JP2020033044A - 電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents

電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】シーラント層のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られる、電子部品包装用のカバーテープを提供すること。【解決手段】基材層1と、基材層の片面側に全面的に設けられたシーラント層3とを備え、シーラント層がシリコーン樹脂を含む、電子部品包装用のカバーテープ。また、このカバーテープと、電子部品が凹部に収容されたキャリアテープとを備え、電子部品を封止するようにシーラント層がキャリアテープに接着された電子部品包装体。シリコーン樹脂は、ポリオレフィン−シリコーン共重合体を含むことが好ましい。また、シーラント層は、シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品包装用のカバーテープおよび電子部品包装体に関する。
電子部品を運搬、保管等するに際し、一般的にキャリアテープが用いられている。
具体的には、キャリアテープに形成された電子部品収納用の凹部に、電子部品(半導体チップ等)を入れ、その後、そのキャリアテープの上面に、カバーテープをヒートシールして電子部品を封入する。そして、それをリール状に巻き取って運搬、保管する。
キャリアテープの上面にヒートシールされるカバーテープには、通常、封入される電子部品を検査できる程度に透明であることや、キャリアテープから容易に剥離できることが求められることが多い。また、電子部品が静電気により絶縁破壊されやすい部品である場合、埃の付着防止や内容物の静電気からの保護などが求められる場合もある。
近年の、電子部品のさらなる精密化、高度化等に伴い、カバーテープに関する様々な改良は継続的に行われている。
一例として、特許文献1には、少なくとも基材層とヒートシール層と帯電防止層とを含み、そのヒートシール層側の表面に(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有する帯電防止層が形成されているカバーテープが記載されている。ここで、(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体および(B)第4級アンモニウム塩を構成するアニオンは、カルボン酸類、硫酸エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸類、リン酸類からなる群から選択した1種または2種以上である。
別の一例として、特許文献2には、少なくとも基材、粘着層および非粘着層を順次備えるカバーテープが記載されている。このカバーテープにおいて、非粘着層の幅は粘着層の幅よりも狭い。また、粘着層はテープ幅方向両端に露出部を有し、その露出部幅は0.5〜3mmである。さらに、その露出部幅の公差は0.01〜0.1mmである。
さらに別の一例として、特許文献3には、(1)少なくとも一層の二軸延伸高分子フィルムからなる外層と、(2)脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコーン系オリゴマーのいずれかとポリウレタン系高分子との混合物からなるポリウレタン系マトリックスから構成されている内層と、(3)そのさらに内側の少なくとも一層のシール層との、少なくとも3層構造のカバーテープが記載されている。
国際公開第2012/173119号 特開2012−91858号公報 特開2000−142788号公報
電子部品包装用のカバーテープにおいて、シーラント層(ヒートシールによりキャリアテープと接着される層)のタック性(粘着性)が小さいことや、シーラント層の滑り性が良好であることが求められる場合がある。なぜならば、シーラント層のタック性が小さかったり、滑り性が良好であったりすると、電子部品がカバーテープに貼りつくことが抑えられるためである。
しかし、低タック性や良好な滑り性は、一般に、ヒートシール時のシール強度とトレードオフの関係にある。
本発明者の知見によれば、シーラント層の低タック性や良好な滑り性を重視してカバーテープを設計すると、シール強度が弱くなりがちであった。また、シーラント層のシール強度を重視してカバーテープを設計すると、タック性が大きくなったり、滑り性が悪くなったりしがちであった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、シーラント層のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られる、電子部品包装用のカバーテープを提供することである。
本発明者らは、上記トレードオフを解決するため、様々な検討を行った。その結果、カバーテープのシーラント層に特定の樹脂を含ませることで、上記のトレードオフを解決しうることを知見した。この知見に基づき、以下の発明を完成させた。
本発明によれば、
電子部品包装用のカバーテープであって、
基材層と、前記基材層の片面側に全面的に設けられたシーラント層とを備え、
前記シーラント層が、シリコーン樹脂を含むカバーテープ
が提供される。
また、本発明によれば、
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、前記カバーテープとを備え、
前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体
が提供される。
本発明によれば、シーラント層のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られる、電子部品包装用のカバーテープが提供される。
本実施形態のカバーテープ(電子部品包装用のカバーテープ)の一例を、模式的に表した図である。 電子部品包装用カバーテープをキャリアテープに接着(ヒートシール)した状態の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書中、単位の「gf」は重量グラムを、「kgf」は重量キログラムを表す。これらについては重力加速度(9.8m/s)を掛けるなどしてSI単位に換算可能である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
<カバーテープ>
