以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向が導入される。
実施の形態1.
<搬送装置の構成>
図1、図2および図6は、実施の形態1に係る搬送装置100をX方向から視た側面図である。図3は、搬送装置100をY方向から視た正面図である。図4は、搬送装置100をZ方向から視た上面図である。図5は、X方向に垂直な搬送装置100の断面図である。図1〜図6に示されるように、実施の形態1に係る搬送装置100は、吸着部1、支持部2、ガイド部3、搬送部4、第1連結部5、第2連結部6、および第1バネ7を備える。
吸着部1は、吸着面1aおよび側面1bを有している。吸着面1aおよび側面1bは、例えば平面である。側面1bは、吸着面1aとは異なる方向を向いている。吸着部1が外力を受けていない状態において、吸着面1aはY方向を向いており、側面1bはX方向を向いている。吸着部1が外力を受けていない状態において、吸着面1aはX方向およびZ方向(第1方向)に沿うように配置されており、側面1bはY方向およびZ方向に沿うように配置されている。以下、Y方向において吸着面1aが向いている側を前、それとは反対側を後とよぶ。また、Z方向において後述するガイド部3の突出部32が吸着面1aに対して突出している側を下、それとは反対側を上とよぶ。
吸着部1は、吸着面1aに面接触したワークを吸着している状態と、吸着していない状態とを切り替えるように設けられている。吸着部1は、ワークを吸着可能な限りにおいて任意の構成を有していればよく、例えばワークを静電吸着または真空吸着するように設けられている。
支持部2は、吸着部1を支持している。支持部2は、複数(例えば2つ)の第1部分21、第2部分22、および第3部分23を含む。複数の第1部分21は、吸着面1aに対して後方に、かつX方向において吸着面1aを挟むように配置されている。複数の第1部分21の各々は、第2部分22および第3部分23によって連結されている。複数の第1部分21の各々は、Z方向に沿って延在している。
第2部分22は、Z方向において吸着面1aに対して後述するガイド部3の突出部32とは反対側に配置されている。第3部分23は、吸着面1aに対して後方に位置する吸着部1の後方部分に接続されている。
第1部分21の上端は、吸着面1aよりも上方に配置されており、かつ第2部分22の後端に接続されている。第1部分21の下端は、吸着面1aよりも下方に配置されている。
第1部分21には、取手25が取り付けられている。取手25は、例えばX方向において第1部分21の外側に配置されている。第1部分21の下端には、ローラ26が取り付けられている。ローラ26は、第1部分21に対して、X方向に延びる回転軸を中心として回転するように設けられている。ローラ26の外周面のうち下方に位置する部分は第1部分21よりも下方に突出している。第2部分22の前端は、吸着面1aよりも前方に配置されている。第2部分22には、アイボルト24が取り付けられている。アイボルト24は、例えばZ方向において第2部分22の外側に配置されている。
ガイド部3は、吸着面1aに対する相対的な位置が異なる第1の位置と第2の位置との間を移動し、かつ上記第1の位置および上記第2の位置で保持される。図1に示されるように、第1の位置に配置されたガイド部3は、吸着部1がワークを吸着できない状態を実現する。図2に示されるように、第2の位置に配置されたガイド部3は、吸着部1がワークを吸着できる状態を実現する。第1の位置と第2の位置との間の移動は、後述する搬送部4、第1連結部5、第2連結部6および第1バネ7によって実行される。ガイド部3は、支持部2に接続されており、かつ吸着面1aを平面視したときに吸着部1の側面1bに面する位置に配置されている。
図3および図5に示されるように、ガイド部3は、例えば第1ガイド部3a、第2ガイド部3bおよび連結シャフト3cを含む。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bは、X方向において吸着部1を挟んで配置されている。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bは、同等の構成を有している。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bは、吸着面1aを平面視したときに吸着部1の側面1bに面する位置に配置されている。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bは、例えば複数の連結シャフト3cによって連結されている。複数の連結シャフト3cは、例えばZ方向において吸着部1を挟むように配置されている。1つの連結シャフト3cは、例えば上記第1の位置および上記第2の位置において吸着部1よりも上方に配置されるように設けられている。他の1つの連結シャフト3cは、例えば上記第1の位置および上記第2の位置において吸着部1よりも下方に配置されるように設けられている。
第1ガイド部3aと第2ガイド部3bとの間のX方向の距離は、吸着面1aのX方向の幅以上であり、かつ搬送装置100の把持対象であるワークにおいて吸着面1aに吸着されることが予定されている面のX方向の幅未満である。つまり、第1の位置にあるガイド部3は、吸着面1aがワークの被吸着面と面接触することを妨げる。
ガイド部3の第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bの各々は、本体部31および突出部32を含む。本体部31は、吸着面1aと同じ側を向いた第1面31aを有している。つまり、第1面31aは前方を向いている。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bの各第1面31aは、同一平面上に配置されている。
突出部32は、本体部31の下端に接続されている。ガイド部3が第1の位置にあるときおよびガイド部3が第2の位置にあるとき、突出部32は吸着面1aに対して下方に突出している。突出部32は、くさび状に形成されている。突出部32の先端は、X方向に沿って直線状に延びる稜線部32eを有している。突出部32は、稜線部32eに対して前方に配置されかつ第1面31aと連なる第2面32aと、稜線部32eに対して後方に配置されかつ稜線部32eを介して第2面32aと連なる第5面32bとを有している。ガイド部3をX方向から視たときに、第1面31aと第2面32aとの内角は鈍角を成しており、第2面32aと第5面32bとの内角は鋭角を成している。
