JP2020003679A - 発光装置、光信号送信装置及び光伝送システム - Google Patents

発光装置、光信号送信装置及び光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】レンズの光軸と発光点の中心とを一致させる場合に比べ、発光点への戻り光量が低減された発光装置などを提供する。【解決手段】発光装置は、光を出射する発光点110−1〜110−3を有する発光部100と、発光点が出射する光の光路上に設けられ、発光点が出射する光を、外部に設けられる光伝送部20と結合させるレンズ210と、を備え、発光点が、レンズの光軸に垂直な方向において、光軸からずらして設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置、光信号送信装置及び光伝送システムに関する。
特許文献1には、半導体レーザ保持具に嵌合された半導体レーザと、前記半導体レーザ保持具中に配置されるレンズ保持具に保持されたレンズと、前記半導体レーザ保持具に取り付けられる光ファイバ保持具に保持された光ファイバとからなり、前記半導体レーザの光出射部と、前記レンズの光軸と、前記光ファイバのコア部とを同一軸上に配置した光ファイバ結合光学系において、前記光ファイバ保持具は薄板を貫通させてレーザ溶接することにより前記半導体レーザ保持具上に固定される光ファイバ結合光学系が記載されている。
特開2013−171112号公報
ところで、発光素子を光源として情報を伝送する光伝送システムでは、レンズによって発光素子から出射した光をファイバなどの光伝送路に結合させる。このとき、発光素子から出射した光が、ファイバ端などで反射され、戻り光となって発光素子の発光点に照射されると、発光素子の動作が不安定になって、高速な情報の伝送が阻害されるおそれがある。
本発明の目的は、レンズの光軸と発光点の中心とを一致させる場合に比べ、発光点への戻り光量が低減された発光装置などを提供する。
請求項1に記載の発明は、光を出射する発光点を有する発光部と、前記発光点が出射する光の光路上に設けられ、当該発光点が出射する光を、外部に設けられる光伝送部と結合させるレンズと、を備え、前記発光点が、前記レンズの光軸に垂直な方向において、当該光軸からずらして設けられている発光装置である。
請求項2に記載の発明は、前記発光点は、前記レンズの前記光軸からずれた当該光軸に平行な直線上において、前記光伝送部に対して最大の結合効率が得られる位置よりも、当該レンズの前側焦点に近い位置に設けられている請求項1に記載の発光装置である。
請求項3に記載の発明は、前記発光点は、前記最大の結合効率が得られる位置での当該発光点への戻り光量に対し、戻り光量の低下が10dB以上となる位置に設けられている請求項2に記載の発光装置である。
請求項4に記載の発明は、前記発光点は、前記最大の結合効率に対し、結合効率の低下が1dB以下となる位置に設けられている請求項2又は請求項3に記載の発光装置である。
請求項5に記載の発明は、前記発光点は、前記レンズの前側焦点距離に対し、0.9倍以上且つ1.3倍未満の距離に設けられている請求項1に記載の発光装置である。
請求項6に記載の発明は、前記レンズは、当該レンズの後側焦点に端部が設けられている請求項2に記載の発光装置である。
請求項7に記載の発明は、前記発光部は、複数の発光点を備える請求項1に記載の発光装置である。
請求項8に記載の発明は、複数の前記発光点は、前記レンズの前記光軸を中心とする円に沿って配置されている請求項7に記載の発光装置である。
請求項9に記載の発明は、複数の前記発光点は、数が奇数であって、前記円に沿って等間隔に配置されている請求項8に記載の発光装置である。
請求項10に記載の発明は、前記発光部における前記発光点は、面発光レーザ素子である請求項1に記載の発光装置である。
請求項11に記載の発明は、前記面発光レーザ素子は、シングルモード発振する請求項10に記載の発光装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光装置と、前記発光装置を駆動して、取得した電気信号を当該発光装置が備える発光点により光信号に変換させる駆動部と、を備える光信号送信装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の光信号送信装置と、前記光信号送信装置から出力される主光線が結合される位置に設けられた光伝送部と、を備える光伝送システムである。
請求項1に記載の発明によれば、レンズの光軸と発光点の中心とを一致させる場合に比べ、発光点への戻り光量が低減される。
請求項2、3に記載の発明によれば、レンズの光軸に平行な直線上において最大の結合効率が得られる位置に設けられている場合に比べ、発光点への戻り光量が抑制される。
請求項4に記載の発明によれば、最大の結合効率に対する結合効率の低下を1dB以下に抑制した状態で、発光点への戻り光量が抑制される。
請求項5に記載の発明によれば、前側焦点距離に対し、0.9倍未満の距離に設けられている場合に比べ、結合効率が向上し、1.3倍以上の距離に設けられている場合と比較し、戻り光量が抑制される。
請求項6に記載の発明によれば、レンズの端部が後側焦点でない場合に比べ、光軸に平行な光をレンズの端部において光軸上に集光させられる。
請求項7に記載の発明によれば、単体の発光点の場合に比べ、光量が増加する。
請求項8に記載の発明によれば、円に沿って配置されていない場合に比べ、発光点の配置がしやすい。
請求項9に記載の発明によれば、等間隔に配置されていない場合に比べ、熱が均一に分散させられる。
請求項10に記載の発明によれば、端面発光素子に比べ、レンズとの組み合わせが容易になる。
請求項11に記載の発明によれば、マルチモード発振に比べ、伝送距離を大きくできる。
請求項12に記載の発明によれば、レンズの光軸と発光点の中心とを一致させる場合に比べ、発光点への戻り光量が低減された光送信ができる。
請求項13に記載の発明によれば、レンズの光軸と発光点の中心とを一致させる場合に比べ、発光点への戻り光量が低減された光伝送ができる。
光伝送システムの一例を示す図である。 光源部を説明する図である。(a)は、発光部の正面図、(b)は、(a)のIIB−IIB線での光源部の断面図である。 発光部の表面において、発光点と、戻り光及び戻り光の光強度分布とを示す図である。 光ファイバにおけるコアの端面の光強度分布を示す図である。 発光点に照射される戻り光の光量と結合レンズから発光部までの距離との関係を説明する図である。 光ファイバのコアへの入射光量と結合レンズから発光部までの距離との関係を説明する図である。 図6の結果を説明するために、光ファイバにおけるコアへの入射光量と結合レンズから発光部までの距離との関係を説明する図である。 発光部の中心が光軸からずれた場合における戻り光量を示す図である。(a)は、発光部の中心と光軸との関係を説明する図、(b)は、戻り光量である。 3個の発光点を備える発光部の拡大図である。(a)は、発光部の上面図、(b)は、(a)のIXB−IXB線での発光部の断面図である。 垂直共振器面発光レーザの製造方法を説明する図である。(a)は、半導体層積層体形成工程、(b)は、メサエッチング工程、(c)は、酸化領域形成工程、(d)は、p側電極形成工程及び層間絶縁層形成工程、(e)は、出射面保護層形成工程及びn側電極形成工程、(f)は、配線層形成工程である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、以下では、アルミニウムをAlとするなど、元素記号を用いて表記する場合がある。
