JP2020004598A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の入出力特性を向上させる。【解決手段】非水電解液と、正極、負極、および正極および負極の間に形成された絶縁層を有する電極体と、非水電解液および電極体を収納する外装体と、を有する電池であって、非水電解液の導電率は0〜1.3×10-2S/cmであり、電極体中の空孔体積(X)に対する外装体中の非水電解液の含有量(Y)の割合Y/Xと負極の利用容量(Z)との関係がY/X>9Z-500を満たす電池。【選択図】図1

Description

本発明は、電池に関する。
電池の入出力特性を向上させる技術として、特許文献1には以下の内容が開示されている。正極集電体の表面にリチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面にケイ素を含む負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、電解液を保持するセパレータとを有する発電要素を備えたリチウムイオン二次電池において、電解液を溶質としてのリチウム塩が溶媒としてのメチルテトラグライムに溶解されてなるものとし、かつ、当該電解液の粘度を110mPa・s以下とする。
特開2014-192042号公報
イオン伝導率が低い非水電解液を用いた場合、負極の利用容量および非水電解液の含有量によっては、入出力特性が向上しない場合がある。特許文献1では、負極の利用容量および非水電解液の含有量に基づく入出力特性に関する記載も示唆も見受けられない。本発明は、電池の入出力特性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
非水電解液と、正極、負極、および正極および負極の間に形成された絶縁層を有する電極体と、非水電解液および電極体を収納する外装体と、を有する電池であって、非水電解液の導電率は0〜1.3×10-2S/cmであり、電極体中の空孔体積(X)に対する外装体中の非水電解液の含有量(Y)の割合Y/Xと負極の利用容量(Z)との関係がY/X>9Z-500を満たす電池。
本発明により電池の入出力特性を向上できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
二次電池の断面図。 実施例および比較例の構成および結果。 実施例および比較例の結果。
以下、図面などを用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書に記載される「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として有する意味で使用する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的に記載されている上限値または下限値に置き換えてもよい。本明細書に記載される数値範囲の上限値または下限値は、実施例中に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書では、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例にして説明する。リチウムイオン二次電池とは、電解質中における電極へのリチウムイオンの吸蔵・放出により、電気エネルギーを貯蔵または利用可能とする電気化学デバイスである。これは、リチウムイオン電池、非水電解質二次電池、非水電解液二次電池の別の名称で呼ばれており、いずれの電池も本発明の対象である。本発明の技術的思想は、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、亜鉛二次電池、アルミニウムイオン二次電池などに対しても適用できる。
以下で例示している材料群から材料を選択する場合、本明細書で開示されている内容と矛盾しない範囲で、材料を単独で選択してもよく、複数組み合わせて選択してもよい、また、本明細書で開示されている内容と矛盾しない範囲で、以下で例示している材料群以外の材料を選択しても良い。
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池の断面図である。図1は積層型の二次電池であり、二次電池1000は、正極100、負極200、外装体500および絶縁層300を有する。外装体500は、絶縁層300、正極100、負極200、を収容する。外装体500は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼など、非水電解液に対し耐食性のある材料群から選択される。本発明は、捲回型の二次電池にも適用できる。
二次電池1000内で正極100、絶縁層300、負極200で構成される電極体400が積層されている。外装体500中で電極体400が複数積層されたものを電極体400と称する場合がある。正極100または負極200を電極と称する場合がある。正極100、負極200、または絶縁層300を二次電池用シートと称する場合がある。絶縁層300および電極を有する、特に絶縁層300および電極が一体構造になっているものを電池セルシートと称する場合がある。絶縁層300および電極を一体構造とした場合、電池セルシートを積層するだけで電極体400を作製できる。
