JP2020007455A - 含フッ素ポリマーを含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的良好な低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる、含フッ素ポリマーを含有する組成物を提供すること。【解決手段】 含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物を含有し、前記含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および下記一般式(1):CHX1=CX2Rf (1)(式中、X1およびX2は、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体(1)単位を含有する組成物。【選択図】 なし

Description

本開示は、含フッ素ポリマーを含有する組成物に関する。
ガラス転移温度が低く、耐アミン性に優れ、非晶質の含フッ素エラストマーとして、特許文献1では、ビニリデンフルオライド〔VdF〕および下記一般式(1)
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体のみからなる共重合体であり、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体単位のモル比が78/22〜22/78であり、ガラス転移温度が25℃以下である、ことを特徴とする非晶質の含フッ素エラストマーが提案されている。
特表2012−512264号公報
本開示では、比較的良好な引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる、含フッ素ポリマーを含有する組成物を提供することを目的とする。
本開示では、また、比較的良好な引裂強さ、低温特性および接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す複合体を提供することを目的とする。
本開示によれば、含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物を含有し、前記含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および下記一般式(1):
CHX=CXRf (1)
(式中、XおよびXは、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体(1)単位を含有する組成物が提供される。
前記未架橋アクリルゴムが、過酸化物架橋可能であることが好ましい。
前記一般式(1)において、XがHであり、XがFであることが好ましい。
前記含フッ素単量体(1)が、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンであることが好ましい。
前記含フッ素ポリマーの100℃のムーニー粘度(ML1+10(100℃))が、2〜200であることが好ましい。
前記含フッ素ポリマーと前記未架橋アクリルゴムとの質量比(含フッ素ポリマー/未架橋アクリルゴム)が、99/1〜40/60であることが好ましい。
本開示によれば、また、上記の組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体が提供される。
本開示によれば、また、上記の組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体(A1)と、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と、を備えており、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とが接着している複合体(以下、「複合体(1)」ということがある)が提供される。
本開示によれば、また、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)に、接着させて用いられる含フッ素ポリマー成形体(A1)を形成するための、上記の組成物の使用が提供される。
本開示によれば、また、含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物を含有する含フッ素ポリマー組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体(A2)と、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と、を備えており、含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)とが接着しており、前記含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および下記一般式(1):
CHX=CXRf (1)
(式中、XおよびXは、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)で表される含フッ素単量体(1)単位を含有する複合体(以下、「複合体(2)」ということがある)が提供される。
本開示によれば、比較的良好な引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる、含フッ素ポリマーを含有する組成物を提供することができる。
本開示によれば、また、比較的良好な引裂強さ、低温特性および接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す複合体を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の組成物は、含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物を含有する。本開示の組成物を用いることにより、比較的良好な引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる。また、得られる成形体は、従来の成形体と比べても、遜色のない常態物性を有している。
<含フッ素ポリマー>
本開示の組成物が含有する含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)単位を含有する。
上記含フッ素ポリマーのガラス転移温度は、25℃以下であり、好ましくは0℃以下であり、より好ましくは−5℃以下であり、さらに好ましくは−10℃以下である。さらには−20℃以下とすることもできる。上記含フッ素ポリマーのガラス転移温度が上記範囲内にあると、低温特性に優れた成形体を得ることができる。上記含フッ素ポリマーは、含フッ素エラストマーであることが好ましく、また、非晶質のポリマーであることが好ましい。上記含フッ素エラストマーは、未架橋の含フッ素エラストマーである。
本開示において、「非晶質」とは、DSC測定(昇温温度10℃/分)において現れた融解ピーク(ΔH)の大きさが2.0J/g以下であることをいう。
上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(日立テクノサイエンス社製、X−DSC823e)を用い、試料10mgを−75℃まで冷却した後、20℃/分で昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との交点を示す温度をガラス転移温度とすることにより求める。
含フッ素単量体(1)単位は、下記一般式(1):
CHX=CXRf (1)
(式中、XおよびXは、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)
で表される含フッ素単量体(1)に基づく単位である。本開示の組成物は、含フッ素単量体(1)単位を含有する上記含フッ素ポリマーを含有することから、比較的良好な引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる。
上記一般式(1)におけるRfとしては、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、直鎖のフルオロアルキル基が好ましく、直鎖のパーフルオロアルキル基がより好ましい。また、Rfの炭素数は、1〜6であることが好ましい。
上記一般式(1)においては、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、XがHであり、XがFであることが好ましい。
含フッ素単量体(1)としては、CH=CFCF、CH=CFCFCF、CH=CFCFCFCF、CH=CFCFCFCFCF、CHF=CHCF(1,3,3,3−テトラフルオロプロペン)等があげられ、なかでも、CH=CFCF(2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)が好ましい。含フッ素単量体(1)としては、1種または2種以上の単量体を使用してよい。
上記含フッ素ポリマーは、さらに、ビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)単位以外の他の単量体単位を含有してもよい。他の単量体としては、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、1種または2種以上の単量体を使用してよい。
上記他の単量体としては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル、および、架橋部位を与える単量体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、アルキルビニルエーテル、および、架橋部位を与える単量体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、TFEがさらに好ましい。また、上記他の単量体として、TFEのみを用いることも好ましい形態の一つである。
上記架橋部位を与える単量体としては、たとえば、
一般式(2):CX =CX−RfCHR
(式中、Xは、同一または異なって、H、Fまたは−CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Rは、Hまたは−CH、Xは、IまたはBrである。)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、
一般式(3):CX =CX−Rf
(式中、Xは、同一または異なって、H、Fまたは−CH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Xは、IまたはBrである。)で表されるヨウ素または臭素含有単量体(好ましくは、一般式:CH=CH(CFI(nは2〜8の整数である。)で表されるヨウ素含有単量体)、
一般式(4):CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、IまたはBrである。)で表される単量体、
一般式(5):CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、I、Brまたは−CHOHである。)で表される単量体、
一般式(6):CR=CR−Z−CR=CR
(式中、R〜R、は、同一または異なって、Hまたは炭素数1〜5のアルキル基である。Zは、直鎖または分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1〜10のアルキレン若しくはオキシアルキレン基、または、
−(Q)−CFO−(CFCFO)(CFO)−CF−(Q)
(式中、Qはアルキレンまたはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2〜5である。)で表され、分子量が500〜10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表される単量体等が挙げられる。
一般式(6)で表される単量体としては、たとえば、CH=CH−(CF−CH=CH、CH=CH−(CF−CH=CH、CH=CH−(CF−CH=CH、一般式:CH=CH−Z−CH=CH
(式中、Zは、−CHOCH−CFO−(CFCFO)m1(CFO)n1−CF−CHOCH−で表されるフルオロポリオキシアルキレン基であり、m1/n1は0.5であり、分子量は2000である。)で表される単量体等が挙げられる。
上記架橋部位を与える単量体としては、なかでも、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCFCHI、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、および、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOHからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCFCHIが、有機過酸化物を用いた架橋において、架橋密度を向上させて、圧縮永久歪を良好にすることができるので、特に好ましい。
上記含フッ素ポリマーにおけるビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比は、好ましくは87/13〜20/80であり、ビニリデンフルオライド単位のモル比の下限はより好ましくは22/78以上であり、さらに好ましくは50/50以上であり、特に好ましくは60/40以上であり、ビニリデンフルオライド単位のモル比の上限はより好ましくは78/22以下である。また、他の単量体単位の含有量は、好ましくは全単量体単位の0〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%である。
上記含フッ素ポリマーは、ビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位および他の単量体単位のみからなる共重合体であることが好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、ヨウ素原子および臭素原子の少なくとも一方を有することが好ましく、ヨウ素原子を有することがより好ましい。上記含フッ素ポリマーのヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計は、好ましくは0.001〜10質量%であり、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計の上限は、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下であり、最も好ましくは0.5質量%以下であり、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計の下限は、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.08質量%以上であり、最も好ましくは0.1質量%以上である。上記含フッ素ポリマーにおけるヨウ素原子および臭素原子の結合位置は、上記含フッ素ポリマーの主鎖の末端でも側鎖の末端でもよく、もちろん両者であってもよい。このような含フッ素ポリマーにおいては、ヨウ素末端または臭素末端が架橋点(架橋部位)となり、架橋密度が高い、架橋した含フッ素ポリマーが得られる他、過酸化物架橋をより容易に行うことが可能になる。