ガイド部3が第1の位置にあるとき、第1面31aは吸着面1aよりも前方に配置されている。ガイド部3が第2の位置にあるとき、第1面31aは吸着面1aよりも前方に配置されておらず、第1面31aは吸着面1aと同一平面上または吸着面1aよりも後方に配置されている。
搬送部4は、例えば吸着部1、支持部2およびガイド部3を吊り上げて搬送する。搬送部4は、アーム41、ロープ42およびフック43を含む。アーム41は、X方向、Y方向およびZ方向に移動する。ロープ42の一端は、アーム41に固定されている。ロープ42の他端は、支持部2の第2部分22に接続されている。例えば、ロープ42の他端には、フック43が固定されている。フック43は、第2部分22に固定されたアイボルト24に掛けられている。
搬送装置100は、支持部2とガイド部3とを連結する複数の第1連結部5、複数の第2連結部6および複数の第1バネ7をさらに備える。すなわち、搬送装置100は、支持部2と第1ガイド部3aとを連結する第1連結部5、第2連結部6および第1バネ7と、支持部2と第2ガイド部3bとを連結する第1連結部5、第2連結部6および第1バネ7とを備える。支持部2と第1ガイド部3aとを連結する第1連結部5、第2連結部6および第1バネ7は、支持部2と第2ガイド部3bとを連結する第1連結部5、第2連結部6および第1バネ7と同様の構成を備えている。
第1連結部5および第2連結部6は、いわゆる平行リンク構造を有している。第1連結部5および第2連結部6は、ガイド部3が第1の位置にあるとき、およびガイド部3が第1の位置から前記第2の位置へ移動しているときに、第1面31aが吸着面1aと平行となるように設けられている。第1連結部5および第2連結部6は、Z方向において互いに間隔を隔てて配置されている。
第1連結部5の一端はピン51を介して支持部2の第1部分21と接続されている。第1連結部5の他端はピン52を介してガイド部3の本体部31と接続されている。ピン51は、支持部2および第1連結部5の一方が他方に対して相対的に回転するように、支持部2と第1連結部5とを接続している。ピン52は、ガイド部3および第1連結部5の一方が他方に対して相対的に回転するように、ガイド部3と第1連結部5とを接続している。
第2連結部6の一端は、ピン61を介して支持部2の第1部分21と接続されている。第2連結部6の他端は、ピン62を介してガイド部3の本体部31と接続されている。ピン61は、支持部2および第2連結部6の一方が他方に対して相対的に回転するように、支持部2と第2連結部6とを接続している。ピン62は、ガイド部3および第2連結部6の一方が他方に対して相対的に回転するように、ガイド部3と第2連結部6とを接続している。ピン51は、支持部2に対する第1連結部5の回転中心を成している。ピン52は、ガイド部3に対する第1連結部5の回転中心を成している。ピン61は、支持部2に対する第2連結部6の回転中心を成している。ピン62は、ガイド部3に対する第2連結部6の回転中心を成している。ピン51、ピン52、ピン61およびピン62の各中心軸、すなわち第1連結部5および第2連結部6の各回転軸は、互いに平行であり、側面1bに垂直な方向に延びている。なお、第1連結部5および第2連結部6の各回転軸は、吸着面1aに対して垂直でない任意の方向に延びていてもよい。
ピン51と第1部分21との間の距離は、ピン61と第1部分21との間の距離に等しい。ピン52と本体部31との間の距離は、ピン62と本体部31との間の距離に等しい。ピン51とピン52との間の距離は、ピン61とピン62との間の距離に等しい。すなわち、支持部2に対する第1連結部5の回転中心とガイド部3に対する第1連結部5の回転中心との間の距離が、支持部2に対する第2連結部6の回転中心とガイド部3に対する第2連結部6の回転中心との間の距離に等しい。
第1バネ7の一端は、ピン71を介して支持部2の第2部分22と接続されている。第1バネ7の他端は、ピン72を介してガイド部3の本体部31と接続されている。ピン71は、支持部2に固定されており、第1バネ7がピン71を中心とする周方向に移動するように、支持部2と第1バネ7とを接続している。ピン72は、ガイド部3に固定されており、第1バネ7がピン72を中心とする周方向に移動するように、ガイド部3と第1バネ7とを接続している。第1バネ7は、一端と他端との間で伸縮する。ガイド部3が第1の位置にあるときの第1バネ7の変位量は、ガイド部3が第2の位置にあるときの第1バネ7の変位量よりも小さい。第1バネ7は、第1の位置にあるガイド部3を支持部2の第2部分22に押圧するように設けられている。第1バネ7は、第2の位置にあるガイド部3を支持部2の第2部分22に向けて付勢するように設けられている。
<搬送装置100の動作>
搬送装置100は、図6(a)〜(g)に示される各動作が順に実施されることにより、Y方向に隙間無く並べられた複数のワークのうちの1つのワーク201を把持することができる。図6(a)〜(g)の動作例では、各ワークにおいて搬送装置100に把持される面は後方のワークと接触している後面である。搬送装置100は前方のワークから順に搬送する。複数のワークは例えば板状である。各ワークにおいて、前方を向いた前面および後方を向いた後面は、他の表面と比べて相対的に大面積である。隣り合う2つのワークのうち、前方のワーク201の上記後面は、後方のワーク202の前面と面接触している。各ワークの前面および後面は例えば上方に向けて傾けられている。ワーク201の前面とワーク202の後面との接触部分の上端部は、X方向に延びる谷線部を成している。
図6(a)に示されるように、まず搬送装置100が把持対象であるワーク201に対して位置決めされる。具体的には、搬送部4によって吸着部1、支持部2および支持部2に対して第1の位置にあるガイド部3が搬送されて、ガイド部3の突出部32の稜線部32eがワーク201とワーク202との谷線部、すなわちワーク201の後方かつ上方に位置する角部203に接触される。このとき、吸着部1は、例えば駆動されて吸着可能な状態とされている。
