JP2020006832A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和できるとともに、操舵フィーリングの低下を抑制できる操舵制御装置を提供する。【解決手段】マイコン41は、制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角を超える状況になる場合に、該制御舵角θsの絶対値の増大に基づいてq軸電流指令値Iq*の絶対値を小さくするエンド当て緩和制御を実行する。また、マイコン41は、転舵輪に連結されるラック軸に作用する軸力の推定値である推定軸力Fbを演算する軸力推定部54と、推定軸力Fbに基づいてエンド当て緩和制御実行時のq軸電流指令値Iq*を演算する際に用いる値が互いに異なるように設定された複数のモードのうちの一を選択するモード選択部55を備える。そして、選択した一のモードは、エンド当て緩和制御が実行されている間、保持される。【選択図】図2

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、車両用の操舵装置として、モータを駆動源とするアクチュエータを備えた電動パワーステアリング装置(EPS)が知られている。こうしたEPSには、ステアリングホイールの操舵角(転舵輪の転舵角)を360°を超える範囲を含む絶対角で取得し、該操舵角に基づいて各種制御を行うものがある。例えば特許文献1には、ラック軸の端部であるラックエンドがラックハウジングに当たる前に、モータが発生するモータトルクの目標値に対応する電流指令値を操舵角に基づいて減少させることで、エンド当ての衝撃を緩和するエンド当て緩和制御を実行するものが開示されている。
ところで、低μ路であるか高μ路であるかといった路面状態に応じて転舵輪の転舵に必要なトルク(転舵し易さ)が変化するため、エンド当て緩和制御の実行に際しては各種路面状況に応じて電流指令値(トルク指令値)を変更することが望ましい。こうした点を踏まえ、特許文献2に記載の操舵制御装置では、転舵輪が連結されるラック軸に作用する軸力に基づいて規範モデル(粘弾性モデル)のバネ定数を変更することで、各種路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和する。
特開2015−20506号公報 特開2017−165306号公報
ところで、上記特許文献2の構成では、エンド当て緩和制御の実行時に車両の走行に伴って路面状態が変化した場合、軸力の変化に応じて規範モデルのバネ定数を変更することでモータが発生するモータトルクが急激に変化し、操舵フィーリングの低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和できるとともに、操舵フィーリングの低下を抑制できる操舵制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する操舵制御装置は、モータを駆動源とするアクチュエータにより転舵輪に連結される転舵軸を往復動させるモータトルクが付与される操舵装置を制御対象とし、前記モータが出力するモータトルクの目標値となるトルク指令値を演算するトルク指令値演算部を有し、前記トルク指令値に前記モータトルクが追従するように前記モータの駆動を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転軸の回転角の絶対値が前記操舵装置に応じた舵角閾値を超える状況になる場合に、該回転角の絶対値の増大に基づいて前記トルク指令値の絶対値を小さくするエンド当て緩和制御を実行するものであって、前記転舵輪に連結される転舵軸に作用する軸力に基づいて、前記エンド当て緩和制御実行時の前記トルク指令値を演算する際に用いる値が互いに異なるように設定された複数のモードのうちの一を選択するモード選択部を備え、選択された前記一のモードは、前記エンド当て緩和制御が実行されている間、保持される。
上記構成によれば、転舵軸に作用する軸力に基づいて複数のモードのうちの一が選択され、選択された一のモードに応じてエンド当て緩和制御実行時のトルク指令値が演算されるため、路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和できる。そして、エンド当て緩和制御が実行されている間は選択された一のモードが保持されるため、エンド当て緩和制御の実行中に路面状態が変化しても、モータトルクが急変することを抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記モード選択部は、前記軸力及び車速に基づいて前記複数のモードの一を選択することが好ましい。
上記構成によれば、軸力に加え、車速も加味することで、細分化された複数のモードの内から最適なモードを選択してエンド当ての衝撃を好適に緩和できる。
上記操舵制御装置において、前記モード選択部は、前記回転角が前記舵角閾値よりも中立位置側のモード選択角度をエンド側に超える際に前記複数のモードのうちの一を選択し、選択された前記一のモードは、前記モード選択角度よりも中立位置側のモード解除角度を中立位置側に超えるまで保持されるものであり、前記モード解除角度と前記モード選択角度との間の角度範囲は、前記舵角閾値と前記モード選択角度との間の角度範囲よりも大きく設定されることが好ましい。
上記構成によれば、例えばモード選択角度の近傍で操舵が繰り返し行われても、一旦設定されたモードが解除され難くなる。これにより、モードの選択と解除が繰り返し行われることを抑制できる。
本発明によれば、路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和できるとともに、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
第1実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成図。 第1実施形態の操舵制御装置のブロック図。 第1実施形態のラックエンド位置、エンド近傍舵角、モード選択角度及びモード解除角度の関係を示すグラフ。 第1実施形態のダンピング制御量演算部のブロック図。 第1実施形態の第1超過角速度演算部のブロック図。 第1実施形態の制限値設定部のブロック図。 第1実施形態の角度制限成分演算部のブロック図。 第1実施形態の第2超過角速度演算部のブロック図。 第2実施形態のダンピング制御量演算部のブロック図。 第2実施形態の演算処理部のブロック図。 第2実施形態の制限値設定部のブロック図。
(第1実施形態)
以下、操舵制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、制御対象となる操舵装置としての電動パワーステアリング装置(EPS)1は、運転者によるステアリングホイール2の操作に基づいて転舵輪3を転舵させる操舵機構4を備えている。また、EPS1は、操舵機構4にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアクチュエータとしてのEPSアクチュエータ5と、EPSアクチュエータ5の作動を制御する操舵制御装置6とを備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11の回転に応じて軸方向に往復動する転舵軸としてのラック軸12と、ラック軸12が往復動可能に挿通される略円筒状のラックハウジング13とを備えている。なお、ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸14、中間軸15、及びピニオン軸16を連結することにより構成されている。
