JP2020002340A - 樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
離型性改良のために、非結晶性αオレフィン共重合体を配合することが一般的に知られている。しかしながら、非結晶性αオレフィン共重合体を配合すると光透過性が極端に低下してしまい、離型性と光透過性の両立が困難である。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とホモポリスチレン樹脂との組み合わせと、(b)ゴム変性ポリスチレン系樹脂と、(c)水添ブロック共重合体と、(d)非結晶性αオレフィン共重合体とを含み、
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、
前記(a)成分が60〜90質量部、
前記(b)成分が5〜30質量部、
前記(b)成分及び前記(c)成分の合計が10〜40質量部、
前記(d)成分が0.10〜1.50質量部
であり、
前記(b)成分と前記(c)成分との質量比が95/5〜30/70であり、
前記(b)成分と前記(c)成分との合計と前記(d)成分との質量比が99.5/0.5〜96/4であることを特徴とする、樹脂組成物。
〔2〕
前記(d)成分がエチレン−プロピレン共重合体である、〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記(b)成分が、スチレン系重合体と、前記スチレン系重合体がグラフトしたゴム質重合体とを含み、前記ゴム質重合体の平均粒子径が2.0μm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
前記(c)成分中の芳香族ビニル化合物部分の含有量が50質量%以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔5〕
更に、(e)縮合リン酸エステル系化合物を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔6〕
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、前記(e)成分を5〜20質量部含む、〔5〕に記載の樹脂組成物。
〔7〕
前記(a)成分、前記(b)成分、前記(c)成分、前記(d)成分、及び前記(e)成分以外の成分の含有量が、樹脂組成物を100質量%として5質量%以下である、〔5〕又は〔6〕に記載の樹脂組成物。
〔8〕
厚さ2.5mmの成形品にしたときの900nmレーザー光の透過率が70%以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、成形品。
本実施形態の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とホモポリスチレン樹脂との組み合わせと、(b)ゴム変性ポリスチレン系樹脂と、(c)水添ブロック共重合体と、(d)非結晶性αオレフィン共重合体とを含み、前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、前記(a)成分が60〜90質量部、前記(b)成分が5〜30質量部、前記(b)成分及び前記(c)成分の合計が10〜40質量部、前記(d)成分が0.10〜1.50質量部であり、前記(b)成分と前記(c)成分との質量比が95/5〜30/70であり、前記(b)成分と前記(c)成分との合計と前記(d)成分との質量比が99.5/0.5〜96/4である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、更に、(e)縮合リン酸エステル系化合物、添加剤を含んでいてもよい。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(本明細書において、「PPE」と称する場合がある。)、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とホモポリスチレン樹脂との組み合わせ(単に「(a)成分」と称する場合がある。)のうち、PPEは、フェニレンエーテルの単独重合体(ホモポリマー)でもよいし、フェニレンエーテルと他の単量体との共重合体(コポリマー)でもあってもよい。
上記PPEは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ホモポリスチレン樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)ゴム変性ポリスチレン系樹脂(本明細書において、単に「(b)成分」と称する場合がある。)とは、スチレン系化合物と、スチレン系化合物と共重合可能な化合物とを、ゴム質重合体存在下で重合して得られる樹脂(重合体)である。(b)ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、スチレン系化合物と、スチレン系化合物と共重合可能な化合物とが重合したスチレン系重合体が、ゴム質重合体にグラフトしたものであってよい。
なお、ここでいう平均粒子径とは、DMF(ジメチルフォルムアミド)溶剤中、23℃で測定されるコールターカウンター法による平均粒子径をいう。
(c)水添ブロック共重合体(本明細書において、単に「(c)成分」と称する場合がある。)とは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとを含むブロック共重合体及びその少なくとも一部が水素添加された水素添加ブロック共重合体を有する熱可塑性エラストマーである。
また、上記(c)成分には、芳香族ビニル化合物を構成成分として含む、ゴム変性ポリスチレン系樹脂は含まれないものとする。
上記重合体ブロックAを構成する上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。中でも、光透過性の観点から、スチレンが好ましい。上記芳香族ビニル化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記重合体ブロックAの数平均分子量(Mn(a))は、下記のブロック共重合体の数平均分子量(Mn)を用いて、下式により求めることができる。
Mn(a)={Mn×a/(a+b)}/N
[式中、Mn(a)は重合体ブロックAの数平均分子量、Mnは重合体ブロックAと重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の数平均分子量、aはブロック共重合体中の全重合体ブロックAの合計含有量(質量%)、bはブロック共重合体中の全重合体ブロックBの合計含有量(質量%)、Nはブロック共重合体中の重合体ブロックAの総数を表す。]
