JP2020007239A - ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 - Google Patents
ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020007239A JP2020007239A JP2018127330A JP2018127330A JP2020007239A JP 2020007239 A JP2020007239 A JP 2020007239A JP 2018127330 A JP2018127330 A JP 2018127330A JP 2018127330 A JP2018127330 A JP 2018127330A JP 2020007239 A JP2020007239 A JP 2020007239A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tbucz
- group
- pyhpm
- organic
- pyrimidine derivative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
Abstract
【課題】三重項励起子を一重項励起子へ効率良くアップコンバージョンさせることができる熱活性化遅延蛍光(TADF)材料としてのピリミジン誘導体の提供。【解決手段】式で表されるピリミジン誘導体。(式中、R1〜R28はそれぞれ独立にH、アルキル基又はアリール基を表す。)【選択図】なし
Description
本発明は、発光効率の高い新規ピリミジン誘導体、及びそれを用いた有機EL素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子では、一対の電極間に電圧を印加することにより、陽極から正孔が、陰極から電子が、発光材料として有機化合物を含む発光層にそれぞれ注入され、注入された電子及び正孔が再結合することによって、発光性の有機化合物中に励起子が形成され、励起された有機化合物から発光を得ることができる。
このような有機EL素子の実用性を向上させる手段の一つは、発光効率を上げることにある。有機化合物が形成する励起子には、一重項励起子(ES)及び三重項励起子(ET)があり、一重項励起子(ES)からの蛍光発光と、三重項励起子(ET)からのリン光発光とがあるが、素子におけるこれらの統計的な生成比率は、ES:ET=1:3であり、蛍光発光を用いる有機EL素子では内部量子効率25%が限界といわれていた。そのため、電子からフォトンへの変換効率(内部量子効率)を向上させるべく、三重項励起状態を発光に変換することが可能なリン光性化合物を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われてきた。しかしながら、リン光性化合物はその多くが、イリジウムや白金などの貴金属を中心金属とした錯体であり、そのコストや供給の安定性の面で課題がある。
最近、このようなリン光性化合物を用いずに、三重項励起状態の一部を発光に変換可能な材料として、遅延蛍光を発する材料の研究が行われている。具体的には、三重項励起子(ET)を一重項励起子(ES)へアップコンバージョンさせる、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料を利用した有機EL素子が開発されている。このTADF材料を用いれば、一重項励起子(ES)は蛍光を発光する一方で、三重項励起子(ET)は、素子や周囲の熱を吸収して励起一重項へ逆項間交差されて蛍光を発光するため、電流励起によって生成するすべての励起子を光エネルギーとして取り出すことができ、同時に内部量子効率100%を実現することができる。また、これらの材料は有機物であるため、イリジウムや白金などの貴金属を含む従来の高効率なリン光発光材料よりも開発のコストの点において有利である。さらに、従来の蛍光材料と比較して理論外部量子効率が7.5%から30%と飛躍的に向上するが、一方で遅延蛍光を高効率で得るためには精密な分子設計が必要である。
TADF材料は一般的に半値幅(FWHM)の広いブロードな発光ピークを示す特徴がある。例えば、小松らが開発したAc−3MHPMは、有機EL素子において比較的高い外部量子効率(EQE=18%)かつ深青色発光(CIE(0.16、0.15))を達成するが、半値幅(FWHM)が83nmと大きく、励起エネルギー状態(ES=3.19eV、ET=2.95eV)も大きいことが問題であった(図1)(非特許文献1)。
TADF材料の半値幅は、電荷移動(CT)由来の発光であるため80〜100nmと広いものが多く、発光スペクトルの立ち上がりから見積もるESとETが大きくなる傾向にある。
このTADF材料の半値幅を狭くすれば、小さな励起エネルギー状態でも色度座標上で深い青色発光が可能となり、また発光材料のエネルギーを閉じ込めるホスト材料の選択肢も格段に広がる。そこで、半値幅の狭い青色TADF材料の開発が要望されている。
TADF材料の半値幅を小さくする手法は主に3つ挙げられる。Choらは、(i)立体障害を利用した分子の固定化の手法でCzBPCNを開発した(非特許文献2)。有機EL素子において狭い半値幅FWHM=48nmかつCIE(0.14,0.12)の深い青色発光を達成している。Rajamalliらは(ii)水素結合による分子の固定化により3DPyM−pDTCを開発した(非特許文献3)。ピリジル基の窒素とジtert−ブチルカルバゾールの水素との分子内水素結合により有機EL素子において比較的狭い半値幅であるFWHM=62nmを達成している。畠山らは(iii)剛直な分子骨格を利用したDABNA−2を開発した。平面構造でありながら共鳴効果を利用することで小さなΔESTを達成し、有機EL素子においてFWHM=28nmという狭い半値幅を達成している(非特許文献4)。
