図1に示す本開示の一実施形態による表示装置100は、車両Aにおいて用いられ、車両Aに関連する種々の情報を、表示面71の表示を通じて乗員(運転者)に提示する。表示装置100には、図2に示す映像生成装置20、フロントカメラ30、ドライバステータスモニタ(Driver Status Monitor,以下「DSM」)40、及び車載ネットワーク50の通信バス等が直接的又は間接的に電気接続されている。
尚、以下の説明における前後、上下、左右等の方向に関する表現は、水平面に置かれた車両Aを基準として定義される。そして、右及び左については、運転席に着座した運転者を基準に定義される。
映像生成装置20は、車両Aに搭載された複数の表示デバイスの表示を統合的に制御する制御装置である。映像生成装置20は、各表示デバイスに表示される映像を生成する回路を主体に構成されている。映像生成装置20は、車載ネットワーク50等から取得する車両情報に基づき、各表示デバイスへ向けて出力される映像信号を生成する。映像生成装置20は、例えばデジタルスピードメータSm(図9及び図10も参照)及びADASインジケータIn(図7及び図8参照)等の表示画像DPを含んだ映像信号を生成し、表示装置100等へ向けて逐次出力する。
図1及び図2に示すフロントカメラ30は、撮像素子及びレンズ部と、撮像素子を制御する制御ユニットとを有する構成である。フロントカメラ30は、車両Aの進行方向に撮像方向を向けた姿勢にて、車両Aに固定されている。フロントカメラ30は、ウィンドシールドWSを通して運転者に視認される前景範囲を撮影し、当該前景範囲を撮像した前方画像を生成する。前方画像は、車両Aに搭載された自動運転機能(又はADAS機能)にて用いられる。具体的には、AEB(Autonomous Emergency Braking)機能、ACC(Adaptive Cruise Control)機能、LTC(Lane Trace Control)機能等が、自動運転機能に含まれ得る。
フロントカメラ30は、前方画像の情報から、車両Aの外部からウィンドシールドWSを通して車室内に入射する光(以下、「直射光」)の強さを検出可能である。フロントカメラ30は、例えば西日及び朝日、並びに対向車のヘッドライト及びストップランプ等、高強度であって、水平に近い角度で車室内に入射する直射光を、少なくとも検出する。フロントカメラ30は、直射光の強さを示した光強度情報を、表示装置100に逐次出力する。
DSM40は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを有している。DSM40は、近赤外カメラを運転席側となる後方に向けた姿勢にて、例えばステアリングコラムのカバー上面等に設置されている。DSM40は、ステアリングホイール5の開口部5bを通して、近赤外光源によって近赤外光を照射された運転者の顔周辺を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによって撮像された顔画像は、制御ユニットによって解析される。制御ユニットは、例えば運転者の顔向き、目の開き具合、視点位置EP(図5参照)及び視線方向等を、顔画像から推定する。DSM40は、解析によって推定されたこれらの情報のうちで、少なくとも視点位置EPを示す情報(以下、「アイポイント情報」)を、表示装置100に逐次提供する。
図2に示す車載ネットワーク50の通信バスには、多数の車載ECU(Electronic Control Unit)及び車載センサ等が直接的又は間接的に電気接続されている。車載ネットワーク50は、通信バスに出力された種々の車両情報を、映像生成装置20及び表示装置100に提供可能である。車載ネットワーク50は、映像生成に用いられる車両情報として、例えば車両Aの走行速度等を映像生成装置20に逐次提供する。
加えて車載ネットワーク50には、照度センサの検出結果に基づくヘッドライトの点灯制御情報が、例えばボディECU等によって出力されている。さらに車載ネットワーク50には、自動運転機能の作動状態を示すステータス情報が、自動運転ECU等によって出力されている。車載ネットワーク50は、点灯制御情報及び自動運転機能のステータス情報等を、表示装置100に逐次提供する。尚、フロントカメラ30による光強度情報及びDSM40によるアイポイント情報は、車両情報と同様に、車載ネットワーク50を経由して、表示装置100に提供されてもよい。
