以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、図面は、発明の理解を助けるための模式的なものである。
まず、本発明の一形態による吸収性物品の基本構造を、パッドタイプの使い捨ておむつ(尿取りパッド)の例に基づき説明する。
図1に、吸収性物品1の平面図を示す。図1は、吸収性物品1を展開した上、平面状に伸ばした状態、すなわちギャザーシートに配置された弾性部材(後述)が伸長された状態を示す図である。また、図2(a)に、図1のII−II線断面図を示し、図3に、図1のIII−III線断面図を示す。
本形態は、図1、図2(a)及び図3に示すように、吸収性物品1は、透液性のトップシート22と、不透液性のバックシート21と、両シート21、22の間に設けられた吸収体30とを備えた本体10を有している。吸収性物品1を装着する際、トップシート22側が肌側となり、バックシート21側は、アウター(外側のおむつ)や下着等に固定される。
本形態では、吸収性物品1は、平面視で、全体として細長い形状を有している。すなわち、吸収性物品1は、第1方向(前後方向又は長手方向)D1に所定の長さを有し、第1方向D1と直交する第2方向(幅方向)D2に、上記長さより小さい所定の幅を有する。吸収性物品1の前方及び後方は、それぞれ装着時の腹側及び背側に相当する。
図示の形態では、吸収性物品1の平面視形状は、図1で見て左右対称になっている、すなわち前後方向D1に延びる中心線を中心軸として線対称になっているが、必ずしも対称の形状でなくともよい。また、吸収性物品1の平面視形状は、上述のように、前後の領域に比べて幅が狭くなっている部分(括れ部分)を有するものでなくとも、前後方向D1にわたって幅が一定である矩形状等、他の形状とすることもできる。また、図1の例では、形状以外の吸収性物品1の構成(各構成要素の材質、配置等)も、左右対称になっているが、必ずしも線対称でなくともよい。
図1に示すように、吸収性物品1は、前後方向D1で見て中央付近に、股間対応領域Cを有する。本明細書において、「股間対応領域」とは、装着時に装着者の股間(股下)に対応させる部分を意味する。股間対応領域Cは、例えば、吸収性物品の前後方向中央若しくはその近傍から前方の所定位置までの範囲であってもよいし、吸収性物品の前後方向中央の所定範囲であってよい。なお、図示の例では、吸収性物品1には、幅が狭くなっている括れ部分が形成されているが、その括れ部分が形成されている領域の一部が股間対応領域となっている。また、股間対応領域Cの前方に隣接し、吸収性物品1の前端までの領域が前方領域Fとなっており、股間対応領域Cの後方に隣接し、吸収性物品1の後端までの領域が後方領域Bとなっている。
吸収性物品1の全長(前後方向D1の長さ)は、350〜700mm程度、全幅(幅方向D2の長さ)は130〜400mm程度とすることができる。また、股間対応領域Cの前後方向D1の長さは10〜150mm程度、前方領域Fの前後方向D1の長さは50〜350mm程度、後方領域B1の前後方向D1の長さは50〜350mm程度とすることができる。また、吸収性物品1が括れ部分有する場合、その最小幅は、吸収性物品1の全幅(括れ部分の前後における幅方向D2の長さ)の50〜90%程度であるのが好ましい。
図1に示すように、バックシート21のサイズは、吸収体30よりも大きくなっていてよい。そして、吸収体30は、バックシート21の範囲内に収まるように配置することができる。不透液性のバックシート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。なお、バックシート21の外面は、不織布等の外装シートにより覆うこともできる。
トップシート22は、図示の例では、吸収体30の幅方向D2の端部の一部を覆っていないが、吸収体30全体を覆う大きさを有していてもよい。よって、吸収体30の前後方向D1の両端部においては、幅方向D2の中央領域では、バックシート21とトップシート22とが重ね合され、接着されている。また、幅方向D2の端部領域では、ギャザーシート40(後に詳説)とバックシート21とが重ね合され接着されている(図2(a)及び図3)。
