以下、図1の斜視図および図2のブロック図を参照して、本発明の第1の実施例による構成を説明する。
本実施形態のカメラ回転システムは操作器10と雲台システム20から構成される。撮影者が操作器10を操作すると、操作内容に応じた操作命令が操作器10からネットワークを介して雲台システム20に送信される。そして雲台システム20は、受信した操作命令に応じた制御を行うことで、操作器10から雲台システム20を遠隔操作することが可能となる。
雲台システム20は、雲台ヘッド21、主カメラ22、広角撮影用カメラ23、ファインダ撮影用カメラ24、主カメラ22を固定する固定台(カメラ台26と呼ぶ)、制御ボックスユニット27、ケーブルクランプユニット28を備える。尚、本実施例での説明において、図1における矢印にて示す方向を、各々X方向、Y方向、Z方向と定める。Z方向は主カメラ22をカメラ台26に固定したときの、主カメラ22の光軸方向である。
また、Z方向のうち、主カメラ22のレンズ側(光軸の上流側)から見た面を正面、正面と対向する面を背面とする。正面に対して右側から見た面を右側面、正面に対して左側から見た面を左側面、正面に対して上側から見た面を上面、正面に対して下側から見た面を下面、と各々称する。Z方向に投影したとき、正面と背面は面積を有するが、右側面、左側面、上面、下面は面積を有さない(線分となる)。尚、Z方向に対して雲台システムを構成する各装置、ユニットが傾いている場合は、Z方向に投影した時の幅(X方向における長さ)が大きい方を正面、または背面、小さいほうを側面とする。
雲台ヘッド21は、インタフェース部211と駆動制御部212から構成され、インタフェース部211は主に通信および映像の処理を行い、駆動制御部212は主に各種モータの制御を行う。
インタフェース部211は、インタフェースCPU2111と映像処理部2112と通信部2113から構成される。駆動制御部212は、駆動制御CPU2121とズーム、ロール、チルト、パンの各モータ制御部2122(2122a〜2122d)と各モータ2123(2123a〜2123d)から構成される。
操作器10からの操作命令は、通信部2113を介してインタフェースCPU2111に送られる。操作命令がパン駆動制御命令であった場合、駆動制御部212に駆動命令が送られ、駆動制御CPU2121を介してパン制御部2122aに指令を与える。そして、パン駆動制御命令に応じてパンモータ2123aを駆動する。
同様に、操作命令がチルト駆動制御命令であった場合、チルト制御部2122bを介してチルトモータ2123bを制御する。また、操作命令がロール制御命令であった場合、ロール制御部2122cを介してロールモータ2123cを制御する。さらにまた、操作命令がズーム制御命令であった場合には、ズーム制御部2122dを介してズームモータ2123dを制御する。よって、駆動制御部212は、各カメラの駆動部として機能する。
尚、図1中のローテータ25は駆動制御部212のうち、主カメラ22をロール方向に回転可能な回転機構であり、上述のロールモータ2123cを備える。
映像処理部2112は、主カメラ22、広角撮影用カメラ23、ファインダ撮影用カメラ24のそれぞれから出力される映像をインタフェースCPU2111に送る。インタフェースCPU2111は、各カメラからの映像と、操作器10において各カメラを操作するために利用することができる通信データ(例えば、カメラの位置や姿勢などに関する情報)とを、通信部2113を介して操作器10に表示されるように送出する。お、各カメラからの映像を操作器10に送出する際に1つの伝送路を用いることで、映像ごとに複数の伝送路を用いる場合と比較して映像間の遅延を小さくすることができる。なお、下述するように、操作器10に送出される映像は一部のからの映像でもよい。
次に、主カメラ22とファインダ撮影用カメラ24の構成の一例を図3に示す。主カメラ22は、静止画撮影のための一眼レフカメラ221とレンズ装置222から構成される。主カメラ22による撮影が行われていない通常時は、図示するように可動ミラー2211がメカニカルシャッタ2212の前に傾斜配置されており、レンズ装置222を通過した光束は可動ミラー2211よって上部に反射され、焦点板2213に一度結像する。焦点板2213に結像した光束は、ペンタプリズム2214および接眼レンズ2215を通過してファインダ撮影用カメラ24に到達する。
