JP2020078956A - 船舶推進機の冷却水路のフラッシングを行うためのシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、船舶推進機において短時間で十分なフラッシングを行うことを目的とする。【解決手段】システムは、水源からの水によって船舶推進機の冷却水路のフラッシングを行うためのシステムであって、水制御装置とコントローラとを備える。水制御装置は、水源と船舶推進機の冷却水路とに接続される。コントローラは、水制御装置を制御して、フラッシングのために水源からの水を冷却水路に供給する。コントローラは、冷却水路での水圧と、水の流量と、水の塩分濃度との少なくとも1つを含む船舶推進機データを取得する。コントローラは、船舶推進機データに基づいて水制御装置による水の供給を停止するかを判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、水源からの水によって船舶推進機の冷却水路のフラッシングを行うためのシステムに関する。
船舶推進機を海水中で使用した後には、船舶推進機のエンジンの冷却水路に真水を流して海水を洗い流すフラッシングという作業が必要になる。エンジンには、冷却水路への接続口が設けられており、水道、或いはタンクなどの水源からのホースを接続口に接続することで、フラッシングが行われる。
特許文献1では、自動的にフラッシングを行うためのシステムが開示されている。特許文献1のシステムは、タイマーコントロールユニットと、スタートスイッチと、複数の電磁弁とを備えている。スタートスイッチが押されると、タイマーコントロールユニットは、複数の電磁弁を一定の時間間隔で順次開閉する。それにより、船舶推進機のフラッシングが行われる。
フラッシングの時間が短く、十分なフラッシングが行われない場合には、海水の塩分がエンジン内に残留することで、エンジンの寿命を縮めてしまう。しかし、フラッシングの適切な時間は、水源の水圧、或いは船舶推進機の状態などの要因に応じて異なるため、ユーザーが適切な時間を把握することは困難である。そのため、例えば、低い水圧でも十分なフラッシングが行われるように、過度に長い時間、フラッシングが行われているのが実情である。
本発明は、船舶推進機において短時間で十分なフラッシングを行うことを目的とする。
本態様に係るシステムは、水源からの水によって船舶推進機の冷却水路のフラッシングを行うためのシステムであって、水制御装置とコントローラとを備える。水制御装置は、水源と船舶推進機の冷却水路とに接続される。コントローラは、水制御装置を制御する。コントローラは、水制御装置を制御して、フラッシングのために水源からの水を冷却水路に供給する。コントローラは、推進機データを取得する。推進機データは、冷却水路での水圧と、水の流量と、水の塩分濃度との少なくとも1つを含む。コントローラは、推進機データに基づいて水制御装置による水の供給を停止するかを判定する。
本態様に係るシステムでは、コントローラは、水制御装置を制御してフラッシングを開始した後、推進機データに基づいて水制御装置による水の供給を停止するかを判定する。推進機データは、冷却水路での水圧と、水の流量と、水の塩分濃度との少なくとも1つを含む。そのため、コントローラは、推進機データに基づいて水制御装置による水の供給を停止する適切なタイミングを判定することができる。それにより、短時間で十分なフラッシングを行うことができる。
本発明によれば、船舶推進機において短時間で十分なフラッシングを行うことができる。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態に係るシステム100を示す模式図である。システム100は、水源からの水によって船舶推進機1a−1cの冷却水路のフラッシングを行うためのシステムである。本実施形態において、船舶推進機1a−1cは、船外機である。なお、本実施形態では、システム100は、複数の船舶推進機1a−1cのフラッシングを自動的に行う。複数の船舶推進機1a−1cは、第1の船舶推進機1aと、第2の船舶推進機1bと、第3の船舶推進機1cとを含む。ただし、システム100は、3つより少ない、或いは3つより多い船舶推進機のフラッシングを行うものであってもよい。システム100は、1つの船舶推進機のフラッシングを行うものであってもよい。
図2は、第1の船舶推進機1aの側面図である。図2に示すように、第1の船舶推進機1aは、エンジン10と、駆動軸11と、プロペラ軸12と、シフト機構13とを含む。エンジン10は、船舶を推進させる推進力を発生させる。エンジン10は、クランク軸14を含む。クランク軸14は、鉛直方向に延びている。駆動軸11は、クランク軸14に接続されている。駆動軸11は、鉛直方向に延びている。駆動軸11は、エンジン10から下方へ延びている。