図1及び図2に示す表示装置100は、車両Aの車室内に設けられている。表示装置100は、運転席の前方に配置されており、車両用のコンビネーションメータを代替する表示デバイスとして機能する。表示装置100は、表示面71を運転席側へ向けた姿勢にて、インスツルメントパネル2の上面に取り付けられている。表示装置100の表示面71は、運転者から見てDSM40よりも前方(奥側)に位置しており、且つ、ステアリングホイール5のリム部5aの上方(アウトホイール側)に視認される。
表示装置100は、全体として光を透過させることが可能な無色透明な板状を呈している。運転者は、表示装置100に遮られることなく、車両Aの前景を視認できる。運転者は、表示面71を通して見える前景に、表示画像DPが重畳された表示を視認する。即ち、表示装置100は、ヘッドアップディスプレイとして用いられる。そのため、表示装置100は、表示面71の上縁がAゾーン(07年自事発第304号「ヘッドアップディスプレイの取り扱いについて(Version2.0)」参照)の下限よりも下方となるように、配置されている。
表示装置100は、透明ディスプレイ70、遮光ディスプレイ80及びドライバ回路60等によって構成されている。
透明ディスプレイ70は、透過型の有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。透明ディスプレイ70は、ガラス、石英及び樹脂等の透明材料よりなる透明基板により、横長の板状に形成されている。透明ディスプレイ70の両面のうちで、運転席側に向けられる一方が表示面71となり、表示面71の反対側に位置して車両Aの前方を向く他方が背面73となる。表示面71及び背面73に入射した光は、透明ディスプレイ70を透過可能である。透明ディスプレイ70は、表示面71及び背面73に沿って2次元配列された多数の発光素子により、種々の情報画像72をフルカラー表示する。
透明ディスプレイ70の透明基板上には、薄膜状のITO(Indium Tin Oxide)よりなる透明電極が形成された透明電極層と、透明電極に電気接続された発光層とが設けられている。発光層には、有機EL材料よりなる赤、緑及び青の各発光体が、個々の発光画素を形成するように規則的に配列されている。透明ディスプレイ70は、透明電極を通じた各発光体への電流の印加により、各発光画素を発光させることで、表示面71に情報画像72を発光表示する。尚、発光体よって放出される情報画像72の光は、表示面71及び背面73の両面から射出される。
遮光ディスプレイ80は、光の透過率を調整可能な液晶ディスプレイである。遮光ディスプレイ80は、透明基板及び一対の偏光フィルタ等により、横長の板状に形成されている。遮光ディスプレイ80の外縁形状は、透明ディスプレイ70の外縁形状と実質同一である。遮光ディスプレイ80には、光の透過率を変更可能な遮光画素が多数形成されている。遮光ディスプレイ80は、各遮光画素の透過率を低く調整する制御により、遮光画像82(図7等参照)を表示する。透明ディスプレイ70の背面73が向く側を背面側とすると、遮光画像82は、情報画像72の背面側に表示される。遮光画像82は、車両前方からウィンドシールドWSを通して透明ディスプレイ70へ向かう直射光を遮り、情報画像72の輝度コントラストを向上させる。
遮光ディスプレイ80の透明基板上には、薄膜状のITOよりなる透明電極が形成された透明電極層と、透明電極に電気接続された液晶層とが設けられている。透明電極を通じて個別に電圧を印加される液晶層の個々の区画が、一つの遮光画素となる。電圧を印加されない遮光画素では、液晶層に含まれる液晶分子の方向が不揃いな状態となる。そのため、液晶層を通過する光の偏光方向は、液晶分子による散乱によってねじ曲げられる。一方で、電圧を印加された遮光画素では、液晶分子が特定の方向を向くようになる。こうした液晶分子の配向により、液晶層を通過する光の偏光方向が一様になる。遮光ディスプレイ80は、各遮光画素に印加する電圧の調整により、各遮光画素の光の透過率を、実質的に透明な状態から不透過(黒色)の状態まで、連続的に変化させる。