ラック軸12とピニオン軸16とは、ラックハウジング13内に所定の交差角をもって配置されており、ラック軸12に形成されたラック歯12aとピニオン軸16に形成されたピニオン歯16aとが噛合されることでラックアンドピニオン機構17が構成されている。また、ラック軸12の両端には、その軸端部に設けられたボールジョイントからなるラックエンド18を介してタイロッド19がそれぞれ回動自在に連結されている。タイロッド19の先端は、転舵輪3が組付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、EPS1では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト11の回転がラックアンドピニオン機構17によりラック軸12の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド19を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪3の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
なお、ラックエンド18がラックハウジング13の左端に当接する位置が右方向に最大限操舵可能な位置であり、同位置が右側のエンド位置としてのラックエンド位置に相当する。また、ラックエンド18がラックハウジング13の右端に当接する位置が左方向に最大限操舵可能な位置であり、同位置が左側のエンド位置としてのラックエンド位置に相当する。
EPSアクチュエータ5は、駆動源であるモータ21と、モータ21に連結されるとともにコラム軸14に連結されたウォームアンドホイール等の減速機構22とを備えている。そして、EPSアクチュエータ5は、モータ21の回転を減速機構22により減速してコラム軸14に伝達することによって、モータトルクをアシスト力として操舵機構4に付与する。なお、本実施形態のモータ21には、三相のブラシレスモータが採用されている。
操舵制御装置6には、車両の車速SPDを検出する車速センサ31、及び運転者の操舵によりステアリングシャフト11に付与された操舵トルクTsを検出するトルクセンサ32が接続されている。また、操舵制御装置6には、モータ21のモータ角θmを360°の範囲内の相対角で検出する回転センサ33が接続されている。なお、操舵トルクTs及びモータ角θmは、一方向(本実施形態では、右)に操舵した場合に正の値、他方向(本実施形態では、左)に操舵した場合に負の値として検出する。そして、操舵制御装置6は、これら各センサから入力される各状態量を示す信号及びモータ21の状態量を示す信号に基づいて、モータ21に駆動電力を供給することにより、EPSアクチュエータ5の作動、すなわち操舵機構4にラック軸12を往復動させるべく付与するアシスト力を制御する。
次に、操舵制御装置6の構成について説明する。
図2に示すように、操舵制御装置6は、制御信号を出力する制御部としてのマイコン41と、制御信号に基づいてモータ21に駆動電力を供給する駆動回路42とを備えている。なお、本実施形態の駆動回路42には、複数のスイッチング素子(例えば、FET等)を有する周知のPWMインバータが採用されている。そして、マイコン41の出力する制御信号は、各スイッチング素子のオンオフ状態を規定するものとなっている。これにより、制御信号に応答して各スイッチング素子がオンオフし、各相のモータコイルへの通電パターンが切り替わることにより、車載電源43の直流電力が三相の駆動電力に変換されてモータ21へと出力される。なお、以下に示す各制御ブロックは、マイコン41が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものであり、所定のサンプリング周期(検出周期)で各状態量を検出し、所定の演算周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理が実行される。
マイコン41には、上記車速SPD、操舵トルクTs、モータ21のモータ角θmが入力される。また、マイコン41には、駆動回路42と各相のモータコイルとの間の接続線44に設けられた電流センサ45により検出されるモータ21の各相電流値Iu,Iv,Iwが入力される。なお、図2では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサ45をそれぞれ1つにまとめて図示している。また、マイコン41には、車載電源43の電源電圧Vbを検出する電圧センサ46が接続されている。そして、マイコン41は、これら各状態量に基づいて制御信号を出力する。
詳しくは、マイコン41は、モータ21に対する電力供給の目標値、すなわち目標アシスト力に対応する電流指令値Id*,Iq*を演算する電流指令値演算部51と、電流指令値Id*,Iq*に基づいて制御信号を出力する制御信号出力部52とを備えている。電流指令値Id*,Iq*は、モータ21に供給すべき電流の目標値であり、d/q座標系におけるd軸上の電流指令値及びq軸上の電流指令値をそれぞれ示す。このうち、q軸電流指令値Iq*はモータ21の出力トルクの目標値であるトルク指令値に相当し、電流指令値演算部51はトルク指令値演算部に相当する。なお、本実施形態では、d軸電流指令値Id*は、基本的にゼロに固定されている。また、モータ21のモータ角θmと同様に、電流指令値Id*,Iq*は、一方向への操舵をアシストする場合に正の値、他方向への操舵をアシストする場合に負の値とする。
また、マイコン41は、転舵輪3の転舵角に換算可能な回転軸であるステアリングシャフト11の回転角(操舵角)を示す制御舵角θsを演算する制御舵角演算部53を備えている。さらに、マイコン41は、ラック軸12に作用する軸力の推定値である推定軸力Fbを演算する軸力推定部54と、推定軸力Fbに基づく路面状況及び車速SPDに応じたモードを選択するモード選択部55とを備えている。さらにまた、マイコン41は、q軸電流指令値Iq*の上限となる制限値Igを設定する制限値設定部56と、メモリ57とを備えている。メモリ57には、モータ21が出力可能なモータトルクとして予め設定された定格トルクに対応する定格電流Ir等が記憶されている。
より詳しくは、制御舵角演算部53には、モータ角θmが入力される。そして、制御舵角演算部53は、例えばラック軸12が車両の直進する中立位置にある状態での制御舵角θsを原点(ゼロ度)としてモータ21の回転数を積算(カウント)し、この回転数及びモータ角θmに基づいて制御舵角θsを360°を超える範囲を含む絶対角で演算する。なお、制御舵角θsは、モータ21のモータ角θmと同様に、中立位置から一方向の回転角である場合に正の値、他方向の回転角である場合に負の値とする。
軸力推定部54には、操舵トルクTs、各相電流値Iu,Iv,Iw及びモータ角θmが入力される。軸力推定部54は、各相電流値Iu,Iv,Iw及びモータ角θmに基づいてq軸上の実電流値であるq軸電流値を演算し、該q軸電流値に基づいてモータ21が出力するモータトルクを演算する。そして、軸力推定部54は、モータトルクに減速機構22の減速比及びラックアンドピニオン機構17のギア比に基づく換算係数を乗算して得られる軸力と、操舵トルクTsにラックアンドピニオン機構17のギア比に基づく換算係数を乗算して得られる軸力とを足し合わせることで、ラック軸12に作用する推定軸力Fbを演算する。
