JP2020141448A - モータ軸及び電動機 - Google Patents

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陽 廣瀬
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Abstract

【課題】モータ軸本体に圧入部品を圧入する際に、組付精度を向上させたモータ軸を提供する。【解決手段】モータ軸4の圧入部径をDとし導入部径をEとすると、導入部4bの外周に導入部径Eから圧入部径Dに向かって漸進拡大する傾斜面4eが形成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば家電製品などの電動機の回転子軸として用いられるモータ軸及びこれを用いた電動機に関する。
従来、モータ軸(回転子軸)には、軸受(ベアリング)などの金属圧入部品が圧入されて電動機が組み立てられる。例えば、図5に示すように、モータ軸51のC面取りされた軸端部52から軸受などの金属圧入部品が圧入されている。
また、モータ軸へ玉軸受を圧入する際に傷の発生を防止するため、モータ軸の圧入端部に軸端に向かって小径となるテーパー部を設けて玉軸受をガイドし、テーパー部に続く玉軸受圧入部に玉軸受を圧入して段差部に突き当てて組み付けられる電動機も提案されている(特許文献1:実開昭60−108170号公報参照)。
実開昭60−108170号公報
しかしながら、図5に示す軸受等の圧入部品を軸端部52からモータ軸51に圧入する際に、かじりや引き傷が生じ易くなる。図6のモータ軸51の部分拡大写真図において、右側軸端部52よりモータ軸51の軸方向左側に向かって引き傷53が発生していることを示している。この場合、圧入部品の組付精度が低下して不良品が発生し、電動機の組立性や歩留まりが低下する。
また、特許文献1は、軸端にテーパー部を設けて玉軸受との接触面積が減ることで圧入荷重を減らして玉軸受傷を軽減しているが、圧入時に玉軸受が傾き易いため軸直角度や平行度が維持できず、玉軸受圧入によりモータ軸に引き傷が発生することに変わりがない。
以下に述べるいくつかの実施形態は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、モータ軸本体に圧入部品を圧入する際の組付精度を向上させたモータ軸及びこれを備えて組立性や回転性能の良い電動機を提供することにある。
以下に述べるいくつかの実施形態に関する開示は、少なくとも次の構成を備える。
電動機のモータ軸であって、モータ軸本体と、前記モータ軸本体の少なくとも一方端側に設けられた導入部と、前記導入部に続く圧入部と、を備え、前記圧入部径をDとし導入部径をEとすると、前記導入部の外周に前記導入部径Eから前記圧入部径Dに向かって漸進拡大する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
このように、導入部の圧入部との境界部に導入部径Eから圧入部径Dに向かって漸進拡大する傾斜面が形成されていると、圧入部品を導入部から圧入部に圧入する際にかじりや引き傷の発生がなく、組付精度が向上する。
前記導入部は(D×0.95)≦E<Dとなるように形成されていることが好ましい。例えば、圧入部径Dがφ5mmであるとすると導入部径Eはφ4.75mm以上φ5mm未満であることが好ましい。
これにより、軸受3を圧入部へ圧入する前に、モータ軸に引き傷がつくことなく導入部へ嵌め込んで軸直角度と平行度を調整することができる。
前記導入部の外周に形成された前記傾斜面の軸方向に対する傾斜角度は3°から10°の範囲で形成され、より好ましくは5°から8°の範囲で形成されることが好ましい。
これにより、モータ軸径が変化したとしても、軸方向に対して所定の傾斜角を有する傾斜面を形成して圧入することで、引き傷を発生させることなく圧入することができる。
電動機においては、上述したいずれかのモータ軸と、前記モータ軸と一体に組み付けられた回転子と、前記回転子の回転子磁極に固定子極歯が対向配置された固定子と、を備えたことを特徴とする。
これにより、モータ軸に対する部品圧入時の引き傷等不良品の発生が減り、電動機の組立性や歩留まりが向上する。
導入部と圧入部との段差を解消して組付精度を向上させたモータ軸及びこれを備えて組立性や回転性能の良い電動機を提供することができる。
