JP2020128078A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、印刷の開始位置を把握しやすいハンドヘルド型の印刷装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明によれば、装置筐体の底面に記録部が設けられた印刷装置であって、印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置から走査方向に所定距離離間した位置を、前記記録部の印刷開始の基準位置として印刷を実行する手段を備えることを特徴とするが印刷装置が提供される。本発明においては、前記印刷開始の基準位置は、印刷開始が指示された場合に前記装置筐体の下に隠れていない位置である。さらに、本発明においては、前記印刷開始の基準位置は、前記記録部の基準位置に対して前記走査方向における前記装置筐体下部の最外端の位置である。【選択図】図7

Description

本発明は、印刷装置に関する。
ノートPCの小型化やスマートフォン等のスマートデバイスの急激な普及により、プリンタも容易に持ち運び可能な小型化が大きな要望の1つとして挙げられている。
このような要望に鑑み、紙搬送システムを削除し、人の手で紙面等の平面上を自由に走査(フリーハンド走査)しながらインクを塗布するハンドヘルドプリンタが提案されている(例えば、特許文献1)。
現在、提案されているハンドヘルドプリンタは、ユーザが印刷ボタンを押したときの記録ヘッドのノズル位置を原点として印刷が開始されるようになっている。
しかしながら、ユーザが印刷ボタンを押すとき、ユーザから記録ヘッドのノズル位置は見えないため、ユーザは印刷の開始位置を正確に把握することが難しく、印刷を終えてから印刷の開始位置が希望する位置からずれていることに気付くといったことが起こりやすかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、印刷の開始位置を把握しやすい印刷装置を提供することを目的とする。
本発明者は、印刷の開始位置を把握しやすい印刷装置につき鋭意検討した結果、以下の構成に想到し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明によれば、装置筐体の底面に記録部が設けられた印刷装置であって、印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置から走査方向に所定距離離間した位置を、前記記録部の印刷開始の基準位置として印刷を実行する手段を備えることを特徴とする印刷装置が提供される。
上述したように、本発明によれば、印刷の開始位置を把握しやすい印刷装置が提供される。
本実施形態の印刷システムを示す図。 本実施形態のハンドヘルドプリンタの外観構成を示す図。 本実施形態のハンドヘルドプリンタのハードウェア構成図。 本実施形態のハンドヘルドプリンタの制御部のハードウェア構成図。 本実施形態のハンドヘルドプリンタを用いた印刷処理のフローチャート。 本実施形態の画像データ提供装置の印刷条件設定画面を示す図。 本実施形態の初期位置設定処理のフローチャート。 本実施形態の初期位置設定処理を説明するための概念図。 本実施形態の初期位置設定処理を説明するための概念図。 装置筐体下部の最外端の考え方を説明するための図。 装置筐体下部の最外端の考え方を説明するための図。 本実施形態の画像データ提供装置の印刷プレビュー画面を示す図。 印刷開始位置設定に応じた画像編集を説明するための図。 2つの印刷開始ボタンが設けられたハンドヘルドプリンタを示す図。 別の実施形態の初期位置設定・画像加工処理のフローチャート。 別の実施形態の印刷結果を示す図。
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜、その説明を省略するものとする。
図1は、本発明の実施形態である印刷システム1000を示す。図1に示すように、印刷システム1000には、例示的な一実施形態であるハンドヘルドプリンタ10と画像データ提供装置60を含んで構成される。なお、プリンタとしては、ハンドヘルド型に限定されることなく、プリンタが移動装置に装着され、プリンタが外部制御により印刷対象を移動しながらプリントする、所謂自走式のプリンタを含む。
ハンドヘルドプリンタ10は、ハンドヘルド型の印刷装置であり、印刷方式として、インクジェット方式を採用する印刷装置である。ユーザは、ハンドヘルドプリンタ10を手に持って、任意の印刷媒体70上を自由に移動させることにより、当該印刷媒体70上に任意の画像を形成することができる。なお、ハンドヘルドプリンタ10の印刷方式は、インクジェット方式に限定されず、他の実施形態では、ドットインパクト方式、熱転写方式等の他の印刷方式を採用してもよい。
