JP2020157564A - 加飾シートおよび加飾樹脂成形品 - Google Patents
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図1は、本開示における加飾シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す加飾シート10は、基材シート1、絵柄層2、プライマー層3および表面保護層4を、この順に有する。表面保護層4は、ポリウレタン樹脂および硬化剤を含有する樹脂組成物の硬化物であり、かつ、マルテンス硬さが小さい。
本開示における表面保護層は、三次元成形性、耐傷付き性、および耐薬品性が良好な層である。表面保護層のマルテンス硬さは、例えば40N/mm2以下であり、35N/mm2以下であってもよく、30N/mm2以下であってもよい。一方、表面保護層のマルテンス硬さは、例えば0.01N/mm2以上であり、0.8N/mm2以上であってもよく、3N/mm2以上であってもよい。
本開示における基材シートは、樹脂を含有する。基材シートに用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル樹脂が挙げられる。なお、これらの樹脂を、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、基材シートは、単層シートであってもよく、複層シートであってもよい。
本開示における加飾シートは、絵柄層を有していてもよい。絵柄層を設けることで、加飾シートに装飾性を容易に付与することができる。絵柄層は、基材シートおよび表面保護層の間に位置することが好ましい。
本開示における加飾シートは、プライマー層を有していてもよい。プライマー層を設けることで、例えば表面保護層が延伸された場合であっても、表面保護層に微細な割れや白化が生じることを抑制できる。プライマー層は、基材シートおよび表面保護層の間に位置することが好ましい。また、加飾シートが絵柄層を有する場合、プライマー層は、絵柄層および表面保護層の間に位置することが好ましい。
本開示における加飾シートは、基材シートを基準として、表面保護層とは反対側の位置に、接着剤層を有していてもよい。接着剤層を設けることで、加飾シートと、樹脂成形品との密着性が向上する。
本開示における加飾シートは、基材シートおよび表面保護層を少なくとも有し、さらに、絵柄層、プライマー層および接着剤層の少なくとも一つをさらに有していてもよい。
本開示における加飾樹脂成形品は、樹脂成形品と、上記樹脂成形品の表面に位置する加飾シートとを有する。
基材シートとしてABS樹脂フィルム(曲げ弾性率2000MPa、厚さ400μm)を準備した。次に、基材シートの表面に、アクリル樹脂をバインダーとするインキを用いてグラビア印刷により木目柄の絵柄層を形成した。次に、絵柄層の表面に、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートを含む組成物を塗工し、プライマー層を形成した。プライマー層の厚さは3μmであった。
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリカーボネートポリオール(旭化成株式会社製、商品名「デュラノール T―5651」、原料として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む。繰り返し単位:1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=7/3(モル比)、水酸基価=112.2mgKOH/g、数平均分子量=1000)を65.00質量部、ジメチロールプロピオン酸を5.00質量部、メチルエチルケトン100質量部を加え十分攪拌溶解し、次いでジシクロヘキシルメタンジイソシアネート30.00質量部を加えNCO含量が1.00%になるまで75℃で反応させた。その後、このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.77質量部を加えてホモミキサーを用いて水400.00質量部を徐々に加えて乳化分散した後、ジエチレントリアミン0.65質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分行った。この樹脂溶液を加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去し、固形分25%の水系ポリウレタン樹脂分散体2を得た。得られた水系ポリウレタン樹脂分散体2を水系ポリウレタン樹脂分散体1の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリカーボネートポリオール(旭化成株式会社製、商品名「デュラノール T―4671」、原料として1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む。繰り返し単位:1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=7/3(モル比)、水酸基価=112.2mgKOH/g、数平均分子量=1000)を65.00質量部、ジメチロールプロピオン酸を5.00質量部、メチルエチルケトン100質量部を加え十分攪拌溶解し、次いでジシクロヘキシルメタンジイソシアネート30.00質量部を加えNCO含量が1.00%になるまで75℃で反応させた。