モータ軸の説明図、A部及びB部拡大図である。 図1のモータ軸に軸受を圧入する場合の説明図である。 図1のモータ軸にその他の圧入部品を圧入する場合の説明図である。 従来のモータ軸と図1のモータ軸とで圧入部材を圧入した場合の不良品発生率の対比を示すグラフ図である。 従来のモータ軸の説明図及び軸端部であるA部拡大図である。 モータ軸に発生した引き傷の部分拡大写真図である。
以下、本発明に係るモータ軸及び電動機の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。先ず、電動機の概略構成について図3を参照して説明する。
電動機1は、以下の構成を備える。図3に示すように、モータハウジング2は、筒状のハウジング本体2aとエンドカバー2bを有している。モータハウジング2内には一対の軸受3が保持されており、モータ軸4が回転可能に支持されている。モータ軸4には外周面に回転子マグネットを有する回転子5が組み付けられている。また、モータハウジング2内には、固定子6が組み付けられている。ハウジング本体2aの内壁面には固定子コア6aが組み付けられ、径方向内側に向けて突設された固定子極歯にはモータコイル6bが巻かれている。固定子極歯は、回転子マグネットと対向配置されている。
次に、図1において、モータ軸4は以下のように構成されている。上述した電動機1が組み付けられるモータ軸本体4aと、モータ軸本体4aの少なくとも一方端側に設けられた導入部4bと、導入部4bに続く圧入部品が圧入される圧入部4cを備えている。本実施例では、モータ軸4の両端側に導入部4bが設けられこれに続く圧入部4cを備えている。また、モータ軸本体4aは圧入部4cを兼用していてもよい。
図1A部は、モータ軸4の右端部分を拡大したものである。軸端部4dの外周縁部はC面取りがされており、導入部4bがこれに続いて形成されている。図1Bは導入部4bと圧入部4cの境界部を拡大したものである。モータ軸径をDとし導入部径をEとすると、導入部4bの外周に導入部径Eが圧入部4cに向かって漸進拡大する傾斜面4eが形成されている。このような傾斜面4eが形成されていると、圧入部品を導入部4bから圧入部4cに圧入する際にかじりや引き傷の発生がなく、組付精度が向上する。
具体的には、導入部4bは(D×0.95)≦E<Dとなるように形成されていることが好ましい。例えば、圧入部径Dがφ5mmであるとすると導入部径Eはφ4.75mm以上φ5mm未満であることが好ましい。
これにより、軸受3を圧入部4cへ圧入する前に、モータ軸4に引き傷がつくことなく導入部4bへ嵌め込んで軸直角度と平行度を調整することができる。
また、導入部4bの外周に形成された傾斜面4eの軸方向に対する傾斜角度θは3°から10°の範囲で形成され、より好ましくは5°から8°の範囲で形成されることが好ましい。これにより、モータ軸径が変化したとしても、軸方向に対して所定の傾斜角を有する傾斜面4eを形成して圧入することで、引き傷を発生させることなく圧入することができる。
図2は回転子5が組み付けられたモータ軸4に対して、軸受3(転がり軸受)を両側軸端部4dより圧入して組み付ける工程を示す説明図である。図2の右側拡大断面図は、図2の中央部に示す導入部4bと圧入部4cの境界部A付近の拡大図である。軸受3の内周側導入部はR面に形成されている。軸受3の内径は圧入部径Dより小さい寸法である。軸受3をモータ軸4の両端部に設けられた導入部4bに嵌め入れると、軸受3の内壁面は傾斜面4eに沿って圧入部4c近傍まで移動する。このとき、導入部径Eが圧入部4cに向かって漸進拡大する傾斜面4eが形成されているので、圧入部品を導入部4bから圧入部4cに圧入する際にかじりや引き傷の発生がない。この状態で軸受3を圧入部4cに対して軸直角度と平行度を調整した状態で、図2右側図に示すように軸受3が圧入部4cの所定位置まで軸方向に圧入されて組み付けられる。
図3はモータ軸4に対して電動機1を組み付けた後にその他の圧入部品(圧入部材7)を圧入して組み付ける工程を示す説明図である。図3の右側拡大断面図は、図3の中央部に示す導入部4bと圧入部4cの境界部B付近の拡大図である。圧入部材7の内周側導入部は傾斜面7aが形成されている。傾斜面7aの傾斜角は、傾斜面4eの傾斜角θより大きい値に形成される。圧入部材7の内径は圧入部径Dより小さい寸法である。圧入部材7をモータ軸4の一端部に設けられた導入部4bに嵌め入れると、軸受3の内壁面は傾斜面4eに沿って圧入部4c近傍まで移動する。このとき、導入部径Eが圧入部4cに向かって漸進拡大する傾斜面4eが形成されているので、圧入部品を導入部4bから圧入部4cに圧入する際にかじりや引き傷の発生がない。この状態で圧入部材7を圧入部4cに対して軸直角度と平行度を調整した状態で、図3右側図に示すように圧入部材7が圧入部4cの所定位置まで軸方向に圧入されて組み付けられる。
