JP2020142376A - 画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】重合開始剤および連鎖移動剤を必要とすることなく、ラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を高い硬化性で硬化させて、画像記録を行うことが可能な方法を提供する。【解決手段】色材およびラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を、基材に塗布する工程と、前記塗布されたインク組成物に、プラズマ照射して重合硬化させる工程と、を包含し、前記インク組成物が、重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有せず、前記プラズマ照射のための雰囲気ガスが窒素ガスであり、かつキャリアガスがアルゴンガスである、画像記録方法とする。【選択図】なし
Description
本発明は、画像記録方法に関する。
プラスチック、ガラス等の非吸収性基材への画像記録が可能であること、溶剤の揮発量がなく環境負荷が小さいこと等の理由から、紫外線硬化型インク等の活性エネルギー線硬化型インクの需要が増加している。
一般的な活性エネルギー線硬化型インクは、ラジカル重合性単量体、および重合開始剤等を含有する。重合開始剤は、安定性が低い低分子量の化合物であるために、活性エネルギー線硬化型インクはポットライフが短いという問題を有している。また、画像記録の際に重合開始剤を活性エネルギー線の照射によって完全に消費することは難しく、残存する重合開始剤による塗膜耐候性の低下の問題や、残存する重合開始剤のマイグレーションによって生じる安全性の低下への懸念がある。そのため、活性エネルギー線硬化型インクに重合開始剤を含有させることなく、画像を形成することが可能な技術の開発が望まれている。
これに対し、特許文献1には、クエン酸、または天然油に含まれる遊離脂肪酸を含み、かつ光重合開始剤を含んでいない印刷インクに、大気圧の空気中でプラズマ照射し、脱水縮合反応によって固化させることによって基材にインク定着させる、インク定着方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、縮合反応により固化が行われるものであり、ラジカル重合性単量体を含有する一般的な活性エネルギー線硬化型インクに適用できる技術ではない。
特許文献2には、ラジカル重合性化合物と、重合開始剤および連鎖移動剤の少なくともいずれか一方と、を含有する組成物に、プラズマ照射するプラズマ重合膜の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、当該製造方法を応用して、組成物に色材を含有させて、画像形成することが記載されている。さらに、特許文献2には、プラズマ照射の際に窒素ガスを用いることが記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法においては、プラズマ照射によって、組成物の硬化性を向上できているものの、未だに1質量%以上の重合開始剤または連鎖移動剤を必要としている。そして連鎖移動剤もまた、重合開始剤と同様の問題を引き起こす。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、重合開始剤および連鎖移動剤を必要とすることなく、ラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を高い硬化性で硬化させて、画像記録を行うことが可能な方法を提供することにある。
本発明に係る画像記録方法は、色材およびラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を、基材に塗布する工程と、前記塗布されたインク組成物に、プラズマ照射して重合硬化させる工程と、を包含する。ここで、前記インク組成物が、重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有しない。前記プラズマ照射のための雰囲気ガスが窒素ガスであり、かつキャリアガスがアルゴンガスである。
本発明によれば、重合開始剤および連鎖移動剤を必要とすることなく、ラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を高い硬化性で硬化させて、画像記録を行うことが可能な方法が提供される。
本発明に係る画像記録方法は、色材およびラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を、基材に塗布する工程(以下、「インク塗布工程」ともいう)と、当該塗布されたインク組成物に、プラズマ照射して重合硬化させる工程(以下、「プラズマ照射工程」ともいう)と、を包含する。ここで、当該インク組成物が、重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有しない。当該プラズマ照射のための雰囲気ガスが窒素ガスであり、かつキャリアガスがアルゴンガスである。以下、本発明に係る画像記録方法について詳細に説明する。
まず、インク組成物について説明する。インク組成物は、色材およびラジカル重合性単量体を必須成分として含有する。色材としては、公知の活性エネルギー線硬化型インクに用いられているものを用いてよい。色材としては、染料および顔料のいずれであってもよく、印刷物の耐久性の観点から、顔料が好ましい。
色材として用いられる染料の例としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等が挙げられる。
色材として用いられる顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれであってもよい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの方法によって製造されたカーボンブラック等を使用することができる。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等の多環式顔料、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等の染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、C.I.ピグメントブラック7;三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等;コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等;キャボット社製のRegal 400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等;デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、Color Black S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
