JP2020007175A - セラミック構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接合されたセラミックスからなる構造体において、加熱および冷却の繰り返しに対する信頼性に優れるセラミック構造体およびその製造方法を提供する。【解決手段】 本開示のセラミック構造体は、孔を有する基部と、前記孔に嵌め合わされる軸部とを備える。前記基部および前記軸部は、酸化アルミニウム質セラミックスからなり、少なくとも前記基部は、珪素を含有している。前記基部は、前記軸部との嵌め合せ面を含む前記孔の周囲の第1領域と、該第1領域を除く第2領域とを有し、前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素の面積率が小さい。【選択図】 図2

Description

本開示は、セラミック構造体およびその製造方法に関する。
比較的安価であり、優れた機械的特性を有するアルミナ質セラミックスは、種々の構造体への展開が図られている。構造体の一つとして、板状体が有する孔に筒状体が嵌め合わされるようなものの場合において接合技術が用いられており、信頼性向上の観点から接合力を高めることが検討されている。
例えば、特許文献1では、片面に周面を外方へ拡開したテーパー面とする凹部が形成されてなるセラミック円板と、その凹部のテーパー面と係合可能なテーパー面が一端部の外周に形成され、セラミック円板と同様のセラミック円筒体とが、両テーパー面間に無機成分を主成分とする接合層を介して接合されたセラミック構造体が提案されている。
特開2001−10872号公報
筒状体の外径が、例えば1mm以下と小さかったり、筒状体の肉厚が、例えば0.5mm以下と薄かったりすると、加熱および冷却が繰り返される熱サイクルによって、筒状体が板状体から抜けやすくなるという問題があった。
本開示は、接合されたセラミックスからなる構造体において、加熱および冷却の繰り返しに対する信頼性に優れるセラミック構造体およびその製造方法を提供する。
本開示のセラミック構造体は、珪素を含有する酸化アルミニウム質セラミックスからなり、孔を有する基部と、前記孔に嵌め合わされる軸部とを備える。前記基部は、前記軸部との嵌め合せ面を含む前記孔の周囲の第1領域と、該第1領域を除く第2領域とを有し、前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素の面積率が小さい。
本開示のセラミック構造体の製造方法は、前記基部が、第1基板と第2基板からなり、該第2基板の嵌め合せ面および前記軸部の嵌め合せ面の少なくともいずれかに水滴を噴霧して吸着させた後に熱処理する。
本開示のセラミック構造体は、加熱および冷却を繰り返しても、軸部が基部から抜けにくく信頼性に優れる。
本開示のセラミック構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は軸部の軸心に沿って切断した状態を示す部分断面図である。 (a)は、図1に示すセラミック構造体のA部を走査型電子顕微鏡で撮影した写真であり、(b)は(a)におけるC部を拡大した写真であり、(c)は電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いた(b)の領域における珪素のカラーマッピング像である。 本開示のセラミック構造体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は軸部の軸心を含む部分断面図である。 本開示のセラミック構造体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は軸部の軸心に沿って切断した状態を示す部分断面図である。
以下、図面を参照して、本開示のセラミック構造体について詳細に説明する。
図1、3、4は、本開示のセラミック構造体の複数の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は軸部の軸心に沿って切断した状態を示す部分断面図である。
