(1)概要
本実施形態の配線器具100は、図1に示すように、筐体1と、端子カバー4と、引掛部5と、アクセス規制部6と、を備えている。本実施形態では、配線器具100は、タイムスイッチである。タイムスイッチは、設定された時刻に基づいて電源から負荷への電力の供給状態を切り替える機能を備えている。例えば、タイムスイッチに負荷としてエアコンディショナが電気的に接続されていると仮定する。この場合、タイムスイッチでは、月曜日から金曜日までの各日において、午前9時から午後5時まではエアコンディショナを運転し、それ以外の時間帯ではエアコンディショナを停止する、といった設定が可能である。以下、特に断りのない限り、「配線器具100」を「タイムスイッチ100」という。
筐体1は、電線が接続される端子2を収容する。本実施形態では、筐体1は、複数(ここでは、4つ)の端子2を有する端子台3を収容している。各端子2は、筐体1に端子カバー4が取り付けられていない状態においては、筐体1から露出する。
端子カバー4は、筐体1に取り付けられており、回転軸42を中心に回転することで、閉位置と開位置との間で移動可能である。言い換えれば、端子カバー4は、ヒンジ構造により、開位置と閉位置との間で回転可能である。閉位置は、端子2を覆う位置である。端子カバー4が閉位置にある場合、端子2は、電線を端子2に接続する作業を行えない状態、つまり、人の手により触れることのできない状態にある。開位置は、端子2を露出させる位置である。端子カバー4が開位置にある場合、端子2は、電線を端子2に接続する作業を行える状態、つまり、人の手により触れることのできる状態にある。
引掛部5は、筐体1及び端子カバー4のうちの一方に設けられる。本実施形態では、引掛部5は、端子カバー4に設けられている爪44(後述する)である。引掛部5は、端子カバー4が閉位置にある状態において、筐体1及び端子カバー4のうちの他方に引っ掛かることで、端子カバー4の開位置への移動を規制する。本実施形態では、引掛部5は、端子カバー4が閉位置にある状態において、筐体1に引っ掛かる。つまり、端子カバー4が閉位置にある状態においては、人の手のみで端子カバー4を開位置へと移動させようとしても、引掛部5が筐体1に引っ掛かることで、端子カバー4を開位置へと移動させることができないようになっている。
アクセス規制部6は、端子カバー4が閉位置にある状態において、引掛部5への人の手のアクセスを規制する。本実施形態では、アクセス規制部6は、端子カバー4に設けられた開口43(後述する)を含んでいる。つまり、引掛部5による端子カバー4の開位置への移動の規制を解除するには、引掛部5を動かす必要がある。本実施形態では、開口43を通して引掛部5へアクセスできるようになっているが、開口43が人の手の一部(例えば、指)の通らない寸法に設定されているため、人の手のみで引掛部5へアクセスすることができないようになっている。
上述のように、本実施形態では、引掛部5を備えているので、端子カバー4を筐体1へねじ止めしなくとも、端子カバー4の開位置への移動を規制することができる。また、本実施形態では、アクセス規制部6を備えているので、引掛部5による規制の解除を人の手のみで行えないようになっている。つまり、本実施形態では、人の手のみで端子カバー4が開かれるのを規制しつつ、端子カバー4の筐体1へのねじ止めが不要になる、という利点がある。
(2)構成
以下、本開示の一実施形態に係るタイムスイッチ100の構成について図1〜図4Bを用いて詳細に説明する。以下では、図1において、筐体1の長さ方向を第1方向(上下方向)とし、第1設定釦81(後述する)から見て表示部83(後述する)側を上方、その逆を下方として説明する。また、以下では、図1において、筐体1の幅方向を第2方向(左右方向)とし、端子2C,2D(後述する)から見て端子2A,2B(後述する)側を左方、その逆を右方として説明する。また、以下では、図1において、筐体1の厚さ方向を第3方向(前後方向)とし、台部14(後述する)から見て端子カバー4側を前方、その逆を後方として説明する。
なお、図1等には、これらの方向(上、下、左、右、前、後)を表す矢印を示すが、これらの矢印は、単に説明を補助するための目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態のタイムスイッチ100の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態のタイムスイッチ100は、図1〜図4Bに示すように、筐体1と、複数の端子2(ここでは、4つの端子2A〜2D)を有する端子台3と、端子カバー4と、機能部8と、を備えている。