主カメラによる撮影時は、可動ミラー2211が不図示の回転軸を中心に上部に跳ね上げられるように回転する。この場合、レンズ装置222を通過した光束はメカニカルシャッタ2212を通過して不図示の撮像素子に到達する。
上述したように、主カメラ22とファインダ撮影用カメラ24を構成することによって、主カメラ22で撮影される映像と同一の映像がファインダ撮影用カメラ24で撮影することが可能である。
ここで、例えばファインダ撮影用カメラ24として主カメラ22と比べて低画素、低フレームレートのカメラを用いることによって低遅延の映像伝送が可能となる。つまり撮影を行う際にインタフェース部211からネットワークを介して操作器10に出力される映像として、広角撮影用カメラ23とファインダ撮影用カメラ24の映像を用いることで、操作者の撮影タイミングのずれを抑制することができる。また、ファインダ撮影用カメラ24として主カメラ22と比べて低消費電力のカメラを用いることで、雲台システム20の消費電力を抑制することが可能となる。なお、ファインダ撮影用カメラ24が、主カメラ22と比べて低画素、低フレームレート、低消費電力の条件を1つでも満たせば、満たした条件に応じた効果を得ることが可能である。
次に、主カメラ22と広角撮影用カメラ23の撮影映像の関係について、図4の例を用いて説明する。
図4(a)〜(c)は、移動する被写体を主カメラ22で撮影して得られた映像を時系列に並べた例である。また、図4(d)〜(f)は、同様に広角撮影用カメラ23で撮影して得られた映像を並べた例であり、説明の便宜上、主カメラ22の撮影範囲を破線で記している。
主カメラ22で移動する被写体を撮影しようとした場合、図4(a)〜(c)のように、被写体を確認できるのは一部の映像であって短期間である。さらに、図4(b)のように、映像内に大きく被写体を撮影しようとする場合、画角内の被写体の移動速度が速いと、操作者は撮影タイミングを合わせることが非常に難しい。特に雲台システム20(主カメラ22)と操作器10の間で伝送遅延が存在するような場合には、撮影者が操作器10の画面で被写体を認識してから操作器10を操作して撮影を開始したのでは間に合わない可能性がある。
一方、図4(d)〜(f)のように、広角撮影用カメラ23の映像を確認することによって、撮影者は被写体の位置をより正確に確認することができる。このため、主カメラ22の画角による映像で確認する場合と比較して、撮影タイミングを被写体に合わせることが容易となる。
このように広角撮影用カメラ23からの映像を用いることで、移動する被写体の撮影タイミングを的確に知ることが可能となる。また、被写体の位置を知ることができるため、被写体の位置に応じて、カメラのパン、チルト動作を行うことも容易となる。
以上のように、主カメラ22とは別に広角撮影用カメラ23とファインダ撮影用カメラ24を設け、広角撮影用カメラ23とファインダ撮影用カメラからの映像によりライブビューを行うことで撮影者が撮影タイミングを探りやすくなる。
なお、広角撮影用カメラ23とファインダ撮影用カメラ24からの映像をそれぞれの画角の関係が認識できるように合成し、合成した映像を操作器10に送出するようにしてもよい。
また、主カメラ22、広角撮影用カメラ23、ファインダ撮影用カメラ24のそれぞれが共通する同一の回転軸で回転動作を行うため、例えばカメラ間のずれなどの回転の影響を受けることがなく、複雑な補正や連携を必要としない。さらに、それぞれのカメラからの映像を、インタフェースCPU2111が1つの伝送路で送出することで、別々の伝送方法または伝送路により遅延量に差が出る現象を抑制することができる。よって、より撮影タイミングを計りやすい撮影システムを構築することができる。
次に図5を用いて本実施例の変形例を説明する。図1で示した例では、広角撮影用カメラ23は、主カメラ22およびファインダ撮影用カメラ24とパンのみが同一の回転軸となるような位置に取り付けられている。ここで、図5のように広角撮影用カメラ23の取り付け位置を変更して、広角撮影用カメラ23が、パンとチルトのどちらにおいても、主カメラ22およびファインダ撮影用カメラ24と同一の回転軸で動作するようにしてもよい。さらに別の変形例として、広角撮影用カメラ23をレンズ装置222に括り付けることによって、パン、チルト、ロールのいずれの回転動作においても、主カメラ22と同一の回転軸となるようにしてもよい。