ここで、Mnは、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置を用いた方法により求めることができる。また、aはNMRにより測定することができ、bは「100−a」で算出することができる。
上記重合体ブロックBを構成する上記共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。中でも、耐衝撃性の観点から、ブタジエン、イソプレン、又はこれらの組み合わせが好ましい。上記共役ジエン化合物は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、ビニル結合量は、例えば、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
なお、上記水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)により測定した値をいう。
なお、上記数平均分子量とは、紫外分光検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置を用いて測定し、標準ポリスチレンで換算した値をいう。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置(商品名「GPC SYSTEM21」、昭和電工株式会社製)を用いて、紫外分光検出器(商品名「UV−41」、昭和電工株式会社製)で測定し、標準ポリスチレンで換算して数平均分子量を求める。
測定条件は、溶媒:クロロホルム、温度:40℃、カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)、リファレンス側(K−805L×2本)、流量10ml/分、測定波長:254nm、圧力15〜17kg/cm2)とする。
この時、重合時の触媒失活に起因した低分子量成分が検出される場合があるが、その場合は、分子量計算に当該低分子量成分は含めない。
本実施形態の(d)非結晶性αオレフィン共重合体(本明細書において、単に「(d)成分」と称する場合がある。)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等を挙げることが出来るが、離型性の観点からエチレン−プロピレン共重合体を用いることが特に好ましい。
エチレン−プロピレン共重合体中のエチレン及びプロピレンそれぞれの成分比率は、特に規定するものではないが、プロピレンは5〜50モル%の範囲であることが一般的である。
本実施形態の樹脂組成物は、(e)縮合リン酸エステル系化合物(本明細書において、単に「(e)成分」と称する場合がある。)を含むことにより、難燃性が向上する。
ここでいう「主成分」とは、下記式(2)及び下記式(3)で表される芳香族縮合リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量が、(e)成分100質量%に対して、90質量%以上含まれることをいい、95質量%以上含まれることが好ましく、100質量%含まれることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物には、更に他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を添加してもよい。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、染顔料、その他の樹脂等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物において、前記(a)成分の含有量は、光透過性の観点から、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の合計100質量部に対して、60〜90質量部である。また、(a)成分の含有量は、65〜85質量部であることが好ましく、70〜85質量部であることがより好ましい。具体的には、(a)成分の含有量が60質量部以上であることにより、光透過性に優れ、(a)成分の含有量が90質量部以下であることにより、耐衝撃性に優れる。
また、前記(c)成分の含有量は、耐衝撃性の観点から、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の合計100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。具体的には、(c)成分の含有量が1質量部以上であることにより、耐衝撃性に優れ、(c)成分の含有量が30質量部以下であることにより、光透過性に優れる。
(b)成分と(c)成分との合計と(d)成分との質量比(上記(b)成分の質量と上記(c)成分の質量との合計/上記(d)成分の質量)は、光透過性及び離型性バランスの観点から、99.5/0.5〜96/4であり、99.0/1.0〜96.5/3.5であることが好ましく、98.5/1.5〜97.0/3.0であることがより好ましい。(b)成分と(c)成分との合計と(d)成分との質量比が99.5/0.5以下であることにより、離型性を確保することができ、当該比が96/4以上であることにより、光透過性を確保することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分等を、二軸押出機を用いて、溶融混練することによって製造することができる。
上記二軸押出機としては、例えば、コペリオン社製のZSKシリーズ、東芝機械社製のTEMシリーズ、日本製鋼所社製のTEXシリーズ等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、耐衝撃性の観点から、シャルピー衝撃強度が7kJ/m2以上であることが好ましく、10kJ/m2以上であることがより好ましい。
なお、シャルピー衝撃強度は、後述の〔測定方法〕の<シャルピー衝撃強度>に記載の方法で測定することができる。
なお、上記厚さ2.5mmの成形品にしたときの900nmレーザー光の透過率は、後述の〔測定方法〕の<光透過率>に記載の方法により測定される値をいう。
なお、上記カップ形状の成形品を射出成形した際の、成形品離型時の突き出しに必要な荷重は、後述の〔測定方法〕の<離型力>に記載の方法により測定される値をいう。
本実施形態の樹脂組成物を成形することにより、成形品とすることができる。上記成形品は、本実施形態の樹脂組成物を少なくとも含む。