図1は、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ(電子部品包装用のカバーテープ)の一例を、模式的に表したものである。
カバーテープは、少なくとも基材層1と、その基材層1の片面側に存在するシーラント層3とを備える。
シーラント層3は、基材層1の片面側に全面的に設けられている。換言すると、シーラント層3は、基材層1の片面側に、基材層1と略同じ幅と長さで、切れ目や分断なく存在している。
カバーテープは、基材層1とシーラント層3との間に、中間層2を備えてもよい。図1にはこの中間層2が明示されている。
カバーテープは、通常、シーラント層3がキャリアテープと接着される。換言すると、通常、図1における下面側がキャリアテープと接着される。
シーラント層3は、少なくともシリコーン樹脂を含む。シーラント層3がシリコーン樹脂を含むことにより、シーラント層3のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られる。
これら効果の発現メカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のように説明することができる。なお、以下説明により本発明が限定的に解釈されるものではない。
まず、シリコーン系材料には、滑り性を良好とする傾向があることが知られている。
一方、シリコーン系材料が「樹脂」であると、シリコーン系材料が、シーラント層3中の他成分と良好に相溶すると考えられる(この傾向は、後述のように、シリコーン系材料が、ポリオレフィン−シリコーン共重合体である場合により顕著となると考えられる)。そうすると、シリコーン系材料がシーラント層3の表面に過度に偏在するなどしてヒートシール性を過度に損なうことがないと考えられる。
以上、シリコーン樹脂の特異な性質により、シーラント層3のタック性を小さく、滑り性を良好とすることができ、それでいて十分に強いシール強度が得られると考えられる。
なお、任意のケイ素含有材料ではなくシリコーン「樹脂」を用いることで、シーラント層3からのシリコーン樹脂の脱落を抑えやすい。このことは、電子部品の汚染を防ぐ点で好ましい。
以下、図1のカバーテープの各層について詳細に説明する。
[基材層1]
基材層1を構成する材料は特に限定されない。典型的には、カバーテープを作製するとき、キャリアテープに対してカバーテープを接着するとき、外力が加わったときに十分に耐えうる程度の機械的強度がある材料が好ましい。また、キャリアテープにカバーテープを接着する際の熱に耐えうる程度の耐熱性を有する材料が好ましい。
基材層1を構成する材料の形態は特に限定されないが、加工が容易である観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
中でも、カバーテープの機械的強度を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、カバーテープの機械的強度および/または柔軟性を向上させる観点から、ナイロン6を、基材層1を構成する材料として用いてもよい。
また、基材層1は、滑材などの添加剤を含んでもよい。
基材層1は、1層のみであってもよいし、2層以上あってもよい(例えば、基材層1は、上述した材料を各層に含む多層フィルムにより形成されてもよい)。
基材層1を形成するために用いられるフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであってもよい。カバーテープの機械的強度を一層向上させる観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
基材層1の厚さは特に限定されない。基材層1の厚さは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、基材層1の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下である。
基材層1の厚さが50μm以下であることで、カバーテープの剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープがキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープがキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
基材層1の厚さが5μm以上であることで、カバーテープの機械的強度を十二分に良好なものとすることができる。よって、例えばキャリアテープからカバーテープを高速で剥離する場合でも、カバーテープが破断してしまうことを抑制することができる。
基材層1の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
こうすることで、カバーテープとキャリアテープとからなる電子部品包装体において、電子部品が正しく収容されているか否かを検査できる程度に必要な透明性を確保することができる。言い換えると、基材層1の全光線透過率を80%以上とすることにより、カバーテープとキャリアテープとからなる包装体の内部に収容した電子部品を、外部から視認して確認しやすくなる。
なお、全光線透過率は、JIS K 7105(1981)に準じて測定することが可能である。
[中間層2]
本実施形態において、中間層2の存在は任意であるが、中間層2が存在することで、カバーテープのクッション性、耐衝撃性などを高めうる。
中間層2を形成する材料としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、カバーテープ全体のクッション性を向上させる観点から、オレフィン系樹脂を含むことが好ましい。
中間層2は、各種の添加剤を含んでもよい。
中間層を設ける場合、その厚さは、カバーテープ全体のクッション性を向上させる観点から、好ましくは10〜30μmであり、さらに好ましくは15〜25μmである。
[シーラント層3]
(シリコーン樹脂)
既に述べたように、シーラント層3は、シリコーン樹脂を含む。
シリコーン樹脂としては特に限定されない。例えば、公知または市販の各種シロキサン系ポリマーなど、2以上のシロキサン結合(−Si−O−)を含む化合物を用いることができる。
シリコーン樹脂としては、例えば、ポリオレフィン−シリコーン共重合体が好ましい。ポリオレフィン−シリコーン共重合体は、シーラント層3中に含まれうる他の成分(例えば、後述のオレフィン系樹脂など)との相溶性・均一分散性などの点で好ましい。そして、低タック性や良好な滑り性と、シール強度とを一層高いレベルで両立させることができる。