また、図2において、映像処理部2112と通信部2113をインタフェースCPU2111と別の構成にしたが、それぞれを1つに統合した構成にしてもよい。さらにまた、映像処理部2112が各カメラからの映像を取得する役割としたが、各カメラを制御する機能を持たせ、インタフェースCPU2111から各カメラの設定を制御可能としてもよい。
さらにまた、インタフェース部211からネットワークへの出力は広角撮影用カメラ23とファインダ撮影用カメラ24としたが、ファインダ撮影用カメラ24と主カメラ22のどちらを出力するかを選択可能としてもよい。なお、ズーム制御はズーム制御部2122dを介して制御するものとしたが、主カメラ22がズーム制御機能を持つ場合には、主カメラ22を介して制御してもよい。各モータ制御部2122についても、駆動制御CPU2121と別構成としたが、一体の構成にしてもよい。また、インタフェースCPU2111と駆動制御CPU2121を1つのCPUで制御してもよい。
カメラ台26は、雲台ヘッド21のローテータ25に固定された台であり、主カメラ22を固定することができる。カメラ台26は、雲台ヘッド21によるパン、チルト、ロール方向の回転に伴い、パン、チルト、ロール方向に回転する。
制御ボックスユニット27は、主カメラ22と雲台ヘッド21との通信を翻訳し、回路やプロセッサで構成することができる。レリーズ制御やフォーカス制御など、主カメラ22に対する制御指示が操作部から入力されると、雲台ヘッド21、制御ボックスユニット27を介して主カメラ22に入力される。また、主カメラ22で撮像された画像は制御ボックスユニット27、雲台ヘッド21を介して表示部(不図示)に出力される。制御ボックスユニット27は、カメラ台26に対して固定されており、主カメラ22のパン、チルト、ロール方向への回転に伴って回転する。また、主カメラ22と接続するケーブルを挿し込む電気コネクタ部271と、ファインダ撮影用カメラ24と接続するケーブルを挿し込む電気コネクタ部272と、雲台ヘッド21と接続するケーブルを挿し込む電気コネクタ273と、を備える。
以下図6((a)〜(c))を参照して、本実施例におけるケーブルクランプユニット28の詳細構成について説明する。
制御ボックスユニット27の、雲台ヘッド21とのケーブルを挿し込む電気コネクタ273と雲台ヘッド21側の制御ボックスユニット27とのケーブルを挿し込む電気コネクタ部(不図示)は、チルト、ロール動作を行った際に距離が変化する場合がある。そのためユニット間を接続するケーブルは余裕を持って長めに設定しておく必要がある。そのため、パン・チルト動作やロール動作を行った際にケーブルを引っかけやすく、コネクタの抜けや破損が起きる可能性がある。尚、本実施例の雲台システムにおいて、雲台ヘッド21は主カメラ22のパン動作に伴ってパン動作をし、雲台ヘッド21と主カメラ22との相対位置が変わらないものとする。一方、雲台ヘッド21は主カメラ22がチルト、ロール動作をする際には回転せず、雲台ヘッド21と主カメラ22との相対位置が変わるものとする。
図17、図18は、本実施例の比較例の構成を示す図である。比較例は、ケーブルクランプユニット28を備えない点で本実施例(図1、図5)と異なる。比較例において、主カメラ100は制御ボックスユニット200とコネクタケーブル(以下、単にケーブルと呼ぶ)300で接続されており、更に制御ボックスユニット200は雲台ヘッド400とケーブル500で接続されている。上述の様に、チルト、ロール動作を行うために、各ケーブルは余長をもって接続されている。図17において、主カメラ100と制御ボックスユニット200とを接続するケーブル300は雲台ヘッド400と反対側のラジアル方向に延出しており、雲台ヘッド400に干渉していない。しかしながら、図18の様に、主カメラ100を雲台ヘッド400により、ロール方向に回転させると、主カメラ100と制御ボックスユニット200とを接続するケーブル300が雲台ヘッド400の一部と干渉する。雲台ヘッド400と回転軸との距離を遠ざければこの干渉を避けることができるが、雲台システム全体の大きさが大型化してしまうという課題が生じる。そこで本実施例の雲台システムでは主カメラ22の背面にケーブルを固定するケーブルクランプユニット28とガイドユニット251を備えている。
図6((a)〜(c))はカメラ台26にケーブルクランプユニット28を取り付けた状態の斜視図である。ケーブルクランプユニット28は、第1のクランプ部284、第2のクランプ部283、第1と第2のクランプ部284,283とをカメラ台26に対して移動可能に固定する接続部とを備える。
