JP2020003547A - フォトマスク用基板およびその製造方法 - Google Patents

フォトマスク用基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトマスク用のガラス基板において、複雑な加工プロセスではなく、大型化した基板のハンドリング性を向上させ、かつ、表面粗さまたは表面形状の対称性が保持された高品質のフォトマスク用基板およびその製造方法を提供する。【解決手段】互いに対向する2つの主表面2と、前記2つの主表面との間に形成された側面3と、前記側面のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部4と、を備えるシリカガラスからなるフォトマスク用基板1であって、前記コーナー部4は、算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下であり、前記コーナー部4の十点平均粗さRzjisが前記側面3の十点平均粗さRzjisよりも大きい値であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、フォトマスク用基板およびその製造方法に関し、基板のコーナー部の形状を工夫することにより、例えば、ハンドリング操作時の安定性向上、識別性の向上をなし得るフォトマスク用基板およびその製造方法に関する。
合成シリカガラスは、低熱膨張性と光透過性に優れていることから、ICやLCDのフォトリソグラフィ用のフォトマスク用基板として使われている。
このフォトマスク用基板は、合成シリカガラスのブロックを得た後に、スライス、面取り、および研磨加工を施すことによって製造される。この研磨加工では、基板の主表面に対しては平坦化(鏡面化)加工を施し、また基板の側面に対しても、切削加工により生じた凹凸や微細な裂溝に研磨粒子等が捕捉される原因となる、ピンホール等の欠陥の発生を抑制するために、所定の研磨加工が施される。
昨今、フォトマスク用基板に対する品質向上の要求がますます高まり、フォトマスク用基板の研磨は、主表面はもちろん、側面についても、単なる平坦化だけではなく、目的に応じた処理が行われてきている。
その一つに、基板のハンドリング性が挙げられる。例えば、大型化したフォトマスク用基板において、ハンドリング時に手から重い基板が滑り、しっかりと保持できない場合があるという問題に対して、側端面に厚さ方向に沿って滑り止め用の複数の凹凸部を有するとしたものが知られている(特許文献1参照)。
また、マスクブランク用基板において、角部側領域の端面の算術平均粗さRaが0.5nm以下の鏡面であり、中央側領域を粗面とすることで、ハンドリング時等の取扱いが容易とするものが知られている(特許文献2参照)。
特開2010−107613号公報 特表2010/092937号公報
ところで、最近は、側面についても、主表面と同様に、表面粗さが小さく抑えられていることに加えて、全面に亘って均一な面状態であることが求められている。
これは、基板の大口径化により、側面部の一部の箇所と表面粗さや形状が異なることによる寸法精度や光学的特性への影響が無視できない状況になってきたことによる。
この点からして、特許文献1に記載の技術は、側面に凹凸があるため、側面において平坦度と鏡面が要求されるような製品には必ずしも適しているとは言えない。
また、特許文献2に記載の技術は、1つの側面内に、表面粗さの異なる領域が存在するので、これらが光学的特性や寸法精度に影響する虞がある。また側面の加工はエリアが狭いので、2種類の表面粗さの領域を作り分けると、加工工程が増加し、コスト高になる。
本発明者は、前記した課題を解決するために、1つの側面内に、表面粗さの異なる領域を形成することによる、光学的特性や寸法精度の影響を排除するため、光学的特性や寸法精度への影響が少ない、フォトマスク用のガラス基板のコーナー部に着目した。
そして、コーナー部の表面粗さと側面の表面粗さを近似させつつ、ハンドリング性を向上させること、前記ハンドリング性を向上させるコーナー部を容易に形成することを鋭意研究し、本発明を想到するに至った。
本発明は、基板のハンドリング性を向上させ、かつ、光学的特性や寸法精度が保持されたフォトマスク用基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明に係るフォトマスク用基板は、互いに対向する2つの主表面と、前記2つの主表面との間に形成された側面と、前記側面のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部と、を備えるシリカガラスからなるフォトマスク用基板であって、前記コーナー部は、算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下であり、前記コーナー部の十点平均粗さRzjisが前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きい値であることを特徴とする。
