JP2020004674A - 表示パネル製造装置および表示パネル製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子とは絶縁材料からなる隔壁で仕切られており、カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、有機EL素子が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)(以下、単にR、G、Bという。)の各色に発光する副画素を形成し、隣り合うR、G、Bの副画素が組合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。
通常、このような有機EL表示パネルの製造工程においては、特定の薄膜をパターニングする工程を伴う。従来から行われていた薄膜のパターニングの手法では、例えば、当該薄膜の上にフォトリソグラフィ法を用いてパターン化されたレジストマスクを形成した後、エッチング法などにより当該薄膜の不要な部分を除去してパターニングするようにしている。
ところが、特に、有機EL表示パネルに使用される発光層を含む有機膜は、大気中の酸素や水分の影響により特性が劣化するので、薄膜のパターニング工程は、できるだけ酸素や水分のない雰囲気で行われることが望ましい。
図16(a)、(b)は、上記特許文献1に開示されているパターニング方法の概略を示す図である。
まず、図16(a)に示すように、真空チャンバー830内の真空雰囲気下で、有機EL表示パネルの中間製品710の上にガラスなどからなる透明基板720を密着させて、組み合わせ基板730を作成し、これを真空チャンバー830から取り出した後、図16(b)に示すように、大気中でレーザー加工装置840によりレーザー光LBを照射してパターニングを行うようにしている。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー光の照射によるパターニング法によって薄膜を加工することにより、工程数と設備コストを可及的に抑制しつつ、表示パネルの品質を維持することのできる表示パネルの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
有機EL表示パネルは、基板上に画素電極、有機層(発光層を含む)、及び共通電極が順に設けられた積層構造を有する。共通電極は、基板上の画像表示領域の全面にわたって成膜される場合が多い。
特に、トップエミッション型の有機EL表示パネルにあっては、共通電極に光透過性を有する材料が使用されるため、抵抗値が高く、基板の周縁部に配された給電部(図示せず)から個々の有機EL素子までの距離に応じて電圧降下が異なり、それにより画面内に輝度のばらつきが発生することが懸念される。
ところが、通常、補助電極を形成した後、共通電極を形成するまでの間に、電子輸送層などの有機機能層が形成されるので、共通電極を形成する前に補助電極上の有機機能層を除去してコンタクト用開口部を形成しなければ、補助電極と共通電極の良好な電気的接続を確保できない。
そこで、本願発明者は、真空チャンバーに基板より大きな開口窓を設けて、真空チャンバーの外部にレーザー加工装置を配置して上記開口窓を介してレーザー光を走査して加工する方法を採用すべく、研究を進めた。
図14(a)に示すようにパターニング装置800は、レーザー加工装置810と、レーザー加工装置810に対向する位置に平板状の窓ガラス821を装着した真空チャンバー820とを備える。レーザー加工装置810は、レーザー光を射出するレーザーヘッド(不図示)を備え、これを図14(b)の平面図に示すようにX方向とY方向に移動させることによりレーザー光を走査可能なように構成される。
ところが、このようなパターニング装置800では、加工精度が劣化すること分かった。
そこで、本願の発明者らは、薄膜のパターニングにレーザーパターニング法を採用して、工数の削減および製造コストの低減を図りつつ、良質な有機EL表示パネルの製造を可能とするため、鋭意研究の結果、本開示の一態様に至ったものである。
本開示の一態様は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上方に積層されてなる表示パネルを製造する表示パネル製造装置であって、レーザー光を透過する平板な透明窓を有し、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向させた状態で収納するチャンバーと、前記チャンバーの外方に設けられ、前記透明窓を介して、レーザー光を前記薄膜付基板に向けて照射し、前記薄膜を部分的に除去するレーザー照射部と、前記薄膜付基板を前記チャンバー内で移動させる基板移動部とを備え、前記透明窓の開口面積は、前記薄膜付基板のレーザー照射により除去処理すべき加工対象範囲よりも小さく、前記基板移動部は、前記薄膜付基板の加工対象範囲を、前記透明窓を介してレーザー光で照射できるように前記薄膜付基板を移動させる。
