JP2020171420A - 医療機器用チューブおよび医療機器 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、内視鏡用チャンネルチューブに用いられる医療機器用チューブの場合、優れた操作性を実現する目的で可撓性および耐キンク性を向上することが求められている。さらに、鉗子等の処置具の繰り返しの挿脱による摩耗を防止する目的で耐摩耗性を向上することが求められている。
例えば、特許文献1に記載の処置具挿通チャンネルは、内面にテフロン(登録商標)製の内面コーティング層が形成されたウレタン樹脂からなるチューブ本体に、ステンレス線からなるネットが装着されている。ネットの装着部分にはウレタン樹脂からなる被覆層が形成されている。ネットは湾曲時に容易に伸縮するので曲げに対する抵抗が小さい。さらに、ネットは保形性を有する。
特許文献2に記載の内視鏡用チューブは、フッ素樹脂からなるチューブ本体と、チューブ本体の外周面に巻き付けて固定された補強テープと、補強テープの上からチューブ本体を覆うポリウレタン製の外皮と、によって構成される。補強テープは、ポリエステル樹脂の素線で形成された補強ネットを有することによって、軸方向および周方向の剛性に異方性が付与されている。
特許文献1に記載の技術は、チューブ本体の外側に硬質な金属製のネットが配置されている。内視鏡が湾曲した状態で処置具挿通チャンネルに鉗子等の処置具を挿脱する際、チューブ本体は、処置具と金属製のネットとによって強く圧迫された状態で、処置具によって擦られる。このため、チューブ本体が摩耗しやすいという問題がある。
特許文献2に記載の技術は、ポリエステル樹脂製の補強ネットが使用されているので、金属製のネットが用いられる場合に比べて保形効果が小さい。このため、内視鏡の湾曲時に、例えば、蛇管内部の凸状部材等に圧迫されて扁平に変形しやすい。内視鏡用チューブの内部が狭くなると、鉗子等の処置具が挿脱される際に処置具がチューブ本体と擦れる結果、チューブ本体が摩耗しやすいという問題がある。
さらに本発明は、本発明の医療機器用チューブを備えることによって耐久性を向上できる医療機器を提供することを目的とする。
上記医療機器用チューブにおいては、前記内層チューブの材質がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでもよい。
上記医療機器用チューブにおいては、前記外層の材質がフッ素ゴムを含んでもよい。
本発明の医療機器によれば、本発明の医療機器用チューブを備えることによって耐久性を向上できる。
以下では、本発明の実施形態の医療機器用チューブおよび医療機器について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の医療機器の構成例を示す模式的な斜視図である。
挿入部101は患者の体内に挿入される。挿入部101は管状である。挿入部101は可撓性を有する。挿入部101は、挿入方向の先端側から順に、先端部104、湾曲部103、および可撓管部102を有する。挿入部101の内部には、処置具を挿通するチャンネルチューブ10(医療機器用チューブ)が長手方向に設けられている。
さらに、先端部104の先端には、チャンネルチューブ10の内部と連通する開口部104aが形成されている。
湾曲部103は、例えば複数の節輪を含む。節輪は円環状である。節輪は隣の節輪に回動可能に連結されている。湾曲部103において、節輪の内部には、複数のアングルワイヤーが挿通されている。
さらに湾曲部103の内部には、例えば、電気配線、ライトガイド、チャンネルチューブ10などの部材が収容されている。電気配線は先端部104の撮像素子に接続されている。ライトガイドは照明窓の近くまで延ばされている。
チャンネルチューブ10は、図示略の処置具を挿通する処置具チャンネルを構成する長尺の管状部材である。チャンネルチューブ10の遠位端は、開口部104aと接続されている。チャンネルチューブ10の詳細構成は後述する。
電気配線、ライトガイド、チャンネルチューブ10は、後述する可撓管部102の内部に挿通され、後述する操作部105まで延びている。
可撓管部102は、例えば、図示略の蛇管および外皮を備える。蛇管は金属あるいは樹脂製の帯状部材が螺旋状に巻かれた部材である。外皮は、可撓管部102の最外部に配置されている。外皮は、蛇管の外周を覆うチューブである。外皮は、可撓性を有する樹脂材料で形成される。
可撓管部102の内部には、湾曲部103と同様、上述の電気配線、ライトガイド、チャンネルチューブ10などの部材が挿通されている。
