以下、本発明の芝生清掃車のブラシ高さ調整構造の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のブラシ高さ調整構造の一実施例を備える芝生清掃車の一例を示す概略右側面図である。以下の説明では、本実施例のブラシ高さ調整構造1(図2)が適用される芝生清掃車2の前側が前方とされ、後側が後方とされる。すなわち、図1の紙面における左右方向が前後方向とされ、図1の紙面における垂直方向が左右方向とされる。
本実施例の芝生清掃車2は、清掃車本体3の前方に設けられた運転席4に作業者が座ってハンドル5を握り、芝生上を走行しつつ刈芝などの塵埃をブラシ部材6で掻き上げて清掃するものである。ブラシ部材6は、軸線が左右方向へ沿って配置される軸部材7と、軸部材7に設けられるブラシ8と、ブラシ8の軸部材7への支持部9とを有している。軸部材7は、軸線が左右方向へ沿って配置される丸棒状の軸部10と、ブラシ8や支持部9の保持部11とから構成される。保持部11は、略八角形の板状に形成されており、板面が軸部10の軸線と直交するように配置される。具体的には、保持部11は、複数枚が左右方向へ互いに離隔して配置され、それらの板面を軸部10が貫通した状態で、軸部10に固定される。ブラシ8は、直毛状とされ、略長方形の板状に形成された基材12の幅方向略中央部に長手方向へ配置される。支持部9は、長方形の板材が屈曲形成されたものであり、その縦断面が略J字形状に形成されている。
支持部9は、略八角形状で周囲に八面を有する各保持部11の一つおきの周面に内方へ凹んで形成された段部に、軸部方向である左右方向へ沿って固定される。この際、各支持部9は、外方へ開口するようにして段部に固定される。また、直毛状のブラシ8は、基材12に立設された状態で、その基材12が各支持部9内に固定されて、各支持部9に固定される。このようにして、略放射状に外方へ延出して軸部材7にブラシ8が設けられて、ブラシ部材6が構成される。
ブラシ部材6は、ブラシケース13に回転可能に設けられる。ブラシケース13は、中空状に形成されており、その中空部内にブラシ部材6が回転可能に配置される。本実施例のブラシケース13は、側面視略円形状で下方へ開口した中空ボックス状のケース本体部14と、左右方向を長手方向とする正面視略長方形状で上下方向へ開口した略角筒状の連通部15とを有している。ケース本体部14と連通部15とは、ケース本体部14の上部から連通部15が上方へ突出するようにして接続される。この際、ケース本体部14と連通部15とは、内部同士が互いに連通される。従って、ブラシケース13は、ブラシ部材6により掻き上げられた塵埃を内部へ導入する取入口16と、導入された塵埃を外部へ導出する排出口17とを有している。すなわち、ケース本体部14の下方への開口部が取入口16とされる一方、連通部15の上方への開口部が排出口17とされ、ブラシケース13の下方に取入口16が設けられ、ブラシケース13の上方に排出口17が設けられる。
ケース本体部14内には、ブラシ部材6が回転可能に設けられる。具体的には、ケース本体部14には、軸受が設けられ、この軸受を介してブラシ部材6の軸部10が回転可能に保持される。この際、ブラシ部材6は、その軸線が左右方向へ沿うようにして、ケース本体部14内に配置される。
ブラシケース13は、前後の車輪18,18間において、清掃車本体3の下方に設けられる。この際、ブラシケース13は、取入口16が下方へ開口すると共に、排出口17が上方へ開口するように設けられる。なお、ブラシケース13の前壁、左側壁および右側壁の下端部には、略矩形板状に形成されたゴム製のカバー部材19がボルトナットなどにより下方へ突出して設けられる。
ブラシ部材6およびブラシケース13の上方には、ホッパー20が配置される。ホッパー20は、中空ボックス状に形成されており、後面へ開口して中空部を有する略矩形ボックス状のホッパー本体21と、このホッパー本体21の開口部を開閉する扉22とを有している。扉22は、その上端部がホッパー本体21に左右方向へ沿って保持される軸まわりに回動可能に保持される。このホッパー20は、内部にブラシケース13の連通部15の上端部が差し込まれた差込状態と、内部からブラシケース13の連通部15の上端部が抜き出された抜出状態とに移動可能に、清掃車本体3に設けられる。本実施例では、ホッパー20は、その後端部が清掃車本体3に左右方向へ沿って保持される軸まわりに回動可能に保持される。これにより、ホッパー20は、前記差込状態と前記抜出状態とに移動可能とされている。