接続部は、長溝281、282を備える第1のプレート285を備え、第1のプレート285は、ビスやねじなどの不図示の固定部材によりカメラ台26へ固定されている。第1のプレート285は、カメラ台26に設けられた複数の突起261に第1のプレート285の長溝281、282が嵌り合うことで、第1のプレート285がカメラ台26に対してZ方向にスライド可能に支持される。また、ケーブルクランプユニット28の第1のクランプ部284、第2のクランプ部283はプレート285に対して固定されている。第1のプレート285がカメラ台26に対してスライドすると、第1、第2のクランプ部284、283もカメラ台26に対してスライドする。本実施例の雲台システムは主カメラ22が交換可能となっている。そのため搭載するカメラのサイズによって、図6(a)、(b)に示すようにケーブルクランプユニット28のZ方向の位置が変更可能になっている。
クランプユニットが複数のクランプ部を備える場合、ロール回転時の回転軸(ロール回転軸とする)に近いものから第1のクランプ部284、第2のクランプ部283、とする。第1のクランプ部284と第2のクランプ部283のそれぞれは、図6に示すように中空構造を備える。第2のクランプ部283は、第2のプレート286に穴を設けた構造である。一方、第1のクランプ部284は、第2のプレート286に設けられた溝2841(第1の部材)と、第2のプレートに対して移動することで開閉可能な蓋2842(第2の部材)とにより中空構造を構成する。図6(a)、(b)のように、蓋2842が溝2841に対向する位置に固定されることで、中空構造が構成され、ケーブルをクランプすることができる。一方、図6(c)のように、蓋2842が溝2841に対向する位置から退避することで、ケーブルを第1のクランプ部でクランプさせたり、クランプ状態を解除したりしやすくできる。また、ケーブルクランプユニット28にはケーブルをまとめることでケーブルの余長を調節可能な調節部として、着脱式のケーブルバンド29が取り付けられている。以上がケーブルクランプユニット28の構成である。
第1のクランプ部284と第2のクランプ部283のそれぞれを有する第2のプレート286は、図5、6に示すように、カメラ台26に対して主カメラ側に突出しており、主カメラの背面に位置する。一方、本実施例の雲台システムにおいて、ロール方向の回転動作により回転する回転領域は、カメラ台26と制御ボックスユニット27を含む。よって、回転領域がロール方向への回転動作(以下、ロール回転動作)により描く回転軌跡800の内側に第1と第2のクランプ部の少なくともいずれかが配置される。尚、ロール回転動作なので、回転軌跡800は、ロール回転軸(z軸)に垂直な面(xy平面)において、回転領域のうち、ロール回転軸から最も遠い領域がロール方向への回転により描く軌跡である。ただし、主カメラ22はユーザが撮影に合わせて適宜交換可能であり、その外形が不明である。よって、回転軌跡を定義する際の回転領域には、主カメラ22や主カメラ22に取り付けるファインダー撮影用カメラ24は含まれないものとして各クランプ部の位置を設定する。ただし、実際には主カメラ22、ファインダ撮影用カメラ24、それらに取り付けられたレンズ等、ユーザが適宜交換可能な部材が制約になる場合もある。尚、第1のクランプ部と第2のクランプ部とがカメラ台26の回転に合わせて回転し、且つ、回転領域のうち、ロール回転軸からの距離が一番遠い領域が第1又は第2のクランプ部であった場合、ロール回転軸から一番遠い領域は回転軌跡上にある。よって、第1又は第2クランプ部は回転軌跡の内側に配置されているとは言えない。言い換えると、第1と第2のクランプ部がカメラ台26のロール回転動作に合わせてロール回転する場合、第1と第2のクランプ部が、回転領域のうち、ロール回転軸から一番遠い領域にならないように第1と第2のクランプ部を配置する。そのためには、例えば、カメラ台26よりもロール回転軸の近くに第1と第2のクランプ部を配置すればよい。回転軌跡の内側に第1と第2のクランプ部を配置することの効果については図8を用いて後程説明をする。