操作部105の遠位端には、処置具挿入部106が設けられている。
処置具挿入部106は、処置具を挿入する挿入口106aが開口している。挿入口106aには、チャンネルチューブ10の近位端が接続されている。
図2は、本発明の第1の実施形態の医療機器用チューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
チャンネルチューブ10は、医療機器用の可撓性チューブである。本実施形態のチャンネルチューブ10は、内視鏡100において、例えば、処置具などを内部に挿通する処置具チャンネルとして用いられる。
ただし、チャンネルチューブ10が用いられる医療機器は内視鏡には限定されない。チャンネルチューブ10は、内部に硬質の部材が挿通される用途に特に好適である。例えば、チャンネルチューブ10は、送気送水チューブ、処置具用カテーテルなどに用いられてもよい。
貫通孔を形成する内周面1aの内側には、例えば、処置具、カテーテルなどの軸状または管状の挿通部材が挿通可能になっている。
内周面1aは繰り返し洗浄される。洗浄しやすさを考慮すると、内周面1aは平滑面であることがより好ましい。内周面1aが平滑面であると、内周面1a内に挿通される処置具などの摺動もより円滑になる。
内周面1aを平滑面とする目的で、少なくとも、内周面1aとして露出する部位が無孔質の材料で構成されてもよい。
図2に示す例では、内周面1aは平滑な円筒面である。
内層チューブ1の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下であってもよい。内層チューブ1の厚さは、0.3mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
外周面1bは溝1cとともに後述する外層部L1によって覆われるので、平滑面でなくてもよい。ただし、図2に示す例では、外周面1bは、内周面1aと同軸の平滑な円筒面である。
例えば、溝1cは、一条の螺旋溝であってもよいし、多条の螺旋溝であってもよい。例えば、溝1cは、旋回方向または旋回角が異なる複数の螺旋溝が交差する網目状に形成されてもよい。さらに、溝1cは不連続に形成されていてもよい。
溝1cの断面形状も特に限定されない。例えば、溝1cの断面形状は、半円状、半楕円状などのC字状またはU字状、三角形状(V字状)、矩形状、多角形状などであってもよい。
図2に示す例では、溝1cは、外周面1bに沿って旋回する一条の螺旋溝である。溝1cの断面形状は、中心角180°以下の円弧で形成されるC字状である。
溝1cの溝幅、深さ、旋回ピッチは、内層チューブ1に必要な可撓性を付与できれば特に限定されない。
例えば、溝1cの溝幅は、0.2mm以上2mm以下であってもよい。溝1cの溝幅は、0.3mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。
例えば、溝1cの深さは、0.05mm以上0.5mm以下であってもよい。溝1cの深さは、0.15mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。
例えば、溝1cの旋回ピッチは、1mm以上20mm以下であってもよい。溝1cの旋回ピッチは、2mm以上10mm以下であることがより好ましい。
内層チューブ1の材料は、使用される医療機器の必要に応じて、耐薬品性、生体適合性、洗浄消毒性、気密性、液密性などが良好となる樹脂が用いられることがより好ましい。
内層チューブ1の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチックが用いられてもよい。
内層チューブ1の材料としては、例えば、ポリサルフォン、ポリイミドポリエーテルニトリル等のスーパーエンジニアリングプラスチックが用いられてもよい。
内層チューブ1の材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が用いられてもよい。
内層チューブ1の材料としては、例えば、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。
上述した各材料は、内層チューブ1に単独で用いられてもよいし、複数が組み合わされた複合材料として用いられてもよい。内層チューブ1に複合材料が用いられる場合、複合材料は、複数の材料が分散配合された材料が用いられてもよい。内層チューブ1に複合材料が用いられる場合、複数の材料は、層状構造を有していてもよい。
