JP2020007467A - インクジェット用インク及びインクジェット記録システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット用インクは、顔料と、第1樹脂を含む第1粒子と、第2樹脂を含む第2粒子と、保湿剤とを含有する。第1樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を、第1樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%以上70質量%以下の割合で含有する。第2樹脂中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有割合は、第2樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%未満である。保湿剤は、α,ω−アルカンジオールを含む。インクジェット記録システム100は、インクジェット記録ヘッド11の複数のノズルからインクジェット用インクを吐出することにより、搬送部1によって搬送される記録媒体Pにドットを形成する。
【選択図】図1
Description
以下、本発明の第1実施形態に係るインクを説明する。本実施形態に係るインクは、顔料と、第1樹脂を含む第1粒子と、第2樹脂を含む第2粒子と、保湿剤とを含有する。第1樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位(以下、MMA単位と記載することがある。)を、第1樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%以上70質量%以下の割合で含有する。第2樹脂中のMMA単位の含有割合は、第2樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%未満である。なお、第2樹脂中のMMA単位の含有割合は、0質量%であってもよい。すなわち、第2樹脂は、MMA単位を含まなくてもよい。保湿剤は、α,ω−アルカンジオールを含む。
上述したように、第1粒子は第1樹脂を含む。インクを用いて画像を形成する際の記録媒体における印字濃度を高めつつ、優れた吐出安定性を容易に維持するためには、第1樹脂としては、質量平均分子量(Mw)が10000以上160000以下の樹脂が適している。第1樹脂は、MMA単位を、第1樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%以上70質量%以下の割合で含有する。
顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、及び193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、及び71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド(122及び202)が挙げられる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット(19、23、及び33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
上述したように、第2粒子は第2樹脂を含む。第2樹脂は、MMA単位の含有割合が、第2樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%未満である。第2粒子は、顔料を構成する顔料粒子を被覆していることが好ましい。この場合、第2樹脂(以下、顔料分散樹脂と記載することがある。)からなる被膜(層)が、顔料粒子の表面に形成されることで、顔料粒子の凝集を抑制することができる。第2粒子が顔料粒子を被覆する場合、顔料粒子の凝集をより抑制するためには、第2樹脂中のMMA単位の含有割合が第2樹脂(顔料分散樹脂)中の全繰り返し単位に対して20質量%以下であることが好ましい。また、第2粒子が顔料粒子を被覆する場合、第2粒子はアニオン性を有することが好ましい。
上述の顔料と、第2樹脂(顔料分散樹脂)を含む第2粒子とは、顔料分散体を構成してもよい。顔料分散体は、顔料粒子と、顔料粒子を覆う第2粒子(顔料分散樹脂)とから構成されることが好ましい。つまり、顔料分散体は、顔料粒子と、顔料粒子の表面を覆うように存在する顔料分散樹脂層(第2粒子からなる被膜)とから構成されることが好ましい。なお、インク中には、顔料粒子に吸着されていない顔料分散樹脂(未吸着樹脂)が存在していてもよい。インク中の顔料分散樹脂のうち、顔料粒子に吸着している顔料分散樹脂(吸着樹脂)の割合は95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。以下、顔料分散体の製造方法について説明する。
顔料粒子を顔料分散樹脂で被覆することにより、顔料分散体を得ることができる。顔料分散体を製造する方法としては、公知の方法を用いることができる。好適な方法としては、ナノグレンミル(浅田鉄工株式会社製)、MSCミル(日本コークス工業株式会社製)、ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「DYNO(登録商標)−MILL」のようなメディア型湿式分散機を用いて、水のような適切な液状媒体中で、顔料と第2粒子とを混練して、顔料分散体(具体的には、顔料分散体を含む顔料分散液)を得る方法が挙げられる。メディア型湿式分散機による処理では、例えば小粒径のビーズを用いる。ビーズの粒径は特に限定されないが、例えば、0.5mm以上1.0mm以下である。また、ビーズの材質としては、特に限定されないが、ガラス、ジルコニアのような硬質の材料が好ましい。