図2(a)は、図1に示すセラミック構造体のA部を走査型電子顕微鏡で撮影した写真であり、(b)は(a)におけるC部を拡大した写真であり、(c)は電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いた(b)の領域における珪素のカラーマッピング像である。
カラーマッピング像では、元素の存在が認められる部分が白色または有色で表示され、元素の存在が認められない部分が黒色で表示される。本図面においては、黒色以外の部分が珪素の存在位置である。 図1に示すセラミック構造体20は、孔8を有する基部1と、孔8に嵌め合わされる軸部2とを備えてなる。そして、基部1および軸部2は、酸化アルミニウム質セラミックスからなる。また、酸化アルミニウム質セラミックスからなる基部1は、珪素を含有する。
ここで、酸化アルミニウム質セラミックスとは、セラミックスを構成する成分の含有量の合計100質量%のうち、酸化アルミニウムが70質量%以上を占めるセラミックスのことをいう。また、セラミックスを構成する各成分の含有量は、CuKα線を用いたX線回折装置による測定結果から同定した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、元素の含有量を求め、同定された成分の含有量に換算すればよい。
また、基部1は、例えば、外径が3mm以上12mm以下、厚みが2mm以上8mm以下の円板であってもよい。軸部2は、例えば、外径が0.5mm以上1.5mm以下、内径が0.2mm0.4mm以下、基部1の内部における、軸部2の端面からの高さが10mm以上50mm以下の円筒体であってもよい。なお、図1に示すセラミック構造体10では、軸部2の端面と基部1の孔8における底面(軸部2の端面との対向面)とが離間している例を示しているが、軸部2の端面と基部1の孔8における底面とが当接していてもよい。
基部1は、図2に示すように、軸部2との嵌め合せ面を含む孔8の周囲の第1領域3と、第1領域3を除く第2領域4とを有する。なお、第1領域3とは、軸部2との嵌め合せ面(基部1における嵌め合せ面)から内部に60μmまでの領域のことである。そして、本開示のセラミック構造体20は、基部1において、第1領域3における珪素の面積率が第2領域4における珪素の面積率よりも小さい。なお、図2(c)においては、第2領域4の珪素を表していないが、第1領域3よりも珪素の面積率が大きいものである。
このような構成をセラミック構造体20は、基部1が軸部2における嵌め合せ面を含む部分を圧縮する力が強くなるため、加熱および冷却を繰り返しても、軸部2が基部1から抜けにくい。
また、酸化アルミニウム質セラミックスからなる軸部2も、珪素を含有するものであっ
てもよい。そして、軸部2における嵌め合せ面(基部1との嵌め合せ面)を含む部分を第3領域5としたとき(図2(b)参照)、第1領域3における珪素の面積率が第2領域4における珪素の面積率よりも小さいことに加えて、第3領域5が第1領域3よりも珪素の面積率が大きくてもよい。なお、第3領域5とは、軸部2における嵌め合せ面から内部に60μmまでの領域のことである。
このような構成を満たすときには、室温〜400℃における温度範囲では、第1領域3は第2領域4よりも線膨張係数が高く、第3領域は第1領域3よりも線膨張係数が低い。そのため、第1領域3では圧縮応力が、第3領域5では引張応力がそれぞれ生じ、第3領域5は第1領域3からの圧縮する力を受け入れやすくなることから、加熱および冷却が繰り返されても、軸部2が基部1からさらに抜けにくくなる。
図2(c)に示す例では、第1領域3の珪素6の面積率Sが4.9%であり、第3領域5の面積率Sが6.5%である。このように、第1領域3の珪素6の面積率Sと、第3領域5の珪素7の面積率Sとの差ΔSは、1%以上であってもよい。このような構成を満たすときには、差ΔSが1%未満の場合よりも圧縮応力と引張応力との差がより高くなるため、軸部2はさらに基部1から抜けにくくなる。