上記含フッ素ポリマーとしては、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、ビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が87/13〜22/78である共重合体(I)、ビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15〜20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の1〜50モル%である共重合体(II)、および、ビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位を含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15〜20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0〜50モル%であり、ヨウ素原子および臭素原子の少なくとも一方を有し、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計が0.001〜10質量%である共重合体(III)、からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
共重合体(I)は、ビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が87/13〜22/78である。共重合体(I)のビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比は、耐アミン性および低温特性により一層優れた成形体を得ることができることから、好ましくは82/18〜60/40である。
共重合体(II)は、ビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15〜20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の1〜50モル%である。
共重合体(II)におけるビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比は、耐アミン性および低温特性により一層優れた成形体を得ることができることから、好ましくは85/15〜50/50であり、より好ましくは85/15〜60/40である。
共重合体(II)の他の単量体単位の含有量は、耐アミン性および低温特性により一層優れた成形体を得ることができることから、全単量体単位の1〜40モル%であることが好ましい。共重合体(II)が含有する他の単量体としては、上述したものが好適である。
共重合体(III)は、ビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび上記含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位を含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15〜20/80であり、他の単量体単位が全単量体単位の0〜50モル%であり、ヨウ素原子および臭素原子の少なくとも一方を有し、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計が0.001〜10質量%である。
共重合体(III)としては、実質的にビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)のみを含有する共重合体、または、実質的にビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位のみを含有する共重合体が好ましい。この場合の共重合体(III)は、本開示の効果を損なわない範囲で、反応性乳化剤を使用して製造したものであってもよい。また、連鎖移動剤に由来するI末端等を含んでいてもよい。
共重合体(III)としては、実質的にビニリデンフルオライド単位および含フッ素単量体(1)単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が80/20〜20/80であることがより好ましい。
共重合体(III)は、また、実質的にビニリデンフルオライド単位、含フッ素単量体(1)単位、並びに、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な他の単量体単位のみを含有し、ビニリデンフルオライド単位/含フッ素単量体(1)単位のモル比が85/15〜50/50であり、他の単量体単位が全単量体単位の1〜50モル%であることもより好ましい。
本開示において、各単量体単位の含有量は、NMR法により測定する値である。
共重合体(III)は、ヨウ素原子および臭素原子の少なくとも一方を有し、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計が0.001〜10質量%である。ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計の上限は、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下であり、最も好ましくは0.5質量%以下であり、ヨウ素原子および臭素原子の含有量の合計の下限は、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、特に好ましくは0.08質量%以上であり、最も好ましくは0.1質量%以上である。
ヨウ素含有量は、試料(含フッ素ポリマー)12mgにNaSOを5mg混ぜ、純水20mlにNaCOとKCOとを1対1(質量比)で混合したものを30mg溶解した吸収液を用い、石英製の燃焼フラスコ中、酸素中で燃焼させ、30分放置後、島津20Aイオンクロマトグラフを用い測定することができる。検量線はKI標準溶液、ヨウ素イオン0.5ppmを含むものまたは1.0ppmを含むものを用いることができる。
共重合体(III)におけるヨウ素原子および臭素原子の結合位置は、共重合体(III)の主鎖の末端でも側鎖の末端でもよく、もちろん両者であってもよい。このような共重合体においては、ヨウ素末端または臭素末端が架橋点(架橋部位)となり、架橋密度が高い、架橋した含フッ素ポリマーが得られる他、過酸化物架橋をより容易に行うことが可能になる。
共重合体(III)は、架橋部位を与える単量体としてヨウ素または臭素含有単量体を使用する製造方法、重合開始剤または連鎖移動剤として臭素化合物またはヨウ素化合物を使用する製造方法、などによって製造することができる。
共重合体(III)において、他の単量体は、ビニリデンフルオライドおよび含フッ素単量体(1)と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、1種または2種以上の単量体を使用してよい。
共重合体(III)における他の単量体単位の含有量は、好ましくは全単量体単位の0〜50モル%であり、より好ましくは全単量体単位の1〜50モル%である。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体としては、たとえば、上述した一般式(2)〜(6)で表される単量体が挙げられる。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CF=CFOCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、CH=CHCFCFI、および、CH=CH(CFCH=CHからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体としては、CF=CFOCFCFCHIが、有機過酸化物を用いた架橋において、架橋密度を向上させて、圧縮永久歪を良好にすることができるので、特に好ましい。
共重合体(III)において、架橋部位を与える単量体は、全単量体単位の0.01〜10モル%であることが好ましく、0.01〜2モル%であることがより好ましい。
上記含フッ素ポリマーとしては、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、過酸化物架橋可能な含フッ素ポリマーが好ましく、ヨウ素原子または臭素原子を有する過酸化物架橋可能な含フッ素ポリマーがより好ましく、共重合体(III)がさらに好ましい。
上記含フッ素ポリマーとしては、シール性に優れることから、数平均分子量(Mn)が7000〜500000であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)が10000〜1000000であることが好ましく、Mw/Mnが1.3〜4.0であることが好ましい。上記数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および、Mw/Mnは、GPC法により測定する値である。
上記含フッ素ポリマーの100℃のムーニー粘度(ML1+10(100℃))は、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物と容易に混合できることから、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、30以上であることがさらに好ましい。また200以下であることが好ましく、160以下であることがより好ましく、120以下であることがさらに好ましい。ムーニー粘度は、ASTM−D1646−15およびJIS K6300−1:2013に準拠して測定する値である。
上記含フッ素ポリマーは、一般的なラジカル重合法により製造することができる。重合形態は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合および乳化重合のいずれの形態でもよいが、工業的に実施が容易であることから、乳化重合であることが好ましい。
上記の重合においては、重合開始剤、連鎖移動剤、界面活性剤、および、溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。
連鎖移動剤としては、たとえば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類のほか、イソペンタン、メタン、エタン、プロパン、2−プロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサンなどがあげられる。
連鎖移動剤として臭素化合物またはヨウ素化合物を使用してもよい。臭素化合物またはヨウ素化合物を使用して行う重合方法としては、たとえば、実質的に無酸素状態で、臭素化合物またはヨウ素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法があげられる(ヨウ素移動重合法)。使用する臭素化合物またはヨウ素化合物の代表例としては、たとえば、
一般式:RBr
(式中、xおよびyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または、炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物があげられる。臭素化合物またはヨウ素化合物を使用することによって、ヨウ素原子または臭素原子が含フッ素ポリマーに導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物としては、たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、2−ヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、ならびに(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、2−ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
上記含フッ素ポリマーのうち、特に共重合体(III)を製造するための重合では、連鎖移動剤として臭素化合物またはヨウ素化合物を使用することが好ましい。
上記含フッ素ポリマーとしては、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。特に、分子構造の異なる2種類の共重合体を併用する形態であってもよい。
上記分子構造の異なる2種類の共重合体を併用する形態としては、分子構造の異なる共重合体(I)を2種類用いる形態、分子構造の異なる共重合体(II)を2種類用いる形態、分子構造の異なる共重合体(III)を2種類用いる形態、1種類の共重合体(I)と1種類の共重合体(II)を併用する形態、1種類の共重合体(I)と1種類の共重合体(III)を併用する形態、1種類の共重合体(II)と1種類の共重合体(III)を併用する形態が挙げられる。
<未架橋アクリルゴム>
本開示の組成物は、未架橋アクリルゴムを含有する。本開示の組成物は、含フッ素ポリマーに加えて、未架橋アクリルゴムを含有するものであることから、比較的良好な引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す成形体を得ることができる。また、含フッ素ポリマーを含有するが、未架橋アクリルゴムを含有しない組成物と比べると、本開示の組成物からは、優れた低温特性を示す成形体を得ることができる。
上記未架橋アクリルゴムとしては、なかでも、上記含フッ素ポリマーと同じ架橋システムを適用でき、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、過酸化物架橋可能なアクリルゴムが好ましい。
上記未架橋アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位からなる重合体である。本開示において、(メタ)アクリル酸エステルには、アクリル酸エステル単量体およびメタクリル酸エステルが含まれる。未架橋アクリルゴムは、1種の(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位からなる単独重合体であってもよいし、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位からなる共重合体であってもよいし、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位と、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体に基づく重合単位とからなる共重合体であってもよい。
未架橋アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エステルの種類、重合単位の量を選択することにより、成形品の常態物性、低温特性、耐油性等を調整することができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エステルが好ましい。