次に、図6(b)に示されるように、搬送装置100に対し下向きの力が付与される。例えば、作業者が取手25を掴んで搬送装置100を下方に押す。これにより、突出部32がワーク201とワーク202との間に挿入されて、ワーク201が前方かつ上方に起き上がり、ワーク201とワーク202との間に隙間204が形成される。ワーク201の後方かつ上方に位置する角部203は、ガイド部3の突出部32の第2面32a上を摺動する。このとき、ガイド部3にはワーク201,202から上向きの力(反力)が印加されるが、支持部2の第2部分22がガイド部3の上方への移動を制限するため、ガイド部3は第1の位置に保持される。
次に、図6(c)に示されるように、搬送装置100が搬送部4によってY方向の前方に移動される。これにより上記隙間204が広げられる。上記隙間204は、突出部32およびローラ26が挿入され得る空間とされる。
次に、図6(d)に示されるように、搬送装置100が搬送部4によってZ方向の下方に移動される。これにより上記隙間204内に突出部32およびローラ26が挿入されてローラ26がワーク202の上記後面に接触する。接触後さらに搬送装置100が下方に移動されることにより、ローラ26がワーク202の上記前面上を滑らかに転がるとともに、ガイド部3が上記隙間204の前方かつ下方に滑らかに挿入される。ワーク201の角部203は、ガイド部3の本体部31の第1面31a上を摺動する。この結果、ガイド部3がワーク201をさらに前方かつ上方に押し上げて、図6(e)に示される状態が実現される。図6(e)に示される状態は、搬送装置100がワーク201をZ方向に沿って起こした状態である。図6(a)〜(e)に示される状態では、ガイド部3がY方向においてワーク201と吸着部1の吸着面1aとの間に配置されているため、ワーク201は吸着部1に吸着されていない。
次に、図6(f)に示されるように、ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動される。この移動は、例えば搬送部4が上方に移動することにより実現される。搬送部4が上方に移動すると、吸着部1および支持部2が上方に移動するのに対し、ガイド部3は慣性の法則に従って移動前の位置に留まろうとする。これにより、吸着部1および支持部2がガイド部3に対して相対的に移動し、吸着面1aが第1面31aと同一面上または第1面31aに対して前方に配置される。その結果、吸着面1aがワーク201に接触してこれを吸着することにより、搬送装置100がワーク201を把持する。なお、上記移動は、例えば作業者が取手25を掴んで支持部2を上方に持ち上げることによって実現されてもよい。
次に、図6(g)に示されるように、ワーク201を把持した搬送装置100が搬送部4によって搬送される。ガイド部3は、例えば第1バネ7によって前方かつ上方に付勢されているとともに、吸着部1に吸着されたワーク201によって後方に押圧されていることにより、第2の位置に保持される。搬送装置100がワーク201の搬送先に位置決めされた後、吸着部1がワーク201を吸着している状態が解消される。これにより、ガイド部3は、例えば第1バネ7によって第2の位置から第1の位置に移動される。
さらに搬送装置100は、図7(a)〜(e)に示される各動作が順に実施されることによっても、Y方向に隙間無く並べられた複数のワークのうちの1つのワーク205を把持することができる。図7(a)〜(e)の動作例では、各ワークにおいて搬送装置100に把持される面が後方に位置し、かつ隣り合うワークと接触していない面である。搬送装置100は、後方のワーク205から順に搬送する。
図7(a)に示されるように、まず搬送装置100が把持対象であるワーク205に対して位置決めされる。具体的には、搬送部4によって吸着部1、支持部2および支持部2に対して第1の位置にあるガイド部3が搬送されて、ガイド部3の突出部32の稜線部32eがワーク205の後面に接触される。このとき、吸着部1は、例えば駆動されて吸着可能な状態とされている。
次に、図7(b)に示されるように、搬送装置100が搬送部4によってY方向の前方に移動される。これにより第1面31aがZ方向に対して傾斜し、第1面31aがワーク205の後面と面接触する。
次に、図7(c)に示されるように、ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動される。この移動は、例えば搬送部4が上方に移動することにより実現される。搬送部4が上方に移動すると、吸着部1および支持部2が上方に移動するのに対し、ガイド部3はワーク205との摩擦力を受けて移動前の位置に留まろうとする。これにより、吸着部1および支持部2がガイド部3に対して相対的に移動し、吸着面1aが第1面31aと同一面上または第1面31aに対して前方に配置される。その結果、吸着面1aがワーク205の後面に接触してこれを吸着することにより、搬送装置100がワーク205を把持する。
その後、図7(d)および(e)に示されるように、ワーク205を把持した搬送装置100が搬送部4によって搬送される。
<作用効果>
搬送装置100は、吸着面1aおよび吸着面1aと異なる方向を向いた側面1bを有する吸着部1と、吸着部1を支持する支持部2と、支持部2に接続されており、かつ吸着面1aを平面視したときに側面1bに面する位置に配置されているガイド部3と、吸着部1、支持部2およびガイド部3を搬送する搬送部4とを備える。ガイド部3は、吸着面1aを平面視したときに吸着面1aを挟んで配置された第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bを含む。第1ガイド部3aおよび第2ガイド部3bの各々は、吸着面1aに沿った第1方向において吸着面1aに対して突出しており、かつくさび状に形成された突出部32と、突出部32と連なる本体部31とを含む。本体部31は、吸着面1aと同じ側を向いた第1面31aを有している。突出部32は、第1面31aと連なる第2面32aを有している。ガイド部3は、吸着面1aに対する相対的な位置が異なる第1の位置と第2の位置との間を移動するように設けられている。吸着面1aは、ガイド部3が第1の位置にあるときに第1面31aに対して後方に配置され、ガイド部3が第2の位置にあるときに第1面31aと同一面上または第1面31aに対して前方に配置される。