成形方法としては、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、フィルム成形等、公知の成形方法を用いることができ、特に射出成形機を用いて成形する方法が好ましい。上記射出成形機としては、例えば、TOSHIBA社製の「IS100GN」等が挙げられる。
(a−1)還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃測定、ウベローデ型粘度管で測定)0.5dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
(a−2)ポリスチレン、PSジャパン製、「685」
(b−1)ゴム質重合体の平均粒子径:1.2μm、ゴム質重合体の含有量:10質量%のゴム変性ポリスチレン系樹脂(HIPS)
(b−2)ゴム質重合体の平均粒子径:1.6μm、ゴム質重合体の含有量:10質量%のゴム変性ポリスチレン系樹脂(HIPS)
(c−1)旭化成製、「タフテックH1081」(芳香族ビニル化合物含有量:60質量%)(水素添加ブロック共重合体)
(c−2)旭化成製、「タフテックH1041」(芳香族ビニル化合物含有量:32質量%)(水素添加ブロック共重合体)
(d−1)三井化学製、「タフマーP0680J」(エチレン−プロピレン共重合体)
(d−2)三井化学製、「タフマーDF610」(エチレン−ブテン共重合体)
大八化学工業社製、「E890」
<シャルピー衝撃強度>
実施例及び比較例で得た樹脂組成物を、240〜280℃に設定した射出成形機(東芝機械社製、「IS100GN」)に供給し、金型温度80℃の条件で射出成形することによって、ISO−179規格で規定された寸法の試験片を製造した。
当該試験片を用いて、ISO−179に準拠し、ノッチ付きにてシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。評価基準としては、測定値が大きい値であるほど耐衝撃性に優れていると評価した。
実施例及び比較例で得た樹脂組成物を、240〜280℃に設定した射出成形機(東芝機械社製、「IS100GN」)に供給し、金型温度80℃の条件で射出成形することによって、90mm×50mm×2.5mmの平板試験片を製造した。
当該試験片を縦15〜30mm、横35mm〜70mm程度のサイズに切削し、紫外可視近赤外分光光度計(商品名「V−670」、日本分光株式会社製)にセットし、試験片厚み2.5mmに対する波長900nmのレーザー光透過率(%)を測定した。評価基準としては、測定値が大きい値であるほど光透過性に優れていると評価した。
実施例及び比較例で得た樹脂組成物を、280℃に設定した射出成形機(東芝機械社製、「IS100GN」)に供給し、金型温度80℃の条件で、外径50mm、高さ50mm、肉厚3mmのカップ形状の成形品の射出成形を行い、成形品離型時の突き出しに必要な荷重(kg)を離型力として測定した。評価基準としては、測定値が小さい値であるほど離型性に優れていると評価した。
樹脂組成物の製造装置として、二軸押出機(商品名「ZSK−25WLE」、コペリオン社製)を用いた。該二軸押出機においてバレル数は12ブロックであり、原料の流れ方向について、上流から1バレル目(上流供給口)、9バレル目(下流供給口)にそれぞれ1ヶ所の計2ヶ所の供給口を設け、7バレル目に液添ポンプを設け、11バレル目に真空ベントを設けた。また、下流供給口への原料供給方法は、押出機サイド開放口から強制サイドフィーダーを用いて供給する方法とした。
上記のように設定した二軸押出機に、(a)〜(e)成分を表1に示した組成で供給し、押出温度300〜320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量15kg/時間の条件にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
(a)〜(e)成分を、表1に示した組成で二軸押出機に供給した。その他の条件は、実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
(a)〜(d)成分を、表2に示した組成で二軸押出機に供給した。その他の条件は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
Claims (9)
- (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とホモポリスチレン樹脂との組み合わせと、(b)ゴム変性ポリスチレン系樹脂と、(c)水添ブロック共重合体と、(d)非結晶性αオレフィン共重合体とを含み、
前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、
前記(a)成分が60〜90質量部、
前記(b)成分が5〜30質量部、
前記(b)成分及び前記(c)成分の合計が10〜40質量部、
前記(d)成分が0.10〜1.50質量部
であり、
前記(b)成分と前記(c)成分との質量比が95/5〜30/70であり、
前記(b)成分と前記(c)成分との合計と前記(d)成分との質量比が99.5/0.5〜96/4であることを特徴とする、樹脂組成物。 - 前記(d)成分がエチレン−プロピレン共重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(b)成分が、スチレン系重合体と、前記スチレン系重合体がグラフトしたゴム質重合体とを含み、前記ゴム質重合体の平均粒子径が2.0μm以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記(c)成分中の芳香族ビニル化合物部分の含有量が50質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(e)縮合リン酸エステル系化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分の合計100質量部に対して、前記(e)成分を5〜20質量部含む、請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記(a)成分、前記(b)成分、前記(c)成分、前記(d)成分、及び前記(e)成分以外の成分の含有量が、樹脂組成物を100質量%として5質量%以下である、請求項5又は6に記載の樹脂組成物。
- 厚さ2.5mmの成形品にしたときの900nmレーザー光の透過率が70%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、成形品。
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