JP2020005152A - ドハティ増幅器及びその故障検出方法 - Google Patents

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【課題】FETの種類によらずに簡易な方法でピーク増幅器の故障を検出することが可能な技術を提供する。【解決手段】AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器2と、C級にバイアスされたピーク増幅器3とを備えたドハティ増幅器において、キャリア増幅器2のドレイン電流を検出するドレイン電流検出部5と、ピーク増幅器3のドレイン電流を検出するドレイン電流検出部6と、キャリア増幅器2のドレイン電流(ドレイン電流検出部5による検出値)が基準値以上の場合のピーク増幅器3のドレイン電流(ドレイン電流検出部6による検出値)に基づいて、ピーク増幅器3の故障を検出する故障検出部7とを備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えたドハティ増幅器におけるピーク増幅器の故障を検出する技術に関する。
無線通信に用いられる電力増幅器には、高い電力効率と低非線形歪という、相反する性能が求められる。高い電力効率を得る方法の一つとして、ドハティ増幅器が用いられている。一般的なドハティ増幅器は、AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えた構成となっている。キャリア増幅器やピーク増幅器の増幅素子として用いられるFET(Field Effect Transistor)には、LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)、GaN(窒化ガリウム)やGaAS(ガリウム砒素) FETなど、種々の種類のものがある。
キャリア増幅器はAB級又はB級にバイアスされているため、常に入力信号の増幅が行われる。一方、ピーク増幅器はC級にバイアスされているため、瞬時電力が小さい場合には増幅しないので、このときのドハティ増幅器としての消費電力は少なくて済む。瞬時電力が大きい場合には増幅を行い、ピーク増幅器の出力電力はキャリア増幅器の出力電力と合成される。つまり、ドハティ増幅器では、消費電力を抑え、飽和電力を大きくすることができ、高い電力効率を得ることができる。
このようなドハティ増幅器に関し、種々の発明が提案されている。例えば、特許文献1には、ピーク増幅器の故障が発生した場合、IMD(Inter Modulation Distortion)とPAR(Peak to Average Ratio)の劣化を補いながら継続稼働できるようにしたドハティ増幅器が開示されている。
特開2012−49879号公報
ドハティ増幅器ではピーク増幅器はC級にバイアスされているため、入力信号の電力レベルが低い場合にはピーク増幅器にドレイン電流が流れない。したがって、ピーク増幅器を構成するFETの故障の検知をピーク増幅器のドレイン電流の監視だけで行おうとしても、入力信号レベルが低いのか、故障しているのかの判別がつかない。
このピーク増幅器の故障を判別する方法として、FETの故障時にはゲート・ソース間がショートとなる場合がほとんどであることを利用し、ゲートバイアス回路に流れる電流値を検出して故障を判別する方法が考えられる。しかしながら、GaNやGaAS FETの場合は動作時にゲート電流が流れる特性があるため、これらの種類のFETにはこの方法は使えない。
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、FETの種類によらずに簡易な方法でピーク増幅器の故障を検出することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るドハティ増幅器は、以下のような技術的特徴を備える。
すなわち、本発明に係るドハティ増幅器は、AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えたドハティ増幅器において、前記キャリア増幅器のドレイン電流を検出する第1のドレイン電流検出手段と、前記ピーク増幅器のドレイン電流を検出する第2のドレイン電流検出手段と、前記第1のドレイン電流検出手段による検出値が基準値以上の場合の前記第2のドレイン電流検出手段による検出値に基づいて、前記ピーク増幅器の故障を検出する故障検出手段とを備えたことを特徴とする。
より具体的には、本発明に係るドハティ増幅器は、前記キャリア増幅器のドレイン電流が前記基準値以上の場合に少なくとも流れるべき前記ピーク増幅器のドレイン電流より小さい値が閾値として予め設定されており、前記故障検出手段は、前記第1のドレイン電流検出手段による検出値が前記基準値以上で、前記第2のドレイン電流検出手段による検出値が前記閾値より小さい場合に、前記ピーク増幅器の故障と判断することを特徴とする。
