JP2020009689A - ヒーターユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】充填材を用いずにカートリッジヒーターと金属製ブロックとを十分に熱接触させ、カートリッジヒーターの過度の温度上昇を抑制することができるヒーターユニットを提供する。【解決手段】ヒーターユニット1は、発熱部7を有するカートリッジヒーター3と、カートリッジヒーター3により加熱される金属製ブロック5と、を備えるものであって、金属製ブロック5は、発熱部7が挿入されるヒーター挿入部9と、ヒーター挿入部9に挿入された発熱部7を内壁に押し付けるヒーター押付部材11が挿入される押付部材挿入部13とを有する孔部15を備え、ヒーター押付部材11は、周壁に切欠き部17aが形成されて拡径可能な筒状の筒状楔子17と、筒状楔子17を拡径する楔子拡径部材19と、を有し、筒状楔子17が楔子拡径部材19を挿入されて拡径することで、発熱部7が押圧されて孔部15の内壁に押し付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、カートリッジヒーターが金属製ブロックに挿入されたヒーターユニットに関する。
小型冷凍機を用いた低温機器では、内部温度の調整のために、ヒーターを金属製ブロックに挿入したヒーターユニットを使用することが多く、必要とされる出力の大きさ、変化させる温度範囲(例えば-270℃〜+200℃)、施工環境(例えば、要求される真空度)、金属製ブロックの形状などによって、ヒーターの種類や、ヒーターと金属製ブロックとの取り付け方法を工夫してヒーターユニットの施工を行っている。
このようなヒーターユニットに用いられるヒーターの種類としては、例えば、フィルム状ヒーター、カートリッジヒーターがある。
フィルム状ヒーターは、金属製ブロックとの熱接触を向上させるため、充填材としてスタイキャスト等の樹脂を充填したり、グリース、インジウム等の柔らかい金属板を入れる等が行われている。しかしながら、高真空以上が要求される場合や昇温させる上限温度が高い場合においては、上記の樹脂や金属板の使用が制限される場合もある。また、高出力を必要とする場合にはフィルム状ヒーターのサイズを大きくすることを要し、施工上の困難さも大きくなる。さらには、極低温から高温までの温度変化を繰り返す中でフィルム状ヒーターと金属製ブロックとの接触状態が悪くなることもある。
そこで、高出力が必要で、設置環境が許せば、比較的信頼性が高く施工も容易なカートリッジヒーターを使用することが多い。
カートリッジヒーターを使用したヒーターユニットにおいては、大気中や液体中では、仕様上推奨されるクリアランスで金属製ブロックに空けた挿入孔にカートリッジヒーターを挿入することにより問題なく使用することができる。また、カートリッジヒーターと挿入孔との隙間にグリースやスタイキャスト等の充填材を入れることで熱接触を向上させて使用することが多い。
例えば、特許文献1には、カートリッジ型ヒーターを型部材に取付けるに当たり、当該型部材にカートリッジ型ヒーターよりもわずかに大きい直径の長穴を穿け、該長穴内にカートリッジ型ヒーターを挿入するとともに、前記長穴内のヒーターのまわりに形成された空隙に導伝材料を充填する技術が開示されている。
また、カートリッジヒーターと挿入孔との隙間に充填材が使用できない場合では、空間が許せば金属製ブロックでヒーターを挟み込みネジで固定するような方法で取り付けると信頼性は高くなる。しかしならが、空間等の制約でカートリッジヒーターを挟み込む構造にできない場合や、挿し込みでの施工で隙間に入れる充填材の融点以上に温度を上げる必要がある場合、あるいは、要求される真空度により充填材が使えない場合がある。
そこで、金属製ブロックにできる限りカートリッジヒーターの直径に近い大きさの挿入孔を設け、当該挿入孔に充填材を用いずにカートリッジヒーターを挿し込むような施工がされたヒーターユニットが用いられている。
特開昭58−185210号公報
