JP2020092982A - 生体磁場計測装置、生体磁場計測方法 - Google Patents

生体磁場計測装置、生体磁場計測方法 Download PDF

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Toshihiro Ishii
稔浩 石井
義浩 大場
Yoshihiro Oba
義浩 大場
逢坂 敬信
Takanobu Osaka
敬信 逢坂
三船 博庸
Hiroyasu Mifune
博庸 三船
悠貴 三谷
Yuki Mitani
悠貴 三谷
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Abstract

【課題】光ポンピング原子磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、筋磁場の検出精度を向上する。【解決手段】生体磁場計測装置において、磁場シールドボックス110内には、センサモジュール510、カメラ511、MIセンサ512、コイル513、保持部514が備えられている。センサモジュールは、常温磁気センサである光ホッピング原子磁気センサと位置センサとを内蔵している。また、センサモジュールは、磁場を検出した際の位置を、内蔵する位置センサが検出する。更に、センサモジュールは、検出した磁場データ及び位置データを、情報処理装置160の信号処理部560に送信する。【選択図】図4

Description

本発明は、生体磁場計測装置、生体磁場計測方法に関する。
筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)や筋ジストロフィーを診断するには、針筋電計は不可欠な診断装置である。しかし、従来から行われてきた針筋電計を用いる方法では、被検者の筋肉に電極となる針を刺すことが不可避で、それによる痛みが伴う。そこで、針を不要とした様々な方法が検討されている。
針を不要とした方法の一例としては、表面電極を用いる方法が考えられるが、一般的には空間分解能が悪く、複数の運動単位からの電位を計測してしまうため、利用できない。針を不要とした方法の他の例としては、光ポンピング原子磁気センサ(OPM:Optically Pumped atomic Magnetometer)を用いて、生体の磁場を検出する手法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、OPMは、内部のガスセルに封止されているアルカリ金属(RbやCs)の緩和時間T1とT2によって決まる応答速度から、200Hz程度が高速応答の限界とされている。
一方、筋肉が発生させる磁場(筋磁場)の周波数は500Hz程度であるため、約10msecの筋磁場波形を検出する必要がある。OPMの応答速度では、約10msecの筋磁場波形を精度よく検出するには不十分である。応答速度を向上させないと、ALSの多相波形や、筋ジストロフィーのスパイキーで振幅の小さい波形を精度よく計測することができず、正確な診断に繋がらない。
このように、従来は、光ポンピング原子磁気センサを用いて筋磁場を十分な精度で検出することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光ポンピング原子磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、筋磁場の検出精度を向上することを目的とする。
本生体磁場計測装置は、生体の部位の磁場を計測する生体磁場計測装置であって、前記部位の計測位置に、光ポンピング原子磁気センサを備えたセンサモジュールが複数個配置されている。
開示の技術によれば、光ポンピング原子磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、筋磁場の検出精度を向上することができる。
生体磁場計測装置の外観構成を例示する図である。 骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図(その1)である。 骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図(その2)である。 生体磁場計測装置のシステム構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。 遮蔽部材の内部に手のひらをセットした様子を例示する図である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その1)である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その2)である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その3)である。 保持部の詳細構成を例示する図である。 光ポンピング原子磁気センサの概略構成を示す図である。 筋繊維の電位伝播方向とセンサモジュールの光伝播方向について説明する図である。 保持部におけるセンサモジュールの配置例を示す図である。 可撓性フィルムの磁場シールド特性を例示する図である。 開閉機構部の機能を説明するための図(その1)である。 開閉機構部の機能を説明するための図(その2)である。 ヒトの筋肉の種類について説明する図である。 骨格筋の一例である短母指外転筋を模式的に示す図である。 針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その1)である。 針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その2)である。 一般的なセンサモジュールの応答速度について検討する図である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その1)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その2)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その3)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その4)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その5)である。 2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図(その1)である。 2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図(その2)である。 3つのセンサモジュールの配置の例を示す図である。 具体的な深さ方向の定量化方法を例示する図である。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 情報処理装置の機能構成の詳細を例示する図である。 電気刺激を与える位置と、磁場を検出する位置との位置関係を例示する図である。 骨格筋の筋磁場に基づいた診断をする場合の作業フローを例示する図である。 位置合わせの流れを例示するフローチャートである。 位置合わせについて説明する図である。 磁場検出処理の流れを例示するフローチャートである。 データ解析の流れを例示するフローチャートである。 波形のパターン認識について説明する図(その1)である。 波形のパターン認識について説明する図(その2)である。 波形のパターン認識について説明する図(その3)である。 波形のパターン認識について説明する図(その4)である。 第2実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。 保持部の詳細構成を例示する図である。 保持部におけるセンサモジュールの配置例を説明するための図である。 クロストークの一例を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。 第3実施形態に係る補助部材について説明する図である。 第4実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
<生体磁場計測装置の外観構成>
まず、第1実施形態に係る生体磁場計測装置の外観構成について説明する。図1は、生体磁場計測装置の外観構成を例示する図である。図1に示すように、生体磁場計測装置100は、磁場シールドボックス110と、超音波計測装置120と、発生部130aと入力端130bとを含む電気刺激装置130と、電流発生装置140と、音声発生装置150と、情報処理装置160とを有する。但し、超音波計測装置120、電気刺激装置130、及び音声発生装置150は、生体磁場計測装置100の必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けることができる。
なお、以下では、被検者の四肢の一部である『手の骨格筋』、より具体的には『手の短母指外転筋』を生体磁場計測装置100の計測対象とする例を中心に説明する。但し、これは一例を示すものであり、生体磁場計測装置100の計測対象は『手の骨格筋』には限定されない。生体磁場計測装置100の計測対象は、脚部や頭部等であってもよい。
磁場シールドボックス110は、被検者において発生する磁場を検出する装置である。磁場シールドボックス110は、被検者の腕が挿入され、所定の位置に手がセットされた状態で、手において発生する磁場を検出し、磁場データ(各時間における磁束密度のデータ群)を情報処理装置160に送信する。
なお、第1実施形態では、図1に示す磁場シールドボックス110に対して、長手方向をX軸方向、奥行き方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。
超音波計測装置120は、超音波を送受信することで、手の脂肪の厚さ等を計測する装置である。超音波計測装置120では、計測した超音波データを、情報処理装置160に送信する。
なお、超音波計測装置120による計測は、例えば手の短母指外転筋の表層にある脂肪が、どの程度の厚みがあるかを定量化するために利用される。超音波計測装置120は、脂肪の位置と深さを3次元的に計測することができる。但し、脂肪の厚さは、被検者の体格や体重等からも類推できるので、超音波計測装置120による計測は必要に応じて行えばよい。
電気刺激装置130は、磁場シールドボックス110に、被検者の腕が挿入され、所定の位置に手がセットされた状態で、被検者の所定の部位に電気刺激を与える装置である。電気刺激装置130としては、例えば、日本光電製の「筋電図・誘発電位検査装置MEB9400シリーズ ニューロパックS1」等を用いることができる。
電気刺激装置130の発生部130aは、情報処理装置160からの指示に基づき、入力端130bの電極に印加する電圧を発生する。電気刺激装置130の発生部130aは、被検者の所定の部位に装着され、装着された部位に電圧を印加することで電気刺激を与える。
