JP2020032542A - カビ繁殖抑制部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗微生物薬を用いずにカビの繁殖を抑制することができ、簡便な方法で大量生産が可能なカビ繁殖抑制部材を提供する。
【解決手段】凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下、短径φ2が100μm以上1500μm以下で長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接凹部間距離の平均DAVGが110μm以上3000μm以下で、前記凹部の開口面積が開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、前記凹部の内面に複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は幅wが0.1μm以上20μm以下、高さhが0.1μm以上100μm以下で、隣接微小突起間距離の平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、前記凹部の内面のSaが1μm以上50μm以下である、カビ繁殖抑制部材。
【選択図】図1
【解決手段】凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下、短径φ2が100μm以上1500μm以下で長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接凹部間距離の平均DAVGが110μm以上3000μm以下で、前記凹部の開口面積が開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、前記凹部の内面に複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は幅wが0.1μm以上20μm以下、高さhが0.1μm以上100μm以下で、隣接微小突起間距離の平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、前記凹部の内面のSaが1μm以上50μm以下である、カビ繁殖抑制部材。
【選択図】図1
Description
本発明は、カビ繁殖抑制部材に関する。
浴室やキッチン等の水回り設備や、収納スペース等の通気性の悪い場所では、カビが繁殖しやすく、衛生上の観点等からカビの繁殖の抑制が求められる。従来、カビの繁殖を抑制するためには、防カビ剤を用いた方法が提案されている。例えば本出願人は、特許文献1において、基材上に防カビ剤を含有する発泡剤含有樹脂層を有する積層シートを開示している。
また、特許文献2には、室内空間のような微弱光下においても、高い防汚性と高い抗菌性及び抗ウイルス性とを両立させることを目的とした材料として、撥水性樹脂バインダーと、光触媒材料と、亜酸化銅とを含有し、前記光触媒材料と前記亜酸化銅とが複合化している撥水性光触媒組成物及びその塗膜が開示されている。
一方、特許文献3には、基板の面上に複数の隆起構造を備え、当該隆起構造の遠位端の幅が約50μm未満である抗菌性表面を有する物品が開示されている。
また、本出願人は、特許文献4において、隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGが50nm以上500nm以下である、いわゆるモスアイ構造を有する微細凹凸面で、カビの繁殖が抑制されることを開示している。
一方、特許文献3には、基板の面上に複数の隆起構造を備え、当該隆起構造の遠位端の幅が約50μm未満である抗菌性表面を有する物品が開示されている。
また、本出願人は、特許文献4において、隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGが50nm以上500nm以下である、いわゆるモスアイ構造を有する微細凹凸面で、カビの繁殖が抑制されることを開示している。
しかしながら、防カビ剤等の抗微生物薬の使用量が増大していくにつれ、その薬剤が効かない微生物が発生するという問題が生じており、防カビ剤等の抗微生物薬を用いずにカビの繁殖を抑制する手段が求められている。
一方、特許文献3に記載されている隆起構造は、遠位端の幅が約50μm未満のハニカム状やレンガ状等のものであり、フォトリソグラフィや電着により形成されるため、製造コストが高く、大量生産には不向きである。
特許文献4に開示する微細凹凸面では、肉眼でのカビの発育は認められない又はほとんど認められない程度にカビの繁殖を抑制できるものの、顕微鏡観察においても確認できない程度にまでカビの繁殖を抑制することは困難である。
一方、特許文献3に記載されている隆起構造は、遠位端の幅が約50μm未満のハニカム状やレンガ状等のものであり、フォトリソグラフィや電着により形成されるため、製造コストが高く、大量生産には不向きである。
特許文献4に開示する微細凹凸面では、肉眼でのカビの発育は認められない又はほとんど認められない程度にカビの繁殖を抑制できるものの、顕微鏡観察においても確認できない程度にまでカビの繁殖を抑制することは困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、抗微生物薬を用いずにカビの繁殖を抑制することができ、簡便な方法で大量生産が可能なカビ繁殖抑制部材を提供することを目的とする。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGが、110μm以上3000μm以下であり、
前記凹部の開口面積が、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、
前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、
前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が、1μm以上50μm以下である。
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGが、110μm以上3000μm以下であり、
前記凹部の開口面積が、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、
前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、
前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が、1μm以上50μm以下である。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造の平面視において、前記凹凸表面構造の全面積に対する前記凹部の面積占有率が、55%以上95%以下であることが、カビ繁殖抑制効果に優れる点から好ましい。
本発明によれば、抗微生物薬を用いずにカビの繁殖を抑制することができ、簡便な方法で大量生産が可能なカビ繁殖抑制部材を提供することができる。
以下、本発明に係るカビ繁殖抑制部材について詳細に説明する。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「同一」、「平行」、「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、この明細書における「平面視」とは、カビ繁殖抑制部材の凹凸表面構造を有する面に対し垂直方向から視認することを意味する。
また、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「同一」、「平行」、「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、この明細書における「平面視」とは、カビ繁殖抑制部材の凹凸表面構造を有する面に対し垂直方向から視認することを意味する。
また、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表す。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGが、110μm以上3000μm以下であり、
前記凹部の開口面積が、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、
前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、
前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が、1μm以上50μm以下である。
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGが、110μm以上3000μm以下であり、
前記凹部の開口面積が、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、
前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、
前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が、1μm以上50μm以下である。
図1は、本発明のカビ繁殖抑制部材の一例を模式的に示す概略平面図であり、図2は、図1のA−A’断面を模式的に示す概略断面図である。図1及び図2に示す本発明のカビ繁殖抑制部材10は、凸部1に取り囲まれた凹部2が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、図1の平面図に示されるように、カビ繁殖抑制部材10が有する凹凸表面構造の平面視において、凹部2の開口部の形状は菱形であり、複数の凹部2が規則的に配置されている。また、図2の断面図に示されるように、カビ繁殖抑制部材10は、基材3の一方の面に微細凹凸層4を備え、微細凹凸層4の表面に、凸部1に取り囲まれた凹部2が複数配置されてなる凹凸表面構造を有する。
図3は、図1とは異なる本発明のカビ繁殖抑制部材の具体例を示す概略平面図である。カビ繁殖抑制部材10aは、凸部1aに取り囲まれた凹部2aが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2aの開口部の平面視形状は六角形であり、複数の凹部2aが規則的に配置されている。カビ繁殖抑制部材10bは、凸部1bに取り囲まれた凹部2bが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2bの開口部の平面視形状は長方形であり、複数の凹部2bが規則的に配置されている。カビ繁殖抑制部材10cは、凸部1cに取り囲まれた凹部2cと、凸部1cに取り囲まれた凹部2dとが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2cの開口部の平面視形状は平行四辺形であり、凹部2dの開口部の平面視形状は三角形であり、複数の凹部2cと複数の凹部2dとが規則的に配置されている。
図3は、図1とは異なる本発明のカビ繁殖抑制部材の具体例を示す概略平面図である。カビ繁殖抑制部材10aは、凸部1aに取り囲まれた凹部2aが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2aの開口部の平面視形状は六角形であり、複数の凹部2aが規則的に配置されている。カビ繁殖抑制部材10bは、凸部1bに取り囲まれた凹部2bが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2bの開口部の平面視形状は長方形であり、複数の凹部2bが規則的に配置されている。カビ繁殖抑制部材10cは、凸部1cに取り囲まれた凹部2cと、凸部1cに取り囲まれた凹部2dとが複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、凹部2cの開口部の平面視形状は平行四辺形であり、凹部2dの開口部の平面視形状は三角形であり、複数の凹部2cと複数の凹部2dとが規則的に配置されている。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材が、カビの繁殖を抑制する作用については未解明な部分もあるが、以下のように推定される。
通常、カビの胞子が基材等に付着すると、発芽して菌糸を発生する。菌糸は、通常直径1〜10μm程度の太さの糸状の構造を有し、基材表面を分枝しながら先端成長によって伸長する。菌糸が先端を伸ばす際には、菌糸先端でのアクチンの重合化、酵素の分泌、細胞の伸長等が周期的に起きており、菌糸がいくつかの段階的なステップを周期的に繰り返すことで徐々に成長することが近年明らかにされた。菌糸が十分に成長すると、多数ある先端のうち、一部の先端が生殖にかかわる構造、即ち胞子嚢柄や分生子柄を形成する。そして、当該構造から胞子が形成されて、カビが増殖する。
本発明のカビ繁殖抑制部材の表面に付着した胞子は、発芽して菌糸を発生するものの、菌糸の成長が阻害され、特に菌糸の分岐が抑制される。菌糸は、湿潤環境下で成長しやすく、より湿潤した環境を求めて伸長する傾向がある。また、表面が平坦な部材においては、湿度が高い状況下で表面に水滴が形成されると、ミリメートルオーダーの大きな水滴になる場合がある。一方、本発明のカビ繁殖抑制部材が備える凹凸表面構造においては、所定の大きさの凹部が複数配置されていることから、湿度が高く水滴が形成される条件下でも、水滴が大きく成長する前に、各凹部に水分が入り込み、ミリメートルオーダーの大きな水滴が部材表面に付着することが抑制される。部材表面に大きな水滴が付着していないために、本発明のカビ繁殖抑制部材の表面で発生した菌糸は、凹部に入り込んでいる水分を求めて伸長していくと考えられる。しかし、凹部に入り込んでいる水分では栄養分として不十分である。更に、各凹部は、開口面積が凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少する形状を有することから、凹部の内面は少なくとも一部が斜面又は曲面であり、且つ凹部の内面に特定の微小突起群を備え、凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が特定の範囲内である。そのため、菌糸は凹部の内面に伸長すると、特定の物理的刺激を受けると考えられる。凹部に入り込んだ菌糸は、水分が不足した環境下で、特定の物理的刺激を受けることにより、菌糸が先端を伸ばす際に周期的に起きる各ステップが妨げられることによって、菌糸の成長が阻害されると推定される。このようなことから、本発明のカビ繁殖抑制部材においては、菌糸の成長、特に、菌糸の分枝が抑制されることにより、菌糸の先端の数が増大せず、菌糸の先端において前記生殖にかかわる構造を形成することが抑制されることから、カビの繁殖が抑制されると推定される。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、一般にカビの繁殖に適するとされる条件(例えば、温度20℃以上30℃以下、湿度80%RH以上)においてもカビの繁殖を抑制する効果を発揮する。
また、従来、表面を超親水や超撥水とすることにより抗カビ効果を得ようとする技術があるが、従来の抗カビ用の超親水性又は超撥水性の表面は、少し汚染されただけで接触角が敏感に変化するため、超撥水面や超親水面を維持することは困難であった。本発明のカビ繁殖抑制部材は、上述の作用により、水の接触角によらず、カビの繁殖を抑制する効果を発揮する。