各領域における珪素6、7の面積率S、Sは、以下の方法で求めることができる。まず、ダイヤモンド砥粒を用いて軸部2の軸心に沿って切断した断面を研磨して、研磨面を得る。この研磨面に、電子線マイクロアナライザ(EPMA)の電子線を照射して得られる珪素のカラーマッピング像(例えば、図2(c))を対象として、画像解析ソフト「A像くん(ver2.52)」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、なお、以降に画像解析ソフト「A像くん」と記した場合、旭化成エンジニアリング(株)製の画像解析ソフトを示すものとする。)を用いて粒子解析という手法で求めればよい。この手法の設定条件としては、例えば、画像の明暗を示す指標であるしきい値を15、明度を明、小図形除去面積を0.1μm、雑音除去フィルタを有とすればよい。
なお、上述の測定に際し、しきい値を15としたが、珪素6、7の明るさに応じて、しきい値を調整すればよい。具体的には、明度を明、2値化の方法を手動とし、小図形除去面積を0.1μmおよび雑音除去フィルタを有とした上で、観察像においてしきい値によって大きさが変化するマーカーが珪素6、7の形状と一致するようにしきい値を調整すればよい。図2(b)、(c)に示す例では、第1領域3の面積は5540μmであり、第3領域5の面積は、3100μmである。
また、嵌め合せ面において、基部1における結晶粒子9の一部が軸部2にわたって位置していてもよい。このような構成を満たすときには、結晶粒子9が抜け防止の役割を担うとともに、圧縮する力を加える部分がより軸部2に近くなることから、軸部2はさらに基部1から抜けにくくなり、セラミック構造体20の信頼性が増す。
また、第3領域5の珪素6の重心間距離の平均値から珪素6の円相当径の平均値を引いた値が、第1領域3の珪素7の重心間距離の平均値から珪素7の円相当径の平均値を引いた値よりも小さくてもよい。
上記は、珪素の大きさ、分布状態を領域毎に比較したものであり、このような構成を満たすときには、軸部2には基部1から強い圧縮する力が加わるため、軸部2はさらに基部1から抜けにくくなり、セラミック構造体20の信頼性がさらに増す。
珪素6、7のそれぞれの円相当径および重心間距離は、以下の方法で求めることができる。まず、図2(c)に示す珪素のカラーマッピング像を対象として画像解析ソフト「A
像くん」を用いて粒子解析という手法を用いて、珪素6、7のそれぞれの円相当径を求めればよい。同様に、図2(c)に示す珪素のカラーマッピング像を対象として画像解析ソフト「A像くん」を用いて重心間距離法という手法を用いて、重心間距離を求めればよい。いずれの場合も、設定条件は、面積率S(S)を求めた設定条件と同じにすればよい。
また、第3領域5の珪素6の円相当径の変動係数は、第1領域3の珪素7の円相当径の変動係数よりも小さくてもよい。このような構成を満たすときには、基部1から軸部2に加わる圧縮する力にばらつきが少ないため、セラミック構造体20の信頼性がさらに増す。なお、円相当径の変動係数とは、円相当径の算術平均および標準偏差を算出し、標準偏差を算術平均で除すことで求められる。
図3は、本開示のセラミック構造体の他の例を示す斜視図である。
図3に示すセラミック構造体30は、基部1が、第1基板1aと第2基板1bとを有する。具体的に基部1は、第1基板1aと、第1基板1a上に載置され、孔8を有する第2基板1bとからなる。そして、軸部2は、孔8内に挿入されるものであって、第1基板1aと第2基板1bとが接合されてなる。図3においては、第1基板1aの上面と、第2基板1bの下面が接合されている。そして、軸部2と第2基板1bとの嵌め合せ面とが直接接合されていてもよい。軸部2と第2基板1bとの嵌め合せ面とは、図3に示す構成において、軸部2の外周面、第2基板1bの孔8の内周面のことである。なお、本開示における直接接合とは、接合層を介さない、すなわち接合剤を用いない接合のことをいう。
このような構成を満たすときには、優れた信頼性に加えて、第1基板1aに対する軸部2の位置精度(直角度)を高くすることができる。
なお、図3において、孔8は、第2基板1bを厚み方向に貫通している例を示しているが、貫通していないものであってもよい。また、図3において、軸部2は、第1基板1aの図示における上面に接するものとなっていないが、接するものであってもよい。また、図1および図3においては、軸部2を筒状体のものを示したが柱状であってもよい。
