JP2020007252A - エスゾピクロンジベンゾイル−d−酒石酸塩の製造方法、エスゾピクロンの製造方法、及びエスゾピクロンジベンゾイル−d−酒石酸塩の結晶 - Google Patents

エスゾピクロンジベンゾイル−d−酒石酸塩の製造方法、エスゾピクロンの製造方法、及びエスゾピクロンジベンゾイル−d−酒石酸塩の結晶 Download PDF

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翔平 鍋谷
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翔子 畠山
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Tetsuo Oishi
哲生 大石
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Abstract

【課題】新規なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造する技術を提供すること。また、熱に対して安定なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を提供すること。【解決手段】炭素数3以上10以下のケトン類を主とする溶媒を用いてエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を溶解させ、溶解後の溶媒から結晶を析出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法に関する。
ゾピクロンは睡眠障害改善剤として知られている(特許文献1、特許文献2)。そして、エスゾピクロンはゾピクロンの鏡像異性体のうち右旋性を有する単量体であり、化合物名は(+)−(S)−(4−メチルピペラジン−1−カルボン酸)(6−(5−クロロピリジン−2−イル)−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−5−H−ピロロ[3,4−b]ピラジン−5−イル)である(下記化学式1、特許文献1、特許文献2 参照)。
[化学式1]
エスゾピクロンの製造方法としては、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を合成し、光学分割する方法が知られている(下記化学式2、特許文献1、特許文献2 参照)。
ここで、特許文献1には、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩に対し再結晶操作を行う方法が開示されている。特許文献1では、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の溶解時の溶媒として、アセトニトリルと水の混合溶媒を用いることが開示されている。
また、特許文献2には、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の溶解時の溶媒として、メタノールとアセトニトリルの混合溶媒を用いる形態や、メタノールとアセトンの混合溶媒(メタノール:アセトン=10:3)を用いる形態が開示されている。
[化学式2]
WO2008/126105A2号明細書 WO2009/101634A2号明細書
上記先行技術のあるところ、本発明は、新規なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造する技術を提供することを課題とする。
また、本発明の好ましい形態では、熱に対して安定なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、溶媒を用いてエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を溶解させる溶解工程と、
溶解工程後の前記溶媒から結晶を析出させる析出工程と、
を備えるエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の製造方法であって、
前記溶媒は炭素数3以上10以下のケトン類を主とすることを特徴とする、製造方法である。
本発明によれば、新規なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造する技術を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記溶媒がアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる1又は2以上の溶媒を主とすることを特徴とする。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる1又は2以上の溶媒を主とすることで、新規なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記溶解工程は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき10g〜40gの前記溶媒を用いることを特徴とする。
溶解工程で用いる溶媒の量を、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき、上記範囲内とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記析出工程は40℃〜50℃の温度帯で結晶を析出させる工程であることを特徴とする。
析出工程の温度帯を上記範囲内とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、前記溶解工程は、40℃〜前記溶媒の還流する温度の範囲内でエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を前記溶媒に溶解させる工程である。
溶解工程の温度帯を上記範囲内とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、本発明は、前述のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法を含む、エスゾピクロンの製造方法でもある。
また、本発明は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶であって、前記結晶が、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが16.34±0.2°、19.30±0.2°、20.52±0.2°、23.48±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することを特徴とする、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶でもある。
上記特徴を有するエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、熱に対して安定である。
本発明の結晶の好ましい実施の形態では、前述のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが8.10±0.2°、9.20±0.2°、9.80±0.2°、12.74±0.2°、14.14±0.2°、14.74±0.2°、15.22±0.2°、16.34±0.2°、17.20±0.2°、17.62±0.2°、18.52±0.2°、19.30±0.2°、19.80±0.2°、20.52±0.2°、21.90±0.2°、23.48±0.2°、24.74±0.2°、26.08±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することを特徴とする。
