培パイプの洗浄作業を容易に行えるようにした。
この参考例の水耕栽培装置は、植物保持体が挿入される植栽穴を側面に有する縦置きの栽培パイプと、前記栽培パイプの上端側に接続される養液供給パイプと、前記栽培パイプの下端側に接続される養液回収パイプと、前記養液供給パイプから前記栽培パイプと前記養液回収パイプを介して回収される養液を前記養液供給パイプに供給する養液供給装置とを備え、前記栽培パイプが前記養液供給パイプ及び前記養液回収パイプから取外し可能に構成されているものである。
この参考例の水耕栽培装置によれば、栽培パイプを養液供給パイプ及び養液回収パイプから取り外した状態で、栽培パイプの洗浄作業を行えるので、藻の除去洗浄などの洗浄作業が容易になる。そして、栽培パイプ内を適宜洗浄することで、栽培パイプ内に藻がない状態又は少ない状態で、植栽穴に定植された植物を栽培でき、植物に効率的に養分を供給して、植物の生産性を向上できる。また、栽培パイプを容易に洗浄できることで、栽培パイプを綺麗な状態にして繰り返し使用できるので、水耕栽培装置の維持管理費用を低減できる。
また、この参考例の水耕栽培装置は、縦置きの栽培パイプを有するものであるから、横置きの栽培パイプを有する水耕栽培装置に比べて設置スペースを小さくできる。したがって、この参考例の水耕栽培装置は、例えば廃校になった校舎や、工場内の空きスペースなど、建物内の狭小な空きスペースに設置可能であり、既存の空きスペースを有効活用して、水耕栽培を行える。なお、この参考例の水耕栽培装置は、水耕栽培を行うための専用の閉鎖空間内に設置可能であることは言うまでもない。
ところで、縦置きの栽培パイプを有する従来の水耕栽培装置は、植栽穴が栽培パイプの側面に設けられていることから、栽培パイプ内を流れる養液が植栽穴を介して栽培パイプ外へ漏れ出すおそれがあるという問題があった。
そこで、上記参考例の水耕栽培装置において、前記養液供給パイプから前記栽培パイプに供給される養液が前記栽培パイプの内壁面のうち前記植栽穴に対向する奥部分を伝って流下するように構成される一方、前記植物保持体は、前記栽培パイプの内壁面の前記奥部分を流れる養液に接触するように前記植栽穴に配置されているようにしてもよい。
このような態様によれば、栽培パイプ内において植栽穴から離れた奥部分で養液が流れることで植栽穴からの養液漏れを防止しながら、植物保持体に保持される栽培植物に養液を確実に供給できる。
ただし、上記参考例の水耕栽培装置は、養液が栽培パイプ内壁面の奥部分を流れる構成に限定されず、例えば、栽培パイプ上端側の中央部から養液が滴下又は噴霧される構成を含む。
また、縦置きの栽培パイプを有する従来の水耕栽培装置は、植栽穴への植物保持体の配置作業が煩雑であるという問題があった。
そこで、上記参考例の水耕栽培装置において、前記植物保持体は、植物を保持する保持部材と、前記保持部材を覆う筒部材とを備え、前記筒部材は、筒軸方向に延びる割り溝を有することで弾性変形可能に構成されており、前記植物保持体は、前記割り溝を上向きにして前記植栽穴に配置されているようにしてもよい。
このような態様によれば、植物保持体の保持部材を筒部材内に配置する際に、筒部材をその内径が広がるように弾性変形させることで、筒部材への保持部材の挿入作業が容易になり、作業効率が向上する。また、保持部材が挿入された筒部材を栽培パイプの植栽穴に抜き差しする際に、筒部材をその外形が小さくなるように弾性変形させることで、栽培パイプへの植物保持体の着脱作業が容易になり、作業効率が向上する。さらに、植物保持体は、筒部材の割り溝を上向きにして植栽穴に配置されているので、上方から滴下又は流下する養液が筒部材の割り溝を介して保持部材に吸収されやすくなり、植物保持体に保持される栽培植物に養液を確実に供給できる。