また、本開示のセラミック構造体では、軸部2の相対密度が第2基板1bの相対密度よりも高くてもよい。軸部2の相対密度が第2基板1bの相対密度よりも高いときには、軸部2の熱伝導性が高いため、第2基板1bにおいて生じた熱、若しくは外部等から与えられた熱を軸部2へと逃がすことができる。すなわち、第2基板1bを速やかに冷却することができる。
相対密度は、同定された主成分のセラミックスの理論密度に対する、JIS R 1634−1998に準拠して求めたセラミックスの見掛密度の百分率(割合)として表される。
また相対密度の関係に加えて、軸部2における酸化アルミニウムの平均結晶粒径が、第2基板1bにおける酸化アルミニウムの平均結晶粒径よりも小さくてもよい。このような構成を満たすときには、軸部2は、破壊靭性および機械的強度が高いため、長期使用に耐え、さらに優れた信頼性を有する。
酸化アルミニウムの平均結晶粒径の測定については、まず、測定の対象とする面を、焼成温度から50〜100℃低い温度で熱処理する。そして、熱処理した面を光学顕微鏡を用いて、倍率を400倍とし、測定対象の範囲を、例えば、横方向の長さを200μm、縦方向の長さを140μmとして撮影する。次に、撮影した画像のうち、中央部(面積が
1.05×10μm)を計測範囲とし、画像解析ソフト(例えば、三谷商事(株)製、Win ROOF)を用いて解析することによって、酸化アルミニウムの平均結晶粒径の値を得ることができる。解析するに当たり、粒径のしきい値は、0.21μmとし、0.21μm未満の粒径は平均結晶粒径の算出の対象とはしない。このしきい値は、簡易的に酸化アルミニウムの結晶粒子を選定するためのものともいえる。
また、第2基板1bおよび軸部2は、珪素と、マグネシウムおよびカルシウムの少なくともいずれかとを含み、酸化物に換算した珪素、マグネシウムおよびカルシウムの含有量の合計が第2基板1bよりも軸部2の方が少なくてもよい。
このような構成を満たすときには、軸部2の熱伝導性が高く、加熱および冷却を繰り返しても第2基板1bより軸部2に生じる残留応力を少なくすることができるため、長期間に亘って用いることができる。さらに、軸部2のみがプラズマに晒される環境で用いられる場合、その劣化を抑制することができる。
珪素、マグネシウムおよびカルシウムのそれぞれの含有量は、ICPまたはXRFによりこれら各元素の含有量を求め、それぞれ酸化物(SiO、MgO、CaO)に換算することにより、これら元素の酸化物の含有量の合計を求めることができる。
また、軸部2が筒状体であり、筒状体の内周面から第1基板1aにおける軸部2に対する対向面に亘って被覆層9を有していてもよい。この構成を示すのが図4のセラミック構造体40である。ここで、第1基板1aにおける軸部2に対する対向面とは、図4において第1基板1aの上面にあたる。このような構成を満たすときには、軸部2はより抜けにくいことから、さらに優れた信頼性を有する。
次に、本開示のセラミック構造体の製造方法の一例について説明する。
まず、基部(第1基板および第2基板)の製造方法の一例について説明する。
主成分である酸化アルミニウム粉末(純度が99.9質量%以上)と、水酸化マグネシウム、酸化珪素および炭酸カルシウムの各粉末とを粉砕用ミルに溶媒(イオン交換水)とともに投入して、粉末の平均粒径(D50)が1.5μm以下になるまで粉砕した後、有機結合剤と、酸化アルミニウム粉末を分散させる分散剤とを添加、混合してスラリーを得る。
ここで、上記粉末の合計100質量%における水酸化マグネシウム粉末の含有量は0.3〜0.42質量%、酸化珪素粉末の含有量は0.5〜0.8質量%、炭酸カルシウム粉末の含有量は0.060〜0.1質量%であり、残部が酸化アルミニウム粉末および不可避不純物である。
有機結合剤は、アクリルエマルジョン、ポリビニールアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等である。