プロペラ軸12は、第1の船舶推進機1aの前後方向に延びている。プロペラ軸12は、シフト機構13を介して、駆動軸11に接続されている。プロペラ軸12には、プロペラ17が接続される。シフト機構13は、駆動軸11からプロペラ軸12へ伝達される動力の回転方向を切り換える。シフト機構13は、例えば、複数のギアと、ギアの噛み合いを変更するクラッチと、を含む。
第1の船舶推進機1aは、カウル15とハウジング16とを含む。カウル15は、エンジン10を収容している。ハウジング16は、カウル15の下方に配置されている。ハウジング16は、駆動軸11とプロペラ軸12とを収容している。第1の船舶推進機1aは、ブラケット18を含む。第1の船舶推進機1aは、ブラケット18を介して、船舶に取り付けられる。ブラケット18は、トリム・チルト軸19を含む。トリム・チルト軸19は、左右方向に延びている。ブラケット18は、トリム・チルト軸19回りに回転可能に、第1の船舶推進機1aを支持する。ブラケット18には、角度センサ21が設けられている。角度センサ21は、第1の船舶推進機1aのチルト角度を検出する。角度センサ21は、チルト角度を示す信号を出力する。
第1の船舶推進機1aは、供給水路31と、冷却水路32と、排水路33と、ウォーターポンプ34とを含む。なお、図2においては、各水路31−33が模式的に示されている。供給水路31は、ハウジング16内に配置されている。供給水路31は、ハウジング16に設けられたインレット35に接続されている。ウォーターポンプ34は、供給水路31に接続されている。ウォーターポンプ34は、インレット35から水を吸い込ませて、供給水路31に供給する。
冷却水路32は、エンジン10内に設けられている。冷却水路32は、排気管、或いはオイルクーラー等のエンジン10の周囲の部材に設けられてもよい。冷却水路32は、供給水路31に接続されている。水が冷却水路32を流れることで、エンジン10が冷却される。排水路33は、ハウジング16内に配置されている。排水路33は、ハウジング16に設けられたアウトレット(図示せず)に接続されている。水は、冷却水路32から排水路33を通って、第1の船舶推進機1aの外部に排出される。また、第1の船舶推進機1aは、フラッシングの接続口36を含む。接続口36は、冷却水路32に接続されている。
第1の船舶推進機1aは、水圧センサ22と水温センサ23とを含む。水圧センサ22は、冷却水路32の水圧を検出する。水圧センサ22は、冷却水路32の水圧を示す信号を出力する。水温センサ23は、冷却水路32の水温を検出する。水温センサ23は、冷却水路32の水温を示す信号を出力する。
第1の船舶推進機1aは、ECU(Engin Control Unit)を含む。ECU24は、エンジン10を電気的に制御する。ECU24は、CPU等のプロセッサ、RAM及びROMなどのメモリとを含む。ECU24は、上述した角度センサ21、水圧センサ22、及び水温センサ23を含む複数のセンサと通信する。ECU24は、センサからの信号を受信する。他の船舶推進機1b,1cの構成は、第1の船舶推進機1aと概ね同様である。
図1に示すように、システム100は、水制御装置2と、コントローラ3と、ディスプレイ4と、入力装置5とを含む。水制御装置2は、水源としてのタンク6に接続される。タンク6には、真水が貯留されている。水制御装置2は、ポンプ7及びアキュムレータ8を介してタンク6に接続される。水制御装置2は、複数の船舶推進機1a−1cの冷却水路に接続される。水制御装置2は、インレット41と、複数のアウトレット42a−42cと、複数の弁43a−43cとを含む。インレット41には、タンク6からのホース51が接続される。複数のアウトレット42a−42cには、複数の船舶推進機1a−1cからのホース52a−52cがそれぞれ接続される。ホース52a−52cは、各船舶推進機1a−1cの接続口に接続されている。
本実施形態では、複数のアウトレット42a−42cは、第1アウトレット42aと、第2アウトレット42bと、第3アウトレット42cとを含む。なお、アウトレットの数は、3つより少なくてもよく、或いは3つより多くてもよい。複数の弁43a−43cは、複数のアウトレット42a−42cに対応して設けられている。複数の弁43a−43cは、アウトレット42a−42cを介して、複数の船舶推進機1a−1cの冷却水路に接続される。