なお、上記参考例の水耕栽培装置において、植物保持体は、上記保持部材と割り溝を有する筒部材とで構成されるものに限定されない。例えば、上記例の水耕栽培装置は、植物保持体がスポンジ、不織布又はロックウールなどからなる保持部材単体で形成されている構成を含む。また、上記例の水耕栽培装置は、植物保持体が保持部材とそれを覆う筒部材とを備え、保持部材に割り溝が形成されていない構成を含む。
また、従来の水耕栽培装置では、縦置きの栽培パイプを複数並べて配置する場合には、隣り合う栽培パイプに定植される植物同士がそれぞれ十分に成長できる空間を確保するために隣り合う栽培パイプ同士の間隔を狭くできず、水耕栽培装置が大型化するという問題があった。
そこで、上記参考例の水耕栽培装置において、複数の前記栽培パイプが平面視で一列に並べられており、隣り合う前記栽培パイプ同士で前記植栽穴が互いに逆側に位置しているようにしてもよい。
このような態様では、栽培パイプの配列方向と平行な方向で隣り合う植栽穴同士の間に、少なくとも栽培パイプ一本分の空間が形成される。したがって、このような態様によれば、栽培植物の成長に十分な空間を確保しながら隣り合う栽培パイプ同士を近接配置できるので、水耕栽培装置を小型化できる。
ただし、上記参考例の水耕栽培装置は、複数の前記栽培パイプが、隣り合う前記栽培パイプ同士で前記植栽穴が互いに同じ側に位置している構成を含む。
また、このような態様において、前記養液供給パイプは、主供給パイプと、前記主供給パイプから分岐して前記栽培パイプごとに設けられる分岐供給パイプとを備え、前記分岐供給パイプごとに、養液の流量を調整可能な流量調整バルブが設けられており、前記流量調整バルブの操作具は、対応する前記栽培パイプの前記植栽穴の向きに合わせて配置されているようにしてもよい。
このような態様によれば、栽培パイプ内を流れる養液流量を栽培パイプごとに適切に調整可能であるとともに、流量調整バルブの操作具を操作する際に植栽穴を介して栽培パイプ内を目視しながら、栽培パイプ内を流れる養液流量を調整できるので、養液流量の調整作業が容易になる。
ただし、上記参考例の水耕栽培装置において、流量調整バルブの操作具の向きは適宜変更可能である。例えば、複数の流量調整バルブにおいて、各操作具の向きは互いに同じであってもよい。
また、上記参考例の水耕栽培装置において、前記養液供給パイプの養液出口端部は、前記栽培パイプの上端部に取外し可能に取り付けられる上端キャップ部材に固定されており、前記上端キャップ部材は、前記養液供給パイプの前記養液出口端部を取付け可能な挿通穴を複数備えているようにしてもよい。
このような態様によれば、養液供給パイプの養液出口端部を取り付ける挿通穴を適宜選択することで、上端キャップ部材に対する養液供給パイプの養液出口端部の取付け位置を容易に変更できる。そして、養液が植物保持体に確実に当たるように、養液供給パイプの養液出口端部の取付け位置を決定することで、植物保持体に保持される植物に養液が供給されないという不具合を解消できる。また、養液出口端部の取付け位置を適宜変更することで、養液出口端部から流出する養液が確実に栽培パイプの上記奥部分を伝って流下するようにすることができ、栽培パイプの植栽穴からの養液漏れを防止できる。
また、複数の挿通穴のうち、養液供給パイプの養液出口端部が挿入されない挿通穴は、栽培パイプ内外の間で空気を流通させる通気穴として機能する。これにより、栽培植物の根に酸素が供給されやすくなり、栽培植物の健全な生育を促進できる。
次に、本願発明の植物加工物の原料となる植物を栽培するための水耕栽培装置の一参考形態について図面に基づいて説明する。ただし、以下に説明する水耕栽培装置は、あくまで一例であり、本願発明の植物加工物の原料となる植物は、他の水耕栽培装置を用いて栽培されたものであってもよい。
この参考形態の水耕栽培装置1は、複数の縦置き栽培パイプ2を有している。また、各方向を特定するため、前後・左右の文言を使用するが、図1から図3に示すように、栽培パイプ2の配列方向を前後方向とし、平面視で前後方向と直交する方向を左右方向と定義している。なお、水耕栽培装置は、方向の定義も含めて、この参考形態に限定されるものではない。