上述のとおり、小型冷凍機を用いた低温機器においては、内部温度の調整のためにヒーターユニットを使用することが多いが、温度制御範囲が-270℃から+200℃と広い場合があること、通常、ヒーターユニットは真空中に設置されるため、ヒーターユニットの施工方法が悪いと加熱対象に効率的に熱を伝えることができず、カートリッジヒーター自身の温度が過度に上昇しすぎることで、寿命の減少や焼き切れ等のトラブルが発生し、品質管理上の問題があった。
このようなトラブルは、金属製ブロックに設けた挿入孔にカートリッジヒーターを単に挿入したヒーターユニットにおいては、長期間使用すると、カートリッジヒーターに断線が発生する事象に起因するものであった。例えば、ヒーターユニットを制御する温度を最大200℃とし、カートリッジヒーターの推奨温度(表面)約800℃からは十分に低い条件で使用しても、上記事象が発生する場合があった。この発生原因は、金属製ブロックの挿入孔にカートリッジヒーターを差し込む施工では、カートリッジヒーターと金属製ブロックとの間で十分な熱接触が取れず、通電時にカートリッジヒーターの発熱体であるヒーター線(例えば、ニクロム線)の温度が過度に高くなり過ぎたためであった。
したがって、充填材を使用しない場合であってもカートリッジヒーターと金属製ブロックとの間に十分な熱接触を取り、真空環境下で長期間使用しても、通電時にカートリッジヒーターの発熱部の温度が適正となるヒーターユニットが望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、充填材を用いずにカートリッジヒーターと金属製ブロックとの間に十分な熱接触が得られるヒーターユニットを提供することを目的とする。
(1)本発明に係るヒーターユニットは、発熱体が金属管で覆われた発熱部を有するカートリッジヒーターと、該カートリッジヒーターの発熱部が挿入されて加熱される金属製ブロックと、を備えるものであって、前記金属製ブロックは、前記発熱部が挿入されるヒーター挿入部と、該ヒーター挿入部に挿入された前記発熱部を内壁に押し付けるヒーター押付部材が挿入される押付部材挿入部とを有する孔部を備え、前記ヒーター押付部材は、周壁を切り欠いた切欠き部が少なくとも一つ形成されて拡径可能な筒状の筒状楔子と、該筒状楔子に挿入されて該筒状楔子を拡径する楔子拡径部材と、を有し、該楔子拡径部材が前記筒状楔子に挿入されて該筒状楔子が拡径し、該拡径した筒状楔子が前記発熱部を押圧し、該発熱部が前記孔部の内壁に押し付けられていることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記発熱部と前記筒状楔子は、外周面に弧状面部を有し、前記ヒーター挿入部と前記押付部材挿入部には、前記発熱部と前記筒状楔子の弧状面部に沿う湾曲面部が形成されていることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記筒状楔子は、内面に雌ねじが形成された雌ねじ部を有すると共に、前記発熱部を押圧する部位に平面部を備えてなり、前記楔子拡径部材は、前記筒状楔子の雌ねじ部に螺合して前記筒状楔子を拡径する雄ねじ部を備えてなり、前記孔部は、前記発熱部と前記筒状楔子を挿入して該筒状楔子の雌ねじ部に前記楔子拡径部材の雄ねじ部を螺合するときに、前記平面部が前記発熱部に当接して前記筒状楔子が回り止めされる孔径に設定されていることを特徴とするものである。
(4)上記(3)に記載のものにおいて、前記筒状楔子は、前記平面部における前記楔子拡径部材が挿入される挿入開始端側に、表面が凹んだ段差部を有し、該段差部は、前記発熱部と前記筒状楔子を前記孔部に挿入し、かつ該筒状楔子の前記挿入開始端側のみに前記楔子拡径部材が螺合されている状態において、前記発熱部を押圧しないように形成されていることを特徴とするものである。
(5)上記(3)又は(4)に記載のものにおいて、前記楔子拡径部材は、先端側に縮径部を有し、該縮径部のみが前記筒状楔子に螺合されている状態において、該筒状楔子は拡径しないことを特徴とするものである。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、真空環境下で使用されることを特徴とするものである。
