JP2020044049A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】防漏カフによる液漏れ防止効果に優れる吸収性物品を提供すること。【解決手段】防漏カフ5は、防漏カフ用シート6を含んで構成され、該シート6が他の部材に固定された基端部50と、弾性部材7を具備する該シート6が着用者側に起立する起立部51とを有する。前方部F及び後方部Rそれぞれに、起立部51の縁部52a側が該縁部52a側よりも非肌側に位置する他の部材(表面シート2)に固定された、起立阻害部55が形成されている。吸収体4は、後方部Rに、横方向Yに延びる後方スリットR1が複数配された後方スリット領域RSを有する。前方部Fの起立阻害部55が、前方折曲線FLよりも縦方向Xの前方に存在し、後方部Rの起立阻害部55が、後方スリット領域RSと縦方向Xにおいて同位置又は該領域RSよりも縦方向Xの後方に存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、着用者の肌側に向かって起立する防漏カフを備えた吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品は、着用者の股間部に接触しながら着用されるものであるため、着用者に違和感や不快感を生じさせないように、着用者の身体形状に沿うように変形し、着用者の肌にフィット性良く密着することが望まれている。また、吸収性物品には当然に液漏れ防止性に優れることが要求され、これに対応するために、防漏カフ、立体ギャザーなどとも呼ばれる横漏れ防止部材を吸収性物品に設ける技術が知られている。
吸収性物品を着用者の肌にフィット性良く密着させることなどを目的として、吸収性物品の構成部材の中でも特に剛性の高い吸収体に、スリットや開口を形成する技術が知られている。例えば特許文献1には、排泄部対向部に縦方向に延びる複数本のスリットを設けるとともに、後方部には横方向に延びる複数本のスリットを設けた、フィット性の良好な吸収性物品が記載されている。また、特許文献2には、後方側領域に伸縮性を付与することによって、後方側領域の捩じりトルク値を排泄口対応領域のそれよりも小さくした吸収性物品が記載されている。そして、特許文献2には、後方側領域に伸縮性を付与する具体的な構成として、吸収体における後方側領域に位置する部分に、横方向に延びるスリットが複数形成された構成が記載されている。なお、前記縦方向は、着用者の前後方向に対応する方向であり、前記横方向は、該縦方向と直交する方向である。
特開2015−23999号公報 特開2017−119049号公報
例えば、生理用ナプキンを常法に従ってショーツのクロッチ部に固定して装着する場合、ユーザーの多くは、生理用ナプキンに皺や折れ等を生じさせずに装着しようとし、そのための操作として、着用中のショーツを股間部から適当な距離引き下ろしてそのクロッチ部を前後方向に引き伸ばし、該クロッチ部に生理用ナプキンを縦方向に伸長させつつ固定した後、該ショーツを股間部側に引き上げて装着する操作が行われることが多い。斯かる操作によって装着された生理用ナプキンは、ショーツとともに着用者の前後方向に伸長された状態であるところ、仮に、該生理用ナプキンに従来公知の防漏カフが設けられている場合、該防漏カフは、縦方向に常時伸長された状態となるため、着用者の肌側に起立し難く、そのため、該防漏カフによる作用効果が十分に得られないという問題がある。
本発明の課題は、防漏カフによる液漏れ防止効果に優れる吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及びこれに直交する横方向を有するとともに、着用時に着用者の排泄部と対向する排泄部対向部を含む中間部と、該中間部から縦方向前方に延在する前方部と、該中間部から縦方向後方に延在する後方部とを有し、且つ吸収性本体と、該吸収性本体の縦方向に沿う両側部に配された一対の防漏カフとを具備し、該吸収性本体が、吸水性材料を含む吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された液透過性シートと、該吸収体の非肌対向面側に配された液不透過性シートとを具備する吸収性物品であって、一対の前記防漏カフは、それぞれ、防漏カフ用シートを含んで構成され、該防漏カフ用シートが他の部材に固定された基端部と、弾性部材を具備する該防漏カフ用シートが着用者側に起立する起立部とを有しており、前記前方部及び前記後方部それぞれに、前記起立部の縁部側が該縁部側よりも非肌側に位置する他の部材に固定された、起立阻害部が形成されており、前記前方部に、前記吸収性本体を折り曲げる際に利用される折曲線が横方向に延在し、前記前方部の前記起立阻害部が、該折曲線よりも縦方向前方に存在し、前記吸収体は、前記後方部に、横方向に延びる後方スリットが複数配された後方スリット領域を有し、前記後方部の前記起立阻害部が、該後方スリット領域と縦方向において同位置又は該後方スリット領域よりも縦方向後方に存在する吸収性物品である。
本発明によれば、防漏カフによる液漏れ防止効果に優れ、縦方向に伸長された状態でショーツ等の着衣に固定された場合でも、防漏カフが十分に起立して着用者の股間部を包むようにフィットするので、液漏れが効果的に防止される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(液透過性シート側)を模式的に示す平面図である。 図2は、図1に示す生理用ナプキンの非肌対向面側(液不透過性シート側)を模式的に示す平面図である。 図3は、図1のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図4は、図1のII−II線断面を模式的に示す横断面図である。 図5は、図1のIII−III線断面を模式的に示す縦断面図である。 図6は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の図1相当図である。
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1〜図5には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、図1及び図2に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有するとともに、着用時に着用者の排泄部(膣口等)と対向する部分である排泄部対向部を含む中間部Mと、該中間部Mより縦方向Xの前方すなわち着用者の前側(腹側)に配される前方部Fと、該排中間部Mより縦方向Xの後方すなわち着用者の後側(背側)に配される後方部Rとを有する。中間部Mの前記排泄部対向部は、中間部Mの横方向Yの中央部に位置する。