図1から図6に示すように、水耕栽培装置1は、複数の縦置きの栽培パイプ2と、栽培パイプ2の上端側に接続される養液供給パイプ3と、栽培パイプ2の下端側に接続される養液回収パイプ4と、養液Nを循環させる養液供給装置5とを備えている。そして、複数の栽培パイプ2は、栽培パイプ2ごとに、養液供給パイプ3及び養液回収パイプ4から取外し可能に構成されている。
複数の栽培パイプ2は、長手方向が鉛直方向又は略鉛直方向に沿うようにして、縦置き配置されている。また、複数の栽培パイプ2は、平面視で前後方向に一列に配列されている。
栽培パイプ2は、略円筒形の主パイプ部21と、主パイプ部21の側面に設けられた複数の枝パイプ部22を備えている。枝パイプ部22は、主パイプ部21の筒軸方向に沿って上下方向に配列されている。
図7及び図8にも示すように、各枝パイプ部22は、略円筒形であり、主パイプ部21が縦置き配置された状態で、筒軸方向が斜め上向きになるようにして主パイプ部21に設けられている。枝パイプ部22の開口は、植物保持体6が配置される植栽穴23を構成している。
栽培パイプ2の主パイプ部21の下端部に、筒状の下端部材24が取外し不能に固着されている。下端部材24は、下端側(主パイプ部21とは反対側)の外径が、上端側(主パイプ部21側)の外径よりも小さくなっている。
栽培パイプ2の上端側に接続される養液供給パイプ3は、養液供給装置5に繋がる中継供給パイプ31と、中継供給パイプ31に繋がる主供給パイプ32と、主供給パイプ32から分岐して各栽培パイプ2に繋がる複数の分岐供給パイプ33を備えている。中継供給パイプ31は、上下方向に延びて配置され、床面Gに設置される養液供給装置5と、栽培パイプ2の上方に配置される主供給パイプ32とを繋いでいる。
図5に示すように、主供給パイプ32は、栽培パイプ2の上方で、複数の栽培パイプ2の配列に沿って、前後方向に延びて配置されている。主供給パイプ32から分岐する複数の分岐供給パイプ33は、前後方向に並んで配置されている。各分岐供給パイプ33は、下方に向けて延びている。
各分岐供給パイプ33には、養液の流量を調整可能な流量調整バルブ34がそれぞれ設けられている。分岐供給パイプ33の先端部(主供給パイプ32とは反対側の端部)は、上端キャップ部材35に設けられた挿通穴35aに挿通されて固着されている。分岐供給パイプ33のうち、流量調整バルブ34と上端キャップ部材35との間の部分は、柔軟性のあるパイプ、例えばフレキシブルホースで形成されている。
図7に示すように、上端キャップ部材35は、栽培パイプ2の主パイプ部21の上端部に着脱可能に取り付けられて、主パイプ部21の上端部を閉塞する。上端キャップ部材35が主パイプ部21に取り付けられることで、養液供給パイプ3の分岐供給パイプ33が、栽培パイプ2の主パイプ部21に接続される。なお、上端キャップ部材35の中央部には通気穴35bが設けられており、主パイプ部21内外の空気が通気穴35bを介して流通可能に構成されている。
上端キャップ部材35は、分岐供給パイプ33の先端部が、主パイプ部21の内壁面のうち植栽穴23に対向する奥部分21aに接触するようにして、主パイプ部21に取り付けられている。なお、主パイプ部21の内壁面の奥部分21aは、平面視で植栽穴23に対向する部分であり、この参考形態では、主パイプ部21の内壁面のうち枝パイプ部22から離れた半円筒形部分である。
栽培パイプ2の下端側に接続される養液回収パイプ4は、栽培パイプ2の配列の下方で前後方向に延びて配置される直線状回収パイプ部41と、直線状回収パイプ部41の前端に接続されて下方へ湾曲する湾曲回収パイプ部42を備えている。
