1.第1実施形態
まず、記録システム1の構成について説明する。図1は記録システム1の構成を示す外観図である。図1に示すように、記録システム1は、液体吐出装置100と、媒体処理装置200と、を備える。記録システム1は、液体吐出装置100及び媒体処理装置200の各機構の駆動を統括的に制御する制御部2(図2)を備える。液体吐出装置100は、例えば、媒体の一例としての用紙Sに対して液体を付着させることで文字や図形、写真等の画像の記録を行うインクジェットプリンターである。液体は、例えばインク等である。媒体処理装置200は、液体吐出装置100に隣接して配置される。媒体処理装置200は、液体吐出装置100によって画像の記録が行われた用紙Sをステープル(針)で綴じるステープラー処理等の後処理を行う処理部201(図2、図12)を備える後処理装置である。
図1に示すように、液体吐出装置100は、筐体101を有する。筐体101の上部には、液体吐出装置100の各種の操作を行うための操作部102が取り付けられる。
また、操作部102の+Z方向には、筐体101の一部を開閉可能なカバー104が設けられる。カバー104は、カバー104の−Y方向端辺部を基端として回動可能に設けられる。そして、基端とは反対側となる先端側が液体吐出装置100から離間する開位置と、筐体101の一部を構成する閉位置との2つの位置間で回動自在に構成される。
また、カバー104の+Z方向には、用紙Sを収容する媒体収容部としての用紙カセット103が設けられる。本実施形態において、カバー104の+Z方向に沿って4つの用紙カセット103が並んで配置される。各用紙カセット103には液体吐出装置100によって記録を行う用紙Sが積層状態で収容される。また、各用紙カセット103には、ユーザーが把持可能な把持部103aが設けられる。用紙カセット103は、把持部103aを−X方向およびX方向に移動させることにより、筐体101に対して着脱可能に構成される。なお、各用紙カセット103に収容される用紙Sは、それぞれ異なる種類のものでもよいし、同じ種類のものであってもよい。
次に、液体吐出装置100の構成について説明する。図2は、液体吐出装置100の構成を示す模式図である。図2に示すように、液体吐出装置100は、筐体101と、筐体101内で液体を吐出する液体吐出ヘッド13と、液体吐出ヘッド13のメンテナンスを行うメンテナンス部31と、液体吐出ヘッド13を変位させる変位機構14と、複数の用紙Sを収容する用紙カセット103と、用紙カセット103から搬送された用紙Sを支持する媒体支持部18と、備える。また、搬送経路R(図2における一点鎖線)に沿って用紙Sを搬送する搬送部17を備える。搬送部17は、図示しない駆動モーターの駆動により回転する複数の搬送ローラーと、各搬送ローラーに設けられる従動ローラーと、用紙Sをガイドするガイド等で構成される。駆動モーターの駆動によって、搬送ローラーと従動ローラーと間に挟まれた用紙Sは、搬送ローラーの回転により搬送経路Rに沿って搬送される。搬送部17により、用紙カセット103から排出された用紙Sは搬送経路Rに沿って媒体処理装置200に搬送される。なお、搬送経路Rの詳細な構成については後述する。制御部2は、メンテナンス部31を+Y方向または−Y方向に移動させる移動機構34と、液体吐出ヘッド13、変位機構14、メンテナンス部31及び搬送部17の駆動モーター等を制御する。
筐体101の内側には、液体吐出ヘッド13に供給する液体を収容する1または複数の液体収容部19が装着される装着部20が設けられる。本実施形態では4つの液体収容部19が設けられている。液体収容部19は、装着部20に対して着脱可能なカートリッジであってもよいし、液体を注入可能なタンクであってもよい。装着部20は、液体吐出ヘッド13のノズル面13bよりも高い位置に配置される。すなわち、装着部20は、液体吐出ヘッド13のノズル面13bよりも−Z方向に配置される。液体収容部19が装着される装着部20がノズル面13bよりも上方に位置するため、液体吐出ヘッド13に対して容易に加圧供給することができる。
液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド13に液体を供給する液体供給路21と、液体供給路21に設けられる圧力調整機構24と、を備える。液体供給路21には、圧力調整機構24に流入する液体を濾過するフィルター25と、圧力調整機構24から流出する液体を濾過するフィルター27と、が配置される。
液体吐出装置100は、液体収容部19及び液体吐出ヘッド13に連通するとともに、液体収容部19から流動される液体を一時的に貯留可能な貯留部71を備える。貯留部71は、液体吐出ヘッド13のノズル23が形成されたノズル面13bよりも高い位置に配置され、かつ、装着部20よりも低い位置に配置される。これにより、貯留部71とノズル23との水頭差により、液体吐出ヘッド13に対して加圧供給ができる。すなわち、液体吐出ヘッド13への液体の供給は、例えば液体収容部19内の液体を加圧する加圧機構等の駆動力によらず、水頭差によって行うことができる。
変位機構14は、液体吐出ヘッド13を保持する保持部材15を備え、回動軸16を中心に保持部材15を回動させることによって、液体吐出ヘッド13を図2に実線で示す第1姿勢と、図2に二点鎖線で示す第2姿勢とに変位させる。変位機構14は、第2姿勢になった状態の液体吐出ヘッド13を+Z方向に移動させる機構を備えてもよい。液体吐出ヘッド13は、用紙Sに向けて液体を噴射する複数のノズル23と、ノズル23が形成されたノズル面13bとを有する。液体吐出ヘッド13が複数の異なる種類の液体を吐出する場合、少なくとも、ノズル23、液体供給路21及び圧力調整機構24は液体の種類毎に設けられる。
第1姿勢は、例えば、液体吐出ヘッド13のノズル面13bが水平に対して傾く姿勢であり、第2姿勢は、ノズル面13bの水平に対する傾きが第1姿勢よりも小さくなる姿勢である。本実施形態において、液体吐出ヘッド13が第2姿勢のときにノズル面13bは水平になるが、必ずしも水平でなくてもよく、第1姿勢のときよりもノズル面13bが水平に近くなればよい。すなわち、「ノズル面13bの水平に対する傾きが第1姿勢よりも小さくなる」とは、ノズル面13bの水平に対する傾きがゼロになって、ノズル面13bが水平になることを含む。
液体吐出ヘッド13は、第1姿勢になったときに、ノズル面13bに対して対向して配置された媒体支持部18に支持された用紙Sに液体を液滴として吐出することで、記録を行う。本実施形態において、媒体支持部18上において用紙Sが進む方向を搬送方向Fとし、第1姿勢になった液体吐出ヘッド13が液体を吐出する方向を噴射方向Jとする。また、搬送方向F及び噴射方向Jの双方と異なる方向を幅方向Wとする。本実施形態の液体吐出ヘッド13は、幅方向Wの印刷範囲が用紙Sの幅以上になるように配置された多数のノズル23を有するラインヘッドを構成する。