(光伝送システム1)
図1は、光伝送システム1の一例を示す図である。光伝送システム1は、例えば、コンピュータ、サーバなどの電子装置間でデータなどのデジタル信号の伝送を、光通信技術を用いて行うシステムである。データセンタなど、複数のコンピュータやサーバを備えるシステムでは、複数のコンピュータやサーバなどの電子装置を架に搭載し、それらの電子機器を並列に動作させるとともに、それらの間で高速にデジタル信号の伝送が行われる。この電子装置間のデジタル信号の伝送を、光を用いた光通信で行うことで、電気信号を用いて行う場合に比べ、高速化が達成できるとともに、ノイズの影響を受けにくくなる。
光伝送システム1は、光信号送信装置10と、光ファイバ20と、信号処理装置30とを備える。
光信号送信装置10は、光源部11と、信号変調部12とを備える。なお、光源部11は、発光装置の一例、そして、信号変調部12は、駆動部の一例である。また、光ファイバ20が、光伝送部の一例である。
(光信号送信装置10)
光信号送信装置10が備える光源部11は、発光点(後述する図2の発光点110)を備える。
信号変調部12は、信号処理装置30が処理した電気信号を取得し、光源部11を駆動してデジタル信号に対応する光信号に変換する。光源部11は、信号変調部12によって駆動され、発光点から光ファイバ20のコア21に向けて光信号を出射する。
(光ファイバ20)
光ファイバ20は、コア21とクラッド22とを備える。コア21は、クラッド22に比べて屈折率が小さい部材で構成されている。コア21に入射した光信号は、コア21とクラッド22との境界で反射を繰り返しながら、コア21内を伝搬する。
ここでは、光ファイバ20は、一例としてマルチモードであるとする。マルチモードの光ファイバ20では、コア21の直径は50μmなどである。なお、光ファイバ20は、マルチモードに比べてコア21の径が小さい、シングルモードであってもよい。
なお、光ファイバ20の代わりに、他の領域と異なる屈折率に設定された導光領域が設けられた導光デバイスであってもよい。
(信号処理装置30)
信号処理装置30は、データなどのデジタル信号を処理する機能を有する。信号処理装置30は、例えばコンピュータやサーバである。これらは、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを備え、RAM上に実行可能な状態に展開されたプログラムによって、データなどのデジタル信号を処理する。この場合のデジタル信号は、電気信号である。そして、信号処理装置30は、他の信号処理装置で処理させるために、処理したデジタル信号を入出力ポートに接続された光信号送信装置10に電気信号として出力する。
なお、図1に記載しないが、光ファイバ20によって、伝送された光信号は、受光部、信号復調部を備える信号受信装置によって受信される。受光部は、光信号を受光して光信号に対応する電気信号に変換する。信号復調部は、受光部から光信号に対応する電気信号を取得し、他の信号処理装置が処理可能なデジタル信号に変換する。
そして、信号受信装置に接続された他の信号処理装置により、デジタル信号がデータなどとして処理される。
(光源部11)
光源部11は、発光部100と、結合レンズ200とを備える。
図2は、光源部11を説明する図である。図2(a)は、発光部100の正面図、図2(b)は、図2(a)のIIB−IIB線での光源部11の断面図である。
図2(a)に示すように、光源部11の発光部100は、一例として3個の発光点110を備える。ここでは、3個の発光点110をそれぞれ区別する場合は、発光点110−1、110−2、110−3と表記する。発光点110−1、110−2、110−3は、中心Oの半径rの円111上に等間隔に配列されている。中心Oを発光部100の中心と表記する。
ここでは発光点110と表記するが、発光点110は点でなく、光を発光する発光素子において、予め定められた面積を有して、光を出射する部分(後述する図9に示す出射面112)をいう。なお、発光点110の中心を発光点110の中心Cとする。つまり、隣接する2個の発光点110の中心Cは、中心Oに対して中心角120°に配置されている。
結合レンズ200は、平凸レンズ部210と円柱部220とを備える。平凸レンズ部210とは、一方の面が凸レンズ状の凸面であり、他方の面が平面になったレンズである。平凸レンズ部210が光を集光する作用を有する。円柱部220は、円柱状の両端部が平面状の平面になっている。そして、平凸レンズ部210の平面が、円柱部220の一方の平面に接するように構成されている。そして、円柱部220の中心軸が平凸レンズ部210の光軸に一致している。ここでは、平凸レンズ部210と円柱部220とは、発光部100の発光点110が発光する光を透過する光学ガラスにより一体形成されている。ここでは、円柱部220の中心軸を結合レンズ200の光軸OAと表記する。なお、結合レンズ200の平凸レンズ部210及び円柱部220のそれぞれの直径は、発光点110が配列された円の直径(2×r)より大きく設定されている。
発光部100の中心Oを、結合レンズ200の光軸OAが通る。また、光軸OAと光ファイバ20のコア21の光軸とが一致するように光ファイバ20が設けられている。つまり、結合レンズ200の光軸OA上に、光ファイバ20のコア21の光軸があり、3個の発光点110を有する発光部100の中心Oがある。つまり、3個の発光点110は、いずれもが、光軸OA上に配置されておらず、光軸OAに垂直な方向において、光軸OAからずらして配置されている。
ここでは、発光点110は、面発光レーザ素子の一例としての垂直共振器面発光レーザVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)によって構成されているとする。そして、発光点110として機能する出射面112(後述する図9、10参照)の大きさは、シングルモードでレーザ発振するように小さく設定されている。出射面112の直径は、例えば5μmや7μmなどに設定されている。よって、上記において例示した、コア21の直径50μmに比べて、発光面の直径5μm、7μmは、点とみなされる。なお、垂直共振器面発光レーザVCSELをシングルモードでレーザ発振するために設定される出射面112の直径は、出射するレーザ光の波長などによって異なる。よって、予め定められた波長のレーザ光がシングルモードで発振するように、出射面112などの垂直共振器面発光レーザVCSELの構造を設定すればよい。ここで、出射面112の中心が発光点110の中心Cになる。
