JP2020121496A - 易接着性ポリアミドフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
更に、脂肪族ポリアミドにポリアミド系エラストマーを混合したフィルムの場合、フィルム製造時に添加したポリアミド系エラストマーが熱劣化するために、ダイスのリップ出口に目ヤニと呼ばれる劣化物を生成しやすい。そして、劣化物はフィルム厚みの精度を悪化させる原因になることがわかった。また、劣化物はそれ自体が落下することで不良製品を生み、フィルム連続生産時の生産効率を低下させる問題があった。
(1)ポリアミド6樹脂97.5〜80質量%とポリアミド系エラストマー2.5〜20質量%との混合樹脂を含むポリアミド樹脂組成物からなる基材層(A層)の両方の面に、ポリアミド6樹脂100〜80質量%、ポリアミド系エラストマー1質量%未満、ポリアミド6及びポリアミド系エラストマー以外のポリアミド樹脂0〜20質量%を含むポリアミド樹脂組成物からなる表面層(B層)が積層されてなる積層延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に固形分として塗布量が0.01〜3g/m2 のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層(C層)を有することを特徴とする易接着性ポリアミドフィルム。
(2)衝撃強度が0.75J/15μm以上、ゲルボフレックステスターを用いたひねり屈曲試験を温度1℃で1000回実施した時のゲルボピンホール欠点数が5個以下、耐摩擦ピンホールテストでピンホール発生までの距離が3000cm以上であることを特徴とする(1)に記載の易接着性ポリアミドフィルム。
(3)前記B層の厚みが少なくとも0.5μm以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の易接着性ポリアミドフィルム。
(4)B層を構成するポリアミド樹脂組成物が、酸化防止剤を0.01〜0.3質量%含有してなることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の易接着性ポリアミドフィルム。
2:段ボール板
3:サンプル保持用の台紙
4:4つ折りしたフィルムサンプル
5:擦る振幅方向
本発明の易接着性ポリアミドフィルムは、特定のポリアミド樹脂組成物からなる基材層(A層)の両方の面に特定のポリアミド樹脂組成物からなる表面層(B層)が積層されてなる積層延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に接着改質層(C層)が積層されるものである。
本発明における基材層(A層)は、ポリアミド6樹脂97.5〜80質量%とポリアミド系エラストマー2.5〜20質量%を含むポリアミド樹脂組成物である。
本発明における基材層(A層)は、ポリアミド系エラストマー2.5〜20質量%を含むことで、耐ピンホール素材としてのポリアミド系エラストマーが分散した構造を持ち、優れた耐屈曲ピンホール性、特に、低温環境下における耐屈曲ピンホール性が良好な積層延伸ポリアミドフィルムを得ることができる。
本発明における基材層(A層)は、ポリアミド6樹脂の含有量が97.5〜80質量%であることで、衝撃強度などの機械的強度が良好な積層延伸ポリアミドフィルムを得ることができる。
基材層のポリアミド樹脂組成物のポリアミド系エラストマーの含有量の下限は、2.5質量%である。これによって耐屈曲ピンホール性の良好な積層延伸ポリアミドフィルムが得られる。
基材層のポリアミド樹脂組成物のポリアミド系エラストマーの含有量の上限は、20質量%である。これによって他の機械的特性や透明性を維持しつつ、耐屈曲ピンホール性の良好な積層延伸ポリアミドフィルムが得られる。
本発明における表面層(B層)は、ポリアミド6樹脂100〜80質量%、ポリアミド系エラストマー1質量%未満、ポリアミド6樹脂とポリアミド系エラストマー以外のポリアミド樹脂0〜20質量%からなる。かかるB層は、樹脂の劣化の主要因となるポリアミド系エラストマーの含有量を1質量%未満にすることで、フィルム生産時にダイス内部での樹脂の劣化を抑制でき、ダイス内面への劣化物の付着やダイス出口への目ヤニの付着を抑制することができる。それによって、フィルムの厚み斑の悪化を防止できる。また、長時間の連続生産を可能にすることができる。
また、ポリアミド系エラストマーの含量を1質量%未満にすることで、耐摩擦ピンホール性を向上でき、摩擦試験でのピンホール発生距離を3000cm以上にできる。
例えば、上記の組成を満足する範囲で、A層の片方の面に微粒子や脂肪酸アマイドを含有させて滑り性を良くしたポリアミド樹脂組成物を積層し、もう片方の面に共重合ポリアミド樹脂を含有させて接着性を良くしたポリアミド樹脂組成物を積層することができる。