ポリオレフィン−シリコーン共重合体としては、2以上のオレフィンモノマーに由来する構造単位と、2以上のシロキサン結合(−Si−O−)を含む化合物であれば、特に限定されない。例えば、オレフィンモノマーに由来する構造単位を含む分子鎖と、ポリシロキサン構造を含む分子鎖とを含むブロック共重合体などを挙げることができる。
ポリオレフィン−シリコーン共重合体としてより具体的には、下記一般式(1)で表される構造を含むものを用いることができる。
一般式(1)において、Aはポリオレフィンに由来する構造単位を含む分子鎖を表し、Bは−SiR−O−で表されるシロキサン構造を含む分子鎖を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、一価の有機基である。一価の有機基として好ましくはアルキル基またはアリール基、より好ましくはアルキル基、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
Figure 2020033044
一般式(1)におけるAとしては、例えば、ポリオレフィンにおいて、他の構造単位と結合する結合手について水素が外れた構造であることができる。
Bは、例えば、シロキサン構造を2以上含むポリシロキサン構造であることができる。
ポリオレフィン−シリコーン共重合体における、オレフィンモノマーに由来する構造単位を含む分子鎖の構造(より具体的には、一般式(1)におけるAの構造)としては、例えば以下ポリマーに由来する構造が挙げられる。
・低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン。
・ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン。
・エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなど。
また、ポリオレフィン−シリコーン共重合体における、オレフィンモノマーに由来する構造単位を含む分子鎖の構造(より具体的には、一般式(1)におけるAの構造)としては、オレフィン構造単位を含む共重合体に由来する構造であってもよい。例えば、以下共重合体に由来する構造などを挙げることができる。
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)。
・エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)。
・エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、などの、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
ポリオレフィン−シリコーン共重合体における、オレフィンモノマーに由来する構造単位を含む分子鎖の構造としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンに由来する構造が好ましい。これにより、シーラント層3中でのシリコーン樹脂の相溶性ないし分散性を一層高められる。
シリコーン樹脂としてより具体的には、下記一般式(P1)から(P4)で表される構造のものが挙げられる。
Figure 2020033044
一般式(P1)において、mは1以上の整数である。
Figure 2020033044
一般式(P2)において、mおよびlは、それぞれ独立に、1以上の整数である。
Figure 2020033044
一般式(P3)において、mは1以上の整数である。
Figure 2020033044
一般式(P4)において、m、l、o、pは、それぞれ独立に、1以上の整数である。
シリコーン樹脂としては市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製のBY27−201、BY27−201C、BY27−202Hなどが挙げられる。
シーラント層3中のシリコーン樹脂の含有率は、シーラント層3全体に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜4.5質量%、さらに好ましくは1〜4質量%である。
シーラント層3中のシリコーン樹脂の量を調整することで、低タック性や良好な滑り性と、十分に強いシール強度とをより高いレベルで両立させることができる。
(シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂)
シーラント層3は、シリコーン樹脂に加え、好ましくは、シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含む。シーラント層3が、シリコーン樹脂と、それとは異なる熱可塑性樹脂とを含むことで、低タック性や良好な滑り性と、十分に強いシール強度とをより高度に両立させることができる。
使用可能な熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、以下に説明するオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル重合体などが挙げられる。
・オレフィン系樹脂
好ましくは、シーラント層3は、シリコーン樹脂とは異なる樹脂としてオレフィン系樹脂を含む。本発明者の知見として、オレフィン系樹脂はシリコーン樹脂との相溶性が特に良好な傾向にあり、低タック性や良好な滑り性と、十分に強いシール強度とを一層高度に両立しうる。
オレフィン系樹脂は、典型的には、エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィンに由来する構造単位を有する樹脂であることができる。
オレフィン系樹脂としては、公知のものを用いることができる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレンまたはエチレン共重合体が好ましい。
エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどの樹脂が挙げられる。このような樹脂を用いることより、カバーテープをキャリアテープから剥離する際の剥離強度を好適なものとすることができる。