画像データ提供装置60は、印刷対象の画像データをハンドヘルドプリンタ10に提供する情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、ノートPCなどを例示することができる。
ハンドヘルドプリンタ10および画像データ提供装置60は、いずれも、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の所定の無線規格に準拠した無線通信機能を搭載しており、両者は、無線通信を介して必要な情報の送受信を行う。ただし、本実施形態は、両者が有線通信を介して情報の送受信を行うことを排除するものではない。
以上、本実施形態の印刷システム1000の構成を概説してきたが、続いて、本実施形態のハンドヘルドプリンタ10の外観構成を説明する。
図2(a)、(b)、(c)は、それぞれ、ハンドヘルドプリンタ10の上面図、側面図、底面図を示す。図2に示すように、ハンドヘルドプリンタ10は、略直方体状の筐体を有しており、筐体の上面には、電源ボタン12と、LEDランプ13と、印刷開始ボタン14が設けられている。一方、印刷実行時に印刷媒体に対向することになる底面には、ガイドローラー15a、15bと、ナビゲーションセンサ21と、記録ヘッドユニット26が設けられており、筐体内には図示しないジャイロセンサ(後述する)が搭載されている。当該記録ヘッドユニット26が、本実施形態における記録部に相当する。
ナビゲーションセンサ21は、光学式マウスと同様の仕組みでハンドヘルドプリンタ10の移動量を検出する手段である。ナビゲーションセンサ21は、対向する印刷媒体に光を照射して、その反射光を撮影し、取得したイメージデータの差分に基づいてハンドヘルドプリンタ10の移動量を算出する。なお、ここでいうハンドヘルドプリンタ10の移動量とは、より正確には、ハンドヘルドプリンタ10の筐体底面の幅方向をX軸方向とし、その長手方向をY軸方向とする二次元直交座標系(以下、プリンタ座標系という)におけるナビゲーションセンサ21の位置の移動量(ΔX、ΔY)を意味する。
記録ヘッドユニット26は、複数のノズル(ノズル列)を有する記録ヘッドを記録部として備えており、各ノズルから吐出されるインクの液滴が対向する印刷媒体に印刷画像を形成する。
ガイドローラー15a、15bは、印刷媒体上をスムーズに走査できるようにするための手段であり、これは同時に、記録ヘッドのノズルと印刷媒体との間に印刷に必要な隙間を確保するためのスペーサとして機能する。
以上、本実施形態のハンドヘルドプリンタ10の外観構成について説明したが、続いて、図3に基づいて、ハンドヘルドプリンタ10のハードウェア構成を説明する。
図3に示すように、ハンドヘルドプリンタ10は、上述したナビゲーションセンサ21および記録ヘッドユニット26の他に、その筐体内に、電源16と、電源回路17と、メモリ18と、制御部20と、ジャイロセンサ22と、操作ユニット(OPU)24と記録ヘッド駆動回路27と、画像データ通信I/F28とを搭載する。
電源16は、ハンドヘルドプリンタ10が使用する電力を供給する電源であり、例えば、バッテリー等の二次電池である。電源回路17は、ハンドヘルドプリンタ10の各ユニットへの電力供給を制御する回路である。
メモリ18は、ROMやDRAMで構成される記憶装置である。ROMには、ハンドヘルドプリンタ10のハードウェア制御を行うプログラムや、記録ヘッドを駆動させる駆動波形データおよび初期設定情報のデータなどが格納される。DRAMは、プログラムの実行空間を提供し、画像データや駆動波形データ等の種々のデータが一時的に格納される。
制御部20は、ハンドヘルドプリンタ10の全体制御を行う手段であり、その詳細については後述する。
ジャイロセンサ22は、ハンドヘルドプリンタ10の回転角を検出する手段である。なお、ここでいうハンドヘルドプリンタ10の回転角とは、プリンタ座標系(平面座標系)に直交する軸回りの回転角(Δθ)を意味する。
OPU24は、ユーザの操作を受け付けたり、ハンドヘルドプリンタ10の状態をユーザに通知したりするため手段であり、本実施形態では、電源ボタン12、印刷開始ボタン14およびLEDランプ13がこれに該当する。
記録ヘッド駆動回路27は、記録ヘッドユニット26が備える記録ヘッドを制御する手段である。
画像データ通信I/F28は、所定の無線規格に準拠したデータ通信I/Fであり、ハンドヘルドプリンタ10は、画像データ通信I/F28を介して、画像データ提供装置60からデータを受信する。
以上、本実施形態のハンドヘルドプリンタ10のハードウェア構成を説明したが、続いて、図4に基づいて、ハンドヘルドプリンタ10の制御部20のハードウェア構成を説明する。
制御部20は、SoC40と、ASIC/FPGA50とを備える。SoC40は、CPU41と、メモリーコントローラ42と、位置算出回路43とを含み、これらがバス45を介してデータ通信を行う。