情報処理装置160は、超音波計測装置120から送信された超音波データを処理し、手の所定部分の脂肪の厚さを算出することができる。また、情報処理装置160は、所定のタイミングで電気刺激装置130に指示を送信し、電気刺激装置130を駆動させることができる。
また、情報処理装置160は、磁場シールドボックス110内の各部を駆動させるための指示を、磁場シールドボックス110に対して送信する。また、情報処理装置160は、磁場シールドボックス110から送信された磁場データを受信する。更に、情報処理装置160は、手の脂肪のデータと、受信した磁場データとを用いて、手の骨格筋の筋磁場を算出し、筋磁場の波形や、波形から算出した数値データを表示する。
生体磁場計測装置100は、被検者の骨格筋の自発筋磁場を算出し、筋磁場の波形や波形から算出した数値データを表示することができる。また、生体磁場計測装置100は、被検者に電気刺激を与えた際に誘発する被検者の骨格筋の筋磁場(誘発筋磁場)を算出し、筋磁場の波形や波形から算出した数値データを表示することができる。これらにより、生体磁場計測装置100を用いることで、医師等はALSや筋ジストロフィーの診断を適切に行うことができる。
例えば、ALSは手の筋肉にその障害の予兆が現れやすい。そこで、生体磁場計測装置100を用いて、例えば手の「短母指外転筋」の自発筋磁場または誘発筋磁場を検出することで、医師等はALSの進行度合いを推測することができる。
<骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れ>
次に、生体磁場計測装置100を用いて、手の骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れについて説明する。図2及び図3は、骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図である。本実施形態では、短母指外転筋の磁場を検出する例を示す。
図2は、医師等が、超音波計測装置120を用いて、被検者200の手の脂肪の厚さを計測した様子を示している。図2に示すように、被検者200の手を超音波計測装置120を用いて計測することで、情報処理装置160では、被検者200の手の短母指外転筋の部分の脂肪の厚さを算出する。
図3(a)は、医師等が、被検者200に対して、磁場シールドボックス110に腕を挿入するように誘導し、手のひらを磁場シールドボックス110内の所定の位置にセットさせた様子を示している。
更に、図3(a)は、医師等が情報処理装置160を操作し、磁場シールドボックス110内に配されたカメラ(不図示)が、手のひらを撮影した様子を示している。図3(a)に示すように、被検者200の手のひらを撮影することで、情報処理装置160では画像データ310を表示する。
図3(b)は、医師等が、被検者200の肘部(被検体である手のひらとは異なる部位)に、入力端130bを装着した様子を示している。入力端130bを装着した状態で、医師等が情報処理装置160を操作することで、発生部130aが駆動し、被検者200に電気刺激を与える。これにより、磁場シールドボックス110では、手の短母指外転筋において発生する誘発筋磁場を検出し、磁場データを情報処理装置160に送信する。なお、肘部の正中神経を刺激することで、短母指外転筋を効率的に誘発することができる。
一方、自発筋磁場を検出する場合は、医師等が、被検者200を促し、弱圧縮動作を行ってもらう。この場合、電気刺激は与えないため、図3(b)において入力端130bを装着する必要はない。磁場シールドボックス110は、弱圧縮動作に伴って手の短母指外転筋において発生する自発筋磁場を検出し、磁場データを情報処理装置160に送信する。
なお、生体磁場計測装置100が自発筋磁場のみを検出する場合には、生体磁場計測装置100は電気刺激装置130を有していなくても構わない。
誘発筋磁場の検出、自発筋磁場の検出の何れの場合も、情報処理装置160は、手の脂肪の厚さと磁場データとを用いて、手の短母指外転筋の筋磁場の波形データ320を生成し情報処理装置160に表示する。情報処理装置160は、筋磁場の波形データ320から算出した数値データを、波形データ320と共に、或いは波形データ320に代えて表示してもよい。
磁場シールドボックス110による筋磁場の検出と、情報処理装置160による波形データ320等の生成及び表示は、所定時間継続される。医師等は、波形データ320や波形データ320から算出した数値データをモニタすることで、被検者200のALSや筋ジストロフィーの診断を適切に行うことができる。
<生体磁場計測装置のシステム構成>
次に、生体磁場計測装置100のシステム構成について説明する。図4は、生体磁場計測装置のシステム構成の一例を示す図である。
図4に示すように、第1実施形態に係る生体磁場計測装置100において、磁場シールドボックス110内には、センサモジュール510、カメラ511、MIセンサ512、コイル513、保持部514が備えられている。
センサモジュール510は、常温磁気センサである光ホッピング原子磁気センサと位置センサとを内蔵している。そして、センサモジュール510は、所定の位置にセットされた手の短母指外転筋に対して、先端を押圧して接触させた状態で、手のひらにおいて発生する磁場(短母指外転筋の筋磁場)を検出する。センサモジュール510で計測する磁場は、自発筋磁場であってもよいし、誘発による生体磁場であってもよい。
また、センサモジュール510は、磁場を検出した際の位置を、内蔵する位置センサが検出する。更に、センサモジュール510は、検出した磁場データ及び位置データを、情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
なお、図4では、センサモジュール510を1個のみ示しているが、Y軸方向には複数個のセンサモジュールが配列されている。
カメラ511は、所定の位置にセットされた手のひらを撮影し、画像データを情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
MIセンサ512は、磁気インピーダンス素子(Magneto-Impedance element)を利用した固体磁気センサであり、磁場シールドボックス110内の磁場を計測する。MIセンサ512は、感度がサブnTであり、応答速度は1kHz以上、大きさは数cm程度である。MIセンサ512としては、例えば、MI−CB−1DH(Aich Micro Intelligent Corporation)を用いることができる。MIセンサ512は、計測した内部磁場データを、情報処理装置160の制御部562に送信する。
コイル513には、電流発生装置140の電流発生部540により、MIセンサ512の計測値に基づいて決定された電流が供給される。言い換えれば、電流発生部540は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて、情報処理装置160の制御部562において算出された電流値を取得し、取得した電流値に基づきコイル513に流れる電流を制御する。これにより、磁場シールドボックス110の内部の磁場を低減し、筋磁場を検出可能な磁場を磁場シールドボックス110の内部に形成することができる。
保持部514は、センサモジュール510を保持する部材である。なお、保持部514は、所定の位置にセットされた手のひらに対して、センサモジュール510の先端が押圧して接触するようにセンサモジュール510を保持する。
また、保持部514は所定方向に移動できるように取り付けられている。これにより、センサモジュール510と被検者200の計測部位とを容易に適切な位置に位置合わせすることができる。
また、図4に示すように、超音波計測装置120は、超音波測定部520を有する。超音波測定部520は、医師等から超音波計測開始の指示が入力されると、計測を開始し、超音波データを情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
また、図4に示すように、発生部130aは、電気刺激制御部530を有する。電気刺激制御部530は、情報処理装置160の制御部562からの指示に基づき、入力端130bに配された電極に印加する電圧を発生する。
また、図4に示すように、電流発生装置140は、電流発生部540を有する。電流発生部540は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて、情報処理装置160の制御部562において算出された電流値を取得し、取得した電流値に基づきコイル513に流れる電流を制御する。
また、図4に示すように、音声発生装置150は、音声発生部550を有する。音声発生部550は、情報処理装置160の制御部562からの指示に基づき、音声を発生する。
また、図4に示すように、情報処理装置160は、信号処理部560、データ格納部561、制御部562、及び表示制御部563を有する。
信号処理部560は、超音波測定部520から送信された超音波データに基づいて、被検者200の手の脂肪の厚さを算出し、データ格納部561に格納する。また、信号処理部560は、カメラ511から送信された画像データを、データ格納部561に格納する。更に、信号処理部560は、データ格納部561に格納された手の脂肪の厚さと、センサモジュール510から送信された磁場データ及び位置データとを用いて、手の短母指外転筋の筋磁場の波形データを生成し、波形データをデータ格納部561に格納する。
制御部562は、医師等により入力された撮影指示を、表示制御部563を介して受信し、カメラ511に対して指示を送信する。また、制御部562は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて電流値を算出し、電流発生部540に送信する。また、制御部562は、医師等により入力された磁場計測開始の指示を、表示制御部563を介して受信し、電気刺激制御部530及び電流発生部540に対して指示を送信する。
表示制御部563は、医師等により磁場計測開始の指示が入力されると、制御部562に通知する。また、表示制御部563は、磁場計測開始の指示が通知されたことに応じてデータ格納部561に格納された波形データを表示する。
<磁場シールドボックス110の内部構成>
次に、磁場シールドボックス110の内部構成について説明する。図5は、第1実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。図5に示すように、磁場シールドボックス110は、外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材600により覆われている。
遮蔽部材600は、例えば、パーマロイの平板(厚さ2mm程度)を折り曲げ加工して形成することができる。この際、遮蔽部材600の内部の残留磁場を、筋磁場を計測できる程度まで低減するために、遮蔽部材600に用いられるパーマロイは、複数層構造(例えば、3層構造)とすることが好ましい。遮蔽部材600の内部の残留磁場は、50[nT]以下とすることができる。