正極100は、正極集電体120および正極合剤層110を有する。正極集電体120の両面に正極合剤層110が形成されている。負極200は、負極集電体220および負極合剤層210を有する。負極集電体220の両面に負極合剤層210が形成されている。正極合剤層110または負極合剤層210を電極合剤層、正極集電体120または負極集電体220を電極集電体と称する場合がある。
正極集電体120は正極タブ130を有する。負極集電体220は負極タブ230を有する。正極タブ130または負極タブ230を電極タブと称する場合がある。電極タブには電極合剤層が形成されていない。正極タブ130および負極タブ230は、外装体500の外部に突出しており、突出した複数の正極タブ130同士、複数の負極タブ230同士が、例えば超音波接合などで接合されることで、二次電池1000内で並列接続が形成される。
正極合剤層110は、正極活物質、正極導電剤、正極バインダ、を有する。負極合剤層210は、負極活物質、負極導電剤、負極バインダ、を有する。正極活物質または負極活物質を電極活物質、正極導電剤または負極導電剤を電極導電剤、正極バインダまたは負極バインダを電極バインダと称する場合がある。
<電極導電剤>
電極導電剤は、電極合剤層の導電性を向上させる。電極導電剤は、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの材料群から選択される。
<電極バインダ>
電極バインダは、電極中の電極活物質や電極導電剤などを結着させる。電極バインダは、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロ-ス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ビニリデンフルオライド(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(P(VdF-HFP))などの材料群から選択される。
<正極活物質>
貴な電位を示す正極活物質では、充電過程においてリチウムイオンが脱離し、放電過程において負極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。正極活物質として、遷移金属を有するリチウム複合酸化物が望ましい。正極活物質は、LiMO2、Li過剰組成のLi[LiM]O2、LiM2O4、LiMPO4、LiMVOx、LiMBO3、Li2MSiO4(ただし、M = Co、Ni、Mn、Fe、Cr、Zn、Ta、Al、Mg、Cu、Cd、Mo、Nb、W、Ruなどを少なくとも1種類以上有する)が挙げられる。また、これら材料における酸素の一部をフッ素など、他の元素に置換してもよい。さらに、硫黄、TiS2、MoS2、Mo6S8、TiSe2などのカルコゲナイドや、V2O5などのバナジウム系酸化物、FeF3などのハライド、ポリアニオンを構成するFe(MoO43、Fe2(SO43、Li3Fe2(PO43など、キノン系有機結晶、酸素などの材料群から選択される。
<正極集電体120>
正極集電体120は、アルミニウム箔、アルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板、ステンレス鋼、チタンなどの材料群から選択される。
<負極活物質>
卑な電位を示す負極活物質では、放電過程においてリチウムイオンが脱離し、充電過程において正極合剤層110中の正極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。負極活物質は、炭素系材料(黒鉛、易黒鉛化炭素材料、非晶質炭素材料、有機結晶、活性炭など)、導電性高分子材料(ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレンなど)、リチウム複合酸化物(チタン酸リチウム:Li4Ti5O12やLi2TiO4など)、金属リチウム、リチウムと合金化する金属(アルミニウム、シリコン、スズなどを少なくとも1種類以上有する)やこれらの酸化物などの材料群から選択される。
<負極集電体220>
負極集電体220は、銅箔、銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板、ステンレス鋼、チタン、ニッケルなどの材料群から選択される。
<電極>
電極活物質、電極導電剤、電極バインダおよび溶剤を混合した電極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの塗工方法によって電極集電体へ付着させることで電極合剤層が作製される。溶剤は、Nメチルピロリドン(NMP)、水などの材料群から選択される。その後、溶剤を除去するために電極合剤層を乾燥し、ロールプレスによって電極合剤層を加圧成形することにより電極が作製される。
<絶縁層300>
絶縁層300は、正極100と負極200の間にイオンを伝達させる媒体となる。絶縁層300は電子の絶縁体としても働き、正極100と負極200の短絡を防止する。絶縁層300は、セパレータを有する。
<セパレータ>