アクリル酸エステルは、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、または、炭素数1〜12のアルコキシアルキル基を有するアクリル酸アルコキシアルキルエステルであることが好ましい。
アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート等が挙げられる。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレート等が挙げられる。
これらのアクリル酸エステルに基づく重合単位の量を調整することで、得られる組成物、組成物から得られる含フッ素ポリマー成形体、含フッ素ポリマー成形体から得られる複合体の低温特性や耐油性を調整することができる。
例えば、n−ブチルアクリレートの共重合比率を多くすると低温特性を向上させることができる。また、エチルアクリレートの共重合比率を多くすると耐油性を向上させることができる。
未架橋アクリルゴムは、アクリル酸エステルに基づく重合単位、および、アクリル
酸エステルと共重合可能な単量体に基づく重合単位からなる共重合体であることも好ましい。
アクリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、架橋部位含有モノマー(但し、酢酸ビニルは除く)、および、エチレンからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましく、エチレンがより好ましい。
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。メタクリル酸エステルは、例えば、炭素数2〜14のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、または、炭素数2〜14のアルコキシアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。
酢酸ビニルは、未架橋アクリルゴムを含有する組成物が熱老化した際に、未架橋アクリルゴムの分子間を架橋させて組成物中の伸び等の機械的特性を維持させるために用いられる。酢酸ビニルの配合量を調整することにより、得られる組成物の分子間架橋を調整することができる。
アクリルゴムは、熱や紫外線等の影響によりその主鎖が切断し、引張強さや破断伸びといった機械的特性が低下してしまうことがある。そこで、架橋反応を起こしやすいカルボキシル基を有する酢酸ビニルを未架橋アクリルゴムの主鎖に共重合させておくと、架橋後のアクリルゴムの主鎖が切断してしまった際に、酢酸ビニルに基づく重合単位中のカルボキシル基が架橋部位となって、切断した分子間を再度架橋させることができる。
酢酸ビニルに基づく重合単位は、未架橋アクリルゴムを構成する全重合単位に対して、15質量%以下であることが好ましい。酢酸ビニルに基づく重合単位の含有量がこの範囲であれば、架橋後の組成物の耐熱老化性を維持しつつ、その機械特性の低下を抑制することができる。
架橋部位含有モノマーは、必要に応じて未架橋アクリルゴムに共重合させるものであり、分子間架橋を進めて、得られる組成物の硬度や伸び特性を調整するためのものである。
架橋部位含有モノマーとしては、活性塩素基、エポキシ基、カルボキシル基、および、水酸基(但し、カルボキシル基に含まれる水酸基は除く)からなる群より選択される少なくとも1種を有する単量体が好ましい。
架橋部位含有モノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、2−クロロエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート等の活性塩素基を有する単量体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基を含有する単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を含有する単量体が挙げられる。
上記水酸基は、フェノール性水酸基が好ましく、フェノール性水酸基を有する架橋部位含有モノマーとしては、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、o−カビコール、p,m−ヒドロキシ安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、オイゲノール、イソオイゲノール、p−イソプロペニルフェノール、o,m,p−アリルフェノール、2,2−(o,m,p−ヒドロキシフェニル−4−ビニルアセチル)プロパン等が挙げられる。
活性塩素基を有する架橋部位含有モノマーとしては、o,m,p−ヒドロキシスチレン、2−クロロエチルビニルエーテル、モノクロロ酢酸ビニル、クロロメチルスチレン、アリルクロライド等が挙げられる。
架橋部位含有モノマーに基づく重合単位は、未架橋アクリルゴムを構成する全重合単位に対して、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。架橋部位含有モノマーに基づく重合単位をこの範囲で使用すると効率的に架橋することができ、ゴム弾性を失うことがなく、得られる成形体の強度も優れる。架橋部位含有モノマーに基づく重合単位が10質量%を超えると、得られた組成物が硬化してゴム弾性を失うおそれがある。
未架橋アクリルゴムは、全重合単位に対して、アクリル酸エステルに基づく重合単位が、40〜95質量%であり、活性塩素基および水酸基(但し、カルボキシル基に含まれる水酸基は除く)からなる群より選択される少なくとも1種の基を有するモノマーに基づく重合単位が、1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルに基づく重合単位が、50〜90質量%であり、活性塩素基および水酸基(但し、カルボキシル基に含まれる水酸基は除く)からなる群より選択される少なくとも1種の基を有するモノマーに基づく重合単位が、2〜10質量%である。
未架橋アクリルゴムには、本開示の目的を損なわない範囲でこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを共重合させることもできる。共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン;ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテル等のビニルエーテルまたはアリルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル;アクリルアミド、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピオン酸ビニル等のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
未架橋アクリルゴムとしては、エチレンアクリレートゴム(AEM)が好ましい。エチレンアクリレートゴムは、(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位およびエチレンに基づく重合単位を含有する共重合体であり、さらに、架橋部位含有モノマーに基づく重合単位を含有する共重合体であってもよい。エチレンアクリレートゴムの100℃のムーニー粘度(ML1+10(100℃))は、好ましくは10〜50であり、より好ましくは12〜35である。エチレンアクリレートゴムにおける(メタ)アクリル酸エステルに基づく重合単位の含有量は、好ましくは45〜70質量%であり、より好ましくは55〜65質量%である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、エチレンアクリレートゴムは、架橋部位含有モノマーに基づく重合単位を含有することも好ましい。架橋部位含有モノマーとしては、特に限定するものではないが、上述した未架橋アクリルゴムが含有し得る架橋部位含有モノマーが挙げられる。また、エチレンアクリレートゴム中の架橋部位含有モノマーに基づく重合単位の含有量は、0.001〜10質量%であってよく、0.01〜5質量%であってよい。
未架橋アクリルゴムは、上記の単量体を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の公知の方法により共重合することにより得られる。
本開示の組成物において、上記含フッ素ポリマーと上記未架橋アクリルゴムとの質量比(含フッ素ポリマー/未架橋アクリルゴム)は、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、好ましくは99/1〜40/60であり、得られる成形体の耐アミン性およびアクリルゴムとの接着性を大きく損なうことなく、低温特性が顕著に向上することから、より好ましくは96/4以下であり、低温特性が顕著に向上するとともに、得られる成形体の接着性が顕著に向上することから、さらに好ましくは92/8以下であり、得られる成形体の低温特性およびアクリルゴムとの接着性を大きく損なうことなく、得られる成形体の耐アミン性が顕著に向上し、また、引裂強さも向上することから、より好ましくは70/30以上である。驚くべきことに、本開示の組成物中の含フッ素ポリマーの含有割合が比較的高い場合であっても、得られる成形体は、アクリルゴムとの良好な接着性を示す。
<有機過酸化物>
本開示の組成物は、有機過酸化物を含有する。上記有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエイトなどを挙げることができる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3が好ましい。また上記有機過酸化物と含フッ素ポリマーおよび未架橋アクリルゴムとを混練りする際には、上記有機過酸化物を不活性無機粉体などに含浸させたものを用いてもよい。
上記有機過酸化物は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機過酸化物の含有量は、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.3〜10質量部であり、より好ましくは0.4〜5質量部であり、さらに好ましくは0.4〜3質量部である。上記有機過酸化物が少なすぎると、架橋度が不足するため、成形体の性能が損なわれる傾向があり、上記有機過酸化物が多すぎると、架橋密度が高くなりすぎるためゴムとしての柔軟性が失われることに加え、経済的にも好ましくない傾向がある。
本開示の組成物は、上記有機過酸化物とともに、架橋助剤を含有することが好ましい。上記架橋助剤としては、たとえば、トリアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性および成形体の物性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。また上記架橋助剤と含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物とを混練りする際には、上記架橋助剤を不活性無機粉体などに含浸させたものを用いてもよい。
上記架橋助剤の含有量は、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.3〜7質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。上記架橋助剤が少なすぎると、成形体の圧縮永久ひずみが低下する傾向があり、上記架橋助剤が多すぎると、成形体の伸びが著しく低下する傾向がある。
<カーボンブラック>
本開示の組成物は、カーボンブラックを含有することができる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられ、具体的にはたとえば、SAF−HS(NSA:142m/g、DBP:130ml/100g)、SAF(NSA:142m/g、DBP:115ml/100g)、N234(NSA:126m/g、DBP:125ml/100g)、ISAF(NSA:119m/g、DBP:114ml/100g)、ISAF−LS(NSA:106m/g、DBP:75ml/100g)、ISAF−HS(NSA:99m/g、DBP:129ml/100g)、N339(NSA:93m/g、DBP:119ml/100g)、HAF−LS(NSA:84m/g、DBP:75ml/100g)、HAS−HS(NSA:82m/g、DBP:126ml/100g)、HAF(NSA:79m/g、DBP:101ml/100g)、N351(NSA:74m/g、DBP:127ml/100g)、LI−HAF(NSA:74m/g、DBP:101ml/100g)、MAF−HS(NSA:56m/g、DBP:158ml/100g)、MAF(NSA:49m/g、DBP:133ml/100g)、FEF−HS(NSA:42m/g、DBP:160ml/100g)、FEF(NSA:42m/g、DBP:115ml/100g)、SRF−HS(NSA:32m/g、DBP:140ml/100g)、SRF−HS(NSA:29m/g、DBP:152ml/100g)、GPF(NSA:27m/g、DBP:87ml/100g)、SRF(NSA:27m/g、DBP:68ml/100g)、SRF−LS(NSA:23m/g、DBP:51ml/100g)、FT(NSA:19m/g、DBP:42ml/100g)、MT(NSA:8m/g、DBP:43ml/100g)などが挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。これらの中でも、SAF−HS、SAF、N234、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、N339、HAF−LS、HAS−HS、HAF、N351、LI−HAF、FEF、SRFおよびMTからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
本開示の組成物は、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られ、なおかつ、顕著に優れた引裂強さを有する成形体を得ることができることから、窒素吸着比表面積(NSA)が7〜180m/gであって、ジブチルフタレート(DBP)またはパラフィンオイル吸収量が40〜180ml/100gであるカーボンブラックを含有することが好ましい。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、引裂強さを向上させる観点からは、より好ましくは70m/g以上であり、さらに好ましくは80m/g以上であり、特に好ましくは90m/g以上である。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、耐アミン性を重視する観点からは、好ましくは70m/g未満であり、より好ましくは30m/g以下であり、さらに好ましくは20m/g以下である。
上記窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2:2001に記載の方法で測定できる。