搬送装置100は、第1面31aを有する本体部31と第1面31aと連なる第2面32aを有する突出部32を含むガイド部3を備えているため、図6(a)〜(c)に示されるように突出部32の稜線部32eがワーク201の角部203に接触された状態からさらに下方に移動されることにより、隙間204を比較的容易に形成することができる。つまり、搬送装置100は、ガイド部3をワーク201,202に強く押し付けることなく、隙間204を形成することができる。その結果、搬送装置100のガイド部3は、上述した従来の搬送装置の把持爪と比べて損傷および摩耗が抑制されている。さらに、搬送装置100は、上記従来の搬送装置と比べて、ワークの損傷および摩耗を抑制することができる。
さらに搬送装置100では、上記隙間204を形成する際にガイド部3が第1の位置とされて第1面31aが吸着面1aに対して前方に配置されていることで、ワーク201の後方かつ上方の角部がガイド部3の第2面32aおよび第1面31a上を摺動して、ワーク201の後面が第1面31aと面接触している状態が実現される。この状態では、ガイド部3がワーク201の後面と吸着面1aとの接触を阻害している。その後、図6(f)に示されるようにガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動することにより、吸着面1aは第1面31aに対して前方に配置されて、ガイド部3が第1の位置にあるときに第1面31aと接触していたワーク201の後面と接触することができる。このようにして、吸着面1aがワーク201の後面を吸着できる。その結果、搬送装置100では、上記従来の搬送装置と比べて、吸着面1aの損傷および摩耗が抑制されている。
このように、搬送装置100では、複数のワークがY方向に隙間無く並べられておりかつワーク201の被吸着面が隣り合う他のワーク202と接触している後面とされる場合にも、1つのワーク201を把持することができる。さらに搬送装置100では、ワーク201を把持する際のガイド部3とワーク201,202との接触によるガイド部3の損傷が、上記従来の搬送装置の把持爪と比べて抑制されている。さらに、搬送装置100では、ワーク201を把持する際に吸着部1がワーク201,202と接触しないため、吸着部1の損傷が、上記従来の搬送装置の把持爪と比べて抑制されている。その結果、搬送装置100の吸着部1およびガイド部3の交換頻度は上記従来の搬送装置の把持爪の交換頻度と比べて少なくなるため、搬送装置100のランニングコストは上記従来の搬送装置のランニングコストと比べて低減される。
上記搬送装置100では、ガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、第1面31aが吸着面1aと平行である。
これにより、ガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、ワーク201の後面が第1面31aおよび吸着面1aの各々と面接触している状態が実現され得る。そのため、上記搬送装置100では、ワーク201の後面と吸着面1aとが接触するときにワーク201から吸着面1aに印加される力が分散されるため、吸着面1aの損傷が抑制されている。その結果、搬送装置100での吸着部1の交換頻度は上記従来の搬送装置の把持爪の交換頻度と比べて少なくなるため、搬送装置100のランニングコストは上記従来の搬送装置のランニングコストと比べてさらに低減される。
上記搬送装置100は、ガイド部3と支持部2とを連結し、かつガイド部3および支持部2の各々に対して回転するように接続されている第1連結部5および第2連結部6をさらに備える。第1連結部5および第2連結部6は、第1方向において互いに間隔を隔てて配置されている。ガイド部3に対する第1連結部5の回転中心と支持部2に対する第1連結部5の回転中心との間の距離が、ガイド部3に対する第2連結部6の回転中心と支持部2に対する第2連結部6の回転中心との間の距離に等しい。
このような第1連結部5および第2連結部6は、ガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、第1面31aを吸着面1aと平行に保つことができる。
上記搬送装置100は、ガイド部3と支持部2とを連結している第1バネ7をさらに備える。ガイド部3が第1の位置にあるときの第1バネ7の変位量は、ガイド部3が第2の位置にあるときの第1バネ7の変位量よりも小さい。
このような第1バネ7は、第1の位置にあるガイド部3を上方に付勢して第2部分22に押し付けることにより、ガイド部3を第1の位置に保持できる。さらに第1バネ7は、第2の位置にあってワーク201によって後方に付勢されたガイド部3を前方かつ上方に付勢することにより、ガイド部3を第2の位置に保持できる。また、第1バネ7は、吸着部1がワーク201を吸着している状態が解消されたときに、第2の位置にあるガイド部3を前方かつ上方に付勢することにより、ガイド部3を第2の位置から第1の位置に移動させることができる。
好ましくは、吸着面1aは、弾性変形するように設けられている。好ましくは、吸着面1aを構成する材料は、弾性体である。このような吸着部1を備える搬送装置100では、図6(e)に示されるようなワーク201の後面がガイド部3の第1面31aおよび吸着部1の吸着面1aと平行とされた状態に達する前に、ガイド部3を第1の位置から第2の位置に移動してもよい。具体的には、ワーク201の後面が第1面31aおよび吸着部1の吸着面1aに対して傾斜しており、ワーク201の後方かつ上方の角部が第1面31aに線接触している状態で、ガイド部3を第1の位置から第2の位置に移動してもよい。この場合、吸着面1aはワーク201の後方かつ上方の角部と接触して弾性変形し、ワーク201の後面と面接触することができる。その結果、吸着面1aはワーク201を吸着できる。
図6および図7に示された動作例ではワークの被把持面がY方向およびZ方向に対して傾斜しているが、搬送装置100は図8に示されるような被把持面がZ方向に沿って配置されているワークも把持できる。
実施の形態2.
