JP2020042003A - センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行うポンプセルの一対の電極間の出力のバラつきや、ポンプ電圧の経時による上昇を抑制したセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】第1測定室41に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行い、第1測定室内の酸素濃度を調整する第1ポンプセル2Aと、酸素濃度の調整後の被測定ガス中の酸素濃度に応じたポンプ電流が流れる第2ポンプセル2Bと、を有するセンサ素子100を備えたセンサ1の製造方法であって、第1ポンプセルは、第1固体電解質体21と、該第1固体電解質体の表面に形成され、一方が第1測定室に曝され、他方が第1測定室の外部に配置された一対の第1電極31、32と、を有し、センサ素子を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、第1電極間に0.69V以下の正電圧を印加する第1エージング処理工程を有する。
【選択図】図2
【解決手段】第1測定室41に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行い、第1測定室内の酸素濃度を調整する第1ポンプセル2Aと、酸素濃度の調整後の被測定ガス中の酸素濃度に応じたポンプ電流が流れる第2ポンプセル2Bと、を有するセンサ素子100を備えたセンサ1の製造方法であって、第1ポンプセルは、第1固体電解質体21と、該第1固体電解質体の表面に形成され、一方が第1測定室に曝され、他方が第1測定室の外部に配置された一対の第1電極31、32と、を有し、センサ素子を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、第1電極間に0.69V以下の正電圧を印加する第1エージング処理工程を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、NOxセンサ等のセンサの製造方法に関する。
自動車等の内燃機関から排出される排ガスの規制強化に伴い、排ガス中の窒素酸化物(NOx)量の低減が要求されている。そこで、近年、排ガス中のNOx濃度を直接測定できるNOxセンサの開発が進んでいる。NOxセンサは、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質体の表面に一対の電極を形成してなる第1ポンプセル及び第2ポンプセルを有するNOxセンサ素子を備えている。
NOxセンサは、NOxを含む被測定ガス空間に連通する第1測定室内の酸素を第1ポンプセルによって汲み出し又は汲み入れる。このとき、第1測定室内の酸素濃度を酸素濃度検出セルによって測定し、第1測定室内が所定の酸素濃度となるように第1ポンプセルを制御する。さらに、酸素濃度が制御(調整)された被測定ガスは、第1測定室又はこれと別のNOx測定室に配置された第2ポンプセルに一定電圧を印加することにより、被測定ガスに含まれるNOxが窒素(N2)と酸素(O2)とに分解される。このとき、第2ポンプセルの一対の電極間に流れる第2ポンプ電流を測定することにより、被測定ガス中のNOx濃度を検出する。
上記構成のNOxセンサは、電極を固体電解質体に設けただけでは、NOxセンサ素子(検出素子)の電極が十分に活性せず、十分なセンサ特性が得られない。特に、被測定ガス中の水分濃度が急変したときに、NOx濃度の出力値(第2ポンプ電流)が変動して過渡ピークが生じ、この過渡ピークをNOx濃度として誤って検知するという問題がある。例えば、自動車等の内燃機関がアイドリング状態から走行状態へと変化する際、排ガス中の水分濃度が急激に増加するので、NOx濃度の検知精度が低下するおそれがある。
そこで、リッチ雰囲気下にNOxセンサ素子を配置して高温に曝し、第1ポンプセルの一対の電極間に交番電圧を印加し、第2ポンプセルの一対の電極間に直流電圧を印加してエージング処理を施すことにより、被測定ガス中の水分濃度が急変した場合におけるNOx濃度の検出精度の低下を抑制する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、第1ポンプセルの一対の電極間に印加する電圧が高くなると、第1ポンプセルの一対の電極間の出力電流(第1ポンプ電流Ip1)の値がバラついたり、経時によりポンプ電圧Vpが上昇する問題が生じることが判明した。