CPU41は、ハンドヘルドプリンタ10の全体制御を行う手段である。メモリーコントローラ42は、メモリ18を制御する手段である。
位置算出回路43は、ナビゲーションセンサ21が検出した移動量(ΔX、ΔY)とジャイロセンサ22が検出したハンドヘルドプリンタ10の回転角(Δθ)を使用して、ナビゲーションセンサ21の位置座標を算出するとともに、算出したナビゲーションセンサ21の位置座標に基づいて、記録ヘッドの各ノズルの位置座標を算出する手段である。
ASIC/FPGA50は、ナビゲーションセンサI/F51と、ジャイロセンサI/F52と、タイミング生成回路53と、記録ヘッド制御回路54と、イメージRAM55、DMAC(Direct Memory Access Controller)56と、回転器57と、割り込み回路58とを含み、これらがバス59を介してデータ通信を行う。なお、バス59はバス45と接続されており、SoC40とASIC/FPGA50が相互にデータ通信を行うことができるようになっている。
タイミング生成回路53は、ナビゲーションセンサI/F51がナビゲーションセンサ21の出力値(ΔX、ΔY)を読み取るタイミングと、ジャイロセンサI/F52がジャイロセンサ22の出力値(Δθ)を読み取るタイミングと、記録ヘッドが液滴を吐出するタイミングを生成し、これらのタイミングをナビゲーションセンサI/F51、ジャイロセンサI/F52および記録ヘッド制御回路54に通知する手段である。
ナビゲーションセンサI/F51は、ナビゲーションセンサ21とデータ通信を行う手段である。
ジャイロセンサI/F52は、ジャイロセンサ22とデータ通信を行う手段である。
DMAC56は、位置算出回路43が算出したノズルの位置座標を基に、各ノズルが液滴を吐出して形成すべき画像データを、メモリーコントローラ42を介してメモリ18から読み出し、イメージRAM55に保存する。
イメージRAM55は、DMAC56が読み出した画像データを一時的に格納する記憶装置である。
回転器57は、ハンドヘルドプリンタ10のヘッド位置・ヘッド傾きに応じて、印刷対象の画像データを回転させる手段である。回転器57は、イメージRAM55から画像データを取得し、ハンドヘルドプリンタ10のヘッド位置・ヘッド傾きに応じて画像データを回転させ、当該画像データが吐出に必要な所定の条件(以下、「吐出条件」とする。)を満たす場合に、当該画像データを記録ヘッド制御回路54に送信する。
記録ヘッド制御回路54は、記録ヘッド駆動回路27を制御して記録ヘッドの吐出動作を制御する手段である。記録ヘッド制御回路54は、タイミング生成回路53が指定するタイミングで、記録ヘッドの吐出動作を制御する制御信号および印刷対象の画像データを記録ヘッド駆動回路27に送信する。
割り込み回路58は、SoC40に対して割り込み信号を送信する手段である。割り込み回路58は、ナビゲーションセンサI/F51がナビゲーションセンサ21との通信を終了しことを通知する割り込み信号や、エラー等のステータス情報を通知する割り込み信号をSoC40に送信する。
以上、ハンドヘルドプリンタ10の制御部20のハードウェア構成を説明したが、続いて、図5に示すフローチャートに基づいて、ハンドヘルドプリンタ10を用いた印刷のフローを説明する。なお、図5においては、破線を境として、左側にユーザの操作を示し、右側に制御部20の動作を示している。
ユーザがハンドヘルドプリンタ10の電源ボタン12を押下すると(ステップS100)、電源の供給を受けて制御部20が動作を開始する(ステップS200)。SoC40は、各デバイスの初期化を実行し(ステップS201)、初期化が完了した時点で(ステップS202、Yes)、LEDランプ13を点灯させて(ステップS203)、印刷可能である旨をユーザに通知する。
これを受けて、ユーザは、画像データ提供装置60を操作して、印刷したい画像を選択するとともに(ステップS101)、画像データ提供装置60が提供する所定の設定画面を介して各種の印刷条件を設定する(ステップS102)。
図6(a)は、印刷開始位置を設定するための印刷開始位置設定画面を例示的に示す。図6(a)に示すように、本実施形態では印刷開始位置設定画面に「ヘッド中央合わせ」と「外装右合わせ」という2種類の印刷開始位置が選択可能に提示される。これを受けて、ユーザは、「ヘッド中央合わせ」および「外装右合わせ」のいずれか一方を印刷開始位置として選択する。本実施形態では、「ヘッド中央合わせ」を選択した場合、記録ヘッドの基準位置が印刷開始の基準位置となり、「外装右合わせ」を選択した場合には、ハンドヘルドプリンタ10の筐体の右端が印刷開始の基準位置となる。当該処理を実行するためのハードウェア及びソフトウェアが、本実施形態における印刷開始基準位置設定手段を構成する。