トップシート22としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどを用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
なお、トップシート22と吸収体30との間には、中間シートを介在させることができる。中間シートを設けることで、吸収体30により吸収した体液の逆戻りを防止することができる。そのため、中間シートとしては、保水性が低く且つ液透過性の高い素材、例えば各種の不織布、メッシュフィルム等を用いるのが好ましい。
吸収体30は、吸収性物品1全体の平面視形状と同様に、括れ部分を有する平面視形状を有する。しかし、吸収体30の平面視形状は、吸収性物品1の平面視形状にかかわらず、前後方向D1にわたって幅が一定である括れ部分のない矩形状等とすることもできる。
吸収体30に含まれる材料としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、不織布等であってよく、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、高吸収性ポリマー繊維や、高吸収性ポリマー粒子以外のポリマー粒子や無機粒子等を含んでいてもよい。
吸収体30は、一層からなっていてもよいし、複数の層からなる積層体からなっていてもよい。また、吸収体30は、不織布やクレープ紙等の包装シートで包まれていることが好ましい。包装シートの使用は、吸収体30がポリマー粒子等の粒子状材料を含む場合には、材料のこぼれを含むことができ、特に好ましい。吸収体30が複数層からなる場合、各吸収体層が包装シートによって包まれていてもよいし、包装シートが層間に挟まれていてもよい。また、包装シートは、無着色(すなわち、白色)であってもよいし、着色されていてもよい。色は、排出された体液の色を目立たなくすることができる色、例えば体液の色に近い色、又は体液の色の補色若しくはそれに近い色等にすることができる。
図1に示すように、本体10の肌側(トップシート22側)の両側部、すなわち幅方向D2の両端領域には、ギャザーシート40、40が前後方向D1に沿って配置されている。ギャザーシート40、40は、吸収性物品の少なくとも股間対応領域Cに配置されていればよいが、吸収性物品1の前後方向D1の前端から後端にわたって配置されていることが好ましい。
ギャザーシート40としては、プラスチックシート、不織布を使用することができる。肌への感触性が良いという観点から、不織布にシリコーン等によって撥水処理をしたものが好適に使用される。
図1、図2(a)、及び図3に示すように、本形態では、ギャザーシート40、40は、本体10のトップシート22側に重ねられ、部分的に固定されている。より具体的には、ギャザーシート40、40は、場所によってトップシート22、吸収体30(吸収体30が包装シートで包まれている場合には包装シート)、又はバックシート21に重ねられ、接着されている。ギャザーシート40、40と、その下の本体10との接着は、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等のシール手段によって形成することができる。図1には、ギャザーシート40、40と本体10との接着領域を斜線で示す。
図1、図2(a)、及び図3に示すように、各ギャザーシート40は、前後方向D1に沿って延びる幅方向D2外側の第1部分と、幅方向D2内側の第2部分とを含むことができる。図示の形態では、各ギャザーシート40は、幅方向D2外側の第1部分41と幅方向D2内側の第2部分42とからなり、第1部分41と第2部分42との境界線は、前後方向D1と平行に直線状に延びている。
図1に示すように、ギャザーシート40の第1部分41は、前後方向D1にわたって全体的に本体10に固定されている。一方、第2部分42は、本体10に部分的に固定されており、第2部分42の固定されていない自由な部分が、使用時に起立するようになっている。より具体的には、第2部分42は、前後方向D1の両端部における固定区間R1、R1において本体10に接着されており、両固定区間R1、R1の間の区間である起立区間R2において本体10に接着されていない。