筐体1は、例えば樹脂製の箱体であって、図1に示すように、端子台3と、機能部8の一部と、を収容する。筐体1は、例えばねじ止めにより、壁などの造営材に取り付けられる。本実施形態では、筐体1の上半分に機能部8の一部が収容され、筐体1の下半分に端子台3が収容されている。筐体1の上半分の領域には、機能部8の一部としての複数の第1設定釦81、2つの第2設定釦82、表示部83、及び電源スイッチ84が前面11から露出している。
筐体1の下半分の領域においては、前面11から後ろ向きに窪んだ第1凹部12と、筐体1の下壁において前端縁から下向きに窪んだ一対の第2凹部13A,13Bと、が設けられている。第1凹部12には、端子カバー4が閉位置にある状態において、端子カバー4のカバー本体41(後述する)が収容される(図2参照)。一対の第2凹部13A,13Bには、それぞれ端子カバー4が閉位置にある状態において、端子カバー4の一対の側片45A,45Bが嵌まり込む(図2参照)。一対の側片45A,45Bが一対の第2凹部13A,13Bにそれぞれ嵌まり込んだ状態においては、一対の第2凹部13A,13Bの空いている領域は、それぞれ端子2に接続された電線の引き出し口10A,10Bとなっている(図2参照)。これら引き出し口10A,10Bは、いずれも人の手が各端子2に接触できないように、人の手の指の通らない寸法に設定されている。
一対の第2凹部13A,13Bの間は、端子台3の前面を覆う台部14となっている。台部14の前面には、前後方向に貫通する矩形状の開口15が設けられている。開口15は、端子カバー4の爪44が通る寸法に設定されている。端子台3における開口15と対向する部位は、中空になっている(図3B参照)。したがって、端子カバー4が閉位置にある状態においては、開口15を通った爪44が、端子台3の上記の中空部に収容される(図4A参照)。
開口15の内周縁には、他の部位よりも薄く形成された薄肉部151が設けられている(図3B参照)。薄肉部151には、端子カバー4が閉位置にある状態において、爪44の突片444(後述する)が引っ掛かる。このように、本実施形態では、筐体1における爪44(引掛部5)が引っ掛かる部位(薄肉部151)を極力薄くすることにより、爪44のばね長を稼ぎ、爪44の弾性を確保しやすくしている。
端子台3は、図1に示すように、複数の端子2として、一対の第1端子2A,2Bと、一対の第2端子2C,2Dと、を有している。複数の端子2は、いずれも電線の一端に設けられた圧着端子をねじ止めするための端子ねじを有している。一対の第1端子2A,2B及び一対の端子2C,2Dは、それぞれ筐体1内に収容されている制御回路に電気的に接続されている。一対の第1端子2A,2Bの各々は、例えばエアコンディショナ等の電気機器(負荷)に電気的に接続される電線を接続するために用いられる。一対の第2端子2C,2Dの各々は、例えば商用電源などの外部の電源に電気的に接続される電線を接続するために用いられる。
これら4つの端子2A〜2Dは、それぞれ4つの収容部31A〜31Dに収容されている。4つの収容部31A〜31Dは、いずれも端子台3の下部に設けられており、前面及び下面が開口している。このため、端子カバー4が開位置にある状態において、4つの収容部31A〜31Dに収容された4つの端子2A〜2Dは、いずれも筐体1から露出する。収容部31A,31Bの間、及び収容部31C,31Dの間は、それぞれ隔壁32A,32Bにより機械的かつ電気的に隔てられている。
端子カバー4は、例えば樹脂製であって、図1に示すように、カバー本体41と、一対の軸受け42A,42Bと、開口43と、爪44と、一対の側片45A,45Bと、凹部46と、突出部47と、を有している。
カバー本体41は、長さ方向が左右方向、幅方向が上下方向となる矩形板状である。カバー本体41の長さ方向(左右方向)の両端部には、それぞれ一対の軸受け42A,42Bが設けられている。筐体1において、一対の軸受け42A,42Bとそれぞれ対向する部位には、一対の軸が設けられている。カバー本体41(つまり、端子カバー4)は、一対の軸受け42A,42Bにそれぞれ筐体1の一対の軸を嵌めることで、筐体1に取り付けられている。そして、カバー本体41(端子カバー4)は、一対の軸受け部42A,42B(言い換えれば、回転軸42)を中心として、閉位置と開位置との間を回転可能に構成されている。