上記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)またはパラフィンオイル吸収量は、引裂強さを向上させる観点からは、より好ましくは50ml/100g以上であり、さらに好ましくは60ml/100g以上であり、特に好ましくは70ml/100g以上である。
上記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)またはパラフィンオイル吸収量は、耐アミン性を重視する観点からは、50ml/100g未満であってよい。
また、上記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)またはパラフィンオイル吸収量の上限は、一般的に入手しやすい観点から、より好ましくは175ml/100g以下であり、さらに好ましくは170ml/100g以下である。
上記ジブチルフタレート(DBP)またはパラフィンオイル吸収量は、JIS K6217−4:2008に記載の方法により測定できる。
上記カーボンブラックの含有量は、引裂強さ、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られることから、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部であり、より好ましくは8〜50質量部であり、さらに好ましくは10〜40質量部である。
本開示の組成物は、更に、充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅などの金属硫化物;珪藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫化バリウム)、グラファイト、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス、石英微粉末、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、炭素繊維、アラミド繊維、各種ウィスカー、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤、ポリテトラフルオロエチレン、含フッ素熱可塑性樹脂、マイカ、シリカ、セライト、クレー等が挙げられる。
本開示の組成物は、上記充填剤として、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、石英微粉末、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、マイカ、セライト、クレー、または、珪藻土を含むことが好ましい。上記シリカとしては、乾式シリカまたは湿式シリカのいずれであってもよく、たとえば、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、沈降シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
本開示の組成物は、離型剤、可塑剤などの加工助剤、有機顔料、無機顔料などの顔料、粘着付与剤、ワックス、老化防止剤などを含んでもよい。
本開示の組成物の製造には、一般的なゴムの混練り装置が使用できる。例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機等のゴム混練り装置等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
また本開示の組成物を製造する際には、含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴム、有機過酸化物、その他の配合剤を混練り装置に投入する順番は特に限定されない。
<成形体>
本開示の含フッ素ポリマー成形体(以下、「含フッ素ポリマー成形体(A1)」ということがある)は、上記の組成物を架橋することにより得られる。また、本開示の含フッ素ポリマー成形体は、上記の組成物を成形し、架橋することにより得ることもできる。上記の組成物は、従来公知の方法で成形することができる。成形および架橋の方法および条件としては、採用する成形および架橋において公知の方法および条件の範囲内でよい。成形および架橋の順序は限定されず、成形した後架橋してもよいし、成形と架橋とを同時に行ってもよい。
成形方法としては、金型などによる圧縮成形法、注入成形法、インジェクション成形法、押出し成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。架橋方法としては、スチーム架橋法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法、放射線架橋法等が採用でき、なかでも、スチーム架橋法、加熱による架橋反応が好ましい。限定されない具体的な架橋条件としては、通常、140〜250℃の温度範囲、1分間〜24時間の架橋時間内で、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよい。また、架橋を、一次架橋、二次架橋の順で行ってもよい。一次架橋条件としては、たとえば、150〜180℃の温度範囲、2〜60分の架橋時間である。
<複合体(1)>
本開示の複合体(1)は、含フッ素ポリマー成形体(A1)と、アクリルゴム成形体(B)とを備えている。本開示の複合体(1)は、含フッ素ポリマー成形体(A1)が上記の組成物を架橋することにより得られたものであることから、比較的良好な低温特性および接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す。
アクリルゴム成形体(B)は、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られる。
上記未架橋アクリルゴムとしては、本開示の組成物が含有する未架橋アクリルゴムと同様のものを挙げることができ、本開示の組成物が含有する好適な未架橋アクリルゴムと同様のものが好適である。また、未架橋アクリルゴムは、過酸化物架橋可能なものであることが好ましい。
本開示の複合体(1)においては、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とが接着している。含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とは、直接接着していてもよいし、接着剤層などの他の層を介して接着していてもよいが、両者が直接接着していることが好ましい。本開示の複合体(1)においては、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)との境界に接着剤層を設けることなく、両者を直接接着可能である。また、上記アクリルゴム組成物は、未架橋アクリルゴム以外のポリマーを含むことができるが、上記アクリルゴム組成物が含フッ素ポリマーを含まないものであっても、含フッ素ポリマー成形体(A1)と、アクリルゴム成形体(B)とは、強固に接着している。
上記アクリルゴム組成物は、架橋剤をさらに含有してもよい。上記架橋剤としては、アクリルゴムの架橋剤として一般的に用いられている化合物を用いることができ、たとえば、有機アンモニウム系架橋剤、ジチオカルバミン酸亜鉛系架橋剤、四級アンモニウム塩系架橋剤、金属石鹸/硫黄系架橋剤、トリアジン系架橋剤、ジアミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、共架橋剤/過酸化物併用系架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましいが、これらに限定されるものではない。未架橋アクリルゴムが架橋部位含有モノマーに基づく重合単位を含むものである場合、その架橋部位含有モノマーに応じて、適切な架橋剤を選択すればよい。
上記架橋剤としては、なかでも、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とをより強固に接着させることができることから、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、本開示の組成物が含有する有機過酸化物と同様のものを挙げることができ、本開示の組成物が含有する好適な有機過酸化物と同様のものが好適である。
上記アクリルゴム組成物における有機過酸化物の含有量は、上記未架橋アクリルゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜7質量部である。
上記アクリルゴム組成物は、架橋助剤をさらに含有することが好ましい。アクリルゴム成形体(B)が、架橋助剤をさらに含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるものであると、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とをより強固に接着させることができる。
架橋助剤としては、本開示の組成物が含有する架橋助剤と同様のものを挙げることができ、本開示の組成物が含有する好適な架橋助剤と同様のものが好適である。
上記アクリルゴム組成物における架橋助剤の含有量は、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とをより一層強固に接着させることができることから、上記未架橋アクリルゴム100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜6質量部であり、さらに好ましくは1〜4質量部である。
上記アクリルゴム組成物は、更に、カーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックとしては、本開示の組成物が含み得るカーボンブラックと同様のものを挙げることができ、本開示の組成物が含み得る好適なカーボンブラックと同様のものが好適である。
上記アクリルゴム組成物は、更に、充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅などの金属硫化物;珪藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫化バリウム)、グラファイト、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス、石英微粉末、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、炭素繊維、アラミド繊維、各種ウィスカー、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤、ポリテトラフルオロエチレン、含フッ素熱可塑性樹脂、マイカ、シリカ、セライト、クレー等が挙げられる。
上記アクリルゴム組成物は、上記充填剤として、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、石英微粉末、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、マイカ、セライト、クレー、または、珪藻土を含むことが好ましい。上記シリカとしては、乾式シリカまたは湿式シリカのいずれであってもよく、たとえば、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、沈降シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記アクリルゴム組成物は、離型剤、可塑剤などの加工助剤、有機顔料、無機顔料などの顔料、粘着付与剤、ワックス、老化防止剤などを含んでもよい。
このように、本開示の組成物からは、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と接着可能な含フッ素ポリマー成形体を得ることができる。すなわち、本開示には、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)に接着させて用いられる含フッ素ポリマー成形体(A1)を形成するための、上述した組成物の使用が含まれる。
本開示の複合体(1)は、含フッ素ポリマー成形体(A1)から形成される層と、アクリルゴム成形体(B)から形成される層とを備える積層体であってもよい。このような積層体においても、両層は強固に接着している。
本開示の複合体(1)は、本開示の組成物を成形することにより、未架橋の含フッ素ポリマー成形体を得る工程、上記アクリルゴム組成物を成形することにより、未架橋のアクリルゴム成形体を得る工程、および、未架橋の含フッ素ポリマー成形体と未架橋のアクリルゴム成形体とを接触させながら、両者を架橋させることにより、含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とが接着した複合体(1)を得る工程、を含む製造方法により、好適に製造することができる。
本開示の複合体(1)を製造する際における、本開示の組成物および上記アクリルゴム組成物の成形方法としては、金型などによる圧縮成形法、注入成形法、インジェクション成形法、押出し成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。架橋方法としては、スチーム架橋法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法、放射線架橋法等が採用でき、なかでも、スチーム架橋法、加熱による架橋反応が好ましい。限定されない具体的な架橋条件としては、通常、140〜250℃の温度範囲、1分間〜24時間の架橋時間内で、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよい。
また、本開示の複合体(1)が積層体である場合の製造方法としては、押出機を用いて、本開示の組成物および上記アクリルゴム組成物を多層押出成形することにより、含フッ素ポリマー成形体とアクリルゴム成形体とが接着した未架橋の積層体を得る工程、および、未架橋の積層体を架橋させることにより、含フッ素ポリマー成形体(A1)から形成された層とアクリルゴム成形体(B)から形成された層とが接着した積層体を得る工程、を含む製造方法が挙げられる。
<複合体(2)>
本開示の複合体(2)は、含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物を含有する含フッ素ポリマー組成物(以下、「含フッ素ポリマー組成物(a2)」ということがある)を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体(A2)と、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と、を備えている。本開示の複合体(2)は、比較的良好な引裂強さ、低温特性および接着性を示すとともに、優れた耐アミン性を示す。
本開示の複合体(2)においては、含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)とが接着している。含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)とは、直接接着していてもよいし、接着剤層などの他の層を介して接着していてもよいが、両者が直接接着していることが好ましい。本開示の複合体(2)においては、含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)との境界に接着剤層を設けることなく、両者を直接接着可能である。また、上記アクリルゴム組成物は、未架橋アクリルゴム以外のポリマーを含むことができるが、上記アクリルゴム組成物が含フッ素ポリマーを含まないものであっても、含フッ素ポリマー成形体(A2)と、アクリルゴム成形体(B)とは、強固に接着している。