図9、図10、図11、および図12は、実施の形態2に係る搬送装置101をX方向から視た側面図である。図9および図10に示されるように、実施の形態2に係る搬送装置101は、実施の形態1に係る搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるが、支持部2に対してガイド部3を摺動させることによって、ガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するように設けられている点で異なる。
搬送装置101では、ガイド部3は、第1面31aと交差する第3面31bをさらに有している。第1面31aと第3面31bとの内角θ1は鋭角である。第1面31aは、前方を向いている。第3面31bは、後方かつ上方に向いている。
支持部2は、第3面31bと接触する第4面22bを有している。第4面22bは、前方かつ下方に向いている。第4面22bのY方向の幅は、第3面31bのY方向の幅超えである。ガイド部3が第1の位置および第2の位置にあるとき、ならびにガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、第3面31bは第4面22bと面接触している。ガイド部3が第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、第3面31bは第4面22bと摺動する。第3面31bが第4面22bと面接触している状態において、第1面31aは吸着面1aと平行である。
支持部2は、第4面22bよりも前方において第4面22bよりも下方に突出しているストッパ部27をさらに有している。つまり、搬送装置101では、支持部2はいわゆる平面拘束ガイド構造を有している。
搬送装置101は、ガイド部3と支持部2とを連結しており、かつガイド部3を吸着面1aに対して後方に付勢する少なくとも1つの第2バネ8をさらに備える。搬送装置101は、例えば複数の第2バネ8を備えている。複数の第2バネ8は、Z方向に互いに間隔を隔てて配置されている。
各第2バネ8の一端は、支持部2の第1部分21と接続されている。各第2バネ8の他端は、ガイド部3の本体部31と接続されている。第2バネ8は、一端と他端との間で伸縮する。図10に示されるガイド部3が第1の位置にあるときの第2バネ8の変位量は、図9に示されるガイド部3が第2の位置にあるときの第2バネ8の変位量よりも大きい。
支持部2に対するガイド部3の相対的な位置は、ガイド部3がワーク201,202から受ける力、第3面31bと第4面22bとの接触部に生じる摩擦力、ガイド部3に加えられる重力および第2バネ8の張力の各々のY方向およびZ方向の成分の大小関係によって、決定される。ガイド部3がワーク201,202から受ける力には、突出部32がワーク202に接触しているときにワーク202から受ける力、およびワーク201の角部203が第1面31aと摺動しているときにその摺動部に生じる摩擦力がある。
<搬送装置101の動作>
搬送装置101は、図11(a)〜(f)に示される各動作が順に実施されることにより、Y方向に隙間無く並べられた複数のワークのうちの1つのワーク201を把持することができる。図11(a)〜(f)の動作例では、各ワークにおいて搬送装置101に把持される面は後方のワークと接触している後面である。搬送装置101は前方のワークから順に搬送する。複数のワークは、図6(a)〜(g)に示されたワークと同等である。
図11(a)に示されるように、搬送部4によって吸着部1、支持部2および支持部2に対して第2の位置にあるガイド部3が搬送されて、ガイド部3の突出部32の稜線部32eがワーク201の角部203に接触される。このとき、吸着部1は、例えば駆動されて吸着可能な状態とされている。
次に、図11(b)に示されるように、搬送装置101に対し下向きの力が付与される。例えば、作業者が取手25を掴んで搬送装置101を下方に押す。これにより、ガイド部3がワーク201,202から力を受けて上方に押圧され、第3面31bが第4面22bを摺動することにより、ガイド部3が第2の位置から第1の位置に移動する。
さらに搬送装置101が下方に押されることにより、図11(c)に示されるように、突出部32がワーク201とワーク202との間に挿入されて、ワーク201が前方かつ上方に起き上がり、ワーク201とワーク202との間に隙間204が形成される。ワーク201の角部203は、ガイド部3の突出部32の第2面32a上を摺動する。このとき、ガイド部3にはワーク201,202から上向きの力が印加されるが、支持部2のストッパ部27がガイド部3の前方かつ上方への移動を制限するため、ガイド部3は第1の位置に保持される。
次に、搬送装置101が搬送部4によってY方向の前方に移動される。これにより上記隙間204が広げられる。上記隙間204は、突出部32およびローラ26が挿入され得る空間とされる。
次に、図11(d)に示されるように、搬送装置101が搬送部4によってZ方向の下方に移動される。これにより上記隙間204内に突出部32およびローラ26が挿入されてローラ26がワーク202の上記後面に接触する。接触後さらに搬送装置100が下方に移動されることにより、ローラ26がワーク202の上記前面上を滑らかに転がるとともに、ガイド部3が上記隙間204の前方かつ下方に滑らかに挿入される。ワーク201の角部203は、ガイド部3の本体部31の第1面31a上を摺動する。このとき、ワーク201の角部203と第1面31aとの摺動部に生じる摩擦力および第3面31bと第4面22bとの接触部に生じる摩擦力により、図11(d)に示されるように、ガイド部3は第1の位置に保持される。図11(b)〜(d)に示される状態では、ガイド部3がY方向においてワーク201と吸着部1の吸着面1aとの間に配置されているため、ワーク201は吸着部1に吸着されていない。
次に、図11(e)に示されるように、ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動される。この移動は、ワーク201の角部203と第1面31aとの摺動部に生じる摩擦力が十分に小さくなって、該摩擦力および第3面31bと第4面22bとの接触部に生じる摩擦力の上方に向かう成分が、ガイド部3に印加される重力および第2バネ8の張力による下方に向かう成分よりも小さくなることにより、実現される。ワーク201の角部203と第1面31aとの摺動部に生じる摩擦力は、ワーク201の後面がZ方向に対して成す角度が小さくなるにつれて、小さくなる。よって、搬送装置101によってワーク201の後面がZ方向に対して成す角度が小さくされることにより、ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動する。
次に、図11(f)に示されるように、ワーク201を把持した搬送装置101が搬送部4によって搬送される。ガイド部3は、第2バネ8によって後方に押圧されていることにより、第2の位置に保持される。搬送装置101がワーク201の搬送先に位置決めされた後、吸着部1がワーク201を吸着している状態が解消される。このとき、ガイド部3は、第2バネ8によって第2の位置に保持される。
搬送装置100が図7(a)〜(e)に示される各動作を実施することができるのと同様に、搬送装置101も図12(a)〜(d)に示される各動作を実施することができる。つまり、搬送装置101は、隣り合うワークと接触していない後面を吸着して把持することができる。なお、図12(a)〜(d)に示されるように、この場合の搬送装置101のガイド部3は常に第2の位置に保持され、第1の位置に移動されない。
搬送装置101は、搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるため、搬送装置100と同様の効果を奏することができる。
なお、搬送装置101において、支持部2とガイド部3との接続構造は、上記構造に限られるものではなく、支持部2がガイド部3をYZ平面内において直線的に案内することができる任意の構造とすることができる。例えば、支持部2およびガイド部3のうち一方がレールを他方がローラを有していてもよいし、支持部2およびガイド部3のうち一方がリニアガイドレールを他方がリニアガイドブロックを有していてもよい。また、支持部2およびガイド部3のうち一方がリニアシャフトを他方がリニアブッシュを有していてもよい。
実施の形態3.