遮蔽部材600において、センサモジュール510やMIセンサ512の配線の通る穴、及び後述の開口部601以外は、磁場が漏れないように、パーマロイの板材を例えば溶接で張り合わせることができる。
磁場シールドボックス110の内部空間は、腕を挿入して手のひらがセットされる第1の空間610と、センサモジュール510を保持する保持部514が配される第2の空間630とに分けられている。
また、第1の空間610と第2の空間630との間には、境界部材620が設けられている。境界部材620は、例えば、パーマロイにより形成される。
境界部材620は、開口部601から少なくとも計測位置までの間に配置された、開口部601から挿入される生体を支持する支持体である。支持体となる境界部材620は、磁場の発生部位から距離が近いことから、生体と直接接することで非常に効果的にノイズ磁場(アーチファクト)を吸収できる。また、境界部材620を設けることで、第2の空間630内で反射拡散する電磁場を除去することが可能となり、第1の空間610内のノイズを低減できる。
図5に示すように、第1の空間610には、複数のコイル513が配される。また、第1の空間610には、MIセンサ512が配される。また、第1の空間610には、被検者200が第1の空間610内に腕を挿入するための開口部(図5において不図示)が設けられており、開口部の周辺には、開閉機構部602が配されている。
一方、第2の空間630には、カメラ511、コイル513、保持部514が配される。センサモジュール510を搭載する保持部514は、レバー515によって移動機構516に接続されている。移動機構516は、保持部514をレバー515の回転方向によるチルト方向(θ)と、レバー515の抜き差しによる前後方向(X軸方向)へ移動できるように構成されている。
境界部材620は、例えば、パーマロイにより構成される。また、境界部材620の中央位置付近には、開口部が設けられており、開口部には、可撓性フィルム621が固定されている。可撓性フィルム621が固定された開口部は、第1の空間610内において手のひらがセットされる位置であり、保持部514に保持されたセンサモジュール510の先端は、可撓性フィルム621を介して、第1の空間610内にセットされた手のひらに接触する。
可撓性フィルム621は、保持部514内のセンサモジュール510によって押圧されることで、被検体の表面形状に沿って変形する。また、可撓性フィルム621は、保持部514がX軸方向に動作することで、センサモジュール510の先端が、可撓性フィルム621を介して被検体に接触しながら滑らかに移動できるよう、滑動性の高いテフロン(登録商標)フィルム等で構成される。或いは、可撓性フィルム621は、アモルファス金属の箔の表裏がPETフィルムによって加工された磁場シールドフィルム(アモルファス金属の箔を挟み込んだ磁場シールドフィルム)等で構成されてもよい。可撓性フィルム621として、例えば、光洋産業株式会社性のKOYOMSシートを用いることができる。
<遮蔽部材の内部に被検体をセットする例>
次に、遮蔽部材600の内部に手のひらをセットした場合の、各部との位置関係について説明する。図6は、遮蔽部材の内部に手のひらをセットした様子を例示する図である。図6に示すように、被検者200は、第1の空間610に設けられた開口部から腕を挿入することで、手のひら220を、可撓性フィルム621が固定された位置にセットする。
後述するように、手のひら220がセットされた状態で、開口部の周辺に設けられた開閉機構部602が閉状態となるため、第1の空間610は密閉される。このように、遮蔽部材600は、内部に、被検者200の手のひら220をセット可能(保持可能)に構成されている。また、手のひら220がセットされた状態で、カメラ511は、手のひら220を撮影することができる。更に、手のひら220がセットされた状態で、保持部514がX軸方向に駆動することで、保持部514内のセンサモジュール510は、手のひら220のX軸方向の各位置で、手のひら220において発生した磁場を検出することができる。
なお、図7に示すように、遮蔽部材600は、被検者200の腕210を挿入可能な細長い形状としてもよい。また、図7は、被検者200が座った状態で遮蔽部材600の開口部601から腕210を挿入する例であるが、図8及び図9に示すように、被検者200が仰向けの状態で遮蔽部材600の開口部601から腕210を挿入してもよい。
<保持部の詳細構成>
次に、保持部514の詳細構成について説明する。図10は、保持部の詳細構成を例示する図である。図10に示すように、保持部514において、センサモジュール510は、弾性部材801(例えば、ばね)を介して、支持台802に支持されている。また、支持台802は、保持部514に固定されている。
このように、弾性部材801を介して支持されることで、センサモジュール510の先端を、手のひら220に対して、押圧して接触させることができる。
なお、上述した通り、センサモジュール510は、光ポンピング原子磁気センサ及び位置センサを内蔵しており、保持部514内においてY軸方向に複数配列されている。
<光ポンピング原子磁気センサの概略構成>
次に、センサモジュール510に内蔵された光ポンピング原子磁気センサの概略構成について説明する。図11は、光ポンピング原子磁気センサの概略構成を示す図である。図11に示すように、光ポンピング原子磁気センサは、ルビジウム原子のガスセルに、レーザビームを入射し、ガスセルを透過したレーザビームを、光検出器で検出する。ガスセルを透過するレーザビームは、Y軸方向またはZ軸方向に発生した磁場の大きさに応じて、吸収されるため、Y軸方向またはZ軸方向に磁場が発生すると、光検出器で検出されるレーザビームの強度は低下する。
このため磁場が発生していない状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度と、磁場が発生している状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度とを対比することで、磁場の大きさを算出することができる。なお、ガスセルの周囲には、コイルが巻かれており、適切な交流電流が印加される。
このように、光ポンピング原子磁気センサは、レーザビームの入射方向(光伝播方向)と略直交する方向の磁場を検出することができる。本実施形態では、レーザビームの入射方向と略平行な方向を、X軸方向とし、レーザビームの入射方向と略直交する方向を、それぞれ、Y軸方向、Z軸方向とおく。
ガスセルは、例えば、筐体表面から約6mmの位置に配置されており、この箇所の磁場を検出する。以下、ガスセルと記した場合、検出位置としての意味合いを持つ。
例えば、短母指外転筋の筋繊維の方向に筋電位が伝播する。その方向を電位伝播方向と定義できる。図12に示すように、短母指外転筋250の筋繊維の電位伝播方向P(筋繊維の方向)と、センサモジュール510の光伝播方向(X軸方向)とを略平行にすることにより、磁場計測を高精度に行うことができる。
また、筋肉の筋繊維方向と、センサモジュール510の光伝播方向とを略平行とすることで、後述のように、発火した筋繊維の深さを定量化することが可能となる。深さが判ることで、センサモジュール510のガスセルと発火位置(皮膚表面からの深さ)との相対距離がわかり、ビオサバールの式より、振幅(磁場強度)を補正することができる。この補正により振幅の情報が正確となるため、ALSの「高振幅電位(ジャイアントMUP)」や筋ジストロフィーの弱い運動単位波形を判断することが可能となる。
<保持部におけるセンサモジュールの配置例>
図13は、保持部におけるセンサモジュールの配置例を示す図である。図13の例では、Y軸方向に沿ってセンサモジュール510_1、510_2、及び510_3を並列に並べている。図13において、手のひら220が所定の位置にセットされた状態において、手のひら220の筋繊維255は、YZ平面に略直交するX軸方向に走行する。
筋繊維方向(X軸方向)に伝播する電位は、電流と同様に理解することができ、その回転方向に磁場が発生する。例えば、筋繊維255に、紙面手前から奥に向かって電流が流れると、YZ平面には、矢印Mの方向の磁場が発生する。この結果、ガスセル1021_1〜1021_3の位置には、矢印V1〜V3で示すようなベクトルの方向が異なる磁場が発生することになる。このように、センサモジュールを1箇所置くよりも、複数個配置してY方向の磁場及びZ方向の磁場を検出することで、筋電位が派生している箇所が同定できる。
上述した通り、光ポンピング原子磁気センサは、レーザビームの入射方向と略直交する方向の磁場を検出する。このため、センサモジュール510_1〜510_3に光ポンピング原子磁気センサを内蔵させるにあたっては、光ポンピング原子磁気センサのYZ平面と、遮蔽部材600のYZ平面とが平行になるように配置することが望ましい。
換言すると、センサモジュール510_1〜510_3に光ポンピング原子磁気センサを内蔵させるにあたっては、レーザビームの入射方向が、遮蔽部材600のX軸方向と略平行となるように配置することが望ましい。
これにより、センサモジュール510_1〜510_3では、手のひら220が所定の位置にセットされた状態において、手のひら220の筋繊維255に電流が流れることで発生する磁場を、感度よく検出することができる。
<可撓性フィルムの磁場シールド特性>
次に、可撓性フィルム621の磁場シールド特性について説明する。図14は、可撓性フィルムの磁場シールド特性を例示する図である。図14において、横軸は周波数を示し、縦軸は磁場の透過率を示している。
図14に示すように、境界部材620に固定される可撓性フィルム621は、1[Hz]より高い周波数帯域の磁場を透過することができる(0.01[Hz]から1[Hz]の周波数帯域の磁場を遮蔽するフィルタ機能を有する)。これにより、センサモジュール510_1〜510_3は、可撓性フィルム621を介して被検者200に接触させた場合であっても、手のひら220に電流が流れることで発生する磁場(100[Hz]以上)を、感度よく検出することができる。
<開閉機構部の説明>
次に、遮蔽部材600に設けられた開口部601の周辺に配された、開閉機構部602について説明する。
図15は、開閉機構部の機能を説明するための図(その1)であり、遮蔽部材600をX軸方向から見た様子を示している。このうち、図15(a)は、開閉機構部602が開状態の場合を示している。図15(a)に示すように、開閉機構部602が開状態の場合、遮蔽部材600に設けられた開口部601に対して、被検者200が腕を挿入するための挿入口1220は一定面積以上となる。これにより、被検者200は、第1の空間610内に容易に腕を挿入することができる。