その後、このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.77質量部を加えてホモミキサーを用いて水400.00質量部を徐々に加えて乳化分散した後、ジエチレントリアミン0.65質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分行った。この樹脂溶液を加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去し、固形分25%の水系ポリウレタン樹脂分散体3を得た。得られた水系ポリウレタン樹脂分散体3を水系ポリウレタン樹脂分散体1の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリカーボネートポリオール(旭化成株式会社製、商品名「デュラノール T―4671」、原料として1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む。繰り返し単位:1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=7/3(モル比)、水酸基価=112.2mgKOH/g、数平均分子量=1000)を62.60質量部、トリメチロールプロパン0.65質量部、ジメチロールプロピオン酸を5.00質量部、メチルエチルケトン100質量部を加え十分攪拌溶解し、次いでジシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.75質量部を加えNCO含量が1.00%になるまで75℃で反応させた。その後、このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.77質量部を加えてホモミキサーを用いて水400.00質量部を徐々に加えて乳化分散した後、エチレンジアミン0.72質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分行った。この樹脂溶液を加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去し、固形分25%の水系ポリウレタン樹脂分散体4を得た。得られた水系ポリウレタン樹脂分散体4を水系ポリウレタン樹脂分散体1の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリカーボネートポリオール(旭化成株式会社製、商品名「デュラノール T―4672」、原料として1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む。繰り返し単位:1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=7/3(モル比)、水酸基価=56.1mgKOH/g、数平均分子量=2000)を70.00質量部、ジメチロールプロピオン酸を5.00質量部、メチルエチルケトン100質量部を加え十分攪拌溶解し、次いでジシクロヘキシルメタンジイソシアネート25.00質量部を加えNCO含量が2.00%になるまで75℃で反応させた。その後、このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.77質量部を加えてホモミキサーを用いて水400.00質量部を徐々に加えて乳化分散した後、ジエチレントリアミン1.30質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分行った。この樹脂溶液を加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去し、固形分25%の水系ポリウレタン樹脂分散体5を得た。得られた水系ポリウレタン樹脂分散体5を水系ポリウレタン樹脂分散体1の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、ポリカーボネートポリオール(旭化成株式会社製、商品名「デュラノール T―4671」、原料として1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む。繰り返し単位:1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=7/3(モル比)、水酸基価=112.2mgKOH/g、数平均分子量=1000)を55.00質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール4.50質量部、ジメチロールプロピオン酸を5.00質量部、メチルエチルケトン100質量部を加え十分攪拌溶解し、次いでジシクロヘキシルメタンジイソシアネート35.50質量部を加えNCO含量が1.00%になるまで75℃で反応させた。その後、このプレポリマー溶液を45℃まで冷却し、中和剤としてトリエチルアミン3.77質量部を加えてホモミキサーを用いて水400.00質量部を徐々に加えて乳化分散した後、ジエチレントリアミン0.65質量部を添加し、鎖伸長反応を30℃で30分行った。この樹脂溶液を加熱減圧下、メチルエチルケトンを留去し、固形分25%の水系ポリウレタン樹脂分散体6を得た。得られた水系ポリウレタン樹脂分散体6を水系ポリウレタン樹脂分散体1の代わりに用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