含フッ素ポリマー成形体(A2)は、含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物を含有する含フッ素ポリマー組成物(a2)を架橋することにより得られるものである。含フッ素ポリマー組成物(a2)に含まれる含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物は、本開示の組成物が含む含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物と同様のものを挙げることができ、本開示の組成物が含む好適な含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物と同様のものが好適である。
含フッ素ポリマー組成物(a2)は、未架橋アクリルゴムを必須成分として含まない点で、本開示の組成物とは異なる。含フッ素ポリマー組成物(a2)は、未架橋アクリルゴムなどの他のポリマーを含んでもよい。未架橋アクリルゴムとしては、本開示の組成物が含むものと同様のものを挙げることができる。上記未架橋アクリルゴムの含有量としては、得られる成形体の低温特性およびアクリルゴムとの接着性を大きく損なうことなく、耐アミン性が顕著に向上し、また、引裂強さも向上することから、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%未満であり、さらに好ましくは0.9質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以下であり、最も好ましくは0.1質量%以下である。本開示の複合体(2)においては、含フッ素ポリマー組成物(a2)が、未架橋アクリルゴムを含まないことも好ましい。
含フッ素ポリマー組成物(a2)は、架橋助剤を含んでもよい。架橋助剤としては、本開示の組成物が含み得る架橋助剤と同様のものを挙げることができる。上記架橋助剤の含有量は、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.3〜7質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。上記架橋助剤が少なすぎると、成形体の圧縮永久ひずみが低下する傾向があり、上記架橋助剤が多すぎると、成形体の伸びが著しく低下する傾向がある。
含フッ素ポリマー組成物(a2)は、カーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックとしては、本開示の組成物が含有し得るカーボンブラックと同様のものを挙げることができる。上記カーボンブラックの含有量は、低温特性、アクリルゴム成形体との接着性および耐アミン性により一層優れた成形体が得られ、なおかつ、顕著に優れた引裂強さを有する成形体を得ることができることから、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部であり、より好ましくは8〜50質量部であり、さらに好ましくは10〜40質量部であり、特に好ましくは15〜40質量部である。
含フッ素ポリマー組成物(a2)は、充填剤を含んでもよい。充填剤としては、本開示の組成物が含有し得る充填剤と同様のものを挙げることができる。
含フッ素ポリマー組成物(a2)は、離型剤、可塑剤などの加工助剤、有機顔料、無機顔料などの顔料、粘着付与剤、ワックス、老化防止剤などを含んでもよい。
含フッ素ポリマー組成物(a2)の製造には、一般的なゴムの混練り装置が使用できる。例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機等のゴム混練り装置等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
含フッ素ポリマー組成物(a2)を製造する際には、含フッ素ポリマー、有機過酸化物、その他の配合剤を混練り装置に投入する順番は特に限定されない。
含フッ素ポリマー成形体(A2)は、含フッ素ポリマー組成物(a2)を架橋することにより得られる。また、含フッ素ポリマー成形体(A2)は、含フッ素ポリマー組成物(a2)を成形し、架橋することにより得ることもできる。含フッ素ポリマー組成物(a2)は、従来公知の方法で成形することができる。成形および架橋の方法および条件としては、採用する成形および架橋において公知の方法および条件の範囲内でよい。成形および架橋の順序は限定されず、成形した後架橋してもよいし、成形と架橋とを同時に行ってもよい。成形方法としては、本開示の成形体の成形方法と同様の成形方法を用いることができる。
本開示の複合体(2)が備えるアクリルゴム成形体(B)としては、本開示の複合体(1)が備えるアクリルゴム成形体(B)と同様のものを挙げることができ、本開示の複合体(1)が備える好適なアクリルゴム成形体(B)と同様のものが好適である。
本開示の複合体(2)は、含フッ素ポリマー成形体(A2)から形成される層と、アクリルゴム成形体(B)から形成される層とを備える積層体であってもよい。このような積層体においても、両層は強固に接着している。
本開示の複合体(2)は、含フッ素ポリマー組成物(a2)を成形することにより、未架橋の含フッ素ポリマー成形体を得る工程、上記アクリルゴム組成物を成形することにより、未架橋のアクリルゴム成形体を得る工程、および、未架橋の含フッ素ポリマー成形体と未架橋のアクリルゴム成形体とを接触させながら、両者を架橋させることにより、含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)とが接着した複合体(2)を得る工程、を含む製造方法により、好適に製造することができる。
本開示の複合体(2)を製造する際における、含フッ素ポリマー組成物(a2)および上記アクリルゴム組成物の成形方法としては、本開示の複合体(1)の製造方法と同様の成形方法を用いることができる。
また、本開示の複合体(2)が積層体である場合の製造方法としては、押出機を用いて、含フッ素ポリマー組成物(a2)および上記アクリルゴム組成物を多層押出成形することにより、含フッ素ポリマー成形体とアクリルゴム成形体とが接着した未架橋の積層体を得る工程、および、未架橋の積層体を架橋させることにより、含フッ素ポリマー成形体(A2)から形成された層とアクリルゴム成形体(B)から形成された層とが接着した積層体を得る工程、を含む製造方法が挙げられる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体は、他材と接触して摺動したり、他材、物質を封止、密封したり、防振、防音を目的とする部位一般に用いられ、自動車産業、航空機産業、半導体産業等の各分野において各種部品として使用することができる。
用いられる分野としては例えば、半導体関連分野、自動車分野、航空機分野、宇宙・ロケット分野、船舶分野、化学プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野、現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野、分析機器、計器等の分析・理化学機械分野、食品プラント機器および家庭用品を含む食品機器分野、飲料食品製造装置分野、医薬品製造装置分野、医療部品分野、化学薬品輸送用機器分野、原子力プラント機器分野、鉄板加工設備等の鉄鋼分野、一般工業分野、電気分野、燃料電池分野、電子部品分野、光学機器部品分野、宇宙用機器部品分野、石油化学プラント機器分野、石油、ガス等のエネルギー資源探索採掘機器部品分野、石油精製分野、石油輸送機器部品分野などが挙げられる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体の使用形態としては、たとえば、リング、パッキン、ガスケット、ダイアフラム、オイルシール、ベアリングシール、リップシール、プランジャーシール、ドアシール、リップおよびフェースシール、ガスデリバリープレートシール、ウエハサポートシール、バレルシール等の各種シール材やパッキンなどが挙げられる。シール材としては、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、非粘着性が要求される用途に用いることができる。
また、チューブ、ホース、ロール、各種ゴムロール、フレキシブルジョイント、ゴム板、コーティング、ベルト、ダンパー、バルブ、バルブシート、バルブの弁体、耐薬品用コーティング材料、ラミネート用材料、ライニング用材料などとしても使用できる。
なお、上記リング、パッキン、シールの断面形状は、種々の形状のものであってよく、具体的には、例えば、四角、O字、へルールなどの形状であってもよいし、D字、L字、T字、V字、X字、Y字などの異形状であってもよい。
上記半導体関連分野においては、例えば、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマディスプレイパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル製造装置、有機ELパネル製造装置、フィールドエミッションディスプレイパネル製造装置、太陽電池基板製造装置、半導体搬送装置等に用いることができる。そのような装置としては、例えば、CVD装置、半導体用ガス制御装置等のガス制御装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、プラズマエッチング装置、反応性イオンエッチング装置、反応性イオンビームエッチング装置、スパッタエッチング装置、イオンビームエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、プラズマアッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、プラズマCVD装置、排気装置、露光装置、研磨装置、成膜装置、乾式エッチング洗浄装置、UV/O洗浄装置、イオンビーム洗浄装置、レーザービーム洗浄装置、プラズマ洗浄装置、ガスエッチング洗浄装置、抽出洗浄装置、ソックスレー抽出洗浄装置、高温高圧抽出洗浄装置、マイクロウェーブ抽出洗浄装置、超臨界抽出洗浄装置、フッ酸、塩酸、硫酸、オゾン水等を用いる洗浄装置、ステッパー、コータ・デベロッパー、CMP装置、エキシマレーザー露光機、薬液配管、ガス配管、NFプラズマ処理、Oプラズマ処理、フッ素プラズマ処理等のプラズマ処理が行われる装置、熱処理成膜装置、ウエハ搬送機器、ウエハ洗浄装置、シリコンウエハ洗浄装置、シリコンウエハ処理装置、LP−CVD工程に用いられる装置、ランプアニーリング工程に用いられる装置、リフロー工程に用いられる装置などが挙げられる。
半導体関連分野における具体的な使用形態としては、例えば、ゲートバルブ、クォーツウィンドウ、チャンバー、チャンバーリット、ゲート、ベルジャー、カップリング、ポンプのO−リングやガスケット等の各種シール材;レジスト現像液や剥離液用のO−リング等の各種シール材、ホースやチューブ;レジスト現像液槽、剥離液槽、ウエハ洗浄液槽、ウェットエッチング槽のライニングやコーティング;ポンプのダイアフラム;ウエハ搬送用のロール;ウエハ洗浄液用のホースチューブ;クリーンルーム等のクリーン設備用シーラントといったクリーン設備用シール材;半導体製造装置やウエハ等のデバイスを保管する保管庫用のシーリング材;半導体を製造する工程で用いられる薬液移送用ダイアフラムなどが挙げられる。
上記自動車分野においては、エンジン本体、主運動系、動弁系、潤滑・冷却系、燃料系、吸気・排気系、駆動系のトランスミッション系、シャーシのステアリング系、ブレーキ系や、基本電装部品、制御系電装部品、装備電装部品等の電装部品などに用いることができる。なお、上記自動車分野には、自動二輪車も含まれる。
上述のようなエンジン本体やその周辺装置では、耐熱性、耐油性、燃料油耐性、エンジン冷却用不凍液耐性、耐スチーム性が要求される各種シール材に本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体を用いることができ、そのようなシール材としては、例えば、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール等のシールや、セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシール等の非接触型または接触型のパッキン類、ベローズ、ダイアフラム、ホース、チューブの他、電線、緩衝材、防振材、ベルトAT装置に用いられる各種シール材などが挙げられる。
上記燃料系における具体的な使用形態としては、燃料インジェクター、コールドスタートインジェクター、燃料ラインのクイックコネクター、センダー・フランジ・クイックコネクター、燃料ポンプ、燃料タンク・クイック・コネクター、ガソリン混合ポンプ、ガソリンポンプ、燃料チューブのチューブ本体、燃料チューブのコネクター、インジェクター等に用いられるO−リング;呼気系マニフォールド、燃料フィルター、圧力調整弁、キャニスター、燃料タンクのキャップ、燃料ポンプ、燃料タンク、燃料タンクのセンダーユニット、燃料噴射装置、燃料高圧ポンプ、燃料ラインコネクターシステム、ポンプタイミングコントロールバルブ、サクションコントロールバルブ、ソレノイドサブアッシー、フューエルカットバルブ等に用いられるシール;キャニスタ・パージ・ソレノイド・バルブシール、オンボード・リフューエリング・ベイパー・リカバリー(ORVR)バルブシール、燃料ポンプ用のオイルシール、フューエルセンダーシール、燃料タンクロールオーバー・バルブシール、フィラーシール、インジェクターシール、フィラーキャップシール、フィラーキャップバルブのシール;燃料ホース、燃料供給ホース、燃料リターンホース、ベーパー(エバポ)ホース、ベント(ブリーザー)ホース、フィラーホース、フィラーネックホース、燃料タンク内のホース(インタンクホース)、キャブレターのコントロールホース、フューエルインレットホース、フューエルブリーザホース等のホース;燃料フィルター、燃料ラインコネクターシステム等に用いられるガスケットや、キャブレター等に用いられるフランジガスケット;蒸気回収ライン、フューエルフィードライン、ベーパー・ORVRライン等のライン材;キャニスター、ORVR、燃料ポンプ、燃料タンク圧力センサー、ガソリンポンプ、キャブレターのセンサー、複合空気制御装置(CAC)、パルセーションダンパー、キャニスター用、オートコック等に用いられるダイアフラムや、燃料噴射装置のプレッシャーレギュレーターダイアフラム;燃料ポンプ用のバルブ、キャブレーターニードルバルブ、ロールオーバーチェックバルブ、チェックバルブ類;ベント(ブリーザー)、燃料タンク内に用いられるチューブ;燃料タンク等のタンクパッキン、キャブレターの加速ポンプピストンのパッキン;燃料タンク用のフューエルセンダー防振部品;燃料圧力を制御するためのO−リングや、ダイアフラム;アクセレレータ・ポンプ・カップ;インタンクフューエルポンプマウント;燃料噴射装置のインジェクタークッションリング;インジェクターシールリング;キャブレターのニードルバルブ芯弁;キャブレターの加速ポンプピストン;複合空気制御装置(CAC)のバルブシート;フューエルタンク本体;ソレノイドバルブ用シール部品などが挙げられる。