カバー本体41の中央部には、厚さ方向に貫通する矩形状の開口43が設けられている。開口43は、端子カバー4が閉位置にある状態において、台部14の開口15と対向する位置に設けられている。したがって、端子カバー4が閉位置にある状態においては、開口15を通った爪44を、開口43を通して見ることが可能である(図2参照)。開口43は、人の手の指が通らない寸法に設定されている。また、開口43は、治具B1(図4B参照)が挿入可能な寸法に設定されている。治具B1は、例えばマイナスドライバであって、端子カバー4の開位置への移動の規制を解除するように爪44(引掛部5)を操作するために用いられる。本実施形態では、開口43に治具B1の一部を通した状態で、治具B1の先端を爪44に押し当てることにより、爪44を操作することが可能である(図4B参照)。
爪44は、図3Bに示すように、左右方向から見て、全体としてU字状である。爪44は、第1片441と、第2片442と、繋ぎ片443と、を有している。
第1片441は、端子カバー4のカバー本体41と一体に形成されている。第1片441は、カバー本体41の厚さ方向に突出している。したがって、第1片441は、端子カバー4が閉位置にある場合、カバー本体41から後ろ向きに突出することになる(図4A参照)。
第2片442は、繋ぎ片443を介して第1片441と繋がっており、第1片441と隙間を空けて対向している。したがって、第2片442は、端子カバー4が閉位置にある場合、上下方向において第1片441と対向することになる。このように、本実施形態では、第1片441と第2片442との間に隙間を有している。このため、第2片442は、この隙間を埋めるように撓むため、隙間を有さない場合と比較して撓みやすい。
第2片442の長さ方向(図4Aにおける前後方向)の中間部には、第1片441と反対側に向かって(図4Aにおける下向きに)突出する突片444が一体に形成されている。突片444は、端子カバー4が閉位置にある状態において、筐体1の薄肉部151に引っ掛かる。また、第2片442において、突片444と繋ぎ片443との間は、傾斜面446となっている。
第2片442において、繋ぎ片443と繋がっている端部と反対側の端部(図4Aにおける前端部)には、テーパ445が形成されている。テーパ445は、端子カバー4が閉位置にある状態においては、後方に向かうにつれて下向きに傾斜している。テーパ445は、開口43に治具B1を挿入する際に、治具B1の先端を薄肉部151と第2片442との間の隙間D1へと案内する。つまり、爪44(引掛部5)は、開口43から挿入された治具B1を所定の操作位置(隙間D1)へと案内するテーパ445(案内部51)を有している。
本実施形態では、端子カバー4が閉位置にある状態において、筐体1の薄肉部151に、開口15を通った爪44の突片444が引っ掛かることにより、端子カバー4の時計回りの回転(つまり、端子カバー4の閉位置から開位置への移動)を規制している。このように、本実施形態では、爪44は、端子カバー4に設けられて、端子カバー4が閉位置にある状態において筐体1の一部(薄肉部151)に引っ掛かることで、端子カバー4の開位置への移動を規制する引掛部5として機能する。本実施形態では、爪44(引掛部5)は、回転軸42と直交する方向(つまり、カバー本体41の幅方向)において、端子カバー4(カバー本体41)の両端部の間にある。なお、本実施形態では、回転軸42は、回転軸42と直交する方向において、端子カバー4(カバー本体41)の両端のうちの一端にある。
また、本実施形態では、端子カバー4が閉位置にある状態において、爪44には、端子カバー4の開口43を通してアクセスすることが可能である。一方、開口43は、人の手の指の通らない寸法に設定されているため、人の手の指により爪44に触れることができない。このように、本実施形態では、開口43は、端子カバー4が閉位置にある状態において、引掛部5への人の手(指又は爪)のアクセスを規制するアクセス規制部6として機能している。言い換えれば、アクセス規制部6は、開口43を含んでいる。開口43は、端子カバー4に設けられて、端子カバー4が閉位置にある状態において、爪44(引掛部5)に対応する位置に形成されている。