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行うポンプセルの一対の電極間の出力のバラつきや、ポンプ電圧の経時による上昇を抑制したセンサの製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のセンサの製造方法は、第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行い、前記第1測定室内の酸素濃度を調整する第1ポンプセルと、前記酸素濃度の調整後の前記被測定ガス中の酸素濃度に応じたポンプ電流が流れる第2ポンプセルと、を有するセンサ素子を備えたセンサの製造方法であって、前記第1ポンプセルは、第1固体電解質体と、該第1固体電解質体の表面に形成され、一方が前記第1測定室に曝され、他方が前記第1測定室の外部に配置された一対の第1電極と、を有し、前記センサ素子を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、前記第1電極間に0.69V以下の正電圧を印加する第1エージング処理工程を有することを特徴とする。
このセンサの製造方法によれば、第1エージング処理の際に第1ポンプセルの一対の電極間の出力(第1ポンプ電流)のバラつきや、第1電極間の電圧(第1ポンプ電圧)の経時による上昇を抑制することができる。又、第1ポンプセルの第1エージング処理を上述のように行いつつ、第2ポンプセルを適宜エージング処理することで、被測定ガス中の水分濃度が変化した場合に、過渡ピークを小さくしてNOx濃度の検出精度の低下を抑制できる。
本発明のセンサの製造方法において、前記正電圧を0.66V以上とするとよい。
正電圧が+0.66V未満であると、経時により第1電極間の電圧(第1ポンプ電圧)が初期値よりも大幅に上昇する場合がある。そこで、このセンサの製造方法によれば、正電圧を0.66V以上とすることで、第1ポンプ電圧の経時による上昇をさらに抑制できる。
正電圧が+0.66V未満であると、経時により第1電極間の電圧(第1ポンプ電圧)が初期値よりも大幅に上昇する場合がある。そこで、このセンサの製造方法によれば、正電圧を0.66V以上とすることで、第1ポンプ電圧の経時による上昇をさらに抑制できる。
本発明のセンサの製造方法において、前記第1エージング処理工程後、前記第1電極間に所定の交番電圧を印加する第2エージング処理工程をさらに有してもよい。
このセンサの製造方法によれば、λ乗り越し時における前記第1電極間の出力(第1ポンプ電流)のバラつきをさらに抑制できる。その際の交番電圧は、±0.75V以上±1.0V以下とすることが好ましい。
このセンサの製造方法によれば、λ乗り越し時における前記第1電極間の出力(第1ポンプ電流)のバラつきをさらに抑制できる。その際の交番電圧は、±0.75V以上±1.0V以下とすることが好ましい。
本発明のセンサの製造方法において、前記第2ポンプセルは、第2固体電解質体と、該第2固体電解質体の表面に形成され、一方が前記第1測定室から前記酸素濃度が調整された被測定ガスが流入するNOx測定室に曝され、他方が前記NOx測定室の外部に配置された一対の第2電極と、を有してもよい。
このようにセンサ素子がNOxセンサ素子である場合に、本発明がさらに有効である。
このようにセンサ素子がNOxセンサ素子である場合に、本発明がさらに有効である。
この発明によれば、被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行う第1ポンプセルの一対の電極間の出力のバラつきや、ポンプ電圧の経時による上昇を抑制したセンサが得られる。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
まず、後述するセンサの製造方法によって得られるセンサ(NOxセンサ)の構成について説明する。NOxセンサは、自動車や各種内燃機関における排気管に装着されるガスセンサである。NOxセンサは、測定対象となる排ガス中の特定ガス(窒素酸化物:NOx)を検出するNOxセンサ素子(検出素子)が組み付けられて構成される。
(実施形態1)
まず、後述するセンサの製造方法によって得られるセンサ(NOxセンサ)の構成について説明する。NOxセンサは、自動車や各種内燃機関における排気管に装着されるガスセンサである。NOxセンサは、測定対象となる排ガス中の特定ガス(窒素酸化物:NOx)を検出するNOxセンサ素子(検出素子)が組み付けられて構成される。
図1に示すように、NOxセンサ1は、排気管に固定するためのネジ部13が外表面に形成された筒状の主体金具15と、軸線O方向(NOxセンサ1の長手方向:図1の上下方向)に延びる板状形状のNOxセンサ素子100と、NOxセンサ素子100の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ19と、軸線O方向に貫通する挿通孔111の内壁面がNOxセンサ素子100の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される第1セパレータ113と、NOxセンサ素子100と第1セパレータ113との間に配置される6個(図1には2個のみ図示)の接続端子115と、を備えている。