本発明においては、充填材を用いずにカートリッジヒーターと金属製ブロックとを十分に熱接触させ、カートリッジヒーターの過度の温度上昇を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るヒーターユニットの構成を説明する図である((a)上面図、(b)断面図、(c)筒状楔子)。 本発明の実施の形態に係るヒーターユニットにおいて、カートリッジヒーターの発熱部の径と、筒状楔子の径と、金属製ブロックに設けられた孔部の孔径とが満たす望ましい関係を説明する図である((a)発熱部、(b)筒状楔子、(c)孔部)。 本発明の実施形態に係るヒーターユニットの構成の他の態様を説明する図である((a)上面図、(b)断面図)。 本発明に実施の形態に係るヒーターユニットにおけるカートリッジヒーターの配置と筒状楔子の形状を例示する図である。 本発明の比較対象とした比較例に係るヒーターユニットを説明する図である。 本発明の実施例に係る実験の装置構成を示す図である。 本発明の実施例で使用したカートリッジヒーターのヒーター抵抗値と温度の関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るヒーターユニットに用いた銅製ブロックの形状を示す図である((a)上面図、(b)A−A断面図)。 本発明の実施例1に係るヒーターユニットに用いた筒状楔子の形状を示す図である((a)上面図、(b)A−A断面図、(c)斜視図)。 本発明の実施例1と比較例に係るヒーターユニットを用いた実験で得られたヒーター抵抗値と銅製ブロックの温度変化を示すグラフである。 本発明の実施例1に係るヒーターユニットにおいて金属製ブロックとして用いた銅製ブロックの形状を示す図である((a)上面図、(b)A−A断面図)。 本発明の実施例3で使用した装置を説明する図である。
本発明の実施の形態に係るヒーターユニット1は、図1に示すように、2つのカートリッジヒーター3と、金属製ブロック5と、を備えるものであって、金属製ブロック5は、2つのカートリッジヒーター3の各発熱部7が挿入される2つのヒーター挿入部9と、ヒーター押付部材11が挿入される押付部材挿入部13を有する孔部15を備え、ヒーター押付部材11は、筒状楔子17と楔子拡径部材19を有するものである。以下、上記の各構成について説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能や構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示されている場合があるが、各構成要素の寸法や比率などが実際と同じであるとは限らない。
カートリッジヒーター3は、発熱体が金属管で覆われた発熱部7を有するものであり、発熱部7の端部にはリード線21が接続されている。カートリッジヒーター3としては、例えば、発熱部7の発熱体にニクロム線を用いたものを用いることができ、リード線21を介してニクロム線に電流を流すことで発熱部7が発熱される。
金属製ブロック5は、カートリッジヒーター3により加熱されるものであり、カートリッジヒーター3の発熱部7が挿入されるヒーター挿入部9と、ヒーター挿入部9に挿入された発熱部7を内壁に押し付けるヒーター押付部材11が挿入される押付部材挿入部13とを有する孔部15を備えている。
なお、金属製ブロック5は、熱伝導性に優れている金属材料を加工したものが好ましく、特に、純銅を加工した銅製ブロックが好ましい。
ヒーター押付部材11は、周壁を切り欠いた切欠き部17aが形成されて拡径可能な筒状の筒状楔子17と、筒状楔子17に挿入されて筒状楔子17を拡径する楔子拡径部材19と、を有するものであり、金属製ブロック5の押付部材挿入部13に挿入されている。
筒状楔子17は、図1(b)及び(c)に示すように、内面に雌ねじが形成された雌ねじ部17bを有すると共に、カートリッジヒーター3の発熱部7を押圧する部位に平面部17cを備えてなる。
また、楔子拡径部材19は、図1(b)に示すように、筒状楔子17の雌ねじ部17bに螺合して筒状楔子17を拡径する雄ねじ部19aを備えてなる。
