JP2020134519A - 流れ分析方法、流れ分析装置 - Google Patents

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【課題】本発明は、試料に対する十分な加熱処理を行うことができる新規な流れ分析方法、及び、流れ分析装置を提供することを目的とする。【解決手段】 管路100に試料を導入する試料導入工程と、前記管路100に沿って移送される試料に加熱処理を行う加熱工程と、加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う分析工程と、を実行する流れ分析法において、更に、前記管路100に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する加圧工程を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、流れ分析方法、及び、流れ分析装置に関する。
日本工業規格の工場排水試験方法(下記非特許文献1参照)では、試料(水試料)に含まれる金属元素の分析のための前処理について、硝酸や塩酸等の酸を試料に添加した後、加熱処理を行う方法が規定されている。この前処理は、主として試料中に共存する有機物や懸濁物、並びに金属錯体の分解を目的として行われる操作であるが、非常に手間が掛かるうえ、処理中の作業者に対する酸暴露を防止する措置を講じる必要がある。
この点につき、FIAと略称される「フローインジェクション分析方法(Flow Injection Analysis)」や、CFAと略称される「連続流れ分析方法(Continuous Flow Analysis)」などの「流れ分析方法」を利用すれば、この前処理が自動化され、試料の処理速度の向上や作業環境の改善が期待される。
日本工業規格「工場排水試験方法(JIS K 0102)」
ところが、有機物や難溶解性金属を含む試料について正確な分析を行うためには、酸添加後の試料について加熱処理する時間(加熱時間)を長く確保することが必要になる。
前述の流れ分析方法のうち、前記フローインジェクション分析方法において加熱時間を長くとるにあたっては、移動相の流速を下げることになる。
しかしながら、前記フローインジェクション分析方法において移動相の流速を下げると、移動相中に導入された試料の拡散によるテーリング現象が生じ、測定データに悪影響が生じる。
一方、前記連続流れ分析方法では、管路に導入された試料に気泡分節を行い、気泡によって区画された複数のセグメントを作成するため、セグメントの移送速度を下げても試料の拡散が生じ難い。
しかしながら、図6(a)、(b)に示すように、従来の連続流れ分析方法においてセグメント(S)を加熱する工程を実行すると、セグメントを区画する気泡(B)の膨張が生じるため、膨張した気泡(B)によって管路100の下流に向かってセグメント(S)が急速に押し出される。
従って、従来の流れ分析方法では、単に移動相の流速を下げることによって加熱処理の必要な分析を正確に行うことは困難であった。
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、試料に対する十分な加熱処理を行うことができる新規な流れ分析方法、及び、流れ分析装置を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決する本発明の流れ分析方法は、管路に試料を導入する試料導入工程と、前記管路に沿って移送される試料に加熱処理を行う加熱工程と、加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う分析工程と、を実行する流れ分析法であって、更に、前記管路に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する加圧工程を実行することを特徴とする(以下、「本発明分析方法」と称する。)。
前記本発明分析方法においては、前記加圧工程の実行時、前記管路に圧空を導入することによって試料の流れに抗する圧力を付与することが好ましい態様となる。
前記本発明分析方法においては、前記試料導入工程の実行時、導入される試料に気泡分節を行い、気泡によって区画された複数のセグメントを作成することが好ましい態様となる。
前記本発明分析方法においては、前記加熱工程の実行時、40℃以上の加熱温度で加熱処理を行うことが好ましい態様となる。
前記本発明分析方法においては、前記加熱工程の実行時、導入された試料の一単位につき5分以上の加熱時間で加熱処理を行うことが好ましい態様となる。
前記本発明分析方法においては、更に、前記管路に沿って移送される試料の流れの中に試薬を添加する試薬添加工程を実行することが好ましい態様となる。
