JP2020075475A - 記録方法、記録装置、及び記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
・塩化銀の溶解度積=1.6×10−10(mol/L)2
・臭化銀の溶解度積=4.0×10−13(mol/L)2
・ヨウ化銀の溶解度積=8.5×10−17(mol/L)2
本発明では、より少量でハロゲン化銀が生成する、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有する記録媒体を用いる。加えて、前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m2)は、0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下であることを要する。前記ハロゲン化物イオンの含有量が0.1mmol/m2未満であると、ハロゲン化物イオンが少なすぎるため、銀粒子の融着を促進することができず、画像の発色性が発現しない。一方、前記ハロゲン化物イオンの含有量が0.8mmol/m2超であると、ハロゲン化物イオンが多すぎるため、画像を保存している間にハロゲン化銀の結晶が過剰に形成され、白化や変色が生じ、画像を保存した後の光沢性の低下を抑制することができない。
本発明の記録方法では、銀粒子を含有する水性インクである第1インク、色材を含有する水性インクである第2インク、及び所定量のハロゲン化物イオン(臭化物イオン、ヨウ化物イオン)を含有するインク受容層が形成された記録媒体を用いる。そして、第1インクを記録媒体に付与する工程と、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して、前記記録媒体に画像を記録する工程と、を実施する。また、本発明の記録装置は、第1インクを記録媒体に付与した後に、第2インクを、第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して記録媒体に画像を記録する手段を備える。
第1インクは、銀粒子を含有する水性インクである。この第1インクは、インクジェット用として好適に用いることができる。但し、第1インクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、第1インクを構成する成分について説明する。
銀粒子は、銀原子で構成される。銀粒子は、銀原子以外にも、他の金属原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子などを含んで構成されていてもよい。但し、銀粒子中の銀原子の割合(%)は、50.0質量%以上であることが好ましい。第1インク中の銀粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。
第1インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。第1インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。第1インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性溶剤類、含硫黄極性溶剤類などをいずれも用いることができる。第1インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。インクジェット記録方法に適用する際に、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、耐固着性や吐出安定性などの信頼性がやや低下する場合がある。
第1インクは、銀粒子の分散剤として用い得る界面活性剤とは別に、さらに界面活性剤を含有することが好ましい。第1インク中の、銀粒子の分散剤として用いる界面活性剤以外の、界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。なかでも、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤が好ましい。
第1インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、第1インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第1インクの25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上6mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上4mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、第1インクの25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上50mN/m以下であることがさらに好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。
第2インクは、色材を含有する水性インクである。この第2インクは、インクジェット用として好適に用いることができる。但し、第2インクは、活性エネルギー線硬化型である必要はないので、重合性基を有するモノマーなどを含有させる必要もない。以下、第2インクを構成する成分について説明する。
色材としては、染料、顔料が挙げられる。第2インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。
第2インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。第2インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。第2インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性溶剤類、含硫黄極性溶剤類などをいずれも用いることができる。第2インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。インクジェット記録方法に適用する際に、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、耐固着性や吐出安定性などの信頼性がやや低下する場合がある。