そして、筒状楔子17の雌ねじ部17bと楔子拡径部材19の雄ねじ部19aの径は、雄ねじ部19aが雌ねじ部17bに螺合され、かつ螺合したときに筒状楔子17が拡径するように、適宜設定されている。
なお、筒状楔子17は、図1(c)に示すように、平面部17cにおける楔子拡径部材19が挿入される挿入開始端17e側に、表面が径方向内側に凹んだ段差部17fを有し、段差部17fは、発熱部7と筒状楔子17が孔部15に挿入され、かつ筒状楔子17の挿入開始端17e側のみに楔子拡径部材19が螺合されている状態において、段差部17fが発熱部7を押圧しないように形成されている。
また、本実施の形態に係るヒーターユニット1において、発熱部7と筒状楔子17は、図2に示すように、外周面に弧状面部7aと弧状面部17dをそれぞれ有する。そして、ヒーター挿入部9には、発熱部7の弧状面部7aに沿うように湾曲面部9aが形成され、押付部材挿入部13には筒状楔子17の弧状面部17dが沿うように湾曲面部13aが形成されている。
そして、湾曲面部9aと湾曲面部13aとが形成された孔部15は、図1及び図2に示すように、ヒーター挿入部9と押付部材挿入部13をともに丸穴とし、ヒーター挿入部9の丸穴の一部に押付部材挿入部13の丸穴が重なり、かつヒーター挿入部9の中心と押付部材挿入部13の中心が一列に配置されるように形成されている。
このように、ヒーター挿入部9と押付部材挿入部13を丸穴としたとき、それぞれの穴径は、発熱部7と筒状楔子17の径に合わせて設定すればよく、例えば、発熱部7とヒーター挿入部9との隙間は、カートリッジヒーター3について推奨されているクリアランスにすればよい。
さらに、本実施の形態に係るヒーターユニット1において、ヒーター挿入部9に挿入される発熱部7の直径D1、押付部材挿入部13に挿入される筒状楔子17の長径d1(弧状面部17dにおける直径)及び短径d2(平面部17cにおける直径)、及び孔部15の孔径Aは、以下の関係を満たすように設定されている(図2参照)。
2D1+d2<A
A<2D1+d1
次に、本実施の形態に係るヒーターユニット1による作用効果について説明する。
ヒーターユニット1においては、金属製ブロック5の孔部15におけるヒーター挿入部9と押付部材挿入部13のそれぞれに、カートリッジヒーター3の発熱部7とヒーター押付部材11の筒状楔子17とが挿入されている。
そして、筒状楔子17の雌ねじ部17bに楔子拡径部材19の雄ねじ部19aを螺合するときに、平面部17cが発熱部7に当接することで筒状楔子17が回り止めされながら筒状楔子17が拡径する。これにより、平面部17cが発熱部7を押圧し、発熱部7を孔部15の内壁に強く押し付けることができるので、発熱部7と内壁との熱接触を向上させることができ、カートリッジヒーター3の発熱部7の温度が過度に上昇することを抑制できる。
このように、ヒーターユニット1は、熱接触を向上させるためにグリース等の充填材を用いなくても、発熱部7と金属製ブロックとの熱接触を向上させることができるので、真空環境下(本発明において、「真空環境」とは、大気圧以下から10-5Pa程度までの高真空のことをいう。)であっても使用することができる。
また、ヒーターユニット1においては、発熱部7、筒状楔子17及び孔部15それぞれの寸法が上記のとおり適宜設定されているため(図2参照)、筒状楔子17の平面部17cにより筒状楔子17を回り止めしながら、楔子拡径部材19を筒状楔子17に螺合させて拡径させることができる。
さらに、ヒーター挿入部9と押付部材挿入部13のそれぞれに形成した湾曲面部9aと湾曲面部13aは、発熱部7と筒状楔子17を孔部15に挿入する際のガイドとなり、所定の位置であるヒーター挿入部9と押付部材挿入部13に容易に挿入することができる。
また、筒状楔子17の平面部17cには段差部17fが形成されており、筒状楔子17と楔子拡径部材19とが螺合している状態であっても該螺合している部位にて筒状楔子17を拡径しないようにすることができるため、楔子拡径部材19を筒状楔子17に螺合させたまま、筒状楔子17を孔部15から取り出すことができる。