R. Komatsu et al., ACS Appl. Mater. Interfaces 9, 4742-4749 (2017).
Y. J. Cho et al., Chem. Mater. 28,5400-5405 (2016).
P. Rajamalli et al., J. Am. Chem.Soc. 139, 10948-10951 (2017).
T. Hatakeyama et al., Adv. Mater. 28, 2777-2781(2016).
上記(i)〜(iii)のうち(ii)では、分子内水素結合により分子が平面化すると、ドナー部位とアクセプター部位の軌道の重なりが大きくなりやすく、TADFの発現条件である小さなΔEST、すなわち、HOMOとLUMOとの軌道の重なりを小さくすることと矛盾するため、繊細な分子設計が求められる。適切なドナーとアクセプターを選択し、適切な位置に窒素原子を導入することで、深青色発光かつ半値幅の小さいTADF材料の新たな分子設計を導出できると考えられる。
本発明は、上記の従来技術に鑑みて、ドナー部位としてジtert−ブチルカルバゾール骨格(tBuCz)、アクセプター部位としてピリジルピリミジン骨格に着目し、これらの部位を併せ持つ分子を合成し、深青色発光かつ半値幅の小さい新規青色TADF材料を提供することを目的とする。
本発明のピリミジン誘導体は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1〜R28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Xはアルキレン(−CRaRb−)基、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、シリレン(−SiH2−)基又はスルホニル(−SO2−)基を表し、かつ、−CRaRb−中、Ra及びRbは同一でも異なっていてもよく、また、互いに連結して環を形成してもよい。
上記ピリミジン誘導体は、下記構造式で表される化合物(1)〜(24)であることが好ましい。
上記ピリミジン誘導体は、下記構造式で表される化合物(1)〜(24)であることが好ましい。
本発明の好適な実施形態であるtBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMでは、量子計算の結果から、既知の高効率純青色TADF材料と同程度のΔESTを持つことがわかったことから、TADFの発現が期待できる。また、UV−vis吸収スペクトルから見積もったエネルギーギャップ(Eg)はそれぞれ、3.25eV及び3.47eVとなり、純青色〜深青色発光が示唆される。
ELスペクトルより、tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMを発光層に使用した有機EL素子はいずれも深青色発光を示し、光励起下においてTADF挙動と思われる遅延蛍光は観測されないものの、外部量子効率の観点からは、TADF挙動を示すことが示唆される。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のピリミジン誘導体は、下記一般式(1)で表される。
本発明のピリミジン誘導体は、下記一般式(1)で表される。
上記一般式(1)中、R1〜R28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、tert−アミル基、メトキシ基及びメチルチオ基等が挙げられる。アリール基にはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ターピリジニル基及びナフチル基が挙げられる。これらのうち、R1、R2、R4、R5、R8、R9、R12、R13、R15、R16、R19、R20、R21、R22、R25及びR26は水素原子、メチル基、又はフェニル基のような嵩の小さい置換基が好ましく、R1及びR2は、水素原子又はメチル基が特に好ましい。一方、R3、R6、R7、R10、R11、R14、R17、R18、R23、R24、R27及びR28は、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、メトキシ基及びメチルチオ基等が好ましい。
置換基Arは、ピリジンジイル基又はピリミジンジイル基である。ピリジニレン基には、例えば、2,3−ピリジンジイル基、2,4−ピリジンジイル基、2,5−ピリジンジイル基及び3,5−ピリジンジイル基があり、ピリミジンジイル基には、例えば、2,5−ピリミジンジイル基がある。
置換基Dは、上記のように、アクリジン、アクリジン誘導体、3位に9−カルバゾリル基を有するカルバゾール骨格、並びに、3位及び6位に9−カルバゾリル基を有するカルバゾール骨格の合計4つの基が挙げられる。置換基D中、Xはアルキレン(−CRaRb−)基、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、シリレン(−SiH2−)基又はスルホニル(−SO2−)基を表す。アルキレン(−CRaRb−)基中、Ra及びRbは、同一でも異なっていてもよく、また、互いに連結して環を形成してもよい。具体的には、アルキレン(−CRaRb−)基には、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基等が挙げられる。Ra及びRbは、互いに連結して、例えば、シクロペンテン、シクロヘキサン及びシクロヘプタン等の5〜7員環を形成してもよい。
置換基Dは、高い三重項エネルギーを有するという観点から、ジメチルアクリジン誘導体、ジtert−ブチルカルバゾール骨格、及びジメトキシカルバゾール等であることが好ましい。
置換基Dは、高い三重項エネルギーを有するという観点から、ジメチルアクリジン誘導体、ジtert−ブチルカルバゾール骨格、及びジメトキシカルバゾール等であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、具体的には、下記構造式で表される化合物(1)〜(24)である。
上記化合物のうち、(3)及び(9)に相当する、tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMが特に好ましい。
本発明のピリミジン誘導体は、一般式(1)に示すように、アクリジン、アクリジン誘導体又はカルバゾール骨格と、ピリジルピリミジン骨格とを持つ構造を有する。一般式(1)中、アクリジン、アクリジン誘導体又はカルバゾール骨格はドナー部位であり、ピリジルピリミジン骨格はアクセプター部位である。本発明のピリミジン誘導体では、ドナー部位とアクセプター部位との間に大きなねじれを有するために、発光部位であるピリジルピリミジン骨格に適度に電子が供給され、一重項と三重項とのエネルギー差(ΔEST)を小さくすることができる。また、ドナー部位とアクセプター部位とをπ共役系で繋ぐことで、発光波長を制御し、発光量子効率(PLQE)を向上させることができる。