通常、カビの胞子が基材等に付着すると、発芽して菌糸を発生する。菌糸は、通常直径1〜10μm程度の太さの糸状の構造を有し、基材表面を分枝しながら先端成長によって伸長する。菌糸が先端を伸ばす際には、菌糸先端でのアクチンの重合化、酵素の分泌、細胞の伸長等が周期的に起きており、菌糸がいくつかの段階的なステップを周期的に繰り返すことで徐々に成長することが近年明らかにされた。菌糸が十分に成長すると、多数ある先端のうち、一部の先端が生殖にかかわる構造、即ち胞子嚢柄や分生子柄を形成する。そして、当該構造から胞子が形成されて、カビが増殖する。
本発明のカビ繁殖抑制部材の表面に付着した胞子は、発芽して菌糸を発生するものの、菌糸の成長が阻害され、特に菌糸の分岐が抑制される。菌糸は、湿潤環境下で成長しやすく、より湿潤した環境を求めて伸長する傾向がある。また、表面が平坦な部材においては、湿度が高い状況下で表面に水滴が形成されると、ミリメートルオーダーの大きな水滴になる場合がある。一方、本発明のカビ繁殖抑制部材が備える凹凸表面構造においては、所定の大きさの凹部が複数配置されていることから、湿度が高く水滴が形成される条件下でも、水滴が大きく成長する前に、各凹部に水分が入り込み、ミリメートルオーダーの大きな水滴が部材表面に付着することが抑制される。部材表面に大きな水滴が付着していないために、本発明のカビ繁殖抑制部材の表面で発生した菌糸は、凹部に入り込んでいる水分を求めて伸長していくと考えられる。しかし、凹部に入り込んでいる水分では栄養分として不十分である。更に、各凹部は、開口面積が凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少する形状を有することから、凹部の内面は少なくとも一部が斜面又は曲面であり、且つ凹部の内面に特定の微小突起群を備え、凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が特定の範囲内である。そのため、菌糸は凹部の内面に伸長すると、特定の物理的刺激を受けると考えられる。凹部に入り込んだ菌糸は、水分が不足した環境下で、特定の物理的刺激を受けることにより、菌糸が先端を伸ばす際に周期的に起きる各ステップが妨げられることによって、菌糸の成長が阻害されると推定される。このようなことから、本発明のカビ繁殖抑制部材においては、菌糸の成長、特に、菌糸の分枝が抑制されることにより、菌糸の先端の数が増大せず、菌糸の先端において前記生殖にかかわる構造を形成することが抑制されることから、カビの繁殖が抑制されると推定される。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、一般にカビの繁殖に適するとされる条件(例えば、温度20℃以上30℃以下、湿度80%RH以上)においてもカビの繁殖を抑制する効果を発揮する。
また、従来、表面を超親水や超撥水とすることにより抗カビ効果を得ようとする技術があるが、従来の抗カビ用の超親水性又は超撥水性の表面は、少し汚染されただけで接触角が敏感に変化するため、超撥水面や超親水面を維持することは困難であった。本発明のカビ繁殖抑制部材は、上述の作用により、水の接触角によらず、カビの繁殖を抑制する効果を発揮する。
(凹凸表面構造)
本発明のカビ繁殖抑制部材は、凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有する。前記凹凸表面構造における前記凹部は、その周囲全体が凸部に取り囲まれており、前記凸部の頂部を連ねた包絡面に比べて凹んだ部分が前記凹部である。前記凸部の頂部を連ねた包絡面は、前記凸部の頂部が平坦面である場合は、当該平坦面を連ねた包絡面であり、前記凸部の頂部が稜線を有する場合は、当該稜線を連ねた包絡面である。また、前記凹部の開口部の平面視形状は、開放端の無い輪郭を有する。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有する。前記凹凸表面構造における前記凹部は、その周囲全体が凸部に取り囲まれており、前記凸部の頂部を連ねた包絡面に比べて凹んだ部分が前記凹部である。前記凸部の頂部を連ねた包絡面は、前記凸部の頂部が平坦面である場合は、当該平坦面を連ねた包絡面であり、前記凸部の頂部が稜線を有する場合は、当該稜線を連ねた包絡面である。また、前記凹部の開口部の平面視形状は、開放端の無い輪郭を有する。
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たす。前記凹部の開口部の形状は、長径φ1及び短径φ2が前記範囲内であり、長径φ1≧短径φ2を満たす形状であれば、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、全ての内角が180度未満の多角形、楕円形又は円形であることが好ましい。なお、本発明において凹部の開口部の形状とは、前記凹凸表面構造を平面視した際の凹部の開口部の平面視形状である。
また、本発明において、長径φ1は、凹部の開口部の輪郭上の2点間の距離の最大値であり、短径φ2は、前記長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と凹部の開口部の輪郭との交点間の距離とする。
例えば、前記凹部の開口部の形状が、全ての内角が180度未満の多角形である場合、長径φ1は、三角形以外の多角形の場合は最大の対角線長となり、三角形の場合は最大の辺の長さとなる。
図4に、前記凹部の開口部の形状となり得る多角形の具体例において、それぞれ長径φ1と短径φ2を示す。図4に示すように、ひし形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、最小の対角線長である。長方形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、当該長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と長方形の輪郭との交点間の距離である。六角形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、当該長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と六角形の輪郭との交点間の距離である。三角形の場合、長径φ1は、最も長い辺の長さであり、短径φ2は、長径φ1を示す辺の中点を通る垂線と三角形の輪郭との交点間の距離である。また、図示はしないが、正方形の場合、長径φ1と短径φ2とは各々対角線長となり、同じ値になる。
また、本発明において、長径φ1は、凹部の開口部の輪郭上の2点間の距離の最大値であり、短径φ2は、前記長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と凹部の開口部の輪郭との交点間の距離とする。
例えば、前記凹部の開口部の形状が、全ての内角が180度未満の多角形である場合、長径φ1は、三角形以外の多角形の場合は最大の対角線長となり、三角形の場合は最大の辺の長さとなる。
図4に、前記凹部の開口部の形状となり得る多角形の具体例において、それぞれ長径φ1と短径φ2を示す。図4に示すように、ひし形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、最小の対角線長である。長方形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、当該長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と長方形の輪郭との交点間の距離である。六角形の場合、長径φ1は、最大の対角線長であり、短径φ2は、当該長径φ1を示す線分の中点を通る垂線と六角形の輪郭との交点間の距離である。三角形の場合、長径φ1は、最も長い辺の長さであり、短径φ2は、長径φ1を示す辺の中点を通る垂線と三角形の輪郭との交点間の距離である。また、図示はしないが、正方形の場合、長径φ1と短径φ2とは各々対角線長となり、同じ値になる。
前記長径φ1は、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることがより更に好ましく、一方、1000μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましい。
前記短径φ2は、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、一方、1000μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましい。
前記短径φ2は、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、一方、1000μm以下であることが好ましく、900μm以下であることがより好ましい。
また、各凹部において、開口部の長径φ1に対する開口部の短径φ2の比(φ2/φ1)は、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、0.3以上1.0以下であることが好ましく、0.4以上1.0以下であることがより好ましく、0.5以上1.0以下であることがより更に好ましい。
前記凹凸表面構造の平面視において、複数の凹部の開口部の形状は、同一であっても異なっていても良いが、生産効率の観点及びカビ繁殖抑制効果に優れる凹凸表面構造を容易に形成できる点から、同種の形状であることが好ましく、中でも同一の形状であることがより好ましい。
また、本発明のカビ繁殖抑制部材が備える凹凸表面構造において、各凹部の平面視配列は、規則的に配置されてなるものであっても、ランダムに配置されてなるものであってもよく、特に限定はされないが、規則的に配置されてなるものであることが、生産効率の観点及びカビ繁殖抑制効果に優れる凹凸表面構造を容易に形成できる点から好ましい。
本発明のカビ繁殖抑制部材において、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGは、110μm以上3000μm以下であれば特に限定はされないが、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、200μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、一方、1500μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましく、900μm以下であることがより更に好ましい。
なお、本発明においては、前記凹凸表面構造を有する領域を光学顕微鏡で平面視して、各凹部の開口部の平面視形状の重心を母点として該領域をボロノイ分割した際に、ある1つの凹部のボロノイ領域に隣接するボロノイ領域に属する凹部を、該凹部と隣接する凹部と定義する。隣接する凹部間の距離Dは、凹凸表面構造を光学顕微鏡で平面視した際に、ある1つの凹部の開口部の平面視形状の重心から、当該凹部に隣接する凹部の開口部の平面視形状の重心までの距離とする。隣接する凹部間の距離Dの平均DAVGは、隣接する凹部間の距離Dの度数分布から求める。
なお、本発明においては、前記凹凸表面構造を有する領域を光学顕微鏡で平面視して、各凹部の開口部の平面視形状の重心を母点として該領域をボロノイ分割した際に、ある1つの凹部のボロノイ領域に隣接するボロノイ領域に属する凹部を、該凹部と隣接する凹部と定義する。隣接する凹部間の距離Dは、凹凸表面構造を光学顕微鏡で平面視した際に、ある1つの凹部の開口部の平面視形状の重心から、当該凹部に隣接する凹部の開口部の平面視形状の重心までの距離とする。隣接する凹部間の距離Dの平均DAVGは、隣接する凹部間の距離Dの度数分布から求める。
前記凹部の開口部における長径φ1及び短径φ2、並びに、隣接する前記凹部の距離Dは、カビ繁殖抑制部材の前記凹凸表面構造を有する領域を平面視した光学顕微鏡写真から測定することができる。光学顕微鏡としては、一般的なものを使用することができ、特に限定はされないが、例えば、オリンパス社製のBXシリーズ等を用いることができる。
前記凹部の開口面積は、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少する。
前記凹部の深さ方向の断面形状としては、例えば、図5の(a)に示すようなテーパ−状、図5の(b)に示すようなお椀状、図5の(c)に示すような楕円弧状、図5の(d)に示すようなV字状等が挙げられる。中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、前記凹部は、最深部が平面又は曲面であることが好ましく、具体的には、例えば、前記凹部のの中心軸について360°の全方位において、深さ方向に切断した凹部の断面が、テーパ−状、お椀状又は楕円弧状のいずれかであることが好ましい。
前記凹部の深さ方向の断面形状としては、例えば、図5の(a)に示すようなテーパ−状、図5の(b)に示すようなお椀状、図5の(c)に示すような楕円弧状、図5の(d)に示すようなV字状等が挙げられる。中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、前記凹部は、最深部が平面又は曲面であることが好ましく、具体的には、例えば、前記凹部のの中心軸について360°の全方位において、深さ方向に切断した凹部の断面が、テーパ−状、お椀状又は楕円弧状のいずれかであることが好ましい。
前記凹部の深さHは、10μm以上500μm以下であれば特に限定はされないが、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、130μm以上であることがより更に好ましい。一方、400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
本発明において、前記凹部の深さHは、図2に示すように、凹部2を取り囲む凸部1の頂部を連ねた包絡面1topから、凹部2の最深部2bottomまでの垂直方向の距離とする。
本発明において、前記凹部の深さHは、図2に示すように、凹部2を取り囲む凸部1の頂部を連ねた包絡面1topから、凹部2の最深部2bottomまでの垂直方向の距離とする。
前記凹部の深さH、及び所定の深さHでの前記凹部の開口面積は、断面プロファイル解析により確認することができる。具体的には、凹部の中心軸について360°の全方位において、深さ方向に切断した凹部の断面を取得することにより、前記凹部の深さH、及び所定の深さHでの前記凹部の開口面積を測定することができる。なお、所定の深さHでの凹部の開口面積とは、所定の深さHで、凸部1の頂部を連ねた包絡面1topと平行な面で凹部を切断した時の切断面における、凹部の開口面積である。
本発明において、断面プロファイル解析は、例えば、レーザー顕微鏡や三次元光学プロファイラーを用いて行うことができ、より具体的には例えば、オリンパス社製 LEXT OLS4100、Zygo製 ZeGageを用いて行うことができる。
本発明において、断面プロファイル解析は、例えば、レーザー顕微鏡や三次元光学プロファイラーを用いて行うことができ、より具体的には例えば、オリンパス社製 LEXT OLS4100、Zygo製 ZeGageを用いて行うことができる。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備える。図6は、本発明に係るカビ繁殖抑制部材が備える凹部の内面の一例を模式的に示す概略断面図であり、微細凹凸層4の表面にある凹部2の断面を拡大した図である。図6に示す凹部2の内面には、複数の微小突起8が配置されてなる微小突起群が備えられている。
