JP2020132015A - 航空機の空調用配管構造および空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空調システムを構成する混合チャンバに向けて流入する温度調整空気と再循環空気との混合を促進することが可能な航空機の空調用配管構造、およびそれを備えた空調システムを提供すること。【解決手段】空調用配管構造30は、航空機の空気調和装置2により得られた温度調整空気と、与圧区画40から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバ3に、温度調整空気および再循環空気を流入させる。この空調用配管構造30は、温度調整空気が流れる第1配管31Rと、再循環空気が流れ、第1配管31Rと接続される第2配管32Rと、温度調整空気と再循環空気とが合流する合流位置33Rの近傍において温度調整空気および再循環空気の少なくとも一方に抵抗を与える流路制限部35とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、航空機の空調用の配管構造と、それを備えた空調システムに関する。
航空機に搭載される空調システムは、一般に、エンジンからの抽気と外気とを用いて流量や温度を制御することで温度調整空気を得る空気調和装置と、温度調整空気と再循環空気とを混合する混合チャンバと、混合チャンバにより得られた調和空気を客室や操縦室等の与圧区画に供給する供給系と、与圧区画から排出される空気を再循環させる再循環系とを備えている。
混合チャンバは、空気調和装置からの温度調整空気と、温度調整空気と比べて通常は温度が高い、再循環系からの再循環空気とを受け入れて混合する。
空気調和装置は、航空機の右舷および左舷のそれぞれに設けられている。温度調整空気は、右舷の空気調和装置から右側配管を通じて混合チャンバに流入し、左舷の空気調和装置からも左側配管を通じて同一の混合チャンバに流入する。再循環空気も、右側配管と左側配管とを通じてそれぞれ同一の混合チャンバに流入する。
右舷と左舷とからそれぞれ混合チャンバに流入した温度調整空気および再循環空気が、混合チャンバ内で混合されることにより、与圧区画に適温の調和空気が得られる。混合チャンバの複数の出口からそれぞれ流出した調和空気は、客室等へと送られる。
特許文献1に記載された空気調和装置用ミキサーは、第1配管と、第1配管よりも径が大きく、第1配管の一部を包囲する第2配管とを含む二重構造に構成されている。第1配管の内部と、第2配管の内部とは、第1配管の壁に形成された複数の孔により連通している。そのため、第1配管に流入した温度調整空気と、第2配管に流入した再循環空気とがミキサーの内部で混合される。
特表2007−505786号公報
温度調整空気と再循環空気との混合を促進するため、右舷側および左舷側のそれぞれにおいて、温度調整空気と再循環空気とをチャンバよりも上流で合流させると良い。その場合、右舷側の合流した空気がチャンバの右舷用の入口に流入し、左舷側の合流した空気がチャンバの左舷用の入口に流入する。右舷側および左舷側のそれぞれにおいて、温度調整空気と再循環空気とが合流した後、チャンバの入口まで流れる間に予め混合されるため、チャンバ内における混合を促進する効果が得られる。
温度調整空気と再循環空気とを十分に混合して、チャンバから流出する空気の温度を複数の出口間で均一化する観点からは、温度調整空気と再循環空気とが合流してからチャンバの入口まで流れる区間の長さが長いことが好ましい。しかし、配管の取り回しの制約等から、それが難しい場合もある。
本発明は、空調システムを構成する混合チャンバに向けて流入する温度調整空気と再循環空気との混合を促進することが可能な航空機の空調用配管構造、およびそれを備えた空調システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の空調用配管構造は、航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、温度調整空気が供給される領域から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、温度調整空気および再循環空気を流入させる。
かかる空調用配管構造は、温度調整空気が流れる第1配管と、再循環空気が流れ、第1配管と接続される第2配管と、温度調整空気と再循環空気とが合流する合流位置の近傍において温度調整空気および再循環空気の少なくとも一方に抵抗を与える流路制限部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の空調用配管構造は、航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、温度調整空気が供給される領域から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、温度調整空気および再循環空気を流入させる。
かかる空調用配管構造は、温度調整空気が流れる第1配管と、再循環空気が流れ、第1配管に接続される第2配管と、温度調整空気と再循環空気とが合流した流れに対して抵抗を与える流路制限部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の空調用配管構造において、温度調整空気と再循環空気とが合流する合流位置よりも下流でかつ合流位置の近傍における流路断面積が、流路制限部により縮小されており、流路制限部は、流路断面における少なくとも第2配管側に位置していることが好ましい。
本発明の第1、第2の空調用配管構造において、流路制限部は、温度調整空気と再循環空気とが合流する合流位置の近傍または合流位置よりも下流における流路断面の周方向に沿って環状または筒状に形成されていることが好ましい。
本発明の第1、第2の空調用配管構造は、右舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である右側第1配管と、右側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である右側第2配管と、左舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である左側第1配管と、左側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である左側第2配管と、を備え、混合チャンバは、右側第1配管および右側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を混合チャンバに流入させる右側入口と、左側第1配管および左側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を右側入口とは反対側から混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、右側における温度調整空気および再循環空気の合流と、左側における温度調整空気および再循環空気の合流との少なくとも一方に関して、流路制限部が与えられていることが好ましい。