第2インクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの25℃で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、第2インクには、上記成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第2インクの25℃における粘度(mPa・s)は、1mPa・s以上6mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上4mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、第2インクの25℃における表面張力(mN/m)は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上50mN/m以下であることがさらに好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。
記録媒体は、所定のハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有する。インク受容層は通常、基材上に設けられる。以下、記録媒体の構成について説明する。
基材としては、その少なくとも一方の面にインク受容層を設けられるものであればよく、紙などを用いることができる。具体的には、樹脂などで形成される合成紙、パルプなどで形成される紙が挙げられる。紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロン及びポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙したものが挙げられる。木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)などが挙げられる。パルプは無塩素漂白パルプ(ECF、TCF)など、塩素を含まないものが好ましい。基材の厚さ(μm)は、50μm以上400μm以下であることが好ましい。
インク受容層は、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するとともに、ハロゲン化物イオンの含有量が0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下であることを要する。インク受容層は1層、又は2層以上であってもよく、2層以上の場合はそのうちの基材から最も遠い側のインク受容層が上記構成であることが好ましい。また、インク受容層は、基材の一方の面のみに設けても、又は両方の面に設けてもよい。
粒子径を有し、インク中に分散した状態で存在する顔料とは異なり、染料はインク中に溶解した状態で存在する。したがって、顔料と比較して、染料は銀層上に留まりにくく、発色性が相対的に低くなりやすい。第2インクの色材としてアニオン性染料を用いる場合、カチオン性樹脂を含有するインク受容層を用いることが好ましい。記録媒体に形成された銀層に第2インクを付与すると、第2インクの液体成分にインク受容層中のカチオン性樹脂の少なくとも一部が溶解する。そして、溶解したカチオン性樹脂の一部は、銀層の細孔を通って銀層の表面(第2インクが付与される面)やその近傍に滲み出す。このようにして滲み出したカチオン性樹脂が染料のアニオン性基と反応することで、染料が析出しやすくなって、銀層に留まりやすくなるため、染料を用いる場合でも、画像の発色性の低下を有効に抑制することができる。
インク受容層は、防錆剤、及び酸化防止剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。インク受容層に防錆剤や酸化防止剤を含有させておくと、窒素酸化物などの酸化性ガスや光による銀粒子のイオン化を抑制することができる。これにより、ハロゲン化銀が形成されにくくなり、画像を保存した後の光沢性の低下をより有効に抑制することができる。
インク受容層は、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子としては、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタンなどが挙げられる。無機粒子としては、インク吸収性が高い多孔質構造を形成することができるため、アルミナ水和物、アルミナ、シリカを用いることが好ましい。アルミナ水和物、アルミナ、及びシリカは併用してもよい。インク受容層中の無機粒子の含有量(質量%)は、インク受容層全質量を基準として、50.0質量%以上98.0質量%以下であることが好ましく、70.0質量%以上96.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インク受容層は、無機粒子を結着し、膜を形成するために、バインダを含有することが好ましい。バインダとしては、カチオン基を用いて重合体をカチオン化したもの;カチオン性界面活性剤を用いて重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合体を構成するモノマーを重合し、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダ;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体などの合成樹脂が挙げられる。
インク受容層は、耐水性を高めるために、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸類などが挙げられる。特にバインダとしてポリビニルアルコール類を用いる場合は、ホウ酸類を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール類は多数のヒドロキシ基を有するため親水性が高く、ヒドロキシ基とインク中の水とが反応して、インク受容層が膨潤しやすい。これにより、インク受容層のインク吸収性が低下しやすい傾向にある。インク受容層がポリビニルアルコール類を含有する場合であっても、架橋剤が共存すると、架橋剤とヒドロキシ基とが選択的に反応するので、インク受容層の膨潤が抑制され、インク吸収性の低下を抑制することができる。
インク受容層は、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、増粘剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、硬化剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
記録媒体の紙面pHは6.0以下であることが好ましい。記録媒体の紙面pHは、インク受容層のpHのことであり、JAPAN TAPPI No.49−1「紙及び板紙−表面pH試験方法−第1部:ガラス電極法」にしたがって測定することができる。