垂直共振器面発光レーザVCSELは、一例であって、垂直共振器面発光レーザVCSEL以外のレーザ素子や発光ダイオード(LED)など、光を出射する発光素子によって、発光点110が構成されてもよい。また、垂直共振器面発光レーザVCSELをシングルモードでレーザ発振させるとしたが、マルチモードで発振させてもよい。なお、発光ダイオード(LED)よりもレーザ素子のほうが戻り光の影響を受けやすい。
図2(b)の断面図に示すように、発光部100の発光点110側に、発光点110に結合レンズ200の平凸レンズ部210の凸面が対向するように、結合レンズ200が設けられている。そして、結合レンズ200の円柱部220の平面に対向するように、光ファイバ20のコア21が設けられている。なお、発光部100には、発光点110−1が示されている。
一例として、発光点110は、結合レンズ200の光軸OA上の前側焦点FFから光軸OAに垂直に設けた前側焦点面FFP上に設けられている。ここでは、結合レンズ200の平凸レンズ部210の凸面の光軸OAとの交点は、結合レンズ200の前側主点となっている。また、一例として、結合レンズ200のコア21側の平面は、光軸OA上の後側焦点RFから光軸OAに垂直に設けた後側焦点面RFP上に設けられている。そして、光ファイバ20のコア21の光が入射する端面23は、結合レンズ200の後側焦点面RFPからz方向にギャップZf離して設けられている。
なお、ギャップZfを「0」に設定してもよい。但し、ギャップZfを「0」にした場合に、コア21に入射する光量が最も高くなるとは限らない。よって、コア21に入射する光量が多くなるように、つまり結合効率が高くなる値にギャップZfを設定すればよい。
上記の配置とすることで、発光点110−1から出射した光は、実線で示す光路を進み、結合レンズ200によって平行光になって、光ファイバ20におけるコア21の端面23に照射される。つまり、太い実線で示す光軸OAに平行に進む光線は、後側焦点RFに進む。つまり、光軸OAに平行に進む光線は、光ファイバ20におけるコア21の端面23の中心に照射される。ここで、後側焦点RFを通る光線を主光線とする。そして、主光線が光ファイバ20におけるコア21の端面23の中心に照射されるように、光信号送信装置10からの主光線と光ファイバ20とが結合している。
そして、コア21の端面23に照射された光の内、コア21に入力した光が、光ファイバ20のコア21内を伝搬する。しかし、コア21の端面23に照射された光の内、一部の光は、コア21に入力せず、端面23で反射され反射光となって、発光部100に戻る。この反射光は、破線で示す光路を進み、結合レンズ200によって集束されて、発光部100に照射される。このとき、集束された反射光は、発光部100の中心Oに対して対称な位置に照射される。ここで、光ファイバ20のコア21の端面23で反射され、発光部100の表面に戻る反射光を戻り光120と表記する。戻り光120とは、発光部100の表面に戻り光が照射される位置である。図2で示す戻り光120は、発光点110−1から出射した光による戻り光であるので、戻り光120−1と表記する。なお、発光点110−2から出射した光による戻り光は、戻り光120−2と表記し、発光点110−3から出射した光による戻り光は、戻り光120−3と表記する。
発光点110と前側焦点面FFPとの位置の関係は、後述するように、上記に限定されない。また、ギャップZfも、後述する値に限定されない。
ここでは、結合レンズ200は、平凸レンズ部210と円柱部220とで構成されているとしたが、他の形状のレンズであってもよい。例えば、結合レンズ200は、円柱部220を備えない平凸レンズ、両凸レンズなどであってもよい。
図3は、発光部100の表面において、発光点110と、戻り光120及び戻り光120の光強度分布とを示す図である。光強度分布は、シミュレーションによって求めた。ここでは、光強度分布を白黒のグラディエーションで示す。つまり、白い部分が光強度の強い部分、黒い部分が光強度の弱い部分である。中央部において光強度が強く、周辺部にいくにしたがい光強度が低くなっている。また、発光部100の中心Oと発光点110との距離である円111の半径rは、0.020mmである。
発光点110−1、110−2、110−3は、中心Oから半径rの円111上に等間隔に配置されていた。そして、戻り光120−1、120−2、120−3は、発光点110−1、110−2、110−3に対して中心Oを対称の中心とする位置に生じる、よって、戻り光120−1、120−2、120−3も、中心Oから半径rの円111上に等間隔に配列されている。つまり、隣接する戻り光120は、中心Oに対して中心角120°に配置されている。そして、隣接する発光点110と戻り光120とは、中心Oに対して中心角60°の位置にある。
そして、図3に示すように、戻り光120−1は、発光点110−2、110−3に隣接した位置に生じているが、発光点110−2、110−3に重なることがない。しかも、光強度分布に示すように、戻り光120−1は、発光点110−2、110−3の円111に沿った中間に位置するため、光強度の強い部分は、発光点110−2、110−3に重ならない。さらに、光強度分布から分かるように、光強度の弱い部分も発光点110−2、110−3に重なりにくくなっている。これは、奇数個の発光点110を中心Oの円111上に等間隔に配置していることによる。これにより、光ファイバ20におけるコア21の端面23からの反射光が、発光点110の中心Oに対して対象の位置、つまり、発光点110が設けられていない位置に生じる。これにより、反射光が、発光点110に重なることが抑制される。しかも、発光部100の発光点110を、結合レンズ200の前側焦点面FFPに配置しているので、戻り光120は、発光部100の表面に発光点110と同様な点状又は小さな面積に集光される。これにより、発光部100の表面に戻り光120が集光されずに広がって、光強度が強い部分が、発光点110に重なるように広がることが抑制される。
なお、発光点110に戻り光120が照射されると、戻り光120が発光点110を構成する垂直共振器面発光レーザVCSELなどの発光素子に照射されることになる。発光素子は、出射する波長で設定されたバンドギャップを有する発光層(後述する図9の発光層412参照)を有している。そして、発光点110が出射する光と戻り光120とは、波長が同じである。このため、戻り光120が発光素子に照射されると、電子正孔ペアが励起されて、予期しない発光が生じるなど、発光素子の動作に悪影響を与えるおそれがある。すなわち、高速な情報の伝送が阻害されるおそれがある。