モード選択部55には、推定軸力Fb、車速SPD、制御舵角θsが入力される。本実施形態のモード選択部55は、路面μが高い高μ路であることを示す高μ路モード、路面μが低い低μ路でかつ車両が停車状態である低μ路停車モード、路面μが低い低μ路でかつ車両が走行状態である低μ路走行モード、及び路面μが高μ路よりも低くかつ低μ路よりも高い中μ路モードのうちから一のモードを選択する。具体的には、モード選択部55は、推定軸力Fbが高軸力閾値Fthh以上の場合には高μ路モードを選択し、推定軸力Fbが高軸力閾値Fthh未満かつ低軸力閾値Fthlよりも大きい場合には中μ路モードを選択する。また、モード選択部55は、推定軸力Fbが低軸力閾値Fthl以下の場合には、車速SPDが車速閾値SPDth以下であれば低μ路停車モードを選択し、車速SPDが車速閾値SPDthよりも大きければ低μ路走行モードを選択する。なお、高軸力閾値Fthhは、路面が高μ路である場合にラック軸12に作用する軸力であり、予め実験等により設定されている。低軸力閾値Fthlは、路面が低μ路である場合にラック軸12に作用する軸力であり、高軸力閾値Fthhよりも小さく、予め実験等により設定されている。車速閾値SPDthは、車両が停車していることを示す速度であり、ゼロ近傍の小さな値に設定されている。
図3に示すように、モード選択部55は、制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角θneよりも中立位置側に設定されたモード選択角度θslをラックエンド側に超える際に、推定軸力Fb及び車速SPDに基づいて上記複数のモードのうちから選択した一のモードを示すモード選択信号Sslを電流指令値演算部51及び制限値設定部56に出力する。また、モード選択部55は、制御舵角θsの絶対値がモード選択角度θslよりも中立位置側に設定されたモード解除角度θreを中立側に超える際に、選択したモードを解除するモード選択信号Sslを出力する。つまり、制御舵角θsの絶対値がモード選択角度θslをラックエンド側に超えてからモード解除角度θreを中立位置側に超えるまでの間は、選択したモードが保持される。また、制御舵角θsの絶対値がモード解除角度θreよりも小さい場合には、モードが選択されていない状態となる。なお、本実施形態では、同図に示すように、モード解除角度θreとモード選択角度θslとの間の角度範囲は、エンド近傍舵角θneとモード選択角度θslとの間の角度範囲よりも大きく設定されている。
図2に示すように、電流指令値演算部51は、q軸電流指令値Iq*の基礎成分である基本電流指令値Ias*を演算する基本アシスト演算部61と、基本電流指令値Ias*を補正する成分であるダンピング制御量Idaを演算するダンピング制御量演算部62とを備えている。また、電流指令値演算部51は、基本電流指令値Ias*をダンピング制御量Idaにより補正した補正後電流指令値Ias**の絶対値を制限値Ig以下に制限するガード処理部63を備えている。
基本アシスト演算部61には、操舵トルクTs及び車速SPDが入力される。そして、基本アシスト演算部61は、操舵トルクTs及び車速SPDに基づいて基本電流指令値Ias*を演算する。具体的には、基本アシスト演算部61は、操舵トルクTsの絶対値が大きいほど、また車速SPDが遅いほど、より大きな値(絶対値)を有する基本電流指令値Ias*を演算する。このように演算された基本電流指令値Ias*は、減算器64に出力される。
減算器64には、基本電流指令値Ias*とともに、後述するようにダンピング制御量演算部62から出力されるダンピング制御量Idaが入力される。そして、電流指令値演算部51は、減算器64において基本電流指令値Ias*からダンピング制御量Idaを減算することにより補正後電流指令値Ias**を演算する。このように演算された補正後電流指令値Ias**はガード処理部63に出力される。
ガード処理部63には、補正後電流指令値Ias**に加え、後述するように制限値設定部56において設定される制限値Igが入力される。ガード処理部63は、入力される補正後電流指令値Ias**の絶対値が制限値Ig以下の場合には、補正後電流指令値Ias**の値をそのままq軸電流指令値Iq*として制御信号出力部52に出力する。一方、入力される補正後電流指令値Ias**の絶対値が制限値Igよりも大きい場合には、補正後電流指令値Ias**の絶対値を制限値Igの値に制限した値をq軸電流指令値Iq*として制御信号出力部52に出力する。
制御信号出力部52は、電流指令値Id*,Iq*、各相電流値Iu,Iv,Iw、及びモータ21のモータ角θmに基づいてd/q座標系における電流フィードバック制御を実行することにより、制御信号を生成する。具体的には、制御信号出力部52は、モータ角θmに基づいて各相電流値Iu,Iv,Iwをd/q座標上に写像することにより、d/q座標系におけるモータ21の実電流値であるd軸電流値及びq軸電流値を演算する。そして、制御信号出力部52は、d軸電流値をd軸電流指令値Id*に追従させるべく、またq軸電流値をq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、それぞれ電流フィードバック制御を行うことにより制御信号を生成する。この制御信号が駆動回路42に出力されることによりモータ21に制御信号に応じた駆動電力が供給される。これにより、モータ21が出力するモータトルクが、q軸電流指令値Iq*に対応したトルク指令値に追従するようにモータ21の駆動が制御される。
次に、ダンピング制御量演算部62の構成について説明する。
ダンピング制御量演算部62には、車速SPD、制御舵角θs及びモード選択信号Sslが入力される。そして、ダンピング制御量演算部62は、これらの状態量に基づいて、制御舵角θsの絶対値が舵角閾値としてのエンド近傍舵角θneを超える状況になる場合に、制御舵角θsを微分することにより得られる制御角速度ωs(操舵速度)の絶対値の増大に基づいてより大きな絶対値を有するダンピング制御量Idaを演算する。ダンピング制御量Idaは、基本電流指令値Ias*から減算されることにより、基本電流指令値Ias*の絶対値を小さくする成分である。なお、エンド近傍舵角θneは、ラックエンド位置での制御舵角θsよりも絶対値が所定角度θ1だけ小さい角度を示す値に設定されている。また、所定角度θ1は、エンド近傍舵角θneがラックエンド位置から離間しすぎないような比較的小さな角度である。
詳しくは、図4に示すように、ダンピング制御量演算部62は、最新の演算周期での制御舵角θsと左右いずれか一方のラックエンド位置での制御舵角θsとの間の差分であるエンド離間角Δθを演算するエンド離間角演算部71を備えている。また、ダンピング制御量演算部62は、エンド離間角Δθ及びモード選択信号Sslに応じて定まる第1上限角速度ωlim1に対する制御角速度ωsの超過分である第1超過角速度ωo1を演算する第1超過角速度演算部72と、第1超過角速度ωo1に基づいてダンピング制御量Idaを演算する演算処理部73とを備えている。
エンド離間角演算部71には、制御舵角θsが入力される。エンド離間角演算部71は、最新の演算周期での制御舵角θsと左側のラックエンド位置での制御舵角θsとの間の差分、及び最新の演算周期での制御舵角θsと右側のラックエンド位置での制御舵角θsとの間の差分を演算する。そして、エンド離間角演算部71は、演算した差分のうちの小さい方の絶対値をエンド離間角Δθとして第1超過角速度演算部72に出力する。
第1超過角速度演算部72には、エンド離間角Δθ、制御舵角θsを微分することにより得られる制御角速度ωs及びモード選択信号Sslが入力される。そして、第1超過角速度演算部72は、モード選択信号Sslが示すモードに応じた第1超過角速度ωo1を演算する。