本発明で使用する記録媒体は、所定のハロゲン化物イオンを含有するとともに、前記ハロゲン化物イオンの含有量が所定の範囲内であるインク受容層を形成し得る方法であれば、どのような方法で製造したものであってもよい。具体的には、以下の(i)、(ii)のような方法で記録媒体を製造することができる。ここでは、所定のハロゲン化物イオンを発生させ得る化合物として金属ハロゲン化物を用いる場合を例に挙げて説明する。なお、防錆剤や酸化防止剤は第1塗工液及び第2塗工液のどちらに含有させてもよい。
(i)金属ハロゲン化物、無機粒子などを含有する第1塗工液を基材に塗布する方法
(ii)無機粒子などを含有する第1塗工液を基材に塗布した後、これとは別に、金属ハロゲン化物などを含有する第2塗工液を基材に塗布する方法
(i)の方法は1段階の塗布によりインク受容層を形成するものである。また、(ii)の方法は第1塗工液の塗布により多孔質層を形成した後に、多孔質層内に所定のハロゲン化物イオンを存在させるための第2塗工液を塗布することによって、インク受容層を形成するものである。(ii)の方法を利用する場合は、基材に第1塗工液を塗布した後、第2塗工液を塗布する前に、必要に応じて第1塗工液を乾燥させてもよい。これらの方法のいずれを採用するかは、製造装置の方式や生産性などに応じて決定することができる。
本発明の記録物は、インク受容層、前記インク受容層に隣接した第1層、及び前記第1層に隣接した第2層を有する。インク受容層は、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するとともに、インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m2)は0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下である。第1層は銀で形成され、第2層は色材で形成される。かかる構成を有する記録物は、好適には、上記で説明した本発明の記録方法により作製することができる。そして、本発明の記録物は、上記で説明した通り、発色性に優れるとともに、保存した後にも優れた光沢性を有する。
特表2010−507727号公報の実施例2の記載を参考にして、銀粒子の分散液1〜3を調製した。この際、撹拌速度により粒子径を調整した。各分散液中の銀粒子の含有量は20.0%、樹脂の含有量は2.0%であった。銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は、分散液1では32nm、分散液2では150nm、分散液3では160nmであった。銀粒子の体積基準の累積50%粒子径は以下の手順で測定した。先ず、イオン交換水で約2,000倍(質量基準)に希釈した分散液を、シリコーン材料で形成された基板に塗布して、水を乾燥により除去してサンプルを準備した。次いで、得られたサンプルを利用して、3,000個以上の銀粒子について、走査型電子顕微鏡で観察し、画像解析・計測ソフトウェア(商品名「WinROOF2015」、三谷商事製)を利用して画像処理を行って算出した値である。
表1に示す各成分(単位:%)を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第1インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤の商品名である。
(顔料分散液1)
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10.0部、樹脂分散剤の水溶液30.0部、及びイオン交換水60.0部を混合して混合物を得た。樹脂分散剤の水溶液としては、酸価120mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、その酸価と等モル量の水酸化カリウムで中和してイオン交換水に溶解させた、水溶性樹脂の含有量が10.0%である水溶液を用いた。得られた混合物、及び0.3mm径のジルコニアビーズ200部を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて、水冷しながら5時間分散させた。その後、遠心分離して粗大粒子を除去した。ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液1を調製した。
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液2を調製した。
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が3.0%の顔料分散液3を調製した。
国際公開第2006/082669号の合成方法の記載に準じて、遊離酸型として下記式(1)で表される化合物のカリウム塩(染料1)を合成した。
表2に示す各成分(単位:%)を混合して、十分撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、第2インクを得た。アセチレノールE100は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤の商品名である。
(基材1)
100.0部の広葉樹晒クラフトパルプのスラリーに、軽質炭酸カルシウム20.0部を添加した後、カチオン澱粉2.0部、及び無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加して混合し、抄紙原料を得た。得られた抄紙原料について、長網多筒式抄紙機を用いて水分が10%(質量基準)となるまで乾燥させ、原紙を得た。得られた原紙の両面に、サイズプレスにより、酸化澱粉の7%水溶液を両面合計で4g/m2塗布した後、水分が7%(質量基準)となるまで乾燥させて、坪量110g/m2の基紙を得た。得られた基紙の両面に、溶融押し出し機により、高密度ポリエチレン70部と低密度ポリエチレン20部で構成される樹脂組成物を、片面あたり30g/m2の塗工量となるように塗布して、基材1を得た。
100.0部の広葉樹晒クラフトパルプのスラリーに、軽質炭酸カルシウム20.0部を添加した後、カチオン澱粉2.0部、及び無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加して混合し、抄紙原料を得た。得られた抄紙原料について、長網多筒式抄紙機を用いて水分が10%(質量基準)となるまで乾燥させ、原紙を得た。得られた原紙の両面に、サイズプレスにより、酸化澱粉の7%水溶液を両面合計で4g/m2塗布した後、水分を7%(質量基準)となるまで乾燥させて、坪量200g/m2の基紙を作製し、これを基材2とした。
ポリピロピレンで形成された合成紙(商品名「ユポハイグロスGAR 110」、ユポ・コーポレーション製)を基材3とした。