一対の側片45A,45Bは、図1及び図2に示すように、いずれも矩形板状であって、カバー本体41の幅方向の一端から、カバー本体41の厚さ方向に沿った向きに突出している。したがって、一対の側片45A,45Bは、いずれも端子カバー4が閉位置にある場合、後ろ向きに突出することになる。そして、既に述べたように、端子カバー4が閉位置にある状態においては、一対の側片45A,45Bは、それぞれ筐体1の一対の第2凹部13A,13Bに嵌まり込む(図2参照)。
図1に示すように、カバー本体41の長さ方向(左右方向)において、一対の側片45A,45Bの間には、凹部46が設けられている。凹部46には、図2に示すように、端子カバー4が閉位置にある状態においては、筐体1の台部14が嵌まり込む。そして、端子カバー4が閉位置にある状態においては、凹部46の前側の内壁と台部14とは接触しておらず、これらの間には隙間A1が設けられる。隙間A1は、人の手の爪C1(図4C参照)を差し込むことが可能な寸法である。したがって、端子カバー4が閉位置にある状態においては、隙間A1に爪C1を指し込むことにより、爪C1を凹部46の前側の内壁に引掛けて、端子カバー4に開位置へ向かう向きの力を加えることが可能である(図4C参照)。つまり、端子カバー4は、筐体1(ここでは、台部14)と対向する部位に設けられて、人の手の爪C1が引っ掛かる操作部461(凹部46の前側の内壁)を有している。
カバー本体41の下面には、厚さ方向に突出する円筒状の突出部47が一体に形成されている。突出部47は、カバー本体41の幅方向(図2における上下方向)において、爪44と一対の軸受け部42A,42B(回転軸42)との間に位置する。突出部47は、図4Aに示すように、端子カバー4が閉位置にある状態においては、後端が筐体1の台部14の前面に接する。このため、端子カバー4を閉位置から台部14へ向かう向きに更に押し込んだとしても、突出部47が台部14に接することにより、端子カバー4の更なる回転が規制される。つまり、本実施形態では、端子カバー4は、突出部47(開閉規制部7)を有している。突出部47は、爪44(引掛部5)と回転軸42との間に設けられて、筐体1に接することにより端子カバー4の移動範囲を規制する。また、開閉規制部7は、突出部47を有している。突出部47は、端子カバー4が閉位置にある状態において、端子カバー4における端子2と対向する面(カバー本体41の図2における下面)から突出している。
機能部8は、リレーと、リレーの駆動回路と、制御部と、を備えている。リレーは、例えば電磁リレーであって、電源から電気機器(負荷)への電力の供給路に挿入されている。リレーは、駆動回路によって、供給路を開閉する。リレーのオン状態においては、供給路が閉じているため、電源から負荷へと電力が供給される。一方、リレーのオフ状態においては、供給路が開いているため、電源から負荷への電力の供給が停止する。つまり、リレーのオン/オフにより、電源から負荷への電力の供給状態が切り替わる。
制御部は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータ(マイクロコントローラを含む)で構成されている。つまり、制御部は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部は、後述する複数の第1設定釦81及び2つの第2設定釦82を含む入力部にて設定されたパラメータにしたがって、駆動回路を制御することにより、リレーのオン/オフを制御する。ここでいう「パラメータ」は、リレーをオンにする時刻(時、分、及び秒を含み得る)及び曜日、並びにリレーをオフにする時刻及び曜日などである。つまり、制御部は、入力部にて設定された時刻に基づいて、電源から負荷への電力の供給状態を切り替える機能を有している。
その他、機能部8は、既に述べたように、複数の第1設定釦81と、2つの第2設定釦82と、表示部83と、電源スイッチ84と、を更に有している。
複数の第1設定釦81は、例えばタクタイルスイッチであって、人の手の指で操作可能となっている。2つの第2設定釦82は、例えばタクタイルスイッチであって、例えばペン等の人の手の指よりも細い治具を用いて操作可能となっている。これら複数の第1設定釦81及び2つの第2設定釦82は、上述のパラメータを設定するための入力を受け付ける入力部として機能する。