具体的には、図5に示すように、第1超過角速度演算部72は、エンド離間角Δθ及びモード選択信号Sslが入力される第1上限角速度演算部81を備えている。第1上限角速度演算部81は、高μ路モード、中μ路モード、低μ路停車モード及び低μ路走行モードでのエンド離間角Δθと第1上限角速度ωlim1との関係をそれぞれ定めた高μ路用上限角速度マップ82、中μ路用上限角速度マップ83、低μ路停車用上限角速度マップ84及び低μ路走行用上限角速度マップ85を備えている。そして、第1上限角速度演算部81は、各マップを参照することによりエンド離間角Δθに基づいて各モードに応じた第1上限角速度ωlim1を演算する。各マップ82〜85では、第1上限角速度ωlim1は、エンド離間角Δθがゼロの場合に第1上限角速度ωlim1が最も小さくなり、エンド離間角Δθの増大に比例して第1上限角速度ωlim1が大きくなるように設定されている。また、第1上限角速度ωlim1は、エンド離間角Δθが所定角度θ2よりも大きくなると、モータ21が回転可能な最大の角速度として予め設定された値で一定となるように設定されている。そして、エンド離間角Δθがゼロの場合での第1上限角速度ωlim1は、高μ路用上限角速度マップ82、中μ路用上限角速度マップ83、低μ路停車用上限角速度マップ84及び低μ路走行用上限角速度マップ85の順で小さくなるように設定されている。つまり、第1超過角速度演算部72は、路面状況に応じた転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さい(転舵し易い)ほど、第1上限角速度ωlim1が小さくなり、第1超過角速度ωo1が大きくなるように演算する。また、エンド離間角Δθが所定角度θ2よりも大きい場合での第1上限角速度ωlim1は、各マップ82〜85で同一となるように設定されている。なお、所定角度θ2は、上記所定角度θ1よりも大きく、かつモード選択角度θslとラックエンド位置との間の角度よりも小さな角度に設定されている。つまり、第1上限角速度ωlim1がエンド離間角Δθの減少に伴って小さくなる前に、いずれかのモードが選択される。また、本実施形態のダンピング制御量演算部62は、制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角θneを超える前の状況からゼロより大きな絶対値を有するダンピング制御量Idaを演算することにより、制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角θneを超える状況になる場合に、ゼロより大きな絶対値を有するダンピング制御量Idaを演算する。
また、第1上限角速度演算部81は、各マップ82〜85に基づいて演算された第1上限角速度ωlim1及びモード選択信号Sslが入力されるモード切替部86を備えている。モード切替部86は、モード選択信号Sslが示すモードに対応するマップに基づいて演算された第1上限角速度ωlim1が出力されるように内部のスイッチを切り替える。これにより、選択されたモードに応じた第1上限角速度ωlim1が出力される。
第1超過角速度演算部72は、制御角速度ωsの絶対値が第1上限角速度演算部81において演算された第1上限角速度ωlim1よりも大きい場合には、制御角速度ωsの第1上限角速度ωlim1に対する超過分を第1超過角速度ωo1として演算処理部73(図3参照)に出力する。一方、第1超過角速度演算部72は、制御角速度ωsの絶対値が第1上限角速度ωlim1以下の場合には、ゼロを示す第1超過角速度ωo1を演算処理部73に出力する。
具体的には、第1超過角速度演算部72は、第1上限角速度ωlim1及び制御角速度ωsが入力される最小値選択部87を備えている。最小値選択部87は、第1上限角速度ωlim1及び制御角速度ωsの絶対値のうちの小さい方を選択して減算器88に出力する。そして、第1超過角速度演算部72は、減算器88において、制御角速度ωsの絶対値から最小値選択部87の出力値を差し引くことで第1超過角速度ωo1を演算する。このように最小値選択部87において第1上限角速度ωlim1及び制御角速度ωsの絶対値のうちの小さい方を選択することで、制御角速度ωsが第1上限角速度ωlim1以下の場合には、減算器88において制御角速度ωsから制御角速度ωsが差し引かれることとなり、第1超過角速度ωo1がゼロとなる。一方、制御角速度ωsが第1上限角速度ωlim1よりも大きい場合には、減算器88において制御角速度ωsの絶対値から第1上限角速度ωlim1が差し引かれることとなり、第1超過角速度ωo1が制御角速度ωsの第1上限角速度ωlim1に対する超過分となる。
図4に示すように、演算処理部73には、第1超過角速度ωo1、車速SPD及び制御角速度ωsが入力される。演算処理部73は、第1超過角速度ωo1及び車速SPDとダンピング制御量Idaとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより第1超過角速度ωo1及び車速SPDに応じたダンピング制御量Idaを演算する。なお、演算処理部73は、ダンピング制御量Idaの符号(方向)を制御角速度ωsに示される符号(方向)とする。このマップでは、ダンピング制御量Idaは、第1超過角速度ωo1がゼロの場合に速度制限成分Igsが最も小さくなり、第1超過角速度ωo1の増大に比例してダンピング制御量Idaが大きくなるように設定されている。また、このマップは、車速SPDの増大に比例してダンピング制御量Idaが小さくなるように設定されている。上記のように路面状況に応じて転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、第1超過角速度ωo1が大きくなるため、転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、ダンピング制御量Idaも大きくなる。このように演算されたダンピング制御量Idaは、上記減算器64(図2参照)に出力される。
次に、制限値設定部56の構成について説明する。
図2に示すように、制限値設定部56には、制御舵角θs、車速SPD、モード選択信号Ssl、電源電圧Vb及びメモリ57に記憶された定格電流Irが入力される。そして、制限値設定部56は、これらの状態量に基づいて制限値Igを設定する。
詳しくは、図6に示すように、制限値設定部56は、制御舵角θsに基づく舵角制限値Ienを演算する舵角制限値演算部91と、電源電圧Vbに基づく電圧制限値Ivbを演算する電圧制限値演算部92と、舵角制限値Ien及び電圧制限値Ivbのいずれか小さい方を選択する最小値選択部93とを備えている。
舵角制限値演算部91には、制御舵角θs、車速SPD、モード選択信号Ssl及び定格電流Irが入力される。舵角制限値演算部91は、これらの状態量に基づいて、後述するように制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角θneを超える状況になる場合に、制御舵角θsの絶対値及び制御角速度ωs(操舵速度)の絶対値の増大に基づいて小さくなる舵角制限値Ienを演算する。このように演算された舵角制限値Ienは、最小値選択部93に出力される。
電圧制限値演算部92には、電源電圧Vbが入力される。電圧制限値演算部92は、電源電圧Vbの絶対値が予め設定された電圧閾値Vth以下になった場合に、定格電流Irを供給するための定格電圧よりも小さな電圧制限値Ivbを演算する。具体的には、電圧制限値演算部92は、電源電圧Vbの絶対値が電圧閾値Vth以下になった場合、該電源電圧Vbの絶対値の低下に基づいてより小さな絶対値を有する電圧制限値Ivbを演算する。このように演算された電圧制限値Ivbは、最小値選択部93に出力される。
そして、最小値選択部93は、入力される舵角制限値Ien及び電圧制限値Ivbのいずれか小さい方を制限値Igとして選択し、ガード処理部63(図2参照)に出力する。
次に、舵角制限値演算部91の構成について説明する。