本発明の第3の空調用配管構造は、航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、温度調整空気が供給される領域から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、温度調整空気および再循環空気を流入させる。
かかる空調用配管構造は、温度調整空気が流れる第1配管と、再循環空気が流れ、第1配管に接続される第2配管と、第1配管を流れる温度調整空気の上流に向けて再循環空気を案内する案内部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第3の空調用配管構造では、温度調整空気と再循環空気とが合流する位置において、温度調整空気の流れと、再循環空気の流れとがなす角度が鋭角または直角であることが好ましい。
本発明の第3の空調用配管構造において、第2配管は、案内部を含む形状に成形されていることが好ましい。
本発明の第3の空調用配管構造は、右舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である右側第1配管と、右側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である右側第2配管と、左舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である左側第1配管と、左側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である左側第2配管と、を備え、混合チャンバは、右側第1配管および右側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を混合チャンバに流入させる右側入口と、左側第1配管および左側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を右側入口とは反対側から混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、右側における温度調整空気および再循環空気の合流と、左側における温度調整空気および再循環空気の合流との少なくとも一方に関して、案内部が与えられていることが好ましい。
本発明の第1〜3の空調用配管構造は、温度調整空気と再循環空気とが合流して混合チャンバまで流れる予混合区間を備えることが好ましい。
さらに、予混合区間は、第1配管の軸線に沿っていることが好ましい。
本発明の第1〜3の空調用配管構造は、混合チャンバを備えることが好ましい。
本発明の第1〜3の空調用配管構造は、右舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である右側第1配管と、右側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である右側第2配管と、左舷に対応する空気調和装置により得られた温度調整空気が流れる第1配管である左側第1配管と、左側第1配管を流れる温度調整空気に合流する位置に向けて再循環空気が流れる第2配管である左側第2配管と、を備え、混合チャンバは、右側第1配管および右側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を混合チャンバに流入させる右側入口と、左側第1配管および左側第2配管をそれぞれ流れて合流した温度調整空気および再循環空気を右側入口とは反対側から混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、右側第1配管および右側第2配管をそれぞれ流れて温度調整空気と再循環空気とが合流する位置から右側入口まで延びた右側予混合区間と、左側第1配管および左側第2配管をそれぞれ流れて温度調整空気と再循環空気とが合流する位置から左側入口まで延びた左側予混合区間と、を備え、右側予混合区間の長さと左側予混合区間の長さとは相違していることが好ましい。
上記構成において、右側における温度調整空気および再循環空気の合流と、左側における温度調整空気および再循環空気の合流との少なくとも一方に関して、流路制限部および案内部から選ばれた混合促進のための構成要素が与えられていることが好ましい。
本発明の航空機の空調システムは、上述した空調用配管構造と、抽気および外気を用いて温度調整空気を得る空気調和装置と、混合チャンバを経た調和空気を空調区画に供給する供給系と、空調区画から排出された再循環空気が流れる再循環系と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、合流位置の近傍または合流位置よりも下流に位置する流路制限部、あるいは、温度調整空気の上流に向けて再循環空気を案内する案内部により、混合チャンバよりも上流で温度調整空気と再循環空気混合との混合を促進することができる。
混合チャンバよりも上流で温度調整空気と再循環空気との混合が促進されることにより、混合チャンバの内部において温度調整空気と再循環空気とがより十分に混合されるため、混合チャンバの各出口から流出する調和空気の温度を均一化することができる。
航空機に搭載される空調システムに備わる空調回路の構成を示す図である。 図1に示す混合チャンバ(混合部)を含む空調用配管構造を示す図である。 図2のIII矢印の向きから混合チャンバおよび配管を示す図である。 (a)および(b)は、第1実施形態に係る空調用配管構造を示す図である。(a)は、混合チャンバに4系統の空気を流入させる配管構造を模式的に示す図である。(b)は、(a)および図5のIVb−IVb線断面図であり、流路制限部を示している。(c)は、流路制限部の変形例を示す図である。 温度調整空気と再循環空気とが合流する位置の近傍を示す模式図である。 温度調整空気と再循環空気との合流した直後における流路断面の温度分布イメージを解析結果に基づいて示す図である。 (a)は、第1実施形態について、混合チャンバの複数の出口のそれぞれの温度分布イメージを解析結果に基づいて示す図である。(b)は、比較例を示す図である。 (a)は、第1実施形態の変形例に係る空調用配管構造を示す模式図である。(b)は、(a)のVIIIb−VIIIb線断面図である。(c)は、流路制限部の変形例を示す図である。 流路制限部における流路の開口率Arと、混合チャンバまたはその近傍から供給先に向けて流出する調和空気の最大温度差ΔTmaxと、圧力損失ΔPtとの関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、流路制限部が第1配管に設けられる例を示す図である。(c)は、流路制限部が第2配管に設けられる例を示す図である。 第2実施形態に係る空調用配管構造を示す模式図である。 (a)は、図11に示す第2配管の形状により、再循環空気が温度調整空気に対して鋭角をなして合流する様子を示す模式図である。(b)は、第2実施形態の変形例を示す模式図である。(c)は、第2実施形態の他の変形例を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る航空機の空調用配管構造について説明する。