芝生清掃車2は、以上のような構成であるから、芝生上を前方へ走行しつつ、芝生を清掃することができる。芝生の清掃は、ブラシケース13内部に配置されたブラシ部材6を回転駆動させることでなされる。ここで、ブラシ部材6は、清掃車本体3に設けられる駆動手段であるエンジンにより回転させることができる。具体的には、エンジンのエンジンプーリと清掃車本体3に設けられる中間軸の中間軸プーリとに無端状のVベルトが巻き掛けられ、中間軸プーリとブラシ部材6の軸部10の右端部に設けられるブラシプーリとに無端状のVベルトが巻き掛けられている。
清掃時には、ホッパー20内にブラシケース13の連通部15の上端部が差し込まれた差込状態とされ、その状態において、エンジンからの動力によりブラシ部材6をその軸線まわりに図1における時計方向へ回転させる。これにより、芝生上の塵埃をブラシ部材6のブラシ8により掻き上げることができる。ブラシ8により掻き上げられた塵埃は、ブラシケース13の取入口16を介してブラシケース13内に導入された後、ブラシケース13の排出口17を介してホッパー20内に収容される。この際、芝生上の塵埃とブラシ8とが近すぎると芝生を傷付け、離れすぎると塵埃をブラシ8で掻き上げにくくなる。そのため、芝生清掃車2には、ブラシ部材6の高さを調整することができるブラシ高さ調整構造1が設けられている。
図2から図8は、図1の芝生清掃車が備えるブラシ高さ調整構造を示す概略図であり、図2は前方から見た状態を示す概略斜視図、図3は図2におけるA部拡大図、図4は図2におけるB部拡大図、図5は概略平面図、図6は図5におけるC部拡大図、図7は図5におけるD部拡大図、図8は後方から見た状態を示す概略一部拡大斜視図である。本実施例のブラシ高さ調整構造1は、前述したブラシケース13が設けられた芝生清掃車2のブラシケース13のブラシ高さ調整構造であって、ブラシケース13を上下動させる昇降手段23と、昇降手段23によりブラシケース13を下方へ移動させる際にブラシケース13が設定位置よりも下方へ移動するのを規制する規制手段24とを備える。ブラシケース13、昇降手段23および規制手段24は、清掃車本体3に設けられる。清掃車本体3は、平面視略矩形枠状の枠材25と、枠材25内に左右方向へ沿って適宜に配置される左右材26と、枠材25内に前後方向へ沿って適宜に配置される前後材27とを有している。
ブラシケース13は、前述したように中空状に形成されており、ケース本体部14の左右両端部に後方へ延出して中空状の延出部28が設けられる。ブラシケース13の後側において、枠材25の左側部分の下端部と右側部分の下端部との間を架け渡すように設けられる左右材26の左右両端部にはそれぞれ、一対の支持部材29,29が設けられる。一対の支持部材29,29は、略矩形板状で前後両端部および下端部が互いに離隔する方向へ折り曲げられており、板面を左右に向けて配置される。この際、一対の支持部材29,29は、左右方向へ互いに離隔した状態で、台部材30を介して左右材26に立設される。一対の支持部材29,29間には、その上端部同士を架け渡すようにして、軸部31がその軸線を左右方向へ沿って設けられる。前述した延出部28は、その先端部に軸部31が貫通した状態で、一対の支持部材29,29間に配置される。この際、延出部28は、軸部31まわりに回動可能とされる。これにより、ブラシケース13は、軸部31まわりに回動可能とされて、清掃車本体3に対して上下動自在とされる。
昇降手段23は、芝生清掃車2の運転席4から操作することができるものである。本実施例の昇降手段23は、清掃車本体3に軸受される軸部32と、軸部32に設けられる第一片33および第二片34と、軸部32をその軸線まわりに回転させる駆動手段35とを有している。
軸部32は、丸棒状に形成されており、左右方向へ沿って清掃車本体3に設けられる。本実施例では、軸部32は、その左右両端部がそれぞれ、支持部材36を介して左右材26に設けられる。左右材26は、ブラシケース13の前側において、枠材25の左側部分と右側部分との間を架け渡すように設けられる。支持部材36は、板状に形成されており、板面を左右に向けた状態で、左右材26の左右両端部に上方へ延出して固定される。左右の支持部材36,36には、軸部32の左右両端部がそれぞれ貫通して設けられる。この際、軸部32は、その軸線まわりに回動可能に支持部材36に設けられる。