直線状回収パイプ部41の側面には、上方に向けて開口する複数の接続穴43が形成されている。これらの接続穴43は、直線状回収パイプ部41の筒軸方向に沿って等間隔に配置されている。
養液回収パイプ4の接続穴43は、栽培パイプ2の下端部材24の下端部の外径よりも大きく、かつ下端部材24の上端部の外径よりも小さい直径で開口されている。接続穴43に栽培パイプ2の下端部(下端部材24)が上方から差し込まれることで、栽培パイプ2と養液回収パイプ4とが着脱可能に接続される。そして、下端部材24の中途部が接続穴43に当接することで、栽培パイプ2が養液回収パイプ4に支持される。
養液回収パイプ4の湾曲回収パイプ部42の先端部は、養液供給装置5に接続されている。直線状回収パイプ部41の後端部(湾曲回収パイプ部42とは反対側の端部)は、取外し可能なキャップ部材44で塞がれている。
養液供給装置5は、養液Nを貯留する養液容器51と、養液容器51内の養液Nを養液供給パイプ3に供給するポンプ52を備えている。養液容器51には、養液回収パイプ4の湾曲回収パイプ部42が接続されている。ポンプ52には、養液供給パイプ3の中継供給パイプ31が接続されている。
養液供給装置5は、ポンプ52の駆動によって養液容器51内の養液Nを養液供給パイプ3に供給する。養液供給パイプ3に供給された養液Nは、栽培パイプ2内に上部側から供給され、栽培パイプ2の下部から養液回収パイプ4を介して養液容器51に回収される。養液供給装置5は、回収された養液Nを養液供給パイプ3に再度供給して循環させる。養液供給装置5は、養液Nを間欠的又は連続的に循環させる構成のいずれであってもよい。
図1から図6に示すように、水耕栽培装置1は、栽培パイプ2、養液供給パイプ3及び養液回収パイプ4を支持する支持フレーム体7を備えている。支持フレーム体7は、左右方向に延びる前後一対の下部フレーム71を備えている。下部フレーム71の中途部には、互いに間隔を空けて2本の縦フレーム72が立設されている。左右に並ぶ縦フレーム72は、前後の下部フレーム71ごとに設けられており、支持フレーム体7には合計4本の縦フレーム72が設けられている。
左右に並ぶ縦フレーム72の上端部同士は、左右方向に延びる上部フレーム73によって連結されている。支持フレーム体7には前後一対の上部フレーム73が設けられており、各上部フレーム73の左右両端部は、縦フレーム72との連結部よりも左右方向の外側に設けられている。
左右に並ぶ縦フレーム72の下端寄り部位同士は、左右方向に延びる回収パイプ支持フレーム74で連結されている。養液回収パイプ4の直線状回収パイプ部41の前後両端部は、左右に並ぶ縦フレーム72の間に配置されて、前後一対の回収パイプ支持フレーム74に支持されている。
図5に示すように、前後に並ぶ縦フレーム72の上端寄り部位同士は、前後方向に延びる栽培パイプ支持フレーム75で連結されている。左右一対の栽培パイプ支持フレーム75の間の空間は、複数の分画フレーム76で前後方向に分画されている。各分画フレーム76は、左右方向に延びて配置され、分画フレーム76の左右端部は、左右の栽培パイプ支持フレーム75に連結されている。
栽培パイプ2の主パイプ部21の上端部は、左右の栽培パイプ支持フレーム75と前後の分画フレーム76で囲まれた空間に下方から挿入されて配置され、前後左右方向の移動が規制される。上述のように、栽培パイプ2の下端部材24は、養液回収パイプ4の接続穴43に着脱可能に挿入されて、養液回収パイプ4に支持される。これにより、栽培パイプ2は、養液回収パイプ4及び支持フレーム体7から取外し可能に縦置き配置される。
図9に示すように、栽培パイプ2の取付け時には、まず、左右の栽培パイプ支持フレーム75と前後の分画フレーム76で囲まれた空間に、主パイプ部21の上端部を下方から挿入する((A)参照)。そして、栽培パイプ2の下端部材24が、養液回収パイプ4の接続穴43の上方に位置するまで、栽培パイプ2を持ち上げる((B)参照)。次に、下端部材24を接続穴43に挿入した後、主パイプ部21の上端部に上端キャップ部材35を取り付ける((C)参照)。これにより、栽培パイプ2に養液供給パイプ3と養液回収パイプ4が接続された状態になる(図1から図3等を参照)。
