以下、一実施形態について図面を参照して説明する。
図6において、1は電気掃除機である。電気掃除機1は、本実施形態において、ユーザが床面上を走行させて移動させ、床面上の塵埃を掃除する床面を掃除する。本実施形態では、電気掃除機1として、キャニスタ型の電気掃除機を例に挙げて説明するが、アップライト型やスティック型、ハンディ型の電気掃除機等でもよく、自律走行式のロボットクリーナ等でもよい。以下、本実施形態において、前後方向、左右方向および上下方向は、キャニスタ型の電気掃除機1を床面等の平面に載置した状態を基準として説明するが、これに限定されるものではない。
電気掃除機1は、掃除機本体2を備えている。掃除機本体2には、本実施形態において、風路体3が着脱可能に接続される。風路体3は、吸込風路を形成するものである。風路体3は、本実施形態において、ホース体4、延長管5、および、吸込口体6を備えている。また、風路体3は、ユーザが把持操作する操作部7を備えている。操作部7には、電気掃除機1の起動および停止を設定する設定手段8が配置されている。なお、風路体3は、電気掃除機1がアップライト型やスティック型、ハンディ型の場合にはそれぞれの態様に対応する構成とすればよく、電気掃除機1がロボットクリーナである場合には不要である。
掃除機本体2には、吸込口9が形成されている。吸込口9は、掃除機本体2の前端に位置しているが、この位置に限定されるものではない。本実施形態において、吸込口9には風路体3が接続される。また、吸込口9には、吸込口シール10が取り付けられている。吸込口シール10は、弾性を有する部材等により形成され、吸込口9の下流端側に取り付けられている。
また、図5および図6に示すように、掃除機本体2は、本体部11を備えている。本体部11には、集塵室12が形成されている。集塵室12は、掃除機本体2の前部に形成されている。集塵室12は、吸込口9と連通し、吸込口9に取り付けられた吸込口シール10の下流端部が集塵室12内に突出している。本実施形態の集塵室12は、上側が開口されている。なお、集塵室12は、左側又は右側が開口されても構わず、これらに限定されるものではない。集塵室12の開口縁には、集塵室12を密閉するためのシール部材13が取り付けられている。シール部材13は、例えば弾性変形可能な部材により形成される。シール部材13は、集塵室12の開口縁に沿って連なって配置される。また、集塵室12は、蓋体14によって開閉可能となっている。蓋体14は、本体部11に回動可能に支持され、集塵室12を閉じた状態でシール部材13に対して締込部15が圧接されて集塵室12を気密に閉塞するようになっている。また、蓋体14は、本体部11に対して、集塵室12を閉じた状態で係止手段16により係止される。係止手段16は、蓋体14に形成されていてもよいし、本体部11に形成されていてもよい。さらに、図5に示すように、集塵室12は、本体部11に配置された吸引源となる電動送風機17の吸気側と連通している。電動送風機17は、本体部11に配置されたコードリール装置や二次電池等の電源部からの給電により動作し、制御部19により制御される。また、電動送風機17の排気側は、掃除機本体2に設けられた排気口20に連通している。
また、集塵室12には、集塵袋22が装着される。集塵袋22は、含塵空気から塵埃を濾過捕集するものである。集塵袋22としては、紙パックや布パック等が用いられる。本実施形態の集塵袋22は、集塵室12に対し、上側から取り付けられるよう構成されているが、この方向からの取り付けに限定されるものではなくて、集塵袋22は左側又は右側から取り付けられるよう構成されても構わない。本実施形態の集塵袋22は、口枠23を備えている。口枠23は、硬質の紙材又は厚紙等により形成されている。また、口枠23は、四角形状に形成されているとともに、集塵室12に装着した状態で吸込口9と連通する開口部24が形成されている。
また、集塵袋22は、濾材部25を備えている。濾材部25は、含塵空気を内部に通過させて、塵埃を濾過するものである。濾材部25は、単層又は多層の濾材等によって袋状に形成され、口枠23と一体的に連結されて内部が開口部24と連通している。なお、図5において、集塵袋22は、濾材部25が折り畳まれた使用前の状態を示すが、含塵空気が内部に導入されることにより集塵室12内で濾材部25が膨らむようになっている。また、集塵袋22は、本実施形態において、蓋体14に形成された押さえ部26により、蓋体14によって集塵室12が閉じられた状態で抑えられるようになっている。押さえ部26は、例えばリブ状に形成されている。また、押さえ部26は、吸込口9を挟んで左右両側に位置しているが、集塵室12の位置や開口方向に応じて変わるため、この位置に限定されるものではない。そして、集塵袋22は、集塵室12に設けられた集塵袋保持部27により保持される。