次に、メンテナンス部31の構成について例示する。
メンテナンス部31は、液体吐出ヘッド13に対する相対移動に伴ってノズル面13bのノズル23から排出される液体を受容するキャップ33と、キャップ33内を吸引する吸引機構36と、を備える。吸引機構36は、吸引流路35によりキャップ33と廃液収容部37に接続される。
なお、メンテナンス部31は、貯留部71よりも下方に配置される。これにより、液体吐出ヘッド13に対して加圧供給ができ、容易に液体吐出ヘッド13のメンテナンスを行うことができる。
メンテナンス部31は、液体吐出ヘッド13が第2姿勢のときに、キャッピング及びクリーニングを含むメンテナンス動作を行う。キャッピングは、キャップ33が液体吐出ヘッド13の下方にあるときに実行される。キャッピングを実行する際には、液体吐出ヘッド13が下降移動して、ノズル面13bとの間に閉空間を形成する。キャッピングを行うときのメンテナンス部31の位置をキャッピング位置という。キャッピングは、電源オフ時を含め、液体吐出ヘッド13が液体の吐出動作を休止するときに、ノズル23の乾燥を抑制するために行う。
クリーニングの一種である吸引クリーニングの実行にあたっては、まず、変位機構14により液体吐出ヘッド13が下降移動してキャッピングを行う。そして、キャップ33がノズル面13bとの間に閉空間を形成した状態で吸引機構36が駆動すると、液体吐出ヘッド13内などにある気泡等の異物が液体とともにノズル23から排出される。
クリーニングは、キャップ33が液体吐出ヘッド13の下方にあるときに行われる。クリーニングは、印刷処理の開始前または印刷処理の実行後などに行なわれる。
また、液体吐出ヘッド13は、メンテナンス動作として、例えば、軽微な噴射不良が生じたときに、液体を噴射して吐き捨てるフラッシングを行う。液体吐出ヘッド13が第2姿勢のときには、移動機構34がメンテナンス部31を受容位置に移動させてフラッシングを行い、フラッシングにより吐き捨てられた液体をキャップ33で受容するとよい。この場合、液体吐出ヘッド13は下降移動させず、キャップ33から離れた位置に配置しておく方がよい。また、キャップ33で受容した液体は、吸引機構36の駆動により、廃液収容部37に収容される。
なお、媒体支持部18に、用紙Sを支持するリブ18aと、リブ18aの周囲に設けられた凹状の受容部18bとを設け、媒体支持部18上に用紙Sがないときに受容部18bに向けてフラッシングを行うようにしてもよい。この場合、液体吐出ヘッド13は、第1姿勢でフラッシングを行うことになる。
媒体支持部18に受容部18bを設けておくと、例えば複数の用紙Sに連続して印刷処理を行う場合に、搬送される用紙Sと用紙Sとの間に、液体吐出ヘッド13が第1姿勢のままでフラッシングを行うことができる。そのため、液体吐出ヘッド13が印刷処理の途中に第2姿勢に変位してキャップ33に向けてフラッシングを行うより、メンテナンス動作の時間を短縮できる。なお、受容部18bで受容した液体を、図示しない廃液チューブ等を通じて廃液収容部37に収容してもよい。
次に、液体吐出装置100の搬送経路R等のレイアウトについて説明する。
筐体101上部の−Y方向端部には、液体吐出ヘッド13によって記録が行われた用紙Sを媒体処理装置200の搬入口226に向けて受け渡す受渡し部80が設けられる。受渡し部80は、筐体101に設けられた開口部を有する。当該開口部を介して、記録が行われた用紙Sが媒体処理装置200の搬入口226に受け渡される。受渡し部80は、装着部20よりも上方に配置される。また、筐体101の−Y方向端部において、受渡し部80の上方に、排出部85が設けられる。排出部85は、筐体101に設けられた開口部を有する。当該開口部を介して、記録が行われた用紙Sが媒体処理装置200の搬入口226Aに受け渡される。
そして、搬送経路Rのうち、液体吐出ヘッド13に対応する位置から受渡し部80までの部分に第1搬送経路R1が形成される。第1搬送経路R1は、装着部20の上方を通過して受渡し部80に接続される。なお、液体吐出ヘッド13に対応する位置とは、液体吐出ヘッド13が第1姿勢において、ノズル面13bと対向する搬送経路Rの位置を指す。さらに詳細には、第1搬送経路R1は、装着部20の+Y方向の側方を回り、さらに装着部20よりも−Z方向の位置を通過する。すなわち、第1搬送経路R1は、装着部20の鉛直に沿った方向を通過しない。言い換えれば、装着部20の下方であって装着部20と鉛直に重なる領域を、第1搬送経路R1は通過しない。従って、例えば、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
また、第1搬送経路R1の途中から分岐した分岐経路R5が排出部85に接続される。詳細には、装着部20の上方における第1搬送経路R1の途中に分岐点Ptが設けられる。第1搬送経路R1は、分岐点Ptが設けられる高さと略同じ高さを維持して受渡し部80に接続される。すなわち、分岐点Ptが設けられる高さと受渡し部80の高さとがほぼ同じである。また、分岐点Ptから上方に向けて分岐経路R5が形成される。分岐経路R5は、第1搬送経路R1に対して上方を通過する。分岐点Ptには図示しないフラッパガイドが設けられ、第1搬送経路R1または分岐経路R5への用紙Sの搬送方向が選択される。分岐経路R5は、第1搬送経路R1同様に、装着部20の鉛直に沿った方向を通過しないため、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
また、第1搬送経路R1と分岐経路R5とは、液体吐出ヘッド13に対応する位置から互いに分岐する分岐点Ptまで共通して構成される。これにより、搬送経路Rの省スペース化が図れる。
ここで、受渡し部80と、第1搬送経路R1のうち受渡し部80に接続される接続部R1aと、排出部85と、分岐経路R5と、が一体で構成されるユニット搬送路90を構成してもよい。ユニット搬送路90の受渡し部80に接続される接続部R1a及び分岐経路R5は、装着部20の上方部分であり、分岐点Ptを含む部分である。そして、ユニット搬送路90は、接続部R1aを除く第1搬送経路R1の部分R1bに対して着脱可能に構成される。これにより、ユニット搬送路90により第1搬送経路R1の一部と分岐経路R5とを一体化させることで、液体吐出装置100における搬送経路Rの構成を簡易化することができる。
なお、ユニット搬送路90を筐体101から取り外した場合、液体吐出ヘッド13によって記録が行われた用紙Sは、第1搬送経路R1の部分R1bの下流側から外部に向けて排出される。排出された用紙Sは、筐体101の装着部20の上方を覆う部分で積載される。このような構成にすることで、1つの液体吐出装置100のみで、液体吐出装置100単体としての使用、または、記録システム1としての使用を切り替えることができるようになる。