複数の弁43a−43cは、電磁弁であり、コントローラ3からの指令信号に応じて開閉される。本実施形態では、複数の弁43a−43cは、第1の弁43aと、第2の弁43bと、第3の弁43cとを含む。なお、弁の数は、アウトレットの数と同様に、3つより少なくてもよく、或いは3つより多くてもよい。水制御装置2は、水圧センサ44を含む。水圧センサ44は、インレット41に供給される水圧を検出する。水圧センサ44は、インレット41に供給される水圧を示す信号を出力する。
第1の弁43aが開いており、第2、第3の弁43b,43cが閉じているときには、タンク6からの水は、インレット41及び第1アウトレット42aを介して、第1の船舶推進機1aの冷却水路に供給される。第2の弁43bが開いており、第1、第3の弁43a,43cが閉じているときには、タンク6からの水は、インレット41及び第2アウトレット42bを介して、第2の船舶推進機1bの冷却水路に供給される。第3の弁43cが開いており、第1、第2の弁42a,43bが閉じているときには、タンク6からの水は、インレット41及び第3アウトレット42cを介して、第3の船舶推進機1cの冷却水路に供給される。
コントローラ3は、取得したデータに基づいて水制御装置2を制御するようにプログラムされている。コントローラ3は、例えばCPU等のプロセッサ27と、RAM及びROMなどのメモリ28とを含む。コントローラ3は、船舶推進機1a−1c、及び、水制御装置2と通信する。コントローラ3は、船舶推進機1a−1c及び水制御装置2と通信線91,92を介して接続されている。コントローラ3は、船舶推進機1a−1c、及び/又は、弁43a−43cと、無線により通信を行ってもよい。詳細には、コントローラ3は、各船舶推進機1a−1cのECUに接続されている。コントローラ3は、各船舶推進機1a−1cのECUから、複数の船舶推進機1a−1cのそれぞれの推進機データを取得する。
推進機データは、冷却水路の水圧、水温、及び、チルト角を含む。推進機データは、船舶推進機の識別番号を含む。識別番号は、例えばエンジンの型番である。また、推進機データは、エンジンが停止しているか否かを示す情報を含む。エンジンが停止しているか否かを示す情報は、例えばエンジン回転速度である。コントローラ3は、複数の船舶推進機1a−1cのそれぞれの推進機データに基づいて、複数の弁43a−43cを順次、開閉する。それにより、各船舶推進機1a−1cの冷却水路のフラッシングが自動的に行われる。
ディスプレイ4と入力装置5とは、コントローラ3と通信する。ディスプレイ4と入力装置5とは、コントローラ3と通信線93,94を介して接続されている。ディスプレイ4と入力装置5とは、コントローラ3と、無線により通信を行ってもよい。ディスプレイ4は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。ただし、ディスプレイ4は、有機ELディスプレイ等の他のディスプレイ装置であってもよい。ディスプレイ4は、コントローラ3からの指令信号に応じて、フラッシングの状況を示す情報を表示する。
入力装置5は、ユーザーによる入力を受け付ける。入力装置5は、ユーザーによる入力を示す信号を出力する。コントローラ3は、ユーザーによる入力を示す信号を受信する。入力装置5は、例えばタッチパネルである。ただし、入力装置5は、ハードウェアキーを有する装置であってもよい。コントローラ3は、入力装置5において所定の操作が行われたときに、自動フラッシングを開始する。
以下、コントローラ3によって実行される自動フラッシングの処理について説明する。図3及び図4は、第1実施形態に係る自動フラッシングの処理を示すフローチャートである。図3に示すように、ステップS101では、コントローラ3は、推進機データを取得する。コントローラ3は、第1〜第3の船舶推進機1a−1cのそれぞれから、推進機データを取得する。
コントローラ3は、以下の説明で用いられる時間及び閾値などのパラメータを、推進機データに含まれる船舶推進機の識別番号に応じて決定する。例えば、コントローラ3は、識別番号とパラメータの値との関係を示すデータを記憶している。コントローラ3は、各船舶推進機1a−1cの推進機データから識別番号を取得し、当該データを参照して識別番号からパラメータの値を決定する。ただし、パラメータは一定値であってもよい。或いは、パラメータは、入力装置5によって変更可能であってもよい。