これにより、ヒーターユニット1が狭い空間に設置されている場合であっても、筒状楔子17を引き抜くことができ、カートリッジヒーター3を取り外して交換することができる。なお、この点に関しては、後述する実施例3において実証されている。
なお、上記の説明において、孔部15は、ヒーター挿入部9の丸穴の一部に押付部材挿入部13の丸穴が重なる形状のものであったが、本発明は、孔部の形状がこれに限定されるものではなく、発熱部と筒状楔子が挿入され、かつ、筒状楔子の拡径により発熱部が孔部の内壁に押し付けられる形状であればよく、例えば、長穴形状や楕円形状であってもよい。
また、筒状楔子17は、楔子拡径部材19が螺合している状態であっても段差部17fにおいては拡径させないようにするものであったが、本発明は、楔子拡径部材19の先端側に縮径部(図示なし)を有するものとしてもよい。この場合、該縮径部のみが筒状楔子17の挿入開始端17e側に螺合している状態において、筒状楔子17が拡径しないよう当該縮径部の径に形成すればよい。これにより、筒状楔子17の平面部17cに段差部17fを設けた場合と同様、楔子拡径部材19を筒状楔子17に螺合させたまま、筒状楔子17を孔部15から取り出すことができる。
さらに、上記の説明は、2本のカートリッジヒーター3により金属製ブロック5を加熱するヒーターユニット1についてのものであったが、本発明は、金属製ブロックを加熱するためのカートリッジヒーターの個数を限定するものではない。例えば、後述する実施例1で示すように、1つのカートリッジヒーターを使用するもの(図3参照)や、図4に示すように、3つ以上のカートリッジヒーターを使用するものであってもよい。複数のカートリッジヒーターを使用する場合においては、金属製ブロックを加熱する際のカートリッジヒーター1個あたりの負荷が小さくなるため、カートリッジヒーターの過熱を防ぎつつ高出力が必要な場合には有効である。
そして、複数のカートリッジヒーターの発熱部7を金属製ブロック5に挿入する場合にあっては、図4に例示するように、筒状楔子17に設ける切欠き部17aの個数と位置を適宜設定してもよい。
図4(a)は、4つの発熱部7が正方形の四隅に相当する位置に配置され、その中央に筒状楔子27が挿入されている場合であり、筒状楔子27の周壁には周方向に2つの切欠き部27aが形成されている。そして、筒状楔子27が拡径すると、切欠き部27aにより2つに分割された周壁の各部位は2つの発熱部7を押圧する。
また、図4(b)は、4つの発熱部7が正方形の四隅に相当する位置に配置され、その中央に筒状楔子29が挿入されている場合であり、筒状楔子29の周壁には周方向に4つの切欠き部29aが形成されている。そして、筒状楔子29が拡径すると、切欠き部29aにより4つに分割された周壁の各部位は1つの発熱部7を押圧する。
さらに、図4(c)は、3つの発熱部7が正三角形の頂点に相当する位置に配置され、その中央に筒状楔子31が挿入されている場合であり、筒状楔子31の周壁には周方向に3つの切欠き部31aが形成されている。そして、筒状楔子31が拡径すると、切欠き部31aにより3つに分割された周壁の各部位は、1つの発熱部7を押圧する。
このように、筒状楔子により押圧する発熱部の個数と配置に応じて、筒状楔子の周壁に設ける切欠き部の個数と位置を設定することで、1つの筒状楔子であってもこれを拡径したときに複数の発熱部を均等に押圧することができる。
もっとも、本発明は、複数のカートリッジヒーターの発熱部を1つの筒状楔子で押圧するものに限定されるわけではない。例えば、複数のカートリッジヒーター毎に筒状楔子が設置されているものとしてもよい。
また、筒状楔子17の周壁に1つの切欠き部を形成する場合にあっては、図1(c)に示すように、楔子拡径部材19の挿入開始端17eの反対側の端部では周壁がつながったままとなるように切欠き部17aが形成されているものに限らず、筒状楔子の軸方向の全長にわたって切り欠いた切欠き部(図示なし)を形成してもよい。
さらには、図4に示すように、周壁の周方向に2つ以上の切欠き部を設けた筒状楔子は、挿入開始端と反対側の端部がつながった切欠き部が形成されたものや、挿入開始端側とその反対側の端部とで互い違いに切欠き部が形成されたものとしてもよい。