前記凹部の内面に配置される微小突起の形状は、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、先細り形状であることが好ましい。前記微小突起を植立方向に切断した断面の形状としては、例えば、半楕円状、放物線状、釣鐘状、三角形状、半円状、台形状等が挙げられる。また、前記微小突起の頂部及び側面には、高低差0.1μm未満の更に微細な凹凸を有していても良い。
前記凹部の内面に配置される微小突起の形状は、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、先細り形状であることが好ましい。前記微小突起を植立方向に切断した断面の形状としては、例えば、半楕円状、放物線状、釣鐘状、三角形状、半円状、台形状等が挙げられる。また、前記微小突起の頂部及び側面には、高低差0.1μm未満の更に微細な凹凸を有していても良い。
前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下である。
隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGは、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、1μm以上10μm以下であることが好ましく、1.5μm以上8μm以下であることがより好ましい。
ここで、前記微小突起の幅wは、カビ繁殖抑制部材が均一な厚みのシート状の場合は、カビ繁殖抑制部材をそのまま測定サンプルとして用いて測定を行い、均一な厚みのシート状でない場合は、測定する面に沿って均一な厚みのシート状に切断して得られる測定サンプルを用いて測定を行う。また、測定する面が上面となるように、測定サンプルを水平な台に置いて測定を行い、水平面を基準面として、図6に示すように、基準面で微小突起を切断したときの微小突起の切断面の最大径を、微小突起の幅wとする。
前記微小突起の高さhは、微小突起の頂点を通る中心軸について360°の全方位において、植立方向に切断した微小突起の断面を複数取得して測定する。各断面で、図6に示すように、微小突起8の付け根8a、8bを結ぶ線分の中点8cから微小突起の頂点8topまでの距離を求め、各断面から測定される当該距離のうち、最大値を微小突起の高さhとする。なお、微小突起の頂部に前記微細な凹凸を有する場合は、高さhが最も高く測定される頂点を、微小突起の頂点8topとして高さhを求める。
前記凹部の内面に配置された複数の微小突起のうち、互いに隣接する微小突起とは、ある1つの微小突起について、前記高さhを求める場合と同様にして取得した複数の凹部内面の断面のうち、少なくとも1つの断面で、前記ある1つの微小突起と隣接して位置する微小突起を、前記ある1つの微小突起に隣接する微小突起とする。
隣接する微小突起間の距離dは、図6に示すような、互いに隣接する微小突起の各頂点8topを通るように微小突起の植立方向に切断した凹部内面の断面での、隣接する微小突起の頂点8top間の距離とする。
なお、微小突起の付け根に高低差0.1μm未満の微細な凹凸がある場合は、当該微細な凹凸を、凹凸の谷部を連ねた平面と仮定して、微小突起の幅w及び高さhを求める。
前記微小突起の幅w、高さh及び隣接する前記微小突起間の距離dは、断面プロファイル解析により測定することができる。隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGは、隣接する微小突起間の距離dの度数分布から求める。
1つの凹部の内面において、複数ある微小突起は、同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。
隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGは、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、1μm以上10μm以下であることが好ましく、1.5μm以上8μm以下であることがより好ましい。
ここで、前記微小突起の幅wは、カビ繁殖抑制部材が均一な厚みのシート状の場合は、カビ繁殖抑制部材をそのまま測定サンプルとして用いて測定を行い、均一な厚みのシート状でない場合は、測定する面に沿って均一な厚みのシート状に切断して得られる測定サンプルを用いて測定を行う。また、測定する面が上面となるように、測定サンプルを水平な台に置いて測定を行い、水平面を基準面として、図6に示すように、基準面で微小突起を切断したときの微小突起の切断面の最大径を、微小突起の幅wとする。
前記微小突起の高さhは、微小突起の頂点を通る中心軸について360°の全方位において、植立方向に切断した微小突起の断面を複数取得して測定する。各断面で、図6に示すように、微小突起8の付け根8a、8bを結ぶ線分の中点8cから微小突起の頂点8topまでの距離を求め、各断面から測定される当該距離のうち、最大値を微小突起の高さhとする。なお、微小突起の頂部に前記微細な凹凸を有する場合は、高さhが最も高く測定される頂点を、微小突起の頂点8topとして高さhを求める。
前記凹部の内面に配置された複数の微小突起のうち、互いに隣接する微小突起とは、ある1つの微小突起について、前記高さhを求める場合と同様にして取得した複数の凹部内面の断面のうち、少なくとも1つの断面で、前記ある1つの微小突起と隣接して位置する微小突起を、前記ある1つの微小突起に隣接する微小突起とする。
隣接する微小突起間の距離dは、図6に示すような、互いに隣接する微小突起の各頂点8topを通るように微小突起の植立方向に切断した凹部内面の断面での、隣接する微小突起の頂点8top間の距離とする。
なお、微小突起の付け根に高低差0.1μm未満の微細な凹凸がある場合は、当該微細な凹凸を、凹凸の谷部を連ねた平面と仮定して、微小突起の幅w及び高さhを求める。
前記微小突起の幅w、高さh及び隣接する前記微小突起間の距離dは、断面プロファイル解析により測定することができる。隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGは、隣接する微小突起間の距離dの度数分布から求める。
1つの凹部の内面において、複数ある微小突起は、同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。
前記凹部の内面は、算術平均高さ(Sa)が1μm以上50μm以下であり、中でも、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、ISO25178に準拠して、平面補正を行い、非接触で表面粗さの測定が可能な3D測定レーザー顕微鏡(例えば、オリンパス社製のレーザー顕微鏡OLS4000(LEXT OLS 4000))により測定することができる。また、本発明において、前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、平面視で、凹部の開口部の輪郭に内接する最も大きい正方形のうち、最も凹部の中央近くに位置する正方形の領域で測定される算術平均高さ(Sa)とする。
なお、本発明において、前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、ISO25178に準拠して、平面補正を行い、非接触で表面粗さの測定が可能な3D測定レーザー顕微鏡(例えば、オリンパス社製のレーザー顕微鏡OLS4000(LEXT OLS 4000))により測定することができる。また、本発明において、前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、平面視で、凹部の開口部の輪郭に内接する最も大きい正方形のうち、最も凹部の中央近くに位置する正方形の領域で測定される算術平均高さ(Sa)とする。
なお、本発明において、カビ繁殖抑制部材の前記凹凸表面構造を有する面を測定する際に、測定対象とするカビ繁殖抑制部材の前記凹凸表面構造を有する面が、1m四方以内の正方形又は長方形の場合は、当該カビ繁殖抑制部材をそのまま測定サンプルとして用いて測定を行い、1m四方よりも大きい場合は、1m四方の大きさに切断した測定サンプルを用いて測定を行い、正方形又は長方形でない場合は、内接する最も大きな正方形又は長方形に切断した測定サンプルを用いて測定を行うことが好ましい。
本発明において、前記測定サンプルの凹凸表面構造を有する面を測定する際は、図7に示すように、前記測定サンプルの凹凸表面構造を有する面全体Aのうち、中央の1mm四方の領域aと、中央を通る1本目の対角線L1と当該対角線L1と直交する対角線L2とを引いたときの各対角線上において、中央から対角線端部までの中間における1mm四方の領域b、c、d、eの合計5か所の領域を用いて測定することが好ましい。
本発明において、前記測定サンプルの凹凸表面構造を有する面を測定する際は、図7に示すように、前記測定サンプルの凹凸表面構造を有する面全体Aのうち、中央の1mm四方の領域aと、中央を通る1本目の対角線L1と当該対角線L1と直交する対角線L2とを引いたときの各対角線上において、中央から対角線端部までの中間における1mm四方の領域b、c、d、eの合計5か所の領域を用いて測定することが好ましい。
また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材において、前記凹凸表面構造の平面視における単位面積当たりの前記凹部の個数は、前記凹部の大きさ、深さ及び隣接する凹部間の距離との組み合わせにより適宜調整され、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、20個/cm2以上であることが好ましく、50個/cm2以上であることがより好ましく、150個/cm2以上であることがより更に好ましく、また、1万個/cm2以下であることが好ましく、5000個/cm2以下であることがより好ましく、1000個/cm2以下であることがより更に好ましい。
また、前記凹凸表面構造の平面視において、前記凹凸表面構造の全面積に対する前記凹部の面積占有率は、カビ繁殖抑制効果の点から、55%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがより更に好ましく、一方、95%以下であることが好ましく、93%以下であることがより好ましい。
また、前記凹凸表面構造において、前記凹部の周囲全体を取り囲む凸部の頂部は、典型的には実質的に平坦面であるが、稜線を有するものであっても良い。なお、実質的に平坦面とは、前記凹部の深さの下限値よりも1/100以下など、例えば傷や材料由来の微細な凹凸を有していても良いことを意味する。また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、部材自体の表面が湾曲していたり、畝りを有していても良い。
なお、本発明のカビ繁殖抑制部材の前記凹凸表面構造を有する表面には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記特定の凹部とは異なる凹部が含まれていても良い。
本発明のカビ繁殖抑制部材においては、前記凹凸表面構造を有する領域中、前記特定の凹部が、前記特定の凹部間距離で配置されている面積が、70%以上であることが好ましく、更に80%以上であることが好ましく、より更に90%以上であることが好ましい。
本発明のカビ繁殖抑制部材においては、前記凹凸表面構造を有する領域中、前記特定の凹部が、前記特定の凹部間距離で配置されている面積が、70%以上であることが好ましく、更に80%以上であることが好ましく、より更に90%以上であることが好ましい。
(微細凹凸層)
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造が、後述する基材とは別の材料からなる微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良いし、後述する基材と同じ材料からなり当該基材と一体化した微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良いし、基材を有さず、単層の微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良い。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、基材上に、当該基材とは別の材料からなる前記凸部が配置されてなるものであっても良い。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造が、後述する基材とは別の材料からなる微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良いし、後述する基材と同じ材料からなり当該基材と一体化した微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良いし、基材を有さず、単層の微細凹凸層の表面に形成されてなるものであっても良い。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、基材上に、当該基材とは別の材料からなる前記凸部が配置されてなるものであっても良い。
前記微細凹凸層の材料は、前記凹凸表面構造を形成することができる材料であれば特に限定はされず、用途に応じて適宜選択することができ、透明材料であっても、不透明材料であってもよい。前記微細凹凸層の材料としては、各種樹脂組成物、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石、各種金属酸化物等の無機材料、銀、銅、鉄等の金属及びこれらの合金、並びに、これらの材料の組み合わせが挙げられる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材を、例えば保護フィルム等のような透明部材として用いる場合には、前記微細凹凸層の材料としては、無色透明の樹脂組成物、硝子等の透明材料を用いることが好ましい。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材を後から貼り付ける態様において用いる場合にも、前記微細凹凸層の材料としては、前記透明材料を用いることが、意匠性を妨げない点から好ましい。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材においては、前記凹凸表面構造を有することによりカビ繁殖抑制効果が得られるため、前記微細凹凸層は、抗菌又は抗カビ効果を有する添加剤の含有量を低減したものとすることができ、更に、抗菌又は抗カビ効果を有する添加剤を含有しないものとすることができる。
なお、前記微細凹凸層は、単層であっても、多層であっても良い。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材においては、前記凹凸表面構造を有することによりカビ繁殖抑制効果が得られるため、前記微細凹凸層は、抗菌又は抗カビ効果を有する添加剤の含有量を低減したものとすることができ、更に、抗菌又は抗カビ効果を有する添加剤を含有しないものとすることができる。
なお、前記微細凹凸層は、単層であっても、多層であっても良い。
前記微細凹凸層の材料としては、中でも、前記凹凸表面構造の形状をより長期間に渡り保持できる微細凹凸層を形成可能な点から、樹脂組成物が好ましい。
本発明に用いられる樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含み、必要に応じてその他の成分を含有する。前記樹脂組成物に含まれる樹脂や各種添加剤の種類及び含有量を調整することにより、当該樹脂組成物を固化又は硬化させるための温度、時間等の硬化条件を、前記凹凸表面構造が変質しない範囲となるように調整することができる。