また、軸部32は、その軸方向中途部が支持部材37を介して左右材26に支持される。左右材26は、前述した左右の支持部材36,36が設けられる左右材26であり、その左右方向中途部に支持部材37が設けられる。この支持部材37は、左右材26に設けられる第一部材38と、軸部32が通される第二部材39とを有している。
第一部材38は、正面視略L字形の板状に形成されており、一片40が左右材26に固定されて、他片41が板面を左右に向けた状態で上方へ延出している。第二部材39は、第一部材38への固定部42と、固定部42に設けられる筒部43とを有している。固定部42は、側面視略長方形の板状に形成されている。筒部43は、円筒状に形成されており、固定部42の後端部に貫通して設けられる。この際、筒部43は、軸方向が左右方向へ沿うようにして配置される。第二部材39は、固定部42が第一部材38の他片41の右面に重ね合わされた状態で、ボルトナットなどにより固定される。固定状態では、筒部43は、第一部材38よりも後側に配置されている。
左右材26に固定された支持部材37の筒部43に軸部32が通されることで、軸部32は、その軸方向中途部が左右材26に支持される。この際、軸部32は、その軸線まわりに回動可能とされている。このようにして、軸部32は、その軸線まわりに回動可能に、軸方向両端部と軸方向中途部とが左右材26に支持される。
第一片33および第二片34は、前後に細長い板状に形成されており、板面を左右に向けて配置される。本実施例では、第一片33および第二片34は、同一形状に形成されており、その周辺部材が左右対称に配置されるので、第二片34を中心に説明する。
第二片34は、前端部に軸部32の右端部が貫通した状態で軸部32の右端部に回動不能に固定されて、後方へ延出している。第二片34の後端部には、軸部44が貫通して固定されており、その軸部44は軸線が左右方向へ沿って配置されている。軸部44の第二片34の左側部分には、筒部材45が設けられる。筒部材45は、円筒状に形成されており、内部に軸部44が通された状態で軸部44に設けられる。この際、筒部材45は、その軸線まわりに回動可能とされる。一方、第一片33は、前端部に軸部32の左端部が貫通した状態で軸部32の左端部に回動不能に固定されて、後方へ延出している。第一片33の後端部には、軸部46が左右方向へ沿って貫通して固定されており、軸部46の第一片33の右側部分に、円筒状の筒部材45が回動可能に嵌め込まれる。
ブラシケース13の左右両側壁には、外方へ延出して載置部47が設けられる。載置部47は、下方へ開口する側面視略コ字形の板状に形成されている。ブラシケース13の左側壁の載置部47内には、第一片33に設けられた筒部材45が配置され、ブラシケース13の右側壁の載置部47内には、第二片34に設けられた筒部材45が配置される。このようにして、第一片33は、前端部が軸部32の左端部に固定されると共に後端部がブラシケース13の左側壁に設けられ、第二片34は、前端部が軸部32の右端部に固定されると共に後端部がブラシケース13の右側壁に設けられる。従って、ブラシケース13は、延出部28が軸部31に支持されると共に、載置部47が各片33,34に設けられた筒部材45に載せ置かれた状態となって支持される。
駆動手段35は、軸部32をその軸線まわりに回動させて第一片33および第二片34を回動させることで、ブラシケース13を上下動させる手段であって、本実施例ではシリンダとされる。シリンダ35は、一対の支持部材48,48に設けられる軸部49を介して、清掃車本体3に設けられる。一対の支持部材48,48は、板状に形成されており、板面を左右に向けた状態で、前述した支持部材36が固定された左右材26に前方へ延出して設けられる前後材27の前後方向中途部に設けられる。前後材27の前端部は、前述した支持部材36が固定された左右材26の前側において、枠材25の左側部分と右側部分とを架け渡すよう設けられる左右材26に設けられる。
一対の支持部材48,48は、上端部が前後材27から上方へ突出して、前後材27に左右に離隔して固定される。一対の支持部材48,48間には、上端部同士を架け渡すようにして、軸部49がその軸線を左右方向へ沿って設けられる。シリンダ35は、その基端部に軸部49が貫通した状態で、一対の支持部材48,48間に配置される。この際、シリンダ35は、軸部49まわりに回動可能とされる。なお、シリンダ35は、芝生清掃車2の前方の運転席4から操作可能な位置に設けられた操作部を操作することで、作業者が希望するように操作することができるものである。