本発明におけるB層を構成するポリアミド系エラストマーとしては、上述したA層で使用したものと同様に、ポリアミド成分によって構成されるハードセグメントとポリオキシアルキレングリコール成分によって構成されるソフトセグメントからなるポリアミド系ブロック共重合体である。B層にはポリアミド系エラストマーが含まれないことが最も好適である。
前記微粒子としては、シリカ、カオリン、ゼオライト等の無機滑剤、アクリル系、ポリスチレン系等の高分子系有機滑剤等の中から適宜選択して使用することができる。なお、透明性と滑り性の面から、シリカ微粒子を用いることが好ましい。
<接着改質層(C層)>
本発明の易接着性ポリアミドフィルムは、少なくとも片面に固形分として塗布量が0.01〜3g/m2 のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層を有する。
本発明おける接着改質層は、フィルム製造工程でフィルムをミルロールとして巻き取る前に塗布液を塗布・乾燥して設けられる。
塗布液の塗布は、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム、及び/又は2軸延伸フィルムに行うことができる。フィルムを逐次2軸延伸法で製造する場合は、通常、1軸延伸フィルムに塗布液を塗布し乾燥する。フィルムを同時2軸延伸で製造する場合は、通常、未軸延伸フィルムに塗布液を塗布し乾燥する。
本発明における接着改質層としてポリエステル樹脂を設ける場合、ポリエステル樹脂としては共重合ポリエステル系樹脂を選ぶことができる。共重合ポリエステル系樹脂とはジカルボン酸成分とジオール成分およびその他のエステル形成成分の重縮合物である。共重合ポリエステル系樹脂に構成成分として含有されるジカルボン酸成分としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸などの不飽和ジカルボン酸などを挙げることができる。
ポリエステル樹脂は、水系分散体の塗布液として使用することが好ましい。
本発明における接着改質層としてポリウレタン樹脂を設ける場合、ポリウレタン樹脂としては、例えば、活性水素を2個以上有するポリオール類と有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
ポリオール類としては、たとえば、飽和ポリエステルポリオール類;ポリエーテルポリオール類(たとえばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);アミノアルコール類(たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど);不飽和ポリエステルポリオール類(たとえば不飽和多価カルボン酸単独あるいはこれと飽和多価カルボン酸との混合物と、飽和多価アルコール類と不飽和多価アルコール類との混合物とを重縮合させて得られるもの)、ポリブタジエンポリオール類(たとえば1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオールなど)、アクリルポリオール類(各種アクリル系モノマーとヒドロキシル基を有するアクリル酸系モノマーとを共重合させて得られるヒドロキシル基を側鎖に有するアクリルポリオール類)などの不飽和二重結合を有するポリオール類を挙げることができる。
有機ポリイソシアネートとしては、たとえば、芳香族ポリイソシアネート類(たとえばジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシアネート類(たとえばへキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ポリイソシアネート類(たとえばイソホロンジイソシアネートなど)、芳香族・脂肪族ポリイソシアネート類(たとえばキリレンジイソシアネート)、さらにこれらのイソシアネート類と低分子量ポリオールとを予め反応させて得られるポリイソシアネート類を挙げることができる。
ポリウレタン樹脂は、水系分散体の塗布液にして使用することが好ましい。
本発明における接着改質層としてポリアクリル樹脂を設ける場合、ポリアクリル樹脂としては、アクリル酸またはメタクリル酸、またはその塩類やエステル類を重合して得られるアクリル重合体が挙げられる。
アクリル酸エステル系およびメタクリル酸エステル系単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどを挙げることができる。アクリル酸およびメタクリル酸の塩類としては、たとえば、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウム、メタクリル酸アンモニウムなどが挙げられる。