前記微細凹凸層は、中でも、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるもの、又は、電離放射線硬化性若しくは熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものであることが、前記凹凸表面構造の形状をより長期間に渡り保持できる点から好ましく、特に、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるものであることが、製造の簡便さ、及び耐摩耗性、耐擦傷性、耐久性の点から好ましい。
本発明に用いられる樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含み、必要に応じてその他の成分を含有する。前記樹脂組成物に含まれる樹脂や各種添加剤の種類及び含有量を調整することにより、当該樹脂組成物を固化又は硬化させるための温度、時間等の硬化条件を、前記凹凸表面構造が変質しない範囲となるように調整することができる。
前記微細凹凸層は、中でも、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるもの、又は、電離放射線硬化性若しくは熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものであることが、前記凹凸表面構造の形状をより長期間に渡り保持できる点から好ましく、特に、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるものであることが、製造の簡便さ、及び耐摩耗性、耐擦傷性、耐久性の点から好ましい。
前記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、(メタ)アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系等の熱可塑性樹脂;(メタ)アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂;メラミン系、フェノール系、ポリエステル系、(メタ)アクリレート系、ウレタン系、尿素系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
(メタ)アクリレート系樹脂は、滅菌ガスを発生し得ることにより、抗菌効果及び抗カビ効果を発揮し得るが、本発明においては、前記凹凸表面構造を有することによりカビ繁殖抑制効果が得られるため、前記樹脂組成物中の(メタ)アクリレート系樹脂の含有量を低減することができ、前記樹脂組成物に含まれる樹脂の合計100質量部中、(メタ)アクリレート系樹脂の含有割合を、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下とすることができ、(メタ)アクリレート系樹脂を含有しないものとすることもできる。
(メタ)アクリレート系樹脂は、滅菌ガスを発生し得ることにより、抗菌効果及び抗カビ効果を発揮し得るが、本発明においては、前記凹凸表面構造を有することによりカビ繁殖抑制効果が得られるため、前記樹脂組成物中の(メタ)アクリレート系樹脂の含有量を低減することができ、前記樹脂組成物に含まれる樹脂の合計100質量部中、(メタ)アクリレート系樹脂の含有割合を、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下とすることができ、(メタ)アクリレート系樹脂を含有しないものとすることもできる。
本発明に用いられる樹脂組成物としては、中でも、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂組成物を所望の形状に成形し、その表面に前記凹凸表面構造を形成することにより、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層の表面に前記凹凸表面構造を有する本発明のカビ繁殖抑制部材を、低コストで容易に製造することができる。更に、本発明のカビ繁殖抑制部材が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層の表面に前記凹凸表面構造を有する場合は、耐摩耗性及び耐擦傷性に優れ、耐久性が向上する。そのため、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層を有する本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、人の手が接触する用途においても好適に用いられる。
また、熱可塑性樹脂は、硬化剤等の溶出し得る添加剤を用いずに固化させることができる。そのため、本発明のカビ繁殖抑制部材が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層を有する場合は、微細凹凸層中において、硬化剤等の溶出し得る添加剤の含有量を低減することができ、好ましくは硬化剤等の溶出し得る添加剤を含有しないものとすることができる。そのため、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層を有する本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、食品及び医療等のライフサイエンス関連の用途において、好適に用いられる。なお、本発明のカビ繁殖抑制部材が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる成形体の表面に前記凹凸表面構造を有する場合も、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
前記熱可塑性樹脂としては、中でも、機械的強度、耐熱性及び耐擦傷性等の観点から、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(リニアポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系、及び、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系が好ましく、中でも、ポリエチレン系の熱可塑性樹脂が好ましく、低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレン(リニアポリエチレン)が特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂は、硬化剤等の溶出し得る添加剤を用いずに固化させることができる。そのため、本発明のカビ繁殖抑制部材が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層を有する場合は、微細凹凸層中において、硬化剤等の溶出し得る添加剤の含有量を低減することができ、好ましくは硬化剤等の溶出し得る添加剤を含有しないものとすることができる。そのため、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる微細凹凸層を有する本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、食品及び医療等のライフサイエンス関連の用途において、好適に用いられる。なお、本発明のカビ繁殖抑制部材が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる成形体の表面に前記凹凸表面構造を有する場合も、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
前記熱可塑性樹脂としては、中でも、機械的強度、耐熱性及び耐擦傷性等の観点から、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(リニアポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系、及び、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系が好ましく、中でも、ポリエチレン系の熱可塑性樹脂が好ましく、低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレン(リニアポリエチレン)が特に好ましい。
前記樹脂組成物としては、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物、又は熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いても良い。電離放射線硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、所望の形状の凹部を精度良く形成することができる。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂は、分子中にラジカル重合性及び/又はカチオン重合性結合を有する単量体、低重合度の重合体、反応性重合体を適宜混合したものであり、重合開始剤によって硬化されるものである。
前記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、安定化剤、消泡剤、撥(はじ)き防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調整剤、離型剤等が挙げられる。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造によりカビ繁殖抑制効果を得ることができるため、前記樹脂組成物は、抗菌剤及び抗カビ剤の含有量を低減したものとすることができる。前記樹脂組成物の全固形分中に含まれる抗菌剤及び抗カビ剤の合計含有量は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがより更に好ましく、前記樹脂組成物は抗菌剤及び抗カビ剤を含有しないことが特に好ましい。
なお、本明細書において固形分とは、溶剤を除いたすべての成分を表す。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造によりカビ繁殖抑制効果を得ることができるため、前記樹脂組成物は、抗菌剤及び抗カビ剤の含有量を低減したものとすることができる。前記樹脂組成物の全固形分中に含まれる抗菌剤及び抗カビ剤の合計含有量は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがより更に好ましく、前記樹脂組成物は抗菌剤及び抗カビ剤を含有しないことが特に好ましい。
なお、本明細書において固形分とは、溶剤を除いたすべての成分を表す。
前記樹脂組成物が樹脂以外のその他の成分を含む場合、前記樹脂組成物に含まれる樹脂の含有量は、特に限定はされないが、樹脂組成物の全固形分に対して、40質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、50質量%以上99.5質量%以下であることがより好ましい。
また、前記樹脂組成物は、フッ素又はケイ素を含む成分の含有量が、樹脂組成物の全固形分に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることがより更に好ましい。前記樹脂組成物中に含まれるフッ素又はケイ素を含む成分が多すぎると、前記凹部の内面に前記微小突起群を形成し難くなる場合がある。
なお、前記樹脂組成物は樹脂のみからなるものであっても良い。熱可塑性樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂のみからなるものが、固化物からの添加剤の溶出が無く、食品及び医療等のライフサイエンス関連の用途に好適に使用でき、更に、製造の簡便さ、固化物の耐摩耗性、耐擦傷性、耐久性の点からも好ましい。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材が、基材上に、当該基材とは別の材料からなる前記凸部が配置されてなるものである場合、前記凸部の材料としては、例えば、前記微細凹凸層の材料と同様のものを用いることができる。
また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造を有する表面に、更に表面処理が施されていても良い。例えば、濡れ性調整のために、前記凹凸表面構造を備える表面に、フッ素系化合物、シリコーン系化合物等の蒸着膜を有していても良い。本発明において、前記表面処理に用いられる化合物は、抗菌又は抗カビ効果を有しないものであることが好ましい。
また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記凹凸表面構造を有する表面に、更に表面処理が施されていても良い。例えば、濡れ性調整のために、前記凹凸表面構造を備える表面に、フッ素系化合物、シリコーン系化合物等の蒸着膜を有していても良い。本発明において、前記表面処理に用いられる化合物は、抗菌又は抗カビ効果を有しないものであることが好ましい。
(基材)
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、支持体として基材を含むものであっても良い。本発明のカビ繁殖抑制部材に用いられる基材は、用途に応じて適宜選択することができ、透明基材であっても、不透明基材であってもよく、特に限定されない。前記透明基材の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。前記不透明基材の材料としては、例えば、金属、紙、布帛、木、石材、及びこれらの複合材料、並びにこれらと前記透明基材の材料との複合材料等が挙げられる。
また、基材と前記微細凹凸層又は前記凸部とが一体となって形成される場合は、基材の材料としては、例えば、前記微細凹凸層の材料として使用可能な前記樹脂組成物を用いることができ、中でも、機械的強度に優れる点から、熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
また、前記基材は、シートであってもフィルムであってもよく、また、巻き取れるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常10μm以上5000μm以下である。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、支持体として基材を含むものであっても良い。本発明のカビ繁殖抑制部材に用いられる基材は、用途に応じて適宜選択することができ、透明基材であっても、不透明基材であってもよく、特に限定されない。前記透明基材の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。前記不透明基材の材料としては、例えば、金属、紙、布帛、木、石材、及びこれらの複合材料、並びにこれらと前記透明基材の材料との複合材料等が挙げられる。
また、基材と前記微細凹凸層又は前記凸部とが一体となって形成される場合は、基材の材料としては、例えば、前記微細凹凸層の材料として使用可能な前記樹脂組成物を用いることができ、中でも、機械的強度に優れる点から、熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
