JP2020106597A - 調光体 - Google Patents

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裕功 橋田
▲高▼橋 和樹
和樹 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】液晶材料の拭き残しが不十分であっても、安定した品質で透明電極表面に導電ペースト、導電テープを接合することを容易とし、製品(個体)毎の拭き取り品質の相違に基づく影響の少ない給電部の構造を備える調光体を提供することを主目的とする。【解決手段】調光体100の端部では、一方の積層体15が切り欠かれて露出した電極領域内の透明電極12上に導電テープ25が積層され、導電テープ25上に形成したハンダを経由して、外部電源につながるリード線に連結した構造の給電部110が形成されており、透明電極12と導電テープ25は油面接着剤20によって接合されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気的制御によって光の透過状態を制御する調光体に関する。
不透明状態(例えば、白濁状態)と透明状態とを切り替える調光体は様々な用途で用いられている。調光体は、例えばガラス等に固定(あるいは、挟み込み)することにより、窓ガラスや展示ウィンドウ、間仕切りなどに採用することが可能となり、例えばプライベート空間とパブリック空間とを分離するため等、空間を分離する設備の他、自動車のサンルーフやサンバイザー用途としても実用に供されている。
例えば、調光体は、電極間に保持された液晶材料からなる調光層を備え、電極に印加する電圧により調光層に含まれる液晶分子の配向状態を変化させて、入射した光を散乱する不透明状態と、入射した光を透過する透明状態とを切り替え可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2には、図2のような調光体の構造が開示されている。調光体30は、フィルム基材34bと、透明導電膜35bと、液晶層33と、透明導電膜35aとフィルム基材34aとをこの順に備えた積層体である。調光体30における電極(給電部)は、液晶層33、並びに透明導電膜35a及びPETフィルム34aが切り欠かれた領域に設けられ、露出した透明導電膜35bの上に塗布された導電ペースト40と、導電ペースト40の上側に圧着された導電テープ41とから成る。導電テープ41は舌片状に延出する延出部41aを備え、ハンダ42によって不図示の外部電源より電力を供給するリード線43が当該延出部41aに連結されている。
特開2014−146051号公報 実公平6−37395号公報
調光体がハーフカット(一方のフィルム基材及び透明電極と、調光層とを切り欠き)されて、ハーフカットされた領域に残った液晶材料が拭き取られ、他方の透明電極が露出した箇所に給電部が形成される。
液晶材料の拭き取り工程は手作業で実施されているため、製品(個体)毎の品質が安定しない。拭き取りの力が不十分な場合、給電部の透明電極の表面に液晶材料が多く残り、導電ペースト、導電テープの接合に支障をきたすことになる。拭き取りの力が強く過剰な場合、上下の透明電極が接触するリスクが増大するのみならず、液晶材料の拭き取りと同時に透明電極を損傷させてしまう恐れがある。透明電極の損傷は、給電部の形成に支障をきたす。
適当な強さで液晶材料を拭き取る工程は、熟練を要し、工程負荷が高い。例えば1箇所あたり30分以上を要する場合がある。また、拭き取りには有機溶剤を使用する。長時間の有機溶剤の使用が作業者へ悪影響を及ぼさないよう環境上の対策が必要となる場合がある。
本発明は、液晶材料の拭き取り工程において液晶材料の拭き残しがあっても、作製が可能な調光体を提供することを目的とする。
本発明による調光体は、透明電極が形成された第1および第2の積層体と、各積層体における前記透明電極間に設けられる調光層と、一方の積層体側から見て他方の積層体の透明電極が露出した領域であって、外部との電気的接続を許容する電極領域と、を有し、電極領域における透明電極は油面接着剤を介して外部に電気的接続されていることを特徴とする。
電極領域において、透明電極は油面接着剤と、導電性の面ファスナーとを介して外部に電気的接続されている構成としても良い。
油面接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤に、メタノール、エタノール、トルエン、IPA(イソプロピルアルコール)、MEK(メチルエチルケトン)から選択される少なくとも一種の液晶吸収成分が添加され、さらに導電性粒子が分散混合してなる接着剤の採用が好適である。