一方、図15(b)は、開閉機構部602が閉状態の場合を示している。図15(b)に示すように、開閉機構部602が閉状態の場合、遮蔽部材600に設けられた開口部601に対して、挿入口1220が絞られる。これにより、被検者200が第1の空間610内に腕を挿入した状態で、第1の空間610内を密閉することができる。
図16は、開閉機構部の機能を説明するための図(その2)であり、遮蔽部材600をY軸方向から見た様子を示している。このうち、図16(a)は、開閉機構部602が開状態で、被検者200が手220を挿入する様子を示している。
一方、図16(b)は、開閉機構部602が閉状態で、被検者200が腕を挿入した後の様子を示している。図16(b)に示すように、開閉機構部602は閉状態において、被検者200の腕の一部を把持する。なお、開閉機構部602が把持する部分は、被検者200の各部位のうち、筋肉よりも骨の構成比率が高い部位(例えば、手首)であることが望ましい。筋肉よりも骨の構成比率が高い部位の方が、透磁率が高いからである。
<筋肉の種類>
ヒトの筋肉には3種類あることが知られており、図17に示すように、ヒトの筋肉には、骨格筋、心筋、平滑筋がある。今まで、心筋を狙った生体磁場計測装置は存在したが、骨格筋を狙った生体磁場計測装置は知られていない。
骨格筋は唯一随意運動が可能かつ、脳や運動神経に支配されているため、ALSや筋ジストロフィーの診断に利用する針筋電計では、主に骨格筋を検査する。これは随意運動時に発生される筋電波形を読み解くことで、その疾患を判断できるためである。また、この骨格筋は長い円柱状の筋細胞であり(以下、筋繊維と呼ぶ)、ある一定距離を繊維方向に電位が伝播することが知られている。
図18は、骨格筋の一例である短母指外転筋を模式的に示す図である。図18に示すように、短母指外転筋250は、筋繊維255の束になっており、全体の長さLが40mm程度、全体の幅が20mm程度である。センサモジュール510の1つ当たりの外径は十数mm程度であるため、図18に示すように、例えば、筋繊維255の電位伝播方向P(X軸方向)に、センサモジュール510_1及び510_2を並列に並べることができる。
これに対し、心筋や平滑筋は面状の筋肉であるため、繊維方向が規定しにくい。また、心筋や平滑筋では、筋電位も面上に広がっていく。そのため、心筋や平滑筋では、筋繊維方向にセンサモジュール510を並べたり、筋繊維方向にセンサモジュール510_1及び510_2の光軸OAを合わせることは実質できない。
なお、図18において、257は脂肪を模式的に示し、259は運動神経を模式的に示している。また、Dは、放電する様子を模式的に示している。
<針筋電計の波形(比較例)>
図19は、針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その1)である。図19に示すように、一般にALS等の検査に用いられる針筋電計の波形は、10msec程度の2〜3相(マイナスとプラスの電位が2回と1回繰り返される)波形となる。この波形が、多相になったり、スパイキーになったりすることを検出して診断を行う。また、波形が多相やスパイキーになる頻度を検出して診断を行う。また、波形の強さ(電位にして1mV、磁場では1pT程度が標準)を検出して診断を行う。
図20は、針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その2)である。図20に示ように、安静時にも同様に線維自発電位や陽性鋭波等の波形を見ることで、異常な放電がないかを検査する。
<光ポンピング原子磁気センサを備えた一般的なセンサモジュールの応答速度>
光ポンピング原子磁気センサを備えた一般的なセンサモジュールとして、例えば、QUSPIN社から発売されているOPM装置がある。OPM装置の応答速度はガスセルのアルカリ金属の希ガスの緩和時間T1とT2によって規定されており、一般的には、200Hz程度である。
図21は、一般的なセンサモジュールの応答速度について検討する図であり、OPM装置が1つのモジュールで計測できる波形を示している。
図21(a)の元データは、針筋電計で取得した健常者の短母指外転筋の弱圧縮波形であり、2〜3種類の運動単位が検出されている。図21(a)の2〜3種類の波形を区別することが必要である。
図21(b)〜図21(d)は応答速度が異なる場合に、図21(a)の2〜3種類の波形を区別できるかどうかを示すものである。図21(b)に示す1kHzの応答速度や、図21(c)に示す500Hzの応答速度では波形の区別ができるが、図21(d)に示す200Hzの応答速度では波形の区別が十分にはできないことがわかる。
すなわち、OPM装置の応答速度200Hzでは、短母指外転筋の弱圧縮波形を区別することが困難である。短母指外転筋の弱圧縮波形を区別するには、200Hzよりも高い応答速度が必要であり、少なくとも500Hz前後の応答速度を有する装置を用いることが好ましい。
<センサモジュールの高精度化>
次に、センサモジュールの高精度化について説明する。前述の図18に示したように、例えば、センサモジュール510_1及び510_2を筋繊維255の電位伝播方向Pに並列に並べる場合を考える。
図22は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その1)である。図22に示すように、計測点が例えば5msecおきの場合、図18におけるセンサモジュール510_1及び510_2の信号は、それぞれ異なる位置で計測されたものであり、それぞれが意味のあるデータである。そのため、それらを統合することで高精度なデータを算出できる。
一般に骨格筋の電位伝播速度は数十m/secであり、数cmを伝播するには、数msecの時間がかかる。そのため、図18に示すように電位伝播方向Pにセンサモジュール510_1及び510_2を並べることで、図22に示すようにセンサモジュール510_1及び510_2の検出する時間が数msecずれることになる。この時間をT1と定義する。T1は、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2との距離に依存する。
図23は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その2)であり、図22のセンサモジュール510_2の各データをT1の時間だけ矢印方向にシフトさせた様子を模式的に示している。図23に示すように、5msecおきの計測(合計で約20msec)では5点だったデータが、その倍に近い9点となって表示され、計測データの高精度化が達成されている。なお、伝播波形が大きく崩れないことは、電位計測等によって知られている。
図24は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その3)である。図24に示すように、運動神経259が筋繊維255のX軸方向の中央付近に結合しており、その部分で発火し(中央発火)、筋繊維255に沿った2方向P1及びP2(互いに反対方向)に電位伝播する場合がある。
図25は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その4)であり、図24の場合の信号波形を示している。この場合は、骨格筋の電位伝播速度とは異なるので、図23のようにT1で補正することは正しくない。中央発火は、信号波形を見ることである程度推察することが可能であり、中央発火の場合は、図25に示すT2を定義して、図26に示すようにT2分のシフトを行う。2つの波形の測定点が近いため、図23の場合に比べて測定点が増えた分の補正の効果は少ないが、S/N等を向上させる価値はある。
このように、センサモジュール510_1及び510_2を筋繊維255の電位伝播方向Pに並列に並べたことにより、時間分解能が向上するか、またはS/Nが向上する。
図27及び図28は、2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図である。図27は筋繊維方向をX軸方向として上方から視た様子を示し、図28はYZ平面に垂直な方向から視た様子を示している。図27及び図28において、例えば、筋繊維255に、紙面奥から手前に向かって電流が流れると、YZ平面には、矢印Mの方向の磁場が発生する。
図27及び図28では、筋繊維方向であるX軸方向(電位伝播方向Pと同方向)と垂直なY軸方向に、センサモジュール510_1及び510_2を並列に並べている。なお、先にも述べたように、筋繊維255の束である短母指外転筋250の全体の幅Lは、20mm程度である。
図27及び図28に示すように、Y軸方向にセンサモジュール510_1及び510_2を並列に並べることで、短母指外転筋250の20mm幅のどの辺の筋繊維255が発火したかを検出することができる。図27及び図28の例では、紙面左端に発火位置があることが同定できる。
図29は、3つのセンサモジュールの配置の例を示す図である。図29に示すように、例えば、3個のセンサモジュール(センサモジュール510_1〜510_3)を配置してもよい。この場合、光軸方向に隣接するセンサモジュール510_2とセンサモジュール510_3との間に遮蔽板800を挟むことが好ましい。例えば、隣接するセンサモジュール間に2mm程度のパーマロイからなる遮蔽板800を挟むことで、クロストークを低減することができる。
また、遮蔽板800として、コバルト系のアモルファス金属箔を用いてもよい。この場合、コバルト系のアモルファス金属箔はパーマロイよりも薄くできるため、センサモジュール510間の距離を最小まで近づけることができ、高密度及び高精細な計測が可能となる。また、コバルト系のアモルファス金属箔はパーマロイのように重くないため、センサモジュール510を被検者に添わせて移動する際に、その柔軟さを損なわない。
また、図29において、電位伝播方向P(筋繊維方向)にセンサモジュール510_1〜510_3の光軸OA1〜OA3(光伝播方向)を合わせることで、Z方向の磁場データとY方向の磁場データとの比から、深さ方向の情報を得ることができる。
すなわち、センサモジュール510_1〜510_3の光軸OA1〜OA3は、電位伝播方向P(筋繊維方向)に略平行なるように配置する。また、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2及び510_3のX軸方向の距離Lxは、センサモジュール510_2とセンサモジュール510_3のY軸方向の距離Lyより小さいことが好ましい。
すなわち、Lx<Lyの関係とすることが好ましい。これは、光伝播方向のクロストークの方が光伝播方向に垂直な方向のクロストークより大きく、これを回避する必要があるためである。Lx<Lyの関係を維持することで、センサモジュールのレイアウト上、最密充填位置となり、高精度に筋繊維の波形を推定することができる。
方向の磁場データとY方向の磁場データとを比較して発火位置の深さ方向の距離Zkを算出する方法について説明する。深さ方向の情報は、磁場と電流との関係にビオサバールの方式が成り立つことから、距離の2乗に強度が比例する。距離を推定し、その距離による補正係数を検出した磁場強度にかけることで、深さに依存しない磁場を検出できる。磁場の大きさは、筋ジストロフィーの方は小さくなり、ALSの方は大きくなる(ジャイアント運動単位(MUP))ことが知られていることから、このような補正をすることは正確な診断に重要である。