先ず、第1塗工液の調製に用いる各種の溶液を調製した。イオン交換水にポリビニルアルコール(商品名「PVA235」、クラレ製、重合度3500、ケン化度88%)を添加して、ポリビニルアルコールの含有量が8.0%であるPVA水溶液を得た。イオン交換水にオルトホウ酸(架橋剤)を添加して、架橋剤の含有量が3.0%であるオルトホウ酸水溶液を得た。イオン交換水に臭化カリウムを添加して、臭化カリウムの含有量が10.0%である臭化カリウム水溶液を得た。エタノールに1,2,3−ベンゾトリアゾールを添加して、1,2,3−ベンゾトリアゾールの含有量が10.0%であるBTA溶液を得た。
イオン交換水に、アルミナ水和物(商品名「DISPERSAL HP14」、サソール製)を添加して、アルミナ水和物の含有量が30.0%である分散液を得た。この分散液に、アルミナ水和物の含有量に対して、メタンスルホン酸(アルミナ水和物の分散剤)の含有量が1.6%となる量のメタンスルホン酸を添加した後、十分に撹拌して、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルに適量のイオン交換水を添加して、無機粒子(アルミナ水和物)の含有量が27.0%である分散液1を得た。上記で得られた分散液1に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が11.0%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、オルトホウ酸の含有量が2.0%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液1を得た。
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、1,2,3−ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.2%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液2を得た。
イオン交換水に、湿式シリカ(商品名「NIPGEL AY−603」、東ソー・シリカ製)を添加して、湿式シリカの含有量が15.0%である分散液2を得た。上記で得られた分散液1に、アルミナ水和物及び湿式シリカの質量比率が97.5:2.5となる量の分散液2を添加して、混合した。このようにして、無機粒子(アルミナ水和物及び湿式シリカ)の含有量20.0%である分散液3を得た。上記で得られた分散液3に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が5.5%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、ホウ酸の含有量が1.0%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。その後、無機粒子の含有量に対して、1,2,3−ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.4%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液3を得た。
上記で得られた分散液1に、無機粒子の含有量に対して、ポリビニルアルコールの含有量が9.5%となる量のPVA水溶液を添加して混合した。次いで、無機粒子の含有量に対して、ホウ酸の含有量が0.2%となる量のオルトホウ酸水溶液を添加して混合した。その後、無機粒子の含有量に対して、1,2,3−ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。さらに、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.3%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液4を得た。
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、臭化カリウムの含有量が0.2%となる量の臭化カリウム水溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液5を得た。
上記で得られた塗工液1に、無機粒子の含有量に対して、1,2,3−ベンゾトリアゾールの含有量が0.4%となる量のBTA溶液を添加して混合した。このようにして、第1塗工液6を得た。
先ず、ポリアリルアミン(商品名「PAA−01」、ニットーボーメディカル製)に、硝酸を加えて、液体のpHが4.0程度になるように調整し、ポリアリルアミンの硝酸塩を含む液体を得た。表3に示す各成分(単位:部)を混合して、第2塗工液を得た。表3に示す「BTA溶液」及び「イオン交換水」以外の成分は固形分としての使用量(部)で示した。BTA溶液は第1塗工液の調製の際に用いたものと同じものである。
第1塗工液を表4に示す乾燥後の厚さとなるように基材に塗工し、80℃で乾燥させた。その後、記録媒体1〜20及び25〜29については、さらに、第2塗工液を表4に示す乾燥塗工量となるように塗工し、80℃で乾燥させて、記録媒体を得た。記録媒体21〜24は第2塗工液を使用せずに作製した。先に述べた方法で測定した記録媒体の紙面pHは、いずれも4.2であった。
上記で調製した各インクをインクカートリッジに充填し、表5の左側に示す組み合わせで、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS MG3630」、キヤノン製)にセットした。本実施例では、第1インクについては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、約11.2ngのインク滴を2滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。また、第2インクについては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、約5.7ngのインク滴を2滴付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、AAA、AA、A、及びBを許容できるレベルとし、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