これらの必須成分の他に、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノメチル、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなどのアクリル酸系単量体を添加してもよい。
この他に塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、ビニルスルホン酸ソーダなどの単量体を共重合成分として用いることもできる。
なお、アクリル重合体には、アクリル酸塩成分、メタクリル酸塩成分、アクリル酸成分、アクリルアミド成分、アクリル酸2−ヒドロキシエチル成分、N−メチロールアクリルアミド成分などの親水性成分が共重合成分として含まれることが塗膜の機能性を高めるために好ましい。また分子側鎖に官能基を有する共重合体であってもよい。また、このアクリル系重合体は、メタクリル酸メチルやメタクリル酸エチルのような硬質成分を主成分として用い、共重合成分として、アクリル酸エステルのような軟質成分を共重合して得ることもできる。
ポリアクリル樹脂は、水系分散体の塗布液にして使用することが好ましい。
本発明における接着改質層に用いる塗布液としては、特にポリアクリル樹脂をポリエステル樹脂にグラフト重合した共重合ポリエステルの水系分散体が好ましい。
アクリルグラフト共重合ポリエステル水系分散体中のアクリルグラフト共重合ポリエステル粒子のレーザー光散乱法により測定される平均粒子径は、500nm以下、好ましくは10nm〜500nm、さらに好ましくは10nm〜300nmである。平均粒子径が500nmを超えると、塗布後の塗膜強度が低下する場合がある。
本発明に用いられ得るアクリルグラフト共重合ポリエステル水系分散体中の粒子は、水性分散媒体中においてポリエステル主鎖をコアとするコア−シェル構造をとる。
本発明においてグラフト化ポリエステルの主鎖として用い得るポリエステルは、好適には少なくともジカルボン酸成分とジオール成分とから合成される飽和または不飽和ポリエステルであり、得られるポリエステルは、1種の重合体または2種以上の重合体の混合物であり得る。そして、本来それ自身では水に分散または溶解しないポリエステルが好ましい。本発明に用い得るポリエステルの重量平均分子量は、5000〜l00000、好ましくは5000〜50000である。重量平均分子量が5000未満であると乾燥塗膜の後加工性等の塗膜物性が低下する。さらに重量平均分子量が5000未満であると、主鎖となるポリエステル自身が水溶化し易いため、アクリルグラフト共重合ポリエステルがコア−シェル構造を形成しない。ポリエステルの重量平均分子量が100000を超えると水分散化が困難となる。水分散化の観点からは100000以下が好ましい。
アクリルグラフと共重合ポリエステルのガラス転移温度は、30℃以下、好ましくは10℃以下である。30℃以下、好ましくは10℃以下にすると、インキ層やシーラント層との接着性と耐久性が向上する。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、これらの酸無水物等を用い得る。
脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロへキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、これらの酸無水物等を用い得る。
炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等を用い得る。
炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を用い得る。
エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用い得る。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要に応じて用い得る。
3官能以上のポリカルボン酸としては、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングルコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等を用い得る。
3官能性以上のポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用い得る。
3官能性以上のポリカルボン酸および/またはポリオールは、上記ジカルボン酸成分を含む全ポリカルボン酸成分あるいは上記ジオール成分を含む全ポリオール成分に対し0〜5モル%、好ましくは、0〜3モル%の範囲で使用し得る。
本発明に用い得るアクリルグラフト共重合ポリエステルのグラフト部分は、親水性基を有するか、または後で親水性基に変化させることができる基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種含む単量体混合物由来のアクリル重合体である。