また、筐体101の側面視における筐体101の幅方向である図2における+Y及び−Y方向において、受渡し部80は、媒体処理装置200と対向する筐体101の第1面101a側、すなわち、筐体101の幅方向である+Y及び−Y方向における中心よりも一方側としての−Y方向側に配置され、液体吐出ヘッド13は、第1面101aと対向する第2面101bに近い位置、すなわち、筐体101の幅方向である+Y及び−Y方向における中心よりも他方側としての+Y方向側で用紙Sに対して記録を行う。すなわち、液体吐出ヘッド13が第1姿勢で用紙Sに記録する位置と受渡し部80の位置とが互いに反対方向となる。これにより、記録が行われた用紙Sが受渡し部80まで搬送される距離が長くなり、用紙Sに塗布された液体の乾燥時間をより長く設けることができる。従って、用紙Sの未乾燥による用紙Sのカールや用紙S上の液体による転写等の不具合を抑制することができる。
図2に示すように、−X方向から筐体101を見た側面視において、液体吐出ヘッド13よりも下方の第1面101a側に配置された用紙カセット103と、搬送経路Rのうち、液体吐出ヘッド13よりも下方に配置された用紙カセット103から液体吐出ヘッド13に対応する位置までの給紙搬送経路R4と、給紙搬送経路R4に接続される第1搬送経路R1と、筐体101の第1面101aによって囲まれた領域に、鉛直に沿って装着部20、貯留部71、メンテナンス部31が配置される。なお、液体吐出ヘッド13に対応する位置とは、液体吐出ヘッド13が第1姿勢において、ノズル面13bと対向する搬送経路Rの位置を指す。これにより、筐体101内のレイアウトが効率化され、省スペース化を図ることができる。さらに、上記領域におけるメンテナンス部31の下方であって、メンテナンス部31の少なくとも一部と鉛直に重なる位置には、廃液収容部37が配置される。これにより、さらにスペースの効率化を図ることができる。
また、給紙搬送経路R4は、用紙カセット103から第2面101bに向けて上方に形成される。すなわち、給紙搬送経路R4は、装着部20の鉛直に沿った方向を通過しない。言い換えれば、装着部20の下方であって装着部20と鉛直に重なる領域を、給紙搬送経路R4は通過しない。従って、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録前の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の搬送経路Rには、反転経路R6が設けられる。反転経路R6は、用紙Sの両面に画像を記録する両面印刷を行う場合に、液体吐出ヘッド13によって用紙Sの片面が記録済みとされた当該用紙Sを反転させ、再び液体吐出ヘッド13に向けて搬送する経路である。
液体吐出ヘッド13よりも第1搬送経路R1の下流側には、反転経路R6と分岐する分岐点が設けられる。両面印刷に際して、一面が印刷された用紙Sは、搬送部17の駆動モーターの正転駆動により、一旦第1搬送経路R1の下流側に搬送される。その後、搬送部17の駆動モーターを逆転駆動させ、用紙Sを反転経路R6に搬送させる。そして、反転経路R6から再び液体吐出ヘッド13に対応する第1搬送経路R1に向けて用紙Sを反転させた状態で搬送する。そして、反転して搬送された用紙Sは、画像等が印刷されていない反対の面が液体吐出ヘッド13のノズル面13bと対向するように搬送される。これにより、液体吐出ヘッド13から用紙Sに液体を吐出することにより、両面印刷が可能となる。
なお、反転経路R6は、媒体支持部18に対して第2面101b側を迂回するように形成される。すなわち、反転経路R6は、装着部20から離れる方向に形成される。従って、反転経路R6は、装着部20の鉛直に沿った方向、すなわち、装着部20の下方であって装着部20と鉛直に重なる領域を通過しないので、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
また、廃液収容部37は、カバー104(図1)を開けた状態で脱着可能である。カバー104は、筐体101において受渡し部80が形成される面と交差する面に設けられる。すなわち、図2において、受渡し部80は筐体101の−Y方向の面である第1面101aに設けられ、カバー104は、筐体101の第1面101aと交差する−X方向の面に設けられる。廃液収容部37は、筐体101内においてガイド上に保持されており、廃液収容部37を−X方向に引き出すことで筐体101内部から外部に取り外すことができる。従って、カバー104を開けることにより容易に廃液収容部37にアクセス可能となり、ユーザーの利便性が向上する。さらに、本実施形態では、カバー104を筐体101の−X方向の面に設けることで、液体吐出装置100に媒体処理装置200を並列させた状態でも廃液収容部37を容易に交換することが可能となる。
装着部20、または、貯留部71、または、メンテナンス部31の下方には、液体を受容可能な液体受容部72が設けられる。本実施形態では、貯留部71の下方に液体受容部72が設けられる。液体受容部72は、板状を成し、略水平に配置される。これにより、貯留部71から垂れた液体を確実に受容することができる。また、液体受容部72と廃液収容部37とが廃液流路39によって接続される。廃液流路39は、液体受容部72で受容した液体を廃液収容部37に流動する。これにより、装着部20、または、貯留部71から液体が漏れた場合に、漏れた液体を確実に廃液収容部37に流動させることができる。なお、液体受容部72は、装着部20、貯留部71及びメンテナンス部31のそれぞれの下方に配置してもよい。また、液体受容部72の配置位置を適宜設定してもよい。
また、液体受容部72で受容した液体を検知する検知部73が配置される。本実施形態の検知部73は、液体受容部72上に設けられる。検知部73は、制御部2に電気的に接続される。検知部73は、一対の電極端子を有し、当該一対の電極端子が液体受容部72上に配置される。そして、一対の電極端子の間に液体が付着した場合、付着した液体の液体量に応じて、電極端子間の電気抵抗が変化する。当該電気抵抗の変化に基づき、液体受容部72で受容した液体の検知が可能となる。なお、検知部73で検知した情報は操作部102によって報知する。これにより、装着部20、または貯留部71、またはメンテナンス部31からの液体の漏れや垂れを早期に検知することができる。なお、検知部73は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