また、前記基材は、シートであってもフィルムであってもよく、また、巻き取れるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常10μm以上5000μm以下である。
本発明のカビ繁殖抑制部材に用いられる基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。例えば、前記凹凸表面構造が、基材とは別の材料からなる微細凹凸層に形成される場合は、基材と前記微細凹凸層との密着性を向上させ、耐摩耗性及び耐擦傷性を向上させるためのプライマー層を基材上に形成してもよい。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材を、例えば保護フィルム等のような透明部材として用いる場合には、前記基材としては透明基材を用いることが好ましい。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材を後から貼り付ける態様において用いる場合に、前記基材として透明基材を用いると、意匠性を妨げない点から好ましい。
また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材をガラス部分へ設置する場合は、前記基材又はカビ繁殖抑制部材全体が、熱可塑性樹脂組成物の固化物からなることが、ガラス破損時の耐飛散性を付与する点から好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるカビ繁殖抑制部材は、耐摩耗性及び耐擦傷性に優れ、耐久性が向上したものとなり、人の手が接触する用途において好適に用いられる点からも好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の固化物からなるカビ繁殖抑制部材は、耐摩耗性及び耐擦傷性に優れ、耐久性が向上したものとなり、人の手が接触する用途において好適に用いられる点からも好ましい。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、更に接着層を有していても良い。接着層は、典型的には、前記凹凸表面構造を有しない面上に位置する。本発明に係るカビ繁殖抑制部材が接着層を有する場合、当該接着層は、本発明に係るカビ繁殖抑制部材を別の物品等に貼り付けるために、最表面又は後述する剥離可能な保護フィルム下に位置するものであっても良いし、本発明に係るカビ繁殖抑制部材が2層以上の層構成を有する場合には、各層間を接着するために層間に位置するものであっても良い。
なお、前記接着層の材料としては、公知の接着剤を用いることができ、特に限定はされない。
なお、前記接着層の材料としては、公知の接着剤を用いることができ、特に限定はされない。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、少なくとも一部の表面に剥離可能な保護フィルムを有するものであっても良い。本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、少なくとも一部の表面に剥離可能な保護フィルムを仮接着した状態で保管、搬送、売買、後加工又は施工を行い、適時、該保護フィルムを剥離除去する形態とすることもできる。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、特に限定はされないが、用途に応じて、可視領域における全光線透過率を80%以上とすることができる。前記透過率が前記下限値以上であることにより、本発明に係るカビ繁殖抑制部材を他の物品に貼り付けて用いる態様において、下地の意匠性の損傷を抑制することができ、また、視認性に優れるものとすることができる。前記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制部材の機械的強度に優れる点から、前記凹凸表面構造を有する面における鉛筆硬度が、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。なお、前記鉛筆硬度は、測定サンプルを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(0.98N荷重)を、測定サンプルの前記凹凸表面構造を有する面に行い、傷がつかない最も高い鉛筆硬度を評価することにより行うことができる。測定においては、例えば東洋精機(株)製 鉛筆引っかき塗膜硬さ試験機を用いることができる。
また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、特に限定はされないが、カビ繁殖抑制部材の機械的強度に優れる点、及び耐摩耗性に優れる点から、前記凹凸表面構造を有する面について、JIS K 7204:1999に規定されるプラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法に準拠して、摩耗輪CS−17を用い、9.8N荷重(1,000gf)での1000回転摩耗試験を行った後の増加ヘイズ値(△ヘイズ値)が、20%以下あることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。なお、前記摩耗試験は、例えばロータリーアブレージョンテスタ((株)東洋精機製作所製)等のテーバー摩耗試験機を用いて行うことができる。
本発明のカビ繁殖抑制部材は、任意の形状であってよいが、典型的には、シート状の基材乃至微細凹凸層の一方の表面に前記凹凸表面構造を有するものであってもよく、シート状の基材乃至微細凹凸層の両面に前記凹凸表面構造を有するものであってもよい。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、所定形状に成形された成形体である場合において、表面全体に前記凹凸表面構造を有するものであってもよいし、表面の一部に前記凹凸表面構造を有するものであってもよい。なお、本発明においてシート状とは、巻き取り可能に曲がるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもの、のいずれであってもよい。
(カビ繁殖抑制部材の製造方法)
カビ繁殖抑制部材の製造方法は、前述したような本発明に係るカビ繁殖抑制部材を製造することができる方法であれば特に限定はされず、カビ繁殖抑制部材が有する前記基材及び前記微細凹凸層の材料により適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂組成物を成形して、その表面に前記凹凸表面構造を形成する方法、基材上に硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜表面に前記凹凸表面構造を賦型して硬化させる方法、基材上に電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、フォトリソグラフィによって前記凹凸表面構造のパターンを有する硬化膜を形成する方法、基材表面をバイト切削することにより前記凹凸表面構造を形成する方法等が挙げられる。
カビ繁殖抑制部材の製造方法は、前述したような本発明に係るカビ繁殖抑制部材を製造することができる方法であれば特に限定はされず、カビ繁殖抑制部材が有する前記基材及び前記微細凹凸層の材料により適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂組成物を成形して、その表面に前記凹凸表面構造を形成する方法、基材上に硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜表面に前記凹凸表面構造を賦型して硬化させる方法、基材上に電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、フォトリソグラフィによって前記凹凸表面構造のパターンを有する硬化膜を形成する方法、基材表面をバイト切削することにより前記凹凸表面構造を形成する方法等が挙げられる。
本発明のカビ繁殖抑制部材の好適な製造方法としては、中でも、簡便である点、並びに、表面硬度が高く、機械的強度に優れ、耐摩耗性及び耐擦傷性等の耐久性に優れるカビ繁殖抑制部材が得られる点から、予め成形した熱可塑性樹脂層又は加熱溶融した溶融熱可塑性樹脂層の表面に前記凹凸表面構造を形成する工程を有する製造方法を好ましく用いることができる。
中でも、生産効率の観点から、第一の製造方法として、
熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる熱可塑性樹脂層を準備する工程と、
前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する工程とを有し、
前記凹凸表面構造が、前述した本発明のカビ繁殖抑制部材が有する凹凸表面構造である、カビ繁殖抑制部材の製造方法を好ましく用いることができる。
中でも、生産効率の観点から、第一の製造方法として、
熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物の固化物からなる熱可塑性樹脂層を準備する工程と、
前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する工程とを有し、
前記凹凸表面構造が、前述した本発明のカビ繁殖抑制部材が有する凹凸表面構造である、カビ繁殖抑制部材の製造方法を好ましく用いることができる。
また、本発明のカビ繁殖抑制部材の第二の製造方法として、
熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融して成形し、溶融熱可塑性樹脂層を形成する工程と、
前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する工程と、
前記凹凸表面構造を形成しながら、又は前記凹凸表面構造を形成した後に、前記溶融熱可塑性樹脂層を冷却することにより固化させる工程とを有し、
前記凹凸表面構造が、前述した本発明のカビ繁殖抑制部材が有する凹凸表面構造である、カビ繁殖抑制部材の製造方法も好ましく用いることができる。
熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融して成形し、溶融熱可塑性樹脂層を形成する工程と、
前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する工程と、
前記凹凸表面構造を形成しながら、又は前記凹凸表面構造を形成した後に、前記溶融熱可塑性樹脂層を冷却することにより固化させる工程とを有し、
前記凹凸表面構造が、前述した本発明のカビ繁殖抑制部材が有する凹凸表面構造である、カビ繁殖抑制部材の製造方法も好ましく用いることができる。
図8に、前記第二の製造方法により本発明のカビ繁殖抑制部材を製造する方法の一例を示す。図8に示す方法では、Tダイ押出機5にて加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物を、Tダイ押出機5から押し出してシート状に成形して溶融熱可塑性樹脂層4aを形成し、溶融熱可塑性樹脂層4aが、凹凸表面構造を形成するための表面形状を有する表面構造形成用原版6a、6bを通過することにより、溶融熱可塑性樹脂層4aの少なくとも一方の表面に前記凹凸表面構造が形成され、更に、溶融熱可塑性樹脂層4aを冷却することにより、カビ繁殖抑制部材10が得られる。得られたカビ繁殖抑制部材10は、巻き取りロール7により巻き取られる。なお、図8に示す方法では、表面構造形成用原版6a、6bが、冷却ロールとしても機能するものであっても良く、その場合、溶融熱可塑性樹脂層4aに凹凸表面構造を形成しながら、溶融熱可塑性樹脂層4aを冷却して固化することができる。
前記第一の製造方法及び前記第二の製造方法に用いられる熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、前述したものと同様のものが挙げられる。また、前記第一の製造方法及び前記第二の製造方法において、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融する際の樹脂温度、及び加熱溶融した熱可塑性樹脂組成物を冷却して固化する際の温度は、特に限定はされず、熱可塑性樹脂組成物が含有する熱可塑性樹脂の種類に応じて、適宜調整される。
前記第一の製造方法において、前記熱可塑性樹脂層を準備する工程では、市販の熱可塑性樹脂基板を熱可塑性樹脂層として準備しても良いし、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融して溶融熱可塑性樹脂層を形成し、当該溶融熱可塑性樹脂層を冷却して固化することにより、熱可塑性樹脂層を形成しても良い。前記熱可塑性樹脂層を準備する工程において、溶融熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされず、例えば、Tダイ法等を用いることができる。
また、第一の製造方法において、前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされないが、例えば、表面構造形成用原版を用いた高温高圧圧縮成形法又はエンボス加工等が挙げられる。
また、第一の製造方法において、前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされないが、例えば、表面構造形成用原版を用いた高温高圧圧縮成形法又はエンボス加工等が挙げられる。
前記第二の製造方法において、溶融熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされず、例えば、Tダイ法等を用いることができる。
また、前記第二の製造方法において、前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に、凹凸表面構造を形成する方法としては、特に限定はされないが、表面構造形成用原版を用いて賦型する方法が好ましい。
また、前記第二の製造方法において、前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に、凹凸表面構造を形成する方法としては、特に限定はされないが、表面構造形成用原版を用いて賦型する方法が好ましい。
本発明において、前記凹凸表面構造を形成する際に使用される表面構造形成用原版としては、ロール状のものであっても、平板のものであっても良いが、生産効率の観点から、ロール状のものが好ましい。
前記表面構造形成用原版の材料としては、従来賦型用の版に使用されている公知の材料を用いることができ、特に限定されるものではなく、金属製であっても、樹脂製であっても良いが、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製の表面構造形成用原版が好適に用いられる。
また、前記表面構造形成用原版は、表面に離形処理が施されていないものが好ましく、例えば、原版の表面の材料と母材の材料が同じであることが好ましい。表面に離形処理が施されていない表面構造形成用原版を用いることにより、表面構造形成用原版を、溶融熱可塑性樹脂層乃至熱可塑性樹脂層から剥離する際の剥離性が適度に悪化するため、熱可塑性樹脂層に形成される凹部の内面に前記微小突起群が形成され易く、容易に前記凹凸表面構造を形成することができる。
前記表面構造形成用原版の材料としては、従来賦型用の版に使用されている公知の材料を用いることができ、特に限定されるものではなく、金属製であっても、樹脂製であっても良いが、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製の表面構造形成用原版が好適に用いられる。