NOxセンサ素子100は、長手方向に伸びる直方体形状(板型形状)に形成されており、その先端側に、測定対象ガスに含まれる特定ガス(ここではNOx)を検出する検知部101を備える。また、NOxセンサ素子100は、後端側(図1の上方:長手方向後端部)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1主面102及び第2主面103に、それぞれ電極パッド104が3個ずつ形成されている(詳細な図示は省略)。
NOxセンサ素子100の6個の電極パッド104には、それぞれ異なる接続端子115が電気的に接続される。接続端子115は、外部からセンサの内部に配設されるリード線135に電気的に接続されている。これにより、リード線135が接続される外部機器と電極パッド104との間に流れる電流の電流経路が形成される。
主体金具15は、軸線O方向に貫通する貫通孔137を有し、貫通孔137の径方向内側に突出する棚部139を有する略筒状形状に構成されている。主体金具15は、NOxセンサ素子100の検知部101を貫通孔137の先端よりも先端側に配置し、6個の電極パッド104を貫通孔137の後端よりも後端側に配置する状態で、貫通孔137に挿通されたNOxセンサ素子100を保持するよう構成されている。
主体金具15の貫通孔137の内部には、NOxセンサ素子100の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ141、滑石リング143、145及びセラミックスリーブ19がこの順に先端側から後端側にかけて積層されている。主体金具15の後端部147とセラミックスリーブ19との間には、加締パッキン149が配置されている。主体金具15の後端部147は、加締パッキン149を介してセラミックスリーブ19を先端側に押し付けるように、加締められている。主体金具15の棚部139とセラミックホルダ141との間には、滑石リング143、145及びセラミックホルダ141を保持する金属ホルダ151が配置されている。
主体金具15の先端部153の外周には、NOxセンサ素子100の突出部分を覆う金属製(例えば、ステンレス等)の二重構造とされたプロテクタ155が溶接等によって取り付けられている。主体金具15の後端側外周には、外筒157が固定されている。外筒157の後端側の開口部には、6個のリード線挿通孔161(図1では2個のみ図示)が形成されたグロメット159が配置されている。6個のリード線挿通孔161には、6個の電極パッド104にそれぞれ電気的に接続される6本のリード線135(図1では2本が図示)が挿通される。
第1セパレータ113の外周には、鍔部163が形成されている。鍔部163は、保持部材165を介して外筒157に固定されている。第1セパレータ113の後端側には、第1セパレータ113とグロメット159との間で挟持される第2セパレータ167が配置されている。接続端子115の後端側は、第2セパレータ167の内部に挿入されている。
次に、NOxセンサ素子100の構成について説明する。
図2に示すように、NOxセンサ素子100は、第1固体電解質層(第1固体電解質体)21、絶縁層24、第3固体電解質層23、絶縁層25、第2固体電解質層(第2固体電解質体)22、絶縁層27をこの順で積層した構造を有する。絶縁層24は、NOxセンサ素子100の先端に向かってコの字状に切り欠かれ、この切り欠き部が第1測定室41を形成し、第1測定室41の先端(入口)に配置された第1拡散抵抗体51を介して外部から被測定ガスが導入される。
図2に示すように、NOxセンサ素子100は、第1固体電解質層(第1固体電解質体)21、絶縁層24、第3固体電解質層23、絶縁層25、第2固体電解質層(第2固体電解質体)22、絶縁層27をこの順で積層した構造を有する。絶縁層24は、NOxセンサ素子100の先端に向かってコの字状に切り欠かれ、この切り欠き部が第1測定室41を形成し、第1測定室41の先端(入口)に配置された第1拡散抵抗体51を介して外部から被測定ガスが導入される。
第1ポンプセル2Aは、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主体とする第1固体電解質層21と、これを挟持するように配置された一対の第1電極31、32とを備えている。第1電極32は、第1測定室41に面している。第1電極31、32は、いずれも白金を主体としている。
第1測定室41のうち入口と反対端には、第2拡散抵抗体52が配置されている。第2拡散抵抗体52を介して第1測定室41の奥側には、第1測定室41と連通するNOx測定室(第2測定室)42が形成されている。NOx測定室42は、第3固体電解質層23を貫通して第1固体電解質層21と第2固体電解質層22との層間に形成されている。