以上説明したように、本実施の形態では、発光点110の中心を結合レンズ200の光軸OAの垂直方向にずらすことで、発光点110への戻り光120の光量を低減させている。このとき、発光点110を前側焦点面FFPに配置することで、戻り光120を集束して拡がることを抑制している。これにより、発光点110への戻り光120の光量を低減させている。なお、戻り光120の光量を戻り光量と表記する場合がある。
なお、発光点110の数は、1個であってもよい。この場合、発光点110は、中心Oではなく、光軸OAから垂直な方向にずれた位置、例えば前述した中心Oの半径rの円111上にあればよい。発光点110が3個の場合と同様に、戻り光120は、発光点110に重なることが抑制される。また、戻り光120が発光部100の表面に集光されるので、戻り光120の光強度が強い部分が、発光点110に重なるように拡がることが抑制される。
また、発光点110の数は、3以外の奇数個であってもよい。この場合も、発光点110は、中心Oの半径rの円111上に等間隔で配置されることがよい。戻り光120は、円111上において隣接する発光点110の間に集束して照射される。なお、発光点110は、中心Oの複数の半径の円、つまり中心Oの同心円上に配置されてもよい。奇数個の発光点110を円111上に等間隔で配置することにより、発光部100が発生する熱が均一に分散される。
なお、集束とは、光線が1点など狭い面積に集まることである。なお、集光すると表記することがある。
さらに、発光点110の数は、偶数個であってもよい。発光点110が中心Oの半径rの円111上に配置されている場合、各発光点110は、他の発光点110の中心Oに対する対称の位置に設けられていないことがよい。そして、発光点110は、戻り光120の光強度が強い部分が発光点110に重なることが抑制される位置に配置されるようにすればよい。
また、発光点110は、中心Oの半径rの円上に設けられていなくてもよい。
以上説明したように、発光点110が中心Oから離れて配置され、発光部100の表面における戻り光120が、発光点110を構成する発光素子の動作に悪影響を与えにくい位置に設定されていればよい。
図4は、光ファイバ20におけるコア21の端面23の光強度分布を示す図である。光強度分布は、シミュレーションによって求めた。コア21の直径は、前述したように、50μmである。ここでは、図3と同様に、光強度分布を等高線で示す。そして、等高線で示された中央部において光強度が高く、周辺部にいくにしたがい光強度が低くなっている。ここでは、図3に示した3個の発光点110−1、110−2、110−3が同時に光を出射している。
前述したように、光ファイバ20におけるコア21の端面23は、結合レンズ200の後側焦点面RFPに近く配置されている。このため、発光点110から出射した光は、結合レンズ200によって、平行光になって、コア21の端面23に照射される。
しかし、図4に示すように、コア21の端面23に照射された光は、光強度が強い部分がコア21の内側に含まれ、コア21の外側に照射される光量が抑制されている。よって、コア21に入射させるために、コア21の端面23に光を集束することを要しない。つまり、発光部100を結合レンズ200の前側焦点面FFPに設置し、コア21の端面23を後側焦点面RFPに設置して、平行光をコア21の端面23に照射することを可能としている。
上記したように、複数の発光点110を並行して駆動させることで、光ファイバ20により伝送される光量が増加する。なお、複数の発光点110は、並列接続により並行して駆動する構成であってもよく、直列接続により並行して駆動する構成であってもよい。また、複数の発光点110を独立に駆動する構成であってもよい。
上記では、発光部100は、結合レンズ200の前側焦点面FFPに設置されているとした。しかし、発光部100は、必ずしも結合レンズ200の前側焦点面FFPに設置されていなくてもよい。
図5は、発光点110に照射される戻り光の光量と結合レンズ200から発光部100までの距離Dとの関係を説明する図である。図5において横軸は、結合レンズ200の端から発光部100までの距離D(mm)である。なお、図2において、右方向に+z方向としたので、距離Dは、負で表記される。ここでは、結合レンズ200の前側焦点面FFPは、結合レンズ200から距離Dで−0.26mmにある。そして、縦軸は、戻り光の光量(dBm)である。なお、図5では、戻り光の光量を戻り光量(dBm)と表記する。そして、結合レンズ200と光ファイバ20におけるコア21の端面23とのギャップZfは、0.6mmに設定されている。そして、発光点110が配置された円111の半径rとして、0.020mm、0.022mm、0.024mmの3つの場合を示している。
図5に示した、発光点110に照射される戻り光の光量と結合レンズ200から発光部100までの距離Dとの関係は、シミュレーションによって得た。
図5に示すように、いずれの半径rにおいても、距離Dが−0.307mm〜−0.235mmの範囲において、戻り光量が−60dBm以下になる。なお、距離Dが−0.5mmなど、戻り光量が−30dBmであるのは、戻り光120が発光点110に照射される場合である。つまり、結合レンズ200から発光部100までの距離Dを、−0.307mm〜−0.235mmの範囲とすれば、発光点110に照射される戻り光120は、−30dB以下になる。
つまり、前側焦点面FFPを0mmとすると、前側焦点面FFPから−0.047mm〜0.024mmの範囲であれば、発光部100が前側焦点面FFPからずれて設けられてもよい。
上記したように、発光部100は、結合レンズ200の前側焦点面FFPに設置されているとした。そして、図4に示したように、発光部100を結合レンズ200の前側焦点面FFPに設置した場合、光ファイバ20におけるコア21外に照射される光があることが分かっている。そこで、光ファイバ20のコア21へ入射する光量(以下では、入射光量と表記する。)と結合レンズ200から発光部100までの距離Dとの関係を説明する。
図6は、光ファイバ20のコア21への入射光量と結合レンズ200から発光部100までの距離Dとの関係を説明する図である。図6における横軸は、図5と同様に、結合レンズ200の端から発光部100までの距離D(mm)である。縦軸は、光ファイバ20のコア21への入射光量(dBm)である。なお、結合レンズ200と光ファイバ20におけるコア21の端面23までのギャップZfは、0.6mmに設定されている。
そして、図6でも、発光点110が配置された円111の半径rとして、0.020mm、0.022mm、0.024mmの3つの場合を示している。
図6に示した、光ファイバ20のコア21への入射光量と結合レンズ200から発光部100までの距離Dとの関係は、シミュレーションによって得た。