尚、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzjisは、JIS B0601−2001で定義されるものである。
本発明は、光学的特性や寸法精度への影響が少ない、フォトマスク用のガラス基板のコーナー部の十点平均粗さRzjisを、前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きい値としたことにより、コーナー部は滑りにくく、優れたハンドリング性を得ることができる。
コーナー部の十点平均粗さRzjisを前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きい値としたことにより、コーナー部4における算術平均粗さRaは側面3の算術平均粗さRaよりも大きくなる。前記側面の算術平均粗さRaが、一般的に0.010μm以下であることからして、コーナー部4における算術平均粗さRa(最大値)は0.015μmとなる。
一方、側面が鏡面状態の場合は、コーナー部4における算術平均粗さRa(最小値)は0.003μmとなる。
このように、前記コーナー部の算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下とすることにより、光学的特性や寸法精度への影響を排除することができる。
ここで、前記コーナー部は、十点平均粗さRzjisが0.07μm以上0.15μm以下であり、前記十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差が0.02μm以上0.05μm以下であることが望ましい。
尚、この最大高さRzは、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzjisと同様に、JIS B0601−2001で定義されるものである。
また、4つのコーナー部を備え、4つのうち少なくとも一つのコーナー部の算術平均粗さRaが他のコーナー部の算術平均粗さと異なることが望ましい。
このように、4つのうち少なくとも一つのコーナー部の算術平均粗さRaが他のコーナー部の算術平均粗さRaと異なるように構成されている場合には、前記コーナー部を用いて基板の表裏、基板の方向などを識別することができる。
また、前記した課題を解決するために本発明にかかるフォトマスク用基板の製造方法は、互いに対向する2つの主表面と、前記2つの主表面との間に形成された側面と、前記側面のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部と、を備えるシリカガラスからなるフォトマスク用基板の製造方法であって、前記側面に研磨パッドを押し当てて研磨する側面研磨工程と、前記コーナー部に前記研磨パッドを押し当てて研磨するコーナー研磨工程と、 を含み、前記コーナー研磨工程における研磨時間を調整することにより、前記コーナー部の算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下であり、かつ前記コーナー部の十点平均粗さRzjisが前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きいことを特徴とする。
なお、前記コーナー研磨工程における研磨時間は、前記コーナー部における算術平均粗さRaと前記側面における算術平均粗さRaとを同じにするのに必要な時間の半分の研磨時間であることが望ましい。
このような製造方法によれば、前記した本発明にかかるフォトマスク用基板を得ることができ、また、その効果を奏することができる。
本発明かかるフォトマスク用基板によれば、光学的特性や寸法精度が保持されたフォトマスク用基板を得ることができ、基板のコーナー部は滑りにくいため、良好なハンドリング性を得ることができる。
また、本発明かかるフォトマスク用基板の製造方法によれば、加工コストを増大させることなく、前記フォトマスク用基板を容易に製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板を模式的に示す平面図である。 図2は、図1に示すフォトマスク用基板を模式的に示す側面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板の製造方法の一工程を模式的に示す平面図である。 図4は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板の製造方法の一工程を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板およびその製造方法につき、図面に基づいて説明する。ただし、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板およびその製造方法は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また添付の図面は模式的なものであり、各要素の寸法や比率などが実際と異なる。更に、以下の説明で用いる算術平均粗さRa、十点平均粗さRzjis、および最大高さRzの定義は、前記したように、JIS B0601−2001の定めに従う。