ここで、モータ軸4の導入部4bと圧入部4cとの境界部に図1に示す傾斜面4eを設けた場合と図5に示す従来のモータ軸を用いて圧入部品を圧入した場合とで、図4に示すモータ軸4の軸傷不良率を示すグラフ図で対比して説明する。尚、軸傷不良品とは、かじりや引き傷などの発生を意味するものとする。図の前段の◆は図5に示すモータ軸の生産数における軸傷不良品の発生率を示しており、図の後段の◆は傾斜面4eを設けたモータ軸の生産数における軸傷不良品の発生率を示している。モータ軸4の圧入部径Dがφ5mm、導入部径Eはφ4.95mm〜φ5mmであり、傾斜面4eの傾斜角が6.5°±1.5°である。
具体的に説明すると、図5に示すモータ軸の所定生産数における軸傷不良品の発生率は、軸傷発生率20.83%は生産数2060で軸傷不良数429、軸傷発生率16.74%は生産数2425で軸傷不良数406、軸傷発生率16.39%は生産数2160で軸傷不良数354、軸傷発生率9.88%は、生産数2115で軸傷不良数209、軸傷発生率14.77%は生産数2227で軸傷不良数329、軸傷発生率13.06%は生産数4733で軸傷不良数618、軸傷発生率7.97%は生産数2421で軸傷不良数193であり、軸傷不良率は平均14%であった。
これに対して傾斜面4eを設けたモータ軸4の所定生産数における軸傷不良品の発生率は、グラフの〇印付けたデータ以降であり、軸傷発生率0.35%は生産数2605で軸傷不良数9、軸傷発生率0.02%は生産数5414で軸傷不良数1、軸傷発生率0.02%は生産数5167で軸傷不良数1、軸傷発生率0.06%は生産数5206で軸傷不良数3、軸傷発生率0.00%は生産数5164で軸傷不良数0、軸傷発生率0.04%は生産数5208で軸傷不良数2、軸傷発生率0.00%は生産数5005で軸傷不良数0であり、軸傷発生率0.00%は生産数4728で軸傷不良数0であり、軸傷不良率は平均0.35%に著しく低下した。
以上説明したように、モータ軸4の圧入部4cと導入部4bとの境界部に導入部径Eから圧入部径Dに向かって漸進拡大する傾斜面4eが形成されていると、圧入部品を導入部4bから圧入部4cに圧入する際にかじりや引き傷の発生がなく、組付精度が向上する。
また、モータ軸4を備えた電動機1においては、モータ軸4に対する圧入部品の組付精度が向上し不良品の発生が減り、電動機1の組立性や歩留まりが向上する。
尚、モータ軸4の両端部に導入部4bと圧入部4cを備えた実施例について説明したが、いずれか一方の軸端側に設けられていてもよい。また、電動機1はインナーロータ型でもアウターロータ型でもいずれでもよい。
1 電動機 2 モータハウジング 2a ハウジング本体 2b エンドカバー 3 軸受 4 モータ軸 4a モータ軸本体 4b 導入部 4c 圧入部 4d 軸端部 4e,7a 傾斜面 5 回転子 6 固定子 6a 固定子コア 6b モータコイル 7 圧入部材 D 圧入部径 E 導入部径

Claims (4)

  1. 電動機のモータ軸であって、
    モータ軸本体と、
    前記モータ軸本体の少なくとも一方端側に設けられた導入部と、
    前記導入部に続く圧入部と、を備え、
    圧入部径をDとし導入部径をEとすると、前記導入部と前記圧入部との境界部に前記導入部径Eから前記圧入部径Dに向かって漸進拡大する傾斜面が形成されていることを特徴とするモータ軸。
  2. 前記導入部は(D×0.95)≦E<Dとなるように形成されている請求項1記載のモータ軸。
  3. 前記導入部の外周に形成された前記傾斜面の軸方向に対する傾斜角度は3°から10°の範囲で形成される請求項1又は請求項2記載のモータ軸。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のモータ軸と、
    前記モータ軸と一体に組み付けられた回転子と、
    前記回転子の回転子磁極に固定子極歯が対向配置された固定子と、を備えた電動機。
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