ガラス転移点は、30℃以下、好ましくは10℃以下である。
グラフト化反応の溶媒は、沸点が50〜250℃の水性有機溶媒から構成されることが好ましい。ここで水性有機溶媒とは20℃における水に対する溶解性が少なくとも10g/L以上、好ましくは20g/L以上である有機溶媒をいう。沸点が250℃を超える水性有機溶媒は、蒸発速度が遅いため、塗膜形成後の塗膜の高温焼付によっても十分に取リ除き得ないので不適当である。また沸点が50℃以下の水性有機溶媒では、それを溶媒としてグラフト化反応を実施する場合、50℃以下の温度でラジカルに分解する開始剤を用いねばならないので取扱上の危険が増大し、好ましくない。
本発明で用い得るラジカル重合開始剤として、当業者には公知の有機過酸化物類や有機アゾ化合物類を用い得る。
有機過酸化物として、ベンゾイルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシピバレート、有機アゾ化合物として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。
グラフト化反応を行なうためのラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性単量体に対して、少なくとも0.2質量%以上、好ましくは0.5質量%以上である。
重合開始剤の他に、グラフト部分の鎖長を調節するための連鎖移動剤、たとえばオクチルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール等を必要に応じて用い得る。この場合、ラジカル重合性単量体に対して0〜5質量%の範囲で添加されるのが望ましい。
グラフト部分の形成は、上記ポリエステル中のラジカル重合性不飽和二重結合と上記ラジカル重合性単量体とが重合することおよび/またはラジカル重合性不飽和二重結合と上記ラジカル重合性単量体の重合体の活性末端とが反応することにより進行する。グラフト化反応終了後の反応生成物は、目的とするグラフト化ポリエステルの他にグラフト部分を有さないポリエステルおよびポリエステルとグラフトしなかったラジカル重合性単量体の重合体を含有する。反応生成物中のグラフト化ポリエステルの生成比率が低く、グラフト部分を有さないポリエステル及びグラフトしなかったラジカル重合性単量体の重合体の比率が高い場合は、安定性の良好な分散体が得られない。
本発明に用いられ得るグラフト化ポリエステルは、固体状態で水系媒体に投入するか、または親水性溶媒に溶解後、水系媒体に投入することによって、水分散化され得る。特に、親水性の基を有するラジカル重合性単量体として、スルホン酸基およびカルボキシル基のような酸性基を有する単量体を用いた場合、グラフト化ポリエステルを塩基性化合物で中和することによって、グラフト化ポリエステルを容易に平均粒子径500nm以下の微粒子として水に分散して、共重合ポリエステル水系分散体を調製し得る。
塩基性化合物の使用量は、グラフト部分中に含まれるカルボキシル基を、少なくとも部分中和あるいは完全中和して、水系分散体のpH値を5.0〜9.0の範囲にする量が好ましい。
上記水系分散体は、そのままで接着改質層を形成する塗布剤として使用し得るが、さらに架橋剤(硬化用樹脂)を配合して硬化を行なうことにより、接着改質層に高度の耐水性を付与することができる。
架橋剤としては、アルキル化フェノール類、クレゾール類等とホルムアルデヒドとの縮合物のフェノールホルムアルデヒド樹脂;尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とホルムアルデヒドとの付加物、この付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物等のアミノ樹脂;多官能性エポキシ化合物;多官能性イソシアネート化合物;ブロックイソシアネート化合物;多官能性アジリジン化合物;オキサゾリン化合物等を用い得る。
これらの架橋剤は、それぞれ単独または2種以上混合して用い得る。 架橋剤の配合量としては、グラフト化ポリエステルに対して、5質量%〜40質量%が好ましい。
本発明における積層延伸ポリアミドフィルムは、公知の製造方法により製造することができる。
例えば、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法が挙げられる。逐次二軸延伸法の方が、製膜速度が上げられるので、製造コスト的に有利であるので好ましい。一軸延伸法による一軸延伸フィルムであっても構わない。
共押出法で積層する場合、A層及びB層に使用するポリアミドの相対粘度は、A層及びB層の溶融粘度の差が少なくなるように選択することが望ましい。
シーラントフィルムや印刷層との接着強度を上げるため、積層延伸ポリアミドフィルム表面及び/又は接着改質層(C層)の表面にコロナ処理や火炎処理等を施してもよい。また、積層延伸ポリアミドフィルムと接着改質層の接着強度を上げるため、積層延伸ポリアミドフィルムの接着改質層(C層)側の表面にコロナ処理や火炎処理等を施してもよい。