図1は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板を模式的に示す平面図であり、図2は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板を模式的に示す側面図である。
本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板1は、例えばIC用のフォトマスク用基板やLCD用のフォトマスク用基板として用いられるものであり、その用途によって大きさが異なる。
例えばIC用のフォトマスク用基板の場合には、例えば、その一辺の長さLが152mmであり、厚さDが6.35mmの合成シリカガラスにより形成される。また、LCD用のフォトマスク用基板の場合には、例えば、その一辺の長さLが850mm(直交する他辺の長さLは1200mm)であり、厚さDが10mmの合成シリカガラスにより形成される。
図1および図2に示すように、フォトマスク用基板1は、互いに対向する2つの主表面2と、2つの主表面との間に形成された側面3と、側面3のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部4とを備えている。また、主表面2と側面3およびコーナー部4との間の稜線部は、C面加工が施されており、面取り面5が形成されている。
尚、コーナー部4とは、図1に示すように、平面視上、側面3のうち隣り合う2つの側面間に形成された曲線(曲面)で表された領域を意味する。
主表面2は、所望の光学的特性を得るように平坦化(鏡面化)加工が施されている。例えば、算術平均粗さRaが0.25nm以下となるような研磨加工が施されている。
なお、主表面の十点平均粗さRzjis、および最大高さRzは、算術平均粗さRaを0.25nm以下としたときに得られる値の範囲であれば、特に制限されない。
また側面3は、一般的には、切削加工により生じた凹凸や微細な裂溝に研磨粒子等が捕捉される原因となる、ピンホール等の欠陥の発生を抑制するために、例えば、算術平均粗さRaが0.010μm以下となるように研磨加工が施されている。
このようにすることで、研磨する際使用される研磨砥粒の補足等のリスクを抑制することが可能となる。
また、側面3における十点平均粗さRzjisは、0.03μm以上0.05μm以下であり、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δは、0.002μm以上0.010μm以下である。このようにすることで、やはり、研磨砥粒の捕捉等のリスクを抑制することが可能となる。
更に、側面3の算術平均粗さRaが0.010μm以下、側面3の十点平均粗さRzjisが0.03μm以上0.05μm以下としたことにより、所定の光学的特性や寸法精度が得られる。
また、1つの側面3内に、表面粗さの異なる領域が形成されていないため、所定の光学的特性や寸法精度が得られる。
また、コーナー部4も、切削加工により生じた凹凸や微細な裂溝に研磨粒子等が捕捉される原因となる、ピンホール等の欠陥の発生を抑制するために、所定の研磨加工が施されるが、表面粗さが側面3における表面粗さよりも大きい点に、本発明の特徴がある。
具体的には、コーナー部4の算術平均粗さRaは側面3の算術平均粗さRaよりは若干大きく、コーナー部4の十点平均粗さRzjisは側面3における十点平均粗さRzjisよりも大きい。
このように、コーナー部の算術平均粗さRaと側面の算術平均粗さRaを近似させつつ、コーナー部4の十点平均粗さRzjisが、側面3における十点平均粗さRzjisよりも大きくなるように形成されているため、光学的特性や寸法精度への影響をより少なくすることができる。
また、コーナー部4の十点平均粗さRzjisが側面3における十点平均粗さRzjisよりも大きくなるように形成されているため、コーナー部は滑りにくく、落下等の作業エラーのリスクを低減できる。
具体的には、コーナー部4における算術平均粗さRaは0.003μm以上0.015μm以下である。