また、栽培パイプ2の取外し時には、栽培パイプ2の取付け時の作業と逆の手順で作業することで、栽培パイプ2を養液供給パイプ3及び養液回収パイプ4から容易に取り外せる。なお、栽培パイプ2の取付け又は取外しは、支持フレーム体7の左右どちらからでも行える。
そして、栽培パイプ2を養液供給パイプ3及び養液回収パイプ4から取り外した状態で洗浄できるので、栽培パイプ2に付着した藻の除去洗浄などの洗浄作業を容易に行える。そして、栽培パイプ2内を適宜洗浄することで、栽培パイプ2内に藻がない状態又は少ない状態で、植栽穴23に定植される植物を栽培でき、植物に効率的に養分を供給して、植物の生産性を向上できる。また、栽培パイプ2を容易に洗浄できることで、栽培パイプ2を綺麗な状態にして繰り返し使用できるので、水耕栽培装置1の維持管理費用を低減できる。
また、この参考形態では、養液回収パイプ4は支持フレーム体7に取外し可能に支持されている。したがって、養液回収パイプ4を支持フレーム体7から取り外した状態で洗浄でき、養液回収パイプ4に付着した藻の除去洗浄などの洗浄作業を容易に行える。なお、養液回収パイプ4の洗浄時には、キャップ部材44を取り外した状態で行うことで、直線状回収パイプ部41内部の洗浄作業がより一層容易になる。
図1から図4に示すように、栽培パイプ2は、植栽穴23が左右方向を向くようにして縦置き配置される。そして、前後方向に一列に配列される複数の栽培パイプ2は、隣り合う栽培パイプ2同士で植栽穴23が互いに逆側に位置するように、配置されている。これにより、栽培パイプ2の配列方向と平行な方向で隣り合う植栽穴23同士の間に、少なくとも栽培パイプ2の一本分の空間が形成される。したがって、植栽穴23に定植される栽培植物の成長に十分な空間を確保しながら、隣り合う栽培パイプ2同士を近接配置できるので、水耕栽培装置1を小型化できる。
図1から図5に示すように、養液供給パイプ3の主供給パイプ32は、左右の栽培パイプ支持フレーム75に立設された前後一対のパイプ支持具77で支持されている。
図4に示すように、主供給パイプ32から分岐する分岐供給パイプ33に設けられた流量調整バルブ34の操作具34aは、対応する栽培パイプ2の植栽穴23の向きに合わせて配置されている。これにより、流量調整バルブ34の操作具34aを操作する際に、植栽穴23を介して栽培パイプ2内を目視しながら、栽培パイプ2内を流れる養液Nの流量を調整できるので、養液Nの流量の調整作業が容易になる。
図8に示すように、植栽穴23に配置される植物保持体6は、植物を保持する保持部材61と、保持部材61を覆う筒部材62を備えている。保持部材61は、養液を保持可能な柔らかい材料からなり、例えばスポンジや綿、不織布、ロックウール、グラスウールなどで形成される。保持部材61に保持される栽培植物は、例えば、イチゴやトマトなどの果実野菜、レモンバームなどのハーブ、ホウレンソウなどの葉物野菜、バラなどの花卉などである。
筒部材62は、略円筒形の樹脂製であり、筒軸方向に延びる割り溝62aを備えている。筒部材62は、割り溝62aを有することで、弾性変形可能に構成されている。
図8(B),(C)に示すように、保持部材61は、筒部材62の一端側から筒部材62内に押し込まれて、筒部材62内に配置される。このとき、図8(A)に示すように、筒部材62をその内径が広がるように弾性変形させることで、筒部材62への保持部材61の挿入作業が容易になり、作業効率が向上する。