ステップS102では、コントローラ3は、エンジン停止から時間T1が経過したかを判定する。ここでは、コントローラ3は、第1〜第3の船舶推進機1a−1cの全てのエンジンの停止から時間T1が経過したかを判定する。コントローラ3は、エンジン停止から時間T1が経過するまでは、第1〜第3の弁43a−43cを開かない。また、コントローラ3は、エンジンが運転中であるときにも、第1〜第3の弁43a−43cを開かない。エンジン停止から時間T1が経過したときには、処理はステップS103に進む。
ステップS103では、コントローラ3は、水制御装置2のインレット41での水圧P0が閾値Th0より大きいかを判定する。ここでは、コントローラ3は、フラッシングを行うために必要な水圧が得られているかを判定する。水圧P0が閾値Th0より大きいときには、処理は、ステップS104に進む。
ステップS104では、コントローラ3は、フラッシング回数が閾値N以下であるかを判定する。フラッシング回数が閾値N以下であるときには、処理はステップS105に進む。ステップS105では、コントローラ3は、第1の弁43aを閉じてから時間T2が経過したかを判定する。ここでは、コントローラ3は、前回のフラッシング後に冷却水路から水が十分に排出されたかを判定する。第1の弁43aを閉じてから時間T2が経過したときには、処理はステップS106に進む。
ステップS106では、コントローラ3は、第1の弁43aを開く。それにより、タンク6からの水が、第1の船舶推進機1aの冷却水路に供給される。第1の船舶推進機1aの冷却水路からは水が常時、排水される。第1の弁43aが開かれると、冷却水路に供給される水量が、冷却水路から排出される水量よりも多くなることで、冷却水路における水量が増大して、冷却水路が水で満たされる。そして、ステップS107では、コントローラ3は、第1の船舶推進機1aの冷却水路の水圧P1が閾値Th1より大きいかを判定する。ここでは、コントローラ3は、第1の船舶推進機1aの冷却水路がタンク6からの水で十分に満たされているかを判定する。水圧P1が閾値Th1より大きいときには、処理はステップS108に進む。ステップS108では、コントローラ3は、時間T3が経過するのを待ってから、第1の弁43aを閉じる。第1の弁43aが閉じられると、冷却水路に供給される水量が0になることで、第1の船舶推進機1aの冷却水路から水が排出される。
図4に示すように、ステップS109では、コントローラ3は、第2の弁43bを閉じてから時間T4が経過したかを判定する。第2の弁43bを閉じてから時間T4が経過したときには、処理はステップS110に進む。ステップS110では、コントローラ3は、第2の弁43bを開く。それにより、タンク6からの水が、第2の船舶推進機1bの冷却水路に供給される。そして、ステップS111では、コントローラ3は、第2の船舶推進機1bの冷却水路の水圧P2が閾値Th2より大きいかを判定する。ここでは、コントローラ3は、第2の船舶推進機1bの冷却水路がタンク6からの水で十分に満たされているかを判定する。水圧P2が閾値Th2より大きいときには、処理はステップS112に進む。ステップS112では、コントローラ3は、時間T5が経過するのを待ってから、第2の弁43bを閉じる。第2の弁43bが閉じられると、第2の船舶推進機1bの冷却水路から水が排出される。
ステップS113では、コントローラ3は、第3の弁43cを閉じてから時間T6が経過したかを判定する。第3の弁43cを閉じてから時間T6が経過したときには、処理はステップS114に進む。ステップS114では、コントローラ3は、第3の弁43cを開く。それにより、タンク6からの水が、第3の船舶推進機1cの冷却水路に供給される。そして、ステップS115では、コントローラ3は、第3の船舶推進機1cの冷却水路の水圧P3が閾値Th3より大きいかを判定する。ここでは、コントローラ3は、第3の船舶推進機1cの冷却水路がタンク6からの水で十分に満たされているかを判定する。水圧P3が閾値Th3より大きいときには、処理はステップS116に進む。ステップS116では、コントローラ3は、フラッシング回数に1を加算する。ステップS117では、コントローラ3は、時間T7が経過するのを待ってから、第3の弁43cを閉じる。第3の弁43cが閉じられると、第3の船舶推進機1cの冷却水路から水が排出される。