また、本開示の別の態様では、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整部をさらに備える。
本開示の別の態様は、前記透明窓は、前記薄膜付基板の主面と平行であって、前記レーザー光は、前記透明窓の主面に対して垂直に入射される。
この態様によれば、レーザー照射部から射出されたレーザー光が、透明窓の透過時に屈折して、その進路がずれることがなくなり、加工精度が向上する。
この態様により、補助電極上の有機膜を確実に除去して、その後に形成される電極膜との電気的接触を良好にすることができる。
これにより、透明窓を大きくすることなく、チャンバー外部に配されたレーザー照射部により、薄膜付基板の全ての加工領域に対するパターニング加工が実行できる。
石英ガラスは、レーザー光の透過性が良好であると共に、耐久性にも優れているので、高度な加工精度を長時間維持することができる。
また、本開示の別の態様は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造方法であって、レーザー光を透過する平板な透明窓を有するチャンバー内に、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向した状態で収納する基板収納工程と、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、前記チャンバーの外方から、前記透明窓を介して、レーザー光を前記薄膜付基板の加工面に向けて射出し、前記薄膜を部分的に除去する薄膜除去工程と、を含み、前記透明窓の開口面積は、前記薄膜付基板のレーザー照射により除去処理すべき加工対象範囲よりも小さく、前記薄膜除去工程は、前記薄膜付基板の加工対象範囲を、前記透明窓を介してレーザー光で照射できるように前記薄膜付基板を前記チャンバー内で移動させる基板移動工程を含む。
≪実施の形態≫
以下、本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造装置および製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、説明の便宜上、模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。
図1は、有機EL表示パネル製造装置における薄膜パターニング装置200の構成を示す概略図である。図2は、薄膜パターニング装置200を図1のP−P線を通る平面で切断したときの斜視図である。
図1に示すように薄膜パターニング装置200は、レーザー光を走査して基板11に形成された薄膜の不要な部分を除去するレーザー加工装置(レーザー照射部)210、加工対象となる薄膜が形成された基板(有機EL表示パネル10の中間製品。以下、「薄膜付基板」と称する。)110を収納するチャンバー部220、チャンバー部220のテーブル223を、図1のH方向(X軸方向)に移動させる基板移動部230、チャンバー部220内を減圧して真空状態にする真空ポンプ240およびこれらを制御する制御部250などからなる。
図2の斜視図に示すようにレーザー加工装置210は、内部にレーザー光源やレーザー光を収束させるための光学系が内蔵されたレーザーヘッド部211、レーザーヘッド部211をY軸に平行な方向にスライド可能に保持する水平架台212、水平架台212をその長手方向における両端部で保持する一対の脚部213、各脚部213の下方に配され、X軸方向に延在する一対のガイドレール214などからなる。
また、レーザーヘッド部211の筐体内部には、駆動源として例えばリニアモーター2111が内蔵されており、当該駆動源を制御することにより、レーザーヘッド部211が、水平架台212のガイド溝2121に沿ってY軸方向に移動するように構成される。
なお、図2では、ガイドレール214は、X方向に長く伸びているが、本実施の形態では、少なくともレーザー光LBの照射位置が、窓ガラス222のX方向における幅W1分だけ移動できるだけの距離だけあればよい。
(2)チャンバー部220
図1に戻り、チャンバー部220の真空チャンバー221は、上面に開口部を有し、この開口部に平板状の窓ガラス(透明板)222が、シール部材(不図示)などを介して気密に嵌め込まれている。
窓ガラス222は、帯状の板ガラスであり、その長手方向(Y方向)の長さL1は、薄膜付基板110のY方向における幅より長く、また、窓ガラス222の短手方向(X方向)における幅W1は、薄膜付基板110のX方向の長さよりも大幅に短く設定されており、本実施の形態では、例えば、30mmにしている。