セパレータとして、多孔質シート(樹脂セパレータ)を用いることができる。多孔質シートは、セルロース、セルロースの変成体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)など)、ポリオレフィン(ポリプロピレン(PP)、プロピレンの共重合体など)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂、ガラスの材料群から選択される。セパレータを正極100または負極200より大面積にすることで、正極100と負極200の短絡を防止できる。外装体500の空いている1辺や注液孔から二次電池1000に非水電解液を注入することで、セパレータ中に非水電解液が充填される。
セパレータ粒子、セパレータバインダ、および溶剤を有するセパレータ形成用混合物を電極合剤層に塗布することにより、セパレータ(塗布セパレータ)を形成してもよい。セパレータ形成用混合物を上記の多孔質シートに塗布してもよい。塗布セパレータが形成された電極合剤層に多孔質シートを形成してもよい。
セパレータ粒子は、γ-アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、ジルコニア(ZrO2)などの材料群から選択される。セパレータ粒子の平均粒子径は、セパレータの厚さの1/100〜1/2とすることが望ましい。セパレータバインダは、ポリエチレン(PE)、PP、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF、P(VdF-HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアルギン酸、ポリアクリル酸などの材料群から選択される。セパレータバインダにP(VdF-HFP)を用いることにより、多量の非水電解液を絶縁層300中に保持できる。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒を有する。非水溶媒は、イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒および溶媒和電解質塩の混合物(錯体)を有する。イオン液体またはエーテル系溶媒を主溶媒と称する場合がある。イオン液体とは、常温でカチオンとアニオンに解離する化合物であって、液体の状態を保持するものである。イオン液体は、イオン性液体、低融点溶融塩あるいは常温溶融塩と称されることがある。非水溶媒は、大気中での安定性や二次電池内での耐熱性の観点から、低揮発性、具体的には室温における蒸気圧が150Pa以下であるものが望ましいが、これに限られない。
非水電解液にイオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒等の難揮発性の溶媒を用いることで、電極や絶縁層300からの非水電解液の揮発を抑制できる。
非水電解液における主溶媒の重量比率は特には限定されないが、電池安定性および高速充放電の観点から非水電解液中の溶媒の総和に占める主溶媒の重量比率は30〜70wt%、特に40〜60wt%、さらには45〜55wt%であることが望ましい。
<イオン液体>
イオン液体はカチオンおよびアニオンで構成される。イオン液体としては、カチオン種に応じ、イミダゾリウム系、アンモニウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、ピリジニウム系、モルホリニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系などに分類される。イミダゾリウム系イオン液体を構成するカチオンは、1-butyl-3-methylimidazorium(BMI)などのアルキルイミダゾリウムカチオンなどがある。アンモニウム系イオン液体を構成するカチオンは、tetraamylammonium、N,N,N-trimethyl-N-propylammoniumなどのアルキルアンモニウムカチオンがある。ピロリジニウム系イオン液体を構成するカチオンは、N-methyl-N-propylpyrrolidinium(Py13)や1-butyl-1-methylpyrrolidiniumなどのアルキルピロリジニウムカチオンなどがある。ピペリジニウム系イオン液体を構成するカチオンは、N-methyl-N-propylpiperidinium(PP13)や1-butyl-1-methylpiperidiniumなどのアルキルピペリジニウムカチオンなどがある。ピリジニウム系イオン液体を構成するカチオンは、1-butylpyridiniumや1-butyl-4-methylpyridiniumなどのアルキルピリジニウムカチオンなどがある。モルホリニウム系イオン液体を構成するカチオンは、4-ethyl-4-methylmorpholiniumなどのアルキルモルホリニウムなどがある。ホスホニウム系イオン液体を構成するカチオンは、tetrabutylphosphoniumやtributylmethylphosphoniumなどのアルキルホスホニウムカチオンなどがある。スルホニウム系イオン液体を構成するカチオンは、trimethylsulfoniumやtributhylsulfoniumなどのアルキルスルホニウムカチオンなどがある。これらカチオンと対になるアニオンは、bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(TFSI)、bis(fluorosulfonyl)imide、tetrafluoroborate(BF4)、hexafluorophosphate(PF6)、bis(pentafluoroethanesulfonyl)imide(BETI)、trifluoromethanesulfonate(トリフラート)、acetate、dimethyl phosphate、dicyanamide、trifluoro(trifluoromethyl)borateなどがある。