コーナー部4における算術平均粗さRaを0.015μm以下とすることで、切削加工により生じた凹凸や微細な裂溝に研磨粒子等が捕捉される原因となる、ピンホール等の欠陥を十分に除去することができ、また、フォトマスク用基板1全体における光学的特性を十分に確保することができる。
尚、コーナー部の十点平均粗さRzjisを側面の十点平均粗さRzjisよりも大きい値としたことにより、コーナー部4における算術平均粗さRaは側面3の算術平均粗さRaよりも大きくなる。
具体的には、側面の算術平均粗さRaが0.001μmの場合に、コーナー部4における算術平均粗さRaは0.015μmとなる。一方、側面が鏡面状態の場合に、コーナー部4における算術平均粗さRaは0.003μmとなる。
また、前記したように、コーナー部4における十点平均粗さRzjisが、側面3における十点平均粗さRzjisよりも大きい値となるように研磨される。
このように、側面3とコーナー部4の十点平均粗さRzjisを異なるようにすることで、側面3とコーナー部4との間の境界の識別が容易となり、側面3とコーナー部4との間の境界を測定点とした外寸測定が容易となる。
より好ましくは、コーナー部4における十点平均粗さRzjisは0.07μm以上0.15μm以下である。
コーナー部4における十点平均粗さRzjisが0.07μm未満の場合、例えば図2にハッチングを用いて模式的に示したように、コーナー部4の微細な凹凸形状をCCDカメラで観察することが困難であり、側面3とコーナー部4との間の境界の識別がより困難となる。
コーナー部4における十点平均粗さRzjisが0.15μmを超える場合には、コーナー部4において、研磨砥粒の捕捉などのリスクが高まるレベルの局所的な凹凸が存在していることになり、好ましくない。
また、コーナー部4における十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δは、0.02μm以上0.05μm以下であることが好ましい。
十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δを0.02μm未満とすることは、コーナー部4における微細な凹凸形状を除去することになり、好ましくない。
即ち、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δを0.02μm以上とすることにより、加工面精度を必要以上に高精度としなくても、フォトマスク用基板1全体における光学的特性を十分に確保することができる。
一方、コーナー部4における十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δが0.05μmを超える場合には、コーナー部4において、研磨砥粒の捕捉などのリスクが高まるレベルの局所的な凹凸が存在していることになり、好ましくない。
更に、コーナー部4のうち少なくとも一つのコーナー部4の算術平均粗さRaが他のコーナー部の算術平均粗さRaと異なるように構成すれば、当該表面粗さが異なるコーナー部4を目印にして、フォトマスク用基板1の向きを識別するができる。
(研磨方法)
次に、図3および図4を参照しながら、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板の製造方法を説明する。図3および図4は、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板の製造方法の一工程を模式的に示す平面図である。
まず、形状加工を終えた状態のフォトマスク用基板1を用意する。即ち、当該状態のフォトマスク用基板1は、互いに対向する2つの主表面2と、2つの主表面との間に形成された側面3と、側面3のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部4とを備え、主表面2と側面3およびコーナー部4との間の稜線部に面取り面5が形成されている。
この状態のフォトマスク用基板1は、例えば152mm角、厚さ6.35mmの板状の合成シリカガラスを研削加工して得ることができる。
具体的には、この合成シリカガラスの板状材料を、側面3および面取り面5の形状の型が成形された総型砥石を用いて端面および角を研削し、側面3、コーナー部4、および面取り面5の形状を加工する。
その後、図3に示すように、フォトマスク用基板1の側面3に研磨パッド6を押し当てて研磨する側面研磨工程を行う。
研磨パッド6は、例えば直径350mmの平滑な円盤形状のものを用い、酸化セリウムのスラリーを供給しながら、研磨パッド6にフォトマスク用基板1の側面3を所定の力で押し当てて研磨を行う。なお、研磨剤は、酸化セリウムの他に、コロイダルシリカやジルコニア等を用いることも可能である。
具体的には、研磨パッド6としてはポリウレタン製の樹脂が用いられる。また、研磨剤の粒度としては、平均粒径1μm程度が用いられ、さらに、押し当て圧力を500〜1500g/cmとする。