また、金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、チタニウム等の金属単体、およびこれらの合金による金属顔料、中空白色樹脂エマルジョン顔料等を色材として用いることもできる。
色材のインク組成物中の含有量は、所望の色濃度やインク中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されない。色材のインク組成物中の含有量は、例えば0.1質量%以上20重量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下である。
ラジカル重合性単量体は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物であり、公知の活性エネルギー線硬化型インクに用いられているものを用いてよい。好ましくは、ラジカル重合性単量体は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチレン基等のラジカル重合性基を少なくとも1個有する化合物である。より高い硬化性の観点から、ラジカル重合性単量体は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、アクリロイル基を有することがより好ましい。すなわち、ラジカル重合性単量体としては、(メタ)アクリレート化合物および(メタ)アクリルアミド化合物が好ましく、アクリレート化合物およびアクリルアミド化合物がより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」との記載は、「メタクリロイル」または「アクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリレート」との記載は、「メタクリレート」または「アクリレート」を意味する。ラジカル重合性単量体は、所望する硬化物の特性に応じて、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性単量体は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個有するもの(単官能ラジカル重合性単量体)であってもよく、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を2個以上有するもの(二官能以上のラジカル重合性単量体)であってもよい。より高い硬化性の観点から、ラジカル重合性単量体は、二官能以上のラジカル重合性単量体を少なくとも含有することが好ましく、三官能以上のラジカル重合性単量体を少なくとも含有することがより好ましい。
単官能ラジカル重合性単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等の単官能(メタ)アクリルアミド化合物;スチレン、メチルスチレン等の単官能スチレン化合物などが挙げられる。
二官能以上のラジカル重合性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等の(メタ)アクリロイル基とビニル基を有する二官能重合性単量体;グリセリンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ラジカル重合性単量体は、二官能以上の重合性単量体を、ラジカル重合性単量体の全質量に対して、1質量%以上含有することが好ましく、3質量%以上含有することがより好ましく、5質量%以上含有することがさらに好ましい。
インク組成物中のラジカル重合性単量体は、特に制限はないが、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
インク組成物は、色材およびラジカル重合性単量体以外の成分を含有していてもよい。このような成分の例としては、分散剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤等が挙げられる。インク組成物は、従来の活性エネルギー線硬化型インクとは異なり、重合禁止剤を含有しなくてもよい。
分散剤としては、例えば、高分子分散剤が挙げられる。当該高分子分散剤は、その主鎖が、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系等であって、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基等の極性基またはこれらの塩を有することが好ましい。
高分子分散剤の例としては、ビックケミー社製「DISPERBYK−168」、「DISPERBYK−2013」、「DISPERBYK−2055」、「DISPERBYK−2096」、「DISPERBYK−2152」、「DISPERBYK−2155」、「DISPERBYK−2200」、「BYK−9076」、「BYK−9077」、「BYKJET−9142」、「BYKJET−9150」、「BYKJET−9151」、「BYKJET−9152」;BASF社製「Dispex Ultra FA 4420」、「Dispex Ultra FA 4425」、「Efka PX 4701」、「Efka PX 4731」、「Efka PX 4732」、「Efka PX 4733」;ルーブリゾール社製「ソルスパース(SOLSPERSE)3000」、ソルスパース5000」、「ソルスパース9000」、「ソルスパース12000」、「ソルスパース13240」、「ソルスパース13940」、「ソルスパース17000」、「ソルスパース22000」、「ソルスパース24000」、「ソルスパース26000」、「ソルスパース28000」、「ソルスパース32000」、「ソルスパース33000」、「ソルスパース36000」、「ソルスパース39000」、「ソルスパース41000」、「ソルスパース71000」等が挙げられる。
インク組成物中の分散剤の含有量は、特に制限はないが、例えば、0.1質量%以上5質量%以下である。分散剤は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