3個の発光点110が出射する光が全て光ファイバ20のコア21に入射されるとすると、光ファイバ20への入射光量は、4.7dBmと算出される。つまり、光ファイバ20への入射光量は、距離Dが−0.5mmであれば、4.5dBmから4.7dBmであって、3個の発光点110が出射する光量のほとんど全て光ファイバ20に入射する状態になることを示している。
これに対し、図6に示すように、距離Dが−0.307mm〜−0.235mmの範囲において、光ファイバ20への入射光量は、3.6〜3.9dBmである。つまり、光ファイバ20のコア21の外に照射される光があることが分かる。しかし、この入射光量の低下は、3個の発光点110が出射する光量の全てが光ファイバ20に入射する状態に比べて、0.8dB〜1.1dBである。このことは、3個の発光点110が出射する全てが光ファイバ20に入射する場合の光量である4.7dBmの約80%が光ファイバ20におけるコア21に入射することになる。発光点110が出射する光のうち、光ファイバ20におけるコア21に入射する割合を、結合効率と呼ぶ。上記の場合、結合効率は約80%である。
図7は、図6の結果を説明するために、光ファイバ20におけるコア21への入射光量と結合レンズ200から発光部100までの距離との関係を説明する図である。
図7では、前側焦点FF、前側焦点面FFP、後側焦点RF、後側焦点面RFPに加えて、結合レンズ200から前側焦点FF側に、2倍前側焦点FF2及び2倍前側焦点面FFP2を表記している。さらに、図7では、結合レンズ200から後側焦点RF側に、2倍後側焦点RF2及び2倍後側焦点面RFP2を表記している。つまり、2倍前側焦点FF2は、結合レンズ200の光軸OA上において、前側焦点FFに対する前側焦点距離の2倍の位置である。また、2倍前側焦点面FFP2は、2倍前側焦点FF2における光軸OAに垂直な面である。同様に、2倍後側焦点RF2は、結合レンズ200の光軸OA上において、後側焦点RFに対する後側焦点距離の2倍の位置である。また、2倍後側焦点面RFP2は、2倍後側焦点RF2における光軸OAに垂直な面である。
本実施の形態に対応する、前側焦点面FFPにおいて、中心Oより半径r離れた点P1から出射する光は、結合レンズ200から平行光となって出射した。一方、2倍前側焦点面FFP2において、中心Oより半径r離れた点P2から出射する光は、結合レンズ200から2倍後側焦点面RFP2に向かって集束する光となって出射する。よって、光ファイバ20におけるコア21の端面23には、2倍後側焦点面RFP2に向かって集束する光が入射する。
このため、点P2から出射する光は、点P1から出射する光に比べ、光ファイバ20のコア21への入射光量が多くなる。これは、図6で示したように、2倍前側焦点面FFP2に対応する距離Dが−0.5mm近傍であれば、距離Dが−0.307mm〜−0.235mmの範囲である場合に比べて大きい。つまり、距離Dが−0.5mm近傍は、最大の結合効率が得られる位置である。
しかし、距離Dを−0.5mmとすると、つまり、図7において2倍前側焦点面FFP2に発光点110を設置すると、光ファイバ20におけるコア21の端面23で反射して発光部100への戻り光120が、発光部100の表面おいて集束せず、拡がって照射される。このため、戻り光120が発光点110に照射され、垂直共振器面発光レーザVCSELなどの発光素子の動作が不安定になるおそれがある。
しかし、発光素子の動作が不安定にならなければ、発光点110を2倍前側焦点面FFP2よりも、前側焦点面FFPに近い位置に設けてもよい。例えば、最大の結合効率が得られる位置における戻り光量に比べて、戻り光量の低下が10dB以上であれば、垂直共振器面発光レーザVCSELなどの発光素子の動作が不安定になりにくい。つまり、最大の結合効率が得られる位置における戻り光量に比べて、戻り光量の低下が10dB以上である位置に発光点110を設ければよい。
また、結合効率の低下は、小さいほどよいが、発光点110を2倍前側焦点面FFP2よりも、前側焦点面FFPに近い位置に設ければ、図6に示したように、最大の結合効率が得られる位置に対して、結合効率の低下が、つまり結合損失が1dB以下となる。
上記の範囲は、図5、図6から、距離Dが−0.235mm以上且つ−0.338mm未満の範囲である。すなわち、前側焦点FFの前側焦点距離である−0.26mmに対し、0.9倍以上且つ1.3倍未満の距離Dであればよい。
なお、発光点110を2倍前焦点面FFP2に配置した場合、光ファイバ20におけるコア21の端面23が2倍後焦点面RFP2に配置されると、光ファイバ20におけるコア21の端面23には、集束された光が入射する。このため、発光点110と光ファイバ20との結合効率がよいと考えられる。しかし、光ファイバ20におけるコア21の端面23で反射した戻り光は、発光点110に戻って、発光点110を照射することになる。つまり、垂直共振器面発光レーザVCSELなどの発光素子の動作が不安定になるおそれがある。
これまでは、3個の発光点110の中心Oが、光軸OA上にあるとして説明した。しかし、発光点110の中心Oは、光軸OAからずれるおそれがある。
図8は、発光部100の中心Oが光軸OAからずれた場合における戻り光量を示す図である。図8(a)は、発光部100の中心Oと光軸OAとの関係を説明する図、図8(b)は、戻り光量である。図8(b)において、横軸は、中心Oの光軸OAに対するずれ量であるy方向オフセットS(μm)、縦軸は、戻り光量(dBm)である。
図8(a)に示すように、図2(a)と同様に、中心Oの円111上に配置された3個の発光点110−1、110−2、110−3が等間隔で配置されている。ここで、図8(a)に示すように、発光点110−1から発光点110−2、110−3の間を通る方向がy方向であるので、光軸OAと中心Oとの間のずれ量であるオフセットS(μm)は、y方向のずれ量である。よって、y方向オフセットS(μm)とした。なお、図8(b)では、発光部100における発光点110の中心Oから円111の半径rは、0.020mmとした。そして、発光部100の結合レンズ200からの距離Dが−0.25mm、0.26mm、0.27mmの場合を示す。すると、図8(b)に示すように、発光部100と結合レンズ200との距離Dにかかわらず、y方向のオフセットSが−3μmから3μmの範囲において、戻り光量の増加は、10dB以内に抑制されている。よって、図5に示した、戻り光量が最大の結合効率が得られる位置における戻り光量より30dB以下となる距離D(−0.307mm〜−0.235mm)の範囲においては、上記した戻り光量が10dB増加しても、垂直共振器面発光レーザVCSELなどの発光素子の動作への影響が抑制される。
以上説明したように、本実施の形態における光信号送信装置10では、発光点110への戻り光量が30dB以下となるとともに、結合効率の低下が1dB以下になる。