図30は、具体的な深さ方向の定量化方法を例示する図である。図30では、発火位置Dを中心に磁場が同心円状に形成されている。LS1は、センサモジュール510_1の位置において、磁場M2に垂直に引かれた垂線である。また、LS2は、センサモジュール510_2の位置において、磁場M3に垂直に引かれた垂線である。垂線LS1と垂線LS2との交点が、発火位置Dとなる。
発火位置Dから、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2とを結ぶ線分LS3に下した垂線LS4により、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2との距離LyがLy2とLy3に分けられる。このとき、Ly2とLy3は、θとφとZkとで表現できる。
すなわち、センサモジュール510_1及び510_2の検出データのピーク値ZnとYnとの比「Zn/Yn」を求めると、tanφ=Z2/Y2、tanθ=Z3/Y3である。また、Ly2×tanφ=Zk、Ly3×tanθ=Zk、Ly2+Ly3=Lyである。Z2/Y2、Z3/Y3、Ly2、Ly3、及びLyは全て既知であるから、これの値から発火位置の深さ方向の距離Zkを算出できる。
<情報処理装置のハードウェア構成>
次に、情報処理装置160について説明する。図31は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図31に示すように、情報処理装置160は、CPU(Central Processing Unit)1501、ROM(Read Only Memory)1502、RAM(Random Access Memory)1503を有する。CPU1501、ROM1502、RAM1503は、いわゆるコンピュータを形成する。
また、情報処理装置160は、補助記憶装置1504、表示装置1505、操作装置1506、I/F(Interface)装置1507、ドライブ装置1508を有する。なお、情報処理装置160の各ハードウェアは、バス1509を介して相互に接続されている。
CPU1501は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラム(例えば、上述した信号処理部560、制御部562、表示制御部563を実現するためのプログラム(情報処理プログラムと称す)等)を実行する演算デバイスである。
ROM1502は、不揮発性メモリである。ROM1502は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラムをCPU1501が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM1502はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
RAM1503は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM1503は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラムがCPU1501によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
補助記憶装置1504は、各種プログラムや、各種プログラムが実行されることで取得される情報を格納する補助記憶デバイスである。例えば、データ格納部561は、補助記憶装置1504において実現される。
表示装置1505は、各種画像データ(画像データ310、波形データ320等)を表示する表示デバイスである。操作装置1506は、医師等が情報処理装置160に対して各種指示を入力する入力デバイスである。I/F装置1507は、超音波計測装置120、磁場シールドボックス110、電気刺激装置130等と接続され、情報処理装置160が、各装置との間で通信を行うための通信デバイスである。
ドライブ装置1508は記録媒体1510をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体1510には、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体1510には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、補助記憶装置1504にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体1510がドライブ装置1508にセットされ、該記録媒体1510に記録された各種プログラムが読み出されることでインストールされる。或いは、補助記憶装置1504にインストールされる各種プログラムは、不図示のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
<情報処理装置の機能構成の詳細>
次に、情報処理装置160の機能構成の詳細について説明する。図32は、情報処理装置の機能構成の詳細を例示する図である。
図32に示すように、信号処理部560は、超音波データ取得部1601、画像データ取得部1602、磁場データ取得部1603、データ解析部1604、及び音波変換部1605を有する。
超音波データ取得部1601は、超音波測定部520から送信された超音波データを取得し、取得した超音波データに基づいて、被検者200の手のひら内の所定位置の脂肪の厚さを算出し、データ格納部561に格納する。
画像データ取得部1602は、カメラ511から送信された画像データを取得し、取得した画像データを、データ格納部561に格納する。
磁場データ取得部1603は、センサモジュール510から送信された磁場データを取得し、データ格納部561に格納する。
データ解析部1604は、データ格納部561に格納された磁場データを読み出し、磁場データを補間した波形データを生成し、波形データに基づいた数値データを算出し、波形データ及び数値データをデータ格納部561に格納する。
音波変換部1605は、データ格納部561に格納された波形データを読み出し、音波に変換する。すなわち、センサモジュール510が計測した磁場の強度を音波に変換する。
また、図32に示すように、制御部562は、撮影制御部1611、磁場調整部1612、及びタイミング制御部1614を有する。
撮影制御部1611は、表示制御部563の操作受付部1621から撮影指示を受信すると、カメラ511に撮影指示を送信する。
磁場調整部1612は、表示制御部563の操作受付部1621より、磁場計測開始の指示を受信すると、MIセンサ512により計測された内部磁場データを取得し、コイル513に流す電流の電流値を算出し、電流発生部540に送信する。
タイミング制御部1614は、表示制御部563の操作受付部1621より、磁場計測開始の指示を受信すると、所定のタイミングで、電気刺激制御部530に対して指示を送信する。
更に、図32に示すように、表示制御部563は、操作受付部1621、画像データ表示部1622を有する。
操作受付部1621は、撮影指示が入力されると、撮影制御部1611に撮影指示を通知する。また、操作受付部1621は、医師等により磁場計測開始の指示が入力されると、磁場調整部1612及びタイミング制御部1614に通知する。
画像データ表示部1622は、データ格納部561に格納された筋磁場の波形データ及び/又は数値データを読み出し、波形データ及び/又は数値データを表示する。
<電気刺激を与える位置と磁場を検出する位置との位置関係>
次に、電気刺激装置130の入力端130bが装着されることで、被検者200に対して電気刺激が与えられる位置と、センサモジュール510が、磁場を検出する位置との位置関係について説明する。
図33は、電気刺激を与える位置と、磁場を検出する位置との位置関係を示す図である。図33に示すように、電気刺激装置130の入力端130bは、被検者200の腕の一部(手のひらとは異なる部位、例えば、肘)に装着される。
すなわち、電気刺激装置130は、遮蔽部材600の外部に配置された電極である入力端130bを介して被検者200に電気刺激を与えることができる。遮蔽部材600の外部に入力端130bを有することで、遮蔽部材600の内部において電気刺激によるノイズを低減することが可能となり、高精度の磁場波形を検出することができる。
一方、手のひら220は、遮蔽部材600の内部の所定の位置にセットされ、当該位置において、センサモジュール510により磁場が検出される。このため、電気刺激を与える位置と磁場を検出する位置との間は所定距離だけ離れる。その結果、電気刺激が与えられてから、センサモジュール510が磁場を検出するまでには、所定距離分の時間差が生じることになる。
また、被検者200の指の位置に表面電極パッド130cを設置し、電気刺激が与えられた際の信号を表面電極パッド130cで検出することで、誘発刺激の電流量を決定する際に参考になる誘発電流量をモニタすることができる。
誘発刺激により、短母指外転筋の筋肉の収縮が起きることで、センサモジュール510の位置が最適な箇所か否かが判断できる。例えば、誘発電流量をモニタでライブ表示し、被検者はモニタに表示された誘発電流量が最大になる部分に被検体である親指を移動させる。
<診断作業の説明>
次に、医師等が生体磁場計測装置100を用いて、被検者200の骨格筋の筋磁場に基づいた診断を行う際の、診断作業について説明する。図34は、骨格筋の筋磁場に基づいた診断をする場合の作業フローを例示する図である。ここでは、一例として、手の短母指外転筋の筋磁場を検出する例を示す。
ステップS1901において、医師等は、超音波計測装置120を用いて、被検者200の手のひらに対して、超音波計測を行う。これにより、超音波計測装置120から情報処理装置160に超音波データが送信される。
ステップS1902において、情報処理装置160の超音波データ取得部1601は、被検者200の超音波データを処理し、被検者200の手の短母指外転筋に対応する位置の脂肪の厚さを算出する。
ステップS1903において、医師等は、遮蔽部材600の内部に腕を挿入するよう被検者200を促し、被検者200の手を、所定の位置にセットさせる。なお、被検者200の手が概ね適切な位置に来るように、遮蔽部材600の内部にガイドを形成しておくことが好ましい。これにより、被検者200の短母指外転筋をセンサモジュールの位置におおよそ誘導することができる。この状態で補助のガイドにより、被検者200の手を軽く固定することが好ましい。
ステップS1904において、医師等は、電気刺激装置130の入力端130bを、被検者200の腕に装着する。
ステップS1905において、医師等は、情報処理装置160を操作することで、撮影指示を入力し、カメラ511を駆動させる。これにより、カメラ511では、所定の位置にセットされた被検者200の手のひらを撮影し、画像データを情報処理装置160に送信する。