以上、液体吐出装置100にかかる搬送経路Rによれば、用紙Sが搬送され得る全経路、すなわち、第1搬送経路R1、分岐経路R5、給紙搬送経路R4及び反転経路R6は、装着部20が設けられる領域の鉛直に沿った方向に重なる領域を通過しない位置に設けられる。言い換えれば、用紙Sが搬送され得る全経路が、装着部20の下方であって装着部20と鉛直に重なる領域を通過しない。これにより、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が用紙Sに付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態にかかる上記全経路は、貯留部71が設けられる領域の鉛直に沿った方向に重なる領域を通過しない位置に設けられる。これにより、例えば、貯留部71が大気開放型の構成の場合において、貯留部71の大気開放部から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が用紙Sに付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。
さらには、本実施形態にかかる上記全経路は、液体受容部72が設けられる領域の鉛直に沿った方向に重なる領域を通過しない位置に設けられる。これにより、液体受容部72で受容した液体が液体受容部72から垂れた場合であっても、垂れた液体が用紙Sに付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、液体吐出ヘッド13が第1姿勢になったときに記録が行われる。すなわち、液体吐出ヘッド13のノズル面13bが水平に対して傾く姿勢で記録が行われる。従って、用紙カセット103から液体吐出ヘッド13に向けて給紙する給紙搬送経路R4は、水平に対して斜め上方に形成される。ここで、例えば、液体吐出ヘッド13のノズル面13bが水平の姿勢で記録が行われる構成である場合、用紙カセット103から液体吐出ヘッド13に向けて給紙する給紙搬送経路は、ノズル面13bと同様に水平となるように引き回す必要が生じる。このような構成では、給紙搬送経路の経路長が比較的長くなってしまうとともに、給紙搬送経路が装着部20の下方領域を通過せざるを得ないレイアウトとなってしまい、装着部20から液体が垂れた場合に、垂れた液体が用紙Sに付着するおそれが生じる。一方、本実施形態によれば、給紙搬送経路R4は、用紙カセット103から上方の液体吐出ヘッド13に向けて直線的に形成される。従って、液体吐出ヘッド13のノズル面13bが水平の姿勢で記録が行われる構成である場合に比べて、用紙カセット103から液体吐出ヘッド13に給紙する給紙搬送経路R4の経路長をより短くすることが可能となり、スループットを向上させることができる。さらに、給紙搬送経路R4は装着部20の下方領域を通過しないため、装着部20から液体が垂れた場合に、垂れた液体が用紙Sに付着するおそれが低減される。
また、本実施形態では、用紙カセット103と、給紙搬送経路R4と、給紙搬送経路R4に接続される第1搬送経路R1と、筐体101の第1面101aによって囲まれた領域に、鉛直に沿って装着部20、貯留部71、メンテナンス部31が配置される。ここで、例えば、装着部20とメンテナンス部31とが鉛直に沿った方向と交差する方向に互いに配置された構成である場合、筐体101が横幅方向に大きくなり、液体吐出装置100の設置面積が比較的大きくなってしまう。一方、本実施形態によれば、鉛直に沿って各部が配置され、縦長構成となるので、設置面積をより小さくすることができる。
次に、圧力調整機構24の構成について例示する。図3は、圧力調整機構24の構成を示す断面図であり、図4は、圧力調整機構24の構成を示す分解斜視図であり、図5は、圧力調整機構24を別の方向から見た分解斜視図である。また、図6は、圧力調整機構24が第1姿勢になったときの断面図であり、図7は、圧力調整機構24が第2姿勢になったときの断面図である。図8は、圧力調整機構24が備える変位部材55と可撓部材53の斜視図であり、図9は、変位部材55の変更例を示す断面図である。また、図10は圧力調整機構24の第1変更例を示す断面図であり、図11は、圧力調整機構24の第2変更例を示す断面図である。
図3に示すように、液体供給路21において、圧力調整機構24に液体を流入させる部分を流入路21aといい、圧力調整機構24から液体を流出させる部分を流出路21bという。圧力調整機構24は、液体吐出ヘッド13に供給される液体を一時貯留する液室41を備える。圧力調整機構24は、流入路21aが形成された第1流路形成部材51と、液室41及び流出路21bが形成された第2流路形成部材52と、を重ねて構成される。
液室41は、第2流路形成部材52の一面側(図3では左面側)に凹設された凹部を構成する円形の内底部41aと円筒状の内周面41bとを壁面として有する。液室41において、内底部41a側を底側、凹部が開口する側を天側とする。
第1流路形成部材51は、内底部41a及び内周面41bの中心軸Caと中心軸が重なるとともにその中心軸に沿って流入路21aが貫通する円筒状の突出流路51aを有する。第2流路形成部材52は、第1流路形成部材51と重なったときに突出流路51aを収容する円筒状の収容凹部52aと、収容凹部52aの内底部から液室41内に突出する円筒状の円筒突部52bと、を有する。円筒突部52bの外周面には、中心軸Caに沿って延びる複数の溝52cを設けることが好ましい。
突出流路51aが収容凹部52aに収容される態様で第1流路形成部材51と第2流路形成部材52が重なると、突出流路51aの先端面と円筒突部52bの内部空間とにより、供給室42が囲み形成される。そして、円筒突部52bの液室41内に突出した先端部分には、液室41と供給室42を連通させる連通孔43が形成される。
連通孔43の液室41と連通する開口は、流入路21aから供給室42に流入した液体が液室41に流入する流入口43aである。また、液室41の内底部41aには、流出路21bに向けて液体が流出する流出口44が形成される。液室41が図2に示す第2姿勢のとき、中心軸Caは実質的に水平になる。このとき、流出口44は中心軸Caよりも鉛直上方に配置され、流入口43aは中心軸Ca上に配置される。
圧力調整機構24は、液室41の天側の壁面を構成する可撓部材53と、可撓部材53の外縁を液室41の外側から押さえて第2流路形成部材52に固定する固定部材54と、液室41の外側に配置されて可撓部材53に重なる変位部材55と、液室41の内側に配置される受圧部材56と、を備える。
可撓部材53は、エラストマー(例えば、ブチルゴムなどのゴム)等の弾性体で構成することができる。第1流路形成部材51、第2流路形成部材52及び固定部材54は、第2流路形成部材52と固定部材54の間に可撓部材53の外縁を挟んだ状態で、例えば、ねじ等の固定具57により、相互に固定される。このとき、第1流路形成部材51と第2流路形成部材52の間には、Oリング58などの弾性体を挟むと、液体の漏出を抑制することができる。