本実施形態において、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、少なくともエチレンと脂肪族不飽和カルボン酸エステルとが共重合した共重合体である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、少なくともエチレンと酢酸ビニルとが共重合した共重合体である。これら共重合体には、場合により他のモノマーがさらに共重合されていてもよい。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸またはメタクリル酸と、メタノール、エタノール等の炭素数1〜8のアルコールとのエステルが好適に使用される。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、もしくはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体が、汎用性の面から好ましい。
剥離強度の観点から、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体において、共重合体を構成する全モノマー中の脂肪族不飽和カルボン酸エステルの割合は、10〜35質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。
剥離強度の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体において、共重合体を構成する全モノマー中の酢酸ビニルの割合は、10〜35質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましい。これにより、キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。
上記の樹脂のうち、キャリアテープ基材への接着性やコストの面から、エチレン共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体であることが好ましい。
また、オレフィン系樹脂は、ポリオレフィン骨格を含むブロックコポリマーであってもよい。例えば、ポリエチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー(ポリオレフィンを構成するモノマー単位の炭素数は、典型的には3以上、好ましくは3〜10)、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー(ポリオレフィンを構成するモノマー単位の炭素数は、典型的には2以上、好ましくは2〜10)、ポリエステル−ポリオレフィンブロックコポリマー(ポリオレフィンを構成するモノマー単位の炭素数は、典型的には2以上、好ましくは2〜10)などを挙げることができる。
ポリオレフィン骨格を含むブロックコポリマーは、シリコーン樹脂との構造の類似性などから、シリコーン樹脂との相溶性が特に良好でありうる。
オレフィン系樹脂が共重合体である場合、その共重合体は、3成分以上のモノマーが共重合された多元共重合体であってもよい。
多元共重合体としては、例えば、エチレン、脂肪族不飽和カルボン酸エステルおよび酸無水物から選ばれる少なくとも3種類のモノマーを共重合してなる共重合体などが挙げられる。すなわち、本実施形態におけるオレフィン系樹脂は、例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体またはエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体等の、カルボン酸あるいはその誘導体に由来する繰り返し構造単位を含む2元共重合体または3元共重合体であってもよい。
剥離強度の観点から、オレフィン系樹脂の、JIS K 7210に準じて測定されるメルトフローレートの値(以下、「MFR」と記載する場合がある)(190℃、2.16kg)は、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、1g/10min〜50g/10minであることが更に好ましい。これにより、キャリアテープとの剥離強度を好適なものとすることができる。
・スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル重合体
シーラント層3が含むことができる、シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂のほか、スチレン系樹脂や、(メタ)アクリル酸エステル重合体なども挙げることができる。
シーラント層3がスチレン系樹脂または(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むことで、カバーテープの帯電防止能が高まるなどのメリットを得ることができる。
使用可能なスチレン系樹脂は特に限定されない。例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体などのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene)等を挙げることができる。これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上組合せて用いてもよい。
中でも、透明性が高く、また、帯電防止能と剥離強度とをバランスなどの観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体が好ましい。
使用可能な(メタ)アクリル酸エステル重合体は特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、及び(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等から選択される(メタ)アクリル酸エステルの重合体を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、他のモノマーとの共重合体とすることもできる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体としては、入手容易性が高く、また、帯電防止能と剥離強度とをバランスよく向上させるという観点から(メタ)アクリル酸メチル重合体を用いることが好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を、例えば60モル%以上含むものであり、好ましくは70モル%以上含むものであり、より好ましくは80モル%以上含むものである。