上記特徴を有するエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、熱に対して安定である。
本発明によれば、新規なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造する技術を提供することができる。
また、本発明の好ましい形態によれば、熱に対して安定なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を提供することができる。
本実施例の製造方法により製造されたエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩のX線回折スペクトルを示す図である。 本実施例の製造方法により製造されたエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の、DSC(示差走査熱量測定)の結果を示す図である。 WO2008/126105A2号明細書に記載の方法により製造されたエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の、DSC(示差走査熱量測定)の結果を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の説明に限定されないことはいうまでもない。
<エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法>
本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法は、溶解工程と析出工程を備える。
溶解工程は、炭素数3以上10以下のケトン類を主とする溶媒を用いてエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を溶解させる工程である。
析出工程は、溶解工程後の前記溶媒から結晶を析出させる工程である。
以下、本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法における溶解工程に関し、さらに好ましい実施の形態を説明する。
溶解工程では、炭素数3以上10以下のケトン類、より好ましくは炭素数3以上8以下のケトン類、より好ましくは炭素数3以上6以下のケトン類、さらに好ましくは炭素数3以上5以下のケトン類、特に好ましくは炭素数3以上4以下のケトン類を主とする溶媒をエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の溶解のために用いる。
上述のケトン類としては、カルボニル基以外の官能基を有さないものが好ましい。
上述のケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンを具体的に例示することができ、特にアセトンを最も好適に例示することができる。
これらケトン類を主とする溶媒を用いることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
ここで、本明細書において、『主とする』との用語は、溶媒全量のうち最も高い割合を占めることをいう。
具体的には、上述のケトン類が占める割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上、特に好ましくは全量である溶媒を溶解工程で用いる。
ここで、溶解工程における溶媒量の下限は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき、好ましくは5g以上、より好ましくは7g以上、さらに好ましくは10g以上である。
溶解工程で用いる溶媒の量を、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき、下限以上とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
溶解工程における溶媒量の上限は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき、好ましくは60g以下、より好ましくは40g以下、より好ましくは30g以下、さらに好ましくは25g以下、さらに好ましくは15g以下、特に好ましくは12g以下である。
溶解工程で用いる溶媒の量を、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき、上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
ここで、溶解工程における溶解時の温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、さらに好ましくは47℃以上である。
溶解工程の温度帯を下限以上とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
溶解工程における溶解時の温度の上限は、溶媒の還流する温度以下、より好ましくは溶媒の沸点以下であることが好ましい。
溶解時の温度を上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
ここで、溶媒がメチルイソブチルケトンである場合の溶解時の温度は、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
また、溶媒がメチルエチルケトンである場合の溶解時の温度は、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
また、溶媒がアセトンである場合の溶解時の温度は、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下、特に好ましくは50℃以下である。
以下、本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法における析出工程に関し、さらに好ましい実施の形態を説明する。
析出工程における析出工程時の温度の下限は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、さらに好ましくは47℃以上である。
析出工程時の温度を下限以上とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
析出工程における析出工程時の温度の上限は、溶媒の還流する温度以下、より好ましくは溶媒の沸点以下である。
析出工程時の温度を上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
ここで、溶媒がメチルイソブチルケトンである場合の析出工程時の温度は、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
析出工程時の温度を上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、溶媒がメチルエチルケトンである場合の析出工程時の温度は、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
析出工程時の温度を上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、溶媒がアセトンである場合の析出工程時の温度は、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下、特に好ましくは50℃以下である。
析出工程時の温度を上限以下とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、析出工程は、溶媒の攪拌を伴う形態であることが好ましい。
析出工程を溶媒の攪拌を伴う形態とすることで、より効率よく結晶を析出させることができる。ここで、溶媒を攪拌する手段としては、攪拌子を用いる方法を好ましく挙げることができる。
また、析出工程は、溶解後に溶媒の昇温を伴わないことが好ましい。