さらに、フッ素樹脂は滑り性にも優れるので、処置具等の硬質部材に対する摩擦力が低減される。これにより、内周面1aにおける摩耗量が低減される点で、耐キンク性がさらに向上する。
フッ素樹脂の中でも、PTFEは、耐薬品性に特に優れるので、特に好ましい。
エラストマー層2は、内層チューブ1の溝1cを埋めるとともに外周面1b(外周)を覆っている。エラストマー層2の内面2aは、外周面1bおよび溝1cと密着している。
エラストマー層2の外周面2bは、中心軸線Oと同軸の円筒面状である。
エラストマー層2の材料としては、例えば、ウレタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。
エラストマー層2の材料としては、例えば、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等の加硫ゴムが用いられてもよい。
エラストマー層2の材料として、上述の材料または複合材料による多孔質体または発泡体が用いられてもよい。この場合、チャンネルチューブ10としての可撓性をさらに向上することができる。
例えば、エラストマー層2の材料として、長手方向において縦弾性係数が異なる材料が用いられてもよい。この場合、チャンネルチューブ10の可撓性を、長手方向において変化させることができる。
例えば、エラストマー層2の材料として、湾曲部103に挿通される部位に加硫ゴム、その他の部位に熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。この場合、湾曲の負荷がかかる湾曲部に103において、耐屈曲、および伸びの特性に優れる加硫ゴムが用いられるので、耐久性、および可撓性を向上できる。その他の部位には、硬度の高い熱可塑性エラストマーが用いられるので、内視鏡の挿入性を向上できる。
このような特に好ましい材料の具体例としては、例えば、過酸化物架橋されたフッ素ゴム、シリコーンゴムの粒子が分散したポリウレタンエラストマー等が挙げられる。
過酸化物架橋させたゴム、もしくは過酸化物架橋させたゴムを分散させた熱可塑性エラストマーは、軟質性に優れるとともに、後述する金属ブレード3と固着しにくい。この結果外層部L1の伸縮性が向上する。これにより、チャンネルチューブ10の可撓性がより向上する。
図2に示す金属ブレード3は、一例として、外周面1bに当接するように配置されている。しかし、金属ブレード3および外周面1bの間の少なくとも一部には、エラストマー層2のみからなる層状部が形成されていてもよい。
金属ブレード3は、金属素線(金属線)によって形成された網状体からなる。
金属素線の形状としては、特に限定されない。素線の形状としては、例えば、丸線、平角線、撚り線等が挙げられる。例えば、金属ブレード3の厚さ方向における金属素線の太さ(厚さ)は、0.03mm以上0.3mm以下であってもよい。金属素線の太さ(厚さ)は、0.05mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。
金属ブレード3に用いる金属素線は、単一種類の素線であってもよいし、材料および形状の少なくとも一方が異なる複数種類の素線が組み合わされてもよい。金属ブレード3において、複数種類の素線が用いられる場合、それらが互いに撚り合わされていてもよいし、配置位置が互いに異なっていてもよい。
図2に示す例では、金属ブレード3は、金属素線が2本おきに交差するように綾織りされた円筒状の網状体からなる。
金属ブレード3は、網状体からなるため、金属素線の間には、金属ブレード3の厚さ方向(チャンネルチューブ10における径方向)に連通する隙間を有する。
金属ブレード3は、エラストマー層2の内部に埋め込まれている。このため、エラストマー層2は、金属ブレード3の隙間に貫通している。エラストマー層2は、金属ブレード3によって排除される部位を除いて、外周面2bから、外周面1bおよび溝1cまで連続する層状部を形成している。
このような構成によって、金属ブレード3は、エラストマー層2の内部で、エラストマー層2と一体化している。
金属素線の材料としては、靭性に優れ、かつオートクレーブ滅菌で腐食しにくい金属であることがより好ましい。靱性および耐腐食性に特に優れる金属の例としては、例えば、ステンレスが挙げられる。
まず、溝1cを有する内層チューブ1が準備される。
溝1cは、内層チューブ1の成形時に形成されてもよいし、内層チューブ1となる円筒チューブが製造された後、除去加工によって形成されてもよい。
この後、内層チューブ1の外周面1bの周りに、金属ブレード3が積層される。この後、金属ブレード3を覆うようにエラストマー層2が形成される。