(1)フィルムのヘイズ値
株式会社東洋精機製作所製の直読ヘイズメーターを使用し、JIS−K−7105に準拠し測定した。
ヘイズ(%)=〔Td(拡散透過率%)/Tt(全光線透過率%)〕×100
(2)フィルムの衝撃強度
株式会社東洋精機製作所製のフィルムインパクトテスターを使用し測定した。測定値は、厚み10μm当たりに換算してJ(ジュール)/15μmで表した。
理学工業株式会社製のゲルボフレックステスターを使用し、下記の方法により屈曲疲労ピンホール数を測定した。
実施例で作製したフィルムにポリエステル系接着剤を塗布後、厚み40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPEフィルム:東洋紡株式会社製、L4102)をドライラミネートし、40℃の環境下で3日間エージングを行いラミネートフィルムとした。得られたラミネートフィルムを12インチ×8インチに裁断し、直径3.5インチの円筒状にし、円筒状フィルムの一方の端をゲルボフレックステスターの固定ヘッド側に、他方の端を可動ヘッド側に固定し、初期の把持間隔を7インチとした。ストロークの最初の3.5インチで440度のひねりを与え、その後2.5インチは直線水平運動で全ストロークを終えるような屈曲疲労を、40回/分の速さで1000回行い、ラミネートフィルムに発生したピンホール数を数えた。なお、測定は1℃の環境下で行った。テストフィルムのL−LDPEフィルム側を下面にしてろ紙(アドバンテック、No.50)の上に置き、4隅をセロテープ(登録商標)で固定した。インク(パイロット製インキ(品番INK−350−ブルー)を純水で5倍希釈したもの)をテストフィルム上に塗布し、ゴムローラーを用いて一面に延展させた。不要なインクをふき取った後、テストフィルムを取り除き、ろ紙に付いたインクの点の数を計測した。
堅牢度試験機(東洋精機製作所)を使用し、下記の方法により摩擦試験を行い、ピンホール発生距離を測定した。
上記耐屈曲ピンホール性評価で作製したものと同様のラミネートフィルムを、四つ折りにして角を尖らせたテストサンプルを作製し、堅牢度試験機にて、振幅:25cm、振幅速度:30回/分、加重:100g重で、段ボール内面に擦りつけた。段ボールは、K280×P180×K210(AF)=(表材ライナー×中芯材×裏材ライナー(フルートの種類))を使用した。
まず、振幅100回距離2500cmで摩擦テストを行った。ピンホールが開かなかった場合は振幅回数20回距離500cm増やして摩擦テストを行った。またピンホールが開かなかった場合は更に振幅回数20回距離500cm増やして摩擦テストを行った。これを繰り返しピンホールが開いた距離に×をつけて水準1とした。振幅100回距離2500cmでピンホールが開いた場合は振幅回数20回距離500cm減らして摩擦テストを行った。またピンホールが開いた場合は更に振幅回数20回距離500cm減らして摩擦テストを行った。これを繰り返しピンホールが開かなかった距離に○をつけて水準1とした。
次に水準2として、水準1で最後が○だった場合は、振幅回数を20回増やして摩擦テストを行い、ピンホールが開かなかったら○、ピンホールが開いたら×を付けた。水準1で最後が×だった場合は、振幅回数を20回減らして摩擦テストを行い、ピンホールが開かなかったら○、ピンホールが開いたら×を付けた。
更に水準3〜20として、前の水準で○だった場合は、振幅回数を20回増やして摩擦テストを行い、ピンホールが開かなかったら○、ピンホールが開いたら×を付ける。前の水準で×だった場合は、振幅回数を20回減らして摩擦テストを行い、ピンホールが開かなかったら○、ピンホールが開いたら×を付ける。これを繰り返し、水準3〜20に○又は×をつける。
各距離の○と×の試験数を数える。
最もテスト回数の多かった距離を中央値とし、係数をゼロとする。それより距離が長い場合は、500cmごとに係数を+1、+2、+3・・・、距離が短い場合は、500cmごとに係数を−1、−2、−3・・・とした。
水準1〜20までの全ての試験で、穴が開かなかった試験数と穴が開いた試験数を比較して、次のA及びBの場合についてそれぞれの式で摩擦ピンホール発生距離を算出した。
A;全ての試験で、穴が開かなかった試験数が穴が開いた試験数以上の場合
摩擦ピンホール発生距離=中央値+500×(Σ(係数×穴が開かなかった試験数)/穴が開かなかった試験数)+1/2)
B:全ての試験で、穴が開かなかった試験数が穴が開いた試験数未満の場合
摩擦ピンホール発生距離=中央値+500×(Σ(係数×穴が開いた試験数)/穴が開いた試験数)−1/2)