(空調システムの構成)
まず、図1を参照し、航空機に搭載される空調システム1全体の概略構成を説明する。以下の空調システム1の説明は、本発明の各実施形態に共通する。
空調システム1(図1)は、エンジンまたは補助動力装置(APU;Auxiliary Power Unit)から取り出された抽気と、航空機の外部から取り込まれた外気(ラムエア)とを用いて、与圧区画40の与圧、冷暖房、および換気を行う。エンジンおよび補助動力装置の図示は省略する。
空調システム1は、抽気および外気から温度調整空気を得る空気調和装置2と、混合チャンバ3(混合部)と、供給系4と、再循環系5とを備えている。
空気調和装置2は、環境制御システム(ECS;Environmental control system)と呼ばれる。
空調システム1は、航空機の燃費を抑えるため、空気調和装置2により得られた新鮮な温度調整空気に、与圧区画40からの排気である再循環空気を混合して与圧区画40に供給する。
空気調和装置2は、抽気を外気により冷却して温度調整空気を得る。この温度調整空気が、混合チャンバ3により再循環空気と混合されることで、与圧区画40に適温の調和空気が得られる。
空気調和装置2は、例えば、圧縮機、タービン、熱交換器、流量弁、および除湿器等を備えており、温度調整空気の流量や温度等を制御する。例えば、空気調和装置2による与圧区画40の温度のフィードバック制御により、温度調整空気の流量や温度が制御される。
「温度調整空気」は、空気調和装置2により抽気および外気から所定の温度に制御された空気のことをいうものとする。
右舷に対応する空気調和装置2(2R)は、右舷のエンジンからの抽気および外気を用いて温度調整空気を得る。左舷に対応する空気調和装置2(2L)は、左舷のエンジンからの抽気および外気を用いて温度調整空気を得る。空気調和装置2R,2Lのいずれも、駐機中は、エンジンからの抽気に代えて、補助動力装置からの抽気を用いる。
右舷用の空気調和装置2Rにより得られた温度調整空気と、左舷用の空気調和装置2Lにより得られた温度調整空気と、右舷用の再循環系5(5R)を流れる再循環空気と、左舷用の再循環系5(5L)を流れる再循環空気とが混合チャンバ3において混合される。
空気調和装置2により得られた温度調整空気と、与圧区画40に一旦供給されて区画内を循環した空気である再循環空気とが、例えば1:1の流量比で混合チャンバ3に流入し、混合チャンバ3の内部で混合される。通常は、温度調整空気の温度よりも再循環空気の温度の方が高い。温度調整空気と再循環空気との温度差は、例えば、40〜60℃である。
混合チャンバ3を経た適温の調和空気が、供給系4を通じて与圧区画40へと供給される。
図1において、温度調整空気を実線の矢印で示し、再循環空気を破線の矢印で示し、調和空気を一点鎖線の矢印で示している。
図1に示す例では、複数の与圧区画(41〜43)のうち操縦室41のみは、温度調整空気と再循環空気とが合流する位置よりも下流で、温度調整空気と再循環空気との混合した流れの一部が、調和空気として、混合チャンバ3を経ないで直接、操縦室41に供給される。但し、混合チャンバ3を経た調和空気が操縦室41に供給されるようにしてもよい。
与圧区画40には、操縦室41(コックピット)、客室42(キャビン)、および貨物室43(カーゴ)が含まれている。客室42は、前胴に対応する前側領域421と、後胴に対応する後側領域422とに区分されている。供給系4は、前側領域421と、後側領域422とにそれぞれ調和空気を供給する。
図1に示す例では、客室42に供給された調和空気が貨物室43に供給される。
供給系4は、典型的には、右舷側および左舷側のそれぞれの吹出口から調和空気を各領域41,421,422,43に供給する。供給された領域内を循環した調和空気は、各領域41,421,422,43の例えば床付近にある排気口から床下の空間に排出される。床下の空気の一部(例えば約1/2)は、再循環用送風機51R,51Lにより再循環系5R,5Lにそれぞれ吸い込まれ、残りは、図示しない圧力調整弁(アウトフローバルブ)を通じて非予圧区画へと排出される。図1に示す例では、再循環系5Rを流れる再循環空気が、電子機器室44に配置される電子機器の冷却にも用いられる。
(空調用配管構造の構成)
次に、図2および図3を参照し、本発明の実施形態に係る空調用配管構造30について説明する。
以下に述べる空調用配管構造30の構成は、後述する混合促進のための構成要素を除いて、本発明の各実施形態に共通する。
空調用配管構造30は、空気調和装置2Rおよび再循環系5Rに対応する右舷用の流入配管30Rと、空気調和装置2Lおよび再循環系5Lに対応する左舷用の流入配管30Lと、流入配管30R,30Lをそれぞれ通じて温度調整空気および再循環空気が流入する混合チャンバ3とを備えている。
混合チャンバ3は、図2および図3に示すように、略円筒形に構成されており、2つの入口10R,10Lと、複数(ここでは4つ)の出口11〜14とを備えている。これらの入口10R,10Lおよび出口11〜14のいずれも、混合チャンバ3の略円筒形のチャンバ本体3Aに設けられている。
出口11〜14にはそれぞれ、図示しない流出配管が接続される。出口11〜14は、客室前側領域421の右舷側の吹出口、客室前側領域421の左舷側の吹出口、客室後側領域422の右舷側の吹出口、および客室後側領域422の左舷側の吹出口に個別に対応している。
本実施形態とは異なり、混合チャンバ3に、操縦室への供給用の出口を含めた5つの出口が設けられていてもよい。
右舷用の流入配管30Rは、入口10Rからチャンバ本体3Aの内側に温度調整空気および再循環空気を流入させる。
左舷用の流入配管30Lは、入口10Rとは反対側に位置する入口10Lからチャンバ本体3Aの内側に温度調整空気および再循環空気を流入させる。
入口10R,10Lは、図3に示すように、チャンバ本体3Aの軸方向の一端側に位置している。入口10Rと入口10Lとは、図2(図4(a)も参照)に示すように、チャンバ本体3Aの軸心に対してほぼ点対称に配置され、いずれもチャンバ本体3Aの接線方向に沿ってチャンバ本体3Aの内側に開口している。
出口11〜14は、チャンバ本体3Aの軸方向の他端側において、チャンバ本体3Aの周方向に分布している。
入口10R,10Lおよび出口11〜14の各開口を互いに干渉しないで配置することができるように、チャンバ本体3Aの径や軸方向の長さが適切に定められている。
入口10Rと入口10Lからそれぞれチャンバ本体3Aの内側に、チャンバ本体3Aの接線方向に流入した温度調整空気および再循環空気は、チャンバ本体3Aの内側で旋回流をなしつつ混合されて、出口11〜14から図示しない流出配管に流出する。