なお、上述した「記録ヘッドの基準位置」とは、記録ヘッドが備える複数のノズルの中の基準とすべき1つのノズルの位置(以下、基準ノズル位置という)を意味する。また、上述した「印刷開始の基準位置」とは、後述する印刷のための演算が開始される位置を意味するが、印刷のための演算が開始される位置と、実際に印刷動作(記録ヘッドからインクを吐出する動作)が開始される位置とは必ずしも一致しないことを理解されたい。
さらに、ユーザは、図6(b)に示す用紙設定画面を介して用紙の種類を選択し、図6(c)に示す印刷モード設定画面を介して、3種類の印刷モード(テキスト印刷、バーコード印刷、画像印刷)の中から所望の印刷モードを選択する。
「画像印刷」は、ユーザのフリーハンド走査に対応する印刷モードであり、印刷画像の曲がりや欠けが生じないように印刷が制御されるモードである。「テキスト印刷」は、文字列を1回または複数回の直線的な走査パスで印刷するモードであり、文字列の曲がりを許容することで、文字が欠けないで印刷されることを優先するモードである。「バーコード印刷」は、バーコードやQRコード(登録商標)を1回の直線的な走査パスで印刷するモードであり、画像の上下端の欠けを許容することで、バーコード等が曲がらないで印刷されることを優先するモードである。
なお、別の実施形態では、ユーザが設定した印刷モード(テキスト印刷、バーコード印刷、画像印刷)の種類に応じて、印刷開始位置が「外装右合わせ」および「ヘッド中央合わせ」のいずれかに初期設定されるように構成してもよい。
再び図5に戻って説明を続ける。
印刷したい画像の選択と印刷条件の設定を終えたユーザが画像データ提供装置60を操作して印刷の実行を要求すると、画像データ提供装置60は、選択された画像と設定された印刷条件を含む印刷要求を生成し(ステップS103)、生成した印刷要求をハンドヘルドプリンタ10に送信する。
これを受けて、SoC40のCPU41は、画像データを受信している間、LEDランプ13を点滅させてその旨をユーザに通知する(ステップS204)。
一方、ユーザは、印刷を行おうとする印刷媒体上の所望の位置にハンドヘルドプリンタ10を載置して、その位置を印刷の初期位置として決定した後に(ステップS104)、印刷開始ボタン14を押下する(ステップS105)。その後、ユーザは、印刷媒体上を自由に走査して(フリーハンド走査)、画像を形成する(ステップS106)。
一方、印刷開始ボタン14の押下(ステップS105)に応答して、ナビゲーションセンサ21およびジャイロセンサ22が、それぞれ、移動量(ΔX、ΔY)および回転角(Δθ)の検出を開始するとともに(ステップS250)、SoC40のCPU41は、「初期位置設定処理」を実行してナビゲーションセンサ21の初期位置の位置座標をメモリ18に格納する(ステップS205)。なお、「初期位置設定処理」の詳細については後述する。当該処理を可能とするハードウェア及びソフトウェアが、本実施形態におけるセンサ位置情報設定手段を構成する。
CPU41は、ナビゲーションセンサ21の初期位置を格納した後、ナビゲーションセンサ21から移動量(ΔX、ΔY)を取得するようナビゲーションセンサI/F51に通知するとともに、ジャイロセンサ22から回転角(Δθ)を取得するようジャイロセンサI/F52に通知する。これを受けて、ASIC/FPGA50のタイミング生成回路53は、カウンタによる時間計測を行い(ステップS206)、ナビゲーションセンサI/F51およびジャイロセンサI/F52は、それぞれ、ナビゲーションセンサ21およびジャイロセンサ22へのリードタイミングの到来を待機し(ステップS207、No)、設定したセンサリードタイミングが到来する度に(ステップS207、Yes)、ナビゲーションセンサ21およびジャイロセンサ22の内部メモリから、それぞれ、移動量(ΔX、ΔY)および回転角(Δθ)をリードする(ステップS208)。
SoC40のCPU41は、ASIC/FPGA50のナビゲーションセンサI/F51およびジャイロセンサI/F52から、それぞれ、移動量(ΔX、ΔY)および回転角(Δθ)をリードし、メモリ18に格納されているナビゲーションセンサ21の直近の位置座標(この場合、(X、Y))とステップ208でリードした移動量(ΔX、ΔY)および回転角(Δθ)に基づいてナビゲーションセンサ21の現在の位置座標を算出して、メモリ18に格納する(ステップS209)。当該処理を可能とするハーウェア及びソフトウェアが、本実施形態における算出手段を構成する。
SoC40のCPU41は、算出した現在のナビゲーションセンサ21の位置座標をASIC/FPGA50に伝える。これを受けて、ASIC/FPGA50の回転器57は、ナビゲーションセンサ21と記録ヘッドユニット26の位置関係から記録ヘッドの各ノズルの位置座標を算出する(ステップS210)。
ASIC/FPGA50のDMAC56は、ステップS210で算出した各ノズルの位置情報に基づいて、各ノズル周辺の画像データをメモリ18(DRAM)からリードしてイメージRAM55に転送する(ステップS211)。