なお、筒状楔子の材質としては、真鍮、若しくは銅合金、アルミ合金など、純銅よりも硬く、比較的熱伝導が良いものを選定することが好ましい。これにより、発熱部の伝熱性能を向上させることができる。また、筒状楔子の径は、カートリッジヒーターの発熱部の径と同程度にすることが望ましい。
また、楔子拡径部材の材質としては、SUS304若しくはSUS316などオースティナイト系のものを用いることが好ましい。そして、楔子拡径部材に雄ねじ部を設けた場合、雄ねじ部は筒状楔子の径よりも数mm程度小さい径とする。
さらに、上記の説明は、楔子拡径部材に設けた雄ねじ部を筒状楔子の雌ねじ部に螺合させて筒状楔子を拡径するものであった。もっとも、先端から手元側に向かって徐々に拡径する棒状の楔子拡径部材を筒状楔子に挿入して該筒状楔子を拡径するものであっても、拡径した筒状楔子により発熱部が押圧されて孔部の内壁に押し付けることができる。この場合、筒状楔子は雌ねじ部を有するものでなくてもよく、楔子拡径部材が雄ねじ部を有する場合において、筒状楔子は雌ねじ部を有するものとすればよい。
また、上記の説明において、筒状楔子17は発熱部7に当接する部位に平面部17cが設けられたものであったが、本発明は、金属製ブロックの押付部材挿入部に挿入された状態で楔子拡径部材を挿入して筒状楔子を拡径できるものであれば、筒状楔子の外周面に平面部を設けずに発熱部を押圧するものとしてもよい。
本発明に係るヒーターユニットの作用効果を確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
(比較例)
本発明に係るヒーターユニットの比較対象として、図5に示すヒーターユニット33を用いて実験を行った。
ヒーターユニット33は、金属製ブロックとして直径φ45mm、全長65mmの銅製ブロック35に、ヒーター挿入部37として直径φ9.38mmの穴を開け、ヒーター挿入部37にカートリッジヒーター3(発熱体:ニクロム線、WATLOW社製ファイヤーロッドカートリッジヒーター、直径φ9.35mm)の発熱部7を挿入して作製したものである。
実験は、図6に示す装置構成で行った。まず、定電流電源装置41によりカートリッジヒーター3に定電流(=2A)を連続して印加し、発熱体であるニクロム線の抵抗値(以下、「ヒーター抵抗値」という。)の変化と、銅製ブロック35の温度を求めた。ヒーター抵抗値は、電圧計43により測定した電圧と、発熱体に印加した電流から算出し、銅製ブロック35の温度は、銅製ブロック35に設置した温度センサー45の出力を温度表示計47により測定した。
なお、温度センサー45により測定される温度は銅製ブロック35の温度であり、発熱部7の温度とは異なる。また、発熱部7のヒーター抵抗値は、図7に示すように、発熱体であるニクロム線自体の温度により変化する特性を有する。
すなわち、ニクロム線の温度上昇とともにヒーター抵抗値は上昇して約790K(約500℃)近傍で極大値を示し、その後、ヒーター抵抗値は一旦減少して約1070K(約800℃)から再び上昇する。このようなヒーター抵抗値の温度依存性は、ニクロム線自体の特性であり、カートリッジヒーター個体毎の差異は無いと考えられる。
そこで、図6示す装置構成での実験により求めたヒーター抵抗値と、図7に示すヒーター抵抗値とニクロム線温度の関係から、発熱部7の温度を推算した。なお、図7の縦軸に示すヒーター抵抗値は、極大値で規格化したものである。
(実施例1)
本発明に係るヒーターユニットとして、図3に示すヒーターユニット23を用いて実験を行った。
ヒーターユニット23は、図8に示すように、直径φ45mm、全長65mmの円筒状の銅製ブロック25に、ヒーター挿入部9として直径φ9.38mmの丸穴と押付部材挿入部13として直径φ6mmの丸穴を開け、ヒーター挿入部9にカートリッジヒーター3(発熱体:ニクロム線、WATLOW社製ファイヤーロッドカートリッジヒーター、直径φ9.35mm)を挿入し、かつ、押付部材挿入部13に図9に示す筒状楔子17を挿入し、筒状楔子17を拡径して発熱部7を楔止したものである。
