JP2020063365A - 熱伝導性シリコーン組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)2〜8で反応させた反応物、
(C)Si−H基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(C)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)2〜8となる量、
(D)金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる平均粒径3μm以下の無機充填材、及び
(E)平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材
含有する熱伝導性シリコーン組成物であって、(D)成分と(E)成分の合計含有量が、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して200〜6,000質量部であり、25℃における絶対粘度が100〜800Pa・sである熱伝導性シリコーン組成物。
2.下記の条件のレオメータ測定
測定冶具:パラレル・プレート P20 TL
測定ギャップ:1.00mm(液量:4.0mL)
測定モード:固定変形量−周波数依存性測定
変形条件:CD−Auto Strain 1.00±0.05%
測定周波数:0.1〜10Hz
測定温度:25℃±1℃、15℃/分で150℃に昇温後、150℃±1℃
で貯蔵弾性率を測定した場合、G’(25℃)が6,000Pa以上であり、G’(150℃)/G’(25℃)の比率が1.2〜10である1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
3.(D)成分が、PZC(ポイントオブゼロチャージ)がpH6以上である、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素粉末から選ばれる1種又は2種以上である1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
4.(I)上記(A)、(B)、(D)及び(E)成分と、白金族金属系硬化触媒とを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)が2〜8となるように混合する工程と、
(II)得られた混合物を100〜180℃で30分〜4時間加熱して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程と、
(III)反応後に反応物を冷却する工程と、
(IV)冷却後に、反応物に(C)成分を添加して混合する工程
を含む、1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物を製造する製造方法。
[オルガノポリシロキサン]
本発明のオルガノポリシロキサンは、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)2〜8で反応させた反応物である。以下、単に「(A),(B)成分反応物」と記載する場合がある。
アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくはそれぞれの分子につき少なくとも2個(通常2〜20個)、より好ましくは2〜10個程度有するものである。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
R1 mR2 nSiO(4-m-n)/2 (1)
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、R2は独立にアルケニル基を表し、mは、0.5〜2.5、好ましくは0.8〜2.2の正数であり、nは、0.0001〜0.2、好ましくは0.0005〜0.1の正数である。但し、m+nは、通常0.8〜2.7、好ましくは0.9〜2.2の正数である。)
で表され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(B)成分は、1分子中に1個以上のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、シリコーン組成物の硬化剤であり、好ましくは1分子中に平均3個以上、より好ましくは4個以上(通常4〜300個程度)、さらに好ましくは5個以上(例えば5〜200個程度)のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を有するものである。(B)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、環状、又は三次元網状構造の樹脂状物のいずれのものであってもよいが、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
(式中、R3は脂肪族不飽和炭化水素基を除く、非置換又は置換の1価炭化水素基である。p1は1.0〜3.0、好ましくは0.5〜2.5、q1は0.05〜2.0、好ましくは0.01〜1.0であり、かつp1+q1は0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.5を満足する正数である。)
(C)成分は、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、シリコーン組成物の硬化剤として機能せず、(A)成分とは反応しない。(C)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、環状、又は三次元網状構造の樹脂状物のいずれのものであってもよい。(B)成分と同じものでも、違うものでもよい。(C)成分としては、下記平均組成式(3)で示されるものを用いることができる。
(式中、R3は脂肪族不飽和炭化水素基を除く、非置換又は置換の1価炭化水素基である。p2は1.0〜3.0、好ましくは0.5〜2.5、q2は0.05〜2.0、好ましくは0.01〜1.0であり、かつp2+q2は0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.5を満足する正数である。)