右舷用の流入配管30Rは、空気調和装置2Rにより得られた温度調整空気が流れる第1配管31Rと、再循環空気が流れ、混合チャンバ3よりも上流で第1配管31Rに接続される第2配管32Rとを備えている。第2配管32Rは再循環系5Rの一部を構成している。
第1配管31Rと第2配管32Rとが接続されている箇所(図3参照)で温度調整空気と再循環空気とが合流する。
混合チャンバ3よりも上流で第1配管31Rと第2配管32Rとが接続されているため、混合チャンバ3よりも上流で温度調整空気と再循環空気とが合流した後、入口10Rまで流れ、混合チャンバ3の内側へと流入する。
同様に、左舷用の流入配管30Lは、空気調和装置2Lにより得られた温度調整空気が流れる第1配管31Lと、再循環空気が流れ、混合チャンバ3よりも上流で第1配管31Lに接続される第2配管32Lとを備えている。第2配管32Lは再循環系5Lの一部を構成している。
混合チャンバ3よりも上流で第1配管31Lと第2配管32Lとが接続されているため、混合チャンバ3よりも上流で温度調整空気と再循環空気とが合流した後、入口10Lまで流れ、混合チャンバ3の内側へと流入する。
流入配管30R,30Lのそれぞれにおいて、温度調整空気と再循環空気とが合流した後、混合チャンバ3まで流れる間に予め混合されるため、温度調整空気と再循環空気とが合流しないで別々に混合チャンバ3に流入する場合と比べて、混合チャンバ3の出口11〜14から流出するまでの間に、混合チャンバ3の内部で温度調整空気と再循環空気とがより十分に混合される。つまり、混合チャンバ3よりも上流で温度調整空気と再循環空気とを合流させていることで、温度調整空気と再循環空気との混合が促進される。
右舷用の第1配管31Rを流れる温度調整空気と、右舷用の第2配管32Rを流れる再循環空気とは、合流する位置(合流位置33R)から混合チャンバ3の入口10Rまでは予混合区間34Rを流れる。予混合区間34Rは、図2に示す例では第1配管31Rの一部に相当し、第1配管31Rの軸線に沿っている。
左舷用の第1配管31Lを流れる温度調整空気と、左舷用の第2配管32Lを流れる再循環空気とは、合流する位置(合流位置33L)から混合チャンバ3の入口10Lまでは予混合区間34Lを流れる。予混合区間34Lは、図2に示す例では第1配管31Lの一部に相当する。
左舷用の予混合区間34Lは、右舷用の予混合区間34Rよりも長い。そのため、合流位置33Lから入口10Lまで予混合区間34Lを流れる間に、温度調整空気および再循環空気の混合が進行する。
左舷用の予混合区間34Lの側壁には、予混合区間34Lを流れる温度調整空気と再循環空気との混合した流れの一部を操縦室41に向けて取り出す出口15が設けられている。
流入配管30R,30Lの各配管31R,32R,31L,32Lは、温度調整空気および再循環空気のそれぞれに必要な流量を確保しつつ、温度調整空気と再循環空気とを十分に混合させる観点から、所定の形状、所定の管長に構成されている。
その他の観点としては、混合チャンバ3と、流入配管30R,30Lと、混合チャンバ3の各出口に接続される図示しない流出配管とを含む構造物を機内に与えられた設置用スペースに収め、かつ周りの部材との干渉を避けることが挙げられる。かかる構造物の体積を抑えて機体重量を低減することが燃費低減の観点からも好ましい。これらの観点をも考慮して、流入配管30R,30Lの各配管の形状や管長等が定められることが好ましい。
温度調整空気と再循環空気との混合を合流時に促進させる効果で言えば、第2配管32Rを第1配管31Rに直角に接続することが好ましい。
しかし、設置用スペースが狭い等の理由から、本実施形態(図3参照)のように、第2配管32Rを第1配管31Rに対して傾斜した状態で接続せざるを得ない場合もある。
なお、第1配管31Rが第2配管32Rに対して接続されていてもよい。
図2に示すように、流入配管30R,30Lの各配管は、混合チャンバ3の周りにまとまり良く取り回されている。
右舷用の流入配管30Rの第1配管31Rおよび第2配管32Rは、上流側である前方から後方に向けて延び、チャンバ本体3Aよりも前方で1つの配管に統合されて(予混合区間34R)、チャンバ本体3Aの前側に位置する入口10Rに接続される。
左舷用の流入配管30Lの第1配管31Lおよび第2配管32Lは、上流側である前方から後方に向けて延び、チャンバ本体3Aの側方で1つの配管に統合されている(予混合区間34L)。予混合区間34Lは、チャンバ本体3Aよりも後方まで取り回され、チャンバ本体3Aの後側に位置する入口10Lに接続される。
上述したように混合チャンバ3よりも上流側で温度調整空気と再循環空気とを合流させる空調用配管構造30において、温度調整空気と再循環空気との混合をより促進するための構成要素を以下に説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜3に加えて図4〜図9を参照し、第1実施形態に係る空調用配管構造30を説明する。
第1実施形態の空調用配管構造30は、図4(a)および図5に示すように、右舷用の第1配管31Rを流れる温度調整空気と右舷用の第2配管32Rを流れる再循環空気とが合流する合流位置33Rの近傍で、温度調整空気および再循環空気の少なくとも一方に抵抗を与える流路制限部35を備えていることを主要な特徴とする。流路制限部35は、配管内の一部に流路を制限して流体に抵抗を与えるものであり、温度調整空気と再循環空気との混合を促進するための構成要素に相当する。
図5に、温度調整空気の流れを矢印F1で示し、再循環空気の流れを矢印F2で示す。F1の延長線とF2の延長線とは交差する。F1の延長線とF2の延長線との交点およびその近傍が合流位置33Rに相当する。
図2および図4(a)に示すように、左舷用の流入配管30Lの予混合区間34Lの長さと比べて、右舷用の流入配管30Rの予混合区間34Rの長さは短い。そのため、予混合区間34R,34Lの長さの違いだけで言えば、合流させていることにより得られる混合促進効果が小さい右舷側の予混合区間34Rに、流路制限部35を与えている。そうすることで、予混合区間34Rが短いとしても、温度調整空気と再循環空気との混合を十分に促進する。
流入配管30R,30Lの取り回しの経路によっては、本実施形態とは逆に、右舷用の予混合区間34Rよりも左舷用の予混合区間34Lの方が短い場合もあり得る。その場合は、左舷用の合流位置33Lの近傍に流路制限部35を設けるとよい。
流路制限部35は、図4(a)および図5に示すように、合流位置33Rよりも下流でかつ合流位置33Rの近傍において、第2配管32R側に配置されている。流路制限部35によれば、主として再循環空気に抵抗を与えて混合促進を図ることができる。
流路制限部35が設置されていることで、図4(b)に灰色で示す流路制限部35の領域の面積の分だけ、予混合区間34Rの流路断面積が縮小されている。つまり、流路制限部35が予混合区間34Rの配管の内側に配置されていることで、予混合区間34Rの流路が狭められている。図4(b)に示す予混合区間34Rの断面円形の配管の内側における白色の領域の面積が、予混合区間34Rの流路断面積に相当する。