図8(D)に示すように、保持部材61が筒部材62内に配置されてなる植物保持体6は、栽培パイプ2の植栽穴23内に着脱可能に配置される。そして、植物保持体6を植栽穴23に抜き差しする際に、図8(A)に示すように、筒部材62をその外形が小さくなるように弾性変形させることで、栽培パイプ2への植物保持体6の着脱作業が容易になり、作業効率が向上する。
上述のように、栽培パイプ2の主パイプ部21に接続される分岐供給パイプ33は、主パイプ部21の内壁面の奥部分21aに接触するように配置されている。したがって、分岐供給パイプ33から流れ出る養液Nは、主パイプ部21内において植栽穴23から離れた奥部分21aを伝って下向きに流れる。これにより、植栽穴23からの養液漏れを防止できる。
図8(D)に示すように、植物保持体6は、栽培パイプ2の主パイプ部21の奥部分21aを流れる養液Nに接触するようにして、植栽穴23に配置される。これにより、植物保持体6に保持される栽培植物に養液Nを確実に供給できる。
また、図8(C),(D)に示すように、植物保持体6において、保持部材61の奥部分21a側の端部は、筒部材62で覆われておらず、露出している。そして、保持部材61の奥部分21a側の端部が主パイプ部21の奥部分21aに接触するようにして、植物保持体6が植栽穴23に差し込まれている。これにより、主パイプ部21の奥部分21aを流れる養液Nに保持部材61が確実に接触するので、植物保持体6に保持される栽培植物に養液Nを確実に供給できる。
また、図8(D)に示すように、植物保持体6は、筒部材62の割り溝62aを上向きにして植栽穴23に配置されている。したがって、植物保持体6の上方から滴下又は流下する養液Nが筒部材62の割り溝62aを介して保持部材61に吸収されやすくなり、植物保持体6に保持される栽培植物に養液Nを確実に供給できる。
また、植物保持体6が保持部材61と筒部材62とを備え、筒部材62が割り溝62aを有することで弾性変形可能に構成されている構成は、従来の縦型水耕栽培装置にも適用可能である。さらに、植物保持体6が割り溝62aを上向きにして植栽穴23に配置される構成も、従来の縦型水耕栽培装置に適用可能である。
図1から図3及び図10に示すように、水耕栽培装置1は、栽培パイプ2の配列を挟んで配置された左右一対の照明機構8を備えている。照明機構8は、栽培パイプ2で栽培される植物に光を照射する照明装置81を備えている。照明装置81は、例えばLED光源群を有する上下縦長のLEDモジュールで構成されている。この参考形態では、複数の照明装置81が前後方向に配列されている。
照明装置81は、栽培パイプ2の配列に対向して配置される照明装置支持フレーム82に支持されている。照明装置支持フレーム82の前後方向長さは、栽培パイプ2の配列長さの半分程度である。
照明機構8は、照明装置支持フレーム82の下方に配置される下部レール83と、照明装置支持フレーム82の上方に配置される上部レール84を備えている。前後方向に延びる下部レール83は、床面Gの上に配置される一方で、支持フレーム体7の前後一対の下部フレーム71の端部同士を連結している。また、前後方向に延びる上部レール84は、支持フレーム体7の前後一対の上部フレーム73の端部同士を連結している。
照明装置支持フレーム82と下部レール83との間に前後一対の車輪部材85が設けられている。また、照明装置支持フレーム82と上部レール84との間に前後一対の車輪部材85が設けられている。これにより、照明装置81を支持する照明装置支持フレーム82は、下部レール83及び上部レール84に沿って、前後方向にスライド可能に設けられている。
図1から図3に示す状態では、照明装置支持フレーム82は、前後方向に延びる栽培パイプ2の配列の後側半分に対向して配置されている。すなわち、栽培パイプ2の配列の後側半分に定植された栽培植物には照明装置81から光が照射される一方で、栽培パイプ2の配列の前側半分に定植された栽培植物には光が照射されない状態にできる。
