JP2020132882A - ポリプロピレンフィルムおよびこれを用いた金属膜積層フィルム、フィルムコンデンサ - Google Patents
ポリプロピレンフィルムおよびこれを用いた金属膜積層フィルム、フィルムコンデンサ Download PDFInfo
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Abstract
高電圧コンデンサに用いた際の高温環境で長時間の使用信頼性に優れ、かかるコンデンサ用途等に好適な、熱に対して構造安定性に優れるポリプロピレンフィルム、および、それを用いた金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】
長手方向と幅方向の130℃におけるF5値の和が15MPa以上であって、130℃における絶縁破壊試験において、150℃で1分間の熱処理を行った場合の絶縁破壊電圧(B150)(V/μm)と熱処理を行わない場合の絶縁破壊電圧(B0)(V/μm)が以下の関係を満たす、ポリプロピレンフィルム。
(B150)/(B0)≧0.80
【選択図】なし
Description
130℃における絶縁破壊試験において、150℃で1分間の熱処理を行った場合の絶縁破壊電圧(B150)(V/μm)と熱処理を行わない場合の絶縁破壊電圧(B0)(V/μm)が以下の関係を満たす、ポリプロピレンフィルム。
(B150)/(B0)≧0.80
(B150)/(B0)≧0.80。
(B150)/(B0)≧0.80。
(E’135(MD+TD)/E’125(MD+TD))>0.80。
(F5TD)/(F5MD)≧1.5。
(T2B)/(T2A)≧0.90。
(H1y)/(H0y)≧0.90。
・溶融押出温度は、フィルター前、フィルター後、口金と多段式に低温化すること。
・ポリプロピレン樹脂のメソペンダット分率が0.970以上であること
・ポリプロピレン樹脂のCXSが1.5質量%未満であること。
・延伸の面積延伸倍率が60倍以上であること。
・幅方向の延伸倍率が10.5倍以上であること。
・幅方向の延伸前の予熱温度が幅方向の延伸温度+5〜+15℃であること。
・1段目の熱処理温度が、145℃以上165℃以下であり、かつ幅方向の延伸温度未満の温度であること。
・2段目の熱処理温度が、135℃以上1段目の熱処理温度未満であること。
・3段目の熱処理温度が、80℃以上2段目の熱処理温度未満であること。
・1段目の熱処理工程において、幅方向に2〜20%の弛緩処理が施されていること。
ポリプロピレンフィルムの任意の10箇所の厚みを、23℃65%RHの雰囲気下で接触式のアンリツ(株)製電子マイクロメータ(K−312A型)を用いて測定した。その10箇所の厚みの算術平均値をポリプロピレンフィルムのフィルム厚み(単位:μm)とした。
フィルム試長方向(長手方向または幅方向)を長辺方向として切り出した長方形のポリプロピレンフィルム(幅(短辺)10mm×長さ(長辺)150mm)を測定試料とした。次にサンプル引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)に、初期チャック間距離20mmでセットし、130℃の環境下に温度調整されたオーブン内に引張速度を300mm/分としてフィルムの引張試験を行った。この際、試料の中心がチャック間の真ん中の近傍にくるように試料の長さ方向の位置を調整した。サンプル伸び5%時のフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×幅(10mm))で除した値を伸度5%時の応力(F5値、単位:MPa)として算出した。測定は長手方向および幅方向の測定用のサンプルについて各々5回ずつ行い、その算術平均値として、長手方向または幅方向におけるF5値を求め、それぞれを足して和を求めた。
130℃に保温されたオーブン内でフィルムを1分間加熱後、その雰囲気中でJIS C2330(2001)7.4.11.2 B法(平板電極法)に準じて測定した。ただし、下部電極については、JIS C2330(2001)7.4.11.2のB法記載の金属板の上に、同一寸法の株式会社十川ゴム製「導電ゴムE−100<65>」を載せたものを電極として使用した。絶縁破壊電圧試験を30回行い、得られた値をフィルムの厚み(上記(1)で測定)で除し、(V/μm)に換算し、計30点の測定値(算出値)のうち最大値から大きい順に5点と最小値から小さい順に5点を除いた20点の平均値を、熱処理を行わない場合の絶縁破壊電圧(B0)(V/μm)とした。
フィルムを150℃で1分熱処理する方法は、厚み2mm、外寸300mm×300mm、内寸280mm×280mmに中抜きされた幅20mmの四角い金属製フレームを用い、そのフレーム面の4辺には両面テープ(ニチバン社製“ナイスタック”NW−H15接着力02)を貼り、金属製フレームの全面にフィルムが被さるようにフィルムを貼り付け、さらに同寸法の金属製フレームでフィルムを挟み込む。このとき、フィルムに皺が入らないように貼り付ける。次いで、金属フレーム/両面テープ/フィルム/金属フレームの状態で、フレームの4辺をクリップで挟み固定したサンプルを作成し、150℃に加熱されたオーブン中へ1分間放置した。1分後にサンプルを取り出し、常温で5分間放置したあと、金属フレームの内枠に沿ってフィルムを切り出し、150℃1分熱処理後のフィルムとした。フィルムが300mm×300mmの寸法で得られない場合は、貼り付け可能な寸法の金属枠を用いた。150℃1分間の熱処理を行ったフィルムについて130℃雰囲気の絶縁破壊試験を(3)と同様の方法にて行い150℃で1分間の熱処理を行った場合の絶縁破壊電圧(B150)(V/μm)を求めた。次いで(3)で求めた熱処理を行わない場合の絶縁破壊電圧(B0)(V/μm)と(B150)(V/μm)の比を算出し(B150)/(B0)の値を求めた。