なお、第1配管31R、第2配管32R、予混合区間34R等の各配管の断面形状は、円形に限らず、楕円や矩形等の適宜な形状であってよい。
流路制限部35は、合流位置33Rの近傍で温度調整空気および再循環空気の少なくとも一方に抵抗を与えることができる限りにおいて、適宜な形状に構成することができる。
流路制限部35は、例えば、図4(a)および図5に示すように、板状であってよい。この流路制限部35は、図5に示す例では、予混合区間34Rの管軸に対して直交しているが、管軸に対して傾斜していてもよい。
本実施形態のように、予混合区間34Rの配管に流路制限部35が取り付けられていてもよいし、予混合区間34Rの配管と一体に流路制限部35を形成することもできる。
本実施形態の流路制限部35は、図4(b)および図5に示すように、予混合区間34Rの流路断面における第2配管32R側に位置している。この流路制限部35は、第2配管32Rから流出する再循環空気の流れの近くに、適宜な方法で配管に設置されている。
この流路制限部35は、合流位置33Rよりも下流で温度調整空気および再循環空気のうち主として再循環空気の流れに対して流動抵抗を与える。流路制限部35の設置により抵抗が与えられるとはいえ、温度調整空気および再循環空気のそれぞれに、冷暖房、与圧、および換気等の空調システム1の機能の維持に必要な圧力、流量は確保されている。
図6は、温度調整空気と再循環空気とが合流した直後における流路断面の温度分布イメージを示している。色の濃淡により温度分布が示されているように、相対的に温度が低い温度調整空気による領域A1と、相対的に温度が高い再循環空気による領域A2とに配管の内側が二分されている。
温度調整空気と再循環空気とは、予混合区間34Rを流れる間に、温度差に対応する密度差に基づいて熱を授受しながら次第に混合されることに加えて、流路制限部35により抵抗が与えられることで温度調整空気および再循環空気に流動が生じることによっても混合される。流路制限部35により流動が与えられた温度調整空気および再循環空気は、流動により撹拌されつつ、熱を授受しながら混合される。
温度調整空気と再循環空気とが混合される予混合区間34Rが短いとしても、流路制限部35により、温度調整空気および再循環空気の合流した流れに適度な抵抗が与えられることで、予混合区間34Rの終端(入口10R)までに温度調整空気と再循環空気との混合を十分に促進することができる。
一方、長い予混合区間34Lを備えた左舷用の流入配管30L(図4(a))の合流位置33Lで温度調整空気と再循環空気とが合流した流れは、合流直後には図6に示すように温度の異なる領域A1,A2に二分され、管軸と平行に層流をなしているとしても、予混合区間34Lを流れる間に混合が進行する。
予混合区間34Lの長さや、第1配管31Lを流れる温度調整空気の温度や第2配管32Lを流れる再循環空気の温度等によっては、左舷用の流入配管30Lにも流路制限部35を設けて混合促進を図ることができる。
流入配管30R,30Lのそれぞれにおいて合流した流れは、入口10Rと入口10Lとからそれぞれ混合チャンバ3の内側に流入すると、旋回しつつ、出口11〜14から流出するまでの間に混合チャンバ3の内部でより十分に混合される。
本実施形態によれば、右舷用の流入配管30Rからも左舷用の流入配管30Lからも、温度調整空気および再循環空気の合流した流れが温度偏差の小さい状態で混合チャンバ3に流入する。そのため、混合チャンバ3の出口11〜14に至るまでに、温度調整空気と再循環空気とを均一な温度になるまで十分に混合することができる。
右舷用の流入配管30Rと左舷用の流入配管30Lとの間で、温度調整空気の温度差および再循環空気の温度差のいずれか一方あるいは両方が存在していたとしても、かかる温度差は、温度調整空気と再循環空気との温度差と比べて十分に小さい。
つまり、流入配管30R,30Lの間で温度調整空気や再循環空気の温度がばらついていたとしても、合流後の予混合区間34Rが短い流入配管30Rにおいて流路制限部35の作用により温度の偏差を小さくしておき、流入配管30R,30Lから流入した温度調整空気と再循環空気とが混合チャンバ3において十分に混合されることで、混合チャンバ3の出口11〜14から流出する調和空気の温度を均一化することができる。
図7(a)は、流路制限部35を備えた本実施形態における混合チャンバ3の出口11〜14のそれぞれの温度分布のイメージを色の濃淡により示している。
図7(b)は、比較例として、流路制限部35が設けられていない場合の出口11〜14の温度分布を示す。比較例の空調配管構造は、流路制限部35が設けられていないことを除いて、空調用配管構造30と同様に構成されている。
比較例(図7(b))では、出口11〜14相互の間に温度差が認められる。例えば、出口12の平均温度は、出口13の平均温度よりも高い。
ここで、出口12において高温領域A1と低温領域A2との存在が認められ、出口13においても高温領域A1と低温領域A2との存在が認められる。上述したように温度調整空気と再循環空気との流量比は例えば1:1であり、空気調和装置2による温度制御や、外的要因等により変動しうるが、通常の制御の範囲内であれば、この比率から大きくは逸脱しない。比較例では、流量比が同等である温度調整空気と再循環空気とが十分に混合されぬまま管軸と平行な層流をなして混合チャンバ3に流入したことが、出口11〜14間の温度差に繋がったものと考えられる。
一方、本実施形態(図7(a))では、各出口11〜14における温度偏差が小さく、かつ各出口11〜14における平均温度が同等である。本実施形態では、出口11〜14から供給先に向けてそれぞれ流出する調和空気の出口11〜14相互の間における温度差が比較例と比べて小さい。
例えば、比較例では出口11〜14間における最大の温度と最小の温度との差が約5℃であるのに対して、本実施形では出口11〜14間における最大の温度と最小の温度との差が約2.7℃に留まる。
混合チャンバ3の出口11〜14間の温度差が小さいため、同一の混合チャンバ3から調和空気が分配される、客室42の前側領域421の右舷側および左舷側、後側領域422の右舷側および左舷側の全体として、室温の均一化が図られる。つまり、客室42の全体に亘り適温の調和空気を供給することができる。
客室42の全体に亘り室温にムラがなければ、客室42の1箇所または数箇所において検知された代表の温度に基づいて行われる空気調和装置2の制御が、抽気の使用量を抑えながら、調和空気の温度の変動が小さく安定して行われることとなる。
以上より、客室42全体に亘り適温で温度の安定した調和空気が供給されるため、乗客の快適性を向上させることができる。また、抽気の使用量を抑えて効率よく制御が行われることで、燃費の低減にも寄与することができる。
流路制限部35に代えて、図8(a)および(b)に示す流路制限部36を採用することもできる。流路制限部36は、合流位置33Rから入口10Rまでの間に設置される絞りに該当する。流路制限部36は、予混合区間34Rの流路断面の周方向に沿って環状または筒状に形成されている。図8(b)に示すように、流路制限部36により、予混合区間34Rの流路断面積が縮小されている。