<電解質塩>
非水溶媒がイオン液体を有する場合、非水電解液は電解質塩を有する。電解質塩として、主溶媒に均一に分散できるものが望ましい。カチオンがリチウム、上記アニオンからなるものがリチウム塩として使用することができる。電解質塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、リチウムヘキサフルオロフォスファート(LiPF6)、リチウムトリフラートなどの材料群から選択される。
<エーテル系溶媒>
エーテル系溶媒は、溶媒和電解質塩と溶媒和イオン液体を構成する。エーテル系溶媒は、イオン液体に類似の性質を示すグライム(R-O(CH2CH2O)n-R’(R、R’は飽和炭化水素、nは整数)で表される対称グリコールジエーテルの総称)、クラウンエーテル((-CH2-CH2-O)n(nは整数)で表わされる大環状エーテルの総称)などの材料群から選択される。イオン伝導性の観点から、エーテル系溶媒は、テトラグライム(テトラエチレンジメチルグリコール、G4)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル、G3)、ペンタグライム(ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、G5)、ヘキサグライム(ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、G6)であることが望ましい。クラウンエーテルは、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6などの材料群から選択される。溶媒和電解質塩と錯体構造を形成できる点で、エーテル系溶媒は、テトラグライム、トリグライムを有することが望ましい。
溶媒和電解質塩は、LiFSI、LiTFSI、LiBETI、LiBF4、LiPF6などの材料群から選択される。
<低粘度有機溶媒>
イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒が低粘度有機溶媒を有していてもよい。低粘度有機溶媒は、非水電解液の粘度を下げ、イオン伝導率を向上させる。非水電解液の内部抵抗が大きい場合、低粘度有機溶媒を添加して非水電解液のイオン伝導率を上げることにより、非水電解液の内部抵抗を下げることができる。低粘度有機溶媒は、例えばエーテル系溶媒および溶媒和電解質塩の混合物の25℃における粘度140Pa・sより粘度の小さい溶媒であることが望ましい。低粘度有機溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、リン酸トリメチル(TMP)、リン酸トリエチル(TEP)、亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TFP)、γ-ブチロラクトン(GBL)、メチルホスホン酸ジメチル(DMMP)などの材料群から選択される。イオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒に低粘度有機溶媒としてプロピレンカーボネート(PC)を用いることにより、下記で述べるY/Xが少ない値であっても、所望の下記で述べるZを得ることができる。
<負極界面安定化剤>
非水電解液は負極界面安定化剤を有していてもよい。非水電解液が負極界面安定化剤を有することにより、二次電池のレート特性の向上や電池寿命の向上できる。負極界面安定化剤の添加量は、非水電解液の重量に対して30wt%以下、特に10wt%以下が好ましい。30wt%より大きいと、イオン伝導率を阻害、あるいは電極と反応して抵抗が上昇する可能性がある。負極界面安定化剤は、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などの材料群から選択される。
<腐食防止剤>
非水電解液は腐食防止剤を有していてもよい。腐食防止剤により、正極集電体120が高い電気化学電位に晒されても金属が溶出しにくい皮膜が形成される。腐食防止剤としては、PF6やBF4といったアニオン種を有すること、および水分を含んだ大気で安定な化合物を形成するための強い化学結合を有するカチオン種を含んだ材料が望ましい。
大気で安定な化合物であることを示す一指標としては、水に対する溶解度や加水分解の有無を挙げることができる。腐食防止剤が固体の場合、水に対する溶解度が1%未満であることが望ましい。また、加水分解の有無は、水と混合後の試料の分子構造解析で評価できる。ここでは、加水分解しない、とは、腐食防止剤が吸湿あるいは水と混和した後、100℃以上で加熱し水分を除去した後の残留物の95%が添加剤と同じ分子構造を示していることを意味する。
腐食防止剤は(M−R)+An-で表される(M−R)+An-のカチオンは、(M−R)+であり、Mは窒素(N)、ホウ素(B)、リン(P)、硫黄(S)のいずれかからなり、Rは炭化水素基から構成される。また、(M−R)+An-のアニオンはAn-であり、BF4−やPF6−が好適に用いられる。腐食防止剤のアニオンをBF4−やPF6−にすることで、正極集電体120の溶出を効率的に抑制できる。これは、BF4−やPF6−のFアニオンが電極集電体のSUSやアルミニウムと反応し、不動態皮膜を形成することが影響すると考えられる。