可撓部材53は、内底部41aと内周面41bからなる凹部の開口を塞ぐ態様で配置される。このとき、可撓部材53の外面側は大気に開放されている。可撓部材53の外縁から中心に向けて延びる部分は、内周面41bに沿って液室41内に入り込んだ後、折り返されて液室41の外側に向かうように湾曲する湾曲部53aを形成する。可撓部材53の中心部分は液室41の開口と同心円状をなす受圧壁53cを形成する。可撓部材53において湾曲部53aと受圧壁53cの間は、内周面41bの内側に位置する円筒部53bを形成する。受圧壁53cは、湾曲部53a及び円筒部53bよりも肉厚にすることが好ましい。円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53aは、液室41の壁面の一部を構成する可撓部として機能する。
変位部材55は、可撓部材53の円筒部53bの外周側に重なる円筒状の側壁55bと、側壁55bの一端側(天側の端)を塞ぐ円盤部55cとを有する。固定部材54には、変位部材55の円盤部55cが挿通可能な円筒状の貫通孔54aが形成される。固定部材54は、可撓部材53の湾曲部53aの外縁を押さえる態様で、貫通孔54aを液室41の底側に向けて延設する突入部54bを形成するとよい。
受圧部材56は、可撓部材53の円筒部53bの内周側に重なる円筒状の小径円筒部56bと、小径円筒部56bの先端に位置して受圧壁53cと重なる受圧部56cと、小径円筒部56bより大径の大径円筒部56aと、を有する。受圧部材56には、大径円筒部56a等に、液体を流通させるための流通孔56d(図3及び図4を併せて参照)を形成するとよい。
受圧部材56は、小径円筒部56b及び受圧部56cがそれぞれ可撓部材53の円筒部53b及び受圧壁53cと重なったときに、小径円筒部56bと大径円筒部56aの間に形成される段差部分に湾曲部53aが重なる。なお、受圧部56cと受圧壁53cが接する部分には、凹凸形状を形成して、両者が凹凸形状で係合するようにすることが好ましい。
可撓部材53は、液室41の内圧が高くなると、液室41の内容積を大きくする方向(図3では左方向)に円筒部53b及び受圧壁53cが移動し、その移動に伴って湾曲部53aが撓み変位する。また、可撓部材53は、液室41の内圧が低くなると、液室41の内容積を小さくする方向(図3では右方向)に円筒部53b及び受圧壁53cが移動し、その移動に伴って湾曲部53aが撓み変位する。
変位部材55及び受圧部材56は、可撓部材53の変位に追従して、円筒部53b及び受圧壁53cと同じ方向に変位する。液室41の圧力変動に伴って可撓部材53が撓み変位するとき、受圧部材56は、大径円筒部56aが液室41の内周面41bに沿って移動する。すなわち、受圧部材56は、可撓部材53の可撓部の変位に伴って、液室41の内周面41b(可撓部とは別の液室41の壁面)に沿って移動する。
また、液室41の外側に配置された変位部材55は、可撓部材53が有する可撓部(円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53a)の変位に伴って移動する。このとき、固定部材54に設けられた貫通孔54aは、変位部材55の移動を案内する案内部として機能する。そこで、変位部材55は、固定部材54の貫通孔54aに摺接するときに生じる摩擦力が小さくなるように、可撓部材53よりも、貫通孔54aに対する摩擦係数が小さいことが好ましい。例えば、可撓部材53がブチルゴムなどの弾性体からなる場合、変位部材55は樹脂(特に、可撓部材53よりも表面が滑らかなもの、または、可撓部材53よりも弾性変形しにくいものが好ましい)により構成する。
そうすると、可撓部材53が撓み変位するときに、可撓部材53が貫通孔54aに摺接する代わりに変位部材55が貫通孔54aに摺接することにより、液室41の圧力変動に応じて可撓部材53がスムーズに変位する。なお、可撓部材53が貫通孔54aに摺接するときの摩擦力が小さいなどの理由で、貫通孔54aとの間に生じる摩擦力が変位の妨げにならない場合には、変位部材55を設けなくてもよい。
圧力調整機構24は、流入口43aを開閉可能な弁体61と、基端側が供給室42に収容されるとともに先端側が液室41に収容される突出部材62と、供給室42内に収容される第1付勢部材63と、第1付勢部材63の基端を保持する保持具64と、液室41内で受圧部材56を付勢する第2付勢部材65と、を備える。突出部材62は、供給室42内に位置する基端部62aが連通孔43より大径に形成されている。弁体61は、例えば基端部62aに取り付けられた弾性体からなる。
保持具64は、供給室42内において突出流路51aの先端面と接する位置に配置され、第1付勢部材63は基端側が保持具64に係止されるとともに先端側が基端部62aに係止される。第1付勢部材63は、例えば、基端側から先端側に向けて直径が小さくなる円錐状のコイルばねであるが、円筒状のコイルばねであってもよい。
第2付勢部材65は、例えば円筒状のコイルばねであり、円筒突部52bの外周側に重なるように配置される。第2付勢部材65は、基端側が内底部41aに係止されるとともに、先端側が受圧部56cに係止される。
弁体61は、突出部材62が受ける第1付勢部材63の付勢力により、連通孔43を塞ぐ。第1付勢部材63であるコイルばねが縮むと、弁体61は連通孔43から離れる。弁体61が連通孔43を塞いでいるときの弁体61及び突出部材62の位置(図3に示す位置)を閉塞位置といい、弁体61が連通孔43から離れているときの弁体61及び突出部材62の位置(図6及び図7に示す位置)を開放位置という。つまり、第1付勢部材63は、流入口43aを閉塞する方向に弁体61を付勢している。
次に、圧力調整機構24の動作について説明する。
加圧された液体が流入路21aから供給室42に流入すると、供給室42の圧力(内圧)が上昇する。弁体61は、供給室42の圧力が上昇しても開放位置に移動しない。そのため、加圧された液体が流入路21aから供給室42に供給されても、弁体61が閉塞位置にあれば、液室41には液体が流入しない。
液体の噴射等により液体吐出ヘッド13内の液体が消費されると、液室41内の液体が流出口44から液体吐出ヘッド13に向けて流出する。液体の流出により液室41の圧力(内圧)が下がっていくと、可撓部材53が液室41の内側に向けて変位していく。そして、可撓部材53とともに変位する受圧部材56が第2付勢部材65の付勢力に抗して突出部材62を底側に押すことにより、弁体61が開放位置に移動する。その結果、供給室42の加圧された液体が流入口43aを通じて液室41に流入する。
また、液体の流入に伴って液室41の圧力が上昇すると、可撓部材53が液室41の外側に向けて変位していく。その結果、弁体61が開放位置から閉塞位置に移動して、供給室42から液室41への液体の供給が停止される。このように、液室41は、壁面の一部として、液室41の内圧と外圧(大気圧)との差圧に応じて変位可能な可撓部(円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53a)を有し、弁体61は、可撓部の変位に伴って流入口43aを開閉する。