流路制限部36は、合流後の温度調整空気と再循環空気との双方に抵抗を与える。この流路制限部36によっても、合流した流れに流動を生じさせて混合を促進させることができる。
流路制限部36における流路としての開口36Aは、予混合区間34Rの軸心と同心の形状には限らず、予混合区間34Rの軸心に対して偏心した形状であってもよい。例えば、主として再循環空気の流れに抵抗を与えるように、図8(c)に示す流路制限部36Bのように、温度調整空気側の幅W1に対して再循環空気側の幅W2が広くてもよい。
その他、流路制限部は、温度調整空気と再循環空気との合流した流れに対して抵抗を与えることができる限りにおいて、適宜な形状に構成することができる。例えば、図4(c)に示す流路制限部37のように、全体的にメッシュ状に形成されていてもよい。
本実施形態のように合流位置33Rの近傍に流路制限部35が設置されていると、温度調整空気と再循環空気との合流した流れが層流を維持することなく、合流直後に流路制限部35により流動を生じて混合された後、さらに入口10Rまで流れる間に混合が進行するため、混合を促進する効果が高い。
但し、合流位置33Rの近傍に限らず、合流位置33Rよりも下流の適宜な位置に流路制限部35を配置することによっても、温度調整空気と再循環空気との混合を促進することができる。
予混合区間34Rの長さによっては、予混合区間34Rに複数の流路制限部35を管軸方向に間隔をおいて配置することで、混合促進効果を高めることができる。
図9は、解析結果に基づいて、流路制限部35(図4(a)および(b))における流路の開口率Arと、最大温度差ΔTmaxおよび圧力損失ΔPtとの関係を示している。
開口率Arは、図4(b)を参照すると、予混合区間34Rの配管の開口全体の面積に対する灰色の領域(流路制限部35)の面積の比率に相当する。
最大温度差ΔTmaxは、混合チャンバ3の出口11〜14のそれぞれから流出する調和空気の平均温度の出口11〜14相互の間での最大温度差、つまり、各出口の平均温度の最大値と最小値との差に相当する。ΔTmaxが小さいほど出口11〜14間で温度が均一化されている。ΔTmaxは、空気調和装置2による温度制御に所定の設定条件を与えた解析により得ることができる。
圧力損失ΔPtは、空気が流れる際の抵抗の指標として参考に示している。ΔPtは、例えば、1000Paの圧力損失降下分に相当する。
図9に示すように、開口率Arが低いほど、最大温度差ΔTmaxが小さくなるが、圧力損失ΔPtは大きくなる。設定条件が変わったとしても、開口率Ar、最大温度差ΔTmax、および圧力損失ΔPtの関係は、同様の傾向を示す。
図9から、流路制限部35により制限された流路の開口率が50〜78%の範囲内であるならば、空調機能の維持に必要な圧力、流量の確保を考慮して圧力損失ΔPtを抑えつつ、快適性を満足させるために目標とする温度差の上限値Tcmf以下の最大温度差ΔTmaxを実現することができる。図9に破線で示すTcmfは、例えば、3℃である。
図8(a)および(b)に示す流路制限部36における流路の開口率Arと、最大温度差ΔTmaxおよび圧力損失ΔPtとの関係も、図9と同様の傾向を示す。そのため、流路制限部36により制限された流路の開口率が50〜78%の範囲内であるならば、空調機能の維持に必要な圧力、流量の確保を考慮して圧力損失ΔPtを抑えつつ、Tcmf以下の最大温度差ΔTmaxを実現することができる。
〔第1実施形態の変形例〕
第1実施形態の流路制限部35と同様に、合流位置33Rの近傍に配置される他の流路制限部の例を示す。
図10(a)に示す流路制限部38は、第1配管31Rにおける合流位置33Rの近傍に配置されている。流路制限部38は、図8(a)および(b)に示す流路制限部36と同様に形成された絞りに該当する。
流路制限部38により、第1配管31Rを流れる温度調整空気に抵抗が与えられると、温度調整空気に加え、温度調整空気が合流する再循環空気にも流動を生じるため、両者の混合を促進することができる。
図10(b)に示す流路制限部38Aにおける流路としての開口38Bは、第1配管31Rの軸線に対して第2配管32R側に偏心している。この流路制限部38Aによれば、温度調整空気の流れが第2配管32Rに向けて偏向するので、合流時の流動による撹拌効果が高まり、温度調整空気と再循環空気との混合をより促進することができる。
図10(c)に示す流路制限部39は、第2配管32Rに設けられて合流位置33Rの近傍に位置している。この流路制限部39は、第2配管32Rの流路断面において、第1配管31Rを流れる温度調整空気の下流側に位置している。
なお、流路制限部39が、図10(a)に示す流路制限部38と同様に環状の絞りであってもよい。
流路制限部39により再循環空気に抵抗が与えられることで、再循環空気と温度調整空気とに流動を生じさせて両者の混合を促進することができる。
流路制限部39の設置により、第2配管32Rの流路(流路制限部39の開口39A)が、第2配管32Rの軸線に対して温度調整空気の上流側にシフトしているため、再循環空気の流れが温度調整空気の上流側に向けて偏向する。そのため、合流時の流動による撹拌効果が高まり、温度調整空気と再循環空気との混合をより促進することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図11および図12を参照し、第2実施形態の空調用配管構造30Aについて説明する。空調用配管構造30Aは、上述した流路制限部35等に代えて、あるいは、流路制限部35等と併用することにより、温度調整空気と再循環空気との混合促進に寄与できる構成要素を備えている。
以下、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成には同じ符号を与えている。
図11および図12に示す第2実施形態の空調用配管構造30Aは、温度調整空気の上流に向けて再循環空気を案内する案内部301を備えることを特徴とする。案内部301を備えることを除いて、空調用配管構造30Aは、第1実施形態の空調用配管構造30(図2、図4)と同様に構成されている。
案内部301は、第2配管32Rの軸線に対して、再循環空気を温度調整空気の上流に向けて案内する向きに傾斜した傾斜面302を有している。再循環空気の下流側における傾斜面302の端部302Aは、再循環空気の上流側における傾斜面302の端部302Bよりも第2配管32Rの径方向内側に位置している。傾斜面302は、第2配管32Rの内周部に滑らかに連続していることが好ましい。
案内部301により、第2配管32Rの終端近傍における流路が温度調整空気の上流に向けてシフトしつつ、当該流路の断面積が終端に向かうにつれて次第に縮小している。
第2配管32Rは、案内部301を含む形状に成形されていることが好ましい。そうすると、配管に部材を付加することなく、混合促進効果を得ることができる。