ナプキン1は、図1に示すように、縦方向Xに長い形状の吸収性本体10と、吸収性本体10における中間部Mの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部10W,10Wとを有している。吸収性本体10は、前方部Fから後方部Rにわたって延在している。吸収性本体10の長手方向すなわちナプキン1の長手方向は、縦方向Xに一致し、該長手方向に直交する吸収性本体10及びナプキン1の幅方向は、横方向Yに一致する。
中間部Mは、ナプキン1におけるウイング部10Wの配置領域であり、より具体的には、図1に示すように、一対のウイング部10W,10Wそれぞれの縦方向Xの前方側の付け根と後方側の付け根とに挟まれた領域である。すなわち、本発明でいう「吸収性物品の中間部」とは、該吸収性物品がウイング部を有する場合には、そのウイング部の配置領域である。また、本発明の吸収性物品には、ウイング部を有しない形態が包含されるところ、そのようなウイング部を有しない吸収性物品の中間部は、該吸収性物品を縦方向に3等分した場合の縦方向の中間に位置する領域である。
ナプキン1は、図1に示すように、その縦方向Xへの折り畳みに利用される2本の折曲線FL,MLを有する。そのうちの1本である前方折曲線FLは、通常、ナプキン1の縦方向Xの前端から縦方向Xの後方側にナプキン1の縦方向Xの全長の10〜30%離間した位置に存在する。また、他の1本である中央折曲線MLは、通常、ナプキン1の縦方向Xの中央を基準として、その基準から縦方向Xの前方側及び後方側それぞれにナプキン1の縦方向Xの全長の10%以内の領域に存在する。両折曲線FL,MLともに、肌対向面を形成する表面シート2を内側にして(非肌対向面を形成する裏面シート3を外側にして)、ナプキン1を縦方向Xに折り畳むことによって形成されている。両折曲線FL,MLは、ナプキン1が縦方向Xに折り畳まれて個包装される際に使用される。つまり、ナプキン1の個包装形態は、両折曲線FL,MLによる三つ折り形態である。
本実施形態においては、図1に示すように、前方折曲線FLは、前方部Fと中間部Mとの境界、すなわち一対のウイング部10W,10Wそれぞれの縦方向Xの前方側の付け根を通って横方向Yに延びる直線である。また、中央折曲線MLは、中間部Mと後方部Rとの境界、すなわち一対のウイング部10W,10Wそれぞれの縦方向Xの後方側の付け根を通って横方向Yに延びる直線である。
ナプキン1は、中央折曲線MLを境にして、縦方向Xの前方の第1領域と、後方の第2領域とに区分される。前記第1領域は前方部Fと中間部Mとからなり、前記第2領域は後方部Rからなる。
ナプキン1を構成する吸収性本体10は、図1〜図5に示すように、吸水性材料を含む液保持性の吸収体4と、吸収体4の肌対向面側に配された表面シート2と、吸収体4の非肌対向面側に配された裏面シート3とを具備する。吸収体4は、表面シート2と裏面シート3との間に介在配置されている。表面シート2は液透過性シート、裏面シート3は液不透過性シートである。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
図3〜図5に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆している。裏面シート3は、表面シート2よりも更に横方向Yの外方に延出し、後述するサイドシート6とともにサイドフラップ部10Sを形成している。サイドフラップ部10Sは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁4S,4Sから横方向Yの外方に延出する部材(本実施形態では、表面シート2、裏面シート3及びサイドシート6)を含んで構成される部分であり、前述したウイング部10Wを含む。裏面シート3とサイドシート6とは、図3及び図4に示すように、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁4S,4Sからの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、図5に示すように、吸収体4の縦方向Xの両端4T,4Tからの延出部において、公知の接合手段によって互いに接合されている。表面シート2及び裏面シート3と吸収体4との間はそれぞれ接着剤によって接合されていてもよい。表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート2(液透過性シート)としては、例えば、公知の各種製法により製造された単層又は多層構造の不織布、開孔フィルム等が挙げられる。裏面シート3(液不透過性シート)としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等が挙げられ、該樹脂フィルムは透湿性でもよい。なお、液不透過性シートの「液不透過性」とは、液を全く通さない性質と、少量ではあるが液を通す性質(液難透過性)との両方を含む概念である。液不透過性シートは撥水性を有していてもよい。
吸収体4は、吸水性材料を含有する液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の外面即ち肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていてもよい。吸収性コア40は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなし、前方部Fから後方部Rにわたって延在している。コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続した液透過性シートであり、図3及び図4に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。コアラップシート41としては、例えば、紙、各種不織布、開孔フィルム等の液透過性シートを用いることができる。なお、コアラップシート41はこのような1枚のシートでなくてもよく、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、該肌側コアラップシートとは別体で、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとを含んで構成されていてもよい。また、吸収体4はコアラップシート41を含んでいなくてもよい。