第2ポンプセル2Bは、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主体とする第2固体電解質層22と、一対の第2電極33、34とを備えている。一方の第2電極33は、第2固体電解質層22のうち、NOx測定室42に面した表面に配置されている。他方の第2電極34は、一方の第2電極33の対極となり、NOx測定室42の外部に配置されている。第2電極33、34は、いずれも白金を主体としている。第2電極33は、第2固体電解質層22上における絶縁層25の切り抜き部に配置され、後述する基準電極36に対向して基準酸素室53に面している。
酸素濃度検出セル2Cは、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主体とする第3固体電解質層23と、これを挟持するように配置された検知電極35及び基準電極36とを備えている。検知電極35は、第1電極32より下流側で第1測定室41に面している。検知電極35及び基準電極36は、いずれも白金を主体としている。なお、図示はしないが、検知電極35の端縁は、アルミナを主体とする絶縁コート層によって積層方向に挟持されている。
絶縁層25は、第3固体電解質層23に接する基準電極36が内部に配置されるように切り抜かれ、その切り抜き部には、多孔質体が充填されて基準酸素室53を形成している。そして、酸素濃度検出セル2Cに予め微弱な一定値の電流を流すことにより、酸素を第1測定室41から基準酸素室53内に送り込み、酸素基準とする。
絶縁層27の内部には、NOxセンサ素子100の長手方向に沿って延びるヒータ28が埋設されている。ヒータ28は、NOxセンサ素子100を活性温度に昇温し、各固体電解質層(第1固体電解質層21、第2固体電解質層22、第3固体電解質層23)の酸素イオンの伝導性を高めて動作を安定化させるために用いられる。各絶縁層24、25、27は、アルミナを主体とする。第1拡散抵抗体51及び第2拡散抵抗体52は、アルミナ等の多孔質物質からなる。ヒータ28は、白金等からなる。
次に、NOxセンサ素子100の動作の一例について説明する。
まず、ヒータ28により、第1ポンプセル2A、第2ポンプセル2B、酸素濃度検出セル2Cが活性化温度(例えば、550℃以上)まで加熱されると、第1ポンプセル2Aは、第1測定室41に流入した被測定ガス(排ガス)中の過剰な酸素を第1電極32から第1電極31へ向かって汲み出す。
まず、ヒータ28により、第1ポンプセル2A、第2ポンプセル2B、酸素濃度検出セル2Cが活性化温度(例えば、550℃以上)まで加熱されると、第1ポンプセル2Aは、第1測定室41に流入した被測定ガス(排ガス)中の過剰な酸素を第1電極32から第1電極31へ向かって汲み出す。
このとき、第1ポンプセル2Aには、被測定ガス中の酸素濃度に応じた第1ポンプ電流Ip1が流れる。また、第1測定室41内の酸素濃度は、酸素濃度検出セル2Cの電極間電圧に対応したものとなるため、この電極間電圧が一定電圧(例えば425mV)になるように第1ポンプ電流Ip1の通電量を制御し、第1測定室41内の酸素濃度をNOxが分解しない程度の所定濃度に調整する。
酸素濃度が調整された被測定ガスは、NOx測定室42に向かってさらに流れる。このとき、第2ポンプセル2Bの端子間電圧(電極間電圧)として、被測定ガス中のNOxガスが窒素(N2)と酸素(O2)とに分解する程度の一定電圧(酸素濃度検出セル2Cの制御電圧の値よりも高い電圧、例えば450mV)を印加することにより、NOxが窒素と酸素とに分解される。
そして、NOxの分解により生じた酸素がNOx測定室42から基準酸素室53に配置される第2電極34に向かって汲み出されるように、第2ポンプセル2Bに第2ポンプ電流Ip2が流れる。第2ポンプ電流Ip2とNOx濃度の間には直線関係があるため、第2ポンプ電流Ip2を検出することにより、被測定ガス中のNOx濃度を検出することができる。
このように、NOxセンサ1は、第2ポンプ電流Ip2を検出し、NOx濃度に換算することで(本実施形態では、窒素酸化物の濃度に換算した値として説明するため、NOx濃度に換算するものとして説明するが、詳細にはNO濃度を換算するものである)、NOx濃度を検出することができる。
なお、本実施形態において、第2ポンプ電流Ip2に基づくNOx濃度換算値の算出は、NOxセンサ素子100に接続されるマイクロコンピュータ(図示省略)にて第2ポンプ電流Ip2を電圧変換して読み込み、所定の演算式等を用いてNOx濃度を演算することで算出することができる。
次に、本実施形態のNOxセンサ1の製造方法について説明する。