以下では、発光点110が垂直共振器面発光レーザVCSELで構成されているとして、垂直共振器面発光レーザVCSELの構造と、製造方法を説明する。
(垂直共振器面発光レーザVCSELの構造)
図9は、3個の発光点110を備える発光部100の拡大図である。図9(a)は、発光部100の上面図、図9(b)は、図9(a)のIXB−IXB線での発光部100の断面図である。発光部100は、外形が四角形状のチップとして構成されているとしたが、他の形状であってもよい。
ここでは、図9(a)の上面図により、発光点110が垂直共振器面発光レーザVCSELで構成されるとして説明する。よって、以下では発光点110の代わりに、垂直共振器面発光レーザVCSELと表記する。ここでは、発光点110は、一例として3個であるとして、3個の垂直共振器面発光レーザVCSELをそれぞれ区別する場合、垂直共振器面発光レーザVCSEL−1、VCSEL−2、VCSEL−3と表記する。
図9(a)に示すように、3個の垂直共振器面発光レーザVCSELは、中心Oの円111に沿って、等間隔で配置されている。そして、図9(b)では、垂直共振器面発光レーザVCSEL−2、VCSEL−3の断面を示している。
なお、3個の垂直共振器面発光レーザVCSELは、同じ構造を有しているので、以下では1個の垂直共振器面発光レーザVCSEL、ここでは、垂直共振器面発光レーザVCSEL−2を例に説明する。なお、垂直共振器面発光レーザVCSEL−2を垂直共振器面発光レーザVCSELと表記する。
図9(a)に示すように、垂直共振器面発光レーザVCSELは、上面から見た場合、外形が円形に構成されている。そして、円形の中央部は、垂直共振器面発光レーザVCSELが光を外部に出射する出射面112である。なお、出射面112が発光点110であるとしてもよい。発光部100の上面は、出射面112を除いて配線層419で覆われている。
なお、垂直共振器面発光レーザVCSELの上面から見た外形は、円形でなくともよく、楕円、四角形、多角形など他の形状であってもよい。
次に、図9(b)に示す断面図により、垂直共振器面発光レーザVCSELの断面構造を説明する。
垂直共振器面発光レーザVCSELは、例えばGaAsによるn型の基板410の一方の面(これを、表面と表記する。)上に、n型の下部分布ブラッグ反射層411と、活性層412と、酸化狭窄層413と、p型の上部分布ブラッグ反射層414と、p型のコンタクト層415と、p側電極416と、層間絶縁層417と、出射面保護層418と、配線層419とを備える。なお、分布ブラッグ反射層は、DBR(Distributed Bragg Reflector)層と呼ばれることから、以下では、n型の下部分布ブラッグ反射層411を下部DBR層411と、p型の上部分布ブラッグ反射層414を上部DBR層414と表記する。
そして、発光部100における3個の垂直共振器面発光レーザVCSELは、いわゆるメサエッチングによって作成されたメサ構造、つまりメサ113によって分離されている。つまり、垂直共振器面発光レーザVCSELは、n型の基板410の表面に、n型の下部DBR層411、活性層412、酸化狭窄層413、p型の上部DBR層414、コンタクト層415が順に積層された構成を有している。そして、出射面112及びp側電極416を除く表面(メサ113の側面を含む)に層間絶縁層417が設けられている。上面から見た場合、出射面112を囲むようにp側電極416が設けられ、中央部に出射面保護層418が設けられている。さらに、層間絶縁層417上に、出射面112を除いて、配線層419が設けられている。なお、配線層419は、複数の垂直共振器面発光レーザVCSELのp側電極416と接続されている。
また、n型の基板410の他方の面(裏面)上に、n型の基板410とオーミックコンタクトするn側電極420を備える。なお、この構成は、n型の基板を用いた場合であって、p型の基板を用いる場合には、pとnとの極性が逆になり、電圧、電流の向きも逆になる。
そして、基板410の裏面に設けられたn側電極420に基準電位(GNDなど)が印加され、配線層419を介してp側電極416に正の駆動電位が印加されると、垂直共振器面発光レーザVCSELは、レーザ発振して、出射面112からレーザ光を出射する。レーザ光は、出射面112に垂直方向、つまり基板410に垂直方向にレーザ光を出射する。なお、出射面112の中心を、発光点110の中心Cとする。なお、出射面112は、必ずしも円形であることを要しない。出射面112の形状が、楕円形、三角形、四角形、四角形を超える多角形などである場合には、発光点110の中心Cは、出射面112が板状であるとした場合の重心である。
以下では、図9(b)に示した各層の構成について説明する。
基板410は、n型のGaAsを例として説明するが、不純物を添加していないイントリンシック(i)のGaAsでもよい。また、InP、GaN、InAs、その他III−V族、II−VI材料からなる半導体基板、サファイア、Si、Geなどでもよい。基板を変更した場合、基板上にモノリシックに積層される材料は、基板の格子定数に略整合(歪構造、歪緩和層、メタモルフィック成長を含む)する材料を用いる。ただし、基板410が電気絶縁性である場合には、基準電位(GNDなど)を供給する配線を別途設けることが必要となる。また、基板410を除く半導体層積層体を他の支持基板に張り付け、他の支持基板上に半導体層積層体を設ける場合は、支持基板と格子定数が整合している必要はない。これらについての詳細な説明は、省略する。
下部DBR層411は、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に積層されて構成されている。つまり、屈折率が互いに異なる2つの半導体層は、垂直共振器面発光レーザVCSELの発振波長をλ、媒質である半導体層の屈折率をnとした場合、それぞれの膜厚が0.25λ/nとなるように設定されている。このようにすることで、下部DBR層411は、波長λの光を、選択的に反射する反射層、つまり誘電体ミラーとして機能する。
活性層412は、下部DBR層411側から、下部スペーサ層412a、量子井戸活性層412b、上部スペーサ層412cを備える。量子井戸活性層412bは、例えば、4層のGaAsで構成される障壁層と、それぞれが障壁層の間に設けられた3層のInGaAsで構成された量子井戸層とで構成される。下部スペーサ層412aは、量子井戸活性層412bと下部DBR層411との間にあり、上部スペーサ層412cは、量子井戸活性層412bと酸化狭窄層413との間にある。なお、酸化狭窄層413は、上部DBR層414の一部ととらえてよく、上部DBR層414の内部に設けられてもよい。下部スペーサ層412a及び上部スペーサ層412cは、下部DBR層411と上部DBR層414との間にあって、共振器の長さを調整するとともに、キャリアを閉じ込めるクラッドとして機能する。