また、各側面3に対する側面研磨工程における研磨時間は、例えば、研磨パッド6の回転方向の正逆とフォトマスク用基板1の表裏反転との組み合わせ4セットの研磨を各セット15秒(総計60秒)程度行う。そして、算術平均粗さRaが0.010μm以下、十点平均粗さRzが0.03μm〜0.05μm、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δが0.002μm〜0.010μmの側面を得る。
尚、側面3とコーナー部4の研磨において、研磨剤の粒度、研磨時間を変化させることにより、算術平均粗さRaと十点平均粗さRzjisを変化させることができるが、製造コストの面から、研磨パッド6および研磨剤は同一のものを使用し、研磨時間のみを変化させることが好ましい。
その後、図4に示すように、フォトマスク用基板1のコーナー部4に研磨パッド6を押し当てて研磨するコーナー研磨工程を行う。研磨パッド6及び研磨剤は、側面研磨工程と同一のものを用い、研磨剤を供給しながら、研磨パッド6にフォトマスク用基板1のコーナー部4を側面研磨工程と同一の力で押し当て、ワーク(フォトマスク用基板1)を基板の主面に対して平行方向に90度回転させながら研磨を行う。
各コーナー部4に対するコーナー研磨工程における研磨時間は、例えば、1コーナー部4あたり15秒の研磨を各コーナー部4に対して行う(総計60秒)程度行う。
そして、算術平均粗さRaが0.003μm〜0.015μm、十点平均粗さRzjisが0.07μm〜0.15μm、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δが0.02μm〜0.05μmのコーナー部を得る。
このように、コーナー部4における算術平均粗さRaが側面3における算術平均粗さRaよりも大きい値となり、かつ、コーナー部4における十点平均粗さRzjisが側面3における十点平均粗さRzjisより大きい値となるように、適切に研磨条件を設定することが重要である。
続いて、主表面2についても、所望の光学的特性を得るように、所定の算術平均粗さRa(例えば0.25nm以下)となるように、平坦化(鏡面化)加工を行う。以上の様な研磨方法を経て、本発明の実施形態に係るフォトマスク用基板が製造される。
(実施例)
更に、以下に示す実施例に基づいて、本発明を説明する。尚、本発明は、下記に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
152mm角、厚さ6.35mmの板状の合成シリカガラスを用意し、側面および面取り面の形状の型が成形された総型砥石を用いて端面および角を研削し、側面、コーナー部、および面取り面を加工した。コーナー部は曲率半径2.5mmの曲面形状に加工した。
次に、側面に研磨パッドを押し当てて研磨する側面研磨工程を行った。研磨パッドは、直径350mmの平滑な円盤形状のものを用い、平均粒径1μmの酸化セリウムを含有するスラリーを供給しながら、研磨パッドに側面をエアシリンダーで押し当てて研磨を行った。研磨パッド6としては、ポリウレタン樹脂製を用い、研磨パッド6の回転速度を400rpmとした。
各側面に対する側面研磨工程における研磨時間は、研磨パッド6の回転方向の正逆とフォトマスク用基板の表裏反転との組み合わせ4セットの研磨を、各セット15秒(一側面あたり総計60秒)行った。
その後、コーナー部に研磨パッドを押し当てて研磨するコーナー研磨工程を行った。
研磨パッド及び研磨剤は、側面研磨工程と同一のものを用い、研磨剤を供給しながら、研磨パッド6にフォトマスク用基板1のコーナー部4を側面研磨工程と同一の力で押し当てながら、ワーク(フォトマスク用基板1)を水平方向に90度回転させながら研磨を行った。尚、研磨パッドの回転数は、側面研磨工程と同一とした。また、各コーナー部に対するコーナー研磨工程における研磨時間は、1コーナー部あたり15秒の研磨を各コーナー部に対して4回行った(総計60秒)。
更に、主表面について、所望の光学的特性を得る(所定の規格範囲内になる)ように、平坦化(鏡面化)加工を行った。以上の様にして、実施例1のフォトマスク用基板を製造した。
そして、汎用の表面粗さ測定装置を用い、実施例1のフォトマスク用基板に対して、主表面、側面、および、コーナー部について、算術平均粗さRa、十点平均粗さRzjis、および、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δ、の各値を測定した。
その結果、側面の算術平均粗さRaは0.010μm、コーナー部の算術平均粗さRaは0.014μm、コーナー部の十点平均粗さRzjisは0.073μm、コーナー部の十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δは0.021μmであった。