本発明のピリミジン誘導体は、対称及び非対称のいずれの構造を有していてもよいが、ピリジルピリミジン骨格を中心とする対称構造を有していることが好ましい。
一般式(1)で表されるピリミジン誘導体は、種々の公知の方法により製造することができる。tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMは、鈴木−宮浦カップリング反応においてピリミジン骨格にジピリジル基を導入した後、Buchwald-Hartwigアミノ化反応により合成することができる。一例として、tBuCz−PyHPMの合成方法を示す。
4,6−ブロモピリミジン及び2−クロロピリジン−5−ボロン酸を1:2のモル比で混合し、Pd(0)触媒及び配位子の存在下、炭酸カリウムなどの塩基とともに加熱還流することにより、PyHPM−Clを合成する。得られたPyHPM−Clと3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾールとを1:2のモル比で混合し、パラジウム触媒と塩基の存在下に加熱還流することにより、良好な収率でtBuCz−PyHPMを得ることができる。
ただし、一般式(1)で表されるピリミジン誘導体は、上記方法に限られることなく、公知の種々の方法を組み合わせて製造することができる。
本発明の好適形態であるtBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMでは、ドナー部位にジtert−ブチルカルバゾール(tBuCz)を選択している。図9に示すように、tBuCzは比較的深いHOMO準位を有し、アクセプターと組み合わせたときに青色発光が期待できる。一方、アクセプター部位にはピリジルピリミジンを選択している。量子化学計算により、PyHPM及びPyMPMは3.14〜3.40eVと比較的高い三重項エネルギー(ET)値を示す。このような高いETを有する骨格を選択することで、ピリミジン誘導体の分子全体を高ET化することができる。一方、LUMO準位はアクセプター性のピリジンの導入により2.51〜2.18eVの比較的深い値を示す。ドナーであるtBuCzは深いHOMO準位を有するので、tBuCzと組み合わせた際に、短波長な青色TADF発光が期待できる。
量子化学計算結果から、tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMについてLUMOはジピリジルピリミジンに局在するのに対して、HOMOはカルバゾールだけでなく分子全体に非局在化していることがわかる。図10に示すとおり、HOMO及びLUMOの重なりが大きく、ΔESTが0.26〜0.29eVと、やや大きい値となるが、この結果は、高効率純青色TADF材料(実測のΔEST=0.02eV)で報告された分子と似た値であり、TADFの発現が期待できる。一方、エネルギーギャップ(Eg)は3.25eV及び3.47eVと純青色〜深青色発光が示唆される。
[有機EL素子]
本発明の有機EL素子は、上記ピリミジン誘導体を用いたものである。
ここで、図8に上記有機EL素子の典型的な層構造を示す。
上記有機EL素子は、典型的には、基板1上に陽極2として、例えば、ITO等を成膜し、その上に正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及び陰極8がこの順に積層されてなる。
各層の構成材料について説明する。
本発明の有機EL素子は、上記ピリミジン誘導体を用いたものである。
ここで、図8に上記有機EL素子の典型的な層構造を示す。
上記有機EL素子は、典型的には、基板1上に陽極2として、例えば、ITO等を成膜し、その上に正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及び陰極8がこの順に積層されてなる。
各層の構成材料について説明する。
基板1には、透明かつ平滑であって、少なくとも70%以上の全光線透過率を有するものが用いられ、具体的には、フレキシブルな透明基板である、数μm厚のガラス基板や特殊な透明プラスチック等が用いられる。
陽極2には、仕事関数が大きく、また全光線透過率は通常80%以上であるものが用いられる。具体的には、陽極2から発光した光を透過させるため、ITOやZnO等の透明導電性セラミックス、導電性高分子ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)やポリアニリン等の透明導電性高分子、その他の透明導電性材料が用いられる。陽極2の膜厚は、通常10〜200nmである。
正孔注入層3は発光効率の向上のために導入される層である。正孔注入層3は低電圧で電流を流すため、ピンホール等が発生しない程度に膜厚を薄くかつ一定にすることが好ましい。このような正孔注入材料には、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム及び酸化アルミニウム等の酸化物、並びにフェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、アモルファスカーボン、ポリアニリン、及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)等のポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層4は、陽極2と発光層5の間に設けられ、陽極2から正孔を効率良く発光層に輸送するための層である。正孔輸送材料には、イオン化エネルギーが小さいもの、すなわち、HOMOから電子が励起されやすく、正孔が生成されやすいものが用いられる。具体的には、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−アルト−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)、4,4’−シクロヘキシリデンビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、4,4’,4’’−トリ−9−カルバゾリルトリフェニルアミン(TCTA)及び4,4’,4’’−トリス[フェニル(m−トリル)アミノ]トリフェニルアミン)等が挙げられる。これらのうち、塗布成膜が可能でかつ、寿命の向上の観点から、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−アルト−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)が好ましい。