1つの固定区間R1の前後方向D1の長さは、吸収性物品1の前後方向D1の長さの5〜30%とすることができる。また、起立区間R2は、少なくとも股間対応領域C内の区間であり、好ましくは股間対応領域Cを含む区間とすることができる。
ギャザーシート40、40は、各1枚のシートとして構成することもできるし、複数層のシートが積層され一体化された積層シートとして構成することもできる。ギャザーシート40を積層シートとした場合、部分的に積層枚数の異なるシートとして構成してもよい。ギャザーシート40を積層シートとして構成した場合、シート間に弾性部材(後述)及びその他の部材を挟むことができ、部材を保護することができる。
積層シートは、ギャザーシート40の幅方向D2の一方の端部を折り返して接合することによって構成することができる。図2(a)及び図3に示す例では、ギャザーシート40の幅方向D2の内方の端部が下着側(本体10に対向する側)に折り返して接合することによって一体化されて、2層の部分と1層の部分とを含む積層シートがギャザーシート40として用いられているが、ギャザーシート40の幅方向D2の内方の端部を肌側に折返して接合することによって一体化したシートを用いてもよい。
ギャザーシート40、40は、弾性部材(又は弾性収縮部材)の収縮力によって立体ギャザーを形成できるものである。ここで、立体ギャザーとは、平面状である吸収性物品1の面方向に対して起立した、ギャザーを有する伸縮性のある壁部を指す。本形態では、立体ギャザーは前後方向D1に沿って形成され、これにより、いわゆる横漏れを防止することができる。図1に示す吸収性物品1が平面状に伸ばされた状態は、上記弾性部材が伸ばされた状態を指す。
図1及び図2(a)に示す形態では、弾性部材として、ギャザーシート40における第2部分42の基部42Bと先端部42Tとの境界40bに配置された第1弾性部材51と、ギャザーシート40の幅方向D2内端縁(先端部42Tの自由端縁)40aに配置された第2弾性部材52とが配置されている。図示の形態では、第1弾性部材51及び第2弾性部材52はいずれも、一体化された積層シートとして構成されたギャザーシート40の層間に挟まれて配置されている。
吸収性物品1の製造においては、弾性部材(第1弾性部材51及び第2弾性部材52)は、伸長された状態でギャザーシート40に配置されるか、或いはギャザーシート40にギャザーを寄せた状態で、伸長されていない状態の弾性部材が配置される。よって、弾性部材の収縮状態(伸長されていない状態)では、ギャザーシート40は、弾性部材の収縮方向に縮められている。つまり、弾性部材が収縮状態にある時、第2部分42の、弾性部材が配置されている位置での前後方向D1長さは、本体10に固定された第1部分41に隣接する位置での前後方向D1長さより短くなっている。なお、本明細書において、弾性部材の長さという場合、弾性部材の実質的な長さ、すなわち弾性部材が収縮力を発揮する長さ、例えば伸長された状態で配置された部分の長さを指す。
弾性部材は、前後方向D1に沿ってギャザーシート40に配置された、糸状、紐状、帯状(テープ状)等の弾性素材からなるものであってよい。吸収性物品1の製造工程において、弾性部材は、伸長させた状態でギャザーシート40に、接着剤による接着、縫込み等によって固定することができる。弾性素材の材料としては、天然ゴム又は合成ゴム、例えばスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等が挙げられる。また、糸状又は紐状の弾性素材であれば、420〜630dtexの太さを有するものが好ましい。
上述のように、各ギャザーシート40、40は、全面的に本体10に固定された幅方向D2外側の第1部分41と、部分的に固定された幅方向D2内側の第2部分42とを有する。第2部分42は、図2(a)及び図3に示すように、第1部分41に隣接する基部42Bと、基部42Bに隣接してギャザーシート40の幅方向D2内縁40aまで延在する先端部42Tとを有する。図1、図2(a)及び図3においては、基部42Bと先端部42Tとの境界を符号40bで示す。