あるいは、図12(b)に示すように、案内部303を第2配管32Rに取り付けることにより、案内部301と同様の形状を第2配管32Rに与えてもよい。
図12(a)に再循環空気の流れを矢印F2で示すように、第2配管32Rの終端近傍の案内部301により、第1配管31Rを矢印F1の向きに流れる温度調整空気の上流側に向けて、第2配管32Rから再循環空気を流出させることができる。
つまり、案内部301の作用により、再循環空気の流れF2が第2配管32Rの軸線に対して温度調整空気の上流側に偏向する。そうすると、再循環空気の流れF2と、温度調整空気の流れF1とがなす角度θが小さくなる。合流角度θは、90°を超えた鈍角であってもよいが、直角以下(直角または鋭角)であることが好ましい。
再循環空気と温度調整空気とがなす合流角度θが小さいほど、流れF1,F2の衝突による合流時の撹拌効果が高いため、層流が形成され難く、混合が促進される。
その上、第2配管32Rの終端近傍に円環状の絞りを配置した場合と比べて、温度調整空気と再循環空気との合流位置33Rが温度調整空気の上流側にシフトする結果、合流位置33Rから入口10Rまでの距離が長くなることによっても、温度調整空気と再循環空気との混合をより促進することができる。
ある観点からは、案内部301の作用により、第2配管32Rの曲率半径を小さくして第1配管31Rに第2配管32Rを直角に接続した場合と同等の合流角度θを得られることとなる。つまり、周りの部材との干渉や、設置用スペース等の制約から第2配管32Rを第1配管31Rに直角に接続することができない場合であっても、第2配管32Rの湾曲の曲率半径が大きい外周側321に案内部301を与えることで合流角度θを直角に近づけて、混合促進効果を大きくすることができる。
第2実施形態によっても、合流位置33Rの近傍で流路を制限する第1実施形態と同等の混合促進効果を得ることができる。具体的には、図9に示した約78%の開口率Arに対応する最大温度差ΔTmaxおよび圧力損失ΔPtを実現することができる。
第2実施形態においても、混合チャンバ3よりも上流で温度調整空気と再循環空気との混合が十分に促進されていることで、混合チャンバ3の出口11〜14から流出する調和空気の温度を均一化することができる。
加えて、第2実施形態では、再循環空気が案内部301に沿ってスムーズに流れ、剥離等が起き難い。そのため、流路断面積の縮小による圧力損失の増加を抑えつつ、混合促進効果を十分に得ることができる。
案内部301に代えて、図12(c)に示す案内部304を第2配管32Rに設置するようにしてもよい。案内部304は、第2配管32Rの終端の開口から、温度調整空気の上流に向けて再循環空気を案内するように傾斜した状態で、第1配管31Rの内側に突出している。この案内部304によっても、再循環空気の流れを温度調整空気の上流側に向けて偏向させ、再循環空気の流れと、温度調整空気の流れとがなす合流角度θ(図12(a))を直角に近づける、あるいは直角以下にすることができるため、混合を促進することができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
合流位置33Rから混合チャンバ3の入口10Rまで予混合区間34Rが所定の長さで延びていることは必須ではない。合流位置33Rから入口10Rまでの距離が殆どない場合であっても、第1実施形態の流路制限部35や第2実施形態の案内部301等の混合促進のための構成要素が合流位置33Rの近傍に配置されていることにより、温度調整空気と再循環空気との混合促進の効果を得ることができる。
1 空調システム
2,2L,2R 空気調和装置
3 混合チャンバ
3A チャンバ本体
4 供給系
5,5L,5R 再循環系
10L 入口(左側入口)
10R 入口(右側入口)
11〜14 出口(混合チャンバの出口)
15 操縦室供給用の出口
30,30A 空調用配管構造
30L,30R 流入配管
31L 第1配管(左側第1配管)
31R 第1配管(右側第1配管)
32L 第2配管(左側第2配管)
32R 第2配管(右側第2配管)
33L,33R 合流位置
34L 予混合区間(左側予混合区間)
34R 予混合区間(右側予混合区間)
35,36,36B,37,38,38A,39 流路制限部
36A 開口
40 与圧区画(空調区画)
41 操縦室
42 客室
43 貨物室
44 電子機器室
51L,51R 再循環用送風機
301,303,304 案内部
302 傾斜面
302A 端部
302B 端部
321 外周側
421 客室前側領域
422 客室後側領域
A1 高温領域
A2 低温領域
W1,W2 幅
θ 合流角度

Claims (14)

  1. 航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、空調区画から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、前記温度調整空気および前記再循環空気を流入させる配管構造であって、
    前記温度調整空気が流れる第1配管と、
    前記再循環空気が流れ、前記第1配管と接続される第2配管と、
    前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する合流位置の近傍において前記温度調整空気および前記再循環空気の少なくとも一方に抵抗を与える流路制限部と、を備える、
    ことを特徴とする航空機の空調用配管構造。
  2. 航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、空調区画から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、前記温度調整空気および前記再循環空気を流入させる配管構造であって、
    前記温度調整空気が流れる第1配管と、
    前記再循環空気が流れ、前記第1配管に接続される第2配管と、
    前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流した流れに対して抵抗を与える流路制限部と、を備える、
    ことを特徴とする航空機の空調用配管構造。
  3. 前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する合流位置よりも下流でかつ前記合流位置の近傍における流路断面積が、前記流路制限部により縮小されており、
    前記流路制限部は、流路断面における少なくとも前記第2配管側に位置している、
    請求項2に記載の航空機の空調用配管構造。
  4. 前記流路制限部は、前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する合流位置の近傍または前記合流位置よりも下流における流路断面の周方向に沿って環状または筒状に形成されている、
    請求項1または2に記載の航空機の空調用配管構造。
  5. 右舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である右側第1配管と、