本実施形態のNOxセンサ1の製造方法は、NOxセンサ素子100を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、第1電極31、32間に正電圧を印加し、これにより第1ポンプセル2Aが第1測定室41から酸素を汲み出す状態となるように第1電極31、32間に電圧を印加する第1エージング処理工程を有する。以下、このNOxセンサ1の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態のNOxセンサ1の製造方法は、NOxセンサ素子100を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、第1電極31、32間に正電圧を印加し、これにより第1ポンプセル2Aが第1測定室41から酸素を汲み出す状態となるように第1電極31、32間に電圧を印加する第1エージング処理工程を有する。以下、このNOxセンサ1の製造方法について詳細に説明する。
NOxセンサ1において、被測定ガス中の水分濃度が変化(急変)した場合、NOxが存在しない条件下でも、第2ポンプ電流Ip2が流れる(過渡ピークが生じる)という問題がある。この過渡ピークは、その絶対値(最大ピーク値)が大きいほど、NOx濃度換算値に影響を与える。さらに、被測定ガス中の水分濃度が急変してから過渡ピークが減衰してNOx濃度換算値の変動が収束するまでの時間が長くなるほど、NOx濃度換算値に影響を与える時間も長くなる。
このため、本実施形態では、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に、正電圧を印加し、第1ポンプセル2Aのエージング処理を行う。
そして、上述した第1ポンプセル2Aのエージング処理を行いながら(第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に正電圧を印加しながら)、適宜第2ポンプセル2Bのエージング処理も行う。
このため、本実施形態では、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に、正電圧を印加し、第1ポンプセル2Aのエージング処理を行う。
そして、上述した第1ポンプセル2Aのエージング処理を行いながら(第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に正電圧を印加しながら)、適宜第2ポンプセル2Bのエージング処理も行う。
ここで、第1電極31、32間に印加する正電圧を+0.69V以下(好ましくは+0.66〜+0.69V)とする。
正電圧が+0.69Vを超えると、第1電極31、32間に電圧を印加した際に、第1電極31、32間に流れる電流(第1ポンプ電流Ip1)が個々のNOxセンサ素子100ごとにバラついてしまい、個々のNOxセンサ素子100の管理や制御が困難になる。
又、正電圧が+0.66V未満であると、経時により第1電極31、32間の電圧(第1ポンプ電圧Vp1)が初期値よりも大幅に上昇する場合がある。
正電圧が+0.69Vを超えると、第1電極31、32間に電圧を印加した際に、第1電極31、32間に流れる電流(第1ポンプ電流Ip1)が個々のNOxセンサ素子100ごとにバラついてしまい、個々のNOxセンサ素子100の管理や制御が困難になる。
又、正電圧が+0.66V未満であると、経時により第1電極31、32間の電圧(第1ポンプ電圧Vp1)が初期値よりも大幅に上昇する場合がある。
このように、第1エージング処理の際に第1ポンプセルの一対の電極間の出力(第1ポンプ電流Ip1)のバラつきを抑制したNOxセンサ1が得られる。又、第1ポンプセルのエージング処理を上述のように行いつつ、第2ポンプセルを適宜エージング処理することで、被測定ガス中の水分濃度が変化した場合に、過渡ピークを小さくしてNOx濃度の検出精度の低下を抑制できる。
具体的には、本実施形態のNOxセンサ1の製造方法は、まず、NOxセンサ素子100を組み付けたNOxセンサ1(図1参照)を作製する。そして、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、NOxセンサ素子100を所定の温度領域に加熱する。本実施形態では、リッチ雰囲気の水分濃度を10体積%とし、NOxセンサ素子100を800〜850℃に加熱する。なお、リッチ雰囲気は、H2:3体積%、水分(H2O):10体積%、N2:残部である。
ここで、「リッチ雰囲気」とは、理論空燃比(λ=1)に対して酸素の割合が少ない雰囲気、すなわち理想的な完全燃焼ができる空気と燃料の混合比である理論空燃比で燃焼されたガス雰囲気を基準にしたときに、そのガス雰囲気よりも酸素の割合が少ない(酸素分圧が低い)ガス雰囲気を意味する。本実施形態では、リッチ雰囲気の水分が略一定状態となるようにする。