表示部83は、例えば液晶ディスプレイである。表示部83は、制御部に制御されることで、表示内容を変更するように構成されている。表示部83には、例えば通常モードであれば、現在の時刻及び曜日などが表示される。また、表示部83には、例えば設定モードであれば、入力部にて受け付けた入力内容(つまり、設定予定のパラメータ)などが表示される。ここでいう「通常モード」は、設定されたパラメータにしたがって制御部が駆動回路を制御するモードである。また、ここでいう「設定モード」は、タイムスイッチ100のユーザにより、制御部でのパラメータを設定するモードである。
電源スイッチ84は、例えばスライドスイッチであって、少なくとも動作状態と、停止状態と、を切り替えるために用いられる。ここでいう「動作状態」は、タイムスイッチ100に電力を供給することで、タイムスイッチ100が動作する状態である。また、ここでいう「停止状態」は、タイムスイッチ100への電力の供給を止めることで、タイムスイッチ100の動作が停止する状態である。
(3)端子カバーの使用方法
以下、本実施形態のタイムスイッチ100における端子カバー4の使用方法について説明する。まず、端子カバー4が開位置にある状態において(図3B参照)、ユーザが各端子2に電線を接続した後に、端子カバー4を閉じる場合について説明する。この場合、ユーザは、端子カバー4を手に持ち、回転軸42を中心として、端子カバー4を反時計回りに回転させる。これにより、端子カバー4は、開位置から閉位置へ向かって移動する。
このとき、爪44(引掛部5)は、筐体1の台部14に設けられた開口15に前方から押し込まれる。すると、薄肉部151が爪44の傾斜面446に接触する。そして、爪44が後方に向かうにつれて、爪44の傾斜面446が、薄肉部151により押されることで、爪44が上向きに撓む。端子カバー4が開位置まで移動すると、爪44の突片444が薄肉部151を乗り越えることで、傾斜面446が薄肉部151により押されなくなる。このため、爪44が元の状態に復帰することで、突片444が薄肉部151に引っ掛かる(図4A参照)。
これにより、ユーザが端子カバー4を手に持ち、時計回りに回転させようとしても(端子カバー4を閉位置から開位置へ移動させようとしても)、爪44の突片444が薄肉部151に引っ掛かることで、端子カバー4の閉位置から開位置への移動が規制される。つまり、ユーザは、治具B1を用いて、爪44による端子カバー4の閉位置から開位置への移動の規制を解除しない限り、端子カバー4を開くことができない。
次に、ユーザが端子カバー4を開く場合について説明する。この場合、ユーザは、まず治具B1を端子カバー4の開口43に挿入する。すると、治具B1の先端が爪44のテーパ445(案内部51)に沿って後方へと移動することで、所定の操作位置(隙間D1)まで案内される。この状態において、ユーザが治具B1を用いて隙間D1を広げるようにして爪44の第2片442を上方へと押すことで、爪44は、第1片441の一端(前端)を軸として、全体が上向きに撓む。また、爪44は、治具B1の先端に押されることにより、第1片441と第2片442との間の隙間を狭めるように撓む。これにより、爪44の突片444が薄肉部151から離れることで、爪44による端子カバー4の開位置への移動の規制が解除される。その後、ユーザは、治具B1を開口43に差し込んだ状態で、端子カバー4と筐体1の台部14との間にある隙間A1に爪C1を差し込む(図4C参照)。そして、ユーザは、爪C1により操作部461に前向き(端子カバー4を時計回りに回転させる向き)の力を加えることで、端子カバー4を閉位置から開位置へと移動させる。
上述のように、本実施形態では、爪44(引掛部5)を備えているので、端子カバー4を筐体1へねじ止めしなくとも、端子カバー4の開位置への移動を規制することができる。このため、本実施形態では、端子カバー4を開く際に、治具を用いてねじを取り外す必要がないため、ねじが端子カバー4から脱落するおそれもない。また、本実施形態では、開口43(アクセス規制部6)を備えているので、引掛部5による規制の解除を人の手のみで行えないようになっている。このため、本実施形態では、端子カバー4を筐体1へねじ止めする構成と同様に、端子カバー4を開く際に治具B1を用いた作業を要するので、不用意に端子カバー4が開かれるのを防止することが可能である。つまり、本実施形態では、人の手のみで端子カバー4が開かれるのを規制しつつ、端子カバー4の筐体1へのねじ止めが不要になる、という利点がある。