図1に示すような吸収性物品1が平面状に伸ばされた状態(弾性部材を伸長させた状態)では、上記先端部42Tは、前後方向D1の全区間(固定区間R1、R1及び起立区間R2)にわたって非肌側へと折り込まれている。すなわち、ギャザーシート40は、第2部分42の幅方向D2内側において、先端部42Tが基部42Bと本体10との間に配置されるように折り込まれている。よって、図1では、第2部分42の幅方向D2内方の端縁が、基部42Bと先端部42Tとの境界40bとなっている。
そして、第2部分42は、固定区間R1、R1において、上述のように先端部42Tが折り込まれた状態のまま本体10に固定されている(図3)。より具体的には、ギャザーシート40の第2部分42は、固定区間R1、R1において、先端部42Tを折り込んだ状態を維持したまま本体10に固定されている(図3)。別の言い方をすると、固定区間R1、R1において、立体ギャザーの外側となる面が本体10に接合している。一方、第2部分42は、起立区間R2においては固定されていない(図2(a))が、図1に示すような吸収性物品1が平面状に伸ばされた状態では、固定区間R1の形状(先端部42Tが折り込まれた形状)に拘束されるため、実質的に固定区間R1と同じ形状となる(図2(a))。
ギャザーシート40の本体10への固定は、例えば、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いた接着によって行うことができる。また、固定は、接着剤によらず、ヒートシール、超音波シール等のシールによる接合、縫製等、別の方式によって行ってもよい。図2及び図3には、接着剤を用いた接着によって固定を行った例を示し、ギャザーシート40の本体10への固定に用いられる接着剤48を図示する。
なお、吸収性物品1には、ギャザーシート40と本体10との固定以外にも、構成要素同士が固定されている箇所がある。図示は省略するが、そのような箇所においても、上述の接着剤、シールによる接合等の方式で固定を行うことができる。
以下、立体ギャザーの立ち上がりについて説明する。吸収性物品1は、使用前の状態では、例えばバックシート21が外側となる巻き三つ折りによって前後方向D1に折り畳まれてパッケージ等に収容されている。その際、第2部分42は、特に固定区間R1に近い起立区間R2では、図2(a)に示すような、先端部42Tが下着側に折り込まれ、トップシート22上に載置された状態となり得る。このとき、第1弾性部材51及び第2弾性部材52も、収縮した状態(負荷がかけられていない自然な状態)で前後方向D1に折り畳まれていてよい。
図2(b)及び(c)に、ギャザーシート40の第2部分42の立ち上がりの過程を示す。吸収性物品1の使用時、例えばパッケージから吸収性物品1を取り出して展開する際には通常、前後方向D1の両端を持って前後方向D1に広げる。よって、吸収性物品1を展開させ始めた段階で、前後方向D1に沿って配置された弾性部材(第1弾性部材51及び第2弾性部材52)が前後方向D1に沿って多少引っ張られる。ここで、第2部分42の幅方向D2内側では起立区間R2での長さは、弾性部材の収縮によって前後方向D1長さが縮められているため、起立区間R2に対応する本体10の長さに比べて短くなっている。よって、吸収性物品1の展開によって、第2部分42における弾性部材が配置されている位置が優先的に引っ張られるが、本体10は引っ張られずに弛んだままの状態が維持される。そのため、図2(b)に示すように、第2部分42全体が、第1部分41との境界位置を基点として持ち上がり始める。
さらに、第2弾性部材52が第1弾性部材51より先端側(ギャザーシートの幅方向D2の内端40a側)に位置していることから、第2部分42全体の立ち上がりに伴い、折り込まれていた先端部42Tも幅方向D2内方へと開き始める。その後、図2(c)に示すように、基部42Bの立ち上がりが進んで立体ギャザーGが形成されるとともに、先端部42Tがさらに開く。この場合、第2弾性部材52が配置された位置での第2部分42の長さ(弾性部材が収縮状態にある時の長さ)が、第1弾性部材51が配置された位置での第2部分42の長さ(弾性部材が収縮状態にある時の長さ)より短くなっていると、先端部42Tの幅方向D2内方への開きはより容易になり得る。