前記インクジェット記録装置を用いて、表5の左側に示す記録媒体に、記録デューティが100%となるように第1インクを付与して画像を記録した。その後、第1インクを付与した領域(第1インクの画像)に重なるように、3種の第2インクのそれぞれを、記録デューティが100%となるように付与して、3種のベタ画像を記録して、記録物を作製した。作製した記録物について、積分球型の分光測色計(商品名「CM−2600d」、コニカミノルタ製)を用いて、SCIモード(正反射光を含む条件)で、以下の測色を行った。以下の色度(a*及びb*)は、CIE(国際照明委員会)により規定されたL*a*b*表示系の値である。先ず、第1インクのみで記録された部分の画像について色度(a0 *及びb0 *)を測定した。また、第1インク及び第2インクで記録された部分の画像について、同様に色度(a1 *及びb1 *)を測定した。ΔEab={(a1 *−a0 *)2+(b1 *−b0 *)2}1/2の式に基づいて色差ΔEabを算出し、以下に示す評価基準にしたがって発色性を評価した。ΔEabは第1インクの画像の色調を基準として、第1インク及び第2インクで記録された画像の色調を「ずれ」として示す指標である。したがって、ΔEabの値が大きいと、第2インクに使用した色材の色調を認識しやすい画像であることを意味する。本評価条件では、ΔEabが2.0以上である画像は、銀粒子の色調(銀色)ではなく、第2インクに使用した色材の色調が目視でも認識できる画像であると言える。
AAA:3種の第2インクのすべてについて、ΔEabが6.0以上10.0未満だった
AA:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが6.0以上10.0未満であり、1種のΔEabが2.0以上6.0未満だった
A:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが6.0以上10.0未満であり、1種のΔEabが2.0未満だった
B:3種の第2インクのうち、2種のΔEabが2.0以上6.0未満であり、1種のΔEabが2.0未満だった
C:3種の第2インクのすべてについて、ΔEabが2.0未満だった。
前記インクジェット記録装置を用いて、表5の左側に示す記録媒体に第1インクを付与して、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。このベタ画像を、25℃、相対湿度50%の環境に1日置いた後、光沢度計(商品名「VG−7000」、日本電色工業製)を用いて、ベタ画像の20°光沢度G1を測定した。その後、このベタ画像を、ガス腐食試験機(スガ試験機製)内に載置し、槽内温度25℃、相対湿度80%の条件で、ベタ画像に混合ガスを36時間曝露させた。混合ガスとしては、0.90ppmのNO2ガス、0.05ppmのSO2ガス、及び0.15ppmのO3ガスの混合物を用いた。曝露後のベタ画像について、同様に20°光沢度G2を測定した。そして、光沢残存率=G2/G1×100(%)の式に基づいて光沢残存率を算出し、画像の光沢性を評価した。
AA:光沢残存率が75%以上であった
A:光沢残存率が60%以上75%未満であった
B:光沢残存率が50%以上60%未満であった
C:光沢残存率が50%未満であった。
Claims (12)
- 第1インクを記録媒体に付与する工程と、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して、前記記録媒体に画像を記録する工程と、を有する記録方法であって、
前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、
前記第2インクが、色材を含有する水性インクであり、
前記記録媒体が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有し、
前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m2)が、0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下であることを特徴とする記録方法。 - 前記インク受容層が、防錆剤、及び酸化防止剤の少なくとも一方を含有する請求項1に記載の記録方法。
- 前記防錆剤が、1,2,3−ベンゾトリアゾール又はその誘導体であり、前記酸化防止剤が、アスコルビン酸又はその塩である請求項2に記載の記録方法。
- 前記インク受容層が、防錆剤を含有する請求項1に記載の記録方法。
- 前記インク受容層が、カチオン性樹脂を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録方法。
- 前記カチオン性樹脂が、アミン構造を有する樹脂である請求項5に記載の記録方法。
- 前記インク受容層における前記カチオン性樹脂の含有量(g/m2)が、0.2g/m2以上5.0g/m2以下である請求項5又は6に記載の記録方法。
- 前記銀粒子の体積基準の累積50%粒子径が、150nm以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録方法。
- 前記第1インク及び前記第2インクを、インクジェット方式の記録ヘッドから吐出して前記記録媒体に付与する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録方法。
- 第1インクを記録媒体に付与した後に、第2インクを、前記第1インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように付与して前記記録媒体に画像を記録する手段を備えた記録装置であって、
前記第1インクが、銀粒子を含有する水性インクであり、
前記第2インクが、色材を含有する水性インクであり、
前記記録媒体が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有するインク受容層を有し、
前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m2)が、0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下であることを特徴とする記録装置。 - 前記第1インク及び前記第2インクを前記記録媒体に付与する手段が、インクジェット方式の記録ヘッドである請求項10に記載の記録装置。
- インク受容層、前記インク受容層に隣接した第1層、及び前記第1層に隣接した第2層を有する記録物であって、
前記インク受容層が、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択されるハロゲン化物イオンを含有し、
前記インク受容層における前記ハロゲン化物イオンの含有量(mmol/m2)が、0.1mmol/m2以上0.8mmol/m2以下であり、
前記第1層が、銀で形成され、
前記第2層が、色材で形成されることを特徴とする記録物。
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