エラストマー層2を形成するには、例えば、押出成形が用いられてもよい。エラストマー層2は、金属ブレード3の網状の隙間を通して、内層チューブ1の外周面1b、および溝1c表面に密着する。
これにより、金属ブレード3がエラストマー層2の内部に埋設されるので、外層部L1が形成される。
このようにしてチャンネルチューブ10が製造される。
図3は、本発明の第1の実施形態の医療機器用チューブの作用を説明する模式図である。
このようにして、内層チューブ1は全体として弓型に湾曲する。
さらに、溝1cにエラストマー層2のエラストマー樹脂が埋まっていることによって、溝1cの溝幅方向に完全につぶれることが防止される。このため、溝1cのつぶれをきっかけとして座屈が誘起されることがないので、鋭角状にV字変形することが防止される。
この場合、内層チューブの厚さを薄くして可撓性を確保することも考えられる。しかし、内層チューブの厚さを薄くすると内層チューブの内周面の摩耗に対する余裕が少なくなるので、内層チューブの耐久性が低下してしまう。
しかし、溝が曲げ方向に直交する方向に延びていると、曲げ時に折れ曲がりやすい局所的な低剛性部が形成されることはない。この場合、本実施形態と同様の可撓性を得るには、内層チューブの曲げ剛性を長手方向に沿って一様に低下させる必要があるので、周方向に多数の溝を形成したり、溝1cに比べて深い溝を形成したりする必要がある。この結果、内層チューブが全体として低剛性となり、部分的な薄肉部がより多くなるので、耐久性が低下するおそれがある。
外層部L1のエラストマー層2は、内層チューブ1の外周面1bおよび溝1cと密着しているので、例えば、内層チューブ1が変形するような外力を受けると、外力は、内層チューブ1から外層部L1にも伝わる。外層部L1は、内層チューブ1と同様に変形する。
エラストマー層2は、内層チューブ1よりも軟質のエラストマー樹脂からなるので、内層チューブ1とともに容易に変形する。
金属ブレード3は、網状体からなるので、外層部L1の変形に伴って網目の形状が変化することで可撓性を有する。さらに、金属ブレード3は、網目の形状が変化することで、内層チューブ1の中心軸線Oに沿う方向への伸縮性を有する。
金属ブレード3は、内層チューブ1の材質に比べて硬質な金属素線で形成されているので、外力に対して筒状の形状を保持しようとする保形性を有する。これにより、金属ブレード3は、エラストマー層2を介して一体化された内層チューブ1の変形を抑制する補強部材として機能する。
例えば、内層チューブ1を径方向に押しつぶすような外力が作用する場合、あるいはチャンネルチューブ10が湾曲される場合に、内層チューブ1の内周面1aの潰れに抵抗する部材になっている。
このように、チャンネルチューブ10は外層部L1によって可撓性を損なうことなく補強されている。
図4は、比較例の医療機器用チューブの作用を説明する模式図である。
金属ブレード203は、金属ブレード3と同様、金属素線で形成された網状体からなる。ただし、金属ブレード203の一部の金属素線は、エラストマー層2とともに溝1cの内側に入り込んでいる。図4に示す例では、金属ブレード203における1本の金属素線が溝1cの溝底近くに入り込んでいる。
この場合、チャンネルチューブ210の溝1cの内部には、硬質の金属素線と、軟質のエラストマー層2との両方が埋まっている。エラストマー層2は、金属素線の体積だけ排除されているので、溝1cの変形可能量は、チャンネルチューブ10における溝1cの変形可能量よりも低下する。これにより、チャンネルチューブ210の可撓性は、チャンネルチューブ10よりも低下する。
さらに、溝1cの溝底と溝1cに埋まった金属素線との間に入り込むエラストマー層2も少なくなるので、金属素線と内層チューブ1との間におけるエラストマー層2のクッション性も低下する。
図3に示すように、チャンネルチューブ10では、金属ブレード3と処置具Tとは、内層チューブ1およびエラストマー層2を間に挟んで、内層チューブ1の厚さt1以上離間している。
特に、内層チューブ1の湾曲の頂部の裏側では、処置具Tに最も近い金属素線3aは、溝1cを埋めたエラストマー層2を間に挟んで、処置具Tと対向している。
このため、処置具Tから受ける外力によって内層チューブ1が金属素線3aに押圧される際、溝1c内のエラストマー層2が変形することによって金属素線3aに伝達される応力が低減される。例えば、溝1cが二点鎖線のように金属ブレード3に向かって変形すると、エラストマー層2がつぶれることによって金属素線3aに伝達される外力および処置具Tへの反作用が低減される。このように、溝1c内の軟質のエラストマー層2は、緩衝材(クッション)として機能する。