シリンダ35のロッド50は、軸部32に固定される一対の固定部材51,51に係合される。一対の固定部材51,51は、側面視略扇形の板状とされ、周縁部に略円弧状のピン穴52が左右方向へ貫通して形成されている。一対の固定部材51,51は、左右方向へ互いに離隔して対面させた状態で、扇の要部分が軸部32に固定される。この際、一対の固定部材51,51は、扇の要部分に軸部32が貫通した状態で、軸部32に回動不能に固定される。シリンダ35のロッド50は、先端部のピン53の左右両端部がそれぞれ、左右の固定部材51,51のピン穴52,52に係合される。この際、ロッド50の先端部のピン53は、ピン穴52に沿って移動可能に係合される。なお、ピン穴52は、軸部32の軸線を中心とする円周上に沿う円弧状に形成されている。
規制手段24は、設定位置を設定するレバー54と、レバー54により設定された設定位置でブラシケース13を保持する保持機構55とを有している。レバー54は、上下方向へ沿って配置される円筒状とされ、上端部が右方へ傾斜して形成されている。保持機構55は、レバー54の操作により回動可能に清掃車本体3に設けられる軸部材56と、軸部材56に固定される第一固定片57と、昇降手段23の軸部32に固定される第二固定片58と、一端部が第一固定片57に設けられると共に他端部が第二固定片58に設けられるロッド59とを有している。
軸部材56は、円筒状に形成されており、一対の支持部材60,60に設けられる軸部61を介して、清掃車本体3に設けられる。一対の支持部材60,60は、板状に形成されており、シリンダ35の支持部材48が固定された前後材27の前端部が設けられる左右材26に設けられる。この際、一対の支持部材60,60は、板面を左右に向けると共に左右方向へ互いに離隔した状態で、後方へ延出するようにして左右材26に設けられる。一対の支持部材60,60間には、後端部同士を架け渡すようにして、軸部61がその軸線を左右方向へ沿って設けられる。軸部材56は、内部に軸部61が貫通した状態で、一対の支持部材60,60間に配置される。この際、軸部材56は、その軸線まわりに回動可能に、軸部61に設けられる。
また、軸部材56の上端部には、円筒状の筒材62がその軸線を前後方向へ沿って固定される。この筒材62には、レバー54の下端部に設けられる軸部63が通される。レバー54の下端部には、下方へ開口する側面視略コ字形の板状の軸取付部材64が設けられており、その軸取付部材64の開放両端部間を架け渡すようにして軸部63が設けられる。レバー54は、軸部63が軸部材56に固定された筒材62に通されることで、軸部材56に設けられる。これにより、レバー54を操作することで、軸部材56をその軸線まわりに回動することができる。また、レバー54は、筒材62まわりに回動することができる。
第一固定片57は、細長い板状に形成されており、板面を左右に向けて配置される。第一固定片57は、一端部に軸部材56が貫通した状態で、軸部材56に回動不能に固定される。固定状態では、第一固定片57の他端部は、外方へ突出している。突出した第一固定片57の他端部には、左方へ突出して軸部65が固定される。
第二固定片58は、昇降手段23の軸部32に固定される一対の板材からなる。具体的には、一対の第二固定片58,58は、側面視略扇形の板状とされ、周縁部に略円弧状のピン穴66が左右方向へ貫通して形成されている。一対の第二固定片58,58は、左右方向へ互いに離隔して対面させた状態で、扇の要部分が軸部32に固定される。この際、一対の第二固定片58,58は、扇の要部分に軸部32が貫通した状態で、軸部32に回動不能に固定される。なお、ピン穴66は、軸部32の軸線を中心とする円周上に沿う円弧状に形成されている。
ロッド59は、棒状に形成されており、一端部が第一固定片57に回動可能に設けられ、他端部が第二固定片58のピン穴66に係合される。ロッド59は、一端部に第一固定片57の軸部65が差し込まれて、軸部65により第一固定片57に保持される。ここで、ロッド59は、軸部65まわりに回動可能とされ、第一固定片57に回動可能に保持される。一方、ロッド59は、他端部のピン67の左右両端部がそれぞれ、左右の第二固定片58,58のピン穴66,66に係合される。この際、ロッド59の他端部のピン67は、ピン穴66に沿って移動可能に係合される。従って、レバー54を操作することで、軸部材56を回動してロッド59を前後方向へ移動させることができる。