そして、前述の比較例と同様、図6に示す装置構成で実験を行い、定電流電源装置41によりカートリッジヒーター3に2Aを連続して印加したときのヒーター抵抗値の変化と、銅製ブロック25の温度を求めた。さらに、求めたヒーター抵抗値から、発熱部7の温度を推算した。
(評価)
比較例1に係るヒーターユニット33と実施例1に係るヒーターユニット23を用いた実験により求めた銅製ブロックの温度とヒーター抵抗値の結果を図10に示す。図10において、横軸は、カートリッジヒーターの加熱開始からの経過時間、左軸は、極大値で規格化したヒーター抵抗値、右軸は、銅製ブロックの温度である。また、図10中には、ヒーター抵抗値が極大値及び極小値における発熱部の温度を示している。
図10に示すように、比較例1(図10中の○と△のプロット)では、カートリッジヒーター3に定電流を流した後のヒーター抵抗値は、極大値を示し、このときの発熱部の温度は約790K(約520℃)であるのに対し、銅製ブロックの温度は約350K(約80℃)程度であった。また、ヒーター抵抗値は、極大値を示した後は低下して極小値となり、その後、再び上昇した。ヒーター抵抗値が極小値を示したとき、発熱部の温度は約1070K(800℃)であるのに対し、銅製ブロック35の温度は約580Kであった。これより、発熱部7の温度と銅製ブロック35の温度との間には約500Kの温度差が生じ、発熱部7と銅製ブロック35との間で十分な熱接触が得られていないことを示している。
一方、実施例1(図10中の●、▲のプロット)では、ヒーター抵抗値が極大値を示すときの発熱部の温度は790K程度であるのに対し、銅製ブロックの温度が約550Kであった。この結果から、実施例1では、筒状楔子17により発熱部7が孔部15の内壁を押し付けられることにより、発熱部7と銅製ブロック25の温度差が250K程度まで低下し、熱接触が向上していることがわかる。
さらに、図10における実施例1の結果から、カートリッジヒーター3に印加する最大の電流出力を2Aとし、銅製ブロック25の温度を500K以下となるように制御すれば、カートリッジヒーター3の仕様温度の上限(約800℃)を越えることなく使用できることが示唆され、カートリッジヒーター3の断線のリスク低減と長寿命化が実現できることが示された。
(実施例2)
実施例2では、図1に示すヒーターユニット1を用いて実験を行った。ここで、ヒーターユニット1における金属製ブロック5としては、図11に示す形状の銅製ブロック49を用い、2つのヒーター挿入部9に2つのカートリッジヒーター3の発熱部7をそれぞれ挿入した。さらに、押付部材挿入部13には、実施例1と同様、図9に示す形状の筒状楔子17を挿入した。
実験は、図6に示す装置構成で行い、銅製ブロック49の温度とヒーター抵抗値をそれぞれ求めた。その結果、カートリッジヒーター3を2つ挿入した場合であっても、筒状楔子17により発熱部と金属製ブロックとの熱接触が向上し、実施例1と同等の結果が得られた。
さらに、ヒーターユニット1においても、銅製ブロック49の温度が500Kとなるように制御することで、カートリッジヒーター3の仕様温度の上限を越えずに銅製ブロック49を加熱できることが示された。これにより、本発明に係るヒーターユニットは、複数のカートリッジヒーターを銅製ブロックに挿入した場合であっても、カートリッジヒーター断線のリスク低減と長寿命化を実現できる。
(実施例3)
実施例2に係るヒーターユニット1を、図12に示す装置51に装着した状態で、筒状楔子17の引き抜き、カートリッジヒーター3の交換が可能かどうかを検証した。装置51は、冷凍機に用いられるものであって、一端側にフランジ53が設けられた有底形状の外管55と、フランジ53を貫通して外管55の内側に挿入されたSUS304製の保持パイプ57とを有する二重管構造であり、保持パイプ57は、その底部にヒーターユニット1が設置されると共に、内側に配管59が挿入されている。