前記技術的課題を解決する本発明の流れ分析装置は、試料を管路に導入するためのサンプリング装置と、前記管路に沿って移送される試料に加熱処理を行う加熱装置と、加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う分析装置と、を具備してなる流れ分析装置であって、更に、前記管路に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する加圧装置が備えられてなることを特徴とする(以下、「本発明分析装置」と称する。)。
前記本発明分析装置においては、前記管路に導入される試料に対して気泡分節を行い、気泡によって区画された複数のセグメントを前記管路内に作成する気泡分節装置が備えられてなるものが好ましい態様となる。
前記本発明分析装置においては、更に、前記管路に沿って移送される試料の流れの中に試薬を添加する試薬添加装置が備えられてなるものが好ましい態様となる。
本発明によれば、管路に沿って移送される試料に対し、十分な加熱処理を行うことができる。
図1は、本発明分析装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図2は、前記本発明分析装置の概略構成図と、セグメントの作成が行われる部分を拡大して示す断面図である。 図3は、前記本発明分析装置の概略構成図と、加圧工程を担う部分を拡大して示す断面図である。 図4は、本発明分析装置の他の実施形態を示す概略構成図である。 図5は、本発明分析装置の更に他の実施形態を示す概略構成図である。 図6は、従来の連続流れ分析方法における管路を移送されるセグメントを示す断面図(a)と、加熱処理を行った場合の気泡の膨張を示す断面図(b)である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
<流れ分析装置(1)>
図1に、本発明分析方法を実行するための本発明分析装置1の一実施形態を示す。前記本発明分析装置1は、「サンプリング装置(2)」と、「気泡分節装置(3)」と、「加熱装置(4)」と、「分析装置(5)」と、「加圧装置(6)」と、を具備する。
‐サンプリング装置2‐
前記サンプリング装置2は、試料をサンプリングして管路100に導入する役割を担う。本実施形態においては前記サンプリング装置2につき、試料を前記管路100に導く採取管20と、前記採取管20に吸引力を付与するサンプリング用ポンプ(ペリスタポンプ)21と、によって構築した。
‐気泡分節装置3‐
前記気泡分節装置3は、前記サンプリング装置2によってサンプリングされた試料に気泡分節を行う役割を担う。本実施形態においては前記気泡分節装置3につき、空気を前記管路100に導く空気導入管30と、前記空気導入管30に吸引力を付与する空気導入用ポンプ(ペリスタポンプ)31と、によって構築した。
‐加熱装置4‐
前記加熱装置4は、前記管路100に沿って移送される試料に加熱処理を行う役割を担う。本実施形態においては、前記管路100の途中にヒータを配することによって前記加熱装置4を構築した。
‐分析装置5‐
前記分析装置5は、加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う役割を担う。本実施形態においては前記分析装置5として、ICP発光分光分析装置を用いた。
‐加圧装置6‐
前記加圧装置6は、前記管路100に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する役割を担う。本実施形態においては前記加圧装置6につき、前記管路100の下流末端に接続された加圧管60と、前記加圧管60を通じて前記管路100に圧空を導入するコンプレッサー61と、前記加圧管60の途中に配されたバルブ62と、によって構築した。
<本発明分析方法(本発明金属分析方法)>
前記構成を有する本発明分析装置1は、本発明分析方法を実行するための装置である。この本発明分析方法では、「試料導入工程」と、「加熱工程」と、「分析工程」と、「加圧工程」と、を実行する。
‐試料導入工程‐
前記試料導入工程では、前記管路100に試料を導入する。本実施形態においては、図2に示すように、前記サンプリング装置2にて試料を前記管路100に導入した。なお、前記管路100に試料を導入するにあたり、前記気泡分節装置3にて空気を導入する気泡分節を行い、気泡(B)によって区画された複数のセグメント(S)を作成した。
‐加熱工程‐
前記加熱工程では、前記管路100に沿って移送される試料(本実施形態においては、セグメント(S))に加熱処理を行う。本実施形態においては、前記加熱装置4にて前記管路100の一部を加熱し、加熱された管路100に試料を順次通過させることによって、前記加熱工程を実行した。