発光層5には、有機EL素子で用いられる他の発光層と同様に、本発明の発光材料であるピリミジン誘導体と共にホスト化合物を併用することが好ましい。ホスト化合物は発光材料からなる発光層5とは別に、励起子ブロック層として、正孔輸送層4及び電子輸送層6との間に設けてもよい。ホスト化合物としては、蛍光及びTADFに基づく発光特性を損なわないものであれば、特に制限されないが、例えば、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(mCP)、ビス[2−[(オキソ)ジフェニルホスフィノ]フェニル]エーテル(DPEPO)、3,6−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニルカルバゾール(PO9)、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)−1,1’−ビフェニル(CBP)、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾチオフェン(PPT)、アダマンタン・アントラセン(Ad−Ant)、ルブレン、及び2,2’−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)(TPBA)等が挙げられる。発光層5を構成する成分中、本発明のピリミジン誘導体(発光材料)及びホスト化合物の含有率は、通常1〜50wt%、好ましくは5〜10wt%である。
電子輸送層6は、陰極8と発光層5の間に設けられ、陰極から電子を効率良く発光層に輸送するための層である。電子輸送材料には電子親和力が大きいもの、すなわち、LUMOのエネルギーが小さく、励起電子が存在しやすくする材料が用いられる。具体的には、4,6−ビス(3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル)−2−メチルピリミジン(B3PymPm)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、1,3−ビス[5−(4−t−ブチルフェニル)−2−[1,3,4]オキサジアゾリル]ベンゼン(OXD−7)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、バソクプロイン(BCP)、1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBi)等が挙げられる。
電子注入層7は陰極に接し、電子を輸送する役割を有する層である。電子注入材料には、例えば、フッ化リチウム(LiF)、8−ヒドロキシキノリノラト−リチウム(Liq)及びリチウム2−(2’,2’’−ビピリジン−6’−イル)フェノラート(Libpp)等が挙げられる。
上記各層の他に、さらに、正孔阻止層、電子阻止層及び励起子阻止層等の層が必要に応じて形成される。
基板1上に形成される、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8といった薄膜は、真空蒸着法又は塗布法で積層される。真空蒸着法を用いる場合、通常10-3Pa以下に減圧した雰囲気で、蒸着物を加熱して行う。各層の膜厚は、層の種類や使用する材料によって異なるが、通常、陽極2及び陰極8は100nm程度、発光層5を含む他の層は50nm未満である。なお、電子注入層7等は、例えば1nm以下の厚みで形成されることもある。
塗布法を用いる場合、各層の構成材料を例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、及び水等に溶解させて公知の塗布法により各層を形成する。塗布法には、例えば、バーコート法、キャピラリーコート法、スリットコート法、インクジェット法、スプレーコート法、ノズルコート法、及び印刷法が挙げられる。各層の形成にすべて同じ塗布法を用いてもよいし、インクの種類に応じて適宜最適な塗布法を個別に用いてもよい。
本発明の有機EL素子は、枚葉方式によって各層を形成する以外に、例えば、ロール・ツー・ロール法によって形成してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[一般式(1)で表されるピリミジン誘導体の合成]
合成物の同定に使用した機器及び測定条件は以下のとおりである。
(1)1H核磁気共鳴(NMR)装置
日本電子(株)製(400MHz)JNM−EX270FT−NMR型
(2)質量分析(MS)装置
日本電子(株)製JMS−K9[卓上GCQMS]及びWaters(株)製Zspray(SQ検出器2))
(3)元素分析装置
Perkin Elmer 2400II CHNS/O アナライザー
測定モード:CHNモード
合成物の同定に使用した機器及び測定条件は以下のとおりである。
(1)1H核磁気共鳴(NMR)装置
日本電子(株)製(400MHz)JNM−EX270FT−NMR型
(2)質量分析(MS)装置
日本電子(株)製JMS−K9[卓上GCQMS]及びWaters(株)製Zspray(SQ検出器2))
(3)元素分析装置
Perkin Elmer 2400II CHNS/O アナライザー
測定モード:CHNモード
[実施例1]tBuCz−PyHPMの合成
(i)PyHPM−Clの合成
還流管、温度計を付けた100mlの四口フラスコに4,6−ブロモピリミジン0.95g(4 mmol)、2−クロロピリジン−5−ボロン酸1.26g(8mmol)、トルエン(30ml)、エタノール(15ml)、2M炭酸カリウム水溶液(30ml)を入れ、1時間の窒素バブリングを行なった。その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.23g(1.25mmol)を入れ、還流下10時間反応させた。TLCにて原料及び片付き化合物と思われるスポットの消失を確認した。吸引濾過後、クロロホルムにて抽出し、水150ml×1回、塩水150ml×2回で洗浄した。硫酸マグネシウムにて脱水後、エバポレーションにて濃縮し、オレンジ色の固体を得た。次いで、ガラスフィルターを用い、原点抜きを行なった。シリカゲルを約200cc(高さ10cm)、インジェクション溶媒はクロロホルム、展開溶媒は加熱したヘキサン:酢酸エチル=10:4溶媒を使用した。エバポレーションにて濃縮後、ヘキサンにて2回分散洗浄を行ない、減圧下乾燥後、黄白色固体1.04g(収率43%)を得た。目的物の同定は1H−NMR、MASSスペクトルにて行なった。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.40−9.46(m,3H),8.89(s,1H),8.76(dd,2H,J=8.4,2.4Hz),7.79(d,2H,J=8.8Hz)ppm;
MS:m/z=304[M+H]+
(i)PyHPM−Clの合成
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.40−9.46(m,3H),8.89(s,1H),8.76(dd,2H,J=8.4,2.4Hz),7.79(d,2H,J=8.8Hz)ppm;
MS:m/z=304[M+H]+