腐食防止剤は、テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート(NBu4PF6)、テトラブチルアンモニウム テトラフルオロボレート(NBu4BF4)の4級アンモニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI−BF4)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート(EMI−PF6)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMI−BF4)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート(BMI−PF6)などのイミダゾリウム塩の材料群から選択される。特に、アニオンがPF6であれば、正極集電体120の溶出を抑制できる。 腐食防止剤の含有量は、非水電解液の総重量に対して、0.5〜20wt%、好ましくは1〜10wt%であることが望ましい。腐食防止剤の含有量が少ないと、電極集電体の溶出を抑制する効果が低下し、充放電に伴い電池容量が低下しやすい。また、腐食防止剤の含有量が多いと、リチウムイオン伝導度が低下し、さらに、腐食防止剤を分解させるために多くの蓄電エネルギーが消費されてしまい、結果として電池容量が低下する可能性がある。
<入出力特性>
イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒および溶媒和電解質塩の混合物の粘度は高い。非水電解液の粘度が大きいと非水電解液のイオン導電率は小さくなるため、イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒および溶媒和電解質塩の混合物のイオン導電度は低くなる。イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒および溶媒和電解質塩の混合物に低粘度有機溶媒を含有させた場合でも、EC等の有機電解液よりイオン導電率は小さい。二次電池1000に0〜1.3×10-2S/cm以下のイオン導電率の低い非水電解液を用いた場合、二次電池1000に大電流を流した場合の過電圧が大きくなるため、二次電池の入出力特性が低くなる。入出力特性とは、例えば0.05CAに対する0.5CAの放電容量の比を言う。
一方、負極200の利用容量は二次電池1000の容量密度に直接影響するため、負極200の利用容量によっては二次電池1000の入出力特性が変化する。また、リチウムイオンが伝搬される経路は、電極体400中の空孔を満たしている非水電解液の量で決定されるため、電極体400の空孔率に対する非水電解液の量によっては二次電池1000の入出力特性が変化する。イオン導電率の低い非水電解液を用いた二次電池1000において、入出力特性を向上させるには、負極200の利用容量を増加させた場合、その増加分に応じた電極体400中の電解液量を規定する必要がある。
そこで、イオン導電率が0〜1.3×10-2S/cmの非水電解液を有する二次電池1000において、電極体400中の空孔体積(X)に対する外装体中の非水電解液の含有量(Y)の割合Y/Xと負極200の利用容量(Z)と関係がY/X>9Z-500を満たすことにより、二次電池1000の入出力特性を向上できる。特に、YとZがY/X=9Z-500を満たすことにより、Yを極端に増加させることなく、望ましいZが得られる。非水電解液のイオン導電率は1.3×10-3〜1.3×10-2S/cmであることが望ましい。非水電解液のイオン導電率が低いと、二次電池1000のエネルギー密度が低くなる可能性がある。
Y/Xは100〜450%、150〜400%であることが望ましい。Y/Xが小さいと、望ましいZが得られない可能性がある。Y/Xを大きくすると、入出力特性の改善が小さくなる一方、非水電解液が二次電池1000から漏液する可能性がある。
Zは60〜90%、特に65〜86%であることが望ましい。Zが小さいと、二次電池1000のエネルギー密度が低くなる可能性がある。Zが大きいと、二次電池1000の寿命が短くなる可能性がある。
非水電解液のイオン導電率は、インピーダンス法で計測できる。Xは、電極体400に使用される各材料の真密度から計算することで計測できる。各材料の真密度は、液相置換法で計測できる。Yは、二次電池1000の重量と二次電池1000中の非水電解液を抜き取り電極を乾燥した後の二次電池1000の重量との差分により計測できる。Zは、正極100の容量に対する負極200の容量比で決定される。例えば、正極100の容量に対して負極200の容量を増加させるほど、負極200の利用容量は低下する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、正極導電剤としてアセチレンブラック(電気化学製:HS100)、正極バインダとしてポリフッカビニリデン(PVDF)を94:4:2の割合で混練機を用いて均一に混合した。この混合物にNメチル2ピロリドン(NMP)を入れスラリー化し、所定の固形分比に調整した後、Al製の正極集電体120上に卓上コーター(サンクメタル製)にて120℃の乾燥炉を通して塗工して、正極100を作製した。塗工量は、両面30.1mg/cm2とした。ロールプレスで密度を調整し、電極密度を3.15g/cm3とした。