規制手段24はさらに、レバー54が設定位置を設定した状態において保持される保持部68を有している。保持部68は、側面視略L字形の板状とされ、上下方向へ沿う一片部と、一片部の上端部に後方へ延出して設けられる他片部とを有し、一片部と他片部とが一体形成されてL字状に形成されている。保持部68の上端部には、レバー54の係合部69が係合可能な被係合部70が複数形成されている。本実施例では、レバー54の係合部69は、レバー54の上部に右方へ突出して設けられる突出部とされる。一方、保持部68の被係合部70は、突出部69が差込可能な貫通穴とされる。ここで、複数(図示例では13個)の貫通穴70は、円弧状に配列されて形成されている。保持部68の上下方向略中央部には、側面視略円弧状の貫通穴71が左右方向へ貫通して形成されている。なお、保持部68は、前後両端部が左方へ折り曲げられて形成されている。
保持部68は、板面を左右に向けた状態で、軸部材56の一対の支持部材60,60が固定される左右材26から前方へ延出して設けられる前後材27に立設される。この前後材27の前端部は、軸部材56が設けられる左右材26と枠材25の前側部分とを架け渡す前後材27と、枠材25の左側部分とを架け渡す左右材26に設けられる。前後材27には、平面視略L字形の板材72が設けられており、この板材72に保持部68の前側下端部の角部が重ね合わされた状態で、ボルトナットなどにより、保持部68の下端部が板材72に固定される。このようにして保持部68が前後材27に立設された状態では、保持部68は、レバー54の右側に配置される。ここで、保持部68およびレバー54は、芝生清掃車2の運転席4の近傍に配置される。すなわち、レバー54は、運転席4から操作可能な位置に配置されて、運転席4から操作可能とされる。なお、本実施例では、保持部68に形成された複数の貫通穴70は、軸部61の軸線を中心とする円周上に沿って配列され、保持部68に形成された円弧状の貫通穴71は、軸部61の軸線を中心とする円周上に沿う円弧状に形成されている。
保持部68には、前述したように、レバー54が係合される。すなわち、レバー54は、その上部の突出部69が、保持部68に形成された複数の貫通穴70の内、適宜の貫通穴70に左方から差し込まれる。レバー54には、平面視略L字形の板材73が設けられる。この板材73は、一片74がレバー54の前端部に固定される。この際、板材73の他片75は、板面を左右に向けて、一片74の右端部から前方へ延出して配置される。板材73の他片75には、左右方向へ貫通してネジ穴76が形成されている。このネジ穴76には、保持部68に側面視略円弧状に形成された貫通穴71を介して、ボルト77がねじ込まれる。なお、本実施例では、レバー54を筒材62まわりに保持部68側へ回動する方向へ付勢する付勢手段78が配置される。付勢手段78は、たとえば、コイルバネとされ、一端部がレバー54に右方へ突出して設けられた平面視略U字形の取付部79に取り付けられ、他端部が第一固定片57の上端部に取り付けられる。
次に、本実施例のブラシ高さ調整構造1を用いてブラシ部材6の高さを調整する場合について説明する。図9および図10は、本実施例のブラシ高さ調整構造の一部を省略した概略右側面図であり、ある設定位置にブラシ部材を調整する状態を時系列に示している。また、図11および図12は、本実施例のブラシ高さ調整構造の一部を省略した概略右側面図であり、図9および図10とは異なる設定位置にブラシ部材を調整する状態を時系列に示している。
図9および図10に示されるように、まず、ブラシ部材6が設けられたブラシケース13を上方へ移動させる。これは、運転席4から操作部を操作して、シリンダ35を作動させることでなされる。具体的には、シリンダ35のロッド50先端部のピン53を一対の固定部材51,51のピン穴52,52の周方向一端部に接触させた状態で、シリンダ35のロッド50を縮めて、軸部32をその軸線まわりに図9および図10における反時計方向へ回動させる。この軸部32の回動に伴って、第一片33および第二片34が図9および図10における反時計方向へ回動される。これにより、第一片33に設けられた筒部材45によってブラシケース13の左側壁に設けられた載置部47が上方へ押し上げられると共に、第二片34に設けられた筒部材45によってブラシケース13の右側壁に設けられた載置部47が上方へ押し上げられる。従って、ブラシケース13は、軸部31まわりに図9および図10における時計方向へ回動して、上方へ移動される。この際、第一片33および第二片34の筒部材45は、ブラシケース13が上方へ移動する前の位置から、載置部47の前側へ回転しつつ移動される。