吸収性コア40は、吸水性材料を含んで構成されている。前記吸水性材料としては、この種の吸収性物品の吸収体において使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、親水性繊維及び吸水性ポリマーが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。親水性繊維としては、本来的に親水性の繊維でもよく、あるいは疎水性繊維を親水化処理した繊維でもよいが、前者の繊維が特に好ましい。本来的に親水性の繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられ、好ましいものとして、パルプ、レーヨンを例示できる。パルプには、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプなどの木材パルプの他に、木綿パルプ、藁パルプなどの非木材パルプなどがあるが、特に制限されない。また、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維、木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いてもよい。吸水性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマーの形状は特に限定されず、例えば、球状、塊状、俵状、不定形状であり得る。吸水性ポリマーは、典型的には、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を主体とする。
なお、吸収体4は吸収性シートであってもよい。ここでいう「吸収性シート」とは、親水性繊維、吸水性ポリマー等の吸水性材料を含むシート状の吸収構造体を意味し、吸水性材料を積繊してなる積繊体とは区別される。一般に、吸収性シートは、吸水性材料の積繊体に比して厚みが薄く低剛性であるため、吸収性シートを備えた吸収性物品は、厚みが薄い薄型であり、柔軟で着用感に優れ、またコンパクトに折り畳めてハンドリング性にも優れる。吸収性シートである吸収体は、吸収性物品において折り畳まれた状態で配されてもよく、また、その吸収性シートの折り畳み構造の内部に、他の吸収性シートの折り畳み構造が内包されていてもよい。斯かる吸収性シートの特長をより有効に活用し、液拡散性、液保持性を十分に備え装着感の良好な吸収性物品を得る観点から、吸収性シートの1枚あたりの5cN/cmの荷重下での厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。吸収性シートとしては例えば、特許第2963647号公報、特許第2955223号公報に記載のものを利用することができる。吸収性シートとして好ましいものを例示すると、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたものが挙げられる。
図1〜図3に示すように、吸収性本体10の中間部Mにおける縦方向Xに沿う両側部には、一対のウイング部10W,10Wが延設されている。一対のウイング部10W,10Wは、それぞれ、サイドフラップ部10Sの中間部Mに位置する部分の裏面シート3及びサイドシート6が周辺部よりも横方向Yの外方に延出して形成されており、図1及び図2に示す如き平面視において、下底(上底に比して長い辺)が吸収性本体10側に位置する略台形形状を有している。ウイング部10Wの非肌対向面には、該ウイング部10Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部固定材(図示せず)が配されている。前記ウイング部固定材は、粘着剤が塗布されて形成されており、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シートによって被覆されている。ウイング部10Wは、ナプキン1の使用時において、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面すなわち外面側に折り返されて用いられる。
吸収性本体10の非肌対向面には、図2に示すように、該吸収性本体10をショーツ等の着衣に固定する複数の本体固定材11が、縦方向Xに間欠配置されている。本実施形態においては、本体固定材11は平面視長方形形状をなし、その長手方向を横方向Yに一致させて、縦方向Xに所定間隔を置いて複数配置されている。本体固定材11は、粘着剤が塗布されて形成されており、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
図1、図3及び図4に示すように、吸収性本体10の縦方向Xに沿う両側部には、一対の防漏カフ5,5が配されている。一対の防漏カフ5,5は、それぞれ、防漏カフ用シートを含んで構成され、且つ該防漏カフ用シートが他の部材に固定された基端部50と、弾性部材7を具備する該防漏カフ用シートが着用者側に起立する起立部51とを有している。本実施形態においては、前述したサイドシート6が防漏カフ用シートである。
基端部50は、ナプキン1の着用時に起立部51が着用者の肌側に向かって起立する際の起立基端となる部分であり、より具体的には、防漏カフ用シート(本実施形態ではサイドシート6)の「他の部材」との固定部における、起立部51と横方向Yにおいて隣接する部分であり、換言すれば、該固定部における横方向Yの最内方に位置する部分である。また、「他の部材」は、ナプキン1の構成部材のうちで防漏カフ用シート以外のものであって且つ防漏カフ用シートと接触しつつこれに固定された部材であり、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、表面シート2である。
基端部50は、前述したとおり、防漏カフ用シートと他の部材との固定部であり、典型的には、ホットメルト等の接着剤、熱融着等の公知の接合手段によって形成されている。本実施形態においては、基端部50は、図1に示すように、平面視において直線状をなし、防漏カフ用シート(本実施形態ではサイドシート6)の縦方向Xの略全長にわたって縦方向Xに延在している。