シーラント層3が、シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含む場合、その量(複数種の熱可塑性樹脂を含む場合は合計量)は、シーラント層3全体に対して、例えば50質量%以上、好ましくは50〜99.99質量%、より好ましくは60〜99.9質量%、さらに好ましくは70〜99質量%である。
(ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー)
シーラント層3は、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーを含むことが好ましい。これにより特に凝集力を高めることができ、ヒートシール強度の一層の向上につながる。
ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーの具体例としては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)などを挙げることができる。
詳細なメカニズムは不明な部分もあるが、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーは、上述の「オレフィン系樹脂」と「スチレン系樹脂および(メタ)アクリル酸エステル重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂」の双方との相溶性が高いことにより、全体的な凝集力が上がると推察される。
シーラント層3が、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーを含む場合、その量は、シーラント層3全体に対し、例えば0.1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%とすることができる。
ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーの量を0.1質量%以上とすることで、凝集力を高める効果を確実に得ることができる。また、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーの量を10質量%以下とすることで、凝集力と、凝集力以外の性能とのバランスを最適としやすい。
(添加成分)
シーラント層3は、シリコーン樹脂や熱可塑性樹脂のほか、種々の添加成分を含んでもよい。以下、添加成分について説明する。
・帯電防止剤
シーラント層3は、帯電防止剤を含むことが好ましい。これにより、一段と良好な帯電防止能を得ることができる。
帯電防止剤としては、リチウムイオンを含むものが好ましい。リチウムイオンが樹脂中に存在する高分子型帯電防止剤を用いることができる。これにより、優れた帯電防止性能が持続的に安定して発揮される。
リチウムイオンは、例えば、リチウム塩のような形で帯電防止剤に含有させることができる。このリチウム塩としては、塩化リチウム、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、フルオロスルホン酸リチウム、メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム等が挙げられる。
帯電防止剤に含まれるリチウムイオンは、金属元素量測定により確認することができる。帯電防止剤に含まれるリチウムイオン量は、例えば、50μg/g以上(50ppm以上)であることが好ましい。
もちろん、帯電防止剤としては、リチウムイオンを含むもの以外にも、公知の帯電防止剤を用いることができる。また、リチウムイオンを含むものと、そうでないものとを併用することもできる。
リチウムイオンを含まない帯電防止剤としては、例えば、以下を挙げることができる。
・ポリエーテル構造を含むポリマー(例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマーなど)、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマーなど。
・酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマー。
帯電防止剤全体を100質量部としたときの「リチウムイオンを含む帯電防止剤」の割合は、例えば50質量部以上であり、好ましくは60質量部以上であり、より好ましくは75質量部以上である。これの上限は特になく、帯電防止剤の全体が「リチウムイオンを含む帯電防止剤」であってもよい。
リチウムイオンを含む帯電防止剤の割合をこのようにすることで、シーラント層3の帯電防止能をより高めることができる。
なお、押出ラミネートや熱シールの際の高温による変質などを防止するために、帯電防止剤の熱分解温度は120℃以上であることが好ましい。
シーラント層3が帯電防止剤を含む場合、その量(2種以上を含む場合は合計量)は、シーラント層3全体に対して、例えば1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。これにより、適切な帯電防止能を得ることができる。
また、帯電防止剤の含有量は、シーラント層3全体に対して、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは18質量%以下、特に好ましくは16質量%以下である。帯電防止剤はしばしば高価である。よって、帯電防止剤の含有量をこのようにすることで、カバーテープ作製のコスト低減につながる。
・粘着付与剤
シーラント層3は、粘着付与剤を含んでもよい。
粘着付与剤としては、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。中でも、電子部品の付着しにくさ、キャリアテープに対するヒートシール性、ガスバリア性などから、石油樹脂が好適である。石油樹脂としては、脂肪族系の石油樹脂、芳香族系の石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系の石油樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、粘着付与剤は、脂肪族系の石油樹脂であることが好ましく、脂環族飽和炭化水素樹脂系の石油樹脂であることがさらに好ましい。