ステップS1906において、情報処理装置160の画像データ取得部1602は、被検者200の手のひらの画像データを取得する。
ステップS1907において、医師等は、情報処理装置160を操作することで、磁場計測開始の指示を入力する。
ステップS1908において、磁場調整部1612は、MIセンサ512により計測された内部磁場データを取得し、電流値を算出する。また、電流発生部540は、算出された電流値の電流をコイル513に流すことで、遮蔽部材600の内部の磁場を低減する。遮蔽部材600の内部のセンサモジュール510の位置における磁場は、例えば、50nT以下に低減することができる。
ステップS1909において、医師等はセンサモジュール510の位置合わせを行う。位置合わせの詳細は後述する。
ステップS1910において、生体磁場計測装置100を構成する各部が、磁場検出処理を実行する。磁場検出処理の詳細は後述する。
ステップS1911において、画像データ表示部1622は、被検者200の骨格筋の筋磁場のデータを表示する。例えば、図3(b)に示した短母指外転筋の筋磁場の波形データ320が情報処理装置160に表示される。
ステップS1912において、医師等は、ステップS1909で得られたデータに基づいて、被検者200の骨格筋の筋磁場について診断を行う。
<位置合わせの詳細>
センサモジュール510と被検者200の短母指外転筋との位置合わせには、自発信号を検出する方法もあるが、本実施形態では、外部から電気刺激を与え、そのときに生成される誘発信号を検出して位置合わせする例を示す。図35は、位置合わせの流れを例示するフローチャートである。
ステップS2001において、電気刺激装置130は、表面電極パッド130cを介して被検者200に対して電気刺激を与える。
ステップS2002において、センサモジュール510は、磁場の検出を開始し、磁場データ取得部1603は、短母指外転筋の筋磁場のデータを取得する。
ステップS2003において、磁場データ取得部1603は、センサモジュール510から送信された磁場データを取得し、データ格納部561に格納する。
ステップS2004において、データ解析部1604は、データ格納部561から、磁場データを読み出し、磁場データから波形データを生成し、データ格納部561に格納する。
ステップS2005において、画像データ表示部1622は、データ格納部561に格納した波形データを情報処理装置160に表示する。例えば、図36(a)に示す波形が情報処理装置160に表示される。
ステップS2006において、音波変換部1605は、図36(a)に表示されている波形データを音波に変換し、図36(b)に示すように音声発生装置150から音声を発生させる。音声発生装置150は、例えば、スピーカやヘッドフォンであり、音声発生装置150を介して医師等は音声を聞くことができる。
例えば、応答速度が約200Hzのセンサモジュール510_1〜510_3の各データを変換して、1kHz程度の波形を生成し、音声発生装置150で医師等に聞かせる。人間の最も聞きやすい波長帯域へ変換することで、聴覚的に理解しやすくすることができる。
なお、ヒトの可聴域は20Hzから20000Hzだとされている。一方、センサモジュール510の応答速度は、希ガスであるアルカリ金属の緩和時間T1及びT2によって支配されており、DC〜200Hzだとされている。ヒトの筋電によって反応する際の信号は1kHz程度であるため、その信号を音にすることで、視覚的に判断するだけでなく、聴覚的にも複合的に検出することができる。
この際、1つのセンサモジュール510により検出される200Hz程度の波形と、複数のセンサモジュール510により検出して補正した擬似400Hz程度の波形を利用し、かつ、それを可聴域に広げる。これにより、耳に聞きやすく判断がしやすい音波が生成できる。また、計測中は信号がリアルタイムで流れてくるので、異常放電等の識別を瞬時に行う必要がある。視覚及び聴覚を用いることで、より正確に識別できる。また、生体磁場計測装置100を利用する初心者の医師等に、学習を促進させることが可能となる。
ステップS2007において、医師等は、音声発生装置150からの音声が最大となるようにレバー515を動かしてセンサモジュール510の位置合わせをする。
図36(c)に示すように、センサモジュール510_1〜510_3を搭載する保持部514は、レバー515によって移動機構516に接続されている。移動機構516は、保持部514をレバー515の回転方向によるチルト方向(θ)と、レバー515の抜き差しによる前後方向(X軸方向)へ移動できるように構成されている。
レバー515を回転方向及び/または前後方向に動かすことにより、センサモジュール510_1〜510_3と被検者200の短母指外転筋とを容易に適切な位置に合わせることができる。位置合わせが終了したらレバー515をロックする。
この方法は、医師等が被検者200及び情報処理装置160に表示される波形に目を配らなくても、音声の聴取により、センサモジュール510と被検者200の短母指外転筋とを容易に適切な位置に位置合わせできる点で好適である。
<磁場検出処理の詳細>
次に、磁場検出処理(ステップS1909)の詳細について説明する。図37は、磁場検出処理の流れを例示するフローチャートである。
ステップS2101において、医師等は、被検者200に対し随意運動(弱圧縮動作)を促す。なお、このとき、電気刺激装置130は、被検者200に対する電気刺激を停止している。
ステップS2102において、センサモジュール510は、随意運動中の磁場の検出を開始する。
ステップS2103において、医師等は、センサモジュール510の検出結果をモニタしながら、適切な波形が出てくるように、被検者200に声がけをして適切な圧縮状態になるように誘導する。
ステップS2104において、センサモジュール510は、随意運動中の短母指外転筋の筋磁場の検出を1分程度継続して行う。
ステップS2105において、センサモジュール510は、磁場の検出を停止し、磁場データ取得部1603は、短母指外転筋の筋磁場のデータを取得する。
ステップS2106において、磁場データ取得部1603は、取得した短母指外転筋の筋磁場のデータを位置データとともにデータ格納部561に格納する。
<データ解析>
次に、データ解析について説明する。図38は、データ解析の流れを例示するフローチャートである。なお、センサモジュールは、図29のように配置されているものとする。
ステップS2201において、データ解析部1604は、データ格納部561から、磁場データを読み出す。センサモジュール510_1〜510_3は、各々が2軸のデータを持っているため、データ解析部1604は、合計で6つのデータを読み出す。ここでは、それぞれのデータをYn、Znと表記する。Y2とY3はY方向に隣接するセンサモジュールのデータであり、Y1とY2はX軸方向に隣接するセンサモジュールのデータである。
ステップS2202において、データ解析部1604は、ステップS2201で読み出したデータの全てについて、Yn/Znを算出する。Yn/Znの数値で、前述のように、深さ方向の情報を得ることができる。
ステップS2203において、データ解析部1604は、ステップS1902で得られた超音波計測の形状データ(すなわち、被検者200の手の短母指外転筋に対応する位置の脂肪の厚さのデータ)を参照しながら、深さZk及び位置Ykの推定を行う。Zkがわかることで、その深さの補正をビオサバールの方式に即して行うことができる。
ステップS2204において、データ解析部1604は、Y1(Z1)とY2(Z2)とを比較する。なお、ステップS2204からステップS2206までの処理の原理は、図23や図26を参照して先に説明した通りである。
ステップS2205において、データ解析部1604は、ステップS2204の比較結果に基づいて、図22や図25に示した時間のずれ量(T1またはT2)を算出する。
ステップS2206において、データ解析部1604はステップS2205で算出したT1、T2の値によるデータシフトを行い、補間データを生成し、補間データを生成した後の波形データをデータ格納部561に格納する。補間により、200Hz(5msecのサンプリングレート)の計測データを、見かけ上、400Hz(2.5msecのサンプリングレート)の波形データとすることができる。
ステップS2207において、データ解析部1604は、ステップS2206で補間データを生成した後の波形データと、予めデータ格納部561に格納されていた典型波形パターンとを比較する。
ステップS2208において、データ解析部1604は、ステップS2207の比較結果に基づいて、例えば、多相/単相、波形の長さ、波形の振幅(強度)、及び頻度の4つの項目について数値データを算出し、数値データをデータ格納部561に格納する。
ステップS2209において、画像データ表示部1622は、データ格納部561に格納した波形データ及び/又は数値データを情報処理装置160に表示する。
なお、以下のようにすることで、自発における高精度な波形を表示することが可能となる。また、自発による磁場波形を計測することで、ALSか筋ジストロフィーかの判断が可能となる。
まず、第1工程では、筋肉の筋繊維方向に対して平行に配置した複数のセンサモジュール510を用いて、誘発刺激の磁場波形を複数回計測する。
次に、第2工程では、各々のセンサモジュール510について、複数回計測した誘発刺激の磁場波形を積算する。
次に、第3工程では、隣接するセンサモジュール510について、積算した磁場波形の時間ずれTを算出する。Tの算出については、図26や図29を参照して先に説明した通りである。
次に、第4工程では、複数のセンサモジュール510を用いて、誘発刺激の磁場波形を計測した位置と同じ位置で、自発による磁場波形を計測する。
次に、第5工程では、隣接するセンサモジュール510の一方で計測した自発による磁場波形に対し、他方で計測した自発による磁場波形を時間軸上でTだけ移動させて合算する。すなわち、筋繊維方向に対して後ろ側に配置されたセンサモジュール510の計測した自発による磁場波形をTだけデータシフトを行い、波形データを生成する。
次に、第6工程では、合算した自発による磁場波形を情報処理装置160に表示する。
以上の生体磁場計測方法において、誘発刺激の磁場波形は、誘発のタイミングによって、トリガーとなる積算が容易である。
また、骨格筋はその一つの運動単位での信号であれば、運動神経と筋繊維(筋肉細胞)の接合点がほぼ同一位置にあるため、その位置から伝搬する筋繊維内の電位伝搬の時間応答は、各々のセンサモジュール510の位置によって定まった時間ずれを示す。
つまり、時間ずれTを一度定義してしまえば、T分のずれを補正することで、他のセンサモジュールと同様な波形となる可能性が高い。位置が異なっても、Tの補正で概ね波形は相似形となることが期待できる。