図13、図14、図15、および図16は、実施の形態3に係る搬送装置102をX方向から視た側面図である。図13および図14に示されるように、実施の形態3に係る搬送装置102は、実施の形態1に係る搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるが、ガイド部3が、吸着面1aに対する第1面31aの傾斜角θ2(図14参照)が変更するように設けられている点で異なる。
さらに、搬送装置102は、第3連結部28、回転部36、ベルト部11、および凸部12を備える点で、搬送装置100と異なる。第3連結部28、回転部36、ベルト部11、および凸部12は、例えばガイド部3の第1ガイド部および第2ガイド部の各YZ平面上に配置されている。
ガイド部3において突出部32が設けられている側とは反対側に位置する端部(上端)は、第3連結部28を介して支持部2の第2部分22と接続されている。第3連結部28は、支持部2の第2部分22およびガイド部3の一方が他方に対して相対的に回転するように、支持部2とガイド部3とを接続している。第3連結部28は、ガイド部3と連結されており、支持部2に対するガイド部3の回転に伴って、支持部2に対して回転する。支持部2に対する第3連結部28の回転角は、支持部2に対するガイド部3の回転角に等しい。支持部2に対する第3連結部28の回転は、第3連結部28に外接するように渡されたベルト部11の移動によって、実現される。第3連結部28は、例えばガイド部3と連結された連結ピンと、連結ピンと同軸上に配置されているプーリと、連結ピンとプーリとを連結する歯車とからなる。ベルト部11は、第3連結部28において上記プーリに渡されている。
回転部36は、ガイド部3に対して回転するように接続されている。回転部36は、第1方向において第3連結部28と間隔を隔てて配置されている。回転部36は、例えばガイド部3の突出部32に接続されている。回転部36は、X方向に延びる回転軸を中心として回転するように設けられている。回転部36の外周面は突出部32の第2面32aよりも外側に突出していない。回転部36は、例えばプーリである。
ベルト部11は、第3連結部28および回転部36に渡されて、第3連結部28および回転部36に外接している。ベルト部11は、第1面31aに沿うように渡された部分を有している。ベルト部11には、張力が付与されている。例えばガイド部3にはテンショナー37が設けられており、ベルト部11は第3連結部28、回転部36、およびテンショナー37に渡されて、これらに外接している。ベルト部11は、例えば平ベルトである。
凸部12は、ベルト部11の第1面31aに沿うように渡された部分に固定されており、かつ第1面31aに対して突出している。凸部12は、ワーク201の角部203においてガイド部3の第1面31aに接触する部分とX方向に連なる部分に接触する。
凸部12は、第1面31aに沿って移動する。ベルト部11は、凸部12の上記移動に伴って移動する。第3連結部28は、ベルト部11の上記移動に伴って、ガイド部3を支持部2に対して回転させ、上記傾斜角θ2を変更させる。例えば、凸部12が第1面31aに沿った第1方向において回転部36側から第3連結部28側に向かって移動すると、上記傾斜角θ2は大きくなる。例えば、凸部12が上記第1方向において第3連結部28から回転部36に向かって移動すると、上記傾斜角θ2は小さくなる。ベルト部11の第1面31aに沿った第1方向への移動量に対する、上記傾斜角θ2の変化量の比率は、第3連結部28の上記歯車の歯数比に応じて決まる。
第1面31aは、上記傾斜角θ2が0度超えであるときに吸着面1aに対して前方に配置され、上記傾斜角θ2が0度であるときに吸着面1aに対して後方に配置される。なお、第1面31aは、上記傾斜角θ2が0度であるときに吸着面1aと同一面上に配置されてもよい。ガイド部3が第1の位置にあるとき、および第1の位置から第2の位置へ移動しているときに、吸着面1aに対して第1面31aが成す傾斜角θ2は鋭角である。
吸着部1の吸着面1aを構成する材料は弾性体である。
好ましくは、搬送装置102は、上記傾斜角θ2を小さくするようにガイド部3を付勢する付勢部をさらに備える。付勢部は、例えば第3連結部28の回転軸を中心とする周方向において第3連結部28を図14に示される方向Bとは逆方向に付勢するように設けられている。付勢部は、例えばコイルばねである。
好ましくは、第1部分21の上端はピン29を介して第2部分22と接続されている。ピン29は、支持部2およびガイド部3の一方が他方に対して相対的に回転するように、支持部2とガイド部3とを接続している。
好ましくは、第1部分21は、一端と他端との間の距離が伸縮するように設けられている。第1部分21は、例えばシリンダ構造を有している。
<搬送装置102の動作>
搬送装置102は、図14(a)〜(g)に示される各動作が順に実施されることにより、Y方向に隙間無く並べられた複数のワークのうちの1つのワーク201を把持することができる。図15(a)〜(g)の動作例では、各ワークにおいて搬送装置101に把持される面は後方のワークと接触している後面である。搬送装置101は前方のワークから順に搬送する。複数のワークは、図6(a)〜(g)に示されたワークと同等である。
図15(a)に示されるように、搬送部4によって吸着部1、支持部2および支持部2に対して第2の位置にあるガイド部3が搬送されて、ガイド部3の突出部32の稜線部32eがワーク201の角部203に接触される。このとき、吸着部1は、例えば駆動されて吸着可能な状態とされている。