油面接着剤は、調光層の液晶材料を介して貼着しても良い。
本発明によれば、液晶材料の拭き取り工程において液晶材料の拭き残しがあっても、作製が可能な調光体が提供される。
本発明の実施形態による調光体における電極領域(給電部)構造例を示す図。 従来技術による調光体における電極領域(給電部)構造例を示す図。 保護層を有する調光体の構造例を示す図。 導電性の面ファスナーを採用した給電部を有する調光体の構造例を示す図。
以下、本発明の実施形態について図示を用いて説明するが、本発明は以下の説明によって限定されるものではない。
図1は調光体100の給電部110の構造例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
調光体100は、一対の透明導電フィルム15、15と、調光層13と、給電部110とを備える。
調光層13の厚みは、好ましくは5μm〜50μmである。調光層13の厚みは、より好ましくは10μm〜25μmである。
本発明では、調光層13として、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されたタイプのPNLC(ポリマーネットワーク液晶)、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有するタイプのPDLC(高分子分散液晶)の何れかを採用する。本実施形態では、PNLCによる調光体を例として説明する。
PNLCからなる調光層13を具備する調光体100の製造にあたっては、液晶と光重
合性化合物(モノマー)との混合物を一対の透明導電フィルム15(透明電極12の形成されたフィルム基材11)の間に挟み、一定の条件下で紫外線を照射し、光重合によって光重合性化合物が高分子に変化すると共に、光重合および架橋結合により、微細なドメイン(高分子の空隙)を無数に有するポリマーネットワークが液晶中に形成される。
PNLCの駆動電圧は、一般にポリマーネットワークの構造上の特性(ドメインの大きさや形状、ポリマーネットワークの膜厚など)に依存しており、ポリマーネットワークの構造と、得られる光透過度及び光散乱度との関係において、駆動電圧が決定されている。
100V以下の電圧領域において、十分な光透過度及び光散乱度が得られるようなPNLCを構成するには、各ドメインがいずれも適正な大きさで均一となるように、かつ、形状も均一となるようにポリマーネットワークを形成する必要がある。
本発明では、ポリマーネットワーク構造に依存するドメインサイズを3μm以下、好ましくは2μm以下、一層好ましくは0.3〜1.7μmのサイズとなる様に制御する。
透明導電フィルム15は、フィルム基材11上に透明な導電材料からなる透明電極12を成膜してなる。一対の透明導電フィルム15、15は、各透明電極12を調光層13と対向させて調光層13を挟持する。
透明基材11には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム,ポリエチレン(PE)フィルム,ポリカーボネート(PC)フィルムなどを用いることができる。透明基材11の厚みは、50μm以上200μm以下が望ましい。
透明電極12には、一般的に酸化インジウム錫(ITO)などの金属酸化物が用いられるが、ITOに替えて低抵抗の導電性ポリマーを採用することも可能である。導電性ポリマーとしては、PEDOT/PSSに例示されるπ共役系導電性高分子にドープされたポリアニオンを含む材料が好適である。
透明電極12の好適な厚みは80nm以上150nm以下である。
調光層13は、ノーマルモードとリバースモードのいずれであってもよい。ノーマルモードの調光層13は、電圧印加(ON)により透過状態となり、電圧除去(OFF)により散乱状態となる。リバースモードの調光層13は、電圧除去(OFF)により透過状態となり、電圧印加(ON)により散乱状態となる。
調光体100にリバースモードの調光層13を用いる場合は、調光体100は各透明電極12と調光層13との間に配向膜(不図示)を有する。配向膜は、調光層の配向方式(TN方式、VA方式、IPS方式、OCB方式など)に応じて、電圧除去(OFF)時に透過状態を呈する分子配向となるものが選定され、従来公知の水平配向膜,垂直配向膜のいずれかの配向膜が用いられる。
調光体100は、一方の透明導電フィルム15側から見て他方の透明導電フィルム15の透明電極12が露出した領域を有する。露出した透明電極12の表面には、給電のための給電部110が形成される。ITOや導電性ポリマー等からなる透明電極12は、ハンダに接着しないため、ハンダ付けが可能となる様に、透明電極12上に中継的役割を担う端子処理が必要となる。そのため、給電部110は、接着部材20と、導電接続部材25と、はんだと、リード線と、を備える。透明電極12の露出した表面と、導電接続部材25の一方の面が、接着部材20により接着される。導電接続部材25の他方の面は、はんだを介してリード線に電気的に接続される。