以下に示す装置および条件にて、フィルム試長方向(長手方向または幅方向)を長辺方向として切り出した長方形のポリプロピレンフィルム(幅(短辺)10mm×長さ(長辺)50mm)を、23℃雰囲気下で装置チャック部に取付け、23℃から260℃まで昇温させて測定を行った。動的粘弾性法により粘弾性−温度曲線を描き、125℃での貯蔵弾性率(E’125)(GPa)、135℃での貯蔵弾性率(E’135)(GPa)を読み取った。なお測定試験数はn=5で行い、その中の最大値と最小値を除いた残りn=3の平均値をその方向での貯蔵弾性率とし、フィルムの長手方向、幅方向のそれぞれの方向で測定した。得られた結果から長手方向と幅方向の125℃での貯蔵弾性率の和(E’125(MD+TD))(GPa)、および長手方向と幅方向の135℃での貯蔵弾性率の和(E’135(MD+TD))(GPa)を算出し、((E’135(MD+TD))/(E’125(MD+TD)))を算出した。
試験モード :引張モード
チャック間距離:20mm
周波数 :1Hz
歪振幅 :10.0μm
ゲイン :1.5
力振幅初期値 :400mN
温度範囲 :23〜260℃
昇温速度 :2℃/分
測定雰囲気 :窒素中
測定厚み :上記(1)の方法によりフィルム厚みを求めた。
ポリプロピレンフィルムを、フィルムの測定方向(長手方向)を長辺として幅4mm、長さ50mmの長方形の試料に切り出し、試長20mmとなるよう金属製チャックにフィルムを挟み込んだ。前記チャックに挟んだサンプルを下記装置にセットし、下記温度プログラムにて試長を一定保持したフィルムにおける長手方向および幅方向の応力曲線を求めた。得られた応力曲線から、130℃におけるフィルムの収縮応力(SF130MD)(MPa)および(SF130TD)(MPa)を読み取った。130℃熱収縮応力の比((SF130MD)/(SF130TD))は、長手方向(SF130MD)(MPa)と幅方向(SF130TD)(MPa)の比から算出した。
試験モード :L制御モード
試長 :20mm
温度範囲 :23〜200℃
昇温速度 :10℃/分
SSプログラム:0.1μm/分
測定雰囲気 :窒素中
測定厚み :上記(1)の方法によりフィルム厚みを求めた。
測定は(株)菱化システムのVertScan2.0 R5300GL−Lite−ACを使用して行い、付属の解析ソフトの解析ツールであるベアリング機能を用いて解析した。深さ20nm以上の谷側空隙を指定するため、高さ領域指定において、谷側高さ閾値を−20nmに設定した。次いで解析された谷側空隙体積の値を読み取り、有効数字2桁となるよう四捨五入した。
製造元:株式会社菱化システム
装置名:VertScan2.0 R5300GL−Lite−AC
測定条件:CCDカメラ SONY HR−57 1/2インチ(1.27センチ)
対物レンズ 10x
中間レンズ 0.5x
波長フィルタ 520nm white
測定モード:Phase
測定ソフトウェア:VS-Measure Version5.5.1
解析ソフトフェア:VS−Viewer Version5.5.1
測定面積:1.252×0.939mm2。
原料の場合はポリプロピレン樹脂、フィルムの場合はフィルム試料について、0.5gを135℃のキシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶させた後にろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法にて定量した。ろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分の量をX(g)、試料0.5gの精量値をX0(g)として下記式
CXS(%)=(X/X0)×100
から算出した。
原料の場合はポリプロピレン樹脂、フィルムの場合はフィルム試料について凍結粉砕にてパウダー状にし、60℃のn−ヘプタンで2時間抽出し、ポリプロピレン中の不純物・添加物を除去した後、130℃で2時間以上減圧乾燥したものをサンプルとした。該サンプルを溶媒に溶解し、13C−NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)を求めた。
・装置:Bruker製DRX−500
・測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
・測定濃度:10質量%
・溶媒:ベンゼン:重オルトジクロロベンゼン=1:3混合溶液(体積比)
・測定温度:130℃
・スピン回転数:12Hz
・NMR試料管:5mm管
・パルス幅:45°(4.5μs)
・パルス繰り返し時間:10秒
・データポイント:64K
・積算回数:10,000回
・測定モード:complete decoupling
解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとした。WINFITソフト(Bruker製)を用いて、ピーク分割を行った。その際に、高磁場側のピークから以下のようにピーク分割を行い、更にソフトの自動フィッテイングを行い、ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmのピーク分率の合計をメソペンタッド分率(mmmm)とした。
(1)mrrm
(2)(3)rrrm(2つのピークとして分割)
(4)rrrr
(5)mrmr
(6)mrmm+rmrr
(7)mmrr
(8)rmmr
(9)mmmr