集塵袋保持部27は、吸込口9の左右両側に位置している。集塵袋保持部27は、集塵室12の吸気側に配置されている。本実施形態の集塵袋保持部27は、集塵室12内の前端部に配置されている。集塵袋保持部27の位置は、集塵室12の位置に応じて変わるため、この位置に限定されるものではない。また、本実施形態の集塵袋保持部27は、吸込口シール10の両側に離れて配置されている。集塵袋保持部27は、集塵袋22の口枠23の側部の位置を規制する側部規制部28を備えている。側部規制部28は、集塵袋22を挿入する側である集塵室12の開口方向に向かって延びて形成されている。本実施形態の側部規制部28は、集塵室12の底部から上方に向かって突出しているが、この方向に限定されるものではない。また、集塵袋保持部27は、集塵袋22の口枠23の吸込口9とは反対側の位置を規制する位置規制部29を備えている。位置規制部29は、集塵袋22の口枠23の開口部24の周辺を吸込口シール10に対して密着させることで、開口部24と吸込口9とを気密に接続するものである。位置規制部29は、吸込口9および/又は吸込口シール10に対して集塵室12の内側である後側に離れて位置している。位置規制部29の位置は、この位置に限定されるものではない。また、位置規制部29は、側部規制部28に連なって形成されている。位置規制部29は、集塵袋22を挿入する側である集塵室12の開口方向に向かって延びて形成されている。また、位置規制部29は、集塵袋22を挿入する側である集塵室12の開口方向に向かい、吸込口9から離れる方向に傾斜する呼込部30を備えている。本実施形態の呼込部30は、集塵袋22の口枠23を位置規制部29と吸込口9又は吸込口シール10との間に呼び込むものである。呼込部30は、位置規制部29の上端部に位置し、上方に向かい後方に傾斜して形成されている。呼込部30の位置や傾斜方向は、これらの位置や方向に限定されるものではない。
さらに、本実施形態では、集塵室12の開口部を上端とし、集塵袋保持部27には、集塵袋22を挿入する側である上端部に回動部材32が回動可能に設けられている。回動部材32は、集塵袋保持部27の左右両側の少なくとも片側の上端部に配置される。本実施形態の回動部材32は、集塵袋保持部27の左右両側部に配置されているが、集塵室12の開口方向に応じて変わるため、この構成に限定されず、集塵室12の開口方向により上下両側部等に配置されていてもよい。回動部材32は、集塵室12に対して外側と内側とに回動可能であって、掃除機本体2にある集塵室12側は内側である。また、本実施形態の回動部材32は、集塵袋保持部27に対する集塵袋22の挿入方向に対して交差する両側方向に回動可能である。集塵袋保持部27の右側に位置する回動部材32は、集塵室12に対して外側である右側と内側である左側とに回動可能である。また、集塵袋保持部27の左側に位置する回動部材32は、集塵室12に対して外側である左側と内側である右側とに回動可能である。左右の回動部材32は、互いに左右対称又は略左右対称に回動可能となっている。また、回動部材32は、集塵袋22を装着しない状態での蓋体14による集塵室12の閉塞を阻止する安全装置として作用するものである。さらに、本実施形態の回動部材32は、集塵袋保持部27へと集塵袋22の口枠23を呼び込むものである。なお、回動部材32の回動方向は、集塵袋保持部27に対して両側方向であれば、集塵袋保持部27との位置関係に応じて設定可能であり、左右方向に限定されるものではない。
図1ないし図4に示すように、回動部材32は、集塵袋保持部27に対して回動軸32aが回動可能に支持されている。本実施形態の回動部材32は、回動軸32aを下端部に備えている。また、回動部材32は、回動軸32aより上方で重心Gが外側に位置している。回動部材32の重心Gは、回動軸32aを通る鉛直線Vに対して吸込口9側とは反対側に位置している。なお、回動部材32は、トーションばねやコイルばね等の付勢手段により、集塵室12に対して外側である吸込口9側とは反対側に回動するように付勢されていてもよい。また、回動部材32は、集塵袋22を集塵袋保持部27にガイドするガイド部34を備える。ガイド部34は、回動軸32aから径方向に延びて形成されている。また、ガイド部34は、両側の集塵袋保持部27の中心側である吸込口9の方向が開口され、集塵袋22の口枠23と当接するようになっている。本実施形態のガイド部34は、コ字状であって、口枠23の外縁をガイドする側部ガイド部34aと、口枠23の両面をガイドする端部ガイド部34bとを備えている。本実施形態では、端部ガイド部34bの端部に、回動軸32aが配置されている。また、回動部材32は、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で集塵室12に対して外側に回動している位置でガイド部34を所定の位置に保持する保持部36を備える。本実施形態の保持部36は、ガイド部34をシール部材13に対して離れた位置に保持する。保持部36は、ガイド部34にて集塵袋22とは反対側の位置に突設されている。また、保持部36は、リブ状に形成されている。保持部36が、本体部11に形成された支持部38に当接して支持されることにより、回動部材32の外側への回動位置が規制される。