また、前記表面構造形成用原版は、表面に離形処理が施されていないものが好ましく、例えば、原版の表面の材料と母材の材料が同じであることが好ましい。表面に離形処理が施されていない表面構造形成用原版を用いることにより、表面構造形成用原版を、溶融熱可塑性樹脂層乃至熱可塑性樹脂層から剥離する際の剥離性が適度に悪化するため、熱可塑性樹脂層に形成される凹部の内面に前記微小突起群が形成され易く、容易に前記凹凸表面構造を形成することができる。
前記第一の製造方法において、前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する際の熱可塑性樹脂層の温度は、熱可塑性樹脂層の柔軟性、表面構造形成用原版が有する凹凸形状等により適宜調整され、特に限定はされないが、賦型性及び取り扱い性に優れる点から、100℃以上400℃以下の範囲内であることが好ましい。
前記第二の製造方法において、前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する際の溶融熱可塑性樹脂層の温度は、溶融熱可塑性樹脂層の柔軟性、表面構造形成用原版の凹凸形状等により適宜調整され、特に限定はされないが、賦型性及び取り扱い性に優れる点から、150℃以上400℃以下の範囲内であることが好ましい。
前記第二の製造方法において、前記溶融熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する際の溶融熱可塑性樹脂層の温度は、溶融熱可塑性樹脂層の柔軟性、表面構造形成用原版の凹凸形状等により適宜調整され、特に限定はされないが、賦型性及び取り扱い性に優れる点から、150℃以上400℃以下の範囲内であることが好ましい。
また、前記第一の製造方法においては、前記熱可塑性樹脂層の表面に凹凸表面構造を形成する工程の前に、形成した熱可塑性樹脂層を少なくとも一軸方向に延伸する工程を更に有することが、カビ繁殖抑制部材の機械的強度を向上する点から好ましい。前記延伸は、特に限定はされないが、2軸延伸であることが好ましい。なお、延伸時の前記熱可塑性樹脂層の温度は、50℃以上120℃以下の範囲内であることが好ましい。
基材上に硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、当該塗膜表面に前記凹凸表面構造を賦型して硬化させることにより、本発明のカビ繁殖抑制部材を製造する方法としては、例えば、前記凹凸表面構造に対応する凹凸形状を有する面を備えた表面構造形成用原版を準備し、前記表面構造形成用原版の前記凹凸形状を有する面を、硬化性樹脂組成物の塗膜表面に押圧した後、該硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後、前記表面構造形成用原版を剥離する方法が挙げられる。
基材上に電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、フォトリソグラフィによって前記凹凸表面構造のパターンを有する硬化膜を形成することにより、本発明のカビ繁殖抑制部材を製造する方法としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜をパターン露光し、現像して、所望のパターンを形成した後、必要に応じてエッチングを行う方法等が挙げられる。前記パターン露光は、前記凹凸表面構造の平面視形状に対応するパターンとなるように露光すればよく、例えば、フォトマスクを介して露光する方法、レーザー描画法等、一般的な方法を用いることができる。
<カビ繁殖抑制部材の用途>
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、カビの繁殖の抑制が求められるあらゆる用途に用いることができ、特に限定されない。本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、機械的強度及び耐久性に優れるため、人の手が接触する用途においても効果を発揮することができ、好適に用いられる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、各種物品において人の手が届く部分に好適に用いることができ、例えば、浴室、洗面所、洗濯機置き場、キッチン、トイレ(ユニットバス設備を含む)等の水回り設備が設けられた部屋若しくは空間、又は、脱衣所、物干し場、食堂等の水回り設備に隣接した部屋若しくは空間に用いられる内壁、天井、室内の装飾品等のインテリア部材;門扉、フェンス、外壁、カーポート等のエクステリア部材;ビニールハウス、植物栽培槽等の植物栽培施設;エアーコンディショナー、空気清浄機等の空調機器;冷蔵庫、洗濯機、電話機、掃除機等の家電製品;電子レンジ、炊飯器等の調理用機器;医療機器等の医療設備;学校設備の事務用機器及びその他の電子機器等が挙げられる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材を、透明部材として用いる場合の用途としては、例えば、これら各種物品が備える電子表示部やタッチパネル等の保護フィルム、これら各種物品に後から貼り付けて用いる表面材、並びに窓ガラス用フィルム等を挙げることができる。一方、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、不透明部材として用いても良い。例えば、これら各種物品の表面に前記凹凸表面構造を直接形成することにより、当該物品を本発明に係るカビ繁殖抑制部材とすることもできる。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、各種物品において人の手が届きにくい部分にも好適に用いることができ、例えば、カーポートの屋根材、前記各種機器に内蔵されるフィルター等として好ましく用いられる。その他、食品、医薬品等の容器或いは包装材について、その内側、外側、或いは内外両側の表面に前記凹凸表面構造を具備した形態とすることにより、当該容器或いは包装材を本発明に係るカビ繁殖抑制部材とすることもできる。
本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、カビの繁殖の抑制が求められるあらゆる用途に用いることができ、特に限定されない。本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、機械的強度及び耐久性に優れるため、人の手が接触する用途においても効果を発揮することができ、好適に用いられる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、各種物品において人の手が届く部分に好適に用いることができ、例えば、浴室、洗面所、洗濯機置き場、キッチン、トイレ(ユニットバス設備を含む)等の水回り設備が設けられた部屋若しくは空間、又は、脱衣所、物干し場、食堂等の水回り設備に隣接した部屋若しくは空間に用いられる内壁、天井、室内の装飾品等のインテリア部材;門扉、フェンス、外壁、カーポート等のエクステリア部材;ビニールハウス、植物栽培槽等の植物栽培施設;エアーコンディショナー、空気清浄機等の空調機器;冷蔵庫、洗濯機、電話機、掃除機等の家電製品;電子レンジ、炊飯器等の調理用機器;医療機器等の医療設備;学校設備の事務用機器及びその他の電子機器等が挙げられる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材を、透明部材として用いる場合の用途としては、例えば、これら各種物品が備える電子表示部やタッチパネル等の保護フィルム、これら各種物品に後から貼り付けて用いる表面材、並びに窓ガラス用フィルム等を挙げることができる。一方、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、不透明部材として用いても良い。例えば、これら各種物品の表面に前記凹凸表面構造を直接形成することにより、当該物品を本発明に係るカビ繁殖抑制部材とすることもできる。また、本発明に係るカビ繁殖抑制部材は、各種物品において人の手が届きにくい部分にも好適に用いることができ、例えば、カーポートの屋根材、前記各種機器に内蔵されるフィルター等として好ましく用いられる。その他、食品、医薬品等の容器或いは包装材について、その内側、外側、或いは内外両側の表面に前記凹凸表面構造を具備した形態とすることにより、当該容器或いは包装材を本発明に係るカビ繁殖抑制部材とすることもできる。
上記容器或いは包装材の具体例について図を参照して説明する。図9は、本発明に係るカビ繁殖抑制部材の使用態様の一例を模式的に示す図である。また、図10は、図9のB−B’断面図の一例を模式的に示す概略断面図であり、図10にはC部分の拡大図を併せて示している。図9及び図10は、液状体を保存するための容器の一例であり、いわゆるパウチ容器の例である。図9及び図10の例に示される容器40は、2枚の包装材31を重ね合わせて周縁部を貼り合わせた形状を有しており、底部は、容器の容積を確保するために3枚の包装材31を貼り合わせている。また、上部には密栓可能な取出し口32を備えている。B−B’断面は、図10の例に示されるように、2枚の包装材31の間に液状体を収容する空間が形成されている。本発明のカビ繁殖抑制部材は、例えば液体を収容する空間の内側に設けることができ、液状態中でのカビの繁殖を抑制することができる(図10のC参照)。また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、包装材31の外側面に配置されていてもよい(図示せず)。
また、図11は、本発明に係るカビ繁殖抑制部材の使用態様の別の一例を模式的に示す図である。また、図12は、図11のD−D’断面図の一例を模式的に示す概略断面図であり、図12にはE部分の拡大図を併せて示している。図11及び図12は、パンや野菜等の食品を保存するための包装材50の例であり、いわゆるラッピングフィルムの例である。図12に示すように、包装材50は、食品を収容する空間の内面が前記凹凸表面構造を有する面となっている。包装材内に収容される食品等の収容物は、包装材と接触する部分からカビが繁殖し始め、その後収容物全体に広がってカビが繁殖しやすい。それに対し、本発明に係るカビ繁殖抑制部材を包装材として用いることにより、包装材表面におけるカビの繁殖が抑制されるため、食品等の収容物において、包装材と接触した部分のカビの繁殖を抑制することができる。そのため、収容物全体においてもカビの繁殖を抑制することができる。本発明に係るカビ繁殖抑制部材を包装材として用いる場合、カビ繁殖抑制効果を向上する点から、内面の少なくとも一部が前記凹凸表面構造を有する面であることが好ましく、収容物を収容する空間の内面が前記凹凸表面構造を有する面であることがより好ましい。
上記エクステリア部材の具体例について図を参照して説明する。図13は、本発明に係るカビ繁殖抑制部材の使用態様の別の一例を模式的に示す図である。また、図14は、図13のF−F’断面の一部を拡大した一例を模式的に示す概略断面図である。図13及び図14は、本発明のカビ繁殖抑制部材をカーポート60の屋根材61として用いた例であり、図14に示すように、カーポート60の屋根材61の両面が前記凹凸表面構造を有する面となっている。
また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、農業用途に好ましく用いることができる。少なくとも一部に前記本発明に係るカビ繁殖抑制部材を有する農業用カビ繁殖抑制部材は、植物病原菌とも呼ばれるカビ類の繁殖を抑制することができるため、農作物の安定した育成が可能となり、また、収穫量を高めることも可能となる。なお、植物病原菌の具体例としては、養液栽培のすべて−植物工場を支える基本技術 日本施設園芸協会 (編集), 日本養液栽培研究会 (編集)に記載のものが挙げられ、本発明のカビ繁殖抑制部材は、中でも、ピシューム属(Pythium)やフザリウム属(Fusarium)等のカビ類に対して、繁殖を抑制する効果が高い。
図15は、本発明に係る農業用カビ繁殖抑制部材の使用態様の一例を模式的に示す図であり、具体的にはビニールハウス20の模式的な断面図である。本発明の農業用カビ繁殖抑制部材は、例えば、天井部11や壁面部12の内面側に配置されるものであってもよく、土壌面13上に設けられた反射シートの表面に配置されるものであってもよい。また、本発明のカビ繁殖抑制部材は、それ自体が天井部11や壁面部12を形成するようなシート状又は板状のものであってもよく、天井部11や壁面部12の内面側に貼り合わせて用いられるフィルム状のものであってもよい。
また、図16は、本発明に係る農業用カビ繁殖抑制部材の使用態様の別の一例を模式的に示す図であり、具体的には工場栽培における植物栽培ユニット30(LEDハウスともいう)の一例を示す模式的な断面図である。図16の例に示される植物栽培ユニット30は、1段乃至2段以上の棚の天板側にLED光源等の光源22が配置され、当該棚は、光源光を効率よく利用し、また、温度、湿度条件を維持するための反射シート21が配置されている。本発明の農業用カビ繁殖抑制部材は、例えば、前記反射シート21の内面側に配置されるものであってもよく、棚を構成する棚板や天板に配置されるものであってもよい。
本発明のカビ繁殖抑制部材を用いることにより、農薬の使用量を削減することができ、農作物の収穫量を向上し、安定的な生産が可能となる。
また、図16は、本発明に係る農業用カビ繁殖抑制部材の使用態様の別の一例を模式的に示す図であり、具体的には工場栽培における植物栽培ユニット30(LEDハウスともいう)の一例を示す模式的な断面図である。図16の例に示される植物栽培ユニット30は、1段乃至2段以上の棚の天板側にLED光源等の光源22が配置され、当該棚は、光源光を効率よく利用し、また、温度、湿度条件を維持するための反射シート21が配置されている。本発明の農業用カビ繁殖抑制部材は、例えば、前記反射シート21の内面側に配置されるものであってもよく、棚を構成する棚板や天板に配置されるものであってもよい。
本発明のカビ繁殖抑制部材を用いることにより、農薬の使用量を削減することができ、農作物の収穫量を向上し、安定的な生産が可能となる。
次に、本発明の実施の態様について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の態様に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、以下において、凹部の開口部の平面視形状、長径φ1、短径φ2、及び隣接する凹部間の距離Dは、光学顕微鏡(オリンパス社製、製品名BX53M)を用いて平面視で撮影した光学顕微鏡写真から測定した。
凹部の深さH、並びに、凹部の内面に配置された微小突起の幅w、高さh及び隣接する微小突起間の距離dは、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、LEXT OLS4100)を用いた断面プロファイル解析により測定した。隣接する凹部間の距離Dの平均DAVG及び隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGは、各々測定値の度数分布から求めた。
凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、23℃〜25℃の環境下で、ISO25178に準拠して、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、LEXT OLS 4000)を用い、レーザー顕微鏡における対物レンズ20倍を使用して測定した。算術平均高さ(Sa)の測定領域は、凹部の開口部の輪郭に内接する最も大きい正方形のうち、最も凹部の中央近くに位置する正方形の領域とした。レーザー顕微鏡測定において測定面が曲面の場合は、平面補正を行った後に算術平均高さ(Sa)を算出した。