遮光ディスプレイ80における遮光画素の解像度及び画素ピッチは、透明ディスプレイ70における発光画素の解像度及び画素ピッチと実質同一とされている。透明ディスプレイ70の両面のうちで、透明ディスプレイ70側に向けられる一方が接合面81となり、車両Aの前方を向く他方が背面83となる。遮光ディスプレイ80の接合面81は、例えば無色透明のエポキシ樹脂系の接着材等により、透明ディスプレイ70の背面73に貼り合わされている。板厚方向にて各遮光画素の位置が各発光画素の位置に揃うように、遮光ディスプレイ80は、透明ディスプレイ70に重ね合わされている。
尚、遮光ディスプレイ80は、遮光画素への電圧の印加が無い状態で実質透明な状態となる構成(ノーマリーホワイト)であってもよく、又は遮光画素への電圧の印加が無い状態で黒色の遮光状態となる構成(ノーマリーフラック)であってもよい。
ドライバ回路60は、透明ディスプレイ70及び遮光ディスプレイ80の作動を制御する電気回路である。ドライバ回路60は、筐体に収容された状態で、各ディスプレイ70,80と電気接続されていてもよく、又は各ディスプレイ70,80のいずれかと一体的に設けられていてもよい。ドライバ回路60は、少なくとも一つのプロセッサ、プロセッサに結合されたRAM、記憶媒体を含むメモリ装置、及び入出力インターフェース等を有するマイクロコントローラを備えている。ドライバ回路60のメモリ装置には、映像生成装置20から取得する映像信号に従い、各ディスプレイ70,80の作動を制御する表示制御プログラムが格納されている。ドライバ回路60は、メモリ装置に記憶された表示制御プログラムをプロセッサによって実行し、映像取得部61、情報取得部62、及び表示制御部63等の機能ブロックを構築する。
映像取得部61は、映像生成装置20から映像信号を取得する。情報取得部62は、透明ディスプレイ70へ向かう直射光の強さを示した光強度情報を、フロントカメラ30から逐次取得する(図6 S121参照)。また情報取得部62は、運転者のアイポイント情報を、DSM40から逐次取得する(図4 S111参照)。継続的に取得されるアイポイント情報は、表示装置100の視認者となる運転者の視点位置EP(図5参照)を追跡する追跡情報となる。さらに情報取得部62は、車載ネットワーク50から、点灯制御情報及び自動運転機能のステータス情報等を取得する(図3 S101参照)。点灯制御情報は、車両Aが明るい外光環境下にあるのか、又は暗い外光環境下にあるのかを示す昼夜情報として使用される。
表示制御部63は、映像取得部61により取得された映像信号に基づき、透明ディスプレイ70の表示面71に情報画像72を表示させる。加えて表示制御部63は、情報画像72の表示変化に、遮光画像82の表示変化を同期させる制御を実施する。具体的に、表示制御部63は、発光状態にある発光画素と重なる遮光画素を遮光状態に制御する。こうした制御により、表示制御部63は、情報画像72と実質同一の形状とされた遮光画像82を、遮光ディスプレイ80に表示させる。こうした情報画像72及び遮光画像82の重ね合わせにより、表示画像DPが表示される。
表示制御部63は、透明ディスプレイ70及び遮光ディスプレイ80の同期制御に加えて、車両情報に基づく表示モードの切り替え制御(図3参照)、運転者姿勢に応じた遮光画像82の位置制御(図4及び図5参照)を実施する。さらに表示制御部63は、直射光の強度に応じた各画素の状態制御(図6〜図9参照)を実施する。尚、ドライバ回路60では、車両電源のオン状態への切り替えに基づき、これらの制御が開始される。そして、車両電源のオフ状態への切り替えまで、これらの制御は継続実施される。
表示制御部63は、情報取得部62にて取得される車両情報に基づき、表示装置100の表示モードを複数のうちで切り替える。複数の表示モードには、明所モード及び暗所モードに加えて、エンターテイメントモード等が含まれる。表示制御部63は、それぞれ昼夜に対応する明所モード及び暗所モードを設定可能であり、情報取得部62にて取得される点灯制御情報に基づき、明所モードと暗所モードとを切り替える。さらに表示制御部63は、自動運転機能のステータス情報に基づき、エンターテイメントモードへの切り替えを許容する。