フィルムの幅方向に10等分して(幅が狭いフィルムについては厚みを測定できる幅が確保できる幅になるよう当分する)、縦方向に100mmのフィルムを10枚重ねで切り出し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で2時間以上コンディショニングする。テスター産業製厚み測定器で、それぞれのサンプルの中央の厚みを測定し、その平均値を厚みとした。
基材層(A層)と表面層(B層)の厚みは、上記方法で測定した積層延伸ポリアミドフィルムの合計の厚みをA層の吐出量とB層の吐出量を測定し、吐出量の比をもとにA層とB層の厚みを算出した。
(5)15時間経過後の厚み斑(TV%)
製膜開始から15時間後のフィルムの厚みを上記と同様に測定し、それぞれのサンプルの中央の厚みの最大値と最小値の差を平均値で割った値(%)を15時間経過後の厚み斑(TV%)として算出した。
ダイスのリップの掃除を行ってからフィルムの製膜を開始し、ダイスのリップに目ヤニが発生するまでの時間を観察した。
2軸延伸ポリアミドフィルムを10cm×10cmの面積に切り出し、フィルムの接着改質層面をメチルエチルケトン/トルエン=1/1の混合有機溶剤を染み込ませた布で拭き取り、拭き取り前後の重量を精密天秤(島津製作所社製AUW120D)を用いて測定した。測定した重量差から平方メートル当たりに換算し、塗布量(g/m2 )を算出した。
フィルムにポリエステル系接着剤〔東洋モートン株式会社製のTM−569(製品名)およびCAT−10L(製品名)を質量比で7.2/1に混合したもの(固形分濃度23%)〕を乾燥後の樹脂固形分が3.2g/m2となるように塗布した後、線状低密度ポリエチレンフィルム(L−LDPEフィルム:東洋紡株式会社社製、リックス(登録商標)L4102)40μmをドライラミネートし、40℃の環境下で2日間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。
作製したラミネートフィルムを幅15mm×長さ200mmの短冊状に切断し、ラミネートフィルムの一端を二軸延伸ポリアミドフィルムと線状低密度ポリエチレンフィルムとの界面で剥離し、(株式会社島津製作所製、オートグラフ)を用い、温度23℃、相対湿度50%、引張り速度200mm/分、剥離角度90°の条件下で、上記短冊状ラミネートフィルムの剥離界面に水をスポイトで垂らしながらラミネート強度を3回測定し、その平均値で評価した。
0.25gのポリアミドを25mlのメスフラスコ中で1.0g/dlの濃度になるように96%硫酸で溶解したポリアミド溶液を20℃にて相対粘度を測定した。
(10)原料ポリアミドの融点
JIS K7121に準じてセイコーインスルメンツ社製、SSC5200型示差走査熱量測定器を用いて、窒素雰囲気中で、試料重量:10mg、昇温開始温度:30℃、昇温速度:20℃/分で測定し、吸熱ピーク温度(Tmp)を融点として求めた。
<接着改質層用アクリルグラフト共重合ポリエステル塗布液の調整>
攪拌機、温度計および部分還流式冷却器を具備したステンレススチール製オートクレーブにジメチルテレフタレート466質量部、ジメチルイソフタレート466質量部、ネオペンチルグリコール401質量部、エチレングリコール443質量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.52質量部を仕込み、160〜220℃で4時間かけてエステル交換反応を行った。次いでフマール酸23質量部を加えて200℃から220℃まで1時間かけて昇温し、エステル化反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧したのち0.2mmHgの減圧下で1時間30分攪拌しながら反応させてポリエステルを得た。得られたポリエステルは淡黄色透明で、ガラス転移温度60℃、重量平均分子量は12000であった。NMR測定等により得られた組成は次の通りであった。
・ジカルボン酸成分
テレフタル酸 48モル%
イソフタル酸 48モル%
フマール酸 4モル%
・ジオール成分
ネオペンチルグリコール 50モル%
エチレングリコール 50モル%
得られた分散体を、固形分濃度5%になるように水で希釈して、接着改質層用の塗布液AEGを得た。なお、質量部は固形分としての値である。
水分散性ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、バイロナールMD1930)100質量部と反応型水系ウレタン樹脂(第一工業薬品株式会社製エラストロンBN11)43質量部を混合してから固形分濃度5%になるように水で希釈して接着改質層用の塗布液PESを得た。なお、質量部は固形分としての値である。
<接着改質層用ポリウレタン塗布液の調整>
水分散性ポリウレタン樹脂(DIC株式会社製、ハイドランKU400SF)100質量部に対して、トリメチロールメラミン樹脂(DIC株式会社製、ベッカミンAPM)20質量部を混合してから固形分濃度5%になるように水で希釈して接着改質層用の塗布液PUを得た。なお、質量部は固形分としての値である。