このように、実施例1のフォトマスク用基板は、側面の算術平均粗さRaが0.010μm、コーナー部の算術平均粗さRaが0.014μmと数値が近似しているにも拘わらず、コーナー部が所定の十点平均粗さRzjis、十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δが所定の値をとるため、コーナー部は滑りづらく、ハンドリング特性に優れていることが判明した。
また、実施例1のフォトマスク用基板では、側面とコーナー部との境界を検出することができ、さらに、四隅のコーナー部における表面粗さや凹凸形状に差異を設けることで基板の向きを特定することも可能である。
尚、側面とコーナー部の総研磨時間が同じであるにも拘わらず、側面とコーナー部の算術平均粗さRaに違いが生じるのは、側面は研磨パッドに対して垂直に当接するのに対して、コーナー部は研磨パッドに対して回転しながら当接するためと考えられる。
(比較例1)
各コーナー部に対するコーナー研磨工程における研磨時間を、1コーナー部あたり15秒の研磨を、各コーナー部に対して8回行い(総計120秒)、それ以外は、実施例1と同様に行って、比較例1のフォトマスク用基板を製造した。即ち、比較例1におけるコーナー研磨工程の研磨時間は、実施例1における研磨時間の2倍とした。
実施例1と同様に測定を行った結果、比較例1のフォトマスク用基板は、側面の算術平均粗さRaは0.010μm、コーナー部の算術平均粗さRaは0.010μm、コーナー部の十点平均粗さRzjisは0.067μm、コーナー部の十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差Δは0.011μmであった。
このように、側面の算術平均粗さRaとコーナー部の算術平均粗さRaを同一にするには、コーナー部の研磨時間を実施例1との比較で2倍にする必要が生じるので、製造効率が低い。また、比較例1のコーナー部は実施例1との比較では滑りやすく、ハンドリング特性に劣るものであった。さらに、比較例1では、側面とコーナー部との境界を検出することができなかった。
尚、光学的特性(反射率、透過率、複屈折率など)の観点からは、実施例1と比較例1で差は認められず、本発明の適用による光学的特性への影響もほとんどないといえる。
1 フォトマスク用基板
2 主表面
3 側面
4 コーナー部
5 面取り面
6 研磨パッド

Claims (5)

  1. 互いに対向する2つの主表面と、前記2つの主表面との間に形成された側面と、前記側面のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部と、を備えるシリカガラスからなるフォトマスク用基板であって、
    前記コーナー部は、算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下であり、
    前記コーナー部の十点平均粗さRzjisが前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きい値であることを特徴とするフォトマスク用基板。
  2. 前記コーナー部は、十点平均粗さRzjisが0.07μm以上0.15μm以下であり、前記十点平均粗さRzjisと最大高さRzとの差が0.02μm以上0.05μm以下であることを特徴とする請求項1に記載されたフォトマスク用基板。
  3. 4つのコーナー部を備え、4つのうち少なくとも一つのコーナー部の算術平均粗さRaが他のコーナー部の算術平均粗さと異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたフォトマスク用基板。
  4. 互いに対向する2つの主表面と、前記2つの主表面との間に形成された側面と、前記側面のうち隣り合う2つの間に形成されたコーナー部と、を備えるシリカガラスからなるフォトマスク用基板の製造方法であって、
    前記側面に研磨パッドを押し当てて研磨する側面研磨工程と、
    前記コーナー部に前記研磨パッドを押し当てて研磨するコーナー研磨工程と、
    を含み、
    前記コーナー研磨工程における研磨時間を調整することにより、前記コーナー部の算術平均粗さRaが0.003μm以上0.015μm以下であり、かつ前記コーナー部の十点平均粗さRzjisが前記側面の十点平均粗さRzjisよりも大きいことを特徴とするフォトマスク用基板の製造方法。
  5. 前記コーナー研磨工程における研磨時間は、前記コーナー部における算術平均粗さRaと前記側面における算術平均粗さRaとを同じにするのに必要な時間の半分の研磨時間であることを特徴とする請求項4に記載のフォトマスク用基板の製造方法。
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