また、凹凸表面構造を有する面を測定する際は、得られたカビ繁殖抑制部材を1m四方の大きさに切断した測定サンプルを用いて、図7に示すように、測定サンプルの凹凸表面構造を有する面全体Aのうち、中央の1mm四方の領域aと、中央を通る1本目の対角線L1と当該対角線L1と直交する対角線L2とを引いたときの各対角線上において、中央から対角線端部までの中間における1mm四方の領域b、c、d、eの合計5か所の領域を用いて測定した。更に、当該領域から任意に選択した5個の凹部について、凹部の内面の測定を行った。凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、複数の凹部で測定したSaの平均値として求めた。なお、顕微鏡観察の際は、測定サンプルを水平な台の上に置いて観察した。
なお、以下において、凹部の開口部の平面視形状、長径φ1、短径φ2、及び隣接する凹部間の距離Dは、光学顕微鏡(オリンパス社製、製品名BX53M)を用いて平面視で撮影した光学顕微鏡写真から測定した。
凹部の深さH、並びに、凹部の内面に配置された微小突起の幅w、高さh及び隣接する微小突起間の距離dは、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、LEXT OLS4100)を用いた断面プロファイル解析により測定した。隣接する凹部間の距離Dの平均DAVG及び隣接する微小突起間の距離dの平均dAVGは、各々測定値の度数分布から求めた。
凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、23℃〜25℃の環境下で、ISO25178に準拠して、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、LEXT OLS 4000)を用い、レーザー顕微鏡における対物レンズ20倍を使用して測定した。算術平均高さ(Sa)の測定領域は、凹部の開口部の輪郭に内接する最も大きい正方形のうち、最も凹部の中央近くに位置する正方形の領域とした。レーザー顕微鏡測定において測定面が曲面の場合は、平面補正を行った後に算術平均高さ(Sa)を算出した。
また、凹凸表面構造を有する面を測定する際は、得られたカビ繁殖抑制部材を1m四方の大きさに切断した測定サンプルを用いて、図7に示すように、測定サンプルの凹凸表面構造を有する面全体Aのうち、中央の1mm四方の領域aと、中央を通る1本目の対角線L1と当該対角線L1と直交する対角線L2とを引いたときの各対角線上において、中央から対角線端部までの中間における1mm四方の領域b、c、d、eの合計5か所の領域を用いて測定した。更に、当該領域から任意に選択した5個の凹部について、凹部の内面の測定を行った。凹部の内面の算術平均高さ(Sa)は、複数の凹部で測定したSaの平均値として求めた。なお、顕微鏡観察の際は、測定サンプルを水平な台の上に置いて観察した。
[実施例1:カビ繁殖抑制部材の製造]
図8に示すような製造装置を用い、Tダイフィルム成形機から、加熱溶融した低密度ポリエチレン(ノバテック LD、日本ポリエチレン(株)製)を、樹脂温度205℃で、厚さ80μmのシート状に押出して、離型処理が施されていない表面構造形成用原版を用いて、一方の表面に凹凸表面構造を形成し、熱可塑性樹脂の固化物からなる実施例1のカビ繁殖抑制部材を得た。
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の凹凸表面構造を有する面の光学顕微鏡写真を図17に示す。なお、図17に示す光学顕微鏡写真の撮影条件は、以下の通りである。
走査モード:XYZ高精度+カラー
画像サイズ[画素]:1024×1024
画像サイズ[μm]:644×647
対物レンズ:MPLAPONLEXT20
ズーム:1X
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の表面に形成された凹凸表面構造は、複数の凹部が配置されてなり、各凹部の開口部の平面視形状は、長径φ1が850μm±42.5μm(平均850μm)、短径φ2が460μm±23μm(平均460μm)の菱形であり、隣接する凹部間の距離Dの平均DAVGは533μmであり、凹部の深さHは135μm±13.5μm(平均135μm)であった。なお、表1に示す凹部の開口部の平面視形状の長径φ1及び短径φ2並びに凹部の深さHは、それぞれ平均値である。また、凹部内面の算術平均高さ(Sa)は、13.2μmであった。
また、実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材は、各凹部の内面に、幅wが0.3μm以上10μm以下の範囲内であり、高さhが1μm以上70μm以下の範囲内である複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGは2.1μmであった。
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材は、凹凸表面構造の平面視において、凹凸表面構造の全面積に対する凹部の面積占有率が89.2%であった。
図8に示すような製造装置を用い、Tダイフィルム成形機から、加熱溶融した低密度ポリエチレン(ノバテック LD、日本ポリエチレン(株)製)を、樹脂温度205℃で、厚さ80μmのシート状に押出して、離型処理が施されていない表面構造形成用原版を用いて、一方の表面に凹凸表面構造を形成し、熱可塑性樹脂の固化物からなる実施例1のカビ繁殖抑制部材を得た。
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の凹凸表面構造を有する面の光学顕微鏡写真を図17に示す。なお、図17に示す光学顕微鏡写真の撮影条件は、以下の通りである。
走査モード:XYZ高精度+カラー
画像サイズ[画素]:1024×1024
画像サイズ[μm]:644×647
対物レンズ:MPLAPONLEXT20
ズーム:1X
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の表面に形成された凹凸表面構造は、複数の凹部が配置されてなり、各凹部の開口部の平面視形状は、長径φ1が850μm±42.5μm(平均850μm)、短径φ2が460μm±23μm(平均460μm)の菱形であり、隣接する凹部間の距離Dの平均DAVGは533μmであり、凹部の深さHは135μm±13.5μm(平均135μm)であった。なお、表1に示す凹部の開口部の平面視形状の長径φ1及び短径φ2並びに凹部の深さHは、それぞれ平均値である。また、凹部内面の算術平均高さ(Sa)は、13.2μmであった。
また、実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材は、各凹部の内面に、幅wが0.3μm以上10μm以下の範囲内であり、高さhが1μm以上70μm以下の範囲内である複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGは2.1μmであった。
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材は、凹凸表面構造の平面視において、凹凸表面構造の全面積に対する凹部の面積占有率が89.2%であった。
[実施例2〜6、比較例2]
図8に示すような製造装置を用い、Tダイフィルム成形機から、リニアポリエチレン(LLDPE)を、樹脂温度205℃で、厚さ50〜100μmのシート状に押出して、離型処理が施されていない表面構造形成用原版を用いて、一方の表面に、表1に示す形状及び配置で複数の凹部が配置されてなる凹凸表面構造を形成し、熱可塑性樹脂の固化物からなる実施例2〜6のカビ繁殖抑制部材及び比較例2の部材を得た。
実施例2〜6で得られたカビ繁殖抑制部材及び比較例2で得られた部材の凹凸表面構造について、表1に、凹部の開口部の平面視形状、長径φ1、短径φ2、及び凹部の深さHの平均値、隣接する凹部間の距離Dの平均DAVG、凹部内面の算術平均高さ(Sa)、凹部内面の微小突起の幅wの範囲、高さhの範囲、及び隣接する微小突起間の距離dの平均dAVG、並びに、平面視での凹凸表面構造の全面積に対する凹部の面積占有率を示す。なお、実施例2〜6で得られたカビ繁殖抑制部材において、長径φ1及び短径φ2のバラツキは平均値の10%以下であり、凹部の深さHのバラツキは平均値の30%以下であった。
図8に示すような製造装置を用い、Tダイフィルム成形機から、リニアポリエチレン(LLDPE)を、樹脂温度205℃で、厚さ50〜100μmのシート状に押出して、離型処理が施されていない表面構造形成用原版を用いて、一方の表面に、表1に示す形状及び配置で複数の凹部が配置されてなる凹凸表面構造を形成し、熱可塑性樹脂の固化物からなる実施例2〜6のカビ繁殖抑制部材及び比較例2の部材を得た。
実施例2〜6で得られたカビ繁殖抑制部材及び比較例2で得られた部材の凹凸表面構造について、表1に、凹部の開口部の平面視形状、長径φ1、短径φ2、及び凹部の深さHの平均値、隣接する凹部間の距離Dの平均DAVG、凹部内面の算術平均高さ(Sa)、凹部内面の微小突起の幅wの範囲、高さhの範囲、及び隣接する微小突起間の距離dの平均dAVG、並びに、平面視での凹凸表面構造の全面積に対する凹部の面積占有率を示す。なお、実施例2〜6で得られたカビ繁殖抑制部材において、長径φ1及び短径φ2のバラツキは平均値の10%以下であり、凹部の深さHのバラツキは平均値の30%以下であった。
[比較例1]
PET基材(東レ(株)製、ルミラー50 U34)を比較例1の部材とした。
PET基材(東レ(株)製、ルミラー50 U34)を比較例1の部材とした。
[比較例3]
実施例1において、表面構造形成用原版の表面に離形処理を施した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の部材を得た。比較例3で得られた部材は、凹部の開口部の形状、凹部の深さ、及び凹部の配置は実施例1と同じであったが、凹部の内面が実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材とは異なり、平滑な面であった。
実施例1において、表面構造形成用原版の表面に離形処理を施した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の部材を得た。比較例3で得られた部材は、凹部の開口部の形状、凹部の深さ、及び凹部の配置は実施例1と同じであったが、凹部の内面が実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材とは異なり、平滑な面であった。
[比較例4]
特開2016−210164号公報の実施例1と同様の方法により、いわゆるモスアイ構造を表面に有する比較例4の部材を得た。比較例4で得られた部材は、平均高さが160nmの複数の微小突起が密接に配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を表面に有し、隣接する微小突起間の距離の平均が200nmであり、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面がうねった形状であった。
特開2016−210164号公報の実施例1と同様の方法により、いわゆるモスアイ構造を表面に有する比較例4の部材を得た。比較例4で得られた部材は、平均高さが160nmの複数の微小突起が密接に配置されてなる微小突起群を備えた微小突起構造体を表面に有し、隣接する微小突起間の距離の平均が200nmであり、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面がうねった形状であった。
[カビ抵抗性試験]
各実施例で得られたカビ繁殖抑制部材、比較例1のPET基材及び比較例2〜4で得られた部材について、JIS Z 2911:2010の「プラスチック製品の試験」に準じて、下記手順によりカビ抵抗性試験を行った。試験カビとしては、Aspergillus niger(クロコウジカビ)、Penicillium pinophilum(ペニシリウムフニクロスム)、Rhizopus oryzae(クモノスカビ属 リゾプスオリゼ)、Chaetemium globosum(ケタマカビ)及びCladosporium cladosporioides(クラドスポリウム クラドスポリオイデス、黒カビの一種)の5種を用いた。
なお、短時間でカビを繁殖させる加速試験とするために更に10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行う試験と、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行う試験を各々行った。具体的には、試験カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、26±2℃で7〜14日間培養後、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行う試験では、湿潤剤添加滅菌水を用い、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行う試験では、ブドウ糖ペプトン液体培地を10%加えた湿潤剤添加滅菌水を用いて、各試験カビの106CFU/mLの単一胞子懸濁液を調製した。上記5種の試験カビの単一胞子懸濁液をそれぞれ等容量ずつ入れて混合し、上記5種の試験カビの混合胞子懸濁液を調製した。
各実施例及び比較例2〜4で得られた部材においては凹凸形状を有する表面を、比較例1のPET基材においては一方の表面を、エタノール消毒し、50mm角に切断することにより試験試料を作製した。
試験試料の前記表面全体に、上記混合胞子懸濁液0.5mLを噴霧接種し、シャーレに入れ、前記表面が鉛直方向となるように静置して、温度26±2℃、湿度95%RH以上99%RH以下の条件で、4週間培養した。
培養開始から2週間後と4週間後に、試験試料の前記表面を肉眼及び実体顕微鏡にて観察し、下記基準により判定した。
0:肉眼及び顕微鏡下でカビの発育は認められない
1:肉眼ではカビの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる
2:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満
3:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上50%未
満
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている
なお、表1において、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行った試験を、GP broth添加なしと表記し、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行った試験を、GP broth添加10%と表記する。