さらに、回動部材32は、蓋体14による集塵室12の閉塞を規制する阻害部40を備えている。阻害部40は、回動部材32の端部に形成されている。本実施形態の阻害部40は、回動部材32の上端部に形成されている。また、阻害部40は、ガイド部34と一体に形成されている。阻害部40は、ガイド部34の端部に位置している。阻害部40は、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で集塵室12に対して外側に回動している位置で蓋体14と当接することにより蓋体14による集塵室12の閉塞を阻害するようになっている。
次に、一実施形態の作用を説明する。
集塵袋22が集塵室12に装着されていない場合には、ユーザは掃除を開始する前に集塵室12に集塵袋22を装着する。集塵室12に集塵袋22を装着していない状態では、図1に示すように、回動部材32が自重および/又は付勢手段の付勢により集塵室12に対して外側又は吸込口9の配置とは反対側に回動しており、阻害部40がシール部材13に対して離れた位置で蓋体14と干渉する蓋体14の可動範囲に位置することで、回動部材32が阻害部40の位置で締込部15と当接して蓋体14の閉塞を阻害する。この位置では、回動部材32のガイド部34が集塵袋保持部27に対して外側に開いた状態に傾斜し、集塵袋保持部27の集塵袋22の挿入側が回動部材32によって阻害されることなく大きく開口した状態となっている。また、回動部材32は、保持部36が本体部11の支持部38により支持されていることで、外側への回動が規制され、シール部材13とは直接干渉しないようになっている。
ユーザは、蓋体14を開いた状態で、回動部材32よりも上方から集塵袋22の口枠23を挿入すると、口枠23の両側部が回動部材32のガイド部34に当接し、口枠23の押し込みに伴って回動部材32が吸込口9側に回動しつつガイド部34により口枠23を集塵袋保持部27へとガイドする。口枠23は、側部規制部28により位置が規制され、口枠23の後側部は、位置規制部29により位置が規制されて、両側の集塵袋保持部27間にて吸込口9との間に集塵袋22の口枠23が挿入される。回動部材32は、回動によって阻害部40が蓋体11の可動範囲から集塵室12の内側へと退避する。集塵袋保持部27には、集塵袋22が挿入される上側で位置規制部29に呼込部30が形成されていることにより、回動部材32に対して集塵室12の内側に傾斜するように集塵袋保持部27に挿入される口枠23が、集塵袋保持部27の位置規制部29と吸込口9との間のスペースに円滑に呼び込まれる。
集塵袋22の口枠23をさらに押し込み、口枠23が集塵室12の底部まで達すると、口枠23の開口部24の周囲の部分が吸込口シール10に密着して開口部24と吸込口9とが気密に接続される。この状態で、図2に示すように、回動部材32は、口枠23との当接によって回動が規制されるとともに口枠23の側部を保持し、阻害部40が蓋体14の可動範囲外へと退避した状態を維持することで、蓋体14により集塵室12を閉じる際に阻害部40が蓋体14と干渉しないため、図3に示すように蓋体14により集塵室12を閉塞することが可能になる。そこで、ユーザは蓋体14を回動させて集塵室12を閉じ、係止手段16により蓋体14を本体部11に係止する。この状態で、蓋体14の締込部15がシール部材13に対して圧接され、集塵室12を密閉する。また、蓋体14が係止手段16により本体部11に係止されることで蓋体14の押さえ部26により口枠23が押さえられ、集塵袋22が集塵室12に保持される。なお、図1ないし図3では、説明を明確にするために、集塵袋22の濾材部25の図示を省略している。
電気掃除機1が起動すると、電動送風機17が動作して負圧を発生させる。ユーザは操作部7を把持操作し、吸込口体6等から床面の塵埃を空気とともに吸い込む。そして、含塵空気は吸込口9から、集塵室12に装着された集塵袋22の開口部24へと吸い込まれ、集塵袋22の濾材部25において塵埃が分離捕集される。塵埃が分離された空気は、電動送風機17に吸い込まれる。電動送風機17に吸い込まれた空気は、電動送風機17を冷却した後、電動送風機17から排気され、さらに排気口20を介して掃除機本体2の外部へと排出される。