レベリング剤の例としては、ビックケミー社製「BYK−307」、「BYK−333」、「BYK−354」、「BYK−361N」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−3455」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3505」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3535」、「BYK−UV3570」;エボニックデグサジャパン社製「TEGO Flow425」、「TEGO Glide100」、「TEGO Glide110」、「TEGO Glide130」、「TEGO Glide432」、「TEGO Glide435」、「TEGO Glide440」、「TEGO Glide450」、「TEGO GlideZG400」、「TEGO Twin4000」、「TEGO Twin4200」、「TEGO Wet270」、「TEGO Rad2010」、「TEGO Rad2010」「TEGO Rad2100」、「TEGO Rad2200N」、「TEGO Rad2250」「TEGO Rad2300」、「TEG Rad2500」、「TEGO Rad2700」等が挙げられる。
インク組成物中のレベリング剤の含有量は、特に制限はないが、例えば、0.005質量%以上3質量%以下である。レベリング剤は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
ただし、インク組成物は、重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有しない。本明細書において「重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有しない」とは、インク組成物中のこれらの合計含有量が1質量%未満であることを意味する。インク組成物中のこれらの合計含有量は、好ましくは0.5質量%未満であり、より好ましくは0.1質量%未満であり、さらに好ましくは0.01質量%未満であり、最も好ましくは0質量%(すなわち、インク組成物が重合開始剤および連鎖移動剤を含有しない)である。
なお、重合開始剤は、上述のラジカル重合性単量体のラジカル重合を開始可能な化合物のことをいい、その例としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類、アセトフェノン類等が挙げられる。また、連鎖移動剤は、上述のラジカル重合性単量体のラジカル重合の連鎖移動反応を起こすことが可能な化合物のことをいい、その例としては、アミン類、ジスルフィド類、チオール類が挙げられる。
次に、インク塗布工程について説明する。インク塗布工程においては、上記のインク組成物を基材に塗布する。
基材としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVA)基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材、ポリスチレン基材等のプラスチック基材;アート紙、コート紙、キャスト紙、上質紙、合成紙、インクジェット用紙等の紙基材;ガラス基材;セラミック基材;金属基材等を用いることができる。
インク組成物の基材への塗布は、公知の塗布方法により行うことができ、例えば、インクジェット法、スプレーコート法、スピンコート法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコート法等によって行うことができる。
次に、プラズマ照射工程について説明する。プラズマ照射工程においては、上記塗布されたインク組成物にプラズマ照射して、インク組成物を重合硬化させる。よって、プラズマ照射によってラジカル重合性単量体の重合が開始されるために、インク組成物に、重合開始剤および連鎖移動剤に含有させる必要がない。
プラズマ照射は、公知の大気圧プラズマ装置を用いて行うことができる。プラズマ照射は、通常、大気圧で行なう。
プラズマ照射に際し、雰囲気ガスに窒素ガスを用い、かつキャリアガスにアルゴンガスを用いる。雰囲気ガスは、プラズマが照射される雰囲気内(例えば、チャンバ内、密閉容器内等)に充填されるガスであり、キャリアガスは、プラズマ装置のプラズマ発生器に導入されるガスである。このように、雰囲気ガスとして窒素ガス、およびキャリアガスとしてアルゴンガスという特定のガスの組み合わせによって、優れた硬化性で、塗布されたインク組成物の重合硬化を行うことができる。
プラズマの照射距離は、特に制限はないが、照射距離が短いほど硬化性が高くなる。そのため、照射距離は、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。
プラズマ照射時の温度は、インク組成物の成分の凝固点以上沸点未満の温度であって、かつインク組成物が熱重合を起こさないような温度を選択することが好ましい。具体的には、プラズマ照射時の温度は、例えば、−20℃以上100℃以下であり、好ましくは0℃以上50℃以下であり、より好ましくは室温前後の温度(25℃±10℃)である。
プラズマの照射時間には特に制限はない。本発明によれば、優れた硬化性で、塗布されたインク組成物の重合硬化を行うことができることから、プラズマの照射時間は、20秒以下であってよく、10秒以下あるいは5秒以下とすることもできる。
プラズマ照射工程を行なうことにより、インク組成物が重合硬化して画像が形成され、画像記録を行うことができる。上述のように、本発明によれば、重合開始剤および連鎖移動剤を必要とすることなく、ラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を高い硬化性で硬化させて、画像記録を行うことができる。したがって、従来のラジカル重合性単量体および重合開始剤(あるいは連鎖移動剤)を含有する活性エネルギー線硬化型インクを用いた際の種々の問題、すなわち、インクのポットライフが短いという問題、画像記録後に残存する重合開始剤(あるいは連鎖移動剤)による塗膜耐候性の低下という問題、画像記録後に残存する重合開始剤(あるいは連鎖移動剤)のマイグレーションによって生じる安全性の低下への懸念等を解消することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔インク組成物の調製〕
下記表1に示す組成を有する6種のインクを調製した。具体的には、表1に示す成分を表1に示す質量比で均一に混合することによって、インク1〜6を調製した。
下記表1に示す組成を有する6種のインクを調製した。具体的には、表1に示す成分を表1に示す質量比で均一に混合することによって、インク1〜6を調製した。
(表中の数値は質量比である。)
なお、表中の各成分の略称は以下の通りである。
CY:C.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製「MICROLITH−Blue 4G−K」)
SOL36000:高分子分散剤(ルーブリゾール社製「SOLSPERSE36000」)
BZA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
EEEA:エトキシエトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
ACMO:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ社製)