(3)基板移動部230
基板移動部230は、テーブル223が、X方向に移動可能に載置される基台231と、基台231の上面に形成された、テーブル223の底面に形成された溝と係合して、テーブル223をX方向に案内するガイドレール232と、基台231に内蔵され、テーブル223をX方向に移動させるリニアモーター233とを有する。
(4)真空ポンプ240
真空ポンプ240は、真空チャンバー221内の空気を吸引して減圧し、真空チャンバー221内を所定の真空状態に維持する。
図3は、制御部250の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部250は、CPU(Central Processing Unit)251、RAM(Random Access Memory)252、ROM(Read Only Memory)253、パターンメモリ254などからなる。
図4は、上記薄膜パターニング装置200を含む有機EL表示パネルの製造装置で形成された有機EL表示パネル10を組み込んだ有機EL表示装置100の全体構成を示すブロック図である。
有機EL表示装置100は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。
有機EL表示パネル10は、本実施の形態では、上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。有機EL表示パネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、有機EL表示パネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
なお、図4では、一例として、駆動回路410が有機EL表示パネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部400の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路410の数や位置は適宜変更可能である。また、以下では説明のため、図4に示すように、有機EL表示パネル10上面の長辺に沿った方向をX方向、有機EL表示パネル10上面の短辺に沿った方向をY方向とする。
(A)平面構成
図5は、有機EL表示パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。
有機EL表示パネル10では、一例として、R、G、B色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが行列状に配列されている。副画素100R、100G、100Bは、X方向に交互に並び、X方向に並ぶ一組の副画素100R、100G、100Bが、一つの画素Pを構成している。
また、Y方向においては、副画素100R、副画素100G、副画素100Bのいずれかのみが並ぶことでそれぞれ副画素列CR、副画素列CG、副画素列CBが構成されている。これにより、有機EL表示パネル10全体として画素Pが、X方向及びY方向に沿った行列状に並び、この行列状に並ぶ画素Pの発色を組み合わせることにより、画像表示面に画像が表示される。
ただし、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100B同士を絶縁する画素規制層141がY方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素100R、100G、100Bは、独立して発光することができるようになっている。
ここで、一組の副画素列CR、CG、CBからなる領域を一の発光領域500(発光部)と定義すると、隣接する2つの発光領域の間には、各副画素列と平行に伸びる補助電極形成領域600(非発光列)が存在する。
(B)有機EL表示パネルの断面構成
上述のように、有機EL表示パネル10において、一つの画素は、R、G、Bをそれぞれ発光する3つの副画素からなる。各副画素は、対応する色を発光する有機EL素子2で構成される。
同図に示すように、本実施の形態においては、有機EL表示パネル10は、基板11、層間絶縁層12、画素電極13、隔壁14、発光層15、電子輸送層16、共通電極17、封止層18、および、補助電極131などからなる。
基板11、層間絶縁層12、電子輸送層16、共通電極17、および、封止層18は、画素ごとに形成されているのではなく、有機EL表示パネル10が備える複数の有機EL素子2に共通して形成されている。