本実施形態のインクは、保湿剤として、α,ω−アルカンジオールを含む。本実施形態に係るインク中のα,ω−アルカンジオールの含有割合は、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。α、ωアルカンジオールの含有割合が3質量%以上30質量%以下であれば、インクを用いて画像を形成する際の記録媒体における印字濃度をより高めつつ、ノズルの乾燥を防ぎ、優れた吐出安定性を実現することが可能である。
本実施形態のインクは、浸透剤を更に含有してもよい。記録媒体の縦方向(厚さ方向)のインク浸透性を向上させるためには、浸透剤としては、1,2−オクタンジオールが好ましい。記録媒体の縦方向(厚さ方向)のインク浸透性をより向上させるためには、浸透剤の含有量は、インクの全質量に対して、0.5質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のインクは、界面活性剤を更に含有してもよい。界面活性剤は、インクに含まれる成分の相溶性と分散安定性とを向上させる目的、及び記録媒体に対するインクの浸透性(濡れ性)を向上させる目的で使用される。インクに含まれる成分の相溶性と分散安定性とをより向上させるためには、界面活性剤としてはノニオン界面活性剤が好ましい。
本実施形態のインクには、必要に応じて、公知の添加剤(より具体的には、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤等)が含有されてもよい。溶解安定剤は、インクに含まれる成分を相溶化してインクの溶解状態を安定化させる目的で使用される。溶解安定剤としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの溶解安定剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。インクが溶解安定剤を含有する場合、溶解安定剤の含有量は、インクの全質量に対して1.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態のインクの製造方法は、顔料、第1粒子、第2粒子、保湿剤、及び必要に応じて配合される他の成分を均一に混合することができる限り、特に限定されない。インクの製造方法の具体例としては、インクの各成分を攪拌機により攪拌して、均一に混合した後、フィルター(例えば孔径5μm以下のフィルター)により異物及び粗大粒子を除去する方法が挙げられる。
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録システムを説明する。第2実施形態のインクジェット記録システムは、記録媒体を搬送する搬送部と、インクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」と記載する場合がある。)とを備える。第2実施形態のインクジェット記録システムでは、第1実施形態のインクが用いられる。以下、図面を参照して第2実施形態のインクジェット記録システムについて説明する。なお、参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
顔料(トーヨーカラー株式会社製「リオノール(登録商標)ブルーFG−7330」、成分:銅フタロシアニン、カラーインデックス:ピグメントブルー15:3)、後述する樹脂粒子A、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物(日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)E1010」)、及びイオン交換水を、表1に示す割合で、容量0.6Lのベッセルに入れた。次いで、ベッセルの内容物をメディア型湿式分散機(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「DYNO(登録商標)−MILL」)を用いて分散させた。
[樹脂粒子の準備]
以下の表2に示す樹脂粒子P1〜P8を準備した。樹脂粒子P1〜P8の体積中位径(D50)は、何れも110nmであった。なお、表2において、「MMA単位」の欄の各数値は、樹脂粒子を構成する樹脂中の全繰り返し単位に対する、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有割合(単位:質量%)である。「BA単位」の欄の各数値は、樹脂粒子を構成する樹脂中の全繰り返し単位に対する、アクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位の含有割合(単位:質量%)である。「2EHA単位」の欄の各数値は、樹脂粒子を構成する樹脂中の全繰り返し単位に対する、アクリル酸−2−エチルヘキシルに由来する繰り返し単位の含有割合(単位:質量%)である。
(樹脂粒子エマルションの調製工程)
50質量部の樹脂粒子P4と、5質量部の界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)1135S−70」)と、45質量部のイオン交換水とを混合して、樹脂粒子エマルションP4−1を調製した。
以下の表3に示す各成分を、表3に示す含有量となるように攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター BL−600」)に投入し、攪拌機を用いて回転数400rpmで攪拌して均一に混合した。続けて、異物及び粗大粒子を除去するため、孔径5μmのフィルターを用いて混合液をろ過した。その結果、インク(A−1)を得た。
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」(4.6mmI.D.×15cmのセミミクロカラム)
・カラム本数:3本
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流速:0.35mL/分
・サンプル注入量:10μL
・測定温度:40℃
・検出器:IR検出器