押出機2台と380mm巾の共押出Tダイよりなる装置を使用し、B層/A層/B層の構成で積層してTダイから溶融樹脂をシート状に押出し、20℃に温調した冷却ロールに密着させて厚み200μmの積層未延伸シートを得た。
A層とB層の樹脂組成物は以下のとおりである。
A層を構成する樹脂組成物:ナイロン6(東洋紡株式会社製、相対粘度2.8、融点220℃)97質量部、及びナイロン12がハードセグメントでポリテトラメチレングリコールがソフトセグメントとするポリアミド系エラストマー(アルケマ社製、PEBAX4033SA02)3.0質量部からなるポリアミド樹脂組成物。
B層を構成する樹脂組成物:ナイロン6(東洋紡株式会社製、相対粘度2.8、融点220℃)100質量部、シリカ微粒子0.54質量部及び脂肪酸アマイド0.15質量部からなる樹脂組成物。
なお、積層延伸ポリアミドフィルムの厚みは、合計厚みが15μm、基材層(A層)の厚みが12μm、表裏の表面層(B層)の厚みがそれぞれ1.5μmずつになるように、フィードブロックの構成と押出し機の吐出量を調整した。
次いで、この縦延伸フィルムにアクリルグラフト共重合ポリエステルの水系分散体塗布液をロールコーター方式で塗布し、70℃の熱風で乾燥した。
引き続き、この一軸延伸フィルムを連続的にテンター式延伸機に導き、110℃で予熱した後、横方向に120℃で1.2倍、130℃で1.7倍、160℃で2.0倍延伸して、210℃で熱固定処理した後、210℃で3%および185℃で2%の緩和処理を行い、ついで線状低密度ポリエチレンフィルムとドライラミネートする側の表面をコロナ放電処理して、B層/A層/B層の順に積層された2種3層の積層二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
得られた2軸延伸ポリアミドフィルムのアクリルグラフト共重合ポリエステルの塗布量は、固形分として0.3g/m2 であった。フィルムの特性評価結果を表2に示した。
A層とB層の樹脂組成物及び厚み構成を表2のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの特性評価結果を表2に示した。
なお、比較例1〜3においては接着改質層を塗布しなかった。
AGE:接着改質層用アクリルグラフト共重合ポリエステル塗布層。
PES:接着改質層用ポリエステル塗布層。
PU:接着改質層用ポリウレタン塗布層。
一方、表面層(B層)のポリアミド系エラストマーの含有量が1質量%未満の実施例1〜6では、耐摩擦ピンホール性が良好であった。また、フィルムの厚み斑の悪化が抑制できた。ダイスのリップ面に目ヤニが発生するまでの時間が24時間以上であり、効率的な生産ができた。実施例1〜6では、基材層(A層)にポリアミド系エラストマーを2.5質量%以上含有させているので、耐屈曲ピンホール性の良好なフィルムが得られた。また、接着改質層があることで、耐水ラミネート強度も十分に強いものが得られた。
Claims (4)
- ポリアミド6樹脂97.5〜80質量%とポリアミド系エラストマー2.5〜20質量%との混合樹脂を含むポリアミド樹脂組成物からなる基材層(A層)の両方の面に、ポリアミド6樹脂100〜80質量%、ポリアミド系エラストマー1質量%未満、ポリアミド6及びポリアミド系エラストマー以外のポリアミド樹脂0〜20質量%を含むポリアミド樹脂組成物からなる表面層(B層)が積層されてなる積層延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片面に固形分として塗布量が0.01〜3g/m2 のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリアクリル樹脂のいずれかの樹脂からなる接着改質層(C層)を有することを特徴とする易接着性ポリアミドフィルム。
- 衝撃強度が0.75J/15μm以上、ゲルボフレックステスターを用いたひねり屈曲試験を温度1℃で1000回実施した時のゲルボピンホール欠点数が5個以下、耐摩擦ピンホールテストでピンホール発生までの距離が3000cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の易接着性ポリアミドフィルム。
- 前記B層の厚みが少なくとも0.5μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の易接着性ポリアミドフィルム。
- B層を構成するポリアミド樹脂組成物が、酸化防止剤を0.01〜0.3質量%含有してなることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の易接着性ポリアミドフィルム。
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