また、本実施形態では、端子カバー4の開口43に治具B1の挿入する向きと、端子カバー4を閉位置から開位置へと移動させる向きとが異なっている。つまり、本実施形態では、端子カバー4を開く際に、端子カバー4を閉位置から開位置へと移動させる向きとは異なる向きの動きをユーザに要求している。このため、本実施形態では、ユーザは正しい手順を踏まなければ端子カバー4を開くことができないので、不用意に端子カバー4が開かれるのを防止しやすく、ユーザの安全性を確保しやすい、という利点もある。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)第1変形例
第1変形例のタイムスイッチ100は、図5A及び図5Bに示すように、筐体1の代わりに筐体1A、及び端子カバー4の代わりに端子カバー4Aを備えている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。そして、本変形例のタイムスイッチ100は、端子カバー4に爪44(引掛部5)を設ける代わりに筐体1Aに爪16(引掛部5)を設けている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。更に、本変形例のタイムスイッチ100は、端子カバー4に開口43(アクセス規制部6)を設ける代わりに筐体1Aに開口17(アクセス規制部6)を設けている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。
開口17は、筐体1Aの台部14に設けられており、台部14を厚さ方向(図5Aにおける上下方向)に貫通している。開口17は、上述の実施形態の開口43と同様に、人の手の指が通らない寸法であって、かつ、治具B1が挿入可能な寸法に設定されている。
爪16は、開口17の内周縁(ここでは、前側の内壁)から筐体1Aの内部へと突出している。爪16の先端は、端子カバー4Aに設けられたフック48に引っ掛かる突片161となっている。フック48は、端子カバー4Aのカバー本体41の端子2と対向する一面(図5Aにおける後面)に一体に形成されている。
本変形例では、図5Aに示すように、端子カバー4Aが閉位置にある状態において、筐体1Aの突片161が、端子カバー4Aのフック48に引っ掛かることにより、端子カバー4Aの閉位置から開位置への移動が規制されている。また、本変形例では、図5Bに示すように、治具B1を筐体1Aの開口17に挿入し、治具B1により爪16を押すことで、爪16の突片161がフック48から離れ、爪16による端子カバー4Aの開位置への移動の規制が解除される。
(4.2)第2変形例
第2変形例のタイムスイッチ100は、図6に示すように、筐体1の代わりに筐体1B、及び端子カバー4の代わりに端子カバー4Bを備えている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。そして、本変形例のタイムスイッチ100は、端子カバー4に爪44(引掛部5)を設ける代わりに、筐体1Bにピン18(引掛部5)を設けている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。更に、本変形例のタイムスイッチ100は、端子カバー4に開口43(アクセス規制部6)を設ける代わりに、端子カバー4Bに開口43A(アクセス規制部6)を設けている点で、上述の実施形態のタイムスイッチ100と相違する。
ピン18は、端子カバー4Bが閉位置にある状態において、端子カバー4Bと対向する筐体1Bの一面(図6における前面)に設けられている。ピン18は、ピン本体181と、一対の弾性片182,183と、で構成されている。ピン本体181は、筐体1Bの上記一面から端子カバー4Bへ向かう向き(図6における前向き)に突出している。ピン本体181は、端子カバー4Bの開口43Aに挿入可能な寸法である。一対の弾性片182,183は、ピン本体181の長さ方向の一端(図6における前端)に一体に形成されている。一対の弾性片182,183は、いずれもピン本体181に接触する第1位置と、ピン本体181から離れた第2位置との間で撓むようになっている。
開口43Aは、端子カバー4Bを厚さ方向(図6における前後方向)に貫通している。開口43Aは、上述の実施形態の開口43と同様に、人の手の指が通らない寸法であって、かつ、治具B1が挿入可能な寸法に設定されている。更に、開口43Aの内周縁には、周方向にわたって内向きに突出するリブ431が設けられている。開口43Aにおいて、リブ431で囲まれる孔は、一対の弾性片182,183が第1位置にある状態のピン18が挿入可能な寸法に設定されている。