特に、センサモジュール間が数10mmと近傍にある場合には、骨格筋の電位伝搬速度が4m/sec(4mm/msec)程度であることを考えると、骨格筋繊維に平行に30mmずれている位置では、時間ずれTは、約7.5msec程度となることが想定される。
この数値を、実際の筋繊維とセンサモジュールとの位置関係において実測することで、その補正値を決めることができる。この際には、誘発による積算によって、できるだけ精度のよいデータを使って、高精度にTを決める価値がある。このようにして求めたTを用いることで、自発における高精度な波形を検出することが可能となる。
<波形のパターン認識>
次に、具体的な波形の例を用いて波形のパターン認識について説明する。図39は、波形のパターン認識について説明する図(その1)である。図39(a)は、一般的な健常者の運動単位波を例示する図であり、単相の波形の例である。図39(b)は、ALSの患者の運動単位波を例示する図であり、多相の波形の例である。
図39(a)及び図39(b)は、センサモジュール510_1で測定した200Hz(5msec)のデータ(丸)と、センサモジュール510_2で測定した200Hz(5msec)のデータ(四角)とを合わせたものである。又、図39(a)及び図39(b)において、実線は、本来取得するべき波形を示している。
図39(a)及び図39(b)において、センサモジュール510で取得した丸及び四角のデータは、本来取得するべき波形の上に載っていることがわかる。また、図39(a)の波形と図39(b)の波形とを比較すると、一見すると、ほぼ同様に思われるが、10msec付近と20msec付近のデータが異なる。わずかな相違であるが、200Hzのデータでは区別できなかった波形のパターンが略400Hzでは区別できている。
このような波形の相違をパターン認識して区別するように、複数のデータ波形から特徴量を抽出して、その特徴を呈しているか否かで健常な波形であるか否かを判断することができる。
例えば、図39(a)及び図39(b)において、多相、単相のパターン判断は、10msecと20msecの大きさに依存している。そこで、図40(a)及び図40(b)に示すように、図39(a)及び図39(b)の波形において、ピークを示す点をα0として、その後の点をα1からα7としたときに、α2〜α7の値を比較することで、多相か単相かを判断できる。
例えば、α2〜α7の標準偏差を指標として判断すると、単相の方が概ね0に近い数値を示し、多相の方が大きい値を示す。なお、α2〜α7の標準偏差に代えて、α2〜α7の絶対値の平均値等を比較してもよい。また、波形比較の方法は、これらには限定されず、例えば、AI(機械学習)による手法を利用してもよい。
また、図41(a)は、筋ジストロフィーの患者が呈するスパイキーな波形の一例であり、図41(b)はALSの患者が呈する巨大振幅の波形の一例である。図41(a)及び図41(b)の波形を視ると、複数のセンサモジュールのデータを組み合わせ、200Hzの応答速度を擬似的に400Hzにしたことの効果が現れていることがわかる。
図41(a)及び図41(b)において、波形の短さ(スパイキーさ)を定量するには、α2〜α5に注目して判断することができる。例えば、図41(a)のように波形の長さが5msec程度の場合、α2はほぼ0となっているに対し、図41(b)のように波形の長さが10msecの場合には、α2は有限の数値を有している。
すなわち、α2がどの程度の数値を有しているかで、波形の短さを数値化することができる。但し、この数値化も5段階程度で、それほど細かい表現はできない。しかし、短いか長いかの判断材料となればよく、また、計測中に数100と波形を読み取ることから、その統計学的な数値に意味があるので、5段階程度でも価値がある。
α0を記録し、それを深さ方向にビオサバールの方式による補正を行うことで、強度を比較することができる。例えば、補正後の強度を数値化する。これも10段階程度の数値化で効果的な情報となる。
このように、模擬的に400Hzの波形にした後に、例えば図42に示す4つの項目を、1種類の波形に対して算出し、モニタに表示する。検出のアルゴリズムは先に示した方法である。検出頻度に関しては、同じ運動単位がどの程度の頻度で出現するかを示したのもで、1つ1つの運動単位をパターン化して、それをラベリングし、その頻度を定量化する。
また、発火する位置がそれぞれの運動単位によって異なるため、Y2とY3の比を指標として、算出される位置情報により、発火位置をラベリングすることも有効である。概ね同じ位置での発火では、Y2/Y3、もしくはZ2/Z3の値は同一である。
<まとめ>
このように、本実施形態に係る生体磁場計測装置100は、生体の部位の計測位置に複数のセンサモジュール510が配置されており、複数のセンサモジュール510により生体の部位の磁場を計測することができる。
例えば、複数のセンサモジュール510を、筋肉の筋繊維方向に対して平行に配置する場合には、以下のような効果を奏する。
すなわち、筋肉の筋繊維方向に電位が伝播して行くことが知られているが、電位伝播速度は数十m/secであり、数cmを伝播するには数msecの時間がかかる。そのため、筋肉の筋繊維方向(電位伝播方向)に対して複数のセンサモジュール510を平行に配置することで、2つのセンサモジュール510の検出する時間が数msecずれることになる。この2つの情報を利用することで、波形を合成し、正確な波形を作製することができる。
一般的には、センサモジュールの応答速度である200Hz(5msecおき)では、波形区別ができないが、倍の400Hzのデータがあれば、約10msecの凹凸波形に対して、4〜5点の計測点が得られ、その波形の区別がつく。3点では難しかった波形の区別は、5点となるとその表現できる形状は、はるかに多様性を持ち、波形の区別(1.単相/多相、2.長い/短い、3.小さい/大きい)の項目に対して、十分である。
つまり、複数のセンサモジュール510を、筋肉の筋繊維方向に対して平行に配置することで、見かけ上の応答速度を向上することが可能となり、光ポンピング原子磁気センサを用いた生体磁場計測装置において、筋磁場の検出精度を向上することが可能となる。
また、複数のセンサモジュール510を、筋肉の筋繊維方向に対して垂直に配置する場合には、以下のような効果を奏する。
すなわち、筋繊維の束のどの部分で発火したかを判断できる。これにより、どの運動単位の波形かが区別しやすくなる。運動単位の区別ができないと、その運動単位の発火頻度等の定量化が難しくなるが、生体磁場計測装置100では動単位の区別ができるため、運動単位の発火頻度等の定量化が容易となり、筋磁場の検出精度を向上することが可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、固定された保持部に複数のセンサモジュールを搭載する例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図43は、第2実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。図43に示すように、磁場シールドボックス110Aは、保持部514が固定されており移動しない点、及び複数のセンサモジュール510がX軸方向及びY軸方向に行列状に配置されている点が、磁場シールドボックス110(図5参照)と相違する。磁場シールドボックス110Aは、レバー515及び移動機構516を有していない。
図44は、保持部の詳細構成を例示する図である。図44に示すように、センサモジュール510_1は、弾性部材801_1(例えば、ばね)を介して、支持台802_1に支持されている。また、センサモジュール510_2は、弾性部材801_2(例えば、ばね)を介して、支持台802_2に支持されている。また、センサモジュール510_3は、弾性部材801_3(例えば、ばね)を介して、支持台802_3に支持されている。また、支持台802_1、802_2、及び802_3は、保持部514に固定されている。
このように、弾性部材801_1〜801_3を介して、センサモジュール510_1〜510_3を支持することで、センサモジュール510_1〜510_3の先端を、手のひら220に対して、押圧して接触させることができる。
センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2とは、パーマロイの仕切り壁803により仕切られている。また、センサモジュール510_2とセンサモジュール510_3とは、パーマロイの仕切り壁804により仕切られている。センサモジュール間にパーマロイの仕切り壁を設けることで、センサモジュール間でクロストークが生じることを防止できる。
図44に示すように、センサモジュール510_1は、ガスセル1021_1及び位置センサ1031_1を内蔵している。また、センサモジュール510_2は、ガスセル1021_2及び位置センサ1031_2を内蔵している。センサモジュール510_3は、ガスセル1021_3及び位置センサ1031_3を内蔵している。
ガスセル1021_1、ガスセル1021_2、及びガスセル1021_3は、例えば、短母指外転筋において発生する磁場を検出する。位置センサ1031_1、位置センサ1031_2、及び位置センサ1031_3は、磁場を検出した際の位置を検出する。
図45は、保持部におけるセンサモジュールの配置例を説明するための図であり、保持部514を上から見た様子を模式的に示したものである。
図45に示すように、保持部514には、例えば、9個(3行3列)のセンサモジュール510を搭載することができる。但し、これは一例であり、保持部514に搭載するセンサモジュール510の個数は、9個には限定されない。
図45に示す9個のセンサモジュール510は、何れも、内蔵する光ポンピング原子磁気センサのレーザビームの入射方向OA(光伝播方向)が、X軸方向と略平行となるように配置されていることが好ましい。これにより、レーザビームの入射方向と、電位伝播方向P(筋繊維の方向)とを一致させることができ、手のひら220に電流が流れることで発生する磁場を、感度よく検出することができる。
また、各々のセンサモジュール510は、隣接するセンサモジュール間において、X軸方向の間隔の方がY軸方向の間隔よりも大きくなるように配列されていることが好ましい。例えば、センサモジュール510_8とセンサモジュール510_9との間のX軸方向の距離Lxは、センサモジュール510_8とセンサモジュール510_5との間のY軸方向の距離Lyよりも大きいことが好ましい。
すなわち、Lx<Lyの関係とすることが好ましい。これは、光伝播方向のクロストークの方が光伝播方向に垂直な方向のクロストークより大きく、これを回避する必要があるためである。
図46は、クロストークの一例を示す図である。図46に示すクロストークは、2つのセンサモジュールをY軸方向に並べたときのセンサモジュール間の距離と、140Hzの信号のベースラインの変化を定量化したものである。