また、ケーブルクランプユニット28は主カメラ22の背面部を一部隠すように配置されている。そのため雲台装置の設置時などに主カメラ22本体の操作ボタン等を直接触って設定を行おうとした場合にはケーブルクランプユニット28が邪魔になり作業性を損なうおそれがある。また制御ボックスユニット27へ複数のケーブル30の接続を行おうとした場合にも同様にケーブルクランプユニット28が邪魔になり作業性を損なうおそれがある。また、主カメラ22と交換レンズとの組み合わせによっては、主カメラ22をカメラ台26に固定したまま交換レンズを交換しようとする際にも、作業性を損なう可能性もある。そこで本実施例のケーブルクランプユニット28は、図6(b)の状態からさらにZ方向後ろ側にスライドすることにより長溝281が前側の突起261から外れる。そして、図6(c)のように、第1、第2のクランプ部がカメラ台26に対してチルト方向に回転することができる。この構成により、クランプ部は、カメラ台26よりもロール回転軸との距離が短い位置から、カメラ台26よりもロール回転軸との距離が長い位置へと移動する。よって、主カメラ22の背面部および、制御ボックスユニット27のコネクタ接続部から第1、第2のクランプ部が退避することが可能となり、主カメラ22の設定や制御ボックスユニット27のコネクタ接続の作業性を確保することが可能となっている。なお、図6(c)の状態では図6(c)に示すように第1のクランプ部284の蓋2842を開放することで複数のケーブル30をケーブルクランプユニット28から自由に離すことが可能となっている。
次に図7、図1を参照して、ケーブルガイドユニット251およびチルトクランプユニット253について説明を行う。図7に示す通り、本実施例のケーブルガイドユニット251は、その一部がローテータユニットの側壁254に設けられた長溝252中に嵌り、長溝252上をスライドすることで、側壁254に対してZ方向にスライド可能に固定されている。また、ケーブルガイドユニット251は、ケーブルガイド251に対してケーブルをまとめることが可能なケーブルバンド29を備えている。なお、ケーブルガイドユニット251は不図示の固定部材により、Z方向に対して所望の位置で固定可能になっている。また、ケーブルガイドユニット251の入口2511は、上述の回転軌跡の外側に配置される。上述の様に、主カメラ22や主カメラ22に取り付けるファインダー撮影用カメラ24の外形は不明であるため、主カメラ22とファインダ撮影カメラ24は回転領域には含まれないものとする。ただし、実際にはこれらのユーザが適宜交換可能な部材が制約になる場合もあるため、余裕をもった位置に配置することが好ましい。尚、ケーブルガイドユニットの入口2511は、ケーブルガイドユニットの出口2512よりも光軸方向において後方に配置されるものとする。上述の様に、ケーブルクランプユニット28はZ方向に位置が変更可能なため、ケーブルクランプユニット28に位置に合わせて、ケーブルガイド251の位置も変更することが可能になっている。尚、本実施例ではケーブルガイド251は、ケーブルの通り道を作ることでケーブルの経路を規定するものであるが、ケーブルを固定することでケーブルの経路を規定するものも、本発明及び本明細書ではケーブルガイドと呼ぶ。
また、図1に示す通り、ローテータユニット25の側壁254の雲台ヘッド21のチルト回転軸の近傍には、ケーブルをクランプ可能なチルトクランプユニット253を有する。チルトクランプユニット253は、雲台ヘッド21内部にケーブルを挿通可能な、中空構造を有する。この中空構造にケーブルが挿入されることで、チルトクランプ部2531として機能する。また、チルトクランプ部2531は、回転領域がチルト方向への回転動作(以下、チルト回転動作)により描く回転軌跡の内側に配置される。尚、チルト回転動作なので、回転軌跡は、チルト回転軸(x軸)に垂直な面(zy平面)において、回転領域のうち、チルト回転軸から最も遠い箇所がチルト方向への回転により描く軌跡である。回転軌跡の内側にチルトクランプユニット253を設けることの効果については後程説明をする。
以上がローテータユニット25の側壁254に配置された、ケーブルガイドユニット251およびチルトクランプ部2531の説明である。
次に図8〜図10を参照して本実施例のケーブルクランプ方法について詳細に説明する。図8は本実施例の雲台システムの背面図、図9は図8のA−A断面図、図10は図8のB−B断面図である。図8に示す通り、制御ボックスユニット27の第3のコネクタ部273からは雲台ヘッド21と接続される複数のケーブル30が、ケーブルクランプユニット28、ケーブルガイドユニット251、チルトクランプユニット253の順に経由する。そして、チルトクランプユニット253を経由した後、雲台ヘッド21内部へ引き回されている。