本変形例では、図6に示すように、端子カバー4Bが閉位置にある状態において、筐体1Bの一対の弾性片182,183が、端子カバー4Bのリブ431に引っ掛かることにより、端子カバー4Bの閉位置から開位置への移動が規制されている。また、本変形例では、例えば治具を開口43Aに挿入し、治具を用いて一対の弾性片182,183を挟むことにより、一対の弾性片182,183を第2位置から第1位置へと移動させることで、ピン18をリブ431で囲まれる孔に挿入可能となる。つまり、本変形例では、治具を用いて一対の弾性片182,183を挟むことにより、ピン18による端子カバー4Bの開位置への移動の規制が解除される。
(4.3)その他の変形例
以下、上記の第1変形例及び第2変形例以外の変形例を列挙する。以下の種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上述の実施形態では、爪44(引掛部5)は1つであるが、複数であってもよい。この態様では、複数の爪44にそれぞれ対応する複数の開口15を筐体1の台部14に設ければよい。
上述の実施形態では、操作部461に人の手の爪C1を引っ掛けるために、人の手の爪C1を挿入可能な隙間A1を有しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、隙間A1を有する代わりに、端子カバー4及び筐体1のうちの一方が窪みを有していてもよい。この態様でも、窪みに人の手の爪C1を挿入することで、操作部461に人の手の爪C1を引っ掛けることが可能である。
上述の実施形態では、端子カバー4は操作部461を有しているが、操作部461を有していなくてもよい。この場合、ユーザは、端子カバー4を開く際には、治具B1を開口43に差し込んだ状態で、端子カバー4を直接手に持ち、閉位置から開位置へと移動させればよい。
上述の実施形態及び変形例では、配線器具100はタイムスイッチ100であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、配線器具100は、端子台、コンセント、自動点滅器などのスイッチ装置、又はブレーカ等、端子2を端子カバー4で覆う構造を有していれば、上述の実施形態及び変形例を適用し得る。
上述の実施形態及び変形例において、端子カバー4,4A,4Bは、それぞれ筐体1,1A,1Bと組み合わさった配線器具100として市場に流通するだけでなく、単体で市場に流通してもよい。つまり、端子カバー4,4A,4Bは、カバー本体41と、引掛部5と、アクセス規制部6と、を備える。カバー本体41は、電線が接続される端子2を収容する筐体1に取り付けられて、回転軸42を中心に回転することで、端子2を覆う閉位置と、端子2を露出させる開位置との間で移動可能である。引掛部5は、カバー本体41が閉位置にある状態において筐体1に引っ掛かることで、カバー本体41の開位置への移動を規制する。アクセス規制部6は、カバー本体41が閉位置にある状態において、引掛部5への人の手のアクセスを規制する。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る配線器具(100)は、筐体(1,1A,1B)と、端子カバー(4,4A,4B)と、引掛部(5)と、アクセス規制部(6)と、を備える。筐体(1,1A,1B)は、電線が接続される端子(2)を収容する。端子カバー(4,4A,4B)は、筐体(1,1A,1B)に取り付けられており、回転軸(42)を中心に回転することで、端子(2)を覆う閉位置と、端子(2)を露出させる開位置との間で移動可能である。引掛部(5)は、筐体(1,1A,1B)及び端子カバー(4,4A,4B)のうちの一方に設けられている。引掛部(5)は、端子カバー(4,4A,4B)が閉位置にある状態において筐体(1,1A,1B)及び端子カバー(4,4A,4B)のうちの他方に引っ掛かることで、端子カバー(4,4A,4B)の開位置への移動を規制する。アクセス規制部(6)は、端子カバー(4,4A,4B)が閉位置にある状態において、引掛部(5)への人の手のアクセスを規制する。