明所モードは、車両Aが暗所モードよりも明るい環境下にあることを想定した表示モードである。表示制御部63は、ヘッドライトのオフ状態を示す点灯制御情報に基づき、表示モードを明所モードに設定する(図3 S104[NO],S105参照)。一方、暗所モードは、車両Aが明所モードよりも暗い環境下にあることを想定した表示モードである。表示制御部63は、ヘッドライトのオン状態を示す点灯制御情報に基づき、表示モードを暗所モードに設定する(S104[YES],S106参照)。明所モードでは、発光画素の状態制御において、許容される発光画素の最大輝度が、暗所モードよりも高く設定される(図6参照)。換言すれば、暗所モードでは、運転者に表示画像DPが眩しく感じられ難いように、発光画素の表示輝度が抑制される(図8参照)。
エンターテイメントモードは、自動運転機能によって運転者が運転操作から解放された期間において、表示装置100に動画等のコンテンツを表示させる表示モードである。表示制御部63は、車両Aの自律走行状態を示すステータス情報が取得されている場合に、エンターテイメントモードへの切り替えを許可する(S102[NO],S103参照)。こうした状態下、運転者が動画の再生操作又は所定のスイッチ操作等を行うことにより、表示制御部63は、表示モードをエンターテイメントに切り替える。エンターテイメントモードにおいて、遮光画素における光の透過率は、最も低い状態に制御される。その結果、遮光ディスプレイ80の全体が一様な遮光状態に制御され、表示装置100は、通常の不透過型の表示器として使用可能となる。尚、動画等の再生を行わない場合には、自律走行中であっても、表示装置100の全体が透明な状態とされてよい。こうした設定は、運転者の開放感に寄与し得る。
表示制御部63は、情報取得部62にて取得されるアイポイント情報に基づき、運転者の視点位置EPに合わせて、情報画像72に対する遮光画像82の相対位置を調整する。情報画像72及び遮光画像82の間には、各ディスプレイ70,80の透明基板の板厚に起因する間隙が、不可避的に生じる。そのため、運転者の視点位置EPが表示面71の真正面から上下左右にずれた場合、情報画像72及び遮光画像82と、アイポイントとの相対的な位置関係が変化する(図5参照)。こうした遮光画像82の位置ずれを補正するため、表示制御部63は、取得されたアイポイント情報に基づき、遮光画像82のシフト方向及びシフト量を設定し、視点位置EPの変化方向とは逆側に遮光画像82を移動させる(図4 S112参照)。こうした遮光画像82の位置制御により、視点位置EP、情報画像72及び遮光画像82について、実質一直線上に並ぶ状態が維持される。
表示制御部63は、情報取得部62にて取得される光強度情報に基づき、発光画素の輝度制御及び遮光画素の透過率制御を実施する。表示制御部63は、現在の光強度情報に加えて、現在の表示モードを参照し(図6 S122参照)、これらに対応する表示輝度及び透過率を設定する(S123参照)。外光量が多く、車両Aが明るい環境下にある場合、表示制御部63は、情報画像72の表示輝度を高く設定する(図7,図8参照)。対して、外光量が少なく、車両Aが暗い環境下にある場合、表示制御部63は、情報画像72の表示輝度を低く設定する(図9,図10参照)。さらに、車両前方から表示装置100へ向かう直射光が強くなるほど、表示制御部63は、遮光画像82の透過率を低く調整する(図8,図10参照)。
以上の制御によれば、例えば西日が室内に差し込むシーンでは、図8に示すように、明所モードに設定され、高輝度の情報画像72が表示される。さらに、直射光となる西日の強さに応じて、遮光画像82の透過率が低く調整される。こうした遮光画像82の同期制御により、自発光表示される表示画像DPであっても、西日に対する表示画像DPのコントラストが確保される。