析出工程を溶媒の昇温を伴わない形態とすることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、析出工程は、溶解後に溶媒の冷却を伴わないことが好ましい。
析出工程を溶媒の冷却を伴わない形態とすることで、熱に安定なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、溶解時の温度と析出工程における温度の差が、10℃以下、より好ましくは5℃以下、さらに好ましくは3℃以下であることが好ましい。
溶解時の温度と析出工程における温度の差を上記範囲内とすることで、熱に安定なエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより効率よく製造することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、さらに、析出後の結晶をろ過する工程を含む。
ここで、結晶をろ過する手段としては、減圧ろ過装置(吸引ろうと、ブフナロート 等)を用いる方法を好ましく挙げることができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、さらに、洗浄溶媒により析出後の結晶を洗浄する洗浄工程を含む。
洗浄工程における、洗浄溶媒はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる1又は2以上の溶媒を主として用いることが好ましい。中でも、洗浄溶媒はアセトンであることがさらに好ましい。
洗浄溶媒にアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる1又は2以上の溶媒を主として用いることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより安定した状態で取り扱うことができる。
また、洗浄工程に用いる洗浄溶媒は、溶解工程で用いた溶媒と同一の溶媒を用いることが好ましい。
洗浄溶媒に溶解工程で用いた溶媒と同一の溶媒を用いることで、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶をより安定した状態で取り扱うことができる。
なお、洗浄工程に用いる洗浄溶媒に妥当する技術的事項については、前述した溶解工程で用いる溶媒の説明を準用することができる。
また、本発明の好ましい実施の形態では、さらに、析出後の結晶を乾燥させる乾燥工程を含む。
ここで、結晶を乾燥させる手段としては、温風下での乾燥、自然乾燥、減圧条件下での乾燥、ろ紙を用いた乾燥、を挙げることができる。
エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法における原料は、WO2008/126105A2号明細書に記載の方法により製造することができる。
具体的には、2−アミノ−5−クロロピリジンを出発原料として、以下の(i)、(ii)の工程を経ることにより、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法における原料を製造することができる。
(i)6−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−ヒドロキシ−7−オキソ−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−b]ピラジン(6-(5-chloropyridin-2-yl)-5-hydroxy-7-oxo-5,6-dihydropyrrolo [3,4-b] pyrazine)と1−クロロカルボニル−4−メチルピペラジン(l-chlorocarbonyl-4-methylpiperazine)を縮合することにより、ゾピクロン(Zopiclone)を得る工程(下記 化学式3 参照)。
[化学式3]
(ii)ゾピクロン(Zopiclone)とD(+)−0、0’−ジベンゾイル酒石酸とを混合し、再結晶操作をすることにより、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を得る工程(下記 化学式4 参照)。
[化学式4]
なお、本実施例のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法における、原料となるエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の純度に特に制限はなく、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。
<エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶>
本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが16.34±0.2°、19.30±0.2°、20.52±0.2°、23.48±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有する。
上記特徴を有するエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、熱に対して安定である。
以下、本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶に関し、さらに好ましい実施の形態を説明する。
本発明の好ましい実施の形態では、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが8.10±0.2°、9.20±0.2°、9.80±0.2°、12.74±0.2°、14.14±0.2°、14.74±0.2°、15.22±0.2°、16.34±0.2°、17.20±0.2°、17.62±0.2°、18.52±0.2°、19.30±0.2°、19.80±0.2°、20.52±0.2°、21.90±0.2°、23.48±0.2°、24.74±0.2°、26.08±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有する。
上記特徴を有するエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、熱に対して安定である。
また、本発明の好ましい実施の形態では、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、DSC(示差走査熱量測定)で測定したときに、175℃〜185℃、より好ましくは178℃〜182℃、さらに好ましくは180℃〜181℃に吸熱ピーク(分解点)を有する。
本発明のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、前述の製造方法により、製造することができる。
<エスゾピクロンの製造方法>
本発明のエスゾピクロンの製造方法は、前述のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法を含む。
本発明のエスゾピクロンの製造方法では、前述のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を製造した後、WO2009/101634A2号明細書に記載の方法を採用することができる。
具体的には、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩に対し、脱塩処理を行うことにより、エスゾピクロンを製造することができる。
以下、実施例を示しながら本発明についてより詳細に説明する。なお、純度はHPLCを用いて目的物ピークの面積比によって求めた。
[実施例1]
まず、WO2008/126105A2号明細書の記載に従って製造したエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩0.5gを、50℃に加温したアセトン5.04g中に溶解させた。
エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩をアセトンに溶解させた後、同温で撹拌していると結晶が析出しはじめた。
ここで、結晶の析出について観察したところ、溶媒の明確な減少はみられなかった。そのため、本実施例でのエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の析出は、使用溶媒により溶解度の異なる結晶となったことによるものと考えられる。すなわち、析出は、溶媒の冷却を伴わない形態であってもよいことがわかった。
次に、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を溶解させてから4時間経過後に結晶をろ過し、アセトンで洗浄した。
得られた湿結晶を60℃温風下で乾燥させ、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩0.17g(純度99.90%)の結晶を得た。
[実施例2]エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の構造について
次に、製造したエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の構造について、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにより確認した。結果を表1及び、図1に示す。
表1及び、図1より、アセトンを用いて製造された(実施例1で製造した)エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが16.34±0.2°、19.30±0.2°、20.52±0.2°、23.48±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することがわかった。
また、表1及び、図1より、アセトンを用いて製造された(実施例1で製造した)エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが8.10±0.2°、9.20±0.2°、9.80±0.2°、12.74±0.2°、14.14±0.2°、14.74±0.2°、15.22±0.2°、16.34±0.2°、17.20±0.2°、17.62±0.2°、18.52±0.2°、19.30±0.2°、19.80±0.2°、20.52±0.2°、21.90±0.2°、23.48±0.2°、24.74±0.2°、26.08±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することがわかった。
[実施例3]製造した結晶の熱に対する安定性について
次に、製造したエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶について、DSC(示差走査熱量測定)を用いて評価した(図2)。
また、比較例として、WO2008/126105A2号明細書に記載の方法(溶解時に用いる溶媒として、アセトニトリルと水の混合溶媒を用いた製造方法)により製造したエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶について、DSC(示差走査熱量測定)による評価を行った(図3)。
結果を図2、図3に示す。
図2に示すように、実施例1で製造したエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、180.3℃近傍に吸熱ピーク(分解点)を有することがわかった。
一方で、図3に示すように、WO2008/126105A2号明細書に記載の方法により製造されたエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、145.4℃付近に吸熱ピーク(分解点)を有することがわかった。
すなわち、アセトンを用いて製造された(実施例1で製造した)エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶は、先行技術(WO2008/126105A2号明細書)に記載の結晶よりも、熱に対して安定な結晶であることがわかった。
本発明はエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の製造に応用することができる。

Claims (8)

  1. 溶媒を用いてエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を溶解させる溶解工程と、
    溶解工程後の前記溶媒から結晶を析出させる析出工程と、
    を備えるエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶の製造方法であって、
    前記溶媒は炭素数3以上10以下のケトン類を主とすることを特徴とする、製造方法。
  2. 前記溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる1又は2以上の溶媒を主とすることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記溶解工程は、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩1gにつき10g〜40gの前記溶媒を用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記析出工程は40℃〜50℃の温度帯で結晶を析出させる工程であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記溶解工程は、40℃〜前記溶媒の還流する温度の範囲内でエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩を前記溶媒に溶解させる工程である、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のエスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の製造方法を含む、エスゾピクロンの製造方法。
  7. エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶であって、前記結晶が、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが16.34±0.2°、19.30±0.2°、20.52±0.2°、23.48±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することを特徴とする、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶。
  8. エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶であって、前記結晶が、Cu−Ka放射線を用いた粉末X線回折スペクトルにおいて、角度2θが8.10±0.2°、9.20±0.2°、9.80±0.2°、12.74±0.2°、14.14±0.2°、14.74±0.2°、15.22±0.2°、16.34±0.2°、17.20±0.2°、17.62±0.2°、18.52±0.2°、19.30±0.2°、19.80±0.2°、20.52±0.2°、21.90±0.2°、23.48±0.2°、24.74±0.2°、26.08±0.2°、27.54±0.2°で表される特徴的なピークを有することを特徴とする、エスゾピクロンジベンゾイル−D−酒石酸塩の結晶。
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