次いで、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に、上述の正電圧を印加し、第1ポンプセル2Aのエージング処理を行う。そして、上述した第1ポンプセル2Aのエージング処理を行いながら(第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に正電圧を印加しながら)、以下のようにして、第2ポンプセル2Bのエージング処理も適宜行う。
具体的には、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に+0.69V以下の正電圧が印加されている間(第1ポンプセル2Aが第1測定室41から酸素を汲み出す状態となるように第1電極31、32間に電圧が印加されている間)、第2ポンプセル2Bの第2電極33、34間に所定の電圧(+1.0〜2.0Vの間、例えば1.5V)を印加する。
具体的には、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に+0.69V以下の正電圧が印加されている間(第1ポンプセル2Aが第1測定室41から酸素を汲み出す状態となるように第1電極31、32間に電圧が印加されている間)、第2ポンプセル2Bの第2電極33、34間に所定の電圧(+1.0〜2.0Vの間、例えば1.5V)を印加する。
図3は、第1エージング処理工程における、第1電極間の電圧と、それぞれ第1ポンプ電流Ip1及び第1ポンプ電圧Vp1との関係を実験的に示す。
同図において、図1、図2のNOxセンサ1を用い、リッチ雰囲気下で第1エージング処理中の第1電極31、32間の正電圧を種々変化させたとき、複数個のNOxセンサ1についてそれぞれ第1ポンプ電流Ip1を測定し、バラツキを標準偏差σで評価した。σが0.4以下であれば、第1ポンプ電流Ip1のバラツキが少ないとみなした。
同図において、図1、図2のNOxセンサ1を用い、リッチ雰囲気下で第1エージング処理中の第1電極31、32間の正電圧を種々変化させたとき、複数個のNOxセンサ1についてそれぞれ第1ポンプ電流Ip1を測定し、バラツキを標準偏差σで評価した。σが0.4以下であれば、第1ポンプ電流Ip1のバラツキが少ないとみなした。
一方、第1ポンプセル2Aの電極活性が劣化してVp1が経時変化する要因として、酸素ポンピングの繰り返しが想定される。この劣化状態を疑似的に再現するため、第1ポンプセル2Aへの通電を86400回繰り返す耐久試験を行った。
耐久試験後の第1ポンプ電圧Vp1を測定し、この値を、耐久試験前の初期のVp1に対する変化率として求め、変化率が130%以下であれば、耐久性が良好とみなした。
耐久試験後の第1ポンプ電圧Vp1を測定し、この値を、耐久試験前の初期のVp1に対する変化率として求め、変化率が130%以下であれば、耐久性が良好とみなした。
同図に示すように、正電圧が+0.69V以下であれば、第1ポンプ電流Ip1のバラツキが小さいことがわかった。又、正電圧が+0.66V以上であれば、耐久性が良好なことがわかった。
また、本実施形態では第1エージング処理後、第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に、交番電圧を印加し、第1ポンプセル2Aをエージングする第2エージング処理をさらに行う。
そして、上述した第1ポンプセル2Aのエージング処理を行いながら(第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に正電圧を印加しながら)、適宜第2ポンプセル2Bのエージング処理も行う。
そして、上述した第1ポンプセル2Aのエージング処理を行いながら(第1ポンプセル2Aの第1電極31、32間に正電圧を印加しながら)、適宜第2ポンプセル2Bのエージング処理も行う。
ここで、第1電極31、32間に印加する交番電圧を±0.75V以上±1.0V以下(好ましくは+0.75V)とする。
これにより、λ乗り越し時における第1電極31、32間の出力(第1ポンプ電流)のバラつきをさらに抑制できる。
これにより、λ乗り越し時における第1電極31、32間の出力(第1ポンプ電流)のバラつきをさらに抑制できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)上述の実施形態では、NOxセンサ素子100が組み付けられた状態のNOxセンサ1に対してエージング処理工程を行ったが、例えば、NOxセンサ素子100やNOxセンサ1の中間組立体に対してエージング処理工程を行ってもよい。すなわち、NOxセンサ1の製造過程においてエージング処理工程を行えばよい。
(2)また、各エージング処理工程において、エージング処理時間は、適宜変更可能である。