次に、スラリーを噴霧造粒して顆粒を得た後、1軸プレス成形装置あるいは冷間静水圧プレス成形装置を用いて、成形圧を78Mpa以上128MPa以下として加圧することにより基板状の成形体を得る。
成形体の一部は、切削加工により孔を形成する。
次に、焼成温度を1500℃以上1700℃以下、保持時間を4時間以上6時間以下と
して、孔のない成形体および孔を有する成形体を焼成することによってそれぞれ第1基板、第2基板を得る。
次に、軸部の製造方法の一例について説明する。
主成分である酸化アルミニウム粉末(純度が99.9質量%以上)と、水酸化マグネシウム、酸化珪素および炭酸カルシウムの各粉末に、有機結合剤、可塑剤、潤滑剤およびイオン交換水とを添加し、万能撹拌機、回転ミルまたはV型撹拌機等を使って撹拌した後、さらに三本ロールミルや混練機等を用いて混練することにより可塑化した坏土を得る。
ここで、上記粉末の合計100質量%における水酸化マグネシウム粉末の含有量は0.43〜0.53質量%、酸化珪素粉末の含有量は0.02〜0.04質量%、炭酸カルシウム粉末の含有量は0.020〜0.071質量%であり、残部が酸化アルミニウム粉末および不可避不純物である。
また、有機結合剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性バインダである。
ここで、軸部における酸化アルミニウムの結晶粒子の平均結晶粒径が第2基板における酸化アルミニウムの結晶粒子の平均結晶粒径よりも小さくするには、例えば、軸部を得るために用いる酸化アルミニウム粉末の平均粒径を、第2基板を得るために用いる酸化アルミニウム粉末の平均粒径よりも小さくするとともに、軸部を得るための焼成温度を、第2基板を得るための焼成温度よりも低くすればよい。
また、酸化物に換算した珪素、マグネシウムおよびカルシウムの含有量の合計を第2基板よりも軸部の方を少なくするには、水酸化マグネシウム粉末、酸化珪素粉末および炭酸カルシウム粉末の各含有量の合計を第2基板よりも軸部の方で少なくすればよい。
また、第3領域の珪素の重心間距離の平均値から珪素の円相当径の平均値を引いた値が、第1領域の珪素の重心間距離の平均値から珪素の円相当径の平均値を引いた値よりも小さくするには、軸部を得るために用いる酸化珪素粉末の含有量を、基部を得るために用いる酸化珪素粉末の含有量よりも少なくすればよい。
また、第3領域の珪素の円相当径の変動係数が、第1領域の珪素の円相当径の変動係数よりも小さくするには、軸部を得るために用いる酸化珪素粉末の平均粒径を、基部を得るために用いる酸化珪素粉末の平均粒径よりも小さくして分散性を高めればよい。
次に、坏土を押出成形機で成形し、筒状または柱状の成形体を得る。
ここで、軸部の相対密度が第2基板の相対密度よりも高くするには、軸部となる成形体形成時における坏土の押出速度を極力遅くし、例えば、20m/分以下にすればよい。
そして、成形体を、焼成温度を1500℃以上1700℃以下、保持時間を4時間以上6時間以下として焼成することによって筒状または柱状の焼結体を得ることができる。
そして、第2基板の嵌め合せ面および軸部の嵌め合せ面の少なくともいずれかに水滴を噴霧して吸着させた後、熱処理することで本開示のセラミック構造体を得ることができる。ここで、第1基板の上面および第2基板の下面の少なくともいずれかに水滴を噴霧して吸着させてもよい。
噴霧された水滴が互いに対向する表面を表面張力により密着させることができ、かつ、水和反応(不純物が少ないHOによる局所的なOH基の加水分解反応で誘発されたAl以外の元素(Si、Mg、Ca)が電気陰性度の違いで、酸化アルミニウムと再結晶化され、強固な結合を得ることができる。
ここで、第2基板の嵌め合せ面および軸部の嵌め合せ面の少なくともいずれかが研磨されていてもよく、平均粒径D50が、例えば、2μm以下のダイヤモンド砥粒を用いて研磨してもよい。研磨により、研磨された表面の加水分解の反応が活性化されるので、より強固な結合を得ることができる。研磨された表面の算術平均粗さRaは、0.4μm以下であってもよい。