(ii)tBuCz−PyHPMの合成
還流管、温度計を付けた25mlの四口フラスコにPyHPM−Cl 0.3g(1 mmol)、3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール 0.59g(2.1mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド0.48g(5mmol)を入れ、窒素フローを15分間行った。o−キシレン(25ml)を入れ、1時間の窒素バブリングを行なった。その後、酢酸パラジウム(II)11mg(0.05mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.04ml(0.15mmol)を入れ、還流下17時間反応させた。TLCにより原料のスポットの消失を確認した。吸引濾過後、ろ液をトルエンにて抽出し、水200ml×1回、塩水200ml×2回で洗浄した。エバポレーションにて濃縮させた後、ガラスフィルターを用い、熱濾過を行なった。シリカゲルを約200cc(高さ10cm)、インジェクション溶媒はクロロホルム、展開溶媒は加熱したヘキサン:酢酸エチル=10:4溶媒を使用した。エバポレーションにて濃縮後、ヘキサンにて2回分散洗浄を行ない、減圧下乾燥後、白色固体0.15g(収率19%)を得た。目的物の同定は1H−NMR、MASSスペクトルにて行なった。1H−NMRスペクトルを図2に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.47(d,2H,J=2.4Hz),9.43(s,1H),8.72(dd,2H,J=8.8,2.8Hz),8.28(s,1H),8.13(d,4H,J=2.0Hz),7.97(d,4H,J=9.2Hz),7.87(d,2H,J=8.0Hz),7.55(dd,4H,J=8.8,2.0Hz),1.48(s,36H)ppm;
MS:m/z=790[M+H]+;
Anal calcd for C47H40N4:C,82.20,H,7.15;N,10.65%.Found:C,82.13;H,7.09;N,10.47%.
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.47(d,2H,J=2.4Hz),9.43(s,1H),8.72(dd,2H,J=8.8,2.8Hz),8.28(s,1H),8.13(d,4H,J=2.0Hz),7.97(d,4H,J=9.2Hz),7.87(d,2H,J=8.0Hz),7.55(dd,4H,J=8.8,2.0Hz),1.48(s,36H)ppm;
MS:m/z=790[M+H]+;
Anal calcd for C47H40N4:C,82.20,H,7.15;N,10.65%.Found:C,82.13;H,7.09;N,10.47%.
[実施例2]
(i)PyMPM−Clの合成
還流管、温度計を付けた200mlの四口フラスコに4,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン0.98g(6mmol)、2−クロロピリジン−5−ボロン酸2.07g(13.2mmol)、アセトニトリル100ml、1M炭酸ナトリウム30mlを入れ、1時間の窒素バブリングを行なった。その後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド700mg(1.25mmol)を入れ、還流下で1時間反応させた。TLCにより原料の消失を確認した。吸引濾過した後、ろ液をクロロホルムに溶解させた。水100ml×2回、塩水100ml×1回で洗浄し、エバポレーションにて濃縮した。一置換体と思われるスポットも確認されたため、ヘキサンにて3回分散洗浄を行った。次いで、エバポレーションにて濃縮させた後、ガラスフィルターを用い、熱濾過を行なった。シリカゲルを約200cc(高さ10cm)、インジェクション溶媒はクロロホルム、展開溶媒は加熱したヘキサン:酢酸エチル=1:1溶媒を使用した。減圧下乾燥後、白色固体0.40g(収率21%)を得た。目的物の同定は1H−NMR、MASSスペクトルにて行なった。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.23(s,1H),8.76(d,2H,J=2.8Hz),8.22(dd,2H,J=8.0,2.0Hz),7.75(d,2H,J=8.0Hz)ppm;
MS:m/z=318[M+H]+
(i)PyMPM−Clの合成
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.23(s,1H),8.76(d,2H,J=2.8Hz),8.22(dd,2H,J=8.0,2.0Hz),7.75(d,2H,J=8.0Hz)ppm;
MS:m/z=318[M+H]+
(ii)tBuCz−PyMPMの合成
還流管、温度計を付けた25mlの四口フラスコにPyMPM−Cl0.4g(1.25mmol)、3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール0.73g(2.63mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド0.48g(6.25mmol)を入れ、窒素フローを15分間行った。o−キシレン25mlを入れ、1時間のN2バブリングを行なった。その後、酢酸パラジウム(II)11mg(0.05mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.04ml(0.15mmol)を入れ、還流下で17時間反応させた。TLCにより原料のスポットの消失を確認した。吸引濾過後、ろ物が析出したので、ガラスフィルターを用いて熱濾過を行なった。シリカゲルを約200cc(高さ10cm)、インジェクション溶媒はクロロホルム、展開溶媒は加熱したヘキサン:酢酸エチル=10:5溶媒を使用した。エバポレーションにて濃縮させた後、ヘキサン及びメタノールにて分散洗浄を行った。減圧下乾燥後、白色固体0.38g(収率19%)を得た。目的物の同定は1H−NMR、MASS スペクトルにて行なった。1H−NMRスペクトルを図3に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.31(s,1H),9.06(d,2H,J=2.8Hz),8.30(dd,2H,J=8.0,2.4Hz),8.13(d,4H,J=1.2Hz),7.97(d,4H,J=8.8Hz),7.85(d,2H,J=8.4Hz),7.54(dd,4H,J=8.8,1.6Hz),2.70(s,3H),1.48(s,36H)ppm;
MS:m/z=790[M+H]+,
Anal calcd for C47H40N4:C,82.26,H,7.28;N,10.46%.Found;C,82.13;H,7.30;N ,10.46%.