上記ブレーキ系における具体的な使用形態としては、マスターバック、油圧ブレーキホースエアーブレーキ、エアーブレーキのブレーキチャンバー等に用いられるダイアフラム;ブレーキホース、ブレーキオイルホース、バキュームブレーキホース等に用いられるホース;オイルシール、O−リング、パッキン、ブレーキピストンシール等の各種シール材;マスターバック用の大気弁や真空弁、ブレーキバルブ用のチェック弁;マスターシリンダー用のピストンカップ(ゴムカップ)や、ブレーキカップ;油圧ブレーキのマスターシリンダーやバキュームブースター、油圧ブレーキのホイールシリンダー用のブーツ、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)用のO−リングやグロメットなどが挙げられる。
上記基本電装部品における具体的な使用形態としては、電線(ハーネス)の絶縁体やシース、ハーネス外装部品のチューブ、コネクター用のグロメットなどが挙げられる。
制御系電装部品における具体的な使用形態としては、各種センサー線の被覆材料などが挙げられる。
上記装備電装部品における具体的な使用形態としては、カーエアコンのO−リング、パッキンや、クーラーホース、高圧エアコンホース、エアコンホース、電子スロットルユニット用ガスケット、ダイレクトイグニッション用プラグブーツ、ディストリビューター用ダイアフラムなどが挙げられる。また、電装部品の接着にも用いることができる。
上記吸気・排気系における具体的な使用形態としては、吸気マニホールド、排気マニホールド等に用いられるパッキンや、スロットルのスロットルボディパッキン;EGR(排気再循環)、押圧コントロール(BPT)、ウエストゲート、ターボウエストゲート、アクチュエーター、バリアブル・タービン・ジオメトリー(VTG)ターボのアクチュエーター、排気浄化バルブ等に用いられるダイアフラム;EGR(排気再循環)のコントロールホース、エミッションコントロールホース、ターボチャージャーのターボオイルホース(供給)、ターボオイルホース(リターン)、ターボエアホース、インタークーラーホース、ターボチャージャーホース、インタークーラーを備えたターボエンジンのコンプレッサーと接続されるホース、排気ガスホース、エアインテークホース、ターボホース、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)センサーホース等のホース;エアダクトやターボエアダクト;インテークマニホールドガスケット;EGRのシール材、ABバルブのアフターバーン防止バルブシート、(ターボチャージャーなどの)タービンシャフトシールや、自動車のエンジンにおいて使用されるロッカーカバーや空気吸い込みマニホールドなどの溝部品に用いられるシール部材などが挙げられる。
その他、排出ガス制御部品において、蒸気回収キャニスター、触媒式転化装置、排出ガスセンサー、酸素センサー等に用いられるシールや、蒸気回収および蒸気キャニスターのソレノイド・アーマチュアのシール;吸気系マニフォールドガスケットなどとして用いることができる。
また、ディーゼルエンジンに関する部品において、直噴インジェクター用のO−リングシール、回転ポンプシール、制御ダイアフラム、燃料ホース、EGR、プライミングポンプ、ブーストコンペンセーターのダイアフラムなどとして用いることができる。また、尿素SCRシステムに用いられるO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイアフラムや、尿素SCRシステムの尿素水タンク本体、および尿素水タンクのシール材などにも用いることができる。
上記トランスミッション系における具体的な使用形態としては、トランスミッション関連のベアリングシール、オイルシール、O−リング、パッキン、トルコンホースなどが挙げられる。
ミッションオイルシールや、ATのミッションオイルホース、ATFホース、O−リング、パッキン類なども挙げられる。
なお、トランスミッションには、AT(オートマチック・トランスミッション)、MT(マニュアル・トランスミッション)、CVT(連続可変トランスミッション)、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)などがある。
また、手動または自動変速機用のオイルシール、ガスケット、O−リング、パッキンや、無段変速機(ベルト式またはトロイダル式)用のオイルシール、ガスケット、O−リング、パッキンの他、ATFリニアソレノイド用パッキング、手動変速機用オイルホース、自動変速機用ATFホース、無断変速機(ベルト式またはトロイダル式)用CVTFホースなども挙げられる。
ステアリング系における具体的な使用形態としては、パワーステアリングオイルホースや高圧パワーステアリングホースなどが挙げられる。
自動車エンジンのエンジン本体において用いられる形態としては、例えば、シリンダーヘッドガスケット、シリンダーヘッドカバーガスケット、オイルパンパッキン、一般ガスケットなどのガスケット、O−リング、パッキン、タイミングベルトカバーガスケットなどのシール、コントロールホースなどのホース、エンジンマウントの防振ゴム、コントロールバルブダイアフラム、カムシャフトオイルシールなどが挙げられる。
自動車エンジンの主運動系においては、クランクシャフトシール、カムシャフトシールなどのシャフトシールなどに用いることができる。
自動車エンジンの動弁系においては、エンジンバルブのバルブステムオイルシール、バタフライバルブのバルブシートなどに用いることができる。
自動車エンジンの潤滑・冷却系においては、エンジンオイルクーラーのエンジンオイルクーラーホース、オイルリターンホース、シールガスケットや、ラジエータ周辺のウォーターホース、ラジエータのシール、ラジエータのガスケット、ラジエータのO−リング、バキュームポンプのバキュームポンプオイルホースなどの他、ラジエーターホース、ラジエータータンク、オイルプレッシャー用ダイアフラム、ファンカップリングシールなどに用いることができる。
このように、自動車分野における使用の具体例の一例としては、エンジンヘッドガスケット、オイルパンガスケット、マニフォールドパッキン、酸素センサー用シール、酸素センサーブッシュ、酸化窒素(NOx)センサー用シール、酸化窒素(NOx)センサーブッシュ、酸化硫黄センサー用シール、温度センサー用シール、温度センサーブッシュ、ディーゼルパーティクルフィルターセンサー用シール、ディーゼルパーティクルフィルターセンサーブッシュ、インジェクターO−リング、インジェクターパッキン、燃料ポンプのO−リングやダイアフラム、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、スタティックバルブステムシール、ダイナミックバルブステムシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達装置のO−リングやオイルシール、排ガス再燃焼装置のシールやベアリングシール、再燃焼装置用ホース、キャブレターのセンサー用ダイアフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部、マフラーハンガー、サスペンションブッシュ、センターベアリング、ストラットバンパーラバー等)、サスペンション用防振ゴム(ストラットマウント、ブッシュ等)、駆動系防振ゴム(ダンパー等)、燃料ホース、EGRのチューブやホース、ツインキャブチューブ、キャブレターのニードルバルブの芯弁、キャブレターのフランジガスケット、オイルホース、オイルクーラーホース、ATFホース、シリンダーヘッドガスケット、水ポンプシール、ギアボックスシール、ニードルバルブチップ、オートバイ用リードバルブのリード、自動車エンジンのオイルシール、ガソリンホースガンのシール、カーエアコン用シール、エンジンのインタークーラー用ゴムホース、送油経路コネクター装置(fuel line connector systems)のシール、CACバルブ、ニードルチップ、エンジン回り電線、フィラーホース、カーエアコンO−リング、インテークガスケット、燃料タンク材料、ディストリビューター用ダイアフラム、ウォーターホース、クラッチホース、PSホース、ATホース、マスターバックホース、ヒーターホース、エアコンホース、ベンチレーションホース、オイルフィラーキャップ、PSラックシール、ラック&ピニオンブーツ、CVJブーツ、ボールジョイントダストカバー、ストラットダストカバー、ウェザーストリップ、グラスラン、センターユニットパッキン、ボディーサイトウェルト、バンパーラバー、ドアラッチ、ダッシュインシュレーター、ハイテンションコード、平ベルト、ポリVベルト、タイミングベルト、歯付きベルト、Vリブドベルト、タイヤ、ワイパーブレード、LPG車レギュレータ用ダイアフラムやプランジャー、CNG車レギュレータ用ダイアフラムやバルブ、DME対応ゴム部品、オートテンショナのダイアフラムやブーツ、アイドルスピードコントロールのダイアフラムやバルブ、オートスピードコントロールのアクチュエーター,負圧ポンプのダイアフラムやチェックバルブやプランジャー、O.P.S.のダイアフラムやO−リング、ガソリン圧抜きバルブ、エンジンシリンダースリーブのO−リングやガスケット、ウェットシリンダースリーブのO−リングやガスケット、ディファレンシャルギヤのシールやガスケット(ギヤ油のシールやガスケット)、パワーステアリング装置のシールやガスケット(PSFのシールやガスケット)、ショックアブソーバのシールやガスケット(SAFのシールやガスケット)、等速ジョイントのシールやガスケット、ホイール軸受のシールやガスケット、メタルガスケットのコーティング剤、キャリパーシール、ブーツ類、ホイールベアリングシール、タイヤの加硫成形に使用されるブラダーなどが挙げられる。
上記航空機分野、宇宙・ロケット分野、船舶分野においては、特に燃料系統や潤滑油系統に用いることができる。
上記航空機分野においては、例えば、航空機用各種シール部品、航空機用エンジンオイル用途の航空機用各種部品、ジェットエンジンバルブステムシールやガスケットやO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール、燃料供給用ホースやガスケットやO−リング、航空機用ケーブルやオイルシールやシャフトシールなどとして用いることが可能である。
上記宇宙・ロケット分野においては、例えば、宇宙船、ジェットエンジン、ミサイル等のリップシール、ダイアフラム、O−リングや、耐ガスタービンエンジン用オイルのO−リング、ミサイル地上制御用防振台パッドなどとして用いることができる。
また、船舶分野においては、例えば、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライバルブのバルブシートや軸シール、バタフライ弁の軸シール、船尾管シール、燃料ホース、ガスケット、エンジン用のO−リング、船舶用ケーブル、船舶用オイルシール、船舶用シャフトシールなどとして使用することができる。
上記化学プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野においては、高度の耐薬品性が要求されるような工程、例えば、医薬品、農薬、塗料、樹脂等の化学品を製造する工程に用いることができる。
上記化学品分野および薬品分野における具体的な使用形態としては、化学装置、化学薬品用ポンプや流量計、化学薬品用配管、熱交換器、農薬散布機、農薬移送ポンプ、ガス配管、燃料電池、分析機器や理化学機器(例えば、分析機器や計器類のカラム・フィッティングなど)、排煙脱硫装置の収縮継ぎ手、硝酸プラント、発電所タービン等に用いられるシールや、医療用滅菌プロセスに用いられるシール、メッキ液用シール、製紙用ベルトのコロシール、風洞のジョイントシール;反応機、攪拌機等の化学装置、分析機器や計器類、ケミカルポンプ、ポンプハウジング、バルブ、回転計等に用いられるO−リングや、メカニカルシール用O−リング、コンプレッサーシーリング用のO−リング;高温真空乾燥機、ガスクロマトグラフィーやpHメーターのチューブ結合部等に用いられるパッキンや、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキン;ダイアフラムポンプ、分析機器や理化学機器等に用いられるダイアフラム;分析機器、計器類に用いられるガスケット;分析機器や計器類に用いられるはめ輪(フェルール);バルブシート;Uカップ;化学装置、ガソリンタンク、風洞等に用いられるライニングや、アルマイト加工槽の耐食ライニング;メッキ用マスキング冶具のコーティング;分析機器や理化学機器の弁部品;排煙脱硫プラントのエキスパンジョンジョイント;濃硫酸等に対する耐酸ホース、塩素ガス移送ホース、耐油ホース、ベンゼンやトルエン貯槽の雨水ドレンホース;分析機器や理化学機器等に用いられる耐薬品性チューブや医療用チューブ;繊維染色用の耐トリクレン用ロールや染色用ロール;医薬品の薬栓;医療用のゴム栓;薬液ボトル、薬液タンク、バッグ、薬品容器;耐強酸、耐溶剤の手袋や長靴等の保護具などが挙げられる。
上記現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野においては、乾式複写機のロール、ベルト、シール、弁部品等として用いることができる。
上記写真分野、印刷分野および塗装分野における具体的な使用形態としては、複写機の転写ロールの表面層、複写機のクリーニングブレード、複写機のベルト;複写機、プリンター、ファクシミリ等のOA機器用のロール(例えば、定着ロール、圧着ロール、加圧ロールなどが挙げられる。)、ベルト;PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルト;フィルム現像機、X線フィルム現像機のロール;印刷機械の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、ベルト;プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト;塗布、塗装設備の塗装ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品;現像ロール、グラビアロール、ガイドロール、磁気テープ製造塗工ラインのガイドロール、磁気テープ製造塗工ラインのグラビアロール、コーティングロールなどが挙げられる。
上記食品プラント機器および家庭用品を含む食品機器分野においては、食品製造工程や、食品移送器用または食品貯蔵器用に用いることができる。
上記食品機器分野における具体的な使用形態としては、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール、ジャーポットのパッキン、サニタリーパイプパッキン、圧力鍋のパッキン、湯沸器シール、熱交換器用ガスケット、食品加工処理装置用のダイアフラムやパッキン、食品加工処理機用ゴム材料(例えば、熱交換器ガスケット、ダイアフラム、O−リング等の各種シール、配管、ホース、サニタリーパッキン、バルブパッキン、充填時にビンなどの口と充填剤との間のジョイントとして使用される充填用パッキン)などが挙げられる。また、酒類、清涼飲料水等の製品、充填装置、食品殺菌装置、醸造装置、湯沸し器、各種自動食品販売機等に用いられるパッキン、ガスケット、チューブ、ダイアフラム、ホース、ジョイントスリーブなども挙げられる。