接着剤層を押出ラミネートにより形成する場合に、粘着付与剤は高温で溶融酸化されうる。よって、酸化に対する安定性を向上させつつ、電子部品の付着しにくさ、キャリアテープに対するヒートシール性、ガスバリア性という観点においてもその特性を向上させたカバーテープを実現する観点から、脂肪族系の石油樹脂が好ましい。
また、同様の観点から、水素化石油樹脂も好適に使用することができる。
シーラント層3が粘着付与剤を含む場合、シーラント層3全体に対する粘着付与剤の含有量の下限値は、キャリアテープとの剥離強度を好適なものとする観点から、好ましくは2質量%より多く、より好ましくは4質量%以上である。
また、シーラント層全体に対する粘着付与剤の含有量の上限値は、電子部品の付着しにくさや、キャリアテープに対するヒートシール性などの観点から、例えば20質量%以下、具体的には15質量%以下である。
・その他添加成分
シーラント層3は、その特性を損なわない範囲で、上記成分のほか、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、界面活性剤、無機フィラー等の任意の添加剤を含んでいてもよい。かつ/または、シーラント層3の表面には、これらのコーティング処理が施されていてもよい。
アンチブロッキング剤の例としては、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)などを挙げることができる。シーラント層3がアンチブロッキング剤を含有することで、シーラント層3のブロッキングが緩和される。
スリップ剤の例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミドなどの各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ひまし油などが挙げられる。シーラント層3がスリップ剤を含有することで、押出加工等の加工性、離ロール性、フィルム滑り性などが向上される。
シーラント層3中のその他添加成分の量は、添加目的に応じて適宜調整すればよい。典型的には、シーラント層3全体に対して0.01〜5質量%程度の範囲で調整すればよい。
(材料の組合せなどについて)
シーラント層3は、シリコーン樹脂を含む限り任意の構成であることができる。
一態様として、シーラント層は、(1)シリコーン樹脂と、(2)オレフィン系樹脂と、(3)スチレン系樹脂および(メタ)アクリル酸エステル重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、(4)帯電防止剤を含むことが好ましい。このとき、シーラント層全体に対するオレフィン系樹脂の含有率は、20質量%以上であることが好ましい。
シーラント層3を上記のようにすることで、低タック性、良好な滑り性、強いシール強度などの効果を一層高いレベルで得ることができる。また、帯電防止剤も一層高めることができる。
シーラント層が上記(1)〜(4)を含む場合、シーラント層3全体に対するオレフィン系樹脂の含有量は20質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上である。このようにオレフィン系樹脂の含有量を設定することにより、適度な剥離強度を得ることができる。
また、シーラント層3全体に対するオレフィン系樹脂の含有量は、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは78質量%以下である。オレフィン系樹脂の含有量このようにすることで、より高度の帯電防止性能を実現しうる。
シーラント層が上記(1)〜(4)を含む場合、シーラント層3全体に対する、スチレン系樹脂と(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量の総量は、例えば3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上である。このような量とすることで、シーラント層3としての帯電防止性をより高めることができる。
また、シーラント層3全体に対する、スチレン系樹脂と(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量の総量は、例えば30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。このような量とすることで、より高い剥離強度を達成しうる。
シーラント層が上記(1)〜(4)を含む場合の、シリコーン樹脂の量や帯電防止剤の量については、前述のとおりとすることができる。
シーラント層3の厚みは、例えば1〜30μm、好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜15μmである。
シーラント層3の厚みが1μm以上であることで、十二分なシール性を担保することができる。
シーラント層3の厚みが30μm以下であることで、カバーテープの剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープがキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープがキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。
また、シーラント層3の厚みが30μm以下であることで、ヒートシール時に溶融した樹脂の「染み出し」が抑えられるという利点もある。
[その他の層]
本実施形態の電子部品包装用のカバーテープは、上記の各層のほか、さらに追加の層を備えていてもよい。
例えば、本実施形態のカバーテープが、基材層1とシーラント層3の2層を有し、中間層2を備えない場合、基材層1とシーラント層3の間に接着層が存在してもよい。また、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープが、基材層1と、シーラント層3と、それら2層の間に中間層2を備えるものである場合、基材層1と中間層2の間、および/または、中間層2とシーラント層3の間に接着層が存在してもよい。
接着層を形成する材料としては、例えば、公知の溶剤系または水系の各種アンカーコート剤を使用することができる。アンカーコート剤についてより具体的には、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系などのものを挙げることができる。