(D)成分は、金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる平均粒径3μm以下の無機充填材である。この無機充填材は、比表面積が大きく、Si−H基がリッチに存在する(A),(B)成分反応物や(C)成分と相互作用をすることにより、150℃における貯蔵弾性率を向上させる成分である。また、(E)成分の熱伝導性無機充填材の粒度分布を整えて、最密充填にして配合量を増大させ、シリコーン組成物の熱伝導率を向上させるための成分である。
(E)成分は平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材であり、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、金属珪素等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素は上記(D)成分と重複するが、平均粒径が相違する。
本発明のシリコーン組成物には、熱硬化前の粘度を低下させるため、さらに(F)成分として加水分解性オルガノポリシロキサンを含有することができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(F)成分は、(D)、(E)成分をシリコーン組成物に高充填しても、シリコーン組成物の流動性を保ち、この組成物に良好な取り扱い性を付与する役割も兼ね備えている。(F)成分としては、下記一般式(4)で表されるオルガノポリシロキサン、特に、3官能の加水分解性オルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和基を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。X1、X2、X3はR4又は−R5−SiR6 g(OR7)3-gで示される基であり、それぞれ異なってもよいが、少なくとも1つは−R5−SiR6 g(OR7)3-gである。R5は酸素原子又は炭素数1〜4のアルキレン基、R6は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R7は独立に炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、gは1〜3の整数である。a及びbはそれぞれ1≦a≦1,000、0≦b≦1,000である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、特に25℃における粘度が0.005〜100mPa・sのオルガノポリシロキサンが好ましい。
a,bは上記の通りであるが、好ましくはa+bが10〜50であり、cは5〜100の整数であり、好ましくは10〜50である。gは1〜3の整数であり、好ましくは3である。なお、分子中にOR7基は1〜6個、特に3又は6個有することが好ましい。
本発明のシリコーン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の任意の成分を配合することができる。
充填剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。充填剤としては、例えば、ウォラストナイト、タルク、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン等のクレー;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、グラファイト、バライト、マラカイト等の炭酸銅;ザラカイト等の炭酸ニッケル;ウィザライト等の炭酸バリウム;ストロンチアナイト等の炭酸ストロンチウム;フォーステライト、シリマナイト、ムライト、パイロフィライト、カオリナイト、バーミキュライト等のケイ酸塩;ケイ藻土等の非補強性の充填剤;これらの充填剤の表面を有機ケイ素化合物で処理したもの等が挙げられる。充填剤を配合する場合、シリコーン組成物中の上記充填剤の含有量は、(A)、(B)と(C)成分との合計100質量部に対して100質量部以下が好ましい。
シリコーン組成物を製造する場合は、例えば、下記工程を含むものが挙げられる。
(I)上記(A)、(B)、(D)及び(E)成分と、白金族金属系硬化触媒とを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)が2〜8となるように混合する工程
(II)得られた混合物を100〜180℃で30分〜4時間加熱して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程
(III)反応後に反応物を冷却する工程
(IV)冷却後、反応物に(C)成分を添加して混合する工程
(C)成分の添加は必ず、(A)と(B)成分の加熱反応後に行う。
反応後20〜40℃に反応物を冷却することが好ましい。
冷却方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
添加方法及び混合方法は特に限定されないが、反応物に(C)成分を添加して撹拌して混合することが好ましい。混合装置は上記(I)工程と同様のものを用いることができる。
シリコーン組成物の熱伝導率は2W/mK以上が好ましく、3W/mK以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、20W/mK以下とすることができる。このように優れた熱伝導率を有するため、放熱用として好適である。
レオメータ測定条件
測定冶具:パラレル・プレート P20 TL
測定ギャップ:1.00mm(液量:4.0mL)
測定モード:固定変形量−周波数依存性測定
変形条件:CD−Auto Strain 1.00±0.05%
測定周波数:0.1〜10Hz
測定温度:25℃±1℃、15℃/分で150℃に昇温後、150℃±1℃
[付加反応触媒]
塩化白金酸H2PtCl6・6H2O(37.6質量%白金)8.0gを還流コンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付けた100mLの反応フラスコに入れ、次いでエタノールを40.0g及びジビニルテトラメチルジシロキサンを16.0g加えた。70℃で50時間加熱反応させた後、反応混合物を室温にて撹拌しながら炭酸水素ナトリウム16gを徐々に加えて2時間中和した。反応混合物を吸引濾過し、濾液を減圧留去し、エタノール及び過剰のジビニルテトラメチルジシロキサンを実質的に取り除いた後、トルエンで希釈し、全量を600gとした(白金0.5質量%含有)。