舵角制限値演算部91は、エンド離間角Δθを演算するエンド離間角演算部101と、エンド離間角Δθに応じて定まる電流(トルク)制限量である角度制限成分Igaを演算する角度制限成分演算部102とを備えている。また、舵角制限値演算部91は、エンド離間角Δθに応じて定まる第2上限角速度ωlim2に対する制御角速度ωsの超過分である第2超過角速度ωo2を演算する第2超過角速度演算部103と、第2超過角速度ωo2に応じて定まる電流(トルク)制限量である速度制限成分Igsを演算する速度制限成分演算部104とを備えている。また、舵角制限値演算部91は、ゼロよりも大きな角度制限成分Igaが演算されることにより舵角制限値Ienが制限されているか否かを判定する角度制限実施判定部105と、この角度制限されている場合に速度制限成分Igsを徐々に減衰する速度制限成分減衰部106とを備えている。なお、エンド離間角演算部101は、上記ダンピング制御量演算部62のエンド離間角演算部71と同様にエンド離間角Δθを演算し、角度制限成分演算部102及び第2超過角速度演算部103に出力する。
角度制限成分演算部102には、エンド離間角Δθ及びモード選択信号Sslが入力される。そして、角度制限成分演算部102は、モード選択信号Sslが示すモードに応じた角度制限成分Igaを演算する。
図7に示すように、角度制限成分演算部102は、高μ路モード、中μ路モード、低μ路停車モード及び低μ路走行モードでのエンド離間角Δθと角度制限成分Igaとの関係をそれぞれ定めた高μ路用角度制限マップ111、中μ路用角度制限マップ112、低μ路停車用角度制限マップ113及び低μ路走行用角度制限マップ114を備えている。そして、角度制限成分演算部102は、各マップ111〜114を参照することによりエンド離間角Δθに基づいて各モードに応じた角度制限成分Igaを演算する。各マップ111〜114では、角度制限成分Igaは、エンド離間角Δθがゼロの場合に最も大きくなり、エンド離間角Δθの増大に比例して減少するように設定されている。また、角度制限成分Igaは、エンド離間角Δθが所定角度θ1よりも大きくなると(制御舵角θsの絶対値がエンド近傍舵角θneよりも小さくなると)、ゼロになるように設定されている。そして、エンド離間角Δθがゼロの場合での角度制限成分Igaは、高μ路用角度制限マップ111、中μ路用角度制限マップ112、低μ路停車用角度制限マップ113及び低μ路走行用角度制限マップ114の順で大きくなるように設定されている。また、エンド離間角Δθが所定角度θ1よりも大きい場合での角度制限成分Igaは、各マップ111〜114で同一(ゼロ)となるように設定されている。つまり、角度制限成分演算部102は、路面状況に応じた転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、角度制限成分Igaが大きくなるように演算する。
また、角度制限成分演算部102は、各マップ111〜114に基づいて演算された角度制限成分Iga及びモード選択信号Sslが入力されるモード切替部115を備えている。モード切替部115は、モード選択信号Sslが示すモードに対応するマップに基づいて演算された角度制限成分Igaが出力されるように内部のスイッチを切り替える。これにより、図6に示すように、選択されたモードに応じた角度制限成分Igaが及び角度制限実施判定部105及び減算器107に出力される。
第2超過角速度演算部103には、エンド離間角Δθ、制御舵角θsを微分することにより得られる制御角速度ωs及びモード選択信号Sslが入力される。そして、第2超過角速度演算部103は、モード選択信号Sslが示すモードに応じた第2超過角速度ωo2を演算する。
具体的には、図8に示すように、第2超過角速度演算部103は、エンド離間角Δθ及びモード選択信号Sslが入力される第2上限角速度演算部121を備えている。第2上限角速度演算部121は、高μ路モード、中μ路モード、低μ路停車モード及び低μ路走行モードでのエンド離間角Δθと第2上限角速度ωlim2との関係をそれぞれ定めた高μ路用上限角速度マップ122、中μ路用上限角速度マップ123、低μ路停車用上限角速度マップ124及び低μ路走行用上限角速度マップ125を備えている。そして、第2上限角速度演算部121は、各マップ122〜125を参照することによりエンド離間角Δθに基づいて各モードに応じた第2上限角速度ωlim2を演算する。各マップ122〜125は、第1上限角速度演算部81のマップ82〜85と類似の傾向にそれぞれ設定されている。より具体的には、各マップ122〜125におけるエンド離間角Δθが所定角度θ2以下の領域での第2上限角速度ωlim2は、対応するマップ82〜85における同領域での第1上限角速度ωlim1よりも小さく、該第1上限角速度ωlim1と同一の勾配でエンド離間角Δθの減少に伴って小さくなるように設定されている。また、各マップ122〜125におけるエンド離間角Δθが所定角度θ2よりも大きい領域での第2上限角速度ωlim2は、第1上限角速度ωlim1よりも小さな値で一定となるように設定されている。つまり、第2超過角速度演算部103は、路面状況に応じた転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、第2上限角速度ωlim2が小さくなり、第2超過角速度ωo2が大きくなるように演算する。
また、第2上限角速度演算部121は、各マップ122〜125に基づいて演算された第2上限角速度ωlim2及びモード選択信号Sslが入力されるモード切替部126を備えている。モード切替部126は、モード選択信号Sslが示すモードに対応するマップに基づいて演算された第2上限角速度ωlim2が出力されるように内部のスイッチを切り替える。これにより、選択されたモードに応じた第2上限角速度ωlim2が出力される。
第2超過角速度演算部103は、制御角速度ωsの絶対値が第2上限角速度演算部121において演算された第2上限角速度ωlim2よりも大きい場合には、制御角速度ωsの第2上限角速度ωlim2に対する超過分を第2超過角速度ωo2として速度制限成分演算部104(図6参照)に出力する。一方、第2超過角速度演算部103は、制御角速度ωsの絶対値が第2上限角速度ωlim2以下の場合には、ゼロを示す第2超過角速度ωo2を速度制限成分演算部104に出力する。なお、第2超過角速度演算部103は、最小値選択部127及び減算器128を有しており、第1超過角速度演算部72と同様に第2超過角速度ωo2を演算する。
図6に示すように、速度制限成分演算部104には、第2超過角速度ωo2及び車速SPDが入力される。速度制限成分演算部104は、第2超過角速度ωo2及び車速SPDと速度制限成分Igsとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより第2超過角速度ωo2及び車速SPDに応じた速度制限成分Igsを演算する。このマップでは、速度制限成分Igsは、第2超過角速度ωo2がゼロの場合に速度制限成分Igsが最も小さくなり、第2超過角速度ωo2の増大に比例して速度制限成分Igsが大きくなるように設定されている。また、このマップは、車速SPDの増大に基づいて、速度制限成分Igsが小さくなるように設定されている。つまり、本実施形態の速度制限成分演算部104のマップは、ダンピング制御量演算部62の演算処理部73のマップと同様に設定されている。また、上記のように路面状況に応じた転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、第2超過角速度ωo2が大きくなるため、転舵輪3の転舵に必要なトルクが小さいほど、速度制限成分Igsも大きくなる。なお、このマップは、速度制限成分Igsが角度制限成分Igaに比べて小さな値となるように設定されている。このように演算された速度制限成分Igsは、速度制限成分減衰部106に出力される。
角度制限実施判定部105には、角度制限成分Iga及び定格電流Irが入力される。角度制限実施判定部105は、定格電流Irから角度制限成分Igaを差し引いた値が定格電流Irと等しいか否かを判定する。そして、同値が定格電流Irと等しい場合には、角度制限を実施している旨の判定信号Sdeを速度制限成分減衰部106に出力し、同値が定格電流Irと異なる場合には、角度制限を実施していない旨の判定信号Sdeを速度制限成分減衰部106に出力する。