(10)mmmm
同じサンプルについて同様の測定を5回行い、得られたメソペンタッド分率の平均値を当該サンプルのメソペンタッド分率とした。
示差走査熱量計(セイコーインスツル製EXSTAR DSC6220)を用いて、窒素雰囲気中で3mgのポリプロピレンチップを30℃から260℃まで20℃/分の条件で昇温する。次いで、260℃で5分間保持した後、20℃/分の条件で30℃まで降温する。さらに、30℃で5分間保持した後、30℃から260℃まで20℃/分の条件で昇温する。この昇温時に得られる吸熱カーブのピーク温度をポリプロピレン樹脂の融点とした。なお複数のピーク温度が観測できる場合には最も高温の温度をポリプロピレン樹脂の融点(単位:℃)とした。
フィルム試長方向(長手方向または幅方向)を長辺方向として切り出した長方形のポリプロピレンフィルム(幅(短辺)10mm×長さ(長辺)150mm)を、測定試料とした。次にサンプル引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)に、初期チャック間距離20mmでセットし、室温の環境下で引張速度を300mm/分としてフィルムの引張試験を行った。この際、試料の中心がチャック間の真ん中の近傍にくるように、試料の長さ方向の位置を調整した。サンプル伸び5%時のフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×幅(10mm))で除した値を、伸度5%時の応力(F5値、単位:MPa)として算出した。測定は長手方向および幅方向の測定用のサンプルについて各々5回ずつ行い、その算術平均値として、長手方向および幅方向におけるF5値(F5MD)(MPa)および(F5TD)(MPa)を求め、(F5TD)/(F5MD)の比を求めた。
フィルムの一方の面(なお、濡れ張力が表裏両面で異なる場合は、濡れ張力が高い方の面)に、(株)アルバック製真空蒸着機でアルミニウムを膜抵抗が10Ω/sqで長手方向に垂直な方向にマージン部を設けた、いわゆるT型マージン(マスキングオイルにより長手方向ピッチ(周期)が17mm、ヒューズ幅が0.5mm)を有する蒸着パターンで蒸着を施し、スリット後に、フィルム幅50mm(端部マージン幅2mm)の蒸着リールを得た。
静電容量が初期値に対して12%以下に減少するまで電圧を上昇させた後に、コンデンサ素子を解体し破壊の状態を調べて、信頼性を以下の通り評価した。
◎:素子形状の変化は無く、貫通状の破壊は観察されない。
○:素子形状の変化は無く、フィルム5層以内の貫通状の破壊が観察される。
F:素子形状の変化は無く、フィルム6層以上10層以内の貫通状の破壊が観察される。
△:素子形状に変化が認められる、若しくは10層を超える貫通状の破壊が観察される。
×:素子形状が大きく変化し破壊する
◎は問題なく使用でき、○、Fでは条件次第で使用可能である。△、×では実用上の性能に劣る。
メソペンタッド分率が0.984、融点が168℃で、メルトフローレート(MFR)が2.5g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が0.8質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を温度255℃の押出機に供給し溶融させ、濾過フィルターを通過後の250℃に設定した配管を通過し、245℃に設定したT型スリットダイよりシート状に溶融押出し、該溶融シートを77℃に保持されたキャスティングドラム上で、エアーナイフにより密着させ冷却固化し未延伸ポリプロピレンフィルムを得た。該未延伸ポリプロピレンフィルムを複数のロール群にて段階的に142℃まで予熱し、そのまま周速差を設けたロール間に通し、長手方向に6.3倍に延伸した。引き続き該フィルムをテンターに導き、フィルム幅手の両端部をクリップで把持したまま169℃の温度(TD延伸温度+8℃)で予熱し、次いで161℃の温度で幅方向に12.3倍延伸した。さらに1段目の熱処理および弛緩処理として幅方向に11%の弛緩を与えながら158℃で熱処理を行ない、さらに2段目の熱処理としてクリップで幅方向把持したまま143℃で熱処理を行った。最後に3段目の熱処理として114℃の熱処理を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップ解放し、次いでフィルム表面(キャスティングドラム接触面側)に25W・分/m2の処理強度で大気中でコロナ放電処理を行い、フィルム厚み2.2μmのフィルムをフィルムロールとして巻き取った。本実施例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が極めて良好で、コンデンサとしての信頼性も優れたものであった。
メソペンタッド分率が0.981、融点が166℃で、メルトフローレート(MFR)が3.0g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.4質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、実施例2は厚み2.1μmのポリプロピレンフィルム、実施例3は厚み2.2μmのポリプロピレンフィルムを得た。実施例2および3のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が良好で、コンデンサとして実使用上の信頼性に問題ないレベルであった。