この態様によれば、人の手のみで端子カバー(4,4A,4B)が開かれるのを規制しつつ、端子カバー(4,4A,4B)の筐体(1,1A,1B)へのねじ止めが不要になる、という利点がある。
第2の態様に係る配線器具(100)では、第1の態様において、引掛部(5)は、回転軸(42)と直交する方向において、端子カバー(4,4B)の両端部の間にある。
この態様によれば、端子カバー(4,4B)の端部に引掛部(5)がある場合と比較して、引掛部(5)への人の手のアクセスを規制しやすい、という利点がある。
第3の態様に係る配線器具(100)では、第1又は第2の態様において、端子カバー(4,4A,4B)は、開閉規制部(7)を有する。開閉規制部(7)は、引掛部(5)と回転軸(42)との間に設けられて、筐体(1)に接することにより端子カバー(4,4A,4B)の移動範囲を規制する。
この態様によれば、端子カバー(4,4A,4B)が筐体(1)へ過度に接近するのを防止することで、端子カバー(4,4A,4B)に過大な応力が掛かるのを防ぎやすい、という利点がある。
第4の態様に係る配線器具(100)では、第3の態様において、開閉規制部(7)は、突出部(47)を有する。突出部(47)は、端子カバー(4,4A,4B)が閉位置にある状態において、端子カバー(4,4A,4B)における端子(2)と対向する面から突出する。
この態様によれば、簡易な構成により、端子カバー(4,4A,4B)の移動範囲を規制することができる、という利点がある。
第5の態様に係る配線器具(100)では、第1〜第4のいずれかの態様において、アクセス規制部(6)は、開口(17,43,43A)を含む。開口(17,43,43A)は、筐体(1)及び端子カバー(4,4A,4B)のうちの一方に設けられて、端子カバー(4,4A,4B)が閉位置にある状態において、引掛部(5)に対応する位置に形成されている。開口(17,43,43A)は、端子カバー(4,4A,4B)の開位置への移動の規制を解除するように引掛部(5)を操作するための治具(B1)が挿入可能な寸法である。
この態様によれば、開口(17,43,43A)に治具(B1)を挿入するという簡易な操作により、引掛部(5)による規制を解除することができる、という利点がある。
第6の態様に係る配線器具(100)では、第5の態様において、引掛部(5)は、開口(17,43,43A)から挿入された治具(B1)を所定の操作位置へと案内する案内部(51)を有する。
この態様によれば、治具(B1)を開口(17,43,43A)に挿入した際に、引っ掛かりを生じさせることなく治具(B1)を所定の操作位置へと導きやすい、という利点がある。
第7の態様に係る配線器具(100)では、第1〜第6のいずれかの態様において、端子カバー(4,4A,4B)は、筐体(1)と対向する部位に設けられて、人の手の爪(C1)が引っ掛かる操作部(461)を有する。
この態様によれば、引掛部(5)による規制を解除した状態で、端子カバー(4,4A,4B)を閉位置から開位置へと移動させやすくなる、という利点がある。
第8の態様に係るタイムスイッチ(100)は、第1〜第7のいずれかの態様の配線器具(100)であって、設定された時刻に基づいて電源から負荷への電力の供給状態を切り替える機能を備える。
この態様によれば、人の手のみで端子カバー(4,4A,4B)が開かれるのを規制しつつ、端子カバー(4,4A,4B)の筐体(1,1A,1B)へのねじ止めが不要になる、という利点がある。
第9の態様に係る端子カバー(4,4A,4B)は、カバー本体(41)と、引掛部(5)と、アクセス規制部(6)と、を備える。カバー本体(41)は、電線が接続される端子(2)を収容する筐体(1)に取り付けられて、回転軸(42)を中心に回転することで、端子(2)を覆う閉位置と、端子(2)を露出させる開位置との間で移動可能である。引掛部(5)は、カバー本体(41)が閉位置にある状態において筐体(1)に引っ掛かることで、カバー本体(41)の開位置への移動を規制する。アクセス規制部(6)は、カバー本体(41)が閉位置にある状態において、引掛部(5)への人の手のアクセスを規制する。
この態様によれば、人の手のみで端子カバー(4,4A,4B)が開かれるのを規制しつつ、端子カバー(4,4A,4B)の筐体(1,1A,1B)へのねじ止めが不要になる、という利点がある。
第2〜第7の態様に係る構成は、配線器具(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。