ここで、第2付勢部材65は、受圧部56cが突出部材62に近づいたときに、受圧部56cを、突出部材62から離れる方向に押し返す。そのため、液室41の圧力が低下して、受圧部56cが第1付勢部材63及び第2付勢部材65の付勢力に抗して突出部材62を押した場合に、弁体61は開放位置に移動する。また、液体の流入により液室41内の圧力が正圧まで上昇する前に、第2付勢部材65の付勢力によって受圧部56cが突出部材62から離れる。そのため、液室41内の圧力は、第2付勢部材65の付勢力に応じた負圧の範囲に保持される。
このように、弁体61の開放位置への移動は、可撓部材53の変位に起因して生じる。そのため、弁体61は、大気圧と液室41との差圧によって、モーター等の駆動力を用いることなく、自律的に閉塞位置と開放位置の間で移動する。そのため、圧力調整機構24は差圧弁(あるいは自己封止弁)ともいい、差圧弁による自律的な圧力調整機能を自己封止機能ともいう。
ところで、流入口43aを通じて液室41に液体が流入するときに、気泡が混入し、液室41の上部に気体が溜まっていくことがある。こうした気体が気泡となって液体とともに流出口44から流出すると、ノズル23に気泡が混入することによって、ノズル23から適切に液滴が噴射されない噴射不良を生じることがある。
そのため、液体吐出装置100はメンテナンス部31を備え、メンテナンス動作として、ノズル23から液体を吸引して、液体吐出ヘッド13内及び液室41内の気体を液体とともに排出させる吸引クリーニングを行う。
ここで、液室41内に入った気体は、液室41の上部に溜まるので、流出口44が液室41の上部にあると、クリーニングのときに気体が流出しやすい。
その点、図6及び図7に示すように、印刷時の第1姿勢(図6に示す姿勢)での液室41内における流出口44の位置は、メンテナンス時の第2姿勢(図7に示す姿勢)での液室41内における流出口44の位置よりも低くなる。すなわち、第1姿勢のときの流出口44の液室41の下端(底)からの高さをP1、第2姿勢のときの流出口44の液室41の下端(底)からの高さをP2とすると、P1<P2となる。
また、流出口44は、第1姿勢では流入口43aより低い位置にあり、第2姿勢では流入口43aより高い位置にある。すなわち、第1姿勢のときの流入口43aの液室41の下端(底)からの高さをH1、第2姿勢のときの流入口43aの液室41の下端(底)からの高さをH2とすると、P1<H1、P2>H2となる。
次に、本実施形態の液体吐出装置100の作用について説明する。
液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド13及び液室41を、用紙Sに向けて液体を吐出するときの第1姿勢と、液体吐出ヘッド13のメンテナンスを行うときの第2姿勢とに変位させる変位機構14を備える。そして、液体吐出ヘッド13が用紙Sに向けて液体を吐出する印刷時には、液体吐出ヘッド13及び液室41が第1姿勢になる。そのため、ノズル23から液体が噴射されると、流入口43aより低い位置にある流出口44から液体が流出する。このように、液体の噴射時に、流出口44は液室41において低い位置にあるので、液室41の上部に気体が溜まっていたとしても、ノズル23の方に気泡が流出しにくい。
また、液体吐出ヘッド13及び液室41が第2姿勢になってメンテナンス部31が吸引クリーニングを行うときには、吸引機構36の駆動に伴って、キャップ33がノズル面13bとの間に形成する閉空間に負圧が生じ、その負圧が流出路21bを通じて液室41に及ぶ。すると、液室41の圧力が低下して弁体61が開放位置に移動し、流入路21aを通じて加圧された液体が液室41に流入する。そのため、液室41内において流入口43aから流出口44に向けて液体が流動し、その流れにのって、液室41内に溜まった気体も流出口44から流出する。そして、吸引クリーニング時には、流出口44は液室41において高い位置にあるので、液室41の上部に溜まった気体が排出されやすい。
ここで、吸引に伴って液室41内が負圧になると、液体に混じった気泡が膨張するので、液室41から排出されやすくなる。すなわち、吸引クリーニングでの気泡の排出特性は、吸引に伴って生じる負圧の大きさと関連があるが、例えば液体吐出装置100の設置場所の標高が異なると、吸引力に対して発生する負圧が変化して、気泡の排出特性が悪くなることがある。このような場合にも、クリーニング時に液室41の上部に流出口44が配置されれば、液室41の上部に溜まった気体が効率よく排出される。
特に、液体吐出ヘッド13の上流にある液室41に溜まった気体を排出するには、液体吐出ヘッド13内のみを対象とするクリーニングよりも多くの液体を排出する必要があるので、気体の排出性を向上させることにより、クリーニングにより消費される液体の量を少なくすることができる。
なお、気泡をより膨張させて排出性を向上させるために、流入路21aにチョーク弁として機能する開閉弁を設け、この開閉弁を閉じた状態で吸引を行い、液室41内の負圧が高まったところで開閉弁を開くチョーククリーニングを行ってもよい。小さな気泡が流路に引っかかっているような場合でも、チョーククリーニングを行えば、強い負圧により大きく膨張した気泡を、チョーク弁の開弁に伴う圧力変動のショックで流路から外し、大きな差圧によって勢いよく流れる液体で一気に押し流すことができる。
その他、クリーニングの際に、液室41の外側から受圧部材56を押す押圧機構を設けて、弁体61を強制的に開放位置に移動させることにより、ノズル23から液体を流出させてもよい。この構成によれば、吸引のための装置を備えることなく、クリーニング(加圧クリーニング)を行うことができる。また、押圧機構が受圧部材56を押す量を調整して、ノズル23から液体が排出されない程度に液室41から液体を流出させることにより、加圧ワイピングのための加圧を行うようにしてもよい。この場合には、圧力調整機構24を加圧クリーニングや加圧ワイピングなどを行うための加圧機構の一部として利用することができる。さらに、押圧機構の加圧力によって、液体吐出ヘッド13への液体の加圧供給を行うようにすることもできる。この場合、液室41は加圧ポンプのポンプ室として機能する。
ところで、可撓部材53を平面状に張った状態(図10に示す)で撓み変位させる場合には、張力の反力により圧力変動への反応がばらつくことがある。その点、可撓部材53に湾曲部53aを形成して変位させると、反力の影響を受けにくくなるので、圧力変動への反応性がよくなる。ただし、可撓部材53に湾曲部53aを形成する場合、円筒部53bなどにしわができることがある。
例えば、図9に示すように、円盤状の可撓部材53を変形させて湾曲部53aを形成しようとすると、円筒部53bに不規則なしわができ、その部分に生じる反力により、受圧壁53cで受けた圧力変動の湾曲部53aへの伝わり方が変動してしまうおそれがある。