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、副画素ごとに駆動回路が形成されている。基材111は、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。また、図6の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、副画素ごとにコンタクトホールが形成されている。
画素電極13は、副画素ごとに設けられ、コンタクトホール(不図示)を通じてTFT層112と電気的に接続されている。
本実施の形態においては、画素電極13は、陽極として機能する。
本実施の形態では、有機EL表示パネル10は、トップエミッション型であるので、画素電極13は、発光効率向上のため、光反射性を有する金属材料によって形成される。
(4)補助電極(バスバー)
補助電極131は、層間絶縁層12上の上記画素電極13と同じ層に形成される。後述するように、製造工程の簡易化の観点から、補助電極131は、上記画素電極13と同じ工程で形成され、画素電極13と同じ材料が用いられる。
隔壁14は、基板11の上方に副画素ごとに配置された複数の画素電極13を、X方向において列毎に仕切るものであって、X方向に並ぶ副画素列CR、CG、CBの間においてY方向に延伸するラインバンク形状である。
この隔壁14には、電気絶縁性材料が用いられる。電気絶縁性材料の具体例として、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)が用いられる。
なお、隔壁14の素材として、樹脂材料を用いる際は、加工性の点から感光性を有することが好ましい。当該感光性は、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよいが、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、隔壁14の表面は所定の撥液性を有することが好ましい。
画素規制層141は、電気絶縁性材料からなり、各副画素列においてY方向に隣接する画素電極13の端部を覆い、当該Y方向に隣接する画素電極13同士を仕切っている。
画素規制層141の膜厚は、画素電極13の膜厚よりも若干大きいが、発光層15の上面までの厚みよりも小さくなるように設定されている。これにより、各副画素列CR、CG、CBにおける発光層15は、画素規制層141によっては仕切られず、発光層15を形成する際のインクの流動が妨げられない。そのため、各副画素列における発光層15の厚みを均一に揃えることを容易にする。
画素規制層141に用いられる電気絶縁性材料の具体例としては、上記隔壁14の材料として例示した樹脂材料や無機材料などが挙げられる。また、上層となる発光層15を形成する際、インクが濡れ広がりやすいように、画素規制層141の表面はインクに対する親液性を有することが好ましい。
(6)発光層
発光層15は、発光領域500における隔壁14の間に形成されており、正孔と電子の再結合により、R、G、Bの各色の光を発光する機能を有する。なお、特に、発光色を特定して説明する必要があるときには、発光層15(R)、15(G)、15(B)と記す。
電子輸送層16は、共通電極17からの電子を発光層15へ輸送する機能を有する。電子輸送層16は、電子輸送性が高い有機材料からなり、アルカリ金属、および、アルカリ土類金属を含まない。
電子輸送層16に用いられる有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
(8)共通電極
共通電極17は、透光性の導電性材料からなり、電子輸送層16上に形成されている。共通電極17は、陰極として機能する。
また、補助電極形成領域600においては、コンタクト用開口部161を介して、共通電極17が補助電極131上に直接形成される。
封止層18は、内部の有機EL素子の構成要素、特に、発光層15、電子輸送層16などの有機層が水分やその他の液体に晒されたり、空気に晒されたりして劣化するのを防止するために設けられるものである。
本実施の形態においては、封止層18は、窒化シリコン(SiN)の薄膜であって、共通電極17の上面を被覆する。また、上述の窒化シリコン(SiN)のほかに、他の適当な無機材料(例えば、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)等)を使用してもよい。
図6には示されてないが、封止層18上に接着剤を介して防眩用の偏光板や上部基板を貼り合せてもよい。これらを貼り合せることによって、有機EL素子2の構成要素、特に有機層が水分および空気などから、さらに保護される。
4.有機EL表示パネル10の製造方法
以下、上記の有機EL表示パネル10の製造方法について、図面を用いて説明する。
(1)基板準備工程