一方、図10に示す状態では、照明装置支持フレーム82は、栽培パイプ2の配列の前側半分に対向して配置されている。すなわち、栽培パイプ2の配列の前側半分に定植された栽培植物には照明装置81から光が照射される一方で、栽培パイプ2の配列の後側半分に定植された栽培植物には光が照射されない状態にできる。
このように、照明装置81を支持する照明装置支持フレーム82をスライド移動させることで、栽培パイプ2に定植された栽培植物に明期(昼)と暗期(夜)を周期的に与えることができる。
さらに、照明装置支持フレーム82をスライド可能に設けることで、取付け又は取外し対象の栽培パイプ2の配置位置の左右側方に照明装置支持フレーム82が無い状態にでき、栽培パイプ2の取付け及び取外し作業が容易になる。同様に、照明装置支持フレーム82を適宜スライド移動させることで、植栽穴23への植物保持体6の出し入れ作業や、果実や花卉などの収穫作業も、容易にできる。
次に、栽培パイプ2と養液供給パイプ3又は養液回収パイプ4との接続構造の変形例について説明する。ただし、栽培パイプ2と養液供給パイプ3及び養液回収パイプ4との接続構造は、上記参考形態に示された構造及び下記変形例に示される構造に限定されない。
図11に示す参考形態では、栽培パイプ2の主パイプ部21の上端部に、上端キャップ部材35が固着されている。この変形例では、上端キャップ部材35は栽培パイプ2の一部分を構成している。そして、養液供給パイプ3の分岐供給パイプ33の先端部は、上端キャップ部材35の挿通穴35aに上方から抜き差し可能に装着される。これにより、養液供給パイプ3の分岐供給パイプ33は、栽培パイプ2に取外し可能に接続される。
図12に示す参考形態では、養液回収パイプ4の接続穴43に、筒状の下端部材24が固着されている。この変形例では、下端部材24は養液回収パイプ4の一部分を構成している。そして、栽培パイプ2の主パイプ部21の下端部は、下端部材24に上方から抜き差し可能に嵌め込まれる。これにより、栽培パイプ2は、養液回収パイプ4の下端部材24に取外し可能に接続される。なお、主パイプ部21と下端部材24との間に、Oリングなどのシール部材(図示省略)を配置して、養液Nの液漏れを防止することが好ましい。
また、図13に示す参考形態では、栽培パイプ2の下端側に下端部材24(図1、図2、図6等を参照)が設けられていない。そして、栽培パイプ2の主パイプ部21の下端部は、養液回収パイプ4の接続穴43に上方から抜き差し可能に挿入される。なお、栽培パイプ2は、主パイプ部21の下端が直線状回収パイプ部41の内周壁に当接することで、養液回収パイプ4に下向きに支持される。
次に、図14を参考にしながら、上端キャップ部材35の変形例について説明する。この変形例の上端キャップ部材35は、円筒部35cと、円筒部35cの上端側を塞ぐ天面部35dとを有する有底略円筒形の形状を有し、天面部35dに複数の挿通穴35aを備えている。天面部35dに設けられる挿通穴35aの個数は、2つ以上であれば特に限定されないが、この変形例では、同心円上に8つの挿通穴35aが等間隔で設けられている。また、天面部35dの中央部に、通気穴35bが設けられている。なお、上端キャップ部材35は、図7に示した構成と同様に、栽培パイプ2の主パイプ部21の上端部に取外し可能に取り付けられる。
養液供給パイプ3の分岐供給パイプ33の養液出口端部33aは、複数の挿通穴35aのうち、いずれかの挿通穴35aに抜き差し可能に挿入されて、上端キャップ部材35に固定される。なお、養液出口端部33aは、弾性及び柔軟性のあるパイプ、例えばフレキシブルホースで形成されている。
この変形例によれば、上端キャップ部材35に対する養液出口端部33aの取付け位置を適宜選択することで、例えば分岐供給パイプ33の養液出口端部33aが湾曲している場合であっても、養液Nが植物保持体6(図8参照)に確実に当たるようにすることができる。これにより、植物保持体6に保持される植物に養液Nが供給されないという不具合を解消できる。