起立部51は、防漏カフ用シートにおける他の部材との非固定部である。本実施形態においては、図3に示すように、起立部51は、基端部50から横方向Yの内側へ延びる内側延出部52を含んで構成され、より具体的には、内側延出部52のみから構成されている。
起立部51の内側延出部52は、縦方向Xに伸縮性を有している。本実施形態においては、図3に示すように、起立部51の内側延出部52の縁部領域520を構成するサイドシート6(防漏カフ形成用シート)に、縦方向Xに伸縮性を有する弾性部材7が配されており、斯かる構成により、内側延出部52すなわち起立部51に縦方向Xの伸縮性が付与されている。更に説明すると、本実施形態においては、後述する起立阻害部55及び端部固定部56を含む、防漏カフ5の全体が、防漏カフ用シートであるサイドシート6が横方向Yに二つに折られて二層構造となった部分を含んで構成され、その二つ折りの折り目及びその近傍領域が、縁部領域520である。内側延出部52の縁部領域520は、内側延出部52の縦方向Xに沿う縁部52aと該縁部52aの近傍領域とを含む部分であり、典型的には、縁部52aから基端部50に向かって15mm以内の領域である。そして、起立部51の内側延出部52の縁部領域520における二層構造を構成するサイドシート6,6間に、弾性部材7が伸長状態で固定されており、斯かる構成により、縁部領域520は縦方向Xに伸縮性を有している。二つ折りされたサイドシート6の先端部は、基端部50にて表面シート2に接合されている。なお、弾性部材7は、起立部51の内側延出部52において、必ずしも縁部領域520に配される必要はないが、内側延出部52の起立性の向上等の観点から、縁部領域520に配されることが好ましい。
本実施形態においては、弾性部材7は糸状をなし、その長手方向を縦方向Xに一致させて、サイドシート6における起立部51の内側延出部52(縁部領域520)を構成する部分に伸長状態で固定されている。弾性部材7は糸状が好ましいが、これに変えて帯状であってもよい。また、本実施形態においては、各防漏カフ5に弾性部材7が1本(条)配されているが、各防漏カフ5における弾性部材7の数は特に制限されず、1本(条)でも複数本(条)でもよい。
このように、本実施形態においては、弾性部材7は、少なくとも起立部51(防漏カフ5における後述する縦方向Xの前後の起立阻害部55,55間)では、内側延出部52において、防漏カフ用シートであるサイドシート6に伸長状態で固定されており、これにより、起立部51(内側延出部52)は縦方向Xに伸縮可能となっている。そして、本実施形態の防漏カフ5は、サイドシート6に対して弾性部材7を伸長状態で固定した後にその伸長状態を解放することによって作られており、斯かる作製方法に起因して、防漏カフ5の表面、より具体的には起立部51(内側延出部52)の表面には多数の皺が存在する。この防漏カフ5の表面の皴は、縦方向Xに略規則的に間欠配置されている。
本実施形態においては、防漏カフ用シートであるサイドシート6は、図1に示すように、吸収性本体10の縦方向Xの略全長にわたって、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側部に沿って配されており、吸収性本体10の肌対向面すなわち表面シート2の肌対向面が、サイドシート6によって被覆されている。これにより一対の防漏カフ5,5は、それぞれ、前方部Fから後方部Rにわたって縦方向Xに連続的に配されている。サイドシート6としては液不透過性シートが好ましく、例えば、裏面シート3として使用可能なものを用いることができる。
図1に示すように、前方部F及び後方部Rそれぞれには、起立部51(内側延出部52)の起立が阻害された部分である起立阻害部55が形成されている。起立部51は、前方部Fの起立阻害部55と後方部Rの起立阻害部55とに挟まれた部分である。図4には、後方部Rの起立阻害部55が示されている。起立阻害部55は、起立部51の縁部側が該縁部側よりも非肌側に位置する他の部材に固定されることで形成されている。本実施形態においては、図4に示すように、「起立部51の縁部側」すなわち「起立部51を構成する内側延出部52の縁部領域520」が、「これよりも非肌側に位置する他の部材」すなわち「表面シート2」に固定されることで、起立阻害部55が形成されている。起立阻害部55は、基端部50よりも横方向Yの内方位置にて表面シート2に固定されている。起立阻害部55と表面シート2とを固定する固定手段、すなわち起立阻害部55の形成手段は特に制限されず、例えば、ホットメルト等の接着剤、熱融着等の公知の固定手段を用いることができる。図示していないが、前方部Fの起立阻害部55も、後方部Rの起立阻害部55と同様に構成されている。
このように、弾性部材7が配され縦方向Xに伸縮性を有する起立部51(内側延出部52)が、その縦方向Xの両端部それぞれにおいて表面シート2に固定されて、前方部F及び後方部Rそれぞれに起立阻害部55が形成されていることで、防漏カフ5における、前方部Fの起立阻害部55と後方部Rの起立阻害部55とに挟まれた部分である起立部51が、弾性部材7の収縮力により、図3に示すように、サイドシート6(防漏カフ用シート)と表面シート2との固定部である基端部50を起立基端とし、内側延出部52の縁部52aを自由端として起立し得る。そして、ナプキン1の着用中に一対の防漏カフ5,5がこのように起立することで、ナプキン1の肌対向面に排泄された経血等の排泄液の横漏れが効果的に防止される。また、図示していないが、斯かる防漏カフ5の起立状態においては、弾性部材7の収縮力により、ナプキン1の全体が、吸収性本体10の縦方向Xの中央部が非肌対向面側(裏面シート3側)に凸となるように湾曲していわゆる舟形形状に変形するため、ナプキン1の着用者の身体形状にフィットしやすくなる。
防漏カフ5における起立阻害部55よりも縦方向Xの外方に位置する部分は、図1に示すように、端部固定部56にて他の部材に固定されている。本実施形態においてこの「他の部材」は、表面シート2及び裏面シート3である。本実施形態においては、端部固定部56は、図1に示す如き平面視において波線状ないしジグザグ線状をなし、少なくとも防漏カフ5の内側延出部52及びその近傍、より具体的には、サイドシート6(防漏カフ用シート)における基端部50から内側延出部52の縁部52aにわたる部分が他の部材に固定されて形成されている。端部固定部56は、ホットメルト等の接着剤、熱融着等の公知の固定手段によって形成されており、接着剤の塗布部又は熱融着された部分を有しており、その形成方法に起因して、周辺部(端部固定部56の非形成部)に比して硬く高剛性である。なお、端部固定部56の平面視形状は、図1に示す如き線状に限定されず任意に設定可能であり、例えば、防漏カフ5における、起立阻害部55よりも縦方向Xの外方で且つ基端部50よりも横方向Yの内方に位置する部分の全体が、端部固定部56であってもよい。