‐分析工程‐
前記分析工程では、加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う。本実施形態においては、図3に示すように、前記管路100の下流において下方向に向かって枝分かれする分析管50を通じて試料を前記分析装置5に導入することによって前記分析工程を実行した。そして、本実施形態においては、前記分析管50の途中に分析ポンプ(ペリスタポンプ)51が配されており、前記分析ポンプ51によって、前記分析管50を通じて前記分析装置5へ導入される試料の導入速度が決定される仕組みとなされている。又、本実施形態においては、前記セグメント(S)を区画していた気泡(B)につき、前記分析管50よりさらに下流において上方向に向かって枝分かれする脱気管70を通じて排出し、前記分析装置5に導入される試料に気泡(B)が混じらない仕組みとしている。なお、前記脱気管70の途中には、気泡(B)の排出速度を決定する脱気用ポンプ(ペリスタポンプ)71が配されている。
‐加圧工程‐
前記加圧工程では、前記管路100に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する(図3参照)。本実施形態においては、前記加圧装置6を構成する前記コンプレッサー61を駆動させながら前記バルブ62の開度を調整し、前記管路100へ導入される圧空の圧力を決定することによって前記加圧工程を実行した。
前記各工程を実行する本実施形態に係る本発明分析方法は、前記試料導入工程において、前記管路100に試料を導入するにあたり、前記気泡分節装置3にて空気を導入する気泡分節を行い、気泡(B)によって区画された複数のセグメント(S)を作成する仕組み(連続流れ分析方法に準ずる仕組み)となされた分析方法である。
そして、前記本発明分析方法では、前記加圧工程において試料の流れに抗する圧力を付与しているから、前記加熱工程実行時における気泡(B)の膨張が好適に抑制される。これより、前記加熱工程実行時における加熱温度や加熱時間の選択範囲が増えるため、高温・高圧の条件が実現でき、十分な加熱処理を行うことができる。
なお、前記本発明分析方法において、前記加熱工程実行時の加熱温度や加熱時間は、試料の種類や分析対象に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。但し、前記本発明分析方法によれば、従来の連続流れ分析方法において実行することができなかった加熱温度や加熱時間を選択することができる。
そのため、前記本発明分析方法においては、前記加熱工程実行時、40℃以上(より好ましくは90℃以上)の加熱温度で加熱処理を行うことが好ましい。又、前記本発明分析方法においては、前記加熱工程の実行時、導入された試料の一単位につき5分以上(より好ましくは30分以上)の加熱時間で加熱処理を行うことが好ましい。
又、前記加圧工程において付与される圧力の程度についても、加熱工程時における加熱温度や加熱時間に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。前記前記加圧工程において付与される圧力としては、0.14MPa以下の任意の圧力(場合により0.1MPa未満の負圧を含む。より好ましくは、0.1MPa超0.13MPa以下)とすることが好ましい。
ところで、本実施形態においては、前記分析工程を実行するための前記分析装置5として、ICP発光分光分析装置を用いているが、前記分析装置5は特に限定されるものではなく、各種の分析装置(例えば、フレーム原子吸光装置,電気加熱原子吸光装置, ICP 質量分析装置、ガスクロマトグラフィー等)を適宜選択して用いることができる。
又、本実施形態においては、前記加圧装置6として、コンプレッサー61による管路100への圧空導入の仕組みを採用しているが、前記加圧装置6としては、前記管路100に沿って移送されるセグメントの流れに抗する圧力を付与し得るものであればその仕組みは限定されない。例えば、前記加圧装置6として、ピストンによる加圧によって圧力を付与する仕組みのものを採用しても良い。
更に、本実施形態では、前記分析工程を実行するための試料の前処理として加熱処理のみを行っているが、本発明は、加熱処理に加えてその他の前処理を実行することを否定するものではない。例えば、図4に示す本発明分析装置1の別態様のように、試薬を管路100に導入する試薬導入管80と試薬導入用ポンプ81とを具備する試薬添加装置8を備えたものを用い、前記管路100に沿って移送される試料の流れの中に試薬を添加する試薬添加工程を実行する仕組みとしても良い。