図9に示すように、ケーブルクランプユニット28では、制御ボックスユニット27からの複数のケーブル30はまず、中空穴である第2のクランプ部283を通り、ケーブルバンド29でまとめられた状態で第1のクランプ部284を通るという経路を取る。このような経路をたどることで複数のケーブル30は第2のクランプ部283と第1のクランプ部284を通る際にそれぞれ略直角に方向を変えることとなる。このような経路をたどると、ケーブルクランプユニット28とケーブルガイド251との間でケーブル30に外力等がかかり、引っ張られた場合でも、第2のクランプ部283および第1のクランプ部284のそれぞれの角でその荷重を受けることが可能となる。そのため制御ボックスユニット27のコネクタ部へ伝わる力を小さくすることができるため、第3のコネクタ部273の破損の可能性を低くすることが可能となる。
次にケーブルガイドユニット251では図9に示すように、ケーブルガイドユニット251の入口2511から複数のケーブル30が挿入される。そして、図10に示すように、ケーブルバンド29により余分な長さ(余長)をまとめられるよう複数のケーブル30が処理されている。その後、ケーブルガイドユニット251の出口2512からの複数のケーブル30は、チルトクランプユニット253の中空部2531でチルト軸の近傍でクランプされ、雲台ヘッド21内部の不図示の接続部へ接続される。中空部2531がチルトクランプ部として機能する。
以上が本実施例のケーブルクランプ方法の詳細説明である。
次に雲台のロール動作時の複数のケーブル30の動きについて説明を行う。図8に示す状態で雲台装置がロール動作を行うと、図11に示すように主カメラ22、カメラ台26、制御ボックスユニット27、ケーブルクランプユニット28が一体的にZ軸周りに回転される。すると、複数のケーブル30のケーブルクランプユニット28の第1のクランプ部284と第2のクランプ部283とも同様にロール回転動作をするが、複数のクランプ部の1つ以上が回転軌跡800の内側に配置されている。よって、回転軌跡800の外側に配置されている場合と比較して、ロール回転動作に伴うケーブルガイド251部までの距離の変動を小さくすることが可能となる。そのため、ロール動作に対して複数のケーブル30の余長を小さくすることが可能である。また、複数のクランプ部の全てが回転軌跡800の内側に配置されていると、回転領域を大きくせずにクランプ部を設けることができるため好ましい。
尚、クランプ部からロール回転軸までの距離は、ロール回転軸に垂直な平面内において、カメラ台26とロール回転軸との距離の最大値よりも短いことが好ましく、回転軌跡の半径の半分よりも短いことが好ましい。また、更に、回転軌跡の半径の10%よりも短いことがより好ましい。本実施例の様に、クランプ部が複数ある場合、ロール回転軸までの距離が小さいクランプ部(本実施例では第1のクランプ部284)からロール回転軸までの距離がこの条件を満たすことがより好ましい。クランプ部からロール回転軸までの距離が小さいほうが、ロール回転に伴う、クランプ部からガイドユニット251までの距離の変動を小さくできるためである。
また、図9に示すように第1のクランプ部284のクランプ位置に対して、ケーブルガイドの入口2511の位置がロール回転軸方向において後方に配置されている。尚、ロール回転軸において後方とは、図9の様にロール回転軸に平行な平面(yz平面、但し、xz平面でも同様)において、主カメラに入射する光の上流側(レンズ側)の反対側のことを指す。これにより、図12に示すように、ロール回転動作時の、複数のケーブル30のケーブルクランプユニット28からケーブルガイド251までの領域と、制御ボックスユニット27からケーブルクランプユニット28までの領域が接触する可能性を軽減できる。
次にチルト動作時の複数のケーブル30の動きについて説明する。チルト動作の場合には図1に示すX軸回りに主カメラ22、ローテータユニット25、ケーブルガイド251、カメラ台26、制御ボックスユニット27、ケーブルクランプユニット28、チルトクランプユニット253が回転動作する。また、チルト回転軸を中心とした回転軌跡の内側にチルトクランプ部2531とケーブルガイド251の出口2512が配置されている。よって、回転軌跡の外側にチルトクランプ部2531が配置されている場合と比較して、チルト回転動作に伴うケーブルガイド251部からの距離の変動を小さくすることが可能となる。尚、チルトクランプユニットのクランプ部2531とチルト回転軸との距離も、第1のクランプ部284とロール回転軸との距離と同様に、チルト回転軸に垂直な平面内において、カメラ台26とチルト回転軸との距離の最大値よりも短いことが好ましい。また、回転軌跡の半径の半分よりも短いことが好ましく、また、更に、回転軌跡の半径の10%よりも短いことがより好ましい。