この結果、処置具Tと内周面1aとの摺動摩擦が低減されるため、内周面1aの摩耗の進行が抑制される。
さらに、内周面1aの摩耗が進んでも、厚さt1だけ摩耗するまでは金属素線3aが露出しないので、処置具Tとの摺動特性が維持される。
内層チューブ1はエラストマー層2に比べて硬質でありクッション性が低い。このため、処置具Tから受ける外力は、エラストマー層2が介在する場合に比べると金属素線3bに伝達されやすくなっている。このため、金属素線3bからの反作用が大きくなるので、チャンネルチューブ10に比べると、処置具Tの摺動摩擦は大きくなり、内周面1aの摩耗が促進される。
さらに、内周面1aの摩耗に対する余裕は厚さt2しかないので、チャンネルチューブ10に比べて短時間で金属素線3bが露出する。この結果、処置具Tとの摺動特性がより早く悪化する。
次に、本発明の第2の実施形態の医療機器用チューブについて説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の医療機器用チューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図5に示すように、チャンネルチューブ20は、上記第1の実施形態の医療機器用チューブ10の内層チューブ1、外層部L1に代えて、内層チューブ11、外層部L11(外層)を備える。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
内層チューブ11の材料は、第1の実施形態における内層チューブ1に好適な材料から選択することができる。
エラストマー層12Aの外周面12bは、中心軸線Oと同軸の円筒面状である。
エラストマー層12Aの材料は、第1の実施形態におけるエラストマー層2に好適な材料から選択することができる。エラストマー層12Aの材料は、第1の実施形態におけるエラストマー層2の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ただし、エラストマー層12Aは、後述するエラストマー層12Bよりも軟質の材料が用いられることがより好ましい。
図5に示す例では、補強層L11Bは、緩衝層L11Aの外周面12b上に密着して積層されており、かつチャンネルチューブ20の最外層を形成している。
エラストマー層12Bの材料は、第1の実施形態におけるエラストマー層2に好適な材料から選択することができる。エラストマー層12Bの材料は、エラストマー層12Aと異なる材料であれば、第1の実施形態におけるエラストマー層2の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ただし、エラストマー層12Bは、エラストマー層12Aよりも軟質の材料が用いられることがより好ましい。
このような構成によって、金属ブレード3は、エラストマー層12Bの内部で、エラストマー層12Bと一体化している。
図5に示す金属ブレード3は、一例として、エラストマー層12Aの外周面12bに当接するように配置されている。しかし、金属ブレード3および外周面12bの間の少なくとも一部には、エラストマー層12Bのみからなる層状部が形成されていてもよい。
本実施形態における金属ブレード3は、補強層L11Bの内部のみに配置されているので、外層部L11の内部において、溝11c以外の場所にのみ配置されている。
この後、外周面12bに金属ブレード3を配置した状態で、押出成形によってエラストマー層12Bが形成される。
このようにして、チャンネルチューブ20が製造される。
しかし、溝11cの溝形状がV字状であっても、溝幅、深さ、旋回ピッチなどを適宜調整することによって、内層チューブ1と同等の可撓性を有する内層チューブ11が形成できる。しかも内層チューブ11の材料よりも軟質なエラストマー層12Aによって、溝11cが埋められており、緩衝層L11Aよりも外側に、金属ブレード3を有する補強層L11Bが積層されている。
このため、本実施形態のチャンネルチューブ20によれば、第1の実施形態と同様にして、可撓性と耐キンク性を維持しつつ、内周部の摩耗を低減することができる。