メソペンタッド分率が0.982、融点が167℃で、メルトフローレート(MFR)が3.0g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が0.8質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、実施例4は厚み2.1μmのポリプロピレンフィルムを得た。本実施例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が良好で、コンデンサとして実使用上の信頼性に問題ないレベルであった。
メソペンタッド分率が0.981、融点が166℃で、メルトフローレート(MFR)が3.0g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.4質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂に、Basell社製分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(高溶融張力ポリプロピレンProfax PF-814)を1.0質量%ブレンドし温度260℃の押出機に供給し、溶融押出シートを得た。冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例2と同様にして実施例5は厚み2.2μmのポリプロピレンフィルムを得た。実施例5のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは30℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が良好であり、コンデンサとして実使用上の信頼性に問題ないレベルであった。
実施例1と同様にして得られた未延伸シートを、表1に示すTD予熱延伸温度およびTD延伸温度でMDおよびTDに同時二軸延伸し、熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、実施例6は厚み2.4μmのポリプロピレンフィルムを得た。実施例6のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が良好で、コンデンサとして実使用上の信頼性に問題ないレベルであった。
メソペンタッド分率が0.984、融点が168℃で、メルトフローレート(MFR)が2.5g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が0.8質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂に日本ポリプロ社製分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(“WAYMAX”MFX3)を3.0質量%ブレンドし255℃の押出機に供給し溶融させ、濾過フィルターを通過後の250℃に設定した配管を通過し、245℃に設定したT型スリットダイよりシート状に溶融押出シートを得た。溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を実施例1と同様にして、実施例9は厚み2.2μmのポリプロピレンフィルムを得た。本実施例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りで、フィルムは130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が極めて良好で、コンデンサとしての信頼性も優れたものであった。
メソペンタッド分率が0.981、融点が166℃で、メルトフローレイト(MFR)が4.0g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.8質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を温度255℃の押出機に供給し溶融させ、濾過フィルターを通過後の樹脂温度が255℃になるよう設定したでT型スリットダイよりシート状に溶融押出し用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、比較例1では厚み2.2μmのポリプロピレンフィルム得た。比較例1のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通りである。
溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、比較例2、3、4では厚み2.3μmのポリプロピレンフィルムを得た。
メソペンタッド分率が0.972、融点が165℃で、メルトフローレート(MFR)が4.0g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が2.4質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、比較例5では厚み2.2μmのポリプロピレンフィルムを得た。本比較例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通り、用いたポリプロピレン樹脂の冷キシレン可溶部(CXS)が大きく、フィルムの冷キシレン可溶部(CXS)が大きいため、熱収縮応力が高く、130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が不十分であったため、コンデンサの信頼性は素子形状に変化が認められ破壊しており、実使用で問題となるレベルであった。