但し、先端部42Tは、前後方向D1の両端部における固定区間R1、R1においては折り込まれて本体10に固定されたままであるので(図3)、起立区間R2における先端部42Tには、前後方向D1の両端部から、先端部42Tが折り込み状態に戻るような力がかかっている。そのため、先端部42Tは、起立区間R2において、幅方向D2内方へ開ききらず、図2(c)に示すように、基部42Tに対して傾いた状態に留まる。すなわち、先端部42Tが、基部42Bの延長として基部42Bと面一に延在するのではなく、言わば庇のように幅方向D2内方に出張ることができる。
ここで、図6に、従来の構成による吸収性物品1Aを示す。図6は、従来の吸収性物品1Aを装着して装着者が横向きに寝た状態を示す図であり、吸収性物品1Aの股間対応部の位置で幅方向に沿って切った断面図である。図6には、吸収性物品装着者の身体(脚LG及び股間部位BD)の断面を含めて模式的に示している。図6に示すように、吸収性物品1Aは、トップシート22Aと、バックシート21Aと、これらの両シート21A、22A間に配置された吸収体30Aとを備えた本体10Aと、ギャザーシート40Aとからなる。そして、装着した装着者が横向きに寝た(側臥位になった)場合、本体10Aから起立した立体ギャザーGAは略水平方向に延在するような状態になり得る。そのため、液状排泄物が急激に排泄された場合等には、矢印Uで示すように、排泄物はギャザーシート40Aを伝って流れ、立体がギャザーGAを越えて漏れる可能性がある。これに対し、本形態では、図2(c)に示すように、先端部42Tが基部42Bに対して幅方向D2内方に傾斜する。そのため、装着者が横向きに寝た状態でも、立体ギャザーの先端に庇T(図6に点線で図示)が形成され、液状排泄物の横漏れを良好に防止することができる。
起立する立体ギャザーとなる部分の長さ、すなわち第2部分42の幅(幅方向D2の長さ)は、15〜50mmであると好ましい。また、立体ギャザーにおいて上述の庇となり得る先端部42Tの幅(幅方向D2の長さ)は、第2部分42の幅(起立するギャザーの高さ)に対して、30〜70%であると好ましい。
図示の形態においては、弾性部材として、第1弾性部材51及び第2弾性部材52が配置されている。このうち、第1弾性部材52は省略することができるが、第1弾性部材51及び第2弾性部材52の両方が配置されていることが好ましい。
図1及び図2に示すように、第1弾性部材51が、基部42Bと先端部42Tとの境界40bに配置されていることで、第2部分42が基部42Bと先端部42Tとの境界40bにて折れ曲がりやすくなり、先端部42Tが幅方向D2内方へ傾斜しやすくなる。そのため、横漏れ防止機能を高めることができる。また、第2弾性部材52が、ギャザーシート40の幅方向D2内端縁40aに配置されていることで、先端部42Tが幅方向D2内方に傾斜しやすくなり、またその傾斜を維持しやすくなる。そのため、横漏れ防止機能を高めることができる。
第1弾性部材51は、立体ギャザーを立ち上がらせるために、収縮力は比較的大きいことが好ましい。また、第1弾性部材51の収縮力は、第2弾性部材52の収縮力より大きいと好ましい。この構成により、第2部分42が、基部42Bと先端部42Tとの境界40bにおいてより一層折れ曲がりやすくなるとともに、先端部42Tの幅方向D2内方への傾斜を適切な範囲にすることができる。
なお、先端部42Tは、起立区間R2の少なくとも前後方向D1中央において、基部42Bに対して90〜160°、好ましくは100〜140°の角度をなして延在していることが好ましい。第1弾性部材51の収縮力を第2弾性部材52の収縮力より大きくなるように調整することで、上記範囲のような角度で先端部42Tを傾斜させることができる。
各弾性部材は、1本の弾性素材からなっていてもよいし、2本以上の弾性素材を隣接させて又は束ねて含むものであってもよい。弾性部材の収縮力は、弾性部材を構成する弾性素材の本数、太さ、及び材料、並びに製造工程において弾性部材を配置する際の伸長率又はテンション(収縮した状態の長さを100%とした場合の配置時の長さ)の1以上を変更することによって、変更することができる。