このように、ナプキン1は、防漏カフ5を具備しているために本来的に液漏れ防止性に優れるものであるが、前述した典型的な使用態様に従ってナプキン1をショーツ等の着衣に装着した場合、防漏カフ5が十分に機能せずにその作用効果が十分に得られないことが懸念される。すなわち、多くの生理用ナプキンのユーザーが行っているように、ショーツのクロッチ部を前後方向に引き伸ばしつつ、ナプキン1を縦方向Xに伸長させた状態で本体固定材11を介して該クロッチ部に固定して装着した場合、防漏カフ5を構成する弾性部材7が常時伸長された状態となるため、防漏カフ5の起立性が低下してしまい、防漏カフ5による液漏れ防止効果等の作用効果が十分に得られないことが懸念される。
これに対し、ナプキン1においては、後方部Rの縦方向Xの伸長性を高めることで前記懸念を払拭している。すなわちナプキン1においては、図1に示すように、吸収体4が前記第2領域たる後方部Rに、横方向Yに延びる後方スリットR1が複数配された後方スリット領域RSを有しており、これにより、後方部Rに着用者の前後方向に対応する縦方向Xの伸長性を付与して、ナプキン1が、それが固定されるショーツ等の着衣のクロッチ部と同等以上に同方向に伸長できるようになされている。後方スリットR1は、吸収体4に形成された切れ目であり、後方スリットR1の形成位置においては吸収体4の形成材料(吸収性コア40及びコアラップシート41)が切断され又は形成材料が他の部位よりも相互に離れて分離されている。ナプキン1を縦方向Xの前後端部をそれぞれ手指で把持して同方向に引っ張ると、後方スリット領域RSの複数の後方スリットR1がそれぞれ拡開し、後方スリット領域RS全体として同方向に伸長され、延いては後方部Rが同方向に伸長される。したがって、前述した典型的な使用態様に従ってナプキン1をショーツに固定する場合でも、ナプキン1の特に後方部Rがそのショーツと同等以上に着用者の前後方向に対応する縦方向Xに伸長し得るため、ナプキン1の着用中に防漏カフ5を構成する弾性部材7が過度に伸長した状態が維持される不都合が回避され、結果として、ナプキン1の着用中における防漏カフ5の起立性が確保され、防漏カフ5による液漏れ防止効果等の作用効果が十分に得られ得る。
ナプキン1においては、前方部Fや中間部M(前記第1領域)ではなく、後方部R(前記第2領域)の縦方向Xの伸長性を高めている。その理由は、ナプキン1が固定されるショーツ等の着衣の伸長特性等と密接に関連する。すなわち、生理用ナプキン等の吸収性物品が固定されるショーツの一般的な構造、及び吸収性物品が装着される人間の股間部の形状等の関係で、ショーツの着用時においては、ショーツにおける着用者の排泄部と対向する排泄部対向部やそれよりも前側(腹側)に位置する部分は前後方向にほとんど伸長しないのに対し、ショーツにおける排泄部対向部よりも後側(背側)に位置する部分、特に臀部側は前後方向に比較的大きく伸長する。そこで、ナプキン1においては、この比較的大きく伸長する「ショーツの臀部側」に対応する部分である後方部Rに着目し、後方部Rの前後方向に対応する縦方向Xの伸長性を高めるべく、後方部R1に横方向Yに延びる後方スリットR1を複数配置している。一般に、ショーツの着用時におけるその臀部側の前後方向(縦方向X)の伸長率は3〜7%程度であるので、ナプキン1の同方向の伸長率がこの臀部側の伸長率よりも大きい、具体的には例えば5〜10%程度であると、防漏カフ5の起立性が十分に確保され得る。したがって、ナプキン1の縦方向Xの伸長率が5〜10%程度となるように、後方スリットR1の配置などを工夫することが好ましい。
後方スリットR1は、横方向Yに延びていればよく、図1に示す如く横方向Yに対して平行でなくてもよく、平面視において横方向Yとのなす角度が0度以上45度未満であればよい。後方スリットR1と横方向Yとのなす角度は、好ましくは30度未満、より好ましくは10度未満、更に好ましくは0度であり、すなわち後方スリットR1は横方向Yに平行に延びることが最も好ましい。また、ナプキン1においては、後方スリットR1は平面視直線状をなしているが、後方スリットR1の平面視形状はこれに限定されず波線等でもよい。なお、本明細書で「後方スリットR1と横方向Yとのなす角度」は絶対値で示しており、後方スリットR1の傾斜方向は前方部F側から後方部R側に向かって、横方向Y中央側へ傾斜する場合(後方スリットR1の長手方向両端のうち縦方向Xの前側に位置する長手方向前端が、後側に位置する長手方向後端よりも、横方向Yの外方に位置する場合)と、横方向Y外方へ傾斜する場合(後方スリットR1の該長手方向前端が、該長手方向後端よりも、横方向Yの内方に位置する場合)のいずれかで前記角度の範囲であることを意味する。
後方スリット領域RSにおいては、複数の後方スリットR1が分散配置されている。後方スリット領域RSの範囲は、図1に示すように、後方部Rに存在する後方スリットR1の全部を包含する平面視四角形形状の領域のうち、面積が最小の領域である。すなわち後方スリット領域RSは、縦方向Xの最前方に位置する後方スリットR1の縦方向Xの前側の側縁から最後方に位置する後方スリットR1の縦方向Xの後側の側縁までを縦方向長さとし、横方向Yの一方側の最外方に位置する後方スリットR1の同方向最外方端から他方側の最外方に位置する後方スリットR1の同方向最外方端までを横方向長さとする、平面視四角形の範囲である。
後方スリット領域RSに存する後方スリットR1の数は特に制限されないが、好ましくは2本以上、より好ましくは4本以上、そして、好ましくは50本以下、より好ましくは40本以下である。
後方スリット領域RSの複数の後方スリットR1は、互いに平面視形状及び横方向Yに対する傾斜角度の何れか一方又は両方が同じでもよく、異なっていてもよい。本実施形態においては、図1に示すように、後方スリット領域RSにおける複数の後方スリットR1は、平面視形状及び横方向Yに対する傾斜角度が互いに同じであり、各後方スリットR1は横方向Yに平行に直線で延びている。