そして、処理はステップS104に戻り、フラッシング回数がN回を超えるまで、ステップS104からステップS117の処理が繰り返される。フラッシング回数がN回を超えてN+1回に到達すると、コントローラ3は、自動フラッシングの処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係るシステム100では、コントローラ3は、第1の弁43aを開いて第1の船舶推進機1aのフラッシングを開始した後、第1の船舶推進機1aの推進機データに基づいて第1の弁43aを閉じるかを判定する。推進機データは、第1の船舶推進機1aの冷却水路での水圧を含む。そのため、コントローラ3は、推進機データに基づいて第1の弁43aを閉じる適切なタイミングを判定することができる。それにより、短時間、且つ、少ない水量で十分なフラッシングを行うことができる。
また、コントローラ3は、第1の弁43aを閉じた後、第2の弁43bを開いて第2の船舶推進機1bのフラッシングを開始する。コントローラ3は、第2の弁43bを閉じた後、第3の弁43cを開いて第3の船舶推進機1cのフラッシングを開始する。そのため、タンク6からのホースを付け替えることなく、複数の船舶推進機1a−1cのフラッシングを順次、自動的に行うことができる。
さらに、コントローラ3は、第2の船舶推進機1b及び第3の船舶推進機1cに対しても、各船舶推進機1b,1cの推進機データに基づいて、第2、第3の弁43b,43cを閉じるかを判定する。そのため、コントローラ3は、第2、第3の弁43b,43cを閉じる適切なタイミングを判定することができる。
次に、第2実施形態に係る自動フラッシングの処理について説明する。図5及び図6は、第2実施形態に係る自動フラッシングの処理を示すフローチャートである。図5に示すステップS201〜S205は、上述したステップS101〜S103,S106,S107とそれぞれ同じである。コントローラ3は、ステップS205で第1の船舶推進機1aの冷却水路の水圧P1が閾値Th1より大きいと判定すると、ステップS206で第1フラッシング時間TF1のカウントを開始する。第1フラッシング時間TF1は、第1の船舶推進機1aのフラッシングの継続時間である。
ステップS207では、コントローラ3は、第1フラッシング時間TF1が第1必要時間T11を越えたかを判定する。第1必要時間T11は、第1の船舶推進機1aのフラッシングの目標時間である。コントローラ3は、図7に示す必要時間データを記憶している。必要時間データは、必要時間と、船舶推進機のチルト角度と、冷却水路の水圧との関係を規定している。必要時間データは、図7に示すようなテーブルの形式であってもよく、或いは式などの他の形式であってもよい。コントローラ3は、船舶推進機の識別番号に応じた複数の必要時間データを記憶していてもよい。
必要時間データでは、冷却水路の水圧の増大に対して、必要時間が減少する。必要時間データでは、チルト角度の増大に対して、必要時間が減少する。なお、チルト角度が大きいほど、船舶推進機の姿勢は水平に近づくものとする。コントローラ3は、必要時間データを参照して、第1の船舶推進機1aのチルト角度と、冷却水路の水圧とから、第1必要時間T11を決定する。なお、図7に示す数値は例示であって、これらの数値に限定されるものではない。
第1フラッシング時間TF1が第1必要時間T11を越えたときには、処理はステップS208に進む。ステップS208では、コントローラ3は、時間T8が経過するのを待ってから、第1の弁43aを閉じると共に、第2の弁43bを開く。
ステップS209では、コントローラ3は、第2の船舶推進機1bの冷却水路の水圧P2が閾値Th2より大きいかを判定する。水圧P2が閾値Th2より大きいときには、処理はステップS210に進む。ステップS210では、コントローラ3は、第2フラッシング時間TF2のカウントを開始する。第2フラッシング時間TF2は、第2の船舶推進機1bのフラッシングの継続時間である。
ステップS211では、コントローラ3は、第2フラッシング時間TF2が第2必要時間T12を越えたかを判定する。第2必要時間T12は、第2の船舶推進機1bのフラッシングの目標時間である。コントローラ3は、必要時間データを参照して、第2の船舶推進機1bのチルト角度と、冷却水路の水圧とから、第2必要時間T12を決定する。第2フラッシング時間TF2が第2必要時間T12を越えたときには、処理はステップS212に進む。ステップS212では、コントローラ3は、時間T9が経過するのを待ってから、第2の弁43bを閉じると共に、第3の弁43cを開く。
ステップS213では、コントローラ3は、第3の船舶推進機1cの冷却水路の水圧P3が閾値Th3より大きいかを判定する。水圧P3が閾値Th3より大きいときには、処理はステップS214に進む。ステップS214では、コントローラ3は、第3フラッシング時間TF3のカウントを開始する。第3フラッシング時間TF2は、第3の船舶推進機1cのフラッシングの継続時間である。