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製)
UV3500:レベリング剤(ビックケミー社製「BYK−UV3500」)
なお、表中の各成分の略称は以下の通りである。
CY:C.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製「MICROLITH−Blue 4G−K」)
SOL36000:高分子分散剤(ルーブリゾール社製「SOLSPERSE36000」)
BZA:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
EEEA:エトキシエトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
ACMO:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ社製)
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製)
UV3500:レベリング剤(ビックケミー社製「BYK−UV3500」)
〔実施例および比較例〕
大気圧プラズマ発生器(プラズマコンセプト東京社製「マルチガスプラズマジェット」)に、密閉容器を取り付けた装置を用意し、これを用いて上記作製したインク1〜6の硬化性を評価した。具体的には、バーコーターを用いて上記作製した各インクをPET基材上に膜厚が22μmとなるように塗布した。この試料を容器に入れた後、密閉した。容器内に、表2に記載の雰囲気ガスを10L/minの流量で1分間導入することにより、容器内の雰囲気を置換した。その後、室温にて、表2に記載のキャリアガスをプラズマ発生器に導入して、プラズマ発生器からインクにプラズマを照射した。プラズマ照射距離は、30mmとした。所定時間プラズマを照射させた後、試料を容器から取り出た。インク塗膜表面を綿棒で擦り、タック感の有無より、インクが硬化しているかどうかを判定した。この方法によりインクが硬化するまでの時間を計測した。結果を表2に示す。なお、プラズマ照射時間は60秒までとし、表では、硬化が起きたものを「○」、硬化が起こらなかったものを「×」と標記した。
大気圧プラズマ発生器(プラズマコンセプト東京社製「マルチガスプラズマジェット」)に、密閉容器を取り付けた装置を用意し、これを用いて上記作製したインク1〜6の硬化性を評価した。具体的には、バーコーターを用いて上記作製した各インクをPET基材上に膜厚が22μmとなるように塗布した。この試料を容器に入れた後、密閉した。容器内に、表2に記載の雰囲気ガスを10L/minの流量で1分間導入することにより、容器内の雰囲気を置換した。その後、室温にて、表2に記載のキャリアガスをプラズマ発生器に導入して、プラズマ発生器からインクにプラズマを照射した。プラズマ照射距離は、30mmとした。所定時間プラズマを照射させた後、試料を容器から取り出た。インク塗膜表面を綿棒で擦り、タック感の有無より、インクが硬化しているかどうかを判定した。この方法によりインクが硬化するまでの時間を計測した。結果を表2に示す。なお、プラズマ照射時間は60秒までとし、表では、硬化が起きたものを「○」、硬化が起こらなかったものを「×」と標記した。
表2の結果より、雰囲気ガスに窒素ガスを用い、キャリアガスにアルゴンを用いた実施例1では、インクが重合開始剤および連鎖移動剤を含有していないのにも関わらず、インクを短時間で硬化させることができた。一方、雰囲気ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方が大気または酸素ガスである場合(比較例1〜3、6および8)には、硬化が起こらなかった。これは、酸素がラジカルを捕捉して硬化を阻害したためであると考えられる。また、雰囲気ガスおよびキャリアガスの両方がArガスである比較例5でも硬化が起こらなかった一方で、雰囲気ガスおよびキャリアの少なくとも一方が窒素ガスである場合(比較例4、比較例7および実施例1)では、硬化が起こった。このことから、プラズマ照射によってラジカル重合を開始させるには窒素が必要であることがわかる。ただし、比較例4および比較例7では、実施例1に対し、硬化時間が非常に長かった。
また実施例1の結果より、ラジカル重合性単量体を、単官能重合性単量体のみで構成したインク1よりも、2官能以上の重合性単量体を含むインク2〜6の方が、硬化時間が短いことがわかる。また、インク6では、インク5の2官能重合性単量体の一部に代えて3官能重合性単量体を用いている。3官能重合性単量体を用いたインク6の方が、インク5よりも硬化時間が短いことがわかる。このことから、重合性単量体の官能基数が多くなるにつれ、インクの硬化性が高くなることがわかる。
Claims (6)
- 色材およびラジカル重合性単量体を含有するインク組成物を、基材に塗布する工程と、
前記塗布されたインク組成物に、プラズマ照射して重合硬化させる工程と、
を包含し、
前記インク組成物が、重合開始剤および連鎖移動剤を実質的に含有せず、
前記プラズマ照射のための雰囲気ガスが窒素ガスであり、かつキャリアガスがアルゴンガスである、
ことを特徴とする画像記録方法。 - 前記ラジカル重合性単量体が、アクリロイル基を有する、請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記インク組成物が、二官能以上のラジカル重合性単量体を含有する、請求項1または2に記載の画像記録方法。
- 前記インク組成物が、三官能以上のラジカル重合性単量体を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- 前記インク組成物が、重合開始剤および連鎖移動剤を含有しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
- プラズマ照射時間が、20秒以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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2019
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2023171067A1 (ja) * | 2022-03-11 | 2023-09-14 | ||
| WO2023171067A1 (ja) * | 2022-03-11 | 2023-09-14 | 三菱ケミカル株式会社 | 硬化性組成物、硬化物、積層体およびこれらの製造方法 |
| JP7816485B2 (ja) | 2022-03-11 | 2026-02-18 | 三菱ケミカル株式会社 | 硬化性組成物、硬化物、積層体およびこれらの製造方法 |
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