チャンネルチューブ20によれば、緩衝層L11Aを備えるので、外部から補強層L11Bに作用する外力が、金属ブレード3によって分散された後、エラストマー層12Aのクッション性によってさらに分散されるとともに応力が緩和される。このため、外部からチャンネルチューブ20に作用する押圧力も内層チューブ11に伝達されにくくなる。このため、チャンネルチューブ20の外側から押圧力が加わった状態で、処置具の摺動が行われる場合にも、内周面1aに摺動する処置具等の硬質部材による局所的な摩耗を低減することができる。
本発明の第2の実施形態の変形例(第1変形例)の医療機器用チューブについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の変形例(第1変形例)の医療機器用チューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図6に示すように、チャンネルチューブ30は、上記第2の実施形態の医療機器用チューブ20の内層チューブ11に代えて、内層チューブ21を備える。
以下、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
2つの螺旋溝の旋回角は互いに異なっていてもよいが、図6に示す例では旋回角は互いに等しい。各螺旋溝の交差位置は、径方向に互いに対向する中心軸線Oに平行な直線上である。ただし、各螺旋溝の交差位置は、これには限定されない。
このため、本変形例のチャンネルチューブ30によれば、第2の実施形態と同様にして、可撓性と耐キンク性を維持しつつ、内周部の摩耗を低減することができる。
このような構成によれば、金属ブレード3と外周面1bとの間に、エラストマー層2のみの緩衝層が形成されるので、第2の実施形態と同様、金属ブレード3と外周面1bとの間のエラストマー層2のクッション性によって、第2の実施形態と同様の作用を備える。
実施例1は、上記第1の実施形態のチャンネルチューブ10(図1参照)の実施例である。
実施例1における内層チューブ1は、内径が3.2mm、肉厚が0.4mmの円筒チューブの外周面1bに、一条の螺旋溝からなる溝1cが形成されて構成された。
溝1cの断面形状は、半径が0.2mmの半円とされた。溝1cの旋回ピッチは、0.8mmとされた。
内層チューブ1の材料としては、ポリテトラフルオロエチレンが用いられた。
外層部L1の外周面1bからの厚さは、0.3mmとされた。外層部L1の材料としては、フッ素ゴムが用いられた。
金属ブレード3は、直径0.1mmのピアノ線が綾織りされて形成された。金属ブレード3の編み方の条件は、持ち数1、打ち数16、30PPIとされた。
内層チューブ1が準備された後、内層チューブ1にはプラズマ照射による表面処理が施された。この後、内層チューブ1の外周部に、金属ブレード3が配置された状態で、押出成形によって、層厚が0.3mmとなるようにフッ素ゴムによって被覆された。金属ブレード3は、溝1cに入り込むことなく外周面1bの外側に配置された。
実施例2は、上記第2の実施形態のチャンネルチューブ20(図2参照)の実施例である。
実施例2における内層チューブ11は、実施例1と同様の円筒チューブの外周面1bに溝11cが形成されて構成された。
溝11cの断面形状は、開口幅0.4mm、深さ0.2mmの二等辺三角形とされた。溝11cの旋回ピッチは、実施例1と同様、0.8mmとされた。
緩衝層L11Aの外周面11bの外径は、4.2mmとされた。緩衝層L11Aの材料としては、シリコーンゴムが用いられた。
補強層L11Bは、外周面11bに積層された以外は、実施例1の外層部L1と同様に構成された。
実施例3は、上記第1変形例のチャンネルチューブ30(図3参照)の実施例である。
実施例3のチャンネルチューブ30は、内層チューブ11に代えて、溝21cを有する内層チューブ21が用いられた以外は、実施例2と同様に構成された。
溝21cの断面形状は、開口幅0.2mm、深さ0.2mmの二等辺三角形とされた。溝21cは、旋回ピッチが0.8mmで、互いに反対回りの2つの螺旋溝から形成された。
実施例3のチャンネルチューブ30は、内層チューブ11に代えて内層チューブ21が用いられた以外は、実施例2と同様にして製造された。
比較例1は、実施例1において、溝1cが削除された例である。以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
図7は、比較例1の医療機器用チューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図7に示すように、比較例1のチャンネルチューブ40は、実施例1の内層チューブ1に代えて、内層チューブ31を備える。