一方、夜間やトンネル内等においては、暗所モードの設定により、表示輝度を抑制された低輝度の情報画像72が表示される。そして、対向車のヘッドライトが車室内に差し込むシーンでは、図10に示すように、情報画像72の表示輝度が維持されつつ、直射光となるヘッドライトの光の強さに応じて、遮光画像82の透過率が低く調整される。その結果、表示画像DPの眩しさを助長させてしまうことなく、ヘッドライトに対する表示画像DPのコントラストが確保される。
ここまで説明したように、遮光ディスプレイ80によって表示される遮光画像82の透過率は、透明ディスプレイ70へ向かう直射光が強くなるほど、低く調整される。故に、直射光が弱い場合には、遮光画像82の透過率も高く維持される。その結果、透明ディスプレイ70に複雑な形状の情報画像72(例えばADASインジケータIn等)が表示されていても、同期表示される背面側の遮光画像82の影響により、情報画像72が見難くなる事態は、回避され得る。
一方で、直射光が強い場合には、遮光画像82の透過率は、低く調整される。そのため、背面側から入射する直射光の大部分が遮光画像82によって遮られるようになる。その結果、情報画像72は、コントラストが確保された見易い表示状態となる。以上によれば、表示装置100は、透明ディスプレイ70へ向かう直射光の強さにかかわらず、見易い表示画像DPの表示を継続できる。
加えて本実施形態では、明所モード及び暗所モードの切り替えが実施され、暗所モードにおける情報画像72の表示輝度は、明所モードにおける表示輝度よりも低く抑制される。故に、夜間やトンネル等の暗所においては、情報画像72を運転者が眩しく感じてしまう事態は、回避され得る。
また本実施形態の暗所モードでは、直射光が強くなると、情報画像72の表示輝度を維持しつつ、遮光画像82の透過率を低くする調整が実施される。こうした制御によれば、眩しく感じられ難い情報画像72の表示状態が維持され得る。加えて、遮光画像82の透過率を低くする調整によれば、表示画像DPは、コントラストを確保された状態で表示され得る。したがって、夜間に直射光が強く照射されるシーンにおいても、表示装置100は、表示画像DPを見易く表示できる。
さらに本実施形態では、情報画像72に対する遮光画像82の相対位置が、運転者の視点位置EPに合わせて調整される。故に、運転者の体格差や姿勢崩れ等に起因し、異なる視点位置EPから視認される表示画像DPであっても、情報画像72に対する遮光画像82のずれは、運転者に知覚され難い。さらに、運転者が頭を左右に振った場合等でも、情報画像72及び遮光画像82のずれが見えないようにされる。以上によれば、遮光画像82に起因する表示の違和感は、軽減される。
加えて本実施形態では、車両Aが自律走行状態にある場合に、エンターテイメントモードへの切り替えにより、遮光ディスプレイ80の全体を一様な遮光状態に設定することが可能になる。上述したように、車両Aが自律走行するシーンでは、運転者は、運転のタスクから解放される。故に、運転に関連しない動画等を楽しみたいというニーズが生じ得る。こうした用途においては、外光を実質遮断する状態で遮光ディスプレイ80を用いた方が、動画の表示品質は、確保され易くなる。したがって、遮光ディスプレイ80を一様に遮光状態にする制御は、自動運転機能を搭載した車両Aにおいて、表示装置100の付加価値向上に寄与できる。
また本実施形態では、情報画像72に重ねられた遮光画像82が、透明ディスプレイ70の背面73から射出される情報画像72の光を遮る機能を発揮する。故に、透明ディスプレイ70の採用に伴う情報画像72の窓映りの発生により、運転者の運転が妨げられるような事態は、生じ難くなる。
尚、上記実施形態では、車両Aが「移動体」に相当し、透明ディスプレイ70が「透過表示器」に相当し、遮光ディスプレイ80が「遮光表示器」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、互いに同一形状の情報画像及び遮光画像が、表示面に沿って僅かに斜め方向にずらされた位置関係で表示される。その結果、遮光画像の輪郭の一部は、情報画像からはみ出すようにして、情報画像の輪郭よりも外側に位置する。こうした表示では、遮光画像が情報画像の影のようになるため、表示画像に立体感が付与される。