樹脂組成物として、水系ポリウレタン樹脂分散体(第一工業製薬製スーパーフレックス170、骨格:エーテル・エステル系、固形分33質量%)を100質量部、カルボジイミド系硬化剤(日清紡ケミカル製V−02−L2、固形分40質量%)を10質量部の割合で含有する樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
樹脂組成物として、水系ポリウレタン樹脂分散体(第一工業製薬製スーパーフレックス420、骨格:カーボネート系、固形分32質量%)を100質量部、カルボジイミド系硬化剤(日清紡ケミカル製V−02−L2、固形分40質量%)を5質量部の割合で含有する樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして加飾シートを得た。
(マルテンス硬さ)
マルテンス硬さは、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM−500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定した。具体的には、図2(a)に示すような対面角136°のダイヤモンド圧子(ビッカース圧子)を用いて、表面保護層にダイヤモンド圧子を押し込み、押し込み荷重Fと押し込み深さh(圧痕深さ)から、マルテンス硬さを求めた(マルテンス硬さ=F/(26.43×h2))。押し込み条件は、加飾シートの表面保護層に対して、室温(実験室環境温度)において、図2(b)に示すように、まず0mN〜0.1mNまでの負荷を10秒間で加え、次に0.1mNの負荷で5秒間保持し、最後に0.1mN〜0mNまでの除荷を10秒間で行った。
破断伸度は、引張試験により評価した。具体的には、加飾シートに対して引張速度50mm/分、チャック間間隔100mm、150℃の条件で、引張試験を行い、目視にて表面保護層にクラックが生じた時点での伸び率を測定した。
ゲル分率は、メチルエチルケトン(MEK)に対する溶解の程度から評価した。具体的には、加飾シートから表面保護層の一部を切り欠き、そのサンプル0.5gを23℃のMEKに4時間浸漬させた。その後、MEK中から取出した試験片を100℃で2時間乾燥させ、得られた残渣の質量を測定した。MEK浸漬前のサンプルの質量に対する、MEK浸漬後のサンプルの質量をゲル分率(%)とした。
耐傷付き性は、#0000スチールウールを用いて荷重500gfで10回往復後の試験片の外観を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:1日以内に傷が修復し、傷付きは確認できなかった。
○:4日以内に傷が修復し、傷付きは確認できなかった。
△:表面に軽微な傷が認められたが、実用上問題なし。
×:表面に著しい傷があった。
なお、スチールウールを用いた評価方法は、例えば、摩擦用白綿布を用いた評価方法よりも、過酷な条件での評価方法である。
三次元成形性は、加飾シートに真空成形を行い、評価した。具体的には、加飾シートを赤外線ヒーターで160℃に加熱し、軟化させた。次に、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率250%)、型の内部形状に合わせて成形した。冷却後、型から加飾シートを離型した。離型後の加飾シートの表面保護層の外観を評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:表面保護層に割れや白化が全く見られず、良好に型の形状に追従した。
×:型の形状に追従できずに表面保護層に割れや白化が見られた。
耐薬品性は、MEKを含ませた綿棒を用いて、表面保護層の表面を5往復ラビングし、その後の試験片の外観を評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:表面保護層の外観に明らかな変化はなかった。
△:表面保護層の一部に明らかな白化、膨潤または溶解が認められた。
×:表面保護層の全体に明らかな白化、膨潤または溶解が認められた。
2…絵柄層
3…プライマー層
4…表面保護層
10…加飾シート
Claims (6)
- 三次元成形に用いられる加飾シートであって、
基材シートおよび表面保護層を少なくとも有し、
前記表面保護層は、ポリウレタン樹脂および硬化剤を含有する樹脂組成物の硬化物であり、かつ、マルテンス硬さが40N/mm2以下である、加飾シート。 - 前記ポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂である、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記樹脂組成物の硬化物は、ウレア結合を有する、請求項1または請求項2に記載の加飾シート。
- 前記硬化剤は、カルボジイミド系硬化剤である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の加飾シート。
- 前記ポリウレタン樹脂は、ガラス転移温度が75℃以下である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の加飾シート。
- 樹脂成形品と、前記樹脂成形品の表面に位置する加飾シートとを有する加飾樹脂成形品であって、
前記加飾シートは、基材シートおよび表面保護層を少なくとも有し、
前記表面保護層は、ポリウレタン樹脂および硬化剤を含有する樹脂組成物の硬化物であり、かつ、マルテンス硬さが40N/mm2以下である、加飾樹脂成形品。
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