速度制限成分減衰部106には、速度制限成分Igs及び判定信号Sdeが入力される。速度制限成分減衰部106は、角度制限を実施していない旨の判定信号Sdeが入力された場合には、速度制限成分Igsをそのまま減算器108に出力する。一方、速度制限成分減衰部106は、角度制限を実施している旨の判定信号Sdeが入力された場合には、同じ演算周期で入力された速度制限成分Igsの1/N(Nは、任意の自然数)の減衰値を記憶するとともに、速度制限成分Igsから減衰値を減算した値を速度制限成分Igs’として減算器108に出力する。そして、速度制限成分減衰部106は、以降の演算周期では、速度制限成分Igs’から減衰値を減算した値を新たな速度制限成分Igs’として減算器108に出力する。なお、速度制限成分減衰部106は、角度制限を実施している旨の判定信号Sdeが入力されてからN回目の演算周期で速度制限成分Igs’がゼロとなった以降は、継続してゼロを示す速度制限成分Igs’を出力する。また、速度制限成分減衰部106が減衰した速度制限成分Igs’を出力している際に、角度制限を実施していない旨の判定信号Sdeが入力された場合には、記憶した減衰値をリセットする。
上記角度制限成分Igaが入力される減算器107には、定格電流Irが入力される。舵角制限値演算部91は、減算器107において定格電流Irから角度制限成分Igaを差し引いた値を、速度制限成分Igs’が入力される減算器108に出力する。そして、舵角制限値演算部91は、減算器108において、減算器107の出力値から速度制限成分Igs’を差し引いた値、すなわち定格電流Irから角度制限成分Iga及び速度制限成分Igs’を差し引いた値を舵角制限値Ienとして上記最小値選択部93に出力する。
次に、本実施形態の操舵制御装置6によるエンド当ての衝撃緩和について説明する。
ラックエンド近傍まで操舵が行われた際に、制限値Igが定格電流Irよりも小さな舵角制限値Ienに設定され、q軸電流指令値Iq*(補正後電流指令値Ias**)の絶対値が制限値Igに設定された場合を想定する。上記のように舵角制限値Ienは、定格電流Irから角度制限成分Iga及び速度制限成分Igs’を差し引いた値であり、モータトルクは、エンド離間角Δθの大きさに応じて角度制限成分Igaだけ制限されるとともに、第2超過角速度ωo2に応じて速度制限成分Igs’だけ制限される。これにより、エンド離間角Δθが所定角度θ1以下になった場合にさらにエンド離間角Δθが小さくなることを制限するだけでなく、エンド離間角Δθが所定角度θ2以下になった場合の制御角速度ωsも制限してエンド当ての衝撃が緩和される。そして、角度制限成分Iga及び速度制限成分Igs’は、推定軸力Fb及び車速SPDに基づいて選択されたモードに応じた値となっているため、路面状況及び車速SPDに応じてエンド当ての衝撃が緩和される。
また、本実施形態では、第2上限角速度ωlim2が減少し始める所定角度θ2が、角度制限成分Igaが増大し始める所定角度θ1よりも中立位置側に設定されているため、速度制限成分Igs’の方が角度制限成分Igaよりも早い段階でゼロよりも大きな値となる。これにより、ラックエンドまで操舵する際において、はじめは舵角制限値Ienが速度制限成分Igs’のみにより制限された値となり、続いて舵角制限値Ienが速度制限成分Igs’及び角度制限成分Igaにより制限された値となる。そして、上記のように角度制限成分Igaによる舵角制限値Ienの制限が開始されると、速度制限成分Igs’が徐々に減衰されるため、大きな角度制限成分Igaにより舵角制限値Ienが制限されても、該舵角制限値Ienが急変することが抑制され、運転者が違和感を覚えにくくなる。
ここで、上記のようにラックエンド近傍まで操舵行われたのが低μ路上である場合を想定する。この場合、q軸電流指令値Iq*の絶対値が制限値Igに制限されても、制御角速度ωsが大きな値となることがある。この点、本実施形態では、補正後電流指令値Ias**は、基本電流指令値Ias*からダンピング制御量Idaが減算することにより演算され、ダンピング制御量Idaは、制御角速度ωsの第1上限角速度ωlim1に対する第1超過角速度ωo1の増大に基づいて大きくなる。これにより、低μ路等において制御角速度ωsが大きくなった場合に、補正後電流指令値Ias**の絶対値が減少することで、エンド当ての衝撃が緩和される。そして、ダンピング制御量Idaは、推定軸力Fb及び車速SPDに基づいて選択されたモードに応じた値となっているため、路面状況及び車速SPDに応じてエンド当ての衝撃が緩和される。
また、上記のように第1超過角速度演算部72の各マップ82〜85における所定角度θ2以下での第1上限角速度ωlim1の勾配と、第2超過角速度演算部103の各マップ122〜125における所定角度θ2以下での第2上限角速度ωlim2の勾配とが等しい。そのため、ラックエンドまでの操舵する際における第1超過角速度ωo1と第2超過角速度ωo2との変化傾向が等しくなる。これにより、速度制限成分Igsによる舵角制限値Ienに基づくエンド当て緩和と、ダンピング制御量Idaによるエンド当て緩和とが近いに操舵フィーリングになり、運転者が違和感を覚えにくくなる。
さらに、本実施形態の操舵制御装置6では、制御舵角θsの絶対値がエンド離間角Δθ以上になる前、すなわちエンド当て緩和制御が実行される前にモードを選択し、制御舵角θsの絶対値がエンド離間角Δθ以上である間は、該選択したモードを保持する。そのため、エンド当て緩和制御の実行中に路面状態が変化しても、モータトルクが急変することが抑制される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)操舵制御装置6は、複数のモードのうちの一を選択し、選択された一のモードに応じてエンド当て緩和制御実行時のq軸電流指令値Iq*を演算するため、路面状況に応じてエンド当ての衝撃を緩和できる。そして、エンド当て緩和制御が実行されている間は選択された一のモードが保持されるため、エンド当て緩和制御の実行中に路面状態が変化しても、モータトルクが急変することを抑制でき、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
(2)操舵制御装置6は、推定軸力Fbに加え、車速SPDも加味することで、細分化された複数のモードの内から最適なモードを選択するため、エンド当ての衝撃を好適に緩和できる。
(3)モード解除角度θreとモード選択角度θslとの間の角度範囲を、エンド近傍舵角θneとモード選択角度θslとの間の角度範囲よりも大きく設定したため、モード選択角度θslの近傍で操舵が繰り返し行われても、一旦設定されたモードが解除され難くなる。これにより、例えばモードの選択と解除が繰り返し行われることを抑制でき、例えば操舵制御装置6の演算負荷の増大を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、操舵制御装置の第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のダンピング制御量演算部62は、第1超過角速度ωo1をモードとは関係なく演算し、選択されたモードに応じて演算処理部73での処理を変更することにより、モードに応じたダンピング制御量Idaを演算する。
詳しくは、第1超過角速度ωo1の第1上限角速度演算部81は、エンド離間角Δθと第1上限角速度ωlim1との関係をそれぞれ定めた単一のマップを備えており、同マップを参照することにより、エンド離間角Δθに応じた第1上限角速度ωlim1を演算する。なお、このマップは、低μ路走行用上限角速度マップ85と同様に設定されており、第1超過角速度演算部72は、上記第1実施形態と同様に第1超過角速度ωo1を演算する。