導電接続部材25は、例えば、テープ状の銅フィルム(三井金属製 3EC−HTEが例示される)である。
導電接続部材25は、一対の導電テープであってもよい。一対の導電テープは、互いに着脱することが可能な、導電性の面ファスナーである。一方の導電テープの、他方の導電テープと接続する面とは反対の面が、接着部材20により、透明電極12の露出した表面に接着される。他方の導電テープは、一方の導電テープと接続する面とは反対の面に、リード線が電気的に接続される。導電性の面ファスナーは、例えば、表面に銀コートされた面ファスナーや、基布にカーボン含有導電繊維が織り込まれた面ファスナーである。導電性の面ファスナーの各導電テープは、少なくともその一方の面に起毛を有し、互いの起毛が絡むことにより互いに貼りつく。導電接続部材25として導電性の面ファスナーを採用した場合の給電部110の例を図4に示す。導電接続部材25が導電性の面ファスナーである場合、図4(b)に示す様に、一対の導電テープの接合箇所を変えることができ、これによりリード線の位置を容易に調整することができる。導電性の面ファスナーの、一方の導電テープは、その起毛にリード線が絡むことにより、リード線と連結されてもよい。この場合、導電接続部材25は、ハンダを介さず、直接リード線と接続されるため、ハンダが不要であるという利点がある。
接着部材20は、油面接着剤と支持基材とを備える。支持基材の両面に油面接着剤が形成された構成、または、支持基材に油面接着剤が含浸された構成の何れかの両面粘着テープの形態であることが好適である。油面接着剤は、油の付着した下地面に塗布されたとき、油が接着剤中に吸収拡散して高い接着強さを示す。接着部材20は、液晶材料の拭き取り工程において、拭き取られずに透明電極12上に残った液晶材料を吸収し、高い接着強さを示す。商品化されている油面接着剤としては、エポキン樹脂系(商品名ハマタイトESシリーズ)や、変性アクリル樹脂系(商品名セメダインSGA)などが代表的である。
接着部材20に含まれる油面接着剤の組成としては、油面接着剤内に取り込む液晶材料との相溶性が十分に高い組成が望ましく、エポキシ樹脂系接着剤に、メタノール,エタノール,トルエン,IPA(イソプロピルアルコール),MEK(メチルエチルケトン)から選択される少なくとも一種の液晶吸収成分が添加された組成がよい。さらに導通性を維持するために、導電性粒子が加えられた組成がよい。
相溶性は、SP値で示される溶解度パラメータの差が小さいほど大となることが経験的に知られており、油面接着剤主成分のSP値と、吸収する油成分(本発明においては、主にPNLCなどの液晶材料)のSP値が近いことが好適である。
ハンダは、低融点のものが好適である。
給電部110の作製手順の一例について説明する。
<透明導電フィルムのハーフカットおよび剥離>
ノーマルモードの場合、透明導電フィルム15と調光層13と透明導電フィルム15とをこの順に備えた積層体をハーフカットして、一方の透明導電フィルム15と調光層13の一部とを取り除き、他方の透明導電フィルム15の透明電極12を露出させる。例えば、図1(b)の調光100に対し、上面から上側の透明導電フィルム15を貫通して調光層13に切り込みを入れ、さらに側面から調光層13にカッターの刃などの金属板を入れ、引き上げて上側の透明導電フィルム15と調光層13の一部とを剥離する。このとき調光層13は凝集破壊され、その一部が上側の透明導電フィルム15とともに除かれ、一部が下側の透明電極12上に残る。また、調光層13の切り込みの端部からもその一部が流れだし、下側の透明電極12上に載る。
リバースモードの場合、同様にハーフカットにより、上側の透明導電フィルム15と上側の配向膜と調光層13の一部を取り除き、下側の配向膜を露出させる。
透明導電フィルム15の最外面になるフィルム基材11(PETフィルムなど)には、保護フィルムが積層されてある場合もあり、その場合には、保護フィルムのカットおよび除去に続けてフィルム基材11のカットおよび除去を行う。
<液晶拭き取り>
ノーマルモードの場合、下側の透明電極12上に露出した調光層13の一部を、アルコールを染み込ませたウエスを用いて拭き取って除去する。
ノーマルモードで、透明電極12がITOの場合、メタノールまたはIPAを染み込ませたウエスを用いて拭き取ることが好適である。
ノーマルモードで、透明電極12が導電性ポリマーである場合、2ブタノールまたはMEKを染み込ませたウエスを用いて拭き取ることが好適である。