図46より、例えば、センサモジュール間の距離が13mmに近づくと、140Hzのベースラインが16%程度上昇することが判る。この場合、センサモジュールのノイズを上昇させる等の不具合が発生するおそれがある。センサモジュール間の距離を23mm程度に離すことで、140Hzのベースラインの上昇(すなわち、クロストーク)は6%程度となり、クロストークの影響が小さくなる。
このように、Lx<Lyの関係を維持することで、センサモジュールのレイアウト上、最密充填位置となり、高精度に筋繊維の波形を推定することができる。
図47は、第2実施形態の変形例に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。図47に示すように、磁場シールドボックス110Bは、ノイズ磁場を計測するMRセンサが2つ追加された点が、磁場シールドボックス110A(図43参照)と相違する。但し、MRセンサは1つ追加してもよいし、3つ以上追加してもよい。
図47に示すように、遮蔽部材600の内部に、短母指外転筋(被検部位)以外の筋肉の信号(すなわち、ノイズ磁場)を検出するMR(Magneto Resistive)センサ518_1及び518_2を配置してもよい。これにより、短母指外転筋(被検部位)以外の筋肉の信号をMRセンサ518_1及び518_2で検出することが可能となり、アーチファクトを除去できる。なお、図47において、矢印Nは、ノイズとなる他の筋肉の信号を模式的に示したものである。
なお、MRセンサは検出感度が低く、せいぜい数pT程度である。一方、センサモジュール510は、100fTを検出することが可能である。ノイズとなるのは近傍の筋肉から発せられる大きな磁場が、センサモジュール510に伝播してくることが主な要因である。
磁場はランバートに則り、距離の2乗に比例する。母指外転筋等を計測する場合に、近傍の前腕や上腕の大きな筋肉によるノイズが悪影響を与える。そのため、上腕や前腕近傍にMRセンサを配置して、その部分から発せられる信号を検出して、センサモジュール510の検出信号から除去する等の信号処理を行うことができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、遮蔽部材の開口部からの磁界の侵入を防ぐ補助部材を被検者に装着させる例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図48は、第3実施形態に係る補助部材について説明する図であり、図48(a)は補助部材を被検者に装着した状態、図48(b)は補助部材そのものを示している。
図48に示すように、補助部材680は被検者200の上腕部分210Uに装着することができる。例えば、被検者200は先に上腕部分210Uに680を装着し、その後、磁場シールドボックス110を装着する。
補助部材680は、例えば、シールド材料であるアモルファス金属を含有した化学繊維によって編み込んだスポンジ状の部材を円環状にしたものであり、円環の内側に被検者200の上腕部分210Uを挿入することができる。
このように、被検者200の上腕部分210Uに補助部材680を装着することで、遮蔽部材600の開口部601から磁場が侵入することを抑制可能となり、遮蔽部材600の内の残留磁場を低減させることができる。
また、補助部材680は、変形可能であるため、男女間や個体差により上腕部分210Uの形状が異なっても装着可能である。また、上腕部分210Uに補助部材680を装着した被検者200が動いた時にも、補助部材680が変形するため、測定時等の被検者200の疲労を緩和できる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、被検者の脚部を磁場の検出対象とする磁場シールドボックスの例を示す。なお、第4実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図49は、第4実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図であり、図49(a)は磁場シールドボックスを被検者に装着した状態、図49(b)は磁場シールドボックスそのものを示している。なお、図49において、センサモジュール510、MIセンサ512等の図示は省略されているが、被検者200の脚部230の磁場計測に適した位置に適宜配置することができる。
図49に示すように、磁場シールドボックス110Cの遮蔽部材600Cは直方体であり、脚部230を挿入可能な開口部601Cが上面に設けられている。また、第1の空間610と第2の空間630との間に設けられた境界部材620Cは、脚部230を挿入し易い形状に屈曲されている。
なお、磁場シールドボックス110Cを除く部分の生体磁場計測装置の構成は、例えば、図1等に示した生体磁場計測装置100と同様とすることができる。
磁場シールドボックス110Cを有する生体磁場計測装置において、例えば、脚部230の腓腹神経周辺の磁場を計測する場合、まず、被検者200は椅子に座り、脚部230を開口部601Cから遮蔽部材600C内に挿入する。そして、被検者200の大腿部等(遮蔽部材600Cの外側に位置し、脚部230と異なる部位であればよい)に入力端130bを装着する。これにより、腓腹神経に電気刺激を与えることが可能となり、腓腹神経周辺の磁場を計測することができる。
このように、磁場の検出対象となる生体の部位は被検者の手には限定されず、被検者の四肢の一部である脚部としてもよい。
筋ジストロフィー等の場合、手の筋肉に予兆が出にくく、脚部に予兆が出る可能性がある。その場合、脚部の筋肉の診断が必要であり、本実施形態で示したように腓腹神経周辺の磁場を計測する手法が有効である。
なお、図49の例では、遮蔽部材600Cを直方体としたが、遮蔽部材600Cは円筒形や円錐台形としてもよいし、その他の任意の形状としてもよい。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の第1実施形態〜第4実施形態では、フィードバック用の磁気センサとしてMIセンサを用いる例を示したが、MIセンサ以外の固体磁気センサ(例えば、MR(Magneto Resistive)センサ、TMR(Tunnel Magneto Resistance)センサ)を用いてもよい。
100 :生体磁場計測装置
110 :磁場シールドボックス
120 :超音波計測装置
130 :電気刺激装置
130a :発生部
130b :入力端
140 :電流発生装置
150 :音声発生装置
160 :情報処理装置
510 :センサモジュール
511 :カメラ
512 :MIセンサ
513 :コイル
514 :保持部
515 :レバー
516 :移動機構
518 :MRセンサ
520 :超音波測定部
530 :電気刺激制御部
540 :電流発生部
550 :音声発生部
560 :信号処理部
561 :データ格納部
562 :制御部
563 :表示制御部
600 :遮蔽部材
601 :開口部
602 :開閉機構部
610 :第1の空間
620 :境界部材
621 :可撓性フィルム
630 :第2の空間
680 :補助部材
800 :遮蔽板
801 :弾性部材
802 :支持台
1021 :ガスセル
1031 :位置センサ
1220 :挿入口
国際公開第2015/083242号

Claims (14)

  1. 生体の部位の磁場を計測する生体磁場計測装置であって、
    前記部位の計測位置に、光ポンピング原子磁気センサを備えたセンサモジュールが複数個配置されていることを特徴とする生体磁場計測装置。
  2. 前記部位は筋肉であり、
    各々の前記センサモジュールは、前記筋肉の筋繊維方向に対して平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の生体磁場計測装置。
  3. 前記部位は筋肉であり、
    各々の前記センサモジュールは、前記筋肉の筋繊維方向に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体磁場計測装置。
  4. 前記筋肉の筋繊維方向と、前記光ポンピング原子磁気センサの光伝播方向とが平行となるように、前記光ポンピング原子磁気センサが配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の生体磁場計測装置。
  5. 前記センサモジュールが計測した磁場の強度を音波に変換する音波変換部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  6. 外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材を有し、
    各々の前記センサモジュールは、前記遮蔽部材の内部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  7. 被検者に電気刺激を与える電気刺激装置を有し、
    前記電気刺激装置は、前記遮蔽部材の外部に配置された電極を介して前記被検者に電気刺激を与えることを特徴とする請求項6に記載の生体磁場計測装置。
  8. 前記被検者の正中神経に電気刺激を与えることを特徴とする請求項7に記載の生体磁場計測装置。
  9. 隣接する前記センサモジュールの間に、コバルト系のアモルファス金属箔を挟んだことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  10. ノイズ磁場を計測するMRセンサを有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  11. 前記光ポンピング原子磁気センサが常温磁気センサであることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  12. 骨格筋の自発筋磁場を計測することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  13. 骨格筋の誘発筋磁場を計測することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の生体磁場計測装置。
  14. 生体の部位の磁場を計測する生体磁場計測方法であって、
    光ポンピング原子磁気センサを備えたセンサモジュールを複数個用いて、誘発刺激の磁場波形を複数回計測する工程と、
    各々の前記センサモジュールについて、複数回計測した前記磁場波形を積算する工程と、
    隣接する前記センサモジュールについて、積算した前記磁場波形の時間ずれTを算出する工程と、
    複数の前記センサモジュールを用いて、誘発刺激の磁場波形を計測した位置と同じ位置で、自発による磁場波形を計測する工程と、
    隣接する前記センサモジュールの一方で計測した前記自発による磁場波形に対し、他方で計測した前記自発による磁場波形を時間軸上で前記Tだけ移動させて合算する工程と、を有することを特徴とする生体磁場計測方法。
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