メソペンタッド分率が0.979、融点が167℃で、メルトフローレート(MFR)が2.6g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.8質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂を用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とし、1段目の熱処理および弛緩処理として幅方向に25%の弛緩を与えた以外は実施例1と同様にして、比較例6では厚み2.3μmのポリプロピレンフィルムを得た。本比較例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通り、フィルムの冷キシレン可溶部(CXS)が大きく、TD予熱温度とTD延伸温度が同一で、面積延伸倍率が低く、弛緩処理が大きかったため、135℃と125℃の貯蔵弾性率の比および130℃での絶縁破壊電圧が不十分で熱安定性に劣り、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が不十分であったため、コンデンサの信頼性は素子形状に変化が認められ破壊しており、実使用で問題となるレベルであった。
メソペンタッド分率が0.975、融点が165℃で、メルトフローレート(MFR)が4.6g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.4質量%であるプライムポリマー(株)製ポリプロピレン樹脂80質量%とメソペンタッド分率が0.970、融点が164℃で、メルトフローレート(MFR)が0.4g/10分、冷キシレン可溶部(CXS)が1.4質量%である日本ポリプロ株式会社製ポリプロピレン樹脂20質量%を用い、溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度、二軸延伸時の延伸倍率、TD予熱、TD延伸および熱処理条件を表の条件とし、比較例7では厚み2.2μmのポリプロピレンフィルムを得た。本比較例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通り、TD予熱温度とTD延伸温度が同一で、面積延伸倍率が低く、熱処理を施していなかったため、135℃と125℃の貯蔵弾性率の比および130℃での絶縁破壊電圧が不十分で熱安定性に劣り、130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和、および、150℃1分加熱前後の絶縁破壊強度の比(B150)/(B0)の関係が不十分であったため、コンデンサの信頼性は素子形状に変化が認められ破壊しており、実使用で問題となるレベルであった。
溶融押出シートを冷却するキャスティングドラムの温度を25℃とし、二軸延伸時の延伸倍率、TD延伸および熱処理条件を表の条件とした以外は実施例1と同様にして、比較例8では厚み2.3μmのポリプロピレンフィルムを得た。本比較例のポリプロピレンフィルムの特性およびコンデンサ特性は表に示す通り、キャスティングドラムの温度が25℃と低く、TD予熱温度とTD延伸温度が同一で、熱処理条件が低温130℃/高温140℃条件の2段式熱処理であるため、130℃におけるフィルム長手方向および幅方向のF5値の和が不十分であったため、コンデンサの信頼性は素子形状に変化が認められており、実使用で問題となるレベルであった。
Claims (8)
- 長手方向と幅方向の130℃におけるF5値の和が15MPa以上であって、
130℃における絶縁破壊試験において、150℃で1分間の熱処理を行った場合の絶縁破壊電圧(B150)(V/μm)と熱処理を行わない場合の絶縁破壊電圧(B0)(V/μm)が以下の関係を満たす、ポリプロピレンフィルム。
(B150)/(B0)≧0.80 - 長手方向の130℃における熱機械分析装置を用いて求められる熱収縮応力値(SF130MD)(MPa)が2.0MPa以下である、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム。
- キシレンで完全溶解せしめた後、室温で析出させたときに、キシレン中に溶解しているポリプロピレン成分(CXS)が1.5質量%未満である、請求項1または2に記載のポリプロピレンフィルム。
- 長手方向と幅方向の135℃における固定粘弾性測定にて求められる貯蔵弾性率の和(E’135(MD+TD))(GPa)、及び、長手方向と幅方向の125℃における固定粘弾性測定にて求められる貯蔵弾性率の和(E’125(MD+TD))(GPa)の関係が次式を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
(E’135(MD+TD))/(E’125(MD+TD))>0.8 - 少なくとも一方の表面において、1,252μm×939μmの領域における深さ20nm以上の谷の体積を合計した総谷側体積が1〜12,000μm3である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 室温における長手方向のF5値(F5MD)(MPa)と幅方向のF5値(F5TD)(MPa)の関係が、次式を満たす、請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
(F5TD)/(F5MD)≧1.5 - 請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、金属膜を有する金属膜積層フィルム。
- 請求項7に記載の金属膜積層フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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