チルトクランプユニットのクランプ部2531からチルト回転軸までの距離が小さいほうが、ロール回転に伴う、チルトクランプユニットのクランプ部2531からガイドユニット251からの距離の変動を小さくできるためである。
以上のように、本実施例の雲台システムでは、第1のクランプ部284とロール回転軸との距離を回転軌跡の半径よりも小さく、且つ、チルトクランプユニットのクランプ部2531からチルト回転軸との距離を回転軌跡の半径よりも小さくする。これにより、各々のクランプ部と回転軸との距離を回転軌跡の半径以上とする場合と比較して、ケーブルの余長を短くすることができる。そのため、ケーブル同士の絡まりやケーブルと雲台ヘッド21との接触の可能性を軽減した状態で雲台のロール、チルト動作が可能になっている。
また、ケーブルクランプユニットの第1、第2のクランプ部が主カメラ22の背面から退避することができるため、設置時の作業性も確保することが可能である。
実施例3では実施例1と異なるケーブルクランプユニットの構成例について説明をする。本実施例のケーブルクランプユニットは、カメラ台に固定された部分(第一のクランプ部材321)とケーブルに固定された部分(第二のクランプ部材322)に分割可能である。カメラ台に固定された部分とケーブルに固定された部分とが接続されることにより、カメラ台に固定され主カメラ22からのケーブルをクランプすることができる。尚、本実施例では、雲台はカメラ台に固定されたカメラを中心としてパン駆動をするものとする。ケーブルクランプユニットと雲台本体の構成以外は実施例1と同様の構成のため、説明を省略する。
本実施例の雲台装置はパン軸の延長上に主カメラ22の中心が配置されることでパン動作した時にパンの回転軸と主カメラ22のセンサ位置がほぼ一致する。よって、実施例1のようにパンの回転軸と主カメラ22の中心が大きくずれている雲台装置の取り扱いに慣れていないユーザにとって、違和感が少ない操作が可能である。
図14、図15、図16を参照し、本実施例の構成を説明する。
図14は本実施例の斜視図である。雲台ヘッド31は略L型をしており、パン軸は主カメラ22の略中心の延長上に配置される。ケーブル30は、雲台ヘッド31の内部を通ってチルトクランプ部2531より引き出された後、ローテータの側壁254に沿ってZ軸背面方向へ引き出され、ケーブル固定部材255によりローテータの側壁254に固定される。ケーブル固定部材255はチルトクランプ部2531より引き出されたケーブルをガイドするガイドユニットとして機能する。ケーブル固定部材255はケーブルをローテータの側壁254に固定可能な物であればよく、例えば結線バンドなどを用いることができる。ローテータの側壁254に固定されたケーブル30は略半円を描いてクランプユニット32へ接続される。尚、ケーブル固定部材255からクランプユニット32までの略半円を描くケーブルの部分を、アーチ部301と呼ぶ。
図15はクランプユニット32にケーブル30を組付けた斜視図である。クランプユニット32は第一のクランプ部材321と第二のクランプ部材322より構成される。
第一のクランプ部材321は、第二のクランプ部材を固定するビス3212のためのビス穴と第一のクランプ部材321をカメラ台26に対して固定するためのビス3211のためのビス穴を備える。
第二のクランプ部材322は、第1のクランプ部3222と、シャフト部3221と、第2のクランプ部3223を備え、ビス3212によって、第一のクランプ部材321に対して固定される。第1、第2のクランプ部3222,3223は孔であり、シャフト部はケーブル30を引っ掛けるための凸部である。第1のクランプ部3222によりクランプしたケーブルの延伸方向を、凸部でクランプすることによって逆方向に変更し、更に第2のクランプ部3223により再度延伸方向を逆方向に変更して固定することで、ケーブル30をzクランプすることができる。このような構成にすることでケーブル30のアーチ部301がユーザにより不意にZ軸背面方向へ引っ張られた時やチルト動作中に引っ掛けた場合に、凸部であるシャフト部3221で引っ張られた力を受ける。その結果、シャフト部3221の先にある電気コネクタ273へ直接力がかかることなく、電気コネクタ273の破損を防止することが出来る。