活性層412上に設けられた酸化狭窄層413は、非酸化領域413aと酸化領域413bとを備える。なお、後述するように、酸化領域413bは、メサ113の側面から形成されるので、上面から見た場合、垂直共振器面発光レーザVCSELの周辺部から中央部に向かって形成される。そして、中央部が非酸化領域413aとなる。後述するように、酸化領域413bは、電流が流れにくい領域であり、非酸化領域413aは、電流が流れやすい領域である。つまり、酸化狭窄層413は、垂直共振器面発光レーザVCSELにおける電流の流れる経路を狭窄する。
メサ113の周辺部は、メサエッチングに起因した欠陥が多いため、非発光再結合が起こりやすい。このため、酸化領域413bを設けないと、垂直共振器面発光レーザVCSELの発振が不安定になりやすいとともに、電力が非発光再結合に消費される。よって、酸化領域413bを設けることで、中央部の非酸化領域413aに電流を集中させやすく、非発光再結合に消費される電力が抑制されて、低消費電力化及び光取り出し効率の向上が図れる。さらに、垂直共振器面発光レーザVCSELのレーザ発振が安定する。
つまり、垂直共振器面発光レーザVCSELでは、非酸化領域413aにおいてレーザ発振が生じる。よって、非酸化領域413aの直径を5μm、7μmなどと小さくすることで、垂直共振器面発光レーザVCSELは、シングルモードで発振する。
上部DBR層414は、下部DBR層411と同様に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に積層されて構成されている。つまり、屈折率が互いに異なる2つの半導体層は、それぞれの膜厚が0.25λ/nとなるように設定されている。このようにすることで、上部DBR層414は、波長λの光を、選択的に反射する反射層、つまり誘電体ミラーとして機能する。そして、下部DBR層411との間で共振器を構成し、波長λの光を閉じ込める。
コンタクト層415は、p側電極416とオーミックコンタクトしやすくするための層である。
p側電極416は、上面から見た場合に、メサの中心部を囲むように設けられる。p側電極416は、p型であるコンタクト層415とオーミックコンタクトがとりやすい金属材料で構成されている。
そして、層間絶縁層417は、出射面112及びp側電極416の形成された部分を除いて、垂直共振器面発光レーザVCSELの表面(メサ113の側面を含む)を覆うように設けられている。層間絶縁層417は、例えば、シリコン窒化膜で構成されている。なお、層間絶縁層417は、シリコン窒化膜の他、シリコン酸化(SiO)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜などであってもよい。
出射面保護層418は、上面から見た場合に、p側電極416で囲まれたメサの中心部の領域である出射面112に、活性層412が出射する波長λの光に対して透過率が高い材料で構成されている。出射面保護層418は、例えば、シリコン窒化(SiN)膜で構成されている。なお、層間絶縁層417と出射面保護層418とを同時に形成してもよい。この場合、層間絶縁層417と出射面保護層418とは、同じ材料で構成される。
そして、層間絶縁層417上に設けられた配線層419は、垂直共振器面発光レーザVCSELの出射面112を除いて、垂直共振器面発光レーザVCSELの表面を覆うように設けられている。そして、配線層419は、各垂直共振器面発光レーザVCSELのp側電極416を並列に接続するように、発光部100の表面を覆うように設けられている。
(垂直共振器面発光レーザVCSELの製造方法)
次に、垂直共振器面発光レーザVCSELの製造方法を説明する。
図10は、垂直共振器面発光レーザVCSELの製造方法を説明する図である。図10(a)は、半導体層積層体形成工程、図10(b)は、メサエッチング工程、図10(c)は、酸化領域形成工程、図10(d)は、p側電極形成工程及び層間絶縁層形成工程、図10(e)は、出射面保護層形成工程及びn側電極形成工程、図10(f)は、配線層形成工程である。
図10(a)に示す半導体層積層体形成工程では、n型のGaAsである基板410上に、n型の下部DBR層411、活性層412、酸化狭窄層413、p型の上部DBR層414、p型のコンタクト層415を連続して積層して、半導体層積層体を形成する。
n型の下部DBR層411は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD)法により、キャリア濃度が1×1018cm−3のAlAsとGaAsとをそれぞれの膜厚が0.25λ/nとなるように交互に30周期積層して形成されている。なお、図10(a)では、図9(b)と異なり、多層構造で示さない。
活性層412は、不純物をドープしていないアンドープのAl0.22Ga0.78Asの下部スペーサ層412a、アンドープの量子井戸活性層412b、アンドープのAl0.22Ga0.78Asの上部スペーサ層412cを積層して形成されている。なお、量子井戸活性層412bは、膜厚80nmのInGaAsの量子井戸層が3層と、膜厚150nmのGaAsの障壁層が4層とで構成されている。そして、活性層412は、膜厚がλ/nに設定されている。
そして、酸化狭窄層413は、キャリア濃度が1×1018cm−3のAlAsである。そして、酸化狭窄層413は、膜厚が0.25λ/nに設定されている。
上部DBR層414は、キャリア濃度が1×1018cm−3のAl0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が0.25λ/nとなるように、交互に22周期積層して形成されている。なお、総膜厚は、約2μmとなるように設定されている。
前述したように、酸化狭窄層413は、上部DBR層414の一部としてもよい。
p型のコンタクト層415は、キャリア濃度が1×1019cm−3のGaAsである。p型のコンタクト層415は、膜厚がλ/nに設定されている。
なお、MOCVD法における原料ガスとして、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウム、アルシンを用いた。また、不純物(ドーパント)材料として、p型用にシクロペンタジニウムマグネシウム、n型用にシランを用いた。基板温度を750℃とし、真空を破ることなく、原料ガスを順次切り替えながら、連続して各層を積層して半導体層積層体を形成した。
図10(b)に示すメサエッチング工程では、上記の半導体層積層体を下部DBR層411の途中までエッチングしてメサ113を形成する。ここでは、AlAsである酸化狭窄層413を露出させた。つまり、フォトリソグラフィにより垂直共振器面発光レーザVCSELとなる部分にフォトレジストによるエッチングマスク(レジストマスク)Rを形成し、四塩化炭素(CCl)をエッチングガスとする反応性イオンエッチングによりメサ113を形成した。