本実施形態においては、図1に示すように、後方スリット領域RSに、複数の後方スリットR1が横方向Yに間欠配置されてなる後方スリット横列R2が、縦方向Xに間欠配置され、且つ縦方向Xに隣り合う一方の後方スリット横列R2と他方の後方スリット横列R2とで、後方スリットR1の配置パターンが異なる。斯かる配置パターンとして、本実施形態においては千鳥状の配置パターンが採用されている。千鳥状の配置パターンは、後方スリット横列R2を縦方向Xに投影したときに、該後方スリット横列R2を構成する後方スリットR1の投影像の間に、該後方スリット横列R2と縦方向Xにおいて隣り合う他の後方スリット横列R2を構成する後方スリットR1の投影像が配置される配置パターンである。
本実施形態においては、このように、後方スリット領域RSに、平面視において横方向Yとのなす角度が0度以上45度未満の後方スリットR1が千鳥状の配置パターンで配されているところ、後方スリット領域RSに存在する全ての後方スリットR1を仮想的に縦方向Xに投影した場合、それらの投影像が相互に重なる。換言すれば、縦方向Xに延びる1本の仮想直線(図示せず)を、後方スリット領域RSの横方向Yの一方側から他方側にわたって横方向Yに移動させた場合、その仮想直線と後方スリットR1とが常時重なる。斯かる構成により、後方部Rの縦方向Xの伸長性がより一層高められ、防漏カフ5の起立性の一層の向上に繋がり得る。
後方スリットR1の横方向Yの長さ(後方スリットR1の長手方向長さ)は、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。
後方スリットR1の縦方向Xの長さすなわち幅(後方スリットR1の短手方向長さ)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。
横方向Yにおいて隣り合う後方スリットR1,R1の間隔d1(図1参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、より好ましくは20mm以下である。
縦方向Xにおいて隣り合う後方スリット横列R2,R2の間隔d2(図1参照)、すなわち、一本の後方スリットR1とこれに最も近接する他の一本の後方スリットR1との縦方向Xの離間距離は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは17mm以下である。
後方スリットR1は、図5に示すように、吸収体4(吸収性コア40及びコアラップシート41)を貫通していることが好ましい。また後方スリットR1は、図5に示すように、吸収体4の上下に配される表面シート2及び裏面シート3には形成されていないことが好ましい。また、図示していないが、表面シート2と吸収体4との間に別のシートが介在配置されている場合、後方スリットR1はその別のシートにも形成されていないことが好ましい。ここでいう「別のシート」としては、例えば、当該技術分野においてサブレイヤなどと呼ばれる、不織布などの液透過性シートが挙げられる。
前述したとおり、ナプキン1においては、着用中における防漏カフ5の起立性を確保するために、吸収体4における後方部Rに位置する部分に後方スリット領域RSを配置しているが、更に別の工夫も採用している。すなわち、ナプキン1においては、図1に示すように、i)防漏カフ5の前方部Fに位置する起立阻害部55が、前方折曲線FL(吸収性本体10を折り曲げる際に利用される前方部Fの折曲線)よりも縦方向Xの前方に存在するとともに、ii)防漏カフ5の後方部Rに位置する起立阻害部55が、後方スリット領域RSと縦方向Xにおいて同位置に存在する(すなわち、後方スリット領域RSの横方向Yの外方に後方部Rの起立阻害部55が存在する)か、又は後方スリット領域RSよりも縦方向Xの後方に存在しており、前記i)及びii)で規定する起立阻害部55の位置と後方スリット領域RSとにより、防漏カフ5の起立性を高いレベルで確保している。防漏カフ5の起立性を高めるためには、少なくとも吸収性本体10における縦方向Xの伸長性を有する領域に対応して防漏カフ5が配置されていることが必要であり、その観点から、ナプキン1には、後方スリット領域RSに加えて更に、前記i)及びii)が採用されている。
前記i)に関し、前方部Fの起立阻害部55と前方折曲線FLとの離間距離L1(図1参照)は、該起立阻害部55が前方折曲線FLよりも縦方向Xの前方に位置することを前提として、好ましくは7mm以上、より好ましくは10mm以上、そして、好ましくは40mm以下、より好ましくは35mm以下である。
前記ii)に関し、後方部Rの起立阻害部55は、後方スリット領域RSと縦方向Xにおいて同位置に存在、すなわち、後方スリット領域RSの縦方向Xの前端を通って横方向Yに延びる仮想直線V1と、後方スリット領域RSの縦方向Xの後端を通って横方向Yに延びる仮想直線V2とに挟まれた領域に存在してもよいが、後方スリット領域RSよりも縦方向Xの後方に存在、すなわち、仮想直線V2よりも縦方向Xの後方に存在することがより好ましい。
また、ナプキン1においては前述したとおり、図2に示すように、吸収性本体10の非肌対向面に配された本体固定材11が縦方向Xに間欠配置されているため、本体固定材11を介してショーツ等の着衣に固定された状態において、吸収性本体10が縦方向Xに伸長しやすく、前述した構成と相俟って、防漏カフ5の起立性がより一層高められている。
ナプキン1においては、図1、図3及び図5に示すように、吸収体4は中間部Mに、縦方向Xに延びる中央スリットM1が配された中央スリット領域MSを有している。中間部Mに中央スリット領域MSが存していることにより、ナプキン1の着用時に、着用者の大腿部により、吸収体4を横方向Yに圧縮する力が加えられても、吸収体4が、中央スリット領域MSの多様な部位で細かく変形するため、吸収体4やナプキン1に、深さの深い折れ皺が生じにくい。そのため、深い折れ皺に起因する不都合、例えば、着用者が違和感を覚える、折れ皺に沿って液が流れて漏れにつながる等が効果的に防止され得る。したがってナプキン1によれば、中央スリット領域MS及び後方スリット領域RSの双方による作用効果により、着用時に着用者の肌に密着して隙間を生じ難く、該隙間からの液漏れが効果的に防止される。