次に、図15(b)に示されるように、搬送装置102に対し下向きの力が付与される。例えば、作業者が取手25を掴んで搬送装置102を下方に押す。これにより、突出部32がワーク201とワーク202との間に挿入されて、ワーク201が前方かつ上方に起き上がり、ワーク201とワーク202との間に隙間204が形成される。ワーク201の角部203は、ガイド部3の突出部32の第2面32a上を摺動する。
図15(c)に示されるように、搬送装置102がさらに下方に移動されると、ワーク201の角部203が凸部12の下方を向いた面に接触する。具体的には、ワーク201の角部203において、ガイド部3の第1面31aに接触している部分とX方向に連なる部分が、凸部12に接触する。
搬送装置102がさらに下方に移動されると、凸部12とワーク201とが接触した状態が維持されて、ベルト部11および凸部12がガイド部3に対して相対的に移動する。このとき、上記隙間204内に突出部32およびローラ26が挿入される。第1部分21が第2部分22に対して相対的に回転するように設けられている場合、突出部32およびローラ26は比較的小さい隙間204に挿入され得る。
ベルト部11および凸部12がガイド部3に対して方向A(図14参照)に沿って相対的に移動することにより、ガイド部3が第3連結部28を中心とする周方向B(図14参照)に回転される。その結果、ガイド部3は第1の位置に移動する。ガイド部3は、第2の位置から第1の位置へ移動する際に、ワーク201の後面がZ方向に対して成す角度を小さくするようにワーク201を前方に押して隙間204を広げる。ガイド部3が第1の位置にあるとき、ワーク201の後面は、例えば第1面31aと平行であってかつ吸着面1aに対して傾斜している。
図15(d)および(e)に示されるように、搬送装置102がさらに下方に移動されると、凸部12とワーク201とが接触した状態が解消される。これにより、ベルト部11および凸部12は、ガイド部3にガイド部3を第1の位置に保持するための力を付与することができなくなるため、ガイド部3はその自重によって第1の位置から第2の位置に移動する。搬送装置102が上記付勢部を備えている場合には、ガイド部3はその自重および付勢部に付勢されることによって第1の位置から第2の位置に速やかに移動する。
凸部12とワーク201の上記角部との接触が解消されるときに、凸部12はZ方向における吸着面1aの中間位置よりも上方に配置されているのが好ましい。このようにすれば、ワーク201の後面と吸着面1aとの接触面積を比較的大きくすることができる。
凸部12とワーク201の上記角部との接触が解消されるタイミングは、第1面31aに沿った第1方向における凸部12の移動距離と、吸着面1aに対して第1面31aが成す傾斜角θ2との関係に依存する。例えば、凸部12の上記移動距離に対する上記傾斜角θ2の変化量が大きいほど、上記タイミングは早くなる。上記タイミングは、凸部12の上記移動距離に対する上記傾斜角θ2の変化量の比率、すなわち第3連結部28の上記歯車の歯数比に基づいて、制御され得る。
さらに、凸部12とワーク201の上記角部との接触が解消されるタイミングは、支持部2の第1部分21の一端と他端との間の長さにも依存する。例えば、第1部分21の上記長さが長いほど、上記タイミングは遅くなる。上記タイミングは、第1部分21の上記長さに基づいて、制御され得る。
図15(e)に示されるように、ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動することにより、ワーク201の後面が後方に移動して吸着面1aに接触する。ガイド部3が第1の位置から第2の位置に移動するとき、ワーク201の後面は吸着面1aに対して傾斜しているため、吸着面1aはワーク201の後方かつ上方の角部に押圧されて弾性変形する。変形した吸着面1aは、ワーク201の後面と面接触してこれを吸着する。
図15(f)に示されるように、ワーク201を把持した搬送装置101が搬送部4によって搬送される。搬送装置102がワーク201の搬送先に位置決めされた後、吸着部1がワーク201を吸着している状態が解消される。ガイド部3は、ガイド部3の自重によって、第2の位置に保持される。搬送装置102が上記付勢部を備えている場合には、ガイド部3はその自重および付勢部に付勢されることによって第2の位置に保持される。
搬送装置100が図7(a)〜(e)に示される各動作を実施することができるのと同様に、搬送装置102も図16(a)〜(d)に示される各動作を実施することができる。つまり、搬送装置102は、隣り合うワークと接触していない後面を吸着して把持することができる。なお、図16(a)〜(d)に示されるように、搬送装置102のガイド部3は上記付勢部によって常に第2の位置に保持されていてもよい。
搬送装置102は、搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるため、搬送装置100と同様の効果を奏することができる。
さらに、搬送装置102は、搬送部4によってガイド部3の突出部32が下方に移動されることにより、凸部12がガイド部3に対して相対的に上方に移動するため、上記傾斜角θ2が大きくなってガイド部3がワーク201を前方に押し上げることができる。そのため、搬送装置102の突出部32がワーク201に接触してからワーク201を吸着するまでにガイド部3がY方向に移動する距離は、搬送装置100の突出部32がワーク201に接触してからワーク201を吸着するまでにガイド部3がY方向に移動する距離と比べて、短くなる。