掃除が終了すると、ユーザが設定手段8を操作することで電気掃除機1が運転を停止する。集塵袋22に塵埃が所定量以上溜まったり、濾材部25が目詰まりしたりして電動送風機17の吸引力が低下すると、ユーザは係止手段16による蓋体14の本体部11への係止を解除しつつ蓋体14を回動させて集塵室12を開き、集塵袋22の口枠23を集塵袋保持部27から引き抜いて集塵室12から取り外した後、集塵袋22を塵埃とともに廃棄する。回動部材32は、集塵袋22の引き抜きに伴い、自重および/又は付勢手段の付勢により外側へと回動して復帰する。
以上説明した一実施形態によれば、集塵袋保持部27の集塵袋22の挿入側に回動可能に設けられた回動部材32の少なくとも一部が、集塵袋保持部27に集塵袋28が未装着の状態で集塵室12に対して外側に回動している位置で蓋体14の可動範囲に位置するため、集塵袋22の未装着状態で蓋体14が閉じることを回動部材32によって防止できる。そのため、蓋体14が閉じられないことで集塵袋22が未装着であることをユーザに容易に気づかせることができるので、集塵袋22を装着しないまま電気掃除機1を誤って運転させることを抑制できる。
また、回動部材32は、集塵袋22の未装着の状態で集塵袋22の集塵袋保持部27の側部に対して集塵室12の外側に位置し、集塵袋保持部27に対する集塵袋22の装着経路を阻害しない位置にあるため、集塵袋22を集塵袋保持部27に装着しやすい。
さらに、回動部材32は、集塵袋保持部27に装着された集塵袋22との当接により回動して阻害部40が蓋体14の可動範囲から集塵室12の内側に退避するので、集塵袋保持部27に集塵袋22を装着した状態では、蓋体14により集塵室12を閉じることができる。
また、集塵袋22を集塵袋保持部27にガイドするガイド部34を回動部材32に備えるため、集塵袋22を集塵袋保持部27に装着する際に、集塵袋22の口枠23をガイド部34によって集塵袋保持部27へと呼び込むことができ、集塵袋22を容易に装着できる。
回動部材32が集塵袋保持部27の上側に設けられ、回動軸32aより上方で重心Gが外側に位置するので、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態では、回動部材32が構造的に自重によって外側に回動するため、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で回動部材32を集塵室12に対して簡素な構成で外側に回動させることができる。
回動部材32が集塵室12に対して外側に回動するように付勢されているため、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で回動部材32を集塵室12に対して、より確実に外側に回動させることができるとともに、集塵袋保持部27に装着された集塵袋22の口枠23を、回動部材32が付勢によって側部から押さえることができ、集塵袋22を集塵袋保持部27に対して抜け止め保持できる。
集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で集塵室12に対して外側に回動している位置で保持部36によってガイド部34を所定の位置に保持することで、ガイド部34がシール部材13等に当たらない位置で保持することによって、ガイド部34とシール部材13との長期の接触や接触の繰り返しによりシール部材13を塑性変形させること等を防止でき、シール部材13の塑性変形に伴う集塵室12のシール性の低下を防止できる。また、保持部36は、支持部38によって支持されて、集塵袋保持部27に集塵袋22を挿入する側からの力を支持部38により受けることができるので、回動部材32を傷めにくくなる。特に、上方が開口されている集塵室12の場合、集塵袋22の装着の際にユーザが重力を加えながら口枠23によって誤って回動部材32を押し込みやすくなるため、保持部36と支持部38との当接によって荷重を受けることで、回動部材32の破損等を抑制できる。
回動部材32が集塵袋保持部27の両側部にそれぞれ設けられているため、集塵袋保持部27に集塵袋22が未装着の状態で蓋体14が集塵室12を閉塞することをより確実に阻止できるとともに、集塵袋保持部27に集塵袋22を装着する際に、集塵袋22の口枠23の両側の位置を規制しつつガイド部34によって集塵袋保持部27に呼び込むことができ、集塵袋保持部27に集塵袋22をより装着しやすくなる。また、集塵袋保持部27に装着された集塵袋22の口枠23を回動部材32によって両側から挟むように保持できるので、集塵袋22を集塵袋保持部27に、より確実に抜け止め保持できる。
なお、上記一実施形態では、上側が開口された集塵室12を蓋体14により開閉する構成としたが、この構成に限らず、前や左右が開口された集塵室12を蓋体14により開閉する構成にも適用できる。したがって、上記一実施形態に記載した方向や位置については、電気掃除機1の設置位置や電気掃除機1の形状等に応じて適宜設定されるものとする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。