リバースモードの場合、下側の配向膜上に露出した調光層13の一部を、アルコールを染み込ませたウエスを用いて拭き取って除去するメタノールを染み込ませたウエスを用いて拭き取ることが好適である。さらに、調光層13の一部を拭き取った後に、ハーフカットにより下側の配向膜を取り除き、下側の透明電極12を露出させる。
<抵抗値測定>
電極領域の透明導電フィルム15の抵抗値を測定する。抵抗値の良否判定基準は、500Ω/□以下を良とする。 抵抗値の測定では、簡易型低抵抗率計の採用が好適である。
<給電機構の付与>
露出した透明電極12上に、接着部材20を貼合せる。油面接着剤を備える接着部材20を用いることにより、従来必要とされていた透明電極12上への導電ペーストの塗布工程が不要となる。
次いで、接着部材20の、透明電極12と接する面とは反対の面に、導電接続部材25を貼合せる。導電接続部材25の、接着部材20と接する面とは反対の面にハンダが形成され、導電接続部材25は、ハンダと、リード線とを介して電源に電気的に接続される。
<保護層の形成>
給電部110を覆う保護層115を形成しても良い(図3参照)。図1(b)に示される様に、給電部110では、ハーフカットされた調光体100の断裁面では、調光層13が露出している。調光層13は、酸、水分、紫外線などとの接触によって劣化を招きやすくなる。調光体100の取り扱いの上で折れや曲がりが生じると、リード線、ハンダ、導電接続部材25、接着部材20の何れかの境界での剥離(特に、リード線の抜け)の危惧がある。透明電極12が外気に接触することで変質する危惧がある。これらの対策として、給電部110を保護層115にて覆う構成も採用される。
保護層115の材料としては、紫外線硬化性エポキシ樹脂あるいは紫外線硬化性アクリル樹脂が短時間で硬化させることが可能であり好適である。保護層115の材料は、保護層115に要求される特性に応じて適宜選択される。保護層115に要求される特性には、絶縁性、耐水性(電蝕防止)、機械的強度、保護対象との密着性が挙げられる。
電極領域の保護層115は、多層でもよい。例えば、耐熱・耐寒性、機械特性、電気特性、耐薬品性などに優れたポリイミドフィルム(米国デュポン社の商標である「カプトン」が代表的)をベースに、シリコーン系粘着剤を塗布した電気絶縁用,耐熱マスキング用テープを貼着して形成される。
接着部材20が透明電極12を覆う面積が、導電接続部材25が接着部材20を覆うより大面積であるとよい。このとき、保護層115と、接着部材20および導電接続部材25とが、それぞれ十分な接触面積をもって接合される。そのため、層間剥離の危惧がいっそう低減される。
以上により、液晶材料の拭き取り工程において液晶材料の拭き残しがあっても、作製が可能な調光体が提供される。
100 調光体
15 透明導電フィルム
11 フィルム基材
12 透明電極
13 調光層
110 給電部
20 接着部材
25(a,b) 導電接続部材
115 保護層
30 調光体
33 液晶層
34(a,b) PETフィルム
35(a,b) 透明導電膜
40 銀ペースト
41 導電テープ(ピンコネクタ)
41a 延出部
42 ハンダ
43 リード線

Claims (4)

  1. 透明電極が形成された第1および第2の積層体と、
    各積層体における前記透明電極間に設けられる調光層と、
    一方の積層体側から見て他方の積層体の前記透明電極が露出した領域であって、外部との電気的接続を許容する電極領域と、を有し、
    前記電極領域における前記透明電極は油面接着剤を介して外部に電気的接続されていることを特徴とする調光体。
  2. 前記電極領域において、前記透明電極は前記油面接着剤と、導電性の面ファスナーとを介して外部に電気的接続されていることを特徴とする請求項1記載の調光体。
  3. 油面接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤に、メタノール,エタノール,トルエン,IPA(イソプロピルアルコール),MEK(メチルエチルケトン)から選択される少なくとも一種の液晶吸収成分が添加され、さらに導電性粒子が分散混合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の調光体。
  4. 油面接着剤は、調光層の液晶材料を介して貼着してなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の調光体。
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