負極活物質として黒鉛、負極バインダとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシルメチルセルロース(CMC)を98:1:1の割合で混練機を用いて均一に混合した。この混合物に水を入れ、所定の固形分比に調整した後、Cu製の負極集電体220上に卓上コーターにて100℃の乾燥炉を通して塗工して、負極200を作製した。塗工量は両面18.1mg/cm2とした。ロールプレスで密度を調整し、電極密度を1.55g/cm3とした。正極100に対する負極200の容量が135%になるようにして、負極200の利用容量を65%に設定した。
セパレータ粒子として1μmのSiO2とセパレータバインダとしてP(VdF-HFP)の割合が89.3:10.7になるように混練機を用いて均一に混合した。この混合物にNMPを入れスラリー化し、所定の固形分比に調整した。その後、卓上コーターにて100℃の乾燥炉を通して、電極の両面にスラリーを塗工し、塗布セパレータである絶縁層300を作製した。
電極をエアー式打ち抜き機で正極合剤層110が178×178mm、負極合剤層210が182×183mmとなるように打ち抜き、電極タブ部を作製した。電極を100℃で2h乾燥し、電極中のNMPを除去した。厚みが30μmでPP/PE/PPの3層構造である樹脂セパレータに正極100を挟み込み、正極タブ130が形成されている辺以外の3辺を熱溶着した。
正極100および負極200を所定枚数交互に積層した(電極体400)後、最外層の負極200上に厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレン製のシートを配置した。電極の端部に形成された電極タブ部を束ねて、束ねた電極タブ部とAl製の正極端子およびNi製の負極端子をそれぞれ超音波で溶接した。
電極体400をラミネートフィルムに挟み込み、注液用の1辺を残し、電極タブ部が形成された辺を含む3辺をラミネート封止装置にて200℃で熱封止し、60℃で20h真空乾燥させた。注液用の1辺から電解液を注液し、注液用の1辺を真空封止した。
非水電解液の作製方法は以下の通りである。まず、G4とLiTFSIがモル比で1:1となるよう、秤量してビーカーに投入し、均一溶媒になるまで混合してリチウムグライム錯体を作製した。次いで、リチウムグライム錯体とPCを重量比で56.5:43.5となるよう、秤量してビーカーに投入し、均一溶媒になるまで混合した。さらに、リチウムグライム錯体とPCの混合液とVCとNBu4PF6を重量比で100:3:2.5となるよう、秤量してビーカーに投入し、均一溶媒になるまで混合し、電解液を作製した。非水電解液のイオン導電率は1.3×10-2S/cmであった。電極体400の空孔率に対する非水電解液の含有量は157%であった。
<0.5C容量比の測定方法>
0.05C容量に対する0.5C容量は、0.05CAの放電容量に対する0.5CAの放電容量の比から求めた。まず、作製した二次電池1000を電圧4.2V、電流0.05CAの定電流で充電させ、20時間定電圧充電を行った後、電圧2.7V、電流0.05CAの定電流で放電させた。再度、電圧4.2V、電流0.05CAの定電流で充電させ、20時間定電圧充電を行った後、電流0.5CAの定電流で放電させた。0.05C容量に対する0.5C容量は、87%であった。
<実施例2〜7>
電解液量などを図2のようにした以外は実施例1と同様にした。
<比較例1〜2>
電解液量などを図2のようにした以外は実施例1と同様にした。
<結果>
図2および図3に実施例および比較例の構成および結果を示す。実施例1〜7の二次電池1000の0.05C容量に対する0.5C容量が86%以上であったのに対して、比較例1〜2の二次電池1000の0.05C容量に対する0.5C容量は82%以下であった。
100 正極、110 正極合剤層、120 正極集電体、130 正極タブ
200 負極、210 負極合剤層、220 負極集電体、230 負極タブ
300 絶縁層、400 電極体、500 外装体、1000 二次電池

Claims (6)

  1. 非水電解液と、
    正極、負極、および正極および負極の間に形成された絶縁層を有する電極体と、
    前記非水電解液および前記電極体を収納する外装体と、を有する電池であって、
    前記非水電解液の導電率は0〜1.3×10-2S/cmであり、
    前記電極体中の空孔体積(X)に対する前記外装体中の前記非水電解液の含有量(Y)の割合Y/Xと前記負極の利用容量(Z)との関係がY/X>9Z-500を満たす電池。
  2. 請求項2の電池であって、
    前記非水電解液の導電率は1.3×10-3〜1.3×10-2S/cmである電池。
  3. 請求項3の電池であって、
    Y/Xは100〜450%である電池。
  4. 請求項4の電池であって、
    Zは60〜90%である電池
  5. 請求項5の電池であって、
    前記非水電解液はテトラグライムおよびプロピレンカーボネートを有する電池。
  6. 請求項6の電池であって、
    前記絶縁層はP(VdF-HFP)を有する電池。
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