そして、規制手段24により設定位置が設定される。この設定位置の設定は、レバー54を操作することでなされる。具体的には、ボルト77を緩めた状態で、レバー54を筒材62まわりに保持部68から離れる方向へコイルバネ78の付勢力に対抗して回動させ、その状態でレバー54を軸部61まわりに回動させ、適宜の位置でレバー54を保持部68側へ回動させて突出部69が貫通穴70に差し込まれる。本実施例では、レバー54の突出部69は、保持部68に形成された複数の貫通穴70の内、最も後側に配置される貫通穴70に差し込まれる。レバー54の突出部69が貫通穴70に差し込まれた後、ボルト77が締め付けられる。本実施例では、レバー54およびそれが設けられる保持機構55は、前述した構成であるので、レバー54を操作することで保持機構55のロッド59の位置決めがなされて、設定位置を設定することができる。ここでは、設定位置の設定は、ブラシケース13を上方へ移動させた後に行われたが、ブラシケース13を上方へ移動させる前に行ってもよい。
規制手段24による設定位置の設定後、シリンダ35のロッド50を伸ばして、軸部32をその軸線まわりに図9および図10における時計方向へ回動させる。この軸部32の回動に伴って、第一片33および第二片34が図9および図10における時計方向へ回動される。これにより、第一片33の筒部材45にブラシケース13の左側壁の載置部47が載せ置かれた状態、かつ第二片34の筒部材45にブラシケース13の右側壁の載置部47が載せ置かれた状態で、ブラシケース13が軸部31まわりに図9および図10における反時計方向へ回動して、ブラシケース13を下方へ移動することができる。この際、第一片33および第二片34の筒部材45は、ブラシケース13が下方へ移動する前の位置から、載置部47の後側へ回転しつつ移動される。
ブラシケース13が下方へ移動する方向へ軸部32が回動することで、軸部32に固定された一対の第二固定片58,58は、図9および図10における時計方向へ回動される。一対の第二固定片58,58が回動していくと、やがて、ロッド59の先端部のピン67が第二固定片58に形成されたピン穴66の周方向一端部に接触される。これにより、軸部32の時計方向への回動が規制され、保持機構55によってブラシケース13を設定位置で保持することができる。すなわち、第一片33および第二片34の筒部材45に載置部47が載せ置かれて、ブラシケース13の自重によりブラシケース13が静止される。
次に、上記とは設定位置を変更した場合について説明する。図11および図12に示されるように、まず、ブラシケース13が上方へ移動される。これは、上記の場合と同様にして、シリンダ35を操作することでなされる。ブラシケース13が上方へ移動された後、規制手段24により設定位置が設定される。この設定位置の設定は、上記と同様にしてなされる。但し、ここでは、レバー54の突出部69は、保持部68に形成された複数の貫通穴70の内、最も前側に配置される貫通穴70に差し込まれる。すなわち、ロッド59の位置は、上記の場合と比較して、後方に配置される。そして、設定位置の設定後、上記と同様にシリンダ35を操作して、ブラシケース13を下方へ移動させる。ブラシケース13を下方へ移動させていくと、ロッド59のピン67が第二固定片58のピン穴66の周方向一端部に接触され、軸部32の回動が規制される。これにより、保持機構55によってブラシケース13を設定位置で保持することができる。ここでは、前述したようにロッド59の位置が図9および図10の場合と異なるので、図9および図10の場合と比較して、ブラシケース13の位置は下方に配置される。すなわち、設定位置は、図9および図10の場合と比較して、下方に設定される。従って、レバー54の突出部69が差し込まれる貫通穴70を前側にするにつれて、ブラシケース13の設定位置は下方になる。