ステップS215では、コントローラ3は、第3フラッシング時間TF3が第3必要時間T13を越えたかを判定する。第3必要時間T13は、第3の船舶推進機1cのフラッシングの目標時間である。コントローラ3は、必要時間データを参照して、第3の船舶推進機1cのチルト角度と、冷却水路の水圧とから、第3必要時間T13を決定する。第3フラッシング時間TF3が第3必要時間T13を越えたときには、ステップS216で、コントローラ3は、第3の弁43cを閉じ、自動フラッシングの処理を終了する。
以上説明した第2実施形態に係る自動フラッシングの処理によっても、短時間、且つ、少ない水量で十分なフラッシングを行うことができる。また、タンク6からのホースを付け替えることなく、複数の船舶推進機1a−1cのフラッシングを順次、自動的に行うことができる。さらに、第2実施形態に係る自動フラッシングの処理では、各船舶推進機1a−1cの冷却水路の水圧、及び、チルト角度から、フラッシングの必要時間が決定される。そのため、フラッシングの終了のタイミングを適切に決定することができる。
次に、第3実施形態に係る自動フラッシングの処理について説明する。図8に示すように、第1の船舶推進機1aは、塩分濃度センサ25を含んでもよい。塩分濃度センサ25は、冷却水路32の水の塩分濃度を検出する。塩分濃度センサ25は、冷却水路32の水の塩分濃度を示す信号を出力する。塩分濃度センサ25は、例えば電気伝導率センサである。ただし、塩分濃度センサ25は、他の方式のセンサであってもよい。他の船舶推進機1b,1cについても、第1の船舶推進機1aと同様の構成である。
コントローラ3は、推進機データとして、各船舶推進機1a−1cの冷却水路の水の塩分濃度を取得する。第3実施形態に係る自動フラッシングの処理では、コントローラ3は、各船舶推進機1a−1cの水の塩分濃度に基づいて、弁43a−43cを閉じるかを判定する。図9及び図10は、第3実施形態に係る自動フラッシングの処理を示すフローチャートである。
図9に示すステップS301〜S305は、上述したステップS201〜S205とそれぞれ同じである。コントローラ3は、ステップS305で第1の船舶推進機1aの冷却水路の水圧P1が閾値Th1より大きいと判定すると、ステップS306で、第1塩分濃度C1が閾値a1より小さいかを判定する。第1塩分濃度C1は、第1の船舶推進機1aの冷却水路の水の塩分濃度である。第1塩分濃度C1が閾値a1より小さいときには、処理はステップS307に進む。ステップS307では、コントローラ3は、時間T8が経過するのを待ってから、第1の弁43aを閉じると共に、第2の弁43bを開く。
ステップS308では、コントローラ3は、第2の船舶推進機1bの冷却水路の水圧P2が閾値Th2より大きいかを判定する。水圧P2が閾値Th2より大きいときには、処理はステップS309に進む。ステップS309では、第2塩分濃度C2が閾値a2より小さいかを判定する。第2塩分濃度C2は、第2の船舶推進機1bの冷却水路の水の塩分濃度である。第2塩分濃度C2が閾値a2より小さいときには、処理はステップS310に進む。ステップS310では、コントローラ3は、時間T9が経過するのを待ってから、第2の弁43bを閉じると共に、第3の弁43cを開く。
ステップS311では、コントローラ3は、第3の船舶推進機1cの冷却水路の水圧P3が閾値Th3より大きいかを判定する。水圧P3が閾値Th3より大きいときには、処理はステップS312に進む。ステップS312では、第3塩分濃度C3が閾値a3より小さいかを判定する。第3塩分濃度C3は、第3の船舶推進機1cの冷却水路の水の塩分濃度である。第3塩分濃度C3が閾値a3より小さいときには、ステップS313で、コントローラ3は、第3の弁43cを閉じ、自動フラッシングの処理を終了する。
以上説明した第3実施形態に係る自動フラッシングの処理によっても、短時間、且つ、少ない水量で十分なフラッシングを行うことができる。また、タンク6からのホースを付け替えることなく、複数の船舶推進機1a−1cのフラッシングを順次、自動的に行うことができる。さらに、第3実施形態に係る自動フラッシングの処理では、各船舶推進機1a−1cの冷却水路の水の塩分濃度に基づいて、弁43a−43cを閉めるタイミングが決定される。そのため、フラッシングの終了のタイミングを適切に決定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