第二のクランプ部材322は、ケーブル30をクランプし、第一のクランプ部材321に固定できればこの構成に限定されない。例えば、第1のクランプ部3222は、実施例1の溝2841と蓋2842のように、第二のクランプ部材が第一のクランプ部材に対して固定されることで、クランプ部として機能するような構成でもよい。また、第二のクランプ部材322がケーブル30の径に対して大きな孔を有し、第一のクランプ部材321がその孔の一部をふさぐことで第一のクランプ部3222として機能するような構成でもよい。
ケーブル30をクランプする第1、第2のクランプ部3222、3223を有する第二のクランプ部材322が、第一のクランプ部材321を介してカメラ台26に固定されることにより、回転領域の回転軌跡の内側でケーブル30をクランプすることができる。
クランプユニット32を用いたケーブルのクランプ方法について説明をする。
ケーブル固定部材255で固定されたケーブル30を、第1のクランプ部3222でクランプした後、ケーブル30をシャフト部3221に対して巻き付け、第2のクランプ部3223でケーブル30をクランプする。第二クランプ部材322はビス3212により第一クランプ部材321と固定した後、第一のクランプ部材321はビス3211によってカメラ台26と固定される。
クランプユニット32を2体に分け、第一のクランプ部材321はカメラ台26に対する固定、第二クランプ部材322はケーブル30の固定、と役割を分けることで第二クランプ部材322を小型にすることができる。
図16は主カメラ22がチルトして上を向いた時の側面図を表す。この姿勢は他にも雲台ヘッド31を天井に吊り下げて主カメラ22を下方向へ向いた時の天吊り撮影時でも使用する姿勢である。図16の状態の時にアーチ部301は雲台ヘッド31と最も近くなり、アーチ部301が長すぎる場合、アーチ部301と雲台ヘッド31が干渉することでチルト動作を阻害する可能性がある。また、アーチ部301が短すぎた場合、ロール動作時にファインダ撮影用カメラ24やカメラ台26がアーチ部301に干渉し、動作を阻害する可能性がある。そのため、アーチ部301は電気コネクタ273の着脱を繰り返しても常に一定の長さになるようにすることが好ましい。第二クランプ部材322を小型にすることで、撮影時以外の、例えば電気コネクタ273が制御ボックスユニット27に差し込まれていない状態のときにも第二クランプ部材322をケーブルに固定したままにしても邪魔になりにくい。よって、一度アーチ部301の長さを調整したら、第二クランプ部材322はケーブルに固定したままにすることで、電気コネクタ273の着脱の度にアーチ部301の長さを調整する手間を省くことができる。
また、詳細は記述しないが、主カメラ22と制御ボックスユニット27に対してレインカバー部材を組付け、制御ボックスユニット27とレインカバー部材で囲われていない雲台ヘッド31をケーブルで接続する際にも第二クランプ部材322の小型化は好ましい。この場合、ケーブル30を組付けた第二クランプ部材322をレインカバーの穴部に通す必要があり、第二クランプ部材322を小型にすることでその穴部の開口を小径にすることが可能であるため、穴部を後で防水しやすいためである。
図14、図15を参照してユーザが主カメラ22を交換する手順について説明する。ユーザはまず、電気コネクタ271、電気コネクタ272、電気コネクタ273を外す。次にクランプユニット32とカメラ台26を固定しているビス3211を外す。次にクランプユニット32をカメラ台26から外す。最後に主カメラ22をカメラ台26より外せば主カメラ22を交換することができる。主カメラ22を交換する時にもケーブル30はローテータの側壁254とクランプユニットのクランプ部3222にそれぞれ固定されたままであり、アーチ部301の長さを常に一定に保つことが可能である。本構成を採用することで、前述した課題を解決することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
また、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。