このような装置51においては、ヒーターユニット1を狭い空間に取付けることを要する。しかし、ヒーターユニット1は、銅製ブロック49に挿入された筒状楔子17を拡径する楔子拡径部材19を、筒状楔子17の段差部17fに相当する部位のみが螺合している状態とすることで、発熱部7に対する筒状楔子17の押圧を軽減し、筒状楔子17を引き抜くことができ、カートリッジヒーター3の交換をすることができた。
以上より、本発明に係るヒーターユニットにおいては、手が届かないような狭い場所に取付けられた場合であっても、筒状楔子を引き抜くことができ、カートリッジヒーターを交換できることが実証された。
1 ヒーターユニット
3 カートリッジヒーター
5 金属製ブロック
7 発熱部
7a 弧状面部
9 ヒーター挿入部
9a 湾曲面部
11 ヒーター押付部材
13 押付部材挿入部
13a 湾曲面部
15 孔部
17 筒状楔子
17a 切欠き部
17b 雌ねじ部
17c 平面部
17d 弧状面部
17e 挿入開始端
17f 段差部
19 楔子拡径部材
19a 雄ねじ部
21 リード線
23 ヒーターユニット
25 銅製ブロック
27 筒状楔子
27a 切欠き部
29 筒状楔子
29a 切欠き部
31 筒状楔子
31a 切欠き部
33 ヒーターユニット
35 銅製ブロック
37 ヒーター挿入部
41 定電流電源装置
43 電圧計
45 温度センサー
47 温度表示計
49 銅製ブロック
51 装置
53 フランジ
55 外管
57 保持パイプ
59 配管

Claims (6)

  1. 発熱体が金属管で覆われた発熱部を有するカートリッジヒーターと、該カートリッジヒーターの発熱部が挿入されて加熱される金属製ブロックと、を備えるヒーターユニットであって、
    前記金属製ブロックは、前記発熱部が挿入されるヒーター挿入部と、該ヒーター挿入部に挿入された前記発熱部を内壁に押し付けるヒーター押付部材が挿入される押付部材挿入部とを有する孔部を備え、
    前記ヒーター押付部材は、周壁を切り欠いた切欠き部が少なくとも一つ形成されて拡径可能な筒状の筒状楔子と、該筒状楔子に挿入されて該筒状楔子を拡径する楔子拡径部材と、を有し、
    該楔子拡径部材が前記筒状楔子に挿入されて該筒状楔子が拡径し、該拡径した筒状楔子が前記発熱部を押圧し、該発熱部が前記孔部の内壁に押し付けられていることを特徴とするヒーターユニット。
  2. 前記発熱部と前記筒状楔子は、外周面に弧状面部を有し、前記ヒーター挿入部と前記押付部材挿入部には、前記発熱部と前記筒状楔子の弧状面部に沿う湾曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のヒーターユニット。
  3. 前記筒状楔子は、内面に雌ねじが形成された雌ねじ部を有すると共に、前記発熱部を押圧する部位に平面部を備えてなり、
    前記楔子拡径部材は、前記筒状楔子の雌ねじ部に螺合して前記筒状楔子を拡径する雄ねじ部を備えてなり、
    前記孔部は、前記発熱部と前記筒状楔子を挿入して該筒状楔子の雌ねじ部に前記楔子拡径部材の雄ねじ部を螺合するときに、前記平面部が前記発熱部に当接して前記筒状楔子が回り止めされる孔径に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヒーターユニット。
  4. 前記筒状楔子は、前記平面部における前記楔子拡径部材が挿入される挿入開始端側に、表面が凹んだ段差部を有し、
    該段差部は、前記発熱部と前記筒状楔子を前記孔部に挿入し、かつ該筒状楔子の前記挿入開始端側のみに前記楔子拡径部材が螺合されている状態において、前記発熱部を押圧しないように形成されていることを特徴とする請求項3記載のヒーターユニット。
  5. 前記楔子拡径部材は、先端側に縮径部を有し、該縮径部のみが前記筒状楔子に螺合されている状態において、該筒状楔子は拡径しないことを特徴とする請求項3又は4に記載のヒーターユニット。
  6. 真空環境下で使用されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヒーターユニット。
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