還流管、温度計を付けた25mlの四口フラスコにPyMPM−Cl0.4g(1.25mmol)、3,6−ジ−tert−ブチルカルバゾール0.73g(2.63mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド0.48g(6.25mmol)を入れ、窒素フローを15分間行った。o−キシレン25mlを入れ、1時間のN2バブリングを行なった。その後、酢酸パラジウム(II)11mg(0.05mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン0.04ml(0.15mmol)を入れ、還流下で17時間反応させた。TLCにより原料のスポットの消失を確認した。吸引濾過後、ろ物が析出したので、ガラスフィルターを用いて熱濾過を行なった。シリカゲルを約200cc(高さ10cm)、インジェクション溶媒はクロロホルム、展開溶媒は加熱したヘキサン:酢酸エチル=10:5溶媒を使用した。エバポレーションにて濃縮させた後、ヘキサン及びメタノールにて分散洗浄を行った。減圧下乾燥後、白色固体0.38g(収率19%)を得た。目的物の同定は1H−NMR、MASS スペクトルにて行なった。1H−NMRスペクトルを図3に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ=9.31(s,1H),9.06(d,2H,J=2.8Hz),8.30(dd,2H,J=8.0,2.4Hz),8.13(d,4H,J=1.2Hz),7.97(d,4H,J=8.8Hz),7.85(d,2H,J=8.4Hz),7.54(dd,4H,J=8.8,1.6Hz),2.70(s,3H),1.48(s,36H)ppm;
MS:m/z=790[M+H]+,
Anal calcd for C47H40N4:C,82.26,H,7.28;N,10.46%.Found;C,82.13;H,7.30;N ,10.46%.
[量子化学計算]
tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMの量子化学計算結果を図10に示す。基底状態の構造は密度汎関数理論(B3LYP)を用い、基底関数は6−31+G(d)を使用した。エネルギー計算は時間依存密度汎関数法(B3LYP)を用い、基底関数は6−311+G(d,p)を使用した。
量子化学計算結果により、tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMについてLUMOはジピリジルピリミジンに局在するのに対して、HOMOはカルバゾールだけでなく分子全体に非局在化することがわかった。HOMOとLUMOの重なりが大きくΔESTが0.25eVとやや大きい値となった。一方、エネルギーギャップ(Eg)は、tBuCz−PyHPMでは3.25eVであり、tBuCz−PyMPMでは3.47eVであり、純青色〜深青色発光が示唆された。
tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMの量子化学計算結果を図10に示す。基底状態の構造は密度汎関数理論(B3LYP)を用い、基底関数は6−31+G(d)を使用した。エネルギー計算は時間依存密度汎関数法(B3LYP)を用い、基底関数は6−311+G(d,p)を使用した。
量子化学計算結果により、tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMについてLUMOはジピリジルピリミジンに局在するのに対して、HOMOはカルバゾールだけでなく分子全体に非局在化することがわかった。HOMOとLUMOの重なりが大きくΔESTが0.25eVとやや大きい値となった。一方、エネルギーギャップ(Eg)は、tBuCz−PyHPMでは3.25eVであり、tBuCz−PyMPMでは3.47eVであり、純青色〜深青色発光が示唆された。
[光学特性評価]
光学特性評価に用いた機器及び測定条件は以下のとおりである。
(1)紫外・可視(UV−vis)分光光度計
(株)島津製作所製 UV−3150
測定条件;スキャンスピード 中速、測定範囲 200〜800nm サンプリングピッチ 0.5nm、スリット幅 0.5nm
(2)フォトルミネッセンス(PL)測定装置
(株)堀場製作所製Fluoro MAX−2
常温及び低温において、PLスペクトル、及び、ストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334)を用いた時間分解PLスペクトル(過渡PLスペクトル)を測定した。
(3)光電子収量分光(PYS)装置
住友重機械工業(株)製イオン化ポテンシャル測定装置
イオン化ポテンシャル測定装置を用いて、真空中でイオン化ポテンシャル(Ip)の測定を行った。
なお、電子親和力(Ea)は、UV−vis吸収スペクトルの吸収端よりエネルギーギャップ(Eg)を見積もることによって算出した。
光学特性評価に用いた機器及び測定条件は以下のとおりである。
(1)紫外・可視(UV−vis)分光光度計
(株)島津製作所製 UV−3150
測定条件;スキャンスピード 中速、測定範囲 200〜800nm サンプリングピッチ 0.5nm、スリット幅 0.5nm
(2)フォトルミネッセンス(PL)測定装置
(株)堀場製作所製Fluoro MAX−2
常温及び低温において、PLスペクトル、及び、ストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334)を用いた時間分解PLスペクトル(過渡PLスペクトル)を測定した。
(3)光電子収量分光(PYS)装置
住友重機械工業(株)製イオン化ポテンシャル測定装置
イオン化ポテンシャル測定装置を用いて、真空中でイオン化ポテンシャル(Ip)の測定を行った。
なお、電子親和力(Ea)は、UV−vis吸収スペクトルの吸収端よりエネルギーギャップ(Eg)を見積もることによって算出した。
有機EL素子は固体薄膜の積層構造を有しているため、薄膜状態での光学特性が重要となる。tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMのイオン化ポテンシャル(Ip)は真空光電子分光法(PYS)を用いて測定した(図4b及び図5b)。さらに、後述するUV−vis吸収スペクトルの立ち上がりからエネルギーギャップ(Eg)を見積もった(図4a及び図5a)。IpとEgの差から電子親和力(Ea)を算出した。発光、吸収特性は、単膜、ホスト材料との共蒸着膜にてUV−vis吸収スペクトル、PLスペクトルを測定した(図4a、4c及び図5a、5c)。ホスト材料には、DPEPOを用いた。固体薄膜及び共蒸着膜(10wt%DPEPO共蒸着膜)には、真空蒸着法により30nmの膜厚で作製したサンプルを用いた。次いで、共蒸着膜を積分球により発光量子効率の測定を行い、ストリークカメラにより遅延蛍光成分の評価を行なった(図4d及び図5d)。