吸収性物品1の製造において弾性部材を伸長した状態で配置する場合、第1弾性部材51は、伸長率150〜250%で配置することが好ましい。また、第2弾性部材52は、伸長率120〜220%で配置することが好ましい。第1弾性部材51の伸長率の、第2弾性部材52の伸長率に対する比の値(第1弾性部材51の伸長率/第2弾性部材の伸長率)は、1.0〜2.0であると好ましく、1.1〜1.5であるとより好ましい。第1弾性部材51の伸長率は、第2弾性部材52の伸長率より大きい場合、第2部分42が、基部42Bと先端部42Tとの境界40bにおいてより一層折れ曲がりやすくなるとともに、先端部42Tの幅方向D2内方への傾斜を適切な範囲にすることができる。
図4に、本形態における立体ギャザーの変形例を示す。図4の例では、ギャザーシート40には、第3弾性部材53が、前後方向D1に沿って、第1弾性部材51と第2弾性部材52との間に、すなわち先端部42Tに追加的に配置されている。第3弾性部材53の構成(材質等)は、上述に説明したものと同様である。第3弾性部材53が配置されていることで、第2部分42の先端部42Tは、第3弾性部材53の位置においても折れ曲がることができる(図4)。これにより、立体ギャザーが装着者の肌に当たる場合に、ギャザーシート40の幅方向D2の内端縁40aが肌に当たるのではなく、第3弾性部材53から幅方向D2の内端縁40aの位置まで部分が面状に肌に接触することができる。よって、立体ギャザーが着用者の肌、特に陰茎、陰嚢等に当たることによって生じる違和感や不快感を軽減することができる。
第2弾性部材52と第3弾性部材53との距離は、5〜10mmであると好ましい。また、第3弾性部材53の伸長率は120〜220%とすることができる。なお、第3弾性部材53の伸長率は、第1弾性部材51の伸長率より小さくすることが好ましく、第2弾性部材52の伸長率以上とすることが好ましい。
図5に、本形態による吸収性物品1の変形例を示す。図5の例では、ギャザーシート40の第2部分42の起立区間R2が、両端部において半起立区間R2h、R2hを有する。この半起立区間R2hに対して、半起立区間R2h間の主たる起立区間R2を主起立区間R2mと呼ぶ。図5に示すように、主起立区間R2mにおいては、第2部分42全体が固定されていないのに対し、半起立区間R2hにおいては、第2部分42の一部、より具体的には、第2部分42の幅方向D2外側の部分(第1部分に隣接した部分)が本体10に固定されている。別言すれば、平面視でギャザーシート40の本体10への接着領域を、固定区間R1から起立区間R2の中央に向かって見た場合、接着領域の幅方向D2内端が段階的に幅方向D2外方へ後退するようになっている。
図5の構成では、吸収性物品1が展開されると、主起立区間R2mにおいては第2部分42の全体が本体10から離れて起立し、半起立区間R2hでは、主起立区間R2mにおいて起立した部分よりも短い部分が起立する。このような構成により、固定区間R1と起立区間R2との境界の位置から、半起立区間R2h、主起立区間R2mへと前後方向D1内方に向かって見て、起立する部分の長さを徐々に長くすること(高さを徐々に高くすること)ができる。これにより、立体ギャザーの前後方向D1の両端部が肌に当たることにより生じ得る違和感を軽減することができる。
また、吸収性物品1をパッケージ等から取り出して展開した時に第2部分42が起立する際、固定区間R1と起立区間R2との境界においては、特にギャザーシート40と本体10との接着領域の幅方向D2内端には応力が集中しやすい。そのため、本体10が引っ張られて不要な変形が生じたり、固定形式によってはギャザーシート40が本体10から剥がれたりする可能性もある。これに対し、本形態では、固定区間R1と起立区間R2との境界付近における接着領域の幅方向D2の内端における応力の集中を緩和することができ、不都合な変形や剥がれ等も防止することができる。
なお、半起立区間R2hにおいては、前後方向D1中央に向かう方向で見て、接着領域の幅方向D2内端が漸次又は段階的に幅方向D2外方へ後退するように構成することもできる。
以上、具体的な形態について、パッドタイプの使い捨ておむつを例に説明してきたが、本形態は、テープタイプ、パンツタイプ等の他の形態の使い捨ておむつの他、生理用ナプキンとしても使用することができる。