(3)上述の実施形態では、NOxセンサ1は、自動車や各種内燃機関の排ガス中のNOxガス濃度を検出するガスセンサに適用したものであるが、例えば、ボイラ等の燃焼ガス中のNOxガス濃度を検出するガスセンサに適用してもよい。
(4)上述の実施形態では、NOxセンサ素子100を構成する固体電解質層を第1固体電解質層21、第2固体電解質層22、第3固体電解質層23の3層としたが、例えば、NOxセンサ素子100を構成する固体電解質層を第1固体電解質層21、第2固体電解質層22の2層としてもよい。
又、上述の実施形態では、NOxセンサ素子100として、第1ポンプセル2Aの一方の電極(第1電極32)が第1測定室41に面し、第2ポンプセル2Bの一方の電極(第2電極33)が第1測定室と別のNOx測定室42に面した構成とした。これに対し、第1ポンプセル2A及び第2ポンプセル2Bの両電極32、33が共通の室(第1測定室41)に面した構成でもよい。
又、上述の実施形態では、NOxセンサ素子100として、第1ポンプセル2Aの一方の電極(第1電極32)が第1測定室41に面し、第2ポンプセル2Bの一方の電極(第2電極33)が第1測定室と別のNOx測定室42に面した構成とした。これに対し、第1ポンプセル2A及び第2ポンプセル2Bの両電極32、33が共通の室(第1測定室41)に面した構成でもよい。
1 センサ(NOxセンサ)
2A 第1ポンプセル
2B 第2ポンプセル
21 第1固体電解質層(第1固体電解質体)
22 第2固体電解質層(第2固体電解質体)
31、32 第1電極
33、34 第2電極
41 第1測定室
42 NOx測定室(第2測定室)
100 センサ素子(NOxセンサ素子)
2A 第1ポンプセル
2B 第2ポンプセル
21 第1固体電解質層(第1固体電解質体)
22 第2固体電解質層(第2固体電解質体)
31、32 第1電極
33、34 第2電極
41 第1測定室
42 NOx測定室(第2測定室)
100 センサ素子(NOxセンサ素子)
Claims (5)
- 第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し及び汲み入れを行い、前記第1測定室内の酸素濃度を調整する第1ポンプセルと、
前記酸素濃度の調整後の前記被測定ガス中の酸素濃度に応じたポンプ電流が流れる第2ポンプセルと、を有するセンサ素子を備えたセンサの製造方法であって、
前記第1ポンプセルは、第1固体電解質体と、該第1固体電解質体の表面に形成され、一方が前記第1測定室に曝され、他方が前記第1測定室の外部に配置された一対の第1電極と、を有し、
前記センサ素子を所定の温度領域に加熱し、所定の水分濃度にしたリッチ雰囲気下で、前記第1電極間に0.69V以下の正電圧を印加する第1エージング処理工程を有することを特徴とするセンサの製造方法。 - 前記第1エージング処理工程において、前記正電圧を0.66V以上とすることを特徴とする請求項1に記載のセンサの製造方法。
- 前記第1エージング処理工程後、前記第1電極間に所定の交番電圧を印加する第2エージング処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のセンサの製造方法。
- 前記所定の交番電圧を、±0.75V以上±1.0V以下とすることを特徴とする請求項3に記載のセンサの製造方法。
- 前記第2ポンプセルは、第2固体電解質体と、該第2固体電解質体の表面に形成され、一方が前記第1測定室から前記酸素濃度が調整された被測定ガスが流入するNOx測定室に曝され、他方が前記NOx測定室の外部に配置された一対の第2電極と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2018168436 | 2018-09-10 | ||
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Publications (1)
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| JP2020042003A true JP2020042003A (ja) | 2020-03-19 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2019081912A Pending JP2020042003A (ja) | 2018-09-10 | 2019-04-23 | センサの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2020042003A (ja) |
-
2019
- 2019-04-23 JP JP2019081912A patent/JP2020042003A/ja active Pending
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