次に、水滴を噴霧して吸着させて嵌め合せた後に、1000℃以上1800℃以下の温度で熱処理することにより、フィックの第2法則により、珪素を多く含有する基部の第1領域から軸部に向って珪素が拡散移動する。これにより、基部においては、第1領域が第2領域よりも珪素の面積率が小さくなる。また、熱処理温度を1100℃以上1800℃以下にすることで、第1領域よりも第3領域の珪素の面積率を大きくすることができる。また、第1領域の珪素の面積率と、第3領域の珪素の面積率との差を1%以上にするには、温度を1200℃以上1800℃以下とすればよい。
上述した製造方法によって得られたセラミック構造体は、加熱および冷却を繰り返しても、基部から軸部が抜けにくいため、信頼性に優れる。そのため、優れた信頼性が求められる用途、例えば、半導体製造装置用部材、液晶製造装置用部材として好適に用いることができる。
1 :基部
1a:第1基板
1b:第2基板
2 :軸部
3 :第1領域
4 :第2領域
5 :第3領域
6 :珪素
7 :珪素
8 :孔
9 :結晶粒子
10:被覆部
20、30、40:セラミック構造体

Claims (11)

  1. 孔を有する基部と、
    前記孔に嵌め合わされる軸部とを備え、
    前記基部および前記軸部は、酸化アルミニウム質セラミックスからなり、
    少なくとも前記基部は、珪素を含有しており、
    前記基部は、前記軸部との嵌め合せ面を含む前記孔の周囲の第1領域と、該第1領域を除く第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記第2領域よりも珪素の面積率が小さい、セラミック構造体。
  2. 前記軸部は、珪素を含有しており、前記基部との嵌め合せ面を含む部分を第3領域としたとき、
    前記第3領域は、前記第1領域よりも珪素の面積率が大きい、請求項1に記載のセラミック構造体。
  3. 前記第1領域の珪素の面積率と、前記第3領域の珪素の面積率との差は、1%以上である、請求項2に記載のセラミック構造体。
  4. 前記嵌め合せ面において、前記基部における結晶粒子の一部が前記軸部にわたって位置する、請求項1乃至請求項3のいずれかにセラミック構造体。
  5. 前記第3領域の珪素の重心間距離の平均値から前記珪素の円相当径の平均値を引いた値は、前記第1領域の珪素の重心間距離の平均値から前記珪素の円相当径の平均値を引いた値よりも小さい、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のセラミック構造体。
  6. 前記第3領域の珪素の円相当径の変動係数は、前記第1領域の珪素の円相当径の変動係数よりも小さい、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のセラミック構造体。
  7. 前記基部は、第1基板と、該第1基板上に載置され、前記孔を有する第2基板とからなるとともに、前記軸部は、前記第1基板と前記第2基板とが接合されてなるとともに、前記軸部の嵌め合せ面と前記第2基板の嵌め合せ面とが直接接合されてなる、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセラミック構造体。
  8. 前記軸部の相対密度は、前記第2基板の相対密度よりも高い、請求項7に記載のセラミック構造体。
  9. 前記軸部は筒状体であり、該筒状体の内周面から前記第1基板における前記軸部に対する対向面に亘って被覆層を有する、請求項7または請求項8に記載のセラミック構造体。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法であって、嵌め合せ工程において、前記第2基板の嵌め合せ面および前記軸部の嵌め合せ面の少なくともいずれかに水滴を噴霧して吸着させた後に嵌め合せ、その後熱処理工程を行う、セラミック構造体の製造方法。
  11. 前記嵌め合せ工程の前に、前記第2基板の嵌め合せ面および前記軸体の嵌め合せ面の少なくともいずれかを研磨する研磨工程を行う、請求項10に記載のセラミック構造体の製造方法。
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