そのため、図9に示す変更例のように、変位部材55の側壁55bの内周面を、断面正多角形状(図9では正十六角形)になるように形成して、変位部材55を可撓部材53にかぶせたときに、円筒部53bに規則的なしわができるようにしてもよい。このようにすれば、円筒部53bのしわの形状を安定させて、可撓部材53の圧力変動に対する反応を安定させることができる。
圧力調整機構24は、図10に示す第1変更例の差圧弁に変更することもできる。この変更例の圧力調整機構24は、可撓部材53がフィルムからなるとともに受圧部材56が板状をなし、第1実施形態に記載の大径円筒部56aを備えないので、圧力調整機構24の中心軸Caに沿う長さを短くして、装置を薄型化することができる。
ただし、受圧部材56が大径円筒部56aを備えない場合、液室41の圧力変動に伴って受圧部材56が変位するときに、受圧部材56が傾いて、圧力変動に対する反応性がばらつくことがある。特に、可撓部材53が湾曲部53aを有さず、平面状に張った状態で撓み変位する場合、図10に二点鎖線で示すように可撓部材53が液室41の外側に拡がるように張っている時には受圧部材56が傾きにくいが、図10に実線で示すように可撓部材53の張りがなくなった時には、図10に二点鎖線で示すように受圧部材56が傾くおそれがある。
そして、受圧部材56が傾くと、突出部材62を押すタイミングがばらつくので、弁体61の開閉圧力がばらつくことにつながる。したがって、圧力調整機構24の薄型化よりも液室41の圧力変動への反応性を優先させたい場合などには、液室41の内周面41bに沿う円筒状の大径円筒部56aを有する受圧部材56を採用するとよい。
その他、図11に示す第2変更例の圧力調整機構24のように、第2流路形成部材52の内周面41bに、液室41内に突出する1または複数の突部52dを設けるとともに、受圧部材56の大径円筒部56aに、突部52dが係合する係合部56eを設けてもよい。この構成によれば、突部52dに係合部56eが係合することによって、円筒状の受圧部材56の不要な回転を抑制することができる。係合部56eは孔であってもよいし、凹部であってもよい。また、受圧部材56の大径円筒部56aに流通孔56dを複数設ける場合、複数の流通孔56dのうちの一部を突部52dが係合する係合部56eとして利用してもよい。この構成によれば、液室41内における液体の流通路を確保しつつ、受圧部材56の回転を抑制することができる。
本実施形態の圧力調整機構24によれば、以下のような効果を得ることができる。
・用紙Sに向けて液体を噴射するときには、液室41が第1姿勢になって流出口44が低い位置に配置されるので、液室41内に溜まった気体が流出しにくい。そのため、用紙Sに向けて液体を噴射するときに、ノズル23に気泡が混入することに起因する噴射不良が生じにくい。一方、メンテナンスを行うときには、液室41が第2姿勢になって流出口44が高い位置に配置されるので、液室41内に溜まった気体が流出しやすくなる。そのため、メンテナンスを行うときには液体を噴射するときよりも気体が排出されやすくなる。
・用紙Sに向けて液体を噴射する第1姿勢では、液室41の流出口44が流入口43aより低い位置にあるので、液室41内に溜まった気体が流出しにくく、液体を噴射する時に流入口から液室内に流入してきた気体も流出しにくい。一方、メンテナンスを行うときには、液室41の流出口44が流入口43aより高い位置にあるので、液室41内に溜まった気体が流出しやすく、メンテナンスにより流入口43aから液室41内に流入してきた気体も流出しやすい。そのため、メンテナンスを行うときには液体を噴射するときよりも気体が排出されやすくなる。
・変位機構14は、ノズル面13bの水平に対する傾きが変化するように液体吐出ヘッド13を変位させるので、液体吐出ヘッド13と一緒に液室41を最大90度まで傾けて、液室41内における流出口44等の高さを変化させることができる。
・メンテナンスとして、ノズル23を通じて液体吐出ヘッド13及び液室41内の液体を吸引することにより、液体とともに気泡等の異物を排出させる吸引クリーニングを実行することができる。
・液室41の内圧と外圧との差圧に応じて可撓部(円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53a)が変位することによって弁体61が流入口43aを開閉するので、液体吐出ヘッド13に液体を供給する液室41の圧力を適切に調整することができる。
・受圧部材56が液室41内で内周面41bに沿って移動することにより、圧力変動に伴う可撓部(円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53a)の変位を安定させることができる。
・可撓部(円筒部53b、受圧壁53c及び湾曲部53a)が変位するときに、可撓部よりも摩擦係数が小さい変位部材55が案内部である貫通孔54aに接触するので、圧力変動に伴う可撓部の変位を安定させることができる。
なお、第1姿勢での液室41における流出口44の位置が、第2姿勢での液室41における流出口44の位置よりも低い場合に、第1姿勢での流出口44の位置が流入口43aより高くてもよいし、第2姿勢での流出口44の位置が流入口43aより低くてもよいし、両姿勢での流出口44と流入口43aの高さが同じでもよい。
また、液体を加圧可能な加圧機構を設け、加圧機構の動作により、加圧された液体が液体供給路21を通じて液体吐出ヘッド13に供給される構成であってもよい。加圧機構は、液体収容部19内の液体を加圧してもよいし、液体収容部19から吸引した液体を下流に向けて加圧供給するようにしてもよい。
次に、媒体処理装置200の構成について説明する。図12は、媒体処理装置200の構成を示す模式図である。
媒体処理装置200は、液体吐出装置100から搬送される画像が記録された用紙Sを処理する装置である。媒体処理装置200は、液体吐出装置100の筐体101の幅方向である+Y方向及び−Y方向における−Y方向側、すなわち、第1面101a側であり、一方側に並列される。媒体処理装置200は、ハウジング227を有し、液体吐出装置100の受渡し部80に対応する位置に搬入口226を有する。また、排出部85に対応する位置には搬入口226Aが配置される。
また、媒体処理装置200は、排出部85から受け渡された用紙Sを処理せずに積載する第1積載部としての第2トレイ271と、受渡し部80から受け渡された用紙Sに処理を行う処理部201と、処理部201により処理された用紙Sを積載する第2積載部としての第1トレイ249と、を備える。これにより、液体吐出装置100の搬送部17の構成を簡易化させることができる。
媒体処理装置200は、搬入口226Aと第2トレイ271との間に用紙Sを搬送経路に沿って搬送可能な搬送部を備える。搬送部は、図示しない駆動モーターの駆動により回転する複数の搬送ローラーと、各搬送ローラーに設けられる従動ローラーと、用紙Sをガイドするガイド等で構成される。搬入口226Aから導入された用紙Sは搬送経路に沿って搬送され、第2トレイ271に積載される。