さらに、搬送装置102では、第1部分21の上端がピン29を介して第2部分22と接続されており、支持部2の第1部分21が第2部分22に対して回転するように設けられている。これにより、吸着面1aはZ方向に対して傾斜することができる。そのため、搬送装置102の突出部32がワーク201に接触してからワーク201を吸着するまでにワーク201の角部203が移動する距離は、搬送装置100の突出部32がワーク201に接触してからワーク201を吸着するまでにワーク201の角部203が移動する距離と比べて、短くなる。また、ローラ26がワーク202に接触した後には、搬送装置102を下方にのみ移動することにより、吸着部1および支持部2を前方に移動させて隙間204内に挿入することができる。その結果、搬送装置102の吸着部1、支持部2およびガイド部3は、搬送装置100のこれらと比べて狭い隙間204に挿入され得る。
そのため、搬送装置102のガイド部3が隙間204を形成するための仕事量は、搬送装置100のガイド部3が隙間204を形成するための仕事量と比べて、小さくなる。その結果、搬送装置102のガイド部3は、上述した従来の搬送装置の把持爪と比べて損傷および摩耗が抑制されている。
<変形例>
図17に示されるように、ベルト部11はチェーンとして構成されていてもよい。第3連結部28、回転部36、およびテンショナー37はスプロケットとして構成されていてもよい。また、ベルト部11は、歯付ベルトであってもよいし、延在方向に垂直な断面形状がV字状であるVベルトであってもよい。
実施の形態4.
図18は、実施の形態4に係る搬送装置103をX方向から視た側面図である。図18に示されるように、実施の形態4に係る搬送装置103は、実施の形態1に係る搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるが、支持部2と搬送部4とを連結する第4連結部50が支持部2および搬送部4の各々に固定されている点で異なる。
搬送部4は、アーム41およびロープ42を含む。ロープ42の一端はアーム41に接続されている。ロープ42の他端は、第4連結部50に接続されている。
第4連結部50は、例えば棒状である。第4連結部50は、ロープ42よりも高剛性である。第4連結部50は、支持部2と搬送部4とを剛に連結している。
搬送装置103は、第4連結部50を備えているため、搬送部4のみによって吸着部1、支持部2およびガイド部3のX方向、Y方向、およびZ方向における位置を変更できる。さらに、搬送装置103では、少なくとも吸着部1および支持部2の移動のタイミングおよび移動量が、搬送部4の移動のタイミングおよび移動量として制御され得る。
なお、搬送装置104は、実施の形態2に係る搬送装置101または実施の形態3に係る搬送装置102と基本的に同様の構成を備え、支持部2と搬送部4とを連結する第4連結部50が支持部2および搬送部4の各々に固定されている点でこれらと異なるように設けられていてもよい。
実施の形態5.
図19は、実施の形態5に係る搬送装置104をX方向から視た側面図である。図19に示されるように、実施の形態5に係る搬送装置104は、実施の形態1に係る搬送装置100と基本的に同様の構成を備えるが、支持部2と搬送部4とを連結する第5連結部60が支持部2および搬送部4の各々に対して回転するように接続されている点で異なる。
第5連結部60の一端は、支持部2の第2部分22に対して回転するように接続されている。第5連結部60の他端は、搬送部4のロープ42の上記他端に対して回転するように接続されている。
搬送装置104は第5連結部60を備えているため、第5連結部60を備えていない搬送装置100と比べて搬送部4による移動が安定する。
なお、搬送装置105は、実施の形態2に係る搬送装置101または実施の形態3に係る搬送装置102と基本的に同様の構成を備え、支持部2と搬送部4とを連結する第5連結部60が支持部2および搬送部4の各々に対して回転するように接続されている点でこれらと異なるように設けられていてもよい。
<変形例>
図20に示されるように、実施の形態1〜5に係る搬送装置100,101,102,103,104の突出部32の先端形状は、曲面状であってもよい。突出部32は、第2面32a、第5面32b、および第6面32cとを有している。第5面32bは、第2面32aよりも後方に配置されており、第2面32aに対して鋭角を成している。第6面32cは、第2面32aと第5面32bとを接続している。
第6面32cは、曲面である。第6面32cの曲率半径は第2面32aの曲率半径未満である。第6面32cの曲率の中心は、突出部32内に配置されている。このようにすれば、突出部32に接触されることに伴うワーク201,202の損傷を抑制することができる。このようなガイド部3は、ワーク201,202が比較的柔らかい場合、例えばワーク201,202の剛性がガイド部3の剛性よりも低い場合に、好適である。
また、突出部32の先端形状は、ワーク201,202の厚さ、およびワーク201,202の後面がZ方向に対して成す角度に応じて、任意に設定され得る。
また、搬送装置100,101,102は、搬送部4を備えていなくてもよい。搬送装置100,101,102は、他の搬送装置をX方向、Y方向およびZ方向に移動させるために設けられた搬送部、例えば天井クレーンによっても移動されてもよい。このような搬送部によってX方向、Y方向およびZ方向に移動する搬送装置100,101,102も、搬送部4によってX方向、Y方向およびZ方向に移動する上記搬送装置100,101,102と同様の効果を奏することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。