まず、基材111上にTFT層112を成膜して基板11を準備する(図7(a)、図10のステップS1)。TFT層112は、公知のTFTの製造方法により成膜することができる。
また、層間絶縁層12における、TFT素子の例えばソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール(不図示)を形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するようにパターニングなどを用いて形成される。
(2)画素電極・補助電極形成工程
次に、層間絶縁層12上に画素電極13および補助電極131を形成する(図10のステップS2)。
次に、隔壁14および画素規制層141を形成する(図10のステップS3)。
本実施の形態では、以下のようにしてハーフトーンマスクを用いて、隔壁14と画素規制層141同時に形成するようにしている。
まず、画素電極13が形成された層間絶縁層12上に、樹脂材料を隔壁14の膜厚だけ塗布して隔壁材料層1400を形成する(図8(a))。具体的な塗布方法として、例えばダイコート法やスリットコート法、スピンコート法などの湿式法を用いることができる。
例えば、隔壁材料層がポジ型の感光性を有する場合は、隔壁材料層1400を残す箇所を遮光し、除去する部分を露光する。
そのため、この露光工程で使用されるフォトマスクは、隔壁14に対応する位置に配され光を完全に遮断する遮光部と、画素規制層141に対応する位置に配された半透明部と、それ以外の画素電極13の露出部分および補助電極131に対応する位置に配された透光部とを有するものが用いられる。
次に、現像を行い、隔壁材料層1400の露光領域を除去することにより、隔壁14と、これよりも膜厚の小さな画素規制層141を形成することができる。具体的な現像方法としては、例えば、基板11全体を、隔壁材料層1400の露光により感光した部分を溶解させる有機溶媒やアルカリ液などの現像液に浸した後、純水などのリンス液で基板11を洗浄すればよい。
(4)発光層形成工程
次に、上記画素電極13の上方に、発光層15を形成する(図10のステップS4)。
具体的には、各一対の隔壁14で挟まれた開口部に、対応する発光色の発光材料を含むインクを、印刷装置の塗布ヘッド301のノズル3011から順次吐出して開口部内の画素電極13上に塗布する。この際、インクを画素規制層141の上方においても連続するように塗布する。これにより、Y方向に沿ってインクが流動可能となり、インクの塗布むらを低減して、同一の副画素列における発光層15の膜厚を均一化することが可能となる。
(5)電子輸送層形成工程
次に、発光層15、隔壁14、画素規制層141、補助電極131上に共通の電子輸送層16を形成する(図9(a)、図10のステップS5)。電子輸送層16は、例えば、電子輸送性の有機材料を蒸着法により成膜することにより形成される。
次に、上述の薄膜パターニング装置200(図1)により、補助電極131上の電子輸送層16を除去してコンタクト用開口部161を形成する(図10のステップS6)。
基板11上方に電子輸送層16が成膜された有機EL表示パネル10の中間製品(図9(a)の状態)である薄膜付基板110を、基板搬送ロボットにより、薄膜パターニング装置200の真空チャンバー221内のテーブル223上の所定箇所に位置決めして載置し、真空ポンプ240を作動させて真空チャンバー221内を減圧し、予め設定されている高真空状態(0.00001Pa)にする。
具体的に、制御部250は、レーザー加工装置210のレーザーヘッド部211を、所定の基準位置(ホームポジション)に移動させた後、加工対象となる薄膜のみを選択的に除去できるようなレーザー出力と走査速度で、内部の記憶メモリに予め記憶されたプログラム(パターンデータ)に基づいて、窓ガラス222を介して薄膜付基板110上にレーザー光を照射し、窓ガラス222の幅W1の範囲内で加工が終了すると、基板移動部230で薄膜付基板110をH方向に幅W1だけ移動させると共に、レーザーヘッド部211を再び基準位置に戻して、次の加工領域について引き続きパターニングを実行する。このような動作を繰り返して、薄膜付基板110の全加工領域についてのパターニング加工を実行する。
(7)共通電極形成工程
次に、電子輸送層16上に、共通電極17を形成する(図10のステップS7)。本実施の形態では、共通電極17は、銀、アルミニウム等を、スパッタリング法または真空蒸着法により成膜することにより形成される。
(8)封止層形成工程
次に、共通電極17上に、封止層18を形成する(図10のステップS8)。
4.効果のまとめ
上記開示の態様によれば、次のような効果が得られる。
有機薄膜を含む表示パネル、特に、有機EL素子パネルにおいては、有機薄膜が酸素や水分を嫌うため、レーザー加工においても、密閉された真空雰囲気下にあるチャンバー内で行うことが望ましい。