なお、前記試薬添加工程実行時において管路100に導入される試薬は、試料の前処理の必要性に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されない。前記試薬としては、例えば、塩酸、硝酸、過塩素酸、硫酸等の酸性試薬や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性試薬などを適宜選択して用いることができる。
又、試薬を添加するタイミングについても特に限定されず、例えば、加熱工程の実行前、実行時、或いは実行時に添加すればよい。
加えて、本実施形態においては、連続流れ分析方法に準ずる仕組みの分析方法を構築しているが、本発明においては、必ずしも、前記管路100に試料を導入するにあたりセグメント(S)を作成することを要しない。
例えば、図5に示す本発明分析装置1の更なる別態様のように、前記管路100に試料を直接的に導入する仕組み(フローインジェクション分析方法に準ずる仕組み)としても良い。
この場合、前記管路100に導入された試料が気泡(B)によって区画されていないから、加圧工程は、加熱工程実行時における気泡(B)の膨張を抑制するために実行されるものではなく、試料の流れに抗する圧力を付与することによって、前記加熱工程における加熱と前記加圧工程における加圧との相乗効果にて試料の処理を促進するために実行される。
これより、移動相の流速を極端に下げることなく試料の処理を促進することができるようになり、その結果、試料の拡散によるテーリング現象が生じ難くなる。
なお、本発明分析方法(並びに本発明分析装置1)につき、フローインジェクション分析方法に準ずる仕組みにて構築するにあたっては、前記加熱工程実行時に40℃以上(より好ましくは90℃以上)の加熱温度で加熱処理を行うことが好ましく、又、前記加熱工程の実行時、導入された試料の一単位につき5分以上(より好ましくは10〜20分)の加熱時間で加熱処理を行うことが好ましい。
上述の本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、新規な流れ式分析方法並びに流れ式分析装置として好適に利用される。
1 本発明分析装置(流れ分析装置)
2 サンプリング装置
3 気泡分節装置
4 加熱装置
5 分析装置
6 加圧装置
8 試薬添加装置
100 管路
B 気泡
S セグメント

Claims (9)

  1. 管路に試料を導入する試料導入工程と、
    前記管路に沿って移送される試料に加熱処理を行う加熱工程と、
    加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う分析工程と、
    を実行する流れ分析法であって、
    更に、前記管路に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する加圧工程を実行することを特徴とする流れ分析方法。
  2. 請求項1に記載の流れ分析方法において、
    前記加圧工程の実行時、前記管路に圧空を導入することによって試料の流れに抗する圧力を付与する流れ分析方法。
  3. 請求項1又は2に記載の流れ分析方法において、
    前記試料導入工程の実行時、導入される試料に気泡分節を行い、気泡によって区画された複数のセグメントを作成する流れ分析方法。
  4. 請求項3に記載の流れ分析法において、
    前記加熱工程の実行時、40℃以上の加熱温度で加熱処理を行う流れ分析方法。
  5. 請求項3又は4に記載の流れ分析法において、
    前記加熱工程の実行時、導入された試料の一単位につき5分以上の加熱時間で加熱処理を行う流れ分析方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流れ分析法において、
    更に、前記管路に沿って移送される試料の流れの中に試薬を添加する試薬添加工程を実行する流れ分析方法。
  7. 試料を管路に導入するためのサンプリング装置と、
    前記管路に沿って移送される試料に加熱処理を行う加熱装置と、
    加熱処理後の試料について定量分析又は定性分析を行う分析装置と、
    を具備してなる流れ分析装置であって、
    更に、前記管路に沿って移送される試料の流れに抗する圧力を付与する加圧装置が備えられてなることを特徴とする流れ分析装置。
  8. 請求項7に記載の流れ分析装置において、
    前記管路に導入される試料に対して気泡分節を行い、気泡によって区画された複数のセグメントを前記管路内に作成する気泡分節装置が備えられてなる流れ分析装置。
  9. 請求項7又は8に記載の流れ分析装置において、
    更に、前記管路に沿って移送される試料の流れの中に試薬を添加する試薬添加装置が備えられてなる流れ分析装置。

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