このように、本発明に係るドハティ増幅器は、キャリア増幅器のドレイン電流が基準値以上流れている場合のピーク増幅器のドレイン電流を調べるだけで、ピーク増幅器の故障を検出する構成となっている。このような手法によれば、ピーク増幅器の故障を簡易に検出できるだけでなく、FETの種類によらずにピーク増幅器の故障を検出できるようになる。
本発明によれば、FETの種類によらずに簡易な方法でピーク増幅器の故障を検出することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るドハティ増幅器の構成例を示す図である。 ピーク増幅器が正常な場合のドレイン電流及び出力電力の特性を示す図である。 ピーク増幅器が故障した場合のドレイン電流及び出力電力の特性を示す図である。
本発明の一実施形態に係るドハティ増幅器について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るドハティ増幅器の構成例を示してある。本例のドハティ増幅器は、入力端子1と、キャリア増幅器2と、ピーク増幅器3と、出力端子4と、ドレイン電流検出部5,6と、故障検出部7とを備える。ここで、ドレイン電流検出部5は本発明に係る第1のドレイン電流検出手段に対応し、ドレイン電流検出部6は本発明に係る第2のドレイン電流検出手段に対応し、故障検出部7は本発明に係る故障検出手段に対応している。
入力端子1に入力された信号は、キャリア増幅器2とピーク増幅器3に分配される。キャリア増幅器2は、AB級又はB級にバイアスされており、常に、入力信号の電力レベルを増幅して出力する。ピーク増幅器3は、C級にバイアスされており、入力信号の電力レベルが小さい間は増幅せず、通常動作レベル以上になった場合に増幅して出力する。キャリア増幅器2の出力電力とピーク増幅器3の出力電力は合成され、出力端子4から出力される。
ドレイン電流検出部5は、キャリア増幅器2のドレイン側に接続されており、キャリア増幅器2のドレイン電流を検出する。ドレイン電流検出部6は、ピーク増幅器3のドレイン側に接続されており、ピーク増幅器3のドレイン電流を検出する。ドレイン電流検出部5,6による検出結果は、故障検出部7に入力される。故障検出部7は、ドレイン電流検出部5,6による検出結果に基づいて、ピーク増幅器3の故障の検出を行う。
図2には、ピーク増幅器が正常な場合のドレイン電流及び出力電力の特性を例示してある。図2に示すように、入力信号の電力レベルが低い間はキャリア増幅器のみが動作し、ピーク増幅器にはドレイン電流が流れない。そして、入力信号の電力レベルの上昇に伴ってピーク増幅器にもドレイン電流が流れ始め、入力信号の電力レベルがピーク増幅器の動作点以上になるとピーク増幅器による入力信号のピーク増幅が開始される。
以下、ピーク増幅器の動作点における入力信号の電力レベルを「通常動作レベル」という。通常動作レベルではピーク増幅器のドレイン電流は多少流れる状態となっており、入力信号の条件やFETの性能にもよるが、一般的には、キャリア増幅器のドレイン電流:ピーク増幅器のドレイン電流=8:2〜7:3 程度の割合であることが多い。
図3には、ピーク増幅器が故障した場合のドレイン電流及び出力電力の特性を例示してある。図3に示すように、ピーク増幅器が故障した場合でも、キャリア増幅器には入力信号の電力レベルに応じたドレイン電流が流れる。これに対し、故障したピーク増幅器にはドレイン電流が流れない。
以上より、ピーク増幅器に或る程度のドレイン電流が流れるべき状況でキャリア増幅器のドレイン電流とピーク増幅器のドレイン電流とを調べることで、ピーク増幅器が故障しているか否かを判断できることが分かる。
そこで、本例のドハティ増幅器では、故障検出部7が、キャリア増幅器2のドレイン電流(ドレイン電流検出部5による検出値)が基準値以上の場合のピーク増幅器3のドレイン電流(ドレイン電流検出部6による検出値)に基づいて、ピーク増幅器3の故障を検出する構成となっている。
より具体的には、キャリア増幅器2のドレイン電流に関する基準値(Id_C_a)と、ピーク増幅器3のドレイン電流に関する閾値(Id_P_th)とを用いて、ピーク増幅器3の故障を検出する構成となっている。すなわち、キャリア増幅器2のドレイン電流が基準値(Id_C_a)以上の場合に少なくとも流れるべきピーク増幅器3のドレイン電流より小さい値を閾値(Id_P_th)として予め設定しておき、キャリア増幅器2のドレイン電流が基準値(Id_C_a)以上で、ピーク増幅器3のドレイン電流が閾値(Id_P_th)より小さい場合に、ピーク増幅器3の故障と判断する。