窓ガラス222は、帯状の板ガラスであり、その長手方向(Y方向)の長さは、薄膜付基板110のY方向における幅より長く、また、窓ガラス222の短手方向(X方向)における幅は、薄膜付基板110のX方向の長さよりも大幅に短く設定されている。
窓ガラス222の面積が小さくなって、その全重量が少なくなるので、自重により窓ガラス222の中央部が下方に向けて撓むことがなくなり、窓ガラス222全体と薄膜付基板110を平行に維持することができる。
以上、本開示の態様によれば、レーザー加工により薄膜のパターニングを行うことにより、従来のフォトリソグラフィ法やエッチング法を利用したパターニング方法より、大幅に工程を削減できると共に、品質の高い有機EL表示パネルの製造を可能にする。
≪変形例≫
本発明の一態様として、有機EL表示パネルの製造装置及び製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の説明に何ら限定を受けるものではない。以下では、本発明の他の態様例である変形例を説明する。
上記実施の形態では、補助電極131上の樹脂からなる電子輸送層16をパターニングしたが、電子輸送層以外に、電子注入層や正孔注入層、正孔輸送層などの複数の薄膜が補助電極131上に形成される場合であっても、それらの薄膜の材質が吸収する共通の波長域のレーザー光を発生するレーザー加工装置によって一気にコンタクト用開口部161を形成して補助電極131を露出させることも可能である。
しかし、より安定して、確実に補助電極131のみを残し、その上層の薄膜を除去するためには、特定の波長域のレーザー光に対し、薄膜のレーザー光の吸収率が補助電極131を構成する金属の吸収率よりもできるだけ大きくなるように、それらの材料およびレ−ザー光の波長域を選択することが望ましい。
(2)パターニングの対象となる薄膜について
上記実施の形態では、補助電極131上の電子輸送層16にコンタクト用開口部161を形成する場合について説明したが、他の場合においても薄膜パターニング装置200によって薄膜をパターニングすることは可能である。
上記実施の形態では、窓ガラス222の素材として、広い波長範囲について透過性が良好で、耐久性に優れた石英ガラスを使用するようにしたが、使用するレーザー光の波長域によっては、ソーダガラスや、また、アクリル板などの透明樹脂板の使用もあり得る。透明樹脂板は、ガラスよりも剛性が小さく撓みやすいので、上述のように開口面積を小さくすることにより得られる効果も大きい。
上記実施の形態では帯状の窓ガラス222を1個だけ設置したが、以下の例にように窓ガラスを複数設置するようにしてもよい。
<第1の変形例>
図11に示すように真空チャンバー221の上面に、幅W2、長さL2の帯状の3枚の窓ガラス2221〜2223を所定の間隔d1をおいて平行に設けるようにしても構わない。
平行に設ける帯状の窓ガラスの枚数が多いほど、窓ガラス間の最大間隔を狭くできるので、それだけ薄膜付基板110を真空チャンバー221内でX方向に沿って移動させなければならない距離も短くなり、真空チャンバー221をさらにコンパクト化できる。
図12に示すように真空チャンバー221の上面に、小さな窓ガラス222a〜222eを千鳥状に配置することによっても、基板移動部230により薄膜付基板110を所定量移動させながら、レーザー加工装置210で、それらの窓ガラスを介して臨める範囲を走査することにより、薄膜付基板110の全加工領域のレーザー加工が可能である。
また、図13に示すように真空チャンバー221の上面に、複数の小さな窓ガラス22211〜22237を、薄膜付基板110の全加工領域を含む範囲内においてマトリクス状に設けるようにしてもよい。
この場合には、薄膜付基板110の全加工領域を加工するため、基板移動部230は、薄膜付基板110をX方向とY方向の両方向に移動させるように構成する必要があるが、各窓ガラスの間隔が狭いので、移動させる距離はそれほど大きくする必要はなく、真空チャンバー221をよりコンパクト化することが可能である。
なお、例外的ではあるが、酸素や水分の影響を受けない(あるいは受けにくい)薄膜からなる表示パネルにあっては、上記のような雰囲気調整を必要としない場合があり得る。
(8)上記実施の形態では、各有機EL素子が、画素電極、発光層、電子輸送層、共通電極からなる構成であるとしたが、例えば、画素電極と発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層を含む構成であってもよいし、電子輸送層と共通電極との間に電子注入層を含む構成であってもよい。なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの機能を有する有機膜の上位概念として有機機能層と総称することができる。