(A−1)粘度600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含量:0.015mol/100g)
(A−2)粘度700mPa・sの分子鎖平均片末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルポリシロキサン(ビニル基含量:0.0036mol/100g)
(B−1)下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
各シロキサン単位の結合順序は、上記に制限されるものではない。以下同様である。
D−1:酸化亜鉛2種(JIS規格、平均粒径1μm):PZC 9.5
D−2:酸化マグネシウム粉末(平均粒径1μm):PZC 11.5
D−3:炭化ケイ素(平均粒径1μm):PZC 4(比較品)
E−1:酸化アルミニウム粉末(平均粒径10μm)
[実施例、比較例]
熱伝導性シリコーン組成物の製造
(A)、(B)、(D)、(E)、(F)及びヒドロシリル化触媒を室温で配合して、プラネタリーミキサーを用いて10〜30分混合した((D)成分は、(A)、(B)成分中に予め加熱混合された混合物として用いた。)。得られた混合物を165℃に加熱し、減圧下で120分混合した。その後、加熱を停止して室温送風条件下で50℃以下まで冷却した。冷却後に所定の(C)成分を添加して、室温にて撹拌混合を行った。
[熱伝導率測定]
京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて、25℃において測定した。
粘度は25℃における値を示し、その測定はマルコム粘度計(タイプPC−10AA)を用いた。組成物の塗布プロセスにおいて実用上800Pa・sを超える粘度は使用不可と考えられる。
得られたシリコーン組成物の25℃と150℃でのG’(せん断貯蔵弾性率)とその比率を測定した。
下記の条件
レオメータ測定
測定機:HAAKE MARS40
測定冶具:パラレル・プレート P20 TL
測定ギャップ:1.00mm(液量:4.0mL)
測定モード:固定変形量−周波数依存性測定
変形条件:CD−Auto Strain 1.00±0.05%
測定周波数:0.1〜10Hz
測定温度:25℃±1℃、15℃/分で150℃に昇温後、150℃±1℃
で貯蔵弾性率を測定した場合、G’(150℃)/G’(25℃)の比率を算出した。
調製したシリコーン組成物をガラス板上に0.35mL塗布して、1mmのスペーサーを挿入しガラス板で挟んで直径約20mm/厚さ1mmの円盤状のサンプルを作製した。
ガラスに挟まれたサンプルを円盤が垂直状態になるように配置して、冷熱試験条件:−40℃/30分⇔150℃/30分の条件でサイクル試験を行い、サイクル250回後の状態を観察した。
円盤状の硬化されたシリコーン組成物が、ガラス板の元の位置からズレている場合は「ズレ有」とした。
垂直にシリコーン組成物を配置して、ガラス板の元の位置からまったくズレが発生しない場合を「ズレ無」とした。このような状況が好ましい。
Claims (4)
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)2〜8で反応させた反応物、
(C)Si−H基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(C)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)2〜8となる量、
(D)金属酸化物及び金属窒化物から選ばれる平均粒径3μm以下の無機充填材、及び
(E)平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材
含有する熱伝導性シリコーン組成物であって、(D)成分と(E)成分の合計含有量が、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して200〜6,000質量部であり、25℃における絶対粘度が100〜800Pa・sである熱伝導性シリコーン組成物。 - 下記の条件のレオメータ測定
測定冶具:パラレル・プレート P20 TL
測定ギャップ:1.00mm(液量:4.0mL)
測定モード:固定変形量−周波数依存性測定
変形条件:CD−Auto Strain 1.00±0.05%
測定周波数:0.1〜10Hz
測定温度:25℃±1℃、15℃/分で150℃に昇温後、150℃±1℃
で貯蔵弾性率を測定した場合、G’(25℃)が6,000Pa以上であり、G’(150℃)/G’(25℃)の比率が1.2〜10である請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。 - (D)成分が、PZC(ポイントオブゼロチャージ)がpH6以上である、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素粉末から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
- (I)上記(A)、(B)、(D)及び(E)成分と、白金族金属系硬化触媒とを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi−H基とのモル比(Si−H/Si−Vi)が2〜8となるように混合する工程と、
(II)得られた混合物を100〜180℃で30分〜4時間加熱して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程と、
(III)反応後に反応物を冷却する工程と、
(IV)冷却後に、反応物に(C)成分を添加して混合する工程
を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物を製造する製造方法。
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