船舶推進機は、船外機に限らず、船内機などの他の種類の船舶推進機であってもよい。船舶推進機の構成は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。フラッシングのシステムの構成は、上記の実施形態のものに限らず変更されてもよい。例えば、上記の実施形態では、水源としてタンク6が用いられている。しかし、水源はタンク6に限らず、水道であってもよい。その場合、ポンプ7は省略されてもよい。
コントローラ3の構成は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。コントローラ3は、水制御装置2と一体であってもよい。コントローラ3は、ディスプレイ4、及び/又は、入力装置5と一体であってもよい。コントローラ3は、ECU24であってもよい。すなわち、ECU24が上述コントローラ3による自動フラッシングの処理を実行してもよい。
コントローラ3は、自動フラッシングの処理を終了すると判定したときには、システム100をシャットダウンしてもよい。例えば、コントローラ3は、コントローラ3の電源を自動的にオフにしてもよい。コントローラ3は、水制御装置2の電源を自動的にオフにしてもよい。
コントローラ3は、ポンプ7と通信を行い、ポンプ7を制御してもよい。例えば、コントローラ3は、弁43a−43cの開閉に応じて、ポンプ7の駆動と停止とを切り換えてもよい。コントローラ3は、フラッシングの開始時にポンプ7を始動してもよい。コントローラ3は、フラッシングの終了時にポンプ7を停止させてもよい。コントローラ3は、フラッシング中に船舶推進機のエンジンのクランキングを禁止するように、各船舶推進機のECUに指令信号を出力してもよい。
水制御装置は、弁に限らず、他の装置を含んでもよい。例えば、水制御装置は、船舶推進装置に対応したポンプを含んでもよい。コントローラ3は、ポンプを制御することで、船舶推進機の冷却水路への水の供給を制御してもよい。その場合、上述した第1〜第3の弁43a−43cは省略されてもよい。
コントローラ3は、推進機データを船舶推進機以外の装置から取得してもよい。例えば、船舶推進機の冷却水路に接続されたホースに、流量計が設置されてもよい。コントローラ3は、流量計と通信することで、推進機データを取得してもよい。
上記の実施形態では、コントローラ3は、船舶推進機の冷却水路の水圧が閾値よりも大きいかを判定している。しかし、コントローラ3は、船舶推進機の冷却水路の水量が閾値よりも大きいかを判定してもよい。冷却水路の水量は、単位時間当たりに冷却水路を流れる水の量である。コントローラ3は、冷却水路の水圧から冷却水路の水量を算出してもよい。或いは、冷却水路に水量センサが設けられ、コントローラ3は、水量センサが検出した水量を推進機データとして取得してもよい。コントローラ3は、船舶推進機の冷却水路の水量に基づいて、弁を閉じるタイミングを決定してもよい。或いは、コントローラ3は、冷却水路での水圧と、水の流量と、水の塩分濃度との少なくとも2つを組み合わせて、弁を閉じるタイミングを決定してもよい。
必要時間データは、冷却水路の水量と必要時間との関係を規定してもよい。例えば、必要時間データでは、冷却水路の水量の増大に対して、必要時間が減少してもよい。コントローラ3は、船舶推進機の冷却水路の水量から、船舶推進機のフラッシングの必要時間を決定してもよい。必要時間データは、冷却水路の水温と必要時間との関係を規定してもよい。例えば、必要時間データでは、冷却水路の水温の上昇に対して、必要時間が減少してもよい。コントローラ3は、船舶推進機の冷却水路の水温から、船舶推進機のフラッシングの必要時間を決定してもよい。
コントローラ3は、フラッシングの状況を示す情報をディスプレイ4に表示させてもよい。図11は、ディスプレイ4の一例を示す図である。図11に示すように、コントローラ3は、フラッシングの終了までの残り時間をディスプレイ4に表示させてもよい。コントローラ3は、フラッシングの終了までの必要水量をディスプレイ4に表示させてもよい。コントローラ3は、冷却水路の水圧から、フラッシングの終了までの残り時間及び必要水量を算出してもよい。
コントローラ3は、フラッシングの手順説明をディスプレイ4に表示させてもよい。フラッシングの手順説明は、例えばエンジン停止、チルトアップ、水の補給等の説明を含んでもよい。コントローラ3は、フラッシングの失敗等のエラー表示をディスプレイ4に表示させてもよい。コントローラ3は、上述したステップS103,S203,S303において、水制御装置2のインレット41での水圧P0が閾値Th0以下であるときには、ディスプレイ4に警告を表示してもよい。
本発明によれば、船舶推進機において短時間で十分なフラッシングを行うことができる。
1a−1c 船舶推進機