各実施例で得られたカビ繁殖抑制部材、比較例1のPET基材及び比較例2〜4で得られた部材について、JIS Z 2911:2010の「プラスチック製品の試験」に準じて、下記手順によりカビ抵抗性試験を行った。試験カビとしては、Aspergillus niger(クロコウジカビ)、Penicillium pinophilum(ペニシリウムフニクロスム)、Rhizopus oryzae(クモノスカビ属 リゾプスオリゼ)、Chaetemium globosum(ケタマカビ)及びCladosporium cladosporioides(クラドスポリウム クラドスポリオイデス、黒カビの一種)の5種を用いた。
なお、短時間でカビを繁殖させる加速試験とするために更に10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行う試験と、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行う試験を各々行った。具体的には、試験カビをポテトデキストロース寒天培地に接種し、26±2℃で7〜14日間培養後、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行う試験では、湿潤剤添加滅菌水を用い、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行う試験では、ブドウ糖ペプトン液体培地を10%加えた湿潤剤添加滅菌水を用いて、各試験カビの106CFU/mLの単一胞子懸濁液を調製した。上記5種の試験カビの単一胞子懸濁液をそれぞれ等容量ずつ入れて混合し、上記5種の試験カビの混合胞子懸濁液を調製した。
各実施例及び比較例2〜4で得られた部材においては凹凸形状を有する表面を、比較例1のPET基材においては一方の表面を、エタノール消毒し、50mm角に切断することにより試験試料を作製した。
試験試料の前記表面全体に、上記混合胞子懸濁液0.5mLを噴霧接種し、シャーレに入れ、前記表面が鉛直方向となるように静置して、温度26±2℃、湿度95%RH以上99%RH以下の条件で、4週間培養した。
培養開始から2週間後と4週間後に、試験試料の前記表面を肉眼及び実体顕微鏡にて観察し、下記基準により判定した。
0:肉眼及び顕微鏡下でカビの発育は認められない
1:肉眼ではカビの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに確認できる
2:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満
3:肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上50%未
満
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上
5:菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている
なお、表1において、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行った試験を、GP broth添加なしと表記し、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行った試験を、GP broth添加10%と表記する。
また、前記カビ抵抗性試験において、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行った試験での培養4週間後の実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の表面の光学顕微鏡写真を図18に示し、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行った試験での培養4週間後の実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材の表面の光学顕微鏡写真を図19に示す。
一方、前記カビ抵抗性試験において、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行った試験での培養4週間後の比較例1のPET基材の表面の光学顕微鏡写真を図20に示し、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行った試験での培養4週間後の比較例1のPET基材の表面の光学顕微鏡写真を図21に示す。
一方、前記カビ抵抗性試験において、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加せずに行った試験での培養4週間後の比較例1のPET基材の表面の光学顕微鏡写真を図20に示し、10%ブドウ糖ペプトン培地を添加して行った試験での培養4週間後の比較例1のPET基材の表面の光学顕微鏡写真を図21に示す。
(結果のまとめ)
温度26±2℃、湿度95%RH以上99%RH以下の湿潤状態で行われた前記カビ抵抗性試験において、比較例1〜3の部材は、培養2週間後では前記基準で2レベルの菌糸の成長が認められ、培養4週間後では前記基準で3レベルの菌糸の成長が認められ、比較例4の部材は、培養2週間後では前記基準で1レベルの菌糸の成長が認められ、培養4週間後では前記基準で1〜2レベルの菌糸の成長が認められた。
これに対し、各実施例で得られた本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記比較例と同じ湿潤状態で行われた前記カビ抵抗性試験において、培養2週間後では菌糸の発育が認められず、培養4週間後であっても、菌糸の発育が認められないか又は前記基準で1レベルであった。これにより、本発明のカビ繁殖抑制部材では、試験に用いた全種類のカビにおいて、湿潤状態で、カビの繁殖を抑制できることが明らかにされた。
温度26±2℃、湿度95%RH以上99%RH以下の湿潤状態で行われた前記カビ抵抗性試験において、比較例1〜3の部材は、培養2週間後では前記基準で2レベルの菌糸の成長が認められ、培養4週間後では前記基準で3レベルの菌糸の成長が認められ、比較例4の部材は、培養2週間後では前記基準で1レベルの菌糸の成長が認められ、培養4週間後では前記基準で1〜2レベルの菌糸の成長が認められた。
これに対し、各実施例で得られた本発明のカビ繁殖抑制部材は、前記比較例と同じ湿潤状態で行われた前記カビ抵抗性試験において、培養2週間後では菌糸の発育が認められず、培養4週間後であっても、菌糸の発育が認められないか又は前記基準で1レベルであった。これにより、本発明のカビ繁殖抑制部材では、試験に用いた全種類のカビにおいて、湿潤状態で、カビの繁殖を抑制できることが明らかにされた。
また、各実施例で得られたカビ繁殖抑制部材の凹凸表面構造を有する面について、JIS K 7204:1999に規定するプラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法に準拠して、摩耗輪CS−17を用い、9.8N荷重(1,000gf)での1000回転摩耗試験を行い、摩耗試験前後でのヘイズ値の差(△ヘイズ値(%))を求めた。なお、前記摩耗試験は、ロータリーアブレージョンテスタ((株)東洋精機製作所製)を用いて行った。各実施例で得られたカビ繁殖抑制部材は、前記摩耗試験後の増加ヘイズ値(△ヘイズ値)が、各々20%以下であった。
[参考:抗菌性試験]
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材、及び比較例1のPET基材を、各々5cm角となるように切り取り試験片を得た。試験菌としては大腸菌を用いた。JIS Z2801:2010に準拠して、実施例1の試験片の凹凸表面構造を有する表面、比較例1の試験片の一方の表面に、それぞれ試験菌液を滴下し、試験菌液接種直後の試験片の生菌数(試験前生菌数)を測定した。試験菌液を滴下した試験片の表面をPETフィルムで密着するように覆い、各試験片を培養器中で温度35℃、湿度90%RH、蛍光灯照射下で、24時間培養し、培養後の生菌数を測定した。なお、生菌数は、発光測定法により測定した。具体的には、それぞれの洗い出し液にATP抽出試薬を加え、細胞内から抽出したATPと発光試薬(ルシフェラーゼ)を反応させ、発光光度計によりその発光量を測定してATP濃度、さらに生菌数に換算した。各測定値から、下記式により算出した抗菌活性値を表2に示す。
抗菌活性値=log(比較例1の試験片の培養後生菌数)−log(評価対象の試験片の培養後生菌数)
抗菌活性値の対数値が2以上であれば、抗菌効果があるものとして判断される。
実施例1で得られたカビ繁殖抑制部材、及び比較例1のPET基材を、各々5cm角となるように切り取り試験片を得た。試験菌としては大腸菌を用いた。JIS Z2801:2010に準拠して、実施例1の試験片の凹凸表面構造を有する表面、比較例1の試験片の一方の表面に、それぞれ試験菌液を滴下し、試験菌液接種直後の試験片の生菌数(試験前生菌数)を測定した。試験菌液を滴下した試験片の表面をPETフィルムで密着するように覆い、各試験片を培養器中で温度35℃、湿度90%RH、蛍光灯照射下で、24時間培養し、培養後の生菌数を測定した。なお、生菌数は、発光測定法により測定した。具体的には、それぞれの洗い出し液にATP抽出試薬を加え、細胞内から抽出したATPと発光試薬(ルシフェラーゼ)を反応させ、発光光度計によりその発光量を測定してATP濃度、さらに生菌数に換算した。各測定値から、下記式により算出した抗菌活性値を表2に示す。
抗菌活性値=log(比較例1の試験片の培養後生菌数)−log(評価対象の試験片の培養後生菌数)
抗菌活性値の対数値が2以上であれば、抗菌効果があるものとして判断される。
表2に示すように、実施例1で得られた本発明のカビ繁殖抑制部材は、表面が平坦なPET基材に比べ、大腸菌の繁殖を抑制する効果を有しないものであった。これにより、本発明のカビ繁殖抑制部材は、微生物の中でもカビに対して特異的に繁殖を抑制する効果を有することが明らかにされた。
1 凸部
2 凹部
3 基材
4 微細凹凸層
4a 溶融熱可塑性樹脂層
5 Tダイ押出機
6a、6b 表面構造形成用原版
7 巻き取りロール
8 微小突起
10 カビ繁殖抑制部材
11 天井部
12 壁面部
13 土壌面(反射シート)
20 ビニールハウス
21 反射シート
22 光源
30 植物栽培ユニット
31 包装材
32 取出し口
40 容器
50 包装材
60 カ−ポート
61 屋根材
2 凹部
3 基材
4 微細凹凸層
4a 溶融熱可塑性樹脂層
5 Tダイ押出機
6a、6b 表面構造形成用原版
7 巻き取りロール
8 微小突起
10 カビ繁殖抑制部材
11 天井部
12 壁面部
13 土壌面(反射シート)
20 ビニールハウス
21 反射シート
22 光源
30 植物栽培ユニット
31 包装材
32 取出し口
40 容器
50 包装材
60 カ−ポート
61 屋根材
Claims (2)
- 凸部に取り囲まれた凹部が複数配置されてなる凹凸表面構造を有し、
前記凹部は、開口部の長径φ1が100μm以上1500μm以下であり、開口部の短径φ2が100μm以上1500μm以下であり、前記凹部の開口部において、長径φ1≧短径φ2を満たし、隣接する前記凹部間の距離Dの平均DAVGが、110μm以上3000μm以下であり、
前記凹部の開口面積が、前記凹部の開口部から最深部に向かって漸次減少し、前記凹部の深さHが10μm以上500μm以下であり、
前記凹部の内面に、複数の微小突起が配置されてなる微小突起群を備え、前記微小突起は、幅wが0.1μm以上20μm以下であり、高さhが0.1μm以上100μm以下であり、隣接する前記微小突起間の距離dの平均dAVGが0.1μm以上20μm以下であり、
前記凹部の内面の算術平均高さ(Sa)が、1μm以上50μm以下である、カビ繁殖抑制部材。 - 前記凹凸表面構造の平面視において、前記凹凸表面構造の全面積に対する前記凹部の面積占有率が、55%以上95%以下である、請求項1に記載のカビ繁殖抑制部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018158412A JP2020032542A (ja) | 2018-08-27 | 2018-08-27 | カビ繁殖抑制部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018158412A JP2020032542A (ja) | 2018-08-27 | 2018-08-27 | カビ繁殖抑制部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2020032542A true JP2020032542A (ja) | 2020-03-05 |
Family
ID=69666574
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018158412A Pending JP2020032542A (ja) | 2018-08-27 | 2018-08-27 | カビ繁殖抑制部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020032542A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021147385A (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-27 | 株式会社リコー | 樹脂構造体、抗病原体活性付加物、樹脂構造体の製造方法、抗病原体活性付加物の製造方法、樹脂構造体の製造装置、及び抗病原体活性付加物の製造装置 |
| JP2022067097A (ja) * | 2020-03-13 | 2022-05-02 | 株式会社リコー | 抗病原体構造体、抗病原体構造体の製造方法、抗病原体構造体の製造装置、及び液体組成物 |
| WO2022230533A1 (ja) * | 2021-04-30 | 2022-11-03 | 株式会社クレハ | 抗菌用成形体、食品用包装材、および生体内留置用装置 |
-
2018
- 2018-08-27 JP JP2018158412A patent/JP2020032542A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021147385A (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-27 | 株式会社リコー | 樹脂構造体、抗病原体活性付加物、樹脂構造体の製造方法、抗病原体活性付加物の製造方法、樹脂構造体の製造装置、及び抗病原体活性付加物の製造装置 |
| JP7060065B2 (ja) | 2020-03-13 | 2022-04-26 | 株式会社リコー | 樹脂構造体、抗病原体活性付加物、樹脂構造体の製造方法、抗病原体活性付加物の製造方法、樹脂構造体の製造装置、及び抗病原体活性付加物の製造装置 |
| JP2022067097A (ja) * | 2020-03-13 | 2022-05-02 | 株式会社リコー | 抗病原体構造体、抗病原体構造体の製造方法、抗病原体構造体の製造装置、及び液体組成物 |
| JP7347557B2 (ja) | 2020-03-13 | 2023-09-20 | 株式会社リコー | 抗微生物又は抗ウイルス用樹脂構造体、抗微生物又は抗ウイルス用樹脂構造体の製造方法、及び抗微生物又は抗ウイルス用樹脂構造体の製造装置 |
| WO2022230533A1 (ja) * | 2021-04-30 | 2022-11-03 | 株式会社クレハ | 抗菌用成形体、食品用包装材、および生体内留置用装置 |
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