本実施形態の演算処理部73には、第1超過角速度ωo1及び制御角速度ωsに加え、モード選択信号Sslが入力される。そして、演算処理部73は、モード選択信号Sslが示すモードに応じたダンピング制御量Idaを演算する。
図10に示すように、演算処理部73は、高μ路モード、中μ路モード、低μ路停車モード及び低μ路走行モードでの第1超過角速度ωo1とダンピング制御量Idaとの関係をそれぞれ定めた高μ路用演算処理マップ131、中μ路用演算処理マップ132、低μ路停車用演算処理マップ133及び低μ路走行用演算処理マップ134を備えている。そして、演算処理部73は、各マップ131〜134を参照することにより第1超過角速度ωo1に基づいて各マップ131〜134に応じたダンピング制御量Idaを演算する。なお、演算処理部73は、ダンピング制御量Idaの符号(方向)を制御角速度ωsに示される符号(方向)とする。各マップ131〜134では、ダンピング制御量Idaは、第1超過角速度ωo1がゼロの場合に最も小さくなり、第1超過角速度ωo1の増大に比例して増大するように設定されている。そして、第1超過角速度ωo1に対するダンピング制御量Idaの勾配は、高μ路用角度制限マップ131、中μ路用角度制限マップ132、低μ路停車用角度制限マップ133及び低μ路走行用角度制限マップ134の順で大きくなるように設定されている。
また、演算処理部73は、各マップ131〜134に基づいて演算されたダンピング制御量Ida及びモード選択信号Sslが入力されるモード切替部135を備えている。モード切替部135は、モード選択信号Sslが示すモードに対応するマップに基づいて演算されたダンピング制御量Idaが出力されるように内部のスイッチを切り替える。これにより、選択されたモードに応じたダンピング制御量Idaが減算器64(図2参照)に出力される。
図11に示すように、本実施形態の舵角制限値演算部91では、角度制限成分演算部102は、角度制限成分Igaをモードとは関係なく演算する。具体的には、角度制限成分演算部102は、エンド離間角Δθ及び車速SPDと角度制限成分Igaとの関係を定めた単一のマップを備えており、同マップを参照することにより、エンド離間角Δθ及び車速SPDに応じた角度制限成分Igaを演算する。なお、このマップは、低μ路停車用角度制限マップ113と同様に設定されるとともに、エンド離間角Δθが所定角度θ1以下の領域では、車速SPDの増大に基づいて、角度制限成分Igaが小さくなるように設定されている。
また、第2超過角速度演算部103は、第2超過角速度ωo2をモードとは関係なく演算し、選択されたモードに応じて速度制限成分演算部104での処理を変更することにより、モードに応じた速度制限成分Igsを演算する。
詳しくは、第2超過角速度ωo2の第2上限角速度演算部121は、エンド離間角Δθと第2上限角速度ωlim2との関係をそれぞれ定めた単一のマップを備えており、同マップを参照することにより、エンド離間角Δθに応じた第2上限角速度ωlim2を演算する。なお、このマップは、低μ路走行用上限角速度マップ125と同様に設定されており、第2超過角速度演算部103は、上記第1実施形態と同様に第2超過角速度ωo2を演算する。
速度制限成分演算部104には、第2超過角速度ωo2に加え、モード選択信号Sslが入力される。そして、速度制限成分演算部104は、モード選択信号Sslが示すモードに応じた速度制限成分演算部104を演算する。本実施形態の速度制限成分演算部104は、高μ路モード、中μ路モード、低μ路停車モード及び低μ路走行モードでの第2超過角速度ωo2と速度制限成分Igsとの関係をそれぞれ定めた高μ路用速度制限マップ、中μ路用速度制限マップ、低μ路停車用速度制限マップ及び低μ路走行用速度制限マップを備えている。なお、速度制限成分演算部104の各マップは、上記各マップ131〜134と同様に設定されており、速度制限成分演算部104は、演算処理部73と同様に、選択されたモードに応じた速度制限成分Igsを演算し、速度制限成分減衰部106に出力する。
このように構成された操舵制御装置6では、上記第1実施形態と同様に、路面状況及び車速SPDに応じてエンド当ての衝撃が緩和されるとともに、エンド当て緩和制御の実行中に路面状態が変化しても、モータトルクが急変することが抑制される。
以上、本実施形態では、上記第1実施形態の(1)〜(3)の作用及び効果と同様の作用及び効果を有する。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態において、高μ路モード及び中μ路モードの少なくとも一方を車速SPDに基づいて細分化してもよい。また、低μ路モードを車速SPDに基づいて細分化しなくてもよい。さらに、モード選択部55が推定軸力Fbに加え、車速SPD以外の状態量に基づいて細分化されたモードのうちから一のモードを選択してもよい。
・上記各実施形態において、モード解除角度θreとモード選択角度θslとの間の角度範囲を、エンド近傍舵角θneとモード選択角度θslとの間の角度範囲以下に設定してもよく、モード解除角度θreとモード選択角度θslとを同一の角度にしてもよい。
・上記各実施形態では、モータトルクと操舵トルクTsとに基づいてラック軸12に作用する推定軸力Fbを演算したが、これに限らず、例えば転舵輪3の転舵角等に基づいて推定軸力Fbを演算してもよい。また、例えばラック軸12に軸力を検出できる圧力センサ等を設け、その検出結果に基づいてモード選択部55がモードを選択してもよい。
・上記各実施形態において、第1超過角速度演算部72における各マップ82〜85の形状は適宜変更可能である。例えば第1上限角速度ωlim1が減少し始める角度を所定角度θ1としてもよく、また各マップ82〜85間で第1上限角速度ωlim1が減少し始める角度が異なっていてもよい。また、各マップ82〜85における所定角度θ2以下の領域での第1上限角速度ωlim1の勾配と、第2超過角速度演算部103の各マップ122〜125における所定角度θ2以下の領域での第2上限角速度ωlim2の勾配とは異なっていてもよい。さらに、第1超過角速度演算部72の各マップ82〜85における所定角度θ2よりも大きい領域での第1上限角速度ωlim1と、第2超過角速度演算部103の各マップ122〜125における所定角度θ2よりも大きい領域での第2上限角速度ωlim2とが等しくてもよい。同様に、上記第2超過角速度演算部103における各マップ122〜125の形状は適宜変更可能である。
・上記各実施形態において、角度制限成分演算部102におけるマップ111〜114の形状は適宜変更可能である。例えば角度制限成分Igaが増加し始める角度を所定角度θ2としてもよい。また、各マップ111〜114における所定角度θ1以下の領域で、角度制限成分Igaが非線形的に変化してもよい。また、上記第2実施形態において、角度制限成分Igaが車速SPDに応じて変更されないようにしてもよい。
・上記各実施形態において、演算処理部73のマップ131〜134の形状は適宜変更可能である。例えば第1超過角速度ωo1の増大に基づいて非線形的にダンピング制御量Idaが大きくなるように設定してもよい。また、上記第1実施形態において、ダンピング制御量Idaが車速SPDに応じて変更されないようにしてもよい。同様に、速度制限成分演算部104における各マップの形状は適宜変更可能である。
・上記各実施形態において、基本電流指令値Ias*からダンピング制御量Idaを減算した値を制限値Igに基づいてガード処理したが、これに限らず、例えばステアリングホイール2が中立位置に戻ることを補助するための制御量等をさらに合算した値を制限値Igに基づいてガード処理してもよい。