図10(c)の酸化領域形成工程では、AlAsである酸化狭窄層413を酸化して、酸化領域413bを形成する。つまり、レジストマスクRを除去したのち、約400℃の炉中において、水蒸気酸化を行いAlAsである酸化狭窄層413を、メサ113の側面から酸化した。酸化されたメサ113の周辺部が酸化領域413bとなり、酸化されなかったメサ113の中心部が非酸化領域413aとなる。つまり、酸化領域413bでは、AlAsが酸化されて、絶縁性のAlを含むようになるため、電流が流れにくくなる。一方、非酸化領域413aは、電流が流れやすい領域、つまり電流注入領域として残る。
図10(d)のp側電極形成工程及び層間絶縁層形成工程における、p側電極形成工程では、メサ113の表面の中央部を囲むようにp側電極416を形成する。つまり、p側電極416を形成する部分を除いて、レジストマスク(不図示)を形成し、p側電極416となる金属材料を真空蒸着などにより堆積する。そして、レジストマスクとともに、レジストマスク上の金属材料を除去する、いわゆるリフトオフ法により、p側電極416を形成する。これにより、p側電極416を形成する部分にp側電極416となる金属材料が残る。なお、p側電極416には、p型のGaAsとオーミックコンタクトが形成されやすいTi/Auを用いた。
図10(d)のp側電極形成工程及び層間絶縁層形成工程における、層間絶縁層形成工程では、p側電極416及びp側電極416で囲まれた、出射面112となる領域を除いて、層間絶縁層417を堆積する。つまり、p側電極416の形成と同様に、p側電極416及びp側電極416で囲まれた出射面112となる領域に、レジストマスク(不図示)を形成し、層間絶縁層417となる窒化シリコン(SiN)を真空蒸着などにより堆積する。そして、レジストマスクとともに、レジストマスク上の窒化シリコンを除去する(リフトオフ法)。これにより、垂直共振器面発光レーザVCSELのメサ113の側面を含む表面に層間絶縁層417が形成される。
図10(e)の出射面保護層形成工程及び配線層形成工程における、出射面保護層形成工程では、p側電極416で囲まれた領域に、出射面保護層418を形成する。つまり、p側電極416で囲まれた出射面112となる領域を除いて、レジストマスク(不図示)を形成し、出射面保護層418となる窒化シリコン(SiN)を真空蒸着などにより堆積する。そして、レジストマスクとともに、レジストマスク上の窒化シリコンを除去する(リフトオフ法)。これにより、p側電極416で囲まれた領域に出射面保護層418が形成される。
図10(e)の出射面保護層形成工程及びn側電極形成工程における、n側電極形成工程では、基板410の裏面に、n側電極420を形成する。つまり、基板410の裏面側に、n側電極420となる金属材料を真空蒸着などにより堆積する。なお、n側電極420には、n型のGaAsとオーミックコンタクトが形成されやすいAu/Geを用いた。
図10(f)の配線層形成工程における、配線層形成工程では、出射面112を除く、表面にp側電極416を接続するように配線層419を形成する。配線層419は、前述したように、出射面112を除くように、垂直共振器面発光レーザVCSELの表面を覆うように形成される。
本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
1…光伝送システム、10…光信号送信装置、11…光源部、12…信号変調部、20…光ファイバ、21…コア、22…クラッド、23…端面、30…信号処理装置、100…発光部、110…発光点、111…円、112…出射面、113…メサ、120…戻り光、200…結合レンズ、210…平凸レンズ部、220…円柱部、410…基板、411…下部分布ブラッグ反射層(下部DBR層)、412…活性層、413…酸化狭窄層、413a…非酸化領域、413b…酸化領域、414…上部分布ブラッグ反射層(上部DBR層)、415…コンタクト層、416…p側電極、417…層間絶縁層、418…出射面保護層、419…配線層、420…n側電極、λ…中心波長、D…光源部と結合レンズとの間の距離、FF…前側焦点、FFP…前側焦点面、RF…後側焦点、RFP…後側焦点面、VCSEL…垂直共振器面発光レーザ、n…屈折率、r…半径

Claims (13)

  1. 光を出射する発光点を有する発光部と、
    前記発光点が出射する光の光路上に設けられ、当該発光点が出射する光を、外部に設けられる光伝送部と結合させるレンズと、を備え、
    前記発光点が、前記レンズの光軸に垂直な方向において、当該光軸からずらして設けられている発光装置。
  2. 前記発光点は、前記レンズの前記光軸からずれた当該光軸に平行な直線上において、前記光伝送部に対して最大の結合効率が得られる位置よりも、当該レンズの前側焦点に近い位置に設けられている請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光点は、前記最大の結合効率が得られる位置での当該発光点への戻り光量に対し、戻り光量の低下が10dB以上となる位置に設けられている請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記発光点は、前記最大の結合効率に対し、結合効率の低下が1dB以下となる位置に設けられている請求項2又は請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記発光点は、前記レンズの前側焦点距離に対し、0.9倍以上且つ1.3倍未満の距離に設けられている請求項1に記載の発光装置。
  6. 前記レンズは、当該レンズの後側焦点に端部が設けられている請求項2に記載の発光装置。
  7. 前記発光部は、複数の発光点を備える請求項1に記載の発光装置。
  8. 複数の前記発光点は、前記レンズの前記光軸を中心とする円に沿って配置されている請求項7に記載の発光装置。
  9. 複数の前記発光点は、数が奇数であって、前記円に沿って等間隔に配置されている請求項8に記載の発光装置。
  10. 前記発光部における前記発光点は、面発光レーザ素子である請求項1に記載の発光装置。
  11. 前記面発光レーザ素子は、シングルモード発振する請求項10に記載の発光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発光装置と、
    前記発光装置を駆動して、取得した電気信号を当該発光装置が備える発光点により光信号に変換させる駆動部と、
    を備える光信号送信装置。
  13. 請求項12に記載の光信号送信装置と、
    前記光信号送信装置から出力される主光線が結合される位置に設けられた光伝送部と、
    を備える光伝送システム。
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