2 水制御装置
3 コントローラ
4 ディスプレイ
43a−43c 弁
2 水制御装置
3 コントローラ
4 ディスプレイ
43a−43c 弁
Claims (11)
- 水源からの水によって船舶推進機の冷却水路のフラッシングを行うためのシステムであって、
前記水源と前記船舶推進機の冷却水路とに接続され、前記水源からの水の前記冷却水路への供給を制御する水制御装置と、
前記水制御装置を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記水制御装置を制御して、前記フラッシングのために前記水源からの水を前記冷却水路に供給し、
前記冷却水路での水圧と、水の流量と、水の塩分濃度との少なくとも1つを含む推進機データを取得し、
前記推進機データに基づいて前記水制御装置による水の供給を停止するかを判定する、
システム。 - 前記推進機データは、前記冷却水路での水圧、又は、水の流量を含み、
前記コントローラは、前記冷却水路での水圧、又は、水の流量が所定の閾値より大きくなった時点から、所定時間経過後に、前記水制御装置による水の供給を停止する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記コントローラは、前記冷却水路での水圧、又は、水の流量に基づいて、前記所定時間を決定する、
請求項2に記載のシステム。 - 前記船舶推進機は、船舶にチルト動作可能に取り付けられ、
前記推進機データは、前記船舶推進機のチルト角度を含み、
前記コントローラは、前記チルト角度に基づいて、前記所定時間を決定する、
請求項2に記載のシステム。 - 前記推進機データは、前記船舶推進機のエンジン温度を含み、
前記コントローラは、前記エンジン温度に基づいて、前記所定時間を決定する、
請求項2に記載のシステム。 - 前記推進機データは、前記水の塩分濃度を含み、
前記コントローラは、前記水の塩分濃度が所定の閾値より小さくなったときに、前記水制御装置による水の供給を停止する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記推進機データは、前記船舶推進機のエンジンが運転中か停止中であるかを示す情報を含み、
前記コントローラは、前記エンジンが運転中であるときには、前記水制御装置による水の供給を開始しない、
請求項1に記載のシステム。 - 前記コントローラと通信するディスプレイをさらに備え、
前記コントローラは、前記フラッシングの状況を示す情報を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1に記載のシステム。 - 前記コントローラは、
前記推進機データに基づいて前記フラッシングを終了するか判定し、
前記フラッシングを終了すると判定したときには、前記システムをシャットダウンする、
請求項1に記載のシステム。 - 前記水制御装置は、複数の船舶推進機の冷却水路にそれぞれ接続される複数の弁を含み、
前記コントローラは、
前記複数の船舶推進機のそれぞれの前記推進機データを取得し、
前記複数の船舶推進機のそれぞれの前記推進機データに基づいて、前記複数の弁を順次開閉する、
請求項1に記載のシステム。 - 前記複数の船舶推進機は、第1の船舶推進機と第2の船舶推進機とを含み、
前記複数の弁は、
前記第1の船舶推進機の冷却水路に接続される第1の弁と、
前記第2の船舶推進機の冷却水路に接続される第2の弁と、
を含み、
前記コントローラは、
前記第1の弁を開いて前記水源からの水を前記第1の船舶推進機の冷却水路に供給し、
前記第1の船舶推進機の推進機データを取得し、
前記第1の船舶推進機の推進機データに基づいて、前記第1の弁を閉じるかを判定し、
前記第1の弁を閉じた後に、前記第2の弁を開いて前記水源からの水を前記第2の船舶推進機の冷却水路に供給し、
前記第2の船舶推進機の推進機データを取得し、
前記第2の船舶推進機の推進機データに基づいて、前記第2の弁を閉じるかを判定する、
請求項10に記載のシステム。
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|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|---|
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| EP3650669A1 (en) | 2020-05-13 |
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