本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、運転席4から昇降手段23を操作してブラシケース13を下方へ移動させる。このブラシケース13の下方への移動の際に、運転席4からレバー54を操作して設定された設定位置よりもブラシケース13が下方へ移動するのが規制され、設定位置でブラシケース13が保持される。従って、運転席4に座った状態でブラシ部材6の高さを調整することができ、作業性を向上することができる。また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、昇降手段23は、第一片33および第二片34が固定された軸部32をシリンダ35によって回動させる構成であるので、簡易な構成とすることができる。
また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、保持機構55は、昇降手段23の軸部32の回動を規制することで、設定位置でブラシケース13を保持するものとされる。従って、規制手段24を簡易な構成とすることができ、容易にブラシケース13の下方への移動を規制することができる。また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、保持機構55は、軸部32が回動した際にロッド59のピン67が第二固定片58のピン穴66の周方向一端部に接触することで、軸部32の回動を規制することができる構成とされる。従って、規制手段24をより簡易な機械的機構とすることができる。
また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、規制手段24のレバー54を保持部68に保持することができるので、レバー54が不意に動くのを防止することができる。また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、レバー54の係合部69が係合する被係合部70を変更することで、設定位置を変更することができる。また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、レバー54の係合部69が突出部とされ、保持部68の被係合部70が貫通穴とされているので、簡易な構成とすることができ、設定位置を容易に変更することができる。
また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、ボルト77が保持部68に形成された側面視略円弧状の貫通穴71を介して板材73のネジ穴76にねじ込まれるので、レバー54が保持部68から不意に外れるのを防止することができる。また、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、コイルバネ78が設けられるので、レバー54の突出部69を保持部68の貫通穴70に容易に差し込むことができる。さらに、本実施例のブラシ高さ調整構造1の場合、第一片33および第二片34の筒部材45に載置部47が載せ置かれた状態で、ブラシケース13が設定位置で保持される。従って、清掃時において、石などの障害物にブラシケース13が接触して、ブラシケース13が上方へ突き上げられても、ブラシケース13を上方へ逃がすことができ、ブラシケース13の破損を防止することができる。
なお、本発明のブラシ高さ調整構造は、前記実施例の構成に限らず、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る芝生清掃車のブラシ高さ調整構造は、中空状の内部で回転駆動するブラシ部材によって塵埃を掻き上げて下方に設けた取入口から内部に取り入れてから上方に設けた排出口から排出するブラシケースを上下動自在に清掃車本体の下方に設けた芝生清掃車の当該ブラシケースのブラシ高さ調整構造であって、前記芝生清掃車の運転席から操作可能な前記ブラシケースを上下動させる昇降手段と、前記昇降手段により前記ブラシケースを下方へ移動させる際に前記ブラシケースが設定位置よりも下方へ移動するのを規制する手段として、前記運転席から操作可能で前記設定位置を設定するレバーと、前記レバーにより設定された前記設定位置で前記ブラシケースを保持する保持機構と、を有する規制手段とを備え、前記昇降手段は、前記清掃車本体に軸受される軸部と、前記軸部の軸方向一端部に一端部が固定されると共に他端部が前記ブラシケースの一方の側壁に設けられる第一片と、前記軸部の軸方向他端部に一端部が固定されると共に他端部が前記ブラシケースの他方の側壁に設けられる第二片と、前記軸部をその軸線まわりに回動させる駆動手段とを有し、前記保持機構は、前記ブラシケースが下方へ移動する方向への前記軸部の回動を規制することで、前記設定位置で前記ブラシケースを保持することを特徴とする。