上記原子力プラント機器分野においては、原子炉周辺の逆止弁や減圧弁、六フッ化ウランの濃縮装置のシールなどに用いることができる。
上記一般工業分野における具体的な使用形態としては、工作機械、建設機械、油圧機械等の油圧機器用シール材;油圧、潤滑機械のシールやベアリングシール;マンドレル等に用いられるシール材;ドライクリーニング機器の窓等に用いられるシール;サイクロトロンのシールや(真空)バルブシール、プロトン加速器のシール、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガスや塩素ガス分析装置(公害測定器)用ポンプのダイアフラム、スネークポンプライニング、印刷機のロールやベルト、搬送用のベルト(コンベアベルト)、鉄板等の酸洗い用絞りロール、ロボットのケーブル、アルミ圧延ライン等の溶剤絞りロール、カプラーのO−リング、耐酸クッション材、切削加工機械の摺動部分のダストシールやリップゴム、生ごみ焼却処理機のガスケット、摩擦材、金属またはゴムの表面改質剤、被覆材などが挙げられる。また、製紙プロセスで用いられる装置のガスケットやシール材、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤、建築用シーリング剤、コンクリートやセメント等の保護コーティング剤、ガラスクロス含浸材料、ポリオレフィンの加工助剤、ポリエチレンの成形性改良添加剤、小型発電機や芝刈機等の燃料容器、金属板にプライマー処理を施すことによって得られるプレコートメタルなどとしても使用することができる。その他、織布に含浸させて焼付けてシートおよびベルトとして使用することもできる。
上記鉄鋼分野における具体的な使用形態としては、鉄板加工設備の鉄板加工ロールなどが挙げられる。
上記電気分野における具体的な使用形態としては、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール、変圧器のシール、油井ケーブルのジャケット、電気炉等のオーブンのシール、電子レンジの窓枠シール、CRTのウェッジとネックとを接着させる際に用いられるシール材、ハロゲンランプのシール材、電気部品の固定剤、シーズヒーターの末端処理用シール材、電気機器リード線端子の絶縁防湿処理に用いられるシール材などが挙げられる。また、耐油・耐熱電線、高耐熱性電線、耐薬品性電線、高絶縁性電線、高圧送電線、ケーブル、地熱発電装置に用いられる電線、自動車エンジン周辺に用いられる電線等の被覆材に用いることもできる。車両用ケーブルのオイルシールやシャフトシールに用いることもできる。更には、電気絶縁材料(例えば、各種電気機器の絶縁用スペーサ、ケーブルのジョイントや末端部などに用いる絶縁テープ、熱収縮性のチューブなどに使用される材料)や、高温雰囲気で用いられる電気および電子機器材料(例えば、モータ用口出線材料、高熱炉まわりの電線材料)にも使用可能である。また、太陽電池の封止層や保護フィルム(バックシート)にも使用できる。
上記燃料電池分野においては、固体高分子形燃料電池、リン酸塩型燃料電池等における、電極間、電極−セパレーター間のシール材や、水素、酸素、生成水等の配管のシールやパッキン、セパレーターなどとして用いることができる。
上記電子部品分野においては、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピュータのハードディスクドライブ(磁気記録装置)用のガスケット等に用いることができる。また、ハードディスクドライブの緩衝ゴム(クラッシュストッパー)、ニッケル水素二次電池の電極活物質のバインダー、リチウムイオン電池の活物質のバインダー、リチウム二次電池のポリマー電解質、アルカリ蓄電池の正極の結着剤、EL素子(エレクトロルミネセンス素子)のバインダー、コンデンサーの電極活物質のバインダー、封止剤、シーリング剤、光ファイバーの石英の被覆材、光ファイバー被覆材等のフィルムやシート類、電子部品、回路基板のポッティングやコーティングや接着シール、電子部品の固定剤、エポキシ等の封止剤の変性剤、プリント基板のコーティング剤、エポキシ等のプリント配線板プリプレグ樹脂の変性材、電球等の飛散防止材、コンピュータ用ガスケット、大型コンピュータ冷却ホース、二次電池、特にリチウム二次電池用のガスケットやO−リング等のパッキン、有機EL構造体の外表面の片面または両面を覆う封止層、コネクター、ダンパーなどとしても用いられる。
上記化学薬品輸送用機器分野においては、トラック、トレーラー、タンクローリー、船舶等の安全弁や積出しバルブなどに用いることができる。
上記石油、ガス等のエネルギー資源探索採掘機器部品分野においては、石油、天然ガス等の採掘の際に用いられる各種シール材、油井に使われる電気コネクターのブーツなどとして用いられる。
上記エネルギー資源探索採掘機器部品分野における具体的な使用形態としては、ドリルビットシール、圧力調整ダイアフラム、水平掘削モーター(ステーター)のシール、ステーターベアリング(シャフト)シール、暴噴防止装置(BOP)に用いられるシール材、回転暴噴防止装置(パイプワイパー)に用いられるシール材、MWD(リアルタイム掘削情報探知システム)に用いられるシール材や気液コネクター、検層装置(ロギングエクイップメント)に用いられる検層ツールシール(例えば、O−リング、シール、パッキン、気液コネクター、ブーツなど)、膨張型パッカーやコンプリーションパッカーおよびそれらに用いるパッカーシール、セメンチング装置に用いられるシールやパッキン、パーフォレーター(穿孔装置)に用いられるシール、マッドポンプに用いられるシールやパッキンやモーターライニング、地中聴検器カバー、Uカップ、コンポジションシーティングカップ、回転シール、ラミネートエラストメリックベアリング、流量制御のシール、砂量制御のシール、安全弁のシール、水圧破砕装置(フラクチャリングエクイップメント)のシール、リニアーパッカーやリニアーハンガーのシールやパッキン、ウェルヘッドのシールやパッキン、チョークやバルブのシールやパッキン、LWD(掘削中検層)用シール材、石油探索・石油掘削用途で用いられるダイアフラム(例えば、石油掘削ピットなどの潤滑油供給用ダイアフラム)、ゲートバルブ、電子ブーツ、穿孔ガンのシールエレメントなどが挙げられる。
その他、厨房、浴室、洗面所等の目地シール;屋外テントの引き布;印材用のシール;ガスヒートポンプ用ゴムホース、耐フロン性ゴムホース;農業用のフィルム、ライニング、耐候性カバー;建築や家電分野等で使用されるラミネート鋼板等のタンク類などにも用いることができる。
更には、アルミ等の金属と結合させた物品として使用することも可能である。そのような使用形態としては、例えば、ドアシール、ゲートバルブ、振り子バルブ、ソレノイド先端の他、金属と結合されたピストンシールやダイアフラム、金属ガスケット等の金属と結合された金属ゴム部品などが挙げられる。
また、自転車におけるゴム部品、ブレーキシュー、ブレーキパッドなどにも用いることができる。
また、本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体の形態の1つとしてベルトが挙げられる。
上記ベルトとしては、次のものが例示される。動力伝達ベルト(平ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、歯付きベルトなどを含む)、搬送用ベルト(コンベアベルト)として、農業用機械、工作機械、工業用機械等のエンジン周りなど各種高温となる部位に使用される平ベルト;石炭、砕石、土砂、鉱石、木材チップなどのバラ物や粒状物を高温環境下で搬送するためのコンベアベルト;高炉等の製鉄所などで使用されるコンベアベルト;精密機器組立工場、食品工場等において、高温環境下に曝される用途におけるコンベアベルト;農業用機械、一般機器(例えば、OA機器、印刷機械、業務用乾燥機等)、自動車用などのVベルトやVリブドベルト;搬送ロボットの伝動ベルト;食品機械、工作機械の伝動ベルトなどの歯付きベルト;自動車用、OA機器、医療用、印刷機械などで使用される歯付きベルトなどが挙げられる。
特に、自動車用歯付きベルトとしては、タイミングベルトが代表的である。
上記ベルトは、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
多層構造である場合、上記ベルトは、本開示の組成物を架橋して得られる層および他の材料からなる層からなるものであってもよい。
多層構造のベルトにおいて、他の材料からなる層としては、他のゴムからなる層や熱可塑性樹脂からなる層、各種繊維補強層、帆布、金属箔層などが挙げられる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体はまた、産業用防振パッド、防振マット、鉄道用スラブマット、パッド類、自動車用防振ゴムなどに使用できる。自動車用防振ゴムとしては、エンジンマウント用、モーターマウント用、メンバマウント用、ストラットマウント用、ブッシュ用、ダンパー用、マフラーハンガー用、センターベアリング用などの防振ゴムが挙げられる。
また、他の使用形態として、フレキシブルジョイント、エキスパンションジョイント等のジョイント部材、ブーツ、グロメットなどが挙げられる。船舶分野であれば、例えばマリンポンプ等が挙げられる。
ジョイント部材とは、配管および配管設備に用いられる継ぎ手のことであり、配管系統から発生する振動、騒音の防止、温度変化、圧力変化による伸縮や変位の吸収、寸法変動の吸収や地震、地盤沈下による影響の緩和、防止などの用途に用いられる。
フレキシブルジョイント、エキスパンションジョイントは、例えば、造船配管用、ポンプやコンプレッサーなどの機械配管用、化学プラント配管用、電気配管用、土木・水道配管用、自動車用などの複雑形状成形体として好ましく用いることができる。
ブーツは、例えば、等速ジョイントブーツ、ダストカバー、ラックアンドピニオンステアリングブーツ、ピンブーツ、ピストンブーツなどの自動車用ブーツ、農業機械用ブーツ、産業車両用ブーツ、建築機械用ブーツ、油圧機械用ブーツ、空圧機械用ブーツ、集中潤滑機用ブーツ、液体移送用ブーツ、消防用ブーツ、各種液化ガス移送用ブーツなどの各種産業用ブーツなどの複雑形状成形体として好ましく用いることができる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体は、フィルタープレス用ダイアフラム、ブロワー用ダイアフラム、給水用ダイアフラム、液体貯蔵タンク用ダイアフラム、圧力スイッチ用ダイアフラム、アキュムレーター用ダイアフラム、サスペンション等の空気ばね用ダイアフラムなどにも使用できる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体をゴムや樹脂に添加することにより、雨、雪、氷や汗等の水に濡れる環境下において滑りにくい成形品やコーティング被膜を得る滑り防止剤が得られる。
また、本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体は、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等による化粧合板、プリント基板、電気絶縁板、硬質ポリ塩化ビニル積層板等を製造する際の熱プレス成形用クッション材としても用いることができる。
本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体は、その他、兵器関連の封止ガスケット、侵襲性化学剤との接触に対する保護衣服のような各種支持体の不浸透性化に寄与することもできる。
また、自動車、船舶などの輸送機関などに使われるアミン系添加剤(特に酸化防止剤、清浄分散剤として用いられるアミン系添加剤)が含まれる潤滑油(エンジンオイル、ミッションオイル、ギヤーオイルなど)や燃料油、グリース(特にウレア系グリース)をシール、封止するために使われるO(角)−リング、V−リング、X−リング、パッキン、ガスケット、ダイアフラム、オイルシール、ベアリングシール、リップシール、プランジャーシール、ドアシール、リップおよびフェースシール、ガスデリバリープレートシール、ウエハサポートシール、バレルシールその他の各種シール材等に用いることができ、チューブ、ホース、各種ゴムロール、コーティング、ベルト、バルブの弁体などとしても使用できる。また、ラミネート用材料、ライニング用材料としても使用できる。
自動車等の内燃機関のトランスミッション油および/またはエンジン油に接触しその油温および/または油圧を検出するセンサーのリード電線などに使用される耐熱耐油性電線の被覆材料や、オートマチック・トランスミッションやエンジンのオイルパン内等の高温油雰囲気中においても使用することが可能である。
その他、本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体に加硫被膜を形成させて使用する場合がある。具体的には、複写機用非粘着耐油ロール、耐候結氷防止用ウェザーストリップ、輸液用ゴム栓、バイアルゴム栓、離型剤、非粘着軽搬送ベルト、自動車エンジンマウントのプレーガスケットの粘着防止被膜、合成繊維の被覆加工、パッキング被覆薄層をもつボルト部材または継ぎ手等の用途が挙げられる。
なお、本開示の含フッ素ポリマー成形体および本開示の複合体の自動車関連部品用途については、同様の構造の自動二輪車の部品用途も含まれる。
また、上記自動車関連における燃料としては、軽油、ガソリン、ディーゼルエンジン用燃料(バイオディーゼルフューエルを含む)などが挙げられる。
また、本開示の組成物は、架橋して成形体として使用する以外にも、種々の工業分野において各種部品として使用することもできる。そこで次に、本開示の組成物の用途について説明する。
本開示の組成物は、金属、ゴム、プラスチック、ガラスなどの表面改質材;メタルガスケット、オイルシールなど、耐熱性、耐薬品性、耐油性、非粘着性が要求されるシール材および被覆材;OA機器用ロール、OA機器用ベルトなどの非粘着被覆材、またはブリードバリヤー;織布製シートおよびベルトへの含浸、焼付による塗布などに用いることができる。
本開示の組成物は、高粘度、高濃度にすることによって、通常の用法により複雑な形状のシール材、ライニング、シーラントとして用いることができ、低粘度にすることによって、数ミクロンの薄膜フィルムの形成に用いることができ、また中粘度にすることによりプレコートメタル、O−リング、ダイアフラム、リードバルブの塗布に用いることができる。
さらに、織布や紙葉の搬送ロールまたはベルト、印刷用ベルト、耐薬品性チューブ、薬栓、ヒューエルホースなどの塗布にも用いることができる。
本開示の組成物により被覆する物品基材としては、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、真鍮などの金属類;ガラス板、ガラス繊維の織布および不織布などのガラス製品;ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの汎用および耐熱性樹脂の成形品および被覆物;SBR、ブチルゴム、NBR、EPDMなどの汎用ゴム、およびシリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムの成形品および被覆物;天然繊維および合成繊維の織布および不織布;などを使用することができる。