これを受けて、回転器57は、イメージRAM55に格納された画像データをCPU41が初期化時に指定したヘッド位置・ヘッド傾きに応じて回転させ、回転後の画像データと各ノズルの位置の座標を比較し(ステップS212)、吐出条件を満たすか否かを判定する(ステップS213)。
吐出条件を満たさない場合は(ステップS213、No)、処理は、ステップS207に戻り、吐出条件を満たす場合は(ステップS213、Yes)、回転器57は、画像データを記録ヘッド制御回路54に転送する(ステップS214)。これを受けて、記録ヘッド制御回路54は、記録ヘッド駆動回路27を制御して記録ヘッドのノズルから印刷媒体にインクを吐出させる。
その後、全画像データの吐出が完了するまで(ステップS215、No)、上述したステップS207〜S215が繰り返され、全画像データの吐出が完了した時点で(テップS215、Yes)、SoC40のCPU41は、LEDランプ13を消灯させて、その旨をユーザに通知する(ステップS216)。
以上、ハンドヘルドプリンタ10を用いた印刷処理のフローの一連の流れについて説明したが、続いて、印刷開始ボタン14の押下に応答して実行される「初期位置設定処理」を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
「初期位置設定処理」では、まず、画像データ提供装置60から受信した印刷要求に含まれる印刷条件を読み出し(ステップS301)、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」および「外装右合わせ」のいずれに設定されているかを判断する(ステップS302)。
その結果、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」に設定されている場合は、処理はステップS303に進み、「ヘッド中央合わせ」に対応する値として所定の記憶領域に保持されている位置座標αを読み出し、ナビゲーションセンサ21の初期位置として位置座標αを設定して、処理を終了する。
一方、印刷開始位置が「外装右合わせ」に設定されている場合は、処理はステップS304に進み、「外装右合わせ」に対応する値として所定の記憶領域に保持されている位置座標βを読み出し、ナビゲーションセンサ21の初期位置として位置座標βを設定して、処理を終了する。
ここで、ナビゲーションセンサ21の初期位置として設定される上述した2つの位置座標α,βについて説明する。
まず、図8に示す概念図に基づいて、「ヘッド中央合わせ」設定時にナビゲーションセンサ21の初期位置として設定される位置座標αについて説明する。本実施形態では、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」に設定されている場合、印刷開始ボタン14が押下された場合の基準ノズル位置が印刷開始の基準位置となり、当該基準ノズル位置を原点とする印刷対象領域において印刷が実行されることになる。
ここで、「ヘッド中央合わせ」設定時における印刷対象領域とは、図8(a)に示すように、基準ノズル位置を原点(0,0)とする二次元直交座標系によって定義される領域を意味し、当該二次元直交座標系の軸方向(x−y)は、印刷開始ボタン14が押下された場合のプリンタ座標系の軸方向(X−Y)に一致する。
ここで、ナビゲーションセンサ21の位置と基準ノズル位置が図8(b)に示す位置関係にある場合、基準ノズル位置を原点(0,0)とするプリンタ座標系上のナビゲーションセンサ21の位置座標αは(−b,a)となる。つまり、図8(b)に示す例では、「ヘッド中央合わせ」設定時において、ナビゲーションセンサ21の初期位置の位置座標を(−b,a)に設定することにより、基準ノズル位置が印刷対象領域の原点(0,0)となる。
次に、図9に示す概念図に基づいて、「外装右合わせ」設定時にナビゲーションセンサ21の初期位置として設定される位置座標βについて説明する。本実施形態では、印刷開始位置が「外装右合わせ」に設定されている場合、ハンドヘルドプリンタ10の筐体の右端が印刷開始の基準位置となり、当該ハンドヘルドプリンタ10の筐体の右端を原点とする印刷対象領域において印刷が実行されることになる。
ここで、「外装右合わせ」設定時における印刷対象領域とは、図9(a)に示すように、基準ノズル位置を起点として走査方向(すなわち、プリンタ座標系のX軸方向)に延びる直線と装置筐体の右側の最外端が交差する位置Pを原点(0,0)とする二次元直交座標系によって定義される領域を意味し、当該二次元直交座標系の軸方向(x−y)は、印刷開始ボタン14が押下された場合のプリンタ座標系の軸方向(X−Y)に一致する。