なお、基材層1に対してコロナ処理を行うことにより、基材層1と他の層との密着性を向上させることができる。このコロナ処理は公知の条件を適宜選択して行えばよい。
その他、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープは、基材層1、中間層2およびシーラント層3とは別に、導電層(帯電防止層)を備えていてもよい。
なお、良好なヒートシール性の観点からは、シーラント層3はカバーテープの最表面に存在すること(シーラント層3の片面は露出していること)が好ましい。
[カバーテープの幅、長さ]
本実施形態のカバーテープの幅や長さは、主としてキャリアテープの幅および長さに応じて適宜設定することができる。
典型的には、カバーテープの幅は1〜100mm程度、長さは100〜30000m程度である。
<カバーテープの製造方法>
本実施形態のカバーテープの製造方法は特に限定されない。例えば、公知の押出法、ラミネート法、塗布法などを適用することで製造することができる。
一例として、本実施形態のカバーテープは、押出ラミネート法により製造することができる。
より具体的には、本実施形態のカバーテープは、以下(1)〜(4)の手順で製造することができる。
(1)基材層1に相当するフィルムを準備する。
(2)(1)で準備したフィルムの片面に、中間層2に相当する層を、押出ラミネート法により製膜する。これにより、基材層1−中間層2の2層構成のフィルムを得る。
(3)(2)の2層構成のフィルムの、中間層2が露出している面に、シーラント層3に相当する層を、押出ラミネート法により製膜する。これにより3層構成のフィルムを得る。
(4)必要に応じ、得られた3層構成のフィルムを、適当な長さおよび幅に裁断する。
工程(2)の押出ラミネートにおいては、基材層1に相当するフィルムの片面に、溶融状態の樹脂材料を製膜する。樹脂材料としては、上記[中間層2]の欄で挙げた樹脂や各種添加剤などが挙げられる。樹脂材料が2種以上の素材を含む場合には、製膜前に(溶融状態において)適切に混合されることが好ましい。
工程(3)の押出ラミネートにおいては、2層構成のフィルムの、中間層2が露出している面に、溶融状態の樹脂材料を製膜する。樹脂材料としては、上記[シーラント層3]の欄で挙げた樹脂や各種添加剤などが挙げられる。樹脂材料が2種以上の素材を含む場合には、製膜前に(溶融状態において)適切に混合されることが好ましい。
工程(2)および(3)における押出温度は適宜調整すればよく、例えば150〜350℃の間で調整することができる。
<電子部品包装体>
上記で説明した本実施形態のカバーテープと、電子部品が凹部に収容されたキャリアテープとから、電子部品包装体を得ることができる。これについて図2を参照しつつ説明する。
図2において、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられた帯状のキャリアテープ20の蓋材として用いられている。
具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(通常、ヒートシール)される。なお、以降、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
電子部品包装体100は、例えば、以下の手順で作製することができる。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。
次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシール法により接着する。この際、カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにする(つまり、図2におけるカバーテープ10の「裏面」がシーラント層3となるようにしてヒートシールを行う)。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、カバーテープ10がキャリアテープ20に十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のテーピングマシンを用い、温度100〜240℃、荷重0.1〜10kgf、時間0.0001〜1秒の範囲内で行うことができる。
以上により、電子部品が密封収容された構造体(電子部品包装体100)が得られる。
この構造体(電子部品包装体100)は、例えば、リールに巻かれ、その後、電子部品を電子回路基板等に実装する作業領域まで搬送される。リールの素材は、金属製、紙製、プラスチック製などであることができる。
電子部品包装体100が作業領域まで搬送された後、カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離し、収容された電子部品を取り出す。
なお、電子部品包装体100内に収容される電子部品は、特に限定されない。半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子、光学素子、LED関連部材、コネクタ、電極など、電気・電子機器の製造に用いられる部品全般を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<カバーテープの製造>
まず、基材層の素材として、膜厚19μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:E7455)を準備した。
これの上に、低密度ポリエチレン(住友化学社製:商品名「スミカセンL705」)を、押出ラミネート法により、押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。これにより中間層を製膜した。
製膜された中間層の上に、さらにシーラント層として、表1に示される配合(数字は質量部である)の樹脂組成物を均一に溶融したものを押出温度280℃で厚み10μmに製膜した。
以上により、各実施例および比較例のカバーテープを得た。
Figure 2020033044
上表の各成分の詳細は以下のとおりである。
・オレフィン系樹脂A:三井・デュポンポリケミカル社製、エルバロイAC 1820(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)
・スチレン−メタクリル酸メチル共重合体B:新日鐵化学社製、エスチレンMS−600