    前記右側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である右側第2配管と、
    左舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である左側第1配管と、
    前記左側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である左側第2配管と、を備え、
    前記混合チャンバは、
    前記右側第1配管および前記右側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記混合チャンバに流入させる右側入口と、
    前記左側第1配管および前記左側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記右側入口とは反対側から前記混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、
    前記右側における前記温度調整空気および前記再循環空気の合流と、前記左側における前記温度調整空気および前記再循環空気の合流との少なくとも一方に関して、前記流路制限部が与えられている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機の空調用配管構造。
  6. 航空機の空気調和装置により得られた温度調整空気と、空調区画から排出された再循環空気とを混合する混合チャンバに、前記温度調整空気および前記再循環空気を流入させる配管構造であって、
    前記温度調整空気が流れる第1配管と、
    前記再循環空気が流れ、前記第1配管に接続される第2配管と、
    前記第1配管を流れる前記温度調整空気の上流に向けて前記再循環空気を案内する案内部と、を備える、
    ことを特徴とする航空機の空調用配管構造。
  7. 前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する位置において、
    前記温度調整空気の流れと、前記再循環空気の流れとがなす角度が鋭角または直角である、
    請求項6に記載の航空機の空調用配管構造。
  8. 前記第2配管は、前記案内部を含む形状に成形されている、
    請求項6または7に記載の航空機の空調用配管構造。
  9. 右舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である右側第1配管と、
    前記右側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である右側第2配管と、
    左舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である左側第1配管と、
    前記左側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である左側第2配管と、を備え、
    前記混合チャンバは、
    前記右側第1配管および前記右側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記混合チャンバに流入させる右側入口と、
    前記左側第1配管および前記左側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記右側入口とは反対側から前記混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、
    前記右側における前記温度調整空気および前記再循環空気の合流と、前記左側における前記温度調整空気および前記再循環空気の合流との少なくとも一方に関して、前記案内部が与えられている、
    請求項6から8のいずれか一項に記載の航空機の空調用配管構造。
  10. 前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流して前記混合チャンバまで流れる予混合区間を備える、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の航空機の空調用配管構造。
  11. 前記予混合区間は、前記第1配管の軸線に沿っている、
    請求項10に記載の航空機の空調用配管構造。
  12. 前記混合チャンバを備える、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の航空機の空調用配管構造。
  13. 右舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である右側第1配管と、
    前記右側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である右側第2配管と、
    左舷に対応する空気調和装置により得られた前記温度調整空気が流れる前記第1配管である左側第1配管と、
    前記左側第1配管を流れる前記温度調整空気に合流する位置に向けて前記再循環空気が流れる前記第2配管である左側第2配管と、を備え、
    前記混合チャンバは、
    前記右側第1配管および前記右側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記混合チャンバに流入させる右側入口と、
    前記左側第1配管および前記左側第2配管をそれぞれ流れて合流した前記温度調整空気および前記再循環空気を前記右側入口とは反対側から前記混合チャンバに流入させる左側入口と、を備え、
    前記右側第1配管および前記右側第2配管をそれぞれ流れて前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する位置から前記右側入口まで延びた右側予混合区間と、
    前記左側第1配管および前記左側第2配管をそれぞれ流れて前記温度調整空気と前記再循環空気とが合流する位置から前記左側入口まで延びた左側予混合区間と、を備え、
    前記右側予混合区間の長さと前記左側予混合区間の長さとは相違している、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の航空機の空調用配管構造。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の空調用配管構造と、
    抽気および外気を用いて前記温度調整空気を得る前記空気調和装置と、
    前記混合チャンバを経た調和空気を前記空調区画に供給する供給系と、
    前記空調区画から排出された前記再循環空気が流れる再循環系と、を備える、
    ことを特徴とする航空機の空調システム。
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