PYS測定よりtBuCz−PyHPMとtBuCz−PyMPMのIpはそれぞれ5.88eVと5.91eVと見積もられた。UV−vis吸収スペクトルの立ち上がりからEgは2.90〜3.00eVと見積もられた。IpとEgの差からEaは約3.01eVと2.88eVと算出された。Ipはtert−ブチルカルバゾールのHOMO準位と相関があり、これまで用いてきたアクリジンと比べて深い値を示している。
DPEPOとの共蒸着膜のPLスペクトル測定評価により、tBuCz−PyHPMはlem=455nm(FWHM=69nm)、tBuCz−PyMPMはlem=435nm(FWHM=69nm)と深青色発光を示した。tBuCz−PyHPMのピーク波長は、例えば、Ac−3MHPM(lem=454nm)と同等の値を示すものの、半値幅はAc−3MHPM(FWHM=87nm)と比べ約20nm程度小さくなった。これは、tBuCz−PyHPMのtert−ブチルカルバゾールとピリジン間での水素結合により、分子が固定化されたためと考えられる。また、発光量子収率(PLQE)測定によりtBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMの共蒸着膜はそれぞれ70%及び71%と比較的高い値を示した。しかしながら、ストリークカメラ測定では、両方の共蒸着膜から遅延蛍光は見られなかった。
ただし、光励起では遅延蛍光をあまり示さないが、電気励起では遅延蛍光を高効率で示す報告例はある。
ただし、光励起では遅延蛍光をあまり示さないが、電気励起では遅延蛍光を高効率で示す報告例はある。
[有機EL素子の作製及び評価]
有機EL素子の評価に用いた機器は以下のとおりである。
ELスペクトル
装置;(株)浜松ホトニクス製 PHOTONIC MULTI−CHANNEL ANALYZER PMA−1
有機EL素子の評価に用いた機器は以下のとおりである。
ELスペクトル
装置;(株)浜松ホトニクス製 PHOTONIC MULTI−CHANNEL ANALYZER PMA−1
tBuCz−PyHPM及びtBuCz−PyMPMを発光材料として用いた有機EL素子を作製した。正孔輸送層には、高いホール移動度を有するTAPC、電子輸送層には高い電子移動度を有するB3PyPBを用いた。ホスト材料には、mCP及び高いETを有するワイドギャップであるDPEPOを使用した。mCPとDPEPOを励起子ブロック層として発光層と、正孔輸送層及び電子輸送層との間に挿入することで、励起子の閉じ込めをねらった。また、mCPを挿入することで、発光材料とTAPC間の相互作用も抑制することができる。
素子構造は[ITO/PTPD1:PPBi(20nm)/TAPC(20nm)/mCP(10nm)/10wt% tBuCz−PyHPM or tBuCz−PyMPM:DPEPO(20nm)/DPEPO(10nm)/B3PyPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]とした。作製した素子のエネルギーダイアグラムを図6に示す。
なお、本明細書中、略号で使用する化合物の構造式を以下に示す。
素子構造は[ITO/PTPD1:PPBi(20nm)/TAPC(20nm)/mCP(10nm)/10wt% tBuCz−PyHPM or tBuCz−PyMPM:DPEPO(20nm)/DPEPO(10nm)/B3PyPB(30nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)]とした。作製した素子のエネルギーダイアグラムを図6に示す。
なお、本明細書中、略号で使用する化合物の構造式を以下に示す。
素子特性評価結果を表1に示す。表1中、D.V.は駆動電圧、P.E.は電力効率、E.Q.E.は外部量子効率を表す。
ELスペクトルより、どちらも発光材料由来のピークが観測された。発光波長はtBuCz−PyHPMはλEL=447nm(CIE(0.15,0.11))、tBuCz−PyMPMはλEL=428nm(CIE(0.16,0.07))と深青色発光を示した。tBuCz−PyHPMは最大外部量子効率が16.4%、tBuCz−PyMPMは最大外部量子効率が13.6%という深青色TADF素子においては世界最高効率に匹敵する値である(非特許文献1、2、4、及びQ. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc. 134, 14706-14709 (2012).、M. Numata et al., Chem. Commun. 51, 9443-9446(2015)及びS. Y. Lee et al., Adv. Mater. 28, 4626-4631(2016))。光励起下においてTADF挙動と思われる遅延蛍光は観測されなかったものの、外部量子効率の観点からTADF挙動を示していることが予測される。しかしながら、100cdm-2での外部量子効率は約4%程度と小さな値となってしまった。光学特性からリン光スペクトルが観測されず、また遅延蛍光が見られなかったためΔEST及び遅延蛍光寿命を見積もることができなかったが、素子のロールオフの点から大きなΔEST及び遅延蛍光寿命の値を有していることが示唆された。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表されるピリミジン誘導体。
(一般式(1)中、R1〜R28はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Xはアルキレン(−CRaRb−)基、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、シリレン(−SiH2−)基又はスルホニル(−SO2−)基を表し、かつ、−CRaRb−中、Ra及びRbは、同一でも異なっていてもよく、また、互いに連結して環を形成してもよい。) - 下記構造式で表される化合物(1)〜(24)である、請求項1に記載のピリミジン誘導体。