・帯電防止剤C:三洋化成工業社製、ペレクトロンPVL(リチウムイオンを含む帯電防止剤)
・シリコーン樹脂D:東レダウコーニング社製、BY27−202H(低密度ポリエチレンに反応性ポリオルガノシロキサンをグラフト重合したシリコーン化合物)
・スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体E:クレイトンポリマー社製、G1652
<評価>
[タック力]
タッキング試験機TAC−1000(株式会社レスカ製)を用いてタック力を評価した。
具体的には、各実施例および比較例のカバーテープのシーラント層に対して、一定荷重・時間でSUS(ステンレス)製プローブを押し付け、その後、カバーテープからプローブを垂直に引きはがした。この引きはがしの際にかかる荷重のピーク値をタック力として検知した。
測定条件の詳細は下記の通りである。
・プローブ径:5mmφ
・プローブ温度:25℃または60℃
・プローブがカバーテープを押し付ける荷重:2500gf
・押し付けを継続する時間:20秒
・プローブを引きはがす速度:10mm/s
[滑り性:静摩擦係数(23℃)]
各実施例または比較例のカバーテープを2枚ずつ準備し、シーラント層と基材層とが接触するように重ね合わせた。そして、JIS K 7125に準じ、200gの負荷をかけた状態で、100mm/minの速度にて摩擦試験を実施した。これにより、シーラント層の静摩擦係数を測定した。なお、測定環境条件は、23℃、50%RHとした。
[シール強度(凝集力)]
今回は、キャリアテープの素材や性状に依らないシーラント層自体の接着性(凝集力の大きさ)を評価すべく、2枚のカバーテープのシーラント層同士を重ねて熱接着し、それを剥離する際のシール強度を評価した。具体的には以下のようにして評価した。
まず、各実施例または比較例のカバーテープを2枚ずつ準備した。
次に、それら2枚のカバーテープのシーラント面同士を合わせ、下記「・ヒートシール条件」に記載の装置・条件で熱接着した。
熱接着後、接着されたカバーテープを室温まで冷却した。
その後、下記「・剥離条件」に記載の装置・条件で接着面を剥がした。この際に測定された荷重によりシール強度(凝集力)を評価した。
・ヒートシール条件
ヒートシール機:公知のオートカップシーラー
シール幅:10mm×200mm
シール温度:180℃
シール時間:1.0秒
シール荷重:1.5kgf
・剥離条件
設備:テンシロン万能材料試験機
剥離角度:180°
剥離速度:300mm/min
[帯電防止性(表面抵抗率)]
各カバーテープについて、JIS K 6911に基づき、温度23℃、湿度50%環境下で、シーラント層の表面の表面抵抗率(単位:Ω)を測定した。測定装置としては、表面抵抗測定器(SIMCO社製)を用いた。
評価結果をまとめて表2に示す。
なお、表面抵抗値の「1.00E+10」との表記は、1.00×1010の意である。
Figure 2020033044
表2に示される通り、シーラント層がシリコーン樹脂を含む実施例のカバーテープの評価では、シーラント層のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られた。また、ポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーをシーラント層に加えることで、シール強度(凝集力)をより高められる傾向にあることが確かめられた(実施例5〜7)。
一方、シーラント層がシリコーン樹脂を含まない比較例のカバーテープの評価では、実施例に比べ、タック力が明らかに大きく、また静摩擦係数が明らかに大きかった(つまり滑り性が悪かった)。つまり、比較例1のカバーテープは、「シーラント層のタック性が小さく、滑り性が良好で、それでいて十分に強いシール強度が得られる」カバーテープではなかった。
1 基材層
2 中間層
3 シーラント層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体

Claims (9)

  1. 電子部品包装用のカバーテープであって、
    基材層と、前記基材層の片面側に全面的に設けられたシーラント層とを備え、
    前記シーラント層が、シリコーン樹脂を含むカバーテープ。
  2. 請求項1に記載のカバーテープであって
    前記シリコーン樹脂は、ポリオレフィン−シリコーン共重合体を含むカバーテープ。
  3. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層は、前記シリコーン樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を含むカバーテープ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層は、前記シリコーン樹脂とは異なる樹脂としてオレフィン系樹脂を含むカバーテープ。
  5. 請求項4に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層は、さらに、スチレン系樹脂および(メタ)アクリル酸エステル重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、帯電防止剤と、を含み、
    前記シーラント層全体に対する前記オレフィン系樹脂の含有率は20質量%以上であるカバーテープ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層中の前記シリコーン樹脂の含有率が、0.01〜5質量%であるカバーテープ。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層がポリスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーを含むカバーテープ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
    前記基材層と前記シーラント層との間に、中間層を備えるカバーテープ。
  9. 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカバーテープとを備え、
    前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
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