・上記各実施形態では、制限値設定部56は、電源電圧Vbに基づいて電圧制限値Ivbを演算する電圧制限値演算部92を備えたが、これに限らず、電圧制限値演算部92に加えて又は代えて、他の状態量に基づく他の制限値を演算する他の演算部を備えてもよい。また、制限値設定部56が電圧制限値演算部92を備えず、舵角制限値Ienをそのまま制限値Igとして設定する構成としてもよい。
・上記各実施形態において、舵角制限値演算部91が角度制限実施判定部105及び速度制限成分減衰部106を備えない構成としてもよい。
・上記各実施形態において、舵角制限値Ienを定格電流Irから角度制限成分Igaのみを減算することで演算してもよい。
・上記各実施形態において、電流指令値演算部51がダンピング制御量演算部62を備えず、基本電流指令値Ias*を制限値Ig以下に制限することで、エンド当て緩和制御を行ってもよい。また、電流指令値演算部51がガード処理部63を備えず、基本電流指令値Ias*からダンピング制御量Idaを減算することのみでエンド当て緩和制御を行ってもよい。
・上記各実施形態において、舵角閾値をエンド近傍舵角θne以外の角度に設定してもよい。
・上記各実施形態では、制御舵角演算部53は、ラック軸12がステアリング中立位置にある状態での制御舵角θsを原点としてモータ21の回転数を積算し、この回転数及びモータ角θmに基づいて制御舵角θsを演算した。しかし、これに限らず、制御舵角演算部53は、例えばラックエンド位置での制御舵角を原点とする回転数及びモータ角θmに基づいて制御舵角やエンド離間角を演算し、これらに基づいて制限値Igを演算してもよい。なお、こうした制御舵角の原点は、例えば車両製造時に予め記憶させてもよく、また操舵を通じた学習により設定してもよい。また、例えば転舵輪3の転舵角に換算可能な回転軸であるステアリングシャフト11の回転角を絶対角で検出するセンサを設け、制御舵角演算部53は、該センサの検出値に基づいて制御舵角θsを演算してもよい。
・上記各実施形態では、操舵制御装置6は、EPSアクチュエータ5がコラム軸14にモータトルクを付与する形式のEPS1を制御対象としたが、これに限らず、例えばボール螺子ナットを介してラック軸12にモータトルクを付与する形式の操舵装置を制御対象としてもよい。また、EPSに限らず、操舵制御装置6は、運転者により操作される操舵部と、転舵輪を転舵させる転舵部との間の動力伝達が分離されたステアバイワイヤ式の操舵装置を制御対象とし、転舵部に設けられる転舵アクチュエータのモータのトルク指令値(q軸電流指令値)について、本実施形態のようにエンド当て緩和制御を実行してもよい。
次に、上記各実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記制御部は、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転軸の回転角の絶対値が前記操舵装置に応じた舵角閾値を超える状況になる場合に、前記回転角の絶対値の増大に基づいて小さくなる舵角制限値を演算する舵角制限値演算部と、前記トルク指令値の絶対値の上限となる制限値を前記角度制限値以下に設定する制限値設定部と、前記トルク指令値の絶対値を前記制限値以下に制限するガード処理部とを備え、前記ガード処理部により制限された前記トルク指令値に前記モータトルクが追従するように前記モータを駆動することで前記エンド当て緩和制御を実行するものであって、前記舵角制限値演算部は、前記モータが出力可能なモータトルクとして予め設定された定格トルクに基づく値から、選択された前記一のモードに応じた角度制限成分及び速度制限成分を減算した値に基づいて前記舵角制限値を演算するものであり、前記角度制限成分は、前記回転角の絶対値が前記舵角閾値を超える状況になる場合に該回転角の絶対値の増大に基づいて大きくなるように演算され、前記速度制限成分は、前記回転角の絶対値に応じた上限角速度に対する前記角速度の超過分の増大に基づいて大きくなるように演算される操舵制御装置。
(ロ)前記トルク指令値演算部は、操舵トルクに基づく基本指令値を演算する基本指令値演算部と、前記回転角の絶対値が前記舵角閾値を超える状況になる場合に該回転角の絶対値に応じた上限角速度に対する前記角速度の超過分の増大に基づいて大きくなるようにダンピング制御量を演算するダンピング制御量演算部とを備え、前記基本指令値の絶対値を減少させるように前記ダンピング制御量を合算した値に基づいて前記トルク指令値を演算するものであって、前記ダンピング制御量演算部は、選択された前記一のモードに応じた前記ダンピング制御量を演算する操舵制御装置。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリングホイール、3…転舵輪、4…操舵機構、5…EPSアクチュエータ(アクチュエータ)、6…操舵制御装置、11…ステアリングシャフト、12…ラック軸、18…ラックエンド、21…モータ、41…マイコン(制御部)、51…電流指令値演算部、54…軸力推定部、55…モード選択部、56…制限値設定部、61…基本アシスト演算部、62…ダンピング制御量演算部、63…ガード処理部、86,115,126,135…モード切替部、91…舵角制限値演算部、92…電圧制限値演算部、102…角度制限成分演算部、104…速度制限成分演算部、Fb…推定軸力、Ien…舵角制限値、Iga…角度制限成分、Igs…速度制限成分、Ivb…電圧制限値、Ias*…基本電流指令値、Ias**…補正後電流指令値、Id*…d軸電流指令値、Ida…ダンピング制御量、Ig…制限値、Iq*…q軸電流指令値、Ir…定格電流、SPD…車速、Ssl…モード選択信号、Ts…操舵トルク、Vb…電源電圧、θs…制御舵角、θne…エンド近傍舵角(舵角閾値)、θre…モード解除角度、θsl…モード選択角度、ωs…制御角速度。

Claims (3)

  1. モータを駆動源とするアクチュエータにより転舵輪に連結される転舵軸を往復動させるモータトルクが付与される操舵装置を制御対象とし、
    前記モータが出力するモータトルクの目標値となるトルク指令値を演算するトルク指令値演算部を有し、前記トルク指令値に前記モータトルクが追従するように前記モータの駆動を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記転舵輪の転舵角に換算可能な回転軸の回転角の絶対値が前記操舵装置に応じた舵角閾値を超える状況になる場合に、該回転角の絶対値の増大に基づいて前記トルク指令値の絶対値を小さくするエンド当て緩和制御を実行するものであって、
    前記転舵輪に連結される転舵軸に作用する軸力に基づいて、前記エンド当て緩和制御実行時の前記トルク指令値を演算する際に用いる値が互いに異なるように設定された複数のモードのうちの一を選択するモード選択部を備え、
    選択された前記一のモードは、前記エンド当て緩和制御が実行されている間、保持される操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記モード選択部は、前記軸力及び車速に基づいて前記複数のモードの一を選択する操舵制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の操舵制御装置において、
    前記モード選択部は、前記回転角が前記舵角閾値よりも中立位置側のモード選択角度をエンド側に超える際に前記複数のモードのうちの一を選択し、
    選択された前記一のモードは、前記モード選択角度よりも中立位置側のモード解除角度を中立位置側に超えるまで保持されるものであり、
    前記モード解除角度と前記モード選択角度との間の角度範囲は、前記舵角閾値と前記モード選択角度との間の角度範囲よりも大きく設定された操舵制御装置。
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