また、養液出口端部33aの取付け位置を適宜選択することで、養液出口端部33aから流出する養液Nが確実に栽培パイプ2の奥部分21aを伝って流下するようにすることができ、植栽穴23からの養液漏れを防止できる。

さらに、複数の挿通穴35aのうち、養液供給パイプ3の養液出口端部33aが挿入されない挿通穴35aは、栽培パイプ2内外の間で空気を流通させる通気穴として機能する。これにより、植栽穴23に植栽される栽培植物の根に酸素が供給されやすくなり、栽培植物の健全な生育を促進できる。
また、上端キャップ部材35は、円筒部35cの内周面が主パイプ部21の上端部の外周面に接触するようにして主パイプ部21の上端部に取り付けられ、上端キャップ部材35と主パイプ部21との間の摩擦力によって、主パイプ部21の上端部に固定される。そして、図14(B)及び(C)に示すように、上端キャップ部材35と主パイプ部21とを互いに逆向きに回転させるように力を加えることで、上端キャップ部材35は主パイプ部21に対して周方向に回転可能に設けられている。これにより、挿通穴35aの位置を微調整することが可能になり、より確実に、養液Nが植物保持体6(図8参照)に当たるようにすることができとともに、養液Nが栽培パイプ2の奥部分21aを伝って流下するようにできる。
なお、図15に示すように、上端キャップ部材35の天面部35dに設けられるに挿通穴35aが1箇所の場合であっても、上端キャップ部材35が主パイプ部21に対して周方向に回転可能に設けられていることで、栽培パイプ2に対する養液出口端部33aの取付け位置を変更できる。すなわち、上端キャップ部材35が、上端キャップ部材35の円筒部35cの内周面と主パイプ部21の上端部の外周面との間の摩擦力によって栽培パイプ2に取り付けられて、主パイプ部21に対して周方向に回転可能に設けられている。
これにより、栽培パイプ2に対する養液出口端部33aの取付け位置を変更することが可能になり、より確実に、養液Nが植物保持体6(図8参照)に当たるようにすることができとともに、養液Nが栽培パイプ2の奥部分21aを伝って流下するようにできる。
以上、縦置き水耕栽培装置の参考形態を説明したが、上記参考例の水耕栽培装置は他にも様々に具体化できる。例えば、一列に配列される複数の栽培パイプ2の姿勢は、鉛直方向又は略鉛直方向に延びる姿勢に限定されず、平面視で栽培パイプ2の配列方向に沿って、同じ方向に傾斜していてもよい。
また、水耕栽培装置1に配列される栽培パイプ2の本数は、2本以上であればよく、上記参考形態における8本に限定されない。なお、上記参考例の水耕栽培装置の水耕栽培装置において、栽培パイプの本数は1本であってもよい。
1 水耕栽培装置
2 栽培パイプ
3 養液供給パイプ
4 養液回収パイプ
5 養液供給装置
6 植物保持体
21 主パイプ部
21a 奥部分
22 枝パイプ部
23 植栽穴
32 主供給パイプ
33 分岐供給パイプ
34 流量調整バルブ
34a 操作具
35 上端キャップ部材
35a 挿通穴
35b 通気穴
35c 円筒部
35d 天面部
41 直線状回収パイプ部
42 湾曲回収パイプ部
43 接続穴
61 保持部材
62 筒部材
62a 割り溝
N 養液

Claims (3)

  1. 植物の搾汁、抽出物又は乾燥物からなる植物加工物であって、
    前記植物は、閉鎖空間内にて水耕栽培で農薬を使わずに栽培されたものであり、
    前記搾汁、前記抽出物又は前記乾燥物は、農薬成分を含んでいない、植物加工物。
  2. 前記植物は、イチゴ果実又はハーブである、請求項1に記載の植物加工物。
  3. 請求項1又は2に記載の植物加工物を用いた二次加工品。
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