上記実施形態の変形例2では、遮光画像は、情報画像よりも僅かに大きな相似形状とされている。表示面を真正面から見たとき、遮光画像の全ての輪郭は、情報画像の輪郭よりも1〜数画素程度、外側に位置している。このような変形例2では、遮光ディスプレイに直射光が斜め方向に入射しても、遮光画像は、情報画像全体について、直射光の到達を低減し得る。以上によれば、直射光が車室内に入射する多くのシーンにおいて、表示画像全体のコントラストがさらに確保され易くなる。尚、正面から見て情報画像からはみ出す遮光画像の外縁の透過率は、情報画像に隠れる中間部分の透過率よりも高く設定されてよい。
上記実施形態の変形例3では、明所モード及び暗所モードの切り替えが実施されない。変形例3の表示装置は、例えば照度センサの検出結果を取得し、この検出結果に基づき、情報画像の表示輝度及び遮光画像の透過率の両方を制御する。その結果、上記実施形態と同様の効果を奏し、背面側の遮光ディスプレイに直射光が入射したとしても、情報画像の輝度が周囲の明るさに負けて、表示画像が見難くなる状態にはならない。
以上のように、光強度情報及び昼夜情報を取得する構成は、適宜変更されてよい。例えば、時間情報、地図情報、方位情報及び天気情報等により、光強度及び昼夜の推定が実施されてもよい。
上記実施形態の変形例4では、表示装置は、自動運転機能を非搭載の車両に設置されている。変形例4では、イグニッションがオフ状態とさ、車両が走行できない状態に限り、エンターテイメントモードへの切り替えが許可される。尚、エンターテイメントモードにおいて、一様な遮光状態とされる遮光ディスプレイの「全体」は、動画等の表示に使用される表示領域を示している。即ち、動画等の表示に用いられない表示領域の遮光画素は、透明なまま維持されてよい。
上記実施形態の変形例5では、表示モードの一つとして、エンターテイメントモードが用意されていない。また変形例6では、視点位置に応じて遮光画像の位置を補正する制御は、実施されない。さらに、変形例7では、透明ディスプレイの解像度が、遮光ディスプレイの解像度よりも高い。一方、変形例8では、遮光ディスプレイの解像度が、透明ディスプレイの解像度よりも高い。以上の変形例7,8のように、二つのディスプレイの各画素は、大きさ及び位置を完全に一致させていなくてもよい。
上記実施形態の変形例9では、表示装置は、運転席の前方ではなく、インスツルメントパネルの中央上面に配置され、センターメータ及びセンターディスプレイを兼ねた表示デバイスとして機能する。また変形例10では、表示装置は、電子ミラーシステムを構成する表示デイバスとして、左右のピラーの根本に配置される。以上のように、車室内における表示装置の設置位置、さらに設置数、サイズ、アスペクト比等は、適宜変更されてよい。
表示制御プログラム等を記憶するメモリ装置には、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。こうした記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、メモリカード等の形態であり、ドライバ回路を格納する筐体に設けられたスロット部に挿入されて、ドライバ回路に電気接続される構成であってよい。さらに記憶媒体は、上述のようなドライバ回路に内蔵される構成に限定されず、プログラムのコピー基となる光学ディスク及び汎用コンピュータのハードディスクドライブ等であってもよい。
表示制御プログラムを実行するドライバ回路は、映像生成装置等の他の車載ECUと一体的な構成であってよい。また上記実施形態にて、ドライバ回路により提供された各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。こうした機能がハードウェアである電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
上記実施形態の透明ディスプレイ及び遮光ディスプレイに相当する具体的な各構成は、適宜変更されてよい。さらに、表示装置を搭載する移動体は、車両以外の船舶、航空機、及び輸送機器等であってもよい。加えて、移動体の乗員は、移動体を操縦する運転者でなくてもよい。