このような構成により、FETの種類によらずにピーク増幅器の故障を検出することができる。しかも、キャリア増幅器のドレイン電流とピーク増幅器のドレイン電流を見るだけでピーク増幅器の故障を検出できるので、装置構成を簡易にすることができる。
ここで、基準値(Id_C_a)は、一例として、入力信号の電力レベルが通常動作レベルの場合のキャリア増幅器のドレイン電流とすることができる。この場合には、閾値(Id_P_th)として、入力信号の電力レベルが通常動作レベルの場合に少なくとも流れるべきピーク増幅器のドレイン電流より小さい値を設定しておけばよい。このように、基準値および閾値として、互いに対応する関係にある値を予め適切に設定しておくことで、ピーク増幅器の故障検出を安定して行うことができるようになる。
なお、図2や図3に示すように、入力信号が通常動作レベルより小さい電力レベルAの場合におけるキャリア増幅器及びピーク増幅器のドレイン電流に基づいて、基準値および閾値を設定してもよい。このような設定とすることで、入力信号が通常動作レベルより小さい電力レベルAの段階でピーク増幅器の故障を検出できるので、故障検出の動作範囲を広げることができる。
ただし、入力信号の電力レベルがAよりも低い状況ではピーク増幅器が故障していても検出できない。しかしながら、キャリア増幅器のみでも性能をカバー可能な電力レベルの範囲内で基準値および閾値を設定すれば、ドハティ増幅器としての性能に影響はない。したがって、入力信号の電力レベルがAよりも低い状況でピーク増幅器の故障を検出できなくても実運用に問題はない。
基準値および閾値は、別の観点に基づいて設定してもよく、例えば、ピーク増幅器の入出力特性を考慮して設定してもよい。すなわち、ピーク増幅器の入出力特性は、入力信号の電力レベルが小さい間は非線形だが所定レベル以降は線形性を有しており、入出力特性が線形性を有する区間を使用してピーク増幅が行われるので、ピーク増幅を行う前の区間、つまり、入出力特性が非線形の区間の電力レベルについて基準値および閾値を設定する。これにより、ピーク増幅を行わない期間においてもピーク増幅器の故障を検出できるようになる。なお、入力信号の電力レベルが低すぎるとピーク増幅器の動作が不安定になるため、入力信号が或る程度の電力レベル以上の場合に故障判定を行うようにすることが好ましく、例えば、ピーク増幅器の入出力特性が非線形の区間と線形の区間との境界付近の電力レベルについて基準値および閾値を設定してもよい。
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法や方式、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
本発明は、AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えたドハティ増幅器に利用することができる。
1:入力端子、 2:キャリア増幅器、 3:ピーク増幅器、 4:出力端子、 5,6:ドレイン電流検出部、 7:故障検出部

Claims (3)

  1. AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えたドハティ増幅器において、
    前記キャリア増幅器のドレイン電流を検出する第1のドレイン電流検出手段と、
    前記ピーク増幅器のドレイン電流を検出する第2のドレイン電流検出手段と、
    前記第1のドレイン電流検出手段による検出値が基準値以上の場合の前記第2のドレイン電流検出手段による検出値に基づいて、前記ピーク増幅器の故障を検出する故障検出手段とを備えたことを特徴とするドハティ増幅器。
  2. 請求項1に記載のドハティ増幅器において、
    前記キャリア増幅器のドレイン電流が前記基準値以上の場合に少なくとも流れるべき前記ピーク増幅器のドレイン電流より小さい値が閾値として予め設定されており、
    前記故障検出手段は、前記第1のドレイン電流検出手段による検出値が前記基準値以上で、前記第2のドレイン電流検出手段による検出値が前記閾値より小さい場合に、前記ピーク増幅器の故障と判断することを特徴とするドハティ増幅器。
  3. AB級又はB級にバイアスされたキャリア増幅器と、C級にバイアスされたピーク増幅器とを備えたドハティ増幅器の故障検出方法において、
    前記キャリア増幅器と前記ピーク増幅器のそれぞれのドレイン電流を検出し、前記キャリア増幅器のドレイン電流が基準値以上の場合の前記ピーク増幅器のドレイン電流に基づいて、前記ピーク増幅器の故障を検出することを特徴とする故障検出方法。
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