本開示の組成物から形成される被覆物は、耐熱性、耐溶剤性、潤滑性、非粘着性が要求される分野で使用でき、具体的な用途としては、複写機、プリンター、ファクシミリなどのOA機器用のロール(例えば、定着ロール、圧着ロール)および搬送ベルト;シートおよびベルト;O−リング、ダイアフラム、耐薬品性チューブ、燃料ホース、バルブシール、化学プラント用ガスケット、エンジンガスケットなどが挙げられる。
本開示の組成物はまた、溶剤に溶解し、塗料、接着剤として使用できる。また、乳化分散液(ラテックス)として、塗料としても使用できる。
上記組成物は、各種装置、配管等のシール材やライニング、金属、セラミックス、ガラス、石、コンクリート、プラスチック、ゴム、木材、紙、繊維等の無機および有機基材からなる構造物の表面処理剤等として使用される。
上記組成物は、ディスペンサー方式塗装やスクリーン印刷塗装により基材等に塗布することができる。
本開示の組成物は、フィルムを流延するため、またはファブリック、プラスチック、金属、またはエラストマーのような基材を浸漬するための塗料組成物として使用されてもよい。
特に、本開示の組成物は、ラテックスの形態として、被覆ファブリック、保護手袋、含浸繊維、O−リング被覆、燃料系クイック連結O−リング用被覆、燃料系シール用被覆、燃料タンクロールオーバーバルブダイヤフラム用被覆、燃料タンク圧力センサーダイヤフラム用被覆、オイルフィルターおよび燃料フィルターシール用被覆、燃料タンクセンダーシールおよびセンダーヘッドフィッテングシール用被覆、複写機定着機構ロール用被覆、並びにポリマー塗料組成物を製造するために使用されてもよい。
それらはシリコーンラバー、ニトリルラバー、および他のエラストマーの被覆に有用である。その熱安定性と同様に基材エラストマーの耐透過性および耐薬品性の両方を高める目的のために、それらはそのようなエラストマーから製造される部品の被覆にも有用である。他の用途は、熱交換器、エキスパンジョンジョイント、バット、タンク、ファン、煙道ダクトおよび他の管路、並びに収納構造体、例えばコンクリート収納構造体用の被覆を含む。上記組成物は、多層部品構造の露出した断面に、例えばホース構造およびダイアフラムの製造方法において塗布されてもよい。接続部および結合部におけるシーリング部材は、硬質材料からしばしば成り、そして本開示の組成物は、改良された摩擦性界面、シーリング面に沿って低減された微量の漏れを伴う高められた寸法締りばめを提供する。そのラテックスは、種々の自動車システム用途におけるシール耐久性を高める。
それらは、パワーステアリング系統、燃料系統、エアーコンディショニング系統、並びに、ホースおよびチューブが別の部品に接続されるいかなる結合部の製造においても使用されることもできる。上記組成物のさらなる有用性は、3層燃料ホースのような多層ラバー構造における、製造欠陥(および使用に起因する損傷)の補修においてである。上記組成物は、塗料が塗布される前または後に、形成され、またはエンボス加工され得る薄鋼板の塗布にも有用である。例えば、被覆された鋼の多数の層は組み立てられて、2つの剛性金属部材の間にガスケットを作ることもできる。シーリング効果は、その層の間に本開示の組成物を塗布することにより得られる。このプロセスは、組み立てられた部品のボルト力およびひずみを低下させ、一方、低い亀裂、たわみ、および穴ひずみにより良好な燃料節約および低放出を提供する目的のために、エンジンヘッドガスケットおよび排気マニフォールドガスケットを製造するために使用され得る。
本開示の組成物は、その他、コーティング剤;金属、セラミック等の無機材料を含む基材にディスペンサー成形してなる基材一体型ガスケット、パッキン類;金属、セラミック等の無機材料を含む基材にコーティングしてなる複層品などとしても使用することができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実験例をあげて説明するが、本開示はかかる実験例のみに限定されるものではない。
実験例の各数値は以下の方法により測定した。
<架橋特性(最低トルク(ML)、最高トルク(MH)、誘導時間(T10)、適正架橋時間(T50)および最適架橋時間(T90))>
含フッ素ポリマー組成物について、一次架橋時に加硫試験機(エムアンドケー株式会社製 MDR H2030)を用いて160℃で30分間の架橋曲線を求め、最低トルク(ML)、最高トルク(MH)、ならびにトルクの変化より、誘導時間(T10)、適正架橋時間(T50)および最適架橋時間(T90)を求めた。
<100%モジュラス、引張強さおよび破断時伸び>
実験例で得られた架橋シートを用いて、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製テンシロンRTG−1310)を使用して、JIS K6251−1:2015に準じて、500mm/分の条件下、ダンベル5号にて、23℃における100%モジュラス、引張強さおよび破断時伸びを測定した。
<引裂強さ(トラウザ形)>
実験例で得られた架橋シートを用いて、JIS K6252−1:2015(試験片:トラウザ形)に準拠して、試験速度100mm/分で測定した。
<硬さ>
実験例で得られた架橋シートを3枚重ねたものを用いて、タイプAデュロメーターを使用して、JIS K6253−3:2012に準拠して、硬さ(Peak値、1sec後の値および3sec後の値)を測定した。
<密度>
実験例で得られた架橋シートを用いて、JIS K6268に準じて求めた。
<低温特性(TR10)>
実験例で得られた架橋シートを用いて、JIS K6261:2006に準じて測定した。
<耐ジエタノールアミン性>
実験例で得られた架橋シートおよびジエタノールアミンを用いて、120℃で72時間浸漬試験を行った。浸漬試験前後の試験片の体積および質量を測定し、体積膨潤率(ΔV)を求めた。体積膨潤率(ΔV)は、試験片を所定の条件で浸漬した後の体積の変化率(膨潤の程度を表す。)であり、試験片の元の体積をVo、試験後の体積をVとしたとき、ΔV=(V−Vo)/Vo×100で表される。
含フッ素エラストマー(1):
ヨウ素移動重合により作製した過酸化物架橋可能なポリマー(VdF/2,3,3,3−テトラフルオロプロペン=77/23(モル比)、100℃のムーニー粘度(ML1+10):99、ガラス転移温度:−13℃、ヨウ素含有量:0.18質量%)
含フッ素エラストマー(2):
ヨウ素移動重合により作成した過酸化物架橋可能なポリマー(VdF/HFP/TFE=50/30/20(モル比)、100℃のムーニー粘度(ML1+10):50、ガラス転移温度は−6℃、ヨウ素含有量:0.23質量%)
アクリルゴム(1):
商品名「Vamac DP」、デュポン株式会社製
MTカーボン(NSA:8m/g、DBP:43ml/100g)
FEFカーボン(NSA:42m/g、DBP:115ml/100g)
ISAFカーボン(NSA:119m/g、DBP:114ml/100g)
架橋助剤(1):
トリアリルイソシアヌレートを珪藻土に60質量%含浸させたもの(商品名「TAIC M−60」、三菱ケミカル株式会社製)
有機過酸化物(1):
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを無機粉体に40質量%含浸させたもの(商品名「パーヘキサ25B−40」、日油株式会社製)
加工助剤(1):
ステアリン酸
実験例1〜11
表1の処方に従ってそれぞれの成分を配合し、オープンロール上で混練りして、2.5mmの厚みのシート状の含フッ素ポリマー組成物を調製した。得られた含フッ素ポリマー組成物の架橋特性を表1に示す。
得られた含フッ素ポリマー組成物を2.0mmの厚みの金型に入れ、160℃で表1に記載の時間プレス架橋して、架橋シート(厚み2.0mm)を作製した。得られた架橋シートの評価結果を表1に示す。
また、下記の処方に従ってそれぞれの成分を配合し、オープンロール上で混練りして、2.5mmの厚みのシート状のアクリルゴム組成物AおよびBを調製した。
アクリルゴム組成物A:
アクリルゴム(1) 100質量部
FEFカーボン 30質量部
架橋助剤(1) 3.3質量部
有機過酸化物(1) 5質量部
加工助剤(1) 0.5質量部
アクリルゴム組成物B:
アクリルゴム(1) 100質量部
ISAFカーボン 30質量部
架橋助剤(1) 3.3質量部
有機過酸化物(1) 5質量部
加工助剤(1) 0.5質量部
次に、上記にて得られたシート状の含フッ素ポリマー組成物と、上記にて得られたシート状のアクリルゴム組成物AまたはBと、を重ね合わせ、さらに剥離試験時の掴みしろ用に接着しない部分を作るために一方の端部から1〜1.5cm程度までの界面にはFEPフィルム(厚み150μm)をはさんだ。これを得られる複合体(積層体)が厚み4mmになる金型に挿入し、160℃で30分プレス架橋し、シート状の複合体を得た。
<接着性評価>
得られた複合体からFEPフィルムを剥がし、幅25mm×長さ100mmの短冊状に切断し、試験片を作成した。この試験片について、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製テンシロンRTG−1310)を使用して、JIS K6256−1のゴムと布との剥離試験を引用し、23℃において50mm/分の引張速度で試験を行い、伸び率−引張強度グラフにおける極大5点平均を接着強度(N/cm)として求めた。また、剥離の様子を観測し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
X1:引張試験機が表1に記載の接着強度を示した時点で、含フッ素ポリマー組成物から形成された層が材料破壊した。
X2:引張試験機が表1に記載の接着強度を示した時点で、アクリルゴム組成物から形成された層が材料破壊した。
Y:各層が材料破壊することなく、各層が界面で剥離し、剥離後の各層の表面が荒れていた。
Z:各層が材料破壊することなく、各層が界面で剥離し、剥離後の各層の表面が滑らかであった。
Figure 2020007455
実験例1の結果が示すように、特定の含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物を含有する含フッ素ポリマー組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体と、アクリルゴム成形体とを備える複合体は、耐アミン性に極めて優れており、引裂強さ、接着性および低温特性にも優れていた。
実験例2〜4の結果が示すように、特定の含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物を含有する組成物からは、耐アミン性に優れており、比較的良好な引裂強さを示す成形体が得られ、また、実用上許容し得る接着性を示す複合体が得られた。また、実験例2〜4の結果と実験例1の結果とが示すように、組成物が未架橋アクリルゴムを含有することにより、得られる成形体の低温特性に改善がみられた。
また、実験例3〜4の結果と実験例2の結果とが示すように、含フッ素ポリマーと未架橋アクリルゴムとの比率を適切に調整すると、得られる複合体における接着性が顕著に改善した。
実験例10〜11の結果が示すように、組成物に含まれるカーボンブラックの種類を変更した場合であっても、耐アミン性に優れており、引裂強さ、接着性および低温特性にも優れる成形体が得られた。さらに、実験例11の結果が示すように、特定の窒素吸着比表面積およびジブチルフタレート(DBP)吸収量を有するカーボンブラックを用いると、得られる成形体は、極めて大きな引裂強さを示した。
一方、実験例6〜9の結果が示すように、特定の含フッ素ポリマーを含有せず、従来の含フッ素ポリマーを含有する含フッ素ポリマー組成物を架橋することにより得られる成形体は、耐アミン性に劣っており、引裂強さ、低温特性およびアクリルゴム成形体との接着性についても、バランスが取れていなかった。

Claims (10)

  1. 含フッ素ポリマー、未架橋アクリルゴムおよび有機過酸化物を含有し、
    前記含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および下記一般式(1):
    CHX=CXRf (1)
    (式中、XおよびXは、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)
    で表される含フッ素単量体(1)単位を含有する組成物。
  2. 前記未架橋アクリルゴムが、過酸化物架橋可能である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記一般式(1)において、XがHであり、XがFである請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記含フッ素単量体(1)が、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記含フッ素ポリマーの100℃のムーニー粘度(ML1+10(100℃))が、2〜200である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記含フッ素ポリマーと前記未架橋アクリルゴムとの質量比(含フッ素ポリマー/未架橋アクリルゴム)が、99/1〜40/60である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体(A1)と、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と、を備えており、
    含フッ素ポリマー成形体(A1)とアクリルゴム成形体(B)とが接着している複合体。
  9. 未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)に、接着させて用いられる含フッ素ポリマー成形体(A1)を形成するための、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物の使用。
  10. 含フッ素ポリマーおよび有機過酸化物を含有する含フッ素ポリマー組成物を架橋することにより得られる含フッ素ポリマー成形体(A2)と、未架橋アクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物を架橋することにより得られるアクリルゴム成形体(B)と、を備えており、
    含フッ素ポリマー成形体(A2)とアクリルゴム成形体(B)とが接着しており、
    前記含フッ素ポリマーは、ガラス転移温度が25℃以下であって、ビニリデンフルオライド単位および下記一般式(1):
    CHX=CXRf (1)
    (式中、XおよびXは、一方がHであり、他方がFであり、Rfは炭素数1〜12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基である。)
    で表される含フッ素単量体(1)単位を含有する複合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116082770A (zh) * 2022-11-14 2023-05-09 中国第一汽车股份有限公司 一种氟橡胶组合物及其制备方法和应用
WO2026013981A1 (ja) * 2024-07-12 2026-01-15 ユニマテック株式会社 フッ素ゴム粘着剤組成物

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