ここで、ナビゲーションセンサ21の位置と位置Pが図9(b)に示す位置関係にある場合、位置Pを原点(0,0)とするプリンタ座標系上のナビゲーションセンサ21の位置座標βは(-{b+c},a)となる。つまり、図9(b)に示す例では、「外装右合わせ」設定時において、ナビゲーションセンサ21の初期位置の位置座標を(-{b+c},a)に設定することにより、位置P(すなわち、装置筐体の右側の最外端の位置)が印刷対象領域の原点(0,0)となる。この場合、ユーザは、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体の右端を目安として、印刷開始位置を正確に把握することができる。
なお、本実施形態では、上述した「外装右合わせ」と同様の考え方で、印刷開始位置を「外装左合わせ」に設定できるようにしてもよい。その場合、基準ノズル位置を起点としてハンドヘルドプリンタ10の走査方向に延びる直線と装置筐体の左側の最外端が交差する位置P’が印刷媒体座標系の原点(0,0)となるように、ナビゲーションセンサ21の位置と位置P’の位置関係に基づいてナビゲーションセンサ21の初期位置を設定すればよい。この場合、ユーザは、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体の左端を目安として、印刷開始位置を正確に把握することができる。なお、上記処理を自走式プリンタとして実装する場合でも、同様の処理を適用することができる。
要するに、本実施形態のハンドヘルドプリンタ10は、印刷開始ボタン14の押下によって印刷開始が指示された場合に装置筐体の下に隠れていない所定の位置を原点とする印刷対象領域において印刷を実行することができるので、ユーザは、印刷の開始位置を把握しやすくなり、希望した位置から印刷を開始することが容易になる。なお、ここでいう「装置筐体の下に隠れていない所定の位置」とは、基準ノズル位置から走査方向に所定距離だけ離間した位置であって、ユーザに印刷開始位置を正確に把握させるという目的に適った適切な位置を意味する。したがって、上述した「装置筐体下部の最外端」の意味するところは、上記目的に照らして合目的的に解釈されなければならず、不必要に限定的に解釈してはならない。
例えば、図10(a)に示すように、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体が高さ方向に一定の幅を有している場合は、印刷媒体70上の位置P1を「装置筐体下部の最外端」とみなすことが上記目的にかなうし、図10(b)に示すように、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体の幅が上面から底面に向かって狭くなっている場合は、印刷媒体70上の位置P2を「装置筐体下部の最外端」とみなすことが上記目的にかなうだろう。さらに、ユーザが装置筐体の下部をのぞき込むような姿勢で印刷することを前提とする場合は、位置P2に近傍する位置P3を「装置筐体下部の最外端」とみなすことが上記目的にかなうだろう。
さらに付け加えるならば、図11(a)に示すように、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体の側面に、印刷対象領域の把握を助けるためのガイド部材19を設ける場合には、図11(b)に示すように、走査方向に横たわるガイド部材19の先端の位置P4を「装置筐体下部の最外端」とみなすことが上記目的にかなうだろう。なお、ガイド部材19は、記録ヘッドから見て走査方向の延長線上にヒンジを介して接続されており、印刷を行わない場合は、装置筐体の側面に収容されるようになっている。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような設計変更が可能である。
例えば、画像データ提供装置60が選択した印刷開始位置に対応する印刷イメージをプレビューできるようにしてもよい。図12(a)は、印刷開始位置として「ヘッド中央合わせ」が選択された場合のプレビュー画面の例を示し、図12(b)は、印刷開始位置として「外装右合わせ」が選択された場合のプレビュー画面の例を示す。
また、印刷開始位置の設定内容に応じて、印刷の対象となる画像データのサイズを変更するようにしてもよい。具体的には、図13に示すように、印刷時において、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体が定型用紙から走査方向にはみ出さない印刷ルールを採用した場合、印刷開始位置の設定によって、印刷対象領域のサイズが変化する。図13(a)に示すように、印刷開始位置を「ヘッド中央合わせ」に設定した場合には、印刷対象領域の走査方向の幅が最大限大きくなるが、図13(b)に示すように、印刷開始位置を「外装右合わせ」に設定した場合には、印刷対象領域の走査方向の幅が狭くなる。この場合、画像データ提供装置60が選択された印刷開始位置と選択された用紙サイズに基づいて印刷対象領域のサイズを算出し、算出した印刷対象領域のサイズに応じて印刷の対象となる画像データのサイズを変更するようにしてもよい。