内層チューブ31は、内径が3.2mm、肉厚が0.4mmの円筒チューブとされた、内層チューブ31の外周面31bは平滑な円筒面とされた。このため、本実施例における外層部L31(外層)は、外周面31bから厚さ0.3mmのフッ素ゴムからなるエラストマー層2と、外周面31bに配置された実施例1と同様の金属ブレード3とによって構成された。
比較例1のチャンネルチューブ40は、内層チューブ1に代えて内層チューブ31が用いられた以外は、実施例1と同様にして製造された。
図7に示すように、比較例2のチャンネルチューブ50は、比較例1のチャンネルチューブ40の内層チューブ31に代えて、内層チューブ41を備える。
内層チューブ41は、肉厚が0.2mmとされた以外は、比較例1の内層チューブ31と同様に構成された。
比較例2のチャンネルチューブ50は、内層チューブ31に代えて内層チューブ41が用いられた以外は、比較例1と同様にして製造された。
実施例1〜3、比較例1、2のチャンネルチューブの被検サンプルを用いて、耐摩耗性、可撓性、およびチャンネルチューブ外径の評価が行われた。
評価結果を、下記[表1]に示す。
鉗子等の処置具の挿脱による内層チューブの表面の摩耗量が小さいほど、チャンネルチューブは良好であると言える。そこで、湾曲した状態のチャンネルチューブの被検サンプルに、鉗子を繰り返し挿脱する試験が行われた後、摩耗部位の摩耗量が評価された。
図8は、耐摩耗性評価の試験方法を示す模式図である。
このような状態で、被検サンプルSの端部から、生検鉗子62が挿入された。生検鉗子62は、被検サンプルSの湾曲部の範囲を30mm/secの速さで往復するように挿脱動作が行われた。生検鉗子62としては、FB−25K(商品名;オリンパス(株)製)が用いられた。
生検鉗子62の1往復を1回として、各被検サンプルSを10000回ずつ挿脱した。この後、被検サンプルSは、輪切りにされ、顕微鏡を用いて生検鉗子62による摩耗部位の摩耗量が測定された。
可撓性は、被検サンプルSを三点曲げで屈曲させるのに必要な押し込み力量で評価された。
図9は、可撓性評価の試験方法を示す模式図である。
[表1]に示すように、実施例1〜3の評価結果は、耐摩耗性および可撓性がいずれも「○」または「◎」であったので、総合評価は、「良い」([表1]では、「○」(good))とした。
耐摩耗性に関しては、特に実施例2が優れていた。実施例2は、金属ブレード3の内側に配置された緩衝層L11Aがクッション層の役目を果たしたので、実施例1よりも耐摩耗性が向上したと考えられる。
可撓性に関しては、内層チューブ21の溝21cが2つの螺旋溝が交差する構造(以下、二重螺旋溝と称する)とされた実施例3が特に優れていた。実施例3は、二重螺旋溝を形成したことで、溝の本数および体積が増えた結果、湾曲しやすくなり、実施例1〜2よりも可撓性が向上したと考えられる。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1a 内周面
1b、11b 外周面
1c、11c、21c 溝
2、12A、12B エラストマー層
3 金属ブレード(ブレード)
3a 金属素線(金属線)
10、20、30 チャンネルチューブ(医療機器用チューブ)
100 内視鏡(医療機器)
106 処置具挿入部
L1、L11、L31 外層部(外層)
L11A 緩衝層(外層における最も内側の層)
L11B 補強層(外層における最も内側の層以外の層)
O 中心軸線
T 処置具
Claims (6)
- 外周面に軸方向とは非平行な溝を有し、エラストマーまたは可撓性を有する樹脂からなる内層チューブと、
前記内層チューブの前記溝を埋めるとともに外周を覆っており、前記内層チューブの基材よりも軟質なエラストマー樹脂からなる外層と、
前記外層の中で前記溝以外の場所にのみ配されており、金属線によって形成されたブレードと、
を備える、医療機器用チューブ。 - 前記外層は、少なくとも2層に区分され、
最も内側の層は前記内層チューブの前記溝を埋める層であり、
前記ブレードは、前記最も内側の層以外の層の中にのみ配されている、
請求項1記載の医療機器用チューブ。 - 前記内層チューブの材質がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、
請求項1記載の医療機器用チューブ。 - 前記外層の材質がフッ素ゴムを含む、
請求項1記載の医療機器用チューブ。 - 請求項1記載の医療機器用チューブを備える、医療機器。
- 前記医療機器は、内視鏡である、
請求項5記載の医療機器。
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