例えば、まず、Y方向における画素電極列を仕切るための画素規制層141を形成する。
(10)上記実施の形態においてはラインバンク方式の有機EL表示パネルについて説明したが、発光領域500において、一つの副画素ごとにその四方を隔壁で囲むようにした、いわゆるピクセルバンク方式の有機EL表示パネルであっても構わない。
(13)また、上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10は、アクティブマトリクス方式を採用したが、これに限られず、パッシブマトリクス方式を採用してもよい。
≪補足≫
以上、本開示に係る表示パネルの製造装置および製造方法について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10 有機EL表示パネル
11 基板
12 層間絶縁層
13 画素電極
14 隔壁
15 発光層
16 電子輸送層
17 共通電極
18 封止層
100 有機EL表示装置
110 薄膜付基板
100B、100G、100R 副画素
111 基材
112 TFT層
131 補助電極
141 画素規制層
161 コンタクト用開口部
200 薄膜パターニング装置
210 レーザー加工装置
220 チャンバー部
221 チャンバー
222 窓ガラス
230 基板移動部
240 真空ポンプ
250 制御部
2221〜2223 窓ガラス
22211〜22237 窓ガラス
Claims (7)
- 有機膜を含む複数の薄膜が基板上方に積層されてなる表示パネルを製造する表示パネル製造装置であって、
レーザー光を透過する平板な透明窓を有し、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向させた状態で収納するチャンバーと、
前記チャンバーの外方に設けられ、前記透明窓を介して、レーザー光を前記薄膜付基板に向けて照射し、前記薄膜を部分的に除去するレーザー照射部と、
前記薄膜付基板を前記チャンバー内で移動させる基板移動部と
を備え、
前記透明窓の開口面積は、前記薄膜付基板のレーザー照射により除去処理すべき加工対象範囲よりも小さく、
前記基板移動部は、
前記薄膜付基板の加工対象範囲を、前記透明窓を介してレーザー光で照射できるように前記薄膜付基板を移動させる
ことを特徴とする表示パネル製造装置。 - 前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル製造装置。
- 前記透明窓は、前記薄膜付基板の主面と平行であって、前記レーザー光は、前記透明窓の主面に対して垂直に入射される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネル製造装置。 - 前記基板の上方に形成された薄膜は、金属からなる補助電極に積層された有機膜であって、前記レーザー照射部は、予め決定されたパターンで、前記レーザー光を走査して前記補助電極上の有機膜を除去する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。 - 前記透明窓は、前記薄膜付基板の主面に沿って第1の方向に伸びる長尺な帯形状であり、前記基板移動部は、前記薄膜付基板を、その主面に沿った、前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。 - 前記透明窓は、石英ガラスからなる
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。 - 有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造方法であって、
レーザー光を透過する平板な透明窓を有するチャンバー内に、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向した状態で収納する基板収納工程と、
前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、
前記チャンバーの外方から、前記透明窓を介して、レーザー光を前記薄膜付基板の加工面に向けて射出し、前記薄膜を部分的に除去する薄膜除去工程と、
を含み、
前記透明窓の開口面積は、前記薄膜付基板のレーザー照射により除去処理すべき加工対象範囲よりも小さく、
前記薄膜除去工程は、
前記薄膜付基板の加工対象範囲を、前記透明窓を介してレーザー光で照射できるように前記薄膜付基板を前記チャンバー内で移動させる基板移動工程を含む
ことを特徴とする表示パネル製造方法。
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