樹脂粒子エマルションの調製工程において、樹脂粒子P4の代わりに表4に示す種類の樹脂粒子(P1〜P3及びP5〜P8の何れか)を用いたこと以外は、インク(A−1)の調製と同様の方法でインク(A−2)、(A−3)及び(B−1)〜(B−5)を、それぞれ調製した。
得られたインク(A−1)〜(A−3)及び(B−1)〜(B−5)の各々に対して、印字濃度及びノズルの乾燥性(ノズル乾き)を評価した。以下、印字濃度及びノズル乾きの評価方法について説明する。
評価機として、上述したインクジェット記録システム100の構成を備えたインクジェット記録装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作評価機)を使用した。評価機の記録ヘッドにインク(評価対象のインク)を充填した。続いて、温度25℃かつ湿度60%RHの常温常湿環境下で、A4の普通紙(富士ゼロックス株式会社製「C2」、PPC用紙)に大きさ10cm×10cmのソリッド画像を形成した。この際、記録ヘッドから吐出されるインクの量はインク一滴あたり11pLになるように制御し、各インクについて同一条件で画像を形成した。
上記<印字濃度の評価方法>により印字濃度を測定した後、温度25℃かつ湿度10%RHの環境下、評価機のノズルを評価機のノズルクリーニング機能によりクリーニングした。引き続き温度25℃かつ湿度10%RHの環境下で評価機を1時間放置した後、評価機のノズルの乾燥性(ノズル乾き)を下記の基準に従い評価した。
A(良好):ノズル乾きが抑制されており、印字可能であった。
B(不良):ノズル乾きが抑制されておらず、印字不可能であった。
インクの調製に用いられる保湿剤としてのα,ω−アルカンジオールの種類を変更して、印字濃度及びノズル乾きに与える影響を検討した。α,ω−アルカンジオールとしては、表5に示す、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールの何れかを用いた。また、α、ω−アルカンジオール以外のアルカンジオールを用いた例についても評価した。α、ω−アルカンジオール以外のアルカンジオールとしては、表6に示す、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール及び1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)の何れかを用いた。なお、表5及び表6に示すアルカンジオールは、何れも水に対する溶解度が比較的高いアルカンジオールである。
11、11C、11M、11Y、11K 記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)
12 ノズル
100 インクジェット記録システム
N1、N2 ノズル列
Claims (9)
- 顔料と、第1樹脂を含む第1粒子と、第2樹脂を含む第2粒子と、保湿剤とを含有するインクジェット用インクであって、
前記第1樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を、前記第1樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%以上70質量%以下の割合で含有し、
前記第2樹脂中のメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有割合は、前記第2樹脂中の全繰り返し単位に対して30質量%未満であり、
前記保湿剤は、α,ω−アルカンジオールを含む、インクジェット用インク。 - 前記α,ω−アルカンジオールは、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記α,ω−アルカンジオールの含有割合は、3質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
- 前記第1樹脂は、アクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位及びアクリル酸2−エチルヘキシルに由来する繰り返し単位を更に含有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
- 前記第1樹脂中の前記アクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位の含有割合は、前記第1樹脂中の全繰り返し単位に対して10質量%以上50質量%以下であり、
前記第1樹脂中の前記アクリル酸2−エチルヘキシルに由来する繰り返し単位の含有割合は、前記第1樹脂中の全繰り返し単位に対して10質量%以上50質量%以下である、請求項4に記載のインクジェット用インク。 - 浸透剤を更に含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
- 界面活性剤を更に含有する、請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
- 前記界面活性剤は、ノニオン界面活性剤である、請求項7に記載のインクジェット用インク。
- 記録媒体を搬送する搬送部と、インクジェット記録ヘッドとを備えたインクジェット記録システムであって、
前記インクジェット記録ヘッドは、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向に配列された複数のノズルを有するノズル列を複数備え、
複数の前記ノズル列は、前記記録媒体の搬送方向に並設されており、
前記インクジェット記録ヘッドの前記複数のノズルから請求項1〜8の何れか一項に記載のインクジェット用インクを吐出することにより、前記搬送部によって搬送される前記記録媒体にドットを形成する、インクジェット記録システム。
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