また、印刷開始位置の設定(すなわち、印刷対象領域の原点の設定)をハンドヘルドプリンタ10が備える操作手段を介して受け付けるようにしてもよい。例えば、図14に示すように、ハンドヘルドプリンタ10の筐体の上面に2つの印刷開始ボタン14a、14bを設け、上面の中央に配置された印刷開始ボタン14aの押下に応答して、「ヘッド中央合わせ」の設定を受け付け、上面の右端近傍に配置された印刷開始ボタン14bの押下に応答して、「外装右合わせ」の設定を受け付けるように構成してもよい。
また、印刷開始位置の設定(すなわち、印刷対象領域の原点の設定)の内容をハンドヘルドプリンタ10が備える表示手段を介して表示するようにしてもよい。例えば、印刷開始ボタン14a、14bを、LEDランプを内蔵させるなどして、光るボタン(表示手段)として構成し、図14(a)に示すように、「ヘッド中央合わせ」の設定時には、印刷開始ボタン14aを点灯させ、図14(b)に示すように、「外装右合わせ」の設定時には、印刷開始ボタン14bを点灯させることで、ユーザが設定された印刷開始位置を視覚的に確認できるようにしてもよい。
なお、これまでは、図9(b)に示すように、基準ノズル位置から走査方向に距離cだけ離間した位置Pを印刷対象領域の原点とすることによって、ハンドヘルドプリンタ10の装置筐体下部の最外端から印刷が開始されるようにする実施形態について説明してきたが、別の実施形態では、印刷の対象となる画像データを加工することによって、同等の結果を得ることができる。以下、具体的に説明する。
(別の実施形態)
別の実施形態では、図5に示したフローチャートのステップ205において、図7に示した「初期位置設定処理」に代えて、図15のフローチャートに示す「初期位置設定・画像加工処理」が実行される。
「初期位置設定・画像加工処理」では、まず、所定の記憶領域に保持されている位置座標αを読み出し、ナビゲーションセンサ21の初期位置として位置座標αを設定する(ステップS401)。ここでいう位置座標αとは、先の図8で説明したのと同様に、印刷開始ボタン14が押下された場合の基準ノズル位置が印刷対象領域の原点(0,0)となるように計算された位置座標(−b,a)を意味する。
続いて、画像データ提供装置60から受信した印刷要求に含まれる印刷条件を読み出し(ステップS402)、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」および「外装右合わせ」のいずれに設定されているかを判断する(ステップS403)。
その結果、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」に設定されている場合は、そのまま処理を終了する。一方、印刷開始位置が「外装右合わせ」に設定されている場合は、処理はステップS404に進む。
続くステップS404では、印刷要求に含まれる印刷対象の画像データの走査方向に直交する縁辺に所定幅の余白データを付加する処理を実行する。ここでいう所定幅の大きさは、基準ノズル位置から装置筐体下部の最外端までの走査方向の距離Lに相当する。
図16(a)は、印刷開始位置が「ヘッド中央合わせ」に設定されている場合の印刷結果を示し、図16(b)は、印刷開始位置が「外装右合わせ」に設定されている場合の印刷結果を示す。図16(b)に示すように、本実施形態では、「外装右合わせ」に設定されている場合に、画像データの原点側(紙面左側)の縁辺に幅Lの余白データが付加されることにより、基準ノズル位置が印刷対象領域の原点となるにもかかわらず、実際の印刷動作は装置筐体下部の最外端から開始されることになる。なお、当該処理を可能とするハードウェアおよびソフトウェアが、本実施形態における余白データが追加された画像データの印刷を実行する手段を構成する。
なお、印刷開始位置を「外装左合わせ」に設定した場合は、同様の考え方により、画像データの原点側の縁辺に対向する縁辺(すなわち、紙面右側の縁辺)に幅Lの余白データを付加すればよい。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうるその他の実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…ハンドヘルドプリンタ
12…電源ボタン
13…LEDランプ
14…印刷開始ボタン
15…ガイドローラー
16…電源
17…電源回路
18…メモリ
19…ガイド部材
20…制御部
21…ナビゲーションセンサ
22…ジャイロセンサ
24…操作ユニット(OPU)
26…記録ヘッドユニット
27…記録ヘッド駆動回路
28…画像データ通信I/F
40…SoC
41…CPU
42…メモリーコントローラ
43…位置算出回路
45…バス
50…ASIC/FPGA
51…ナビゲーションセンサI/F
52…ジャイロセンサI/F
53…タイミング生成回路
54…記録ヘッド制御回路
55…イメージRAM
56…DMAC
57…回転器
58…割り込み回路
59…バス