中央スリットM1は、吸収体4に形成された切れ目であり、中央スリットM1の形成位置においては吸収体4の形成材料が切断され又は形成材料が他の部位よりも相互に離れて分離されている。ナプキン1においては、中央スリットM1は平面視直線状をなしているが、中央スリットM1の平面視形状はこれに限定されず波線等でもよい。また中央スリットM1は、縦方向Xに延びていればよく、図示の如く縦中心線CL(縦方向X)に対して平行でなくてもよく、縦中心線CL(縦方向X)とのなす角度が45度未満であればよく、30度未満であることが好ましく、特に10度未満であることが好ましく、0度であることが最も好ましい。
中央スリット領域MSにおいては、中央スリットM1が1本のみ配置されているか、又は中央スリットM1が複数分散配置されている。本実施形態においては後者である。中央スリット領域MSに中央スリットM1が1本のみ配置されている場合、その1本の中央スリットM1自体が中央スリット領域MSである。また、中央スリット領域MSに中央スリットM1が複数分散配置されている場合、その領域MSの範囲は、図1に示すように、縦方向Xの最も前方に位置する中央スリットM1の前端から最も後方に位置する中央スリットM1の後端までを縦方向長さとし、横方向Yの最も内側に位置する中央スリットM1の内側縁から最も外側に位置する中央スリットM1の外側縁までを横方向長さとする、平面視四角形の範囲である。
中央スリット領域MSには中央スリットM1が1本以上あればよい。中央スリット領域MSに存する中央スリットM1の数は特に制限されないが、好ましくは10本以上、より好ましくは20本以上、そして、好ましくは40本以下、より好ましくは30本以下である。中央スリット領域MSが中央スリットM1を複数有している場合、その複数の中央スリットM1は互いに、平面視形状及び縦中心線CL(縦方向X)に対する傾斜角度の何れか一方又は両方が同じでもよく、異なっていてもよい。また、中央スリット領域MSが中央スリットM1を複数有している場合、その複数の中央スリットM1が縦方向Xに一列に並ぶパターンよりも、図1に示す如き、横方向Yの位置が異なる2本以上の中央スリットM1が存するパターンが好ましい。
ナプキン1では、図1に示すように、中央スリット領域MSにおける複数の中央スリットM1は、平面視形状及び縦中心線CL(縦方向X)に対する傾斜角度が互いに同じであり、各中央スリットM1は縦中心線CLに平行に直線で延びている。中央スリット領域MSにおける複数の中央スリットM1は縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態で配され、より具体的には千鳥状に配されている。
中央スリットM1は、図3及び図5に示すように、吸収体4を貫通していることが好ましい。また中央スリットM1は、図3及び図5に示すように、吸収体4の上下に配される表面シート2及び裏面シート3には形成されていないことが好ましい。また、図示していないが、表面シート2と吸収体4との間に別のシート(例えばサブレイヤ)が介在配置されている場合、中央スリットM1はその別のシートにも形成されていないことが好ましい。
図1に示すように、中央スリット領域MSと後方スリット領域RSとは縦方向Xに離間している。つまり、中央スリット領域MSと後方スリット領域RSとの間には、非スリット形成領域が存在する。また、中央スリット領域MSと後方スリット領域RSとの間には、吸収性本体10を折り曲げる際に利用される折曲線である中央折曲線MLが横方向Yに延在している。中央スリット領域MSと後方スリット領域とは、縦方向Xに20mm以上離間していることが好ましい。すなわち、中央スリット領域MSの縦方向Xの後端(中央スリット領域MSにおいて縦方向Xの最後方に位置する中央スリットM1の後端)と後方スリット領域RSの前端(後方スリット領域RSにおいて縦方向Xの最前方に位置する後方スリットR1の縦方向Xの前側の側縁)との離間距離L2(図1参照)、つまり前記非スリット形成領域の縦方向Xの長さは、20mm以上が好ましい。斯かる構成により、前記排泄部対向部で生じるヨレを後方に伝えないという効果が奏される。また、離間距離L2の上限は、吸収性物品全体の良好なフィット性を得やすいことから、好ましくは35mm、より好ましくは30mmである。
中央スリットM1の縦方向Xの長さ(中央スリットM1の長手方向長さ)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
中央スリットM1の横方向Yの長さすなわち幅(中央スリットM1の短手方向長さ)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。
一本の中央スリットM1とこれに最も近接する他の一本の中央スリットM1との縦方向Xの離間距離d3(図1参照)、すなわち、複数の中央スリットM1が横方向Yに間欠配置されてなる中央スリット横列どうしの間隔は、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
横方向Yにおいて隣り合う中央スリットM1,M1の間隔d4(図1参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは17mm以下である。
なお、ナプキン1は中央部Mに、周辺部に比して吸水性材料の坪量(吸収体4の坪量)が高い高坪量部、いわゆる中高部(図示せず)を有していてもよい。前記高坪量部(中高部)は、典型的には、周辺部よりも厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起している。その場合、前記中高部に中央スリット領域MSが配置されていてもよい。
図6には、本発明の吸収性物品の他の実施形態の要部が示されている。後述する他の実施形態については、前述したナプキン1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、ナプキン1についての説明が適宜適用される。