- 請求項1又は2に記載のピリミジン誘導体を用いた有機EL素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018127330A JP2020007239A (ja) | 2018-07-04 | 2018-07-04 | ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018127330A JP2020007239A (ja) | 2018-07-04 | 2018-07-04 | ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020007239A true JP2020007239A (ja) | 2020-01-16 |
Family
ID=69150660
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018127330A Pending JP2020007239A (ja) | 2018-07-04 | 2018-07-04 | ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020007239A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3943492A1 (en) * | 2020-07-24 | 2022-01-26 | Noctiluca S.A. | Tadf materials comprising 4-(3-(2-(10h-phenoxazin-10-yl)pyridin-5-yl)-9h-carbazol-9-yl)benzonitrile derivatives and related compounds for use in oleds |
-
2018
- 2018-07-04 JP JP2018127330A patent/JP2020007239A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3943492A1 (en) * | 2020-07-24 | 2022-01-26 | Noctiluca S.A. | Tadf materials comprising 4-(3-(2-(10h-phenoxazin-10-yl)pyridin-5-yl)-9h-carbazol-9-yl)benzonitrile derivatives and related compounds for use in oleds |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR102773809B1 (ko) | 유기 발광 소자, 조성물 및 막 | |
| EP3093326B1 (en) | Light-emitting material, organic light-emitting element, and compound | |
| Kim et al. | Exceedingly efficient deep-blue electroluminescence from new anthracenes obtained using rational molecular design | |
| TWI641604B (zh) | 具有二氮雜聯三伸苯環結構之化合物及有機電致發光元件 | |
| JP2025166035A (ja) | 有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置 | |
| JP6600298B2 (ja) | 発光材料、有機発光素子および化合物 | |
| KR20150016242A (ko) | 발광 재료 및 유기 발광 소자 | |
| TW201509920A (zh) | 化合物、發光材料及有機發光元件 | |
| JP2014009352A (ja) | 発光材料、化合物および有機発光素子 | |
| JP6813876B2 (ja) | ピリミジン誘導体、それよりなる発光材料及びそれを用いた有機el素子 | |
| US20210167304A1 (en) | New emitter materials and matrix materials for optoelectronic and electronic components, in particular organic light-emitting diodes (oleds) | |
| JP6975959B2 (ja) | アリールアミン誘導体、それを用いたホール輸送材料及び有機el素子 | |
| JP5716270B2 (ja) | カルバゾール化合物およびその用途 | |
| WO2022196634A1 (ja) | 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 | |
| TWI651322B (zh) | 延遲螢光化合物及使用其的有機電致發光裝置 | |
| JP2020007239A (ja) | ピリミジン誘導体及びそれを用いた有機el素子 | |
| US10934248B2 (en) | Light-emitting material, organic light-emitting device, and compound | |
| JP6716138B2 (ja) | ターピリジン誘導体、それよりなる発光材料及びそれを用いた有機el素子 | |
| KR102708766B1 (ko) | 유기 광전자 소자용 화합물 및 이를 포함하는 유기 광전자 소자 | |
| JP2020026399A (ja) | スピロビアクリジン誘導体およびそれを用いた有機el素子 | |
| Zhang et al. | Highly efficient yellow phosphorescent OLEDs based on two novel bipolar host materials | |
| JP2019137652A (ja) | 金属配位機能を有するヘテロ芳香環誘導体、及びそれを含む有機el素子 | |
| KR20150029340A (ko) | 오르토-치환된 벤젠 유도체 유기발광 화합물 및 이를 포함하는 유기발광 소자 | |
| JP2020105131A (ja) | クリセン誘導体およびそれを用いた有機el素子 | |
| JP2018127426A (ja) | フェナセン誘導体、それよりなる発光材料及びそれを用いた有機el素子 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20180713 |