60…画像データ提供装置
70…印刷媒体
1000…印刷システム
特開2016‐215472号公報

Claims (14)

  1. 装置筐体の底面に記録部が設けられた印刷装置であって、
    印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置から走査方向に所定距離離間した位置を、前記記録部の印刷開始の基準位置として印刷を実行する手段
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷開始の基準位置は、印刷開始が指示された場合に前記装置筐体の下に隠れていない位置である、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記印刷開始の基準位置は、前記記録部の基準位置に対して前記走査方向における前記装置筐体下部の最外端の位置である、
    請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 装置筐体の底面に記録部が設けられた印刷装置であって、
    印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置、又は、印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置から走査方向に所定距離離間した位置を、前記記録部の印刷開始の基準位置として設定する印刷開始基準位置設定手段と、
    前記印刷開始基準位置設定手段によって設定された位置を、前記印刷開始の基準位置として印刷を実行する手段と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  5. 前記印刷開始の基準位置の設定内容を表示する表示手段
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記印刷開始の基準位置の設定を受け付ける操作手段を備えることを特徴とする、
    請求項4又は5に記載の印刷装置。
  7. 印刷要求の送信元の情報処理装置から前記印刷開始の基準位置の情報を受信する受信部
    を備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記印刷開始の基準位置と、印刷対象となる画像データが印刷される用紙のサイズとに基づく印刷対象領域に応じて前記画像データを編集する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の印刷装置。
  9. 前記記録部の移動量を検出するセンサと、
    前記印刷開始の基準位置を印刷対象領域の原点とする座標系上における前記センサの位置情報を設定するセンサ位置情報設定手段と、
    前記センサの位置情報と、前記記録部の移動量とに基づいて前記記録部の位置情報を算出する算出手段と
    を備え、
    前記印刷を実行する手段は、
    前記記録部の位置情報に基づいて印刷を実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
  10. 前記印刷を実行する手段は、
    前記印刷開始の基準位置を原点とする印刷対象領域において印刷を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記印刷を実行する手段は、
    前記印刷開始の基準位置として前記記録部の基準位置が設定された場合、前記記録部の基準位置を原点とする印刷対象領域において印刷を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  12. 装置筐体の底面に記録部が設けられた印刷装置であって、
    印刷要求の送信元の情報処理装置から印刷対象となる画像データを受信する手段と、
    受信した前記画像データの縁辺に所定幅の余白データを付加する画像データ加工手段と、
    印刷開始が指示された場合の前記記録部の基準位置を、前記記録部の印刷開始の基準位置として、前記余白データが付加された前記画像データの印刷を実行する手段と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  13. 前記所定幅は、
    前記記録部の基準位置から走査方向に前記装置筐体の下に隠れていない位置までの距離に相当する
    ことを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
  14. 前記位置は、前記装置筐体下部の最外端の位置である
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置。
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