図6に示すナプキン1Aは、後方スリット領域RSにおける後方スリットR1の配置パターンの点で、前述したナプキン1と異なる。すなわちナプキン1Aにおいては、図6に示すように、後方スリット領域RSに、平面視において横方向Yとのなす角度が0度以上45度未満の後方スリットR1が複数密集してなる後方スリット群R3が複数形成され、その複数の後方スリット群R3が千鳥状に配置されている。つまり、図1に示すナプキン1においては、後方スリットR1が千鳥状に配置されていたのに対し、図6に示すナプキン1Aにおいては、後方スリットR1の集合体である後方スリット群R3が千鳥状に配置されている。図6に示す後方スリット群R3の千鳥状の配置パターンにおいては、複数の後方スリット群R3が横方向Yに所定間隔を置いて間欠配置されてなる後方スリット群列が、縦方向Xに間欠配置され、縦方向Xにおいて隣り合う該後方スリット群列どうしは、それらが有する後方スリット群R3の非配置部(前記間隔に相当する部分)の横方向Yにおける位置が一致している。そして、縦方向Xにおいて隣り合う2列の前記後方スリット群列の間であって、各該列における後方スリット群R3の非配置部に挟まれた部分に、更に後方スリット群R3が配置されている。
図6に示す後方スリット群R3の千鳥状の配置パターンにおいても、図1に示す後方スリットR1の千鳥状の配置パターンと同様に、後方スリット領域RSに存在する全ての後方スリットR1を仮想的に縦方向Xに投影した場合、それらの投影像が相互に重なる。また、図6に示す形態においては、後方スリット領域RSに5個の後方スリット群R3が形成され、各後方スリット群R3は、横方向Yとのなす角度が0度の後方スリットR1を9個含んで構成されている。複数の後方スリット群R3は、それぞれ、複数(9個)の後方スリットR1が千鳥状に配置されて構成され、平面視において略菱形形状をなしている。後方スリット群R3を構成する複数の後方スリットR1どうしの縦方向X及び横方向Yそれぞれの間隔(1個の後方スリットR1とそれに最も近接する他の1個の後方スリットR1との間隔)は、複数の後方スリット群R3どうしの同方向の間隔(1個の後方スリット群R3とそれに最も近接する他の1個の後方スリット群R3との間隔)よりも短い。ナプキン1Aによっても、ナプキン1と同様の効果が奏される。
以上、本発明について説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。前述した複数の実施形態において互いに異なる構成を、適宜変更し、置換し、あるいは組み合わせた形態とすることもできる。
本発明は、経血、尿、便、汗などの体液の吸収に用いられる物品全般に適用することができるが、特に、生理用ナプキンなどの女性用吸収性物品に好適である。女性用吸収性物品としては、前記実施形態の如き生理用ナプキンの他に、例えば、パンティライナ、失禁パッド等が挙げられる。
1,1A 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート(液透過性シート)
3 裏面シート(液不透過性シート)
4 吸収体
5 防漏カフ
50 基端部
51 起立部
52 内側延出部
52a 内側延出部の縁部(自由端)
55 起立阻害部
56 端部固定部
6 サイドシート(防漏カフ用シート)
7 弾性部材
10 吸収性本体
11 本体固定材
F 前方部(第1領域)
M 中間部(第1領域)
R 後方部(第2領域)
FL 前方折曲線
ML 中央折曲線
M1 中央スリット
MS 中央スリット領域
R1 後方スリット
R2 後方スリット横列
R3 後方スリット群
RS 後方スリット領域
CL 縦中心線
X 縦方向
Y 横方向

Claims (6)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向及びこれに直交する横方向を有するとともに、着用時に着用者の排泄部と対向する排泄部対向部を含む中間部と、該中間部から縦方向前方に延在する前方部と、該中間部から縦方向後方に延在する後方部とを有し、且つ
    吸収性本体と、該吸収性本体の縦方向に沿う両側部に配された一対の防漏カフとを具備し、該吸収性本体が、吸水性材料を含む吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された液透過性シートと、該吸収体の非肌対向面側に配された液不透過性シートとを具備する吸収性物品であって、
    一対の前記防漏カフは、それぞれ、防漏カフ用シートを含んで構成され、該防漏カフ用シートが他の部材に固定された基端部と、弾性部材を具備する該防漏カフ用シートが着用者側に起立する起立部とを有しており、
    前記前方部及び前記後方部それぞれに、前記起立部の縁部側が該縁部側よりも非肌側に位置する他の部材に固定された、起立阻害部が形成されており、
    前記前方部に、前記吸収性本体を折り曲げる際に利用される折曲線が横方向に延在し、前記前方部の前記起立阻害部が、該折曲線よりも縦方向前方に存在し、
    前記吸収体は、前記後方部に、横方向に延びる後方スリットが複数配された後方スリット領域を有し、前記後方部の前記起立阻害部が、該後方スリット領域と縦方向において同位置又は該後方スリット領域よりも縦方向後方に存在する吸収性物品。
  2. 前記後方スリットは、横方向とのなす角度が0度以上45度未満であり、
    前記後方スリット領域に、複数の前記後方スリットが横方向に間欠配置されてなる後方スリット横列が、縦方向に間欠配置され、且つ縦方向に隣り合う一方の該後方スリット横列と他方の該後方スリット横列とで、該後方スリットの配置パターンが異なる請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記後方スリットは、横方向とのなす角度が0度以上45度未満であり、
    前記後方スリット領域に、複数の前記後方スリットが密集してなる後方スリット群が千鳥状に配置されている請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記後方スリット領域に存在する全ての前記後方スリットを仮想的に縦方向に投影した場合、それらの投影像が相互に重なる請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体は、前記中間部に、縦方向に延びる中央スリットが配された中央スリット領域を有し、該中央スリット領域と前記後方スリット領域とが縦方向に20mm以上離間している請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性本体の非肌対向面に、該吸収性本体を着用者の着衣に固定する本体固定材が、縦方向に間欠配置されている請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
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