また、媒体処理装置200は、搬入口226からの用紙Sが導入される用紙搬入経路228と、用紙搬入経路228の下流に分岐形成される第1排紙パス231及び第2排紙パス232と、経路切換手段234と、用紙Sを搬送可能な搬送部と、を備える。搬送部は、図示しない駆動モーターの駆動により回転する複数の搬送ローラーと、各搬送ローラーに設けられる従動ローラーと、用紙Sをガイドするガイド等で構成される。
第1排紙パス231と第2排紙パス232とは、いったん第1排紙パス231に導入された用紙Sの搬送方向を反転して、第2排紙パス232にスイッチバック搬送することが可能に連通して配置される。経路切換手段234は、用紙Sの搬送方向を変更するフラッパガイドで構成され、図示しない駆動手段によって、用紙Sを第1排紙パス231に導入するモードと、第1排紙パス231に導入された用紙Sを第2排紙パス232に導入するスイッチバック搬送モードとに切り換えられる。そして、用紙搬入経路228には、搬入された用紙Sにパンチ穴を穿孔するパンチユニットが配置されている。
そして、媒体処理装置200は、第1排紙パス231から送られてくる用紙Sを部揃え積載して綴じ処理する処理部201を備える。ハウジング227の外には、処理部201で処理されて送られる用紙S又は用紙Sの束を積載していく第1トレイ249が配置される。
処理部201は、排紙口235から送られた用紙Sを部揃え積載する処理トレイ237と、積載された用紙Sの束を綴じ処理するステープラユニット238とで構成される。処理トレイ237は、第1排紙パス231の排紙口235の下方に設けられて、排紙口235から搬出される用紙Sの搬送方向をスイッチバックさせて、用紙Sは処理トレイ237上に導入される。そして、用紙Sは位置決め機構によって処理トレイ237上の所定の綴位置に位置決めされてステープラユニット238によって綴じ処理されて、綴じ処理した用紙Sの束は用紙束搬出機構によって第1トレイ249に搬出される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
液体吐出装置100及び記録システム1において、第1搬送経路R1及び分岐経路R5が、装着部20の上方を通過する。これにより、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。また、装着部20がノズル面13bよりも高い位置に配置されるため、液体吐出ヘッド13に対して容易に加圧供給することができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。図13は、本実施形態にかかる記録システム1Aの構成を示す模式図である。図13に示すように、記録システム1Aは、液体吐出装置100Aと媒体処理装置200とを備える。
なお、本実施形態では、液体吐出装置100Aの第1搬送経路R1及び分岐経路R5の態様が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様なので、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、第1実施形態の構成と同様な部分の説明は省略する。
液体吐出装置100Aの搬送経路Rは、液体吐出ヘッド13に対応する位置から受渡し部80までの部分の第1搬送経路R1と、第1搬送経路R1の途中から分岐し、第1搬送経路R1の上方を通過して排出部85に接続される分岐経路R5と、を有する。
図13に示すように、装着部20の上方における第1搬送経路R1の途中に分岐点Ptが設けられる。第1搬送経路R1は、分岐点Ptが設けられる高さよりも低い位置を通って受渡し部80に接続される。すなわち、分岐点Ptが設けられる高さよりも受渡し部80の位置の方が低い。また、分岐経路R5は、分岐点Ptが設けられる高さと略同じ高さを維持して排出部85に接続される。すなわち、分岐点Ptが設けられる高さと排出部85の高さとがほぼ同じである。このようにして分岐経路R5は、第1搬送経路R1に対して上方を通過する。
また、第1搬送経路R1と分岐経路R5とは、液体吐出ヘッド13に対応する位置から互いに分岐する分岐点Ptまで共通して構成される。これにより、搬送経路Rの省スペース化が図れる。
また、受渡し部80と、第1搬送経路R1のうち受渡し部80に接続される接続部R1aと、排出部85と、分岐経路R5と、が一体で構成されるユニット搬送路90Aを構成してもよい。ユニット搬送路90Aの受渡し部80に接続される接続部R1a及び分岐経路R5は、装着部20の上方部分であり、分岐点Ptを含む部分である。そして、ユニット搬送路90Aは、接続部R1aを除く第1搬送経路R1の部分R1bに対して着脱可能に構成される。これにより、ユニット搬送路90Aにより第1搬送経路R1の一部と分岐経路R5とを一体化させることで、液体吐出装置100Aにおける搬送経路Rの構成を簡易化することができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
液体吐出装置100A及び記録システム1Aにおいて、第1搬送経路R1及び分岐経路R5は、装着部20の鉛直に沿った方向を通過しないため、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。図14は、本実施形態にかかる記録システム1Bの構成を示す模式図である。図14に示すように、記録システム1Bは、液体吐出装置100Bと媒体処理装置200とを備える。
なお、本実施形態では、液体吐出装置100Bの第1搬送経路R1及び分岐経路R5等の態様が異なる以外は、第1実施形態の構成と同様なので、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、第1実施形態の構成と同様な部分の説明は省略する。
液体吐出装置100Bの搬送経路Rは、液体吐出ヘッド13に対応する位置から受渡し部80までの部分の第1搬送経路R1と、第1搬送経路R1の途中から分岐し、第1搬送経路R1の上方を通過して排出部85に接続される分岐経路R5と、さらに、分岐経路R5の途中から分岐し、第1搬送経路R1に合流する合流経路R7と、を有する。
詳細には、装着部20の上方における第1搬送経路R1の途中に第1分岐点Pt1が設けられる。そして、第1分岐点Pt1から第1搬送経路R1に対して上方を通過する分岐経路R5が形成される。さらに、分岐経路R5の第1分岐点Pt1の搬送方向下流側であって、分岐経路R5の途中に第2分岐点Pt2が設けられる。そして、第2分岐点Pt2から下方の第1搬送経路R1に合流する合流経路R7が設けられる。第2分岐点Pt2には図示しないフラッパガイドが設けられ、分岐経路R5または合流経路R7への用紙Sの搬送方向が選択される。
ここで、第1分岐点Pt1から第2分岐点Pt2における分岐経路R5、第2分岐点Pt2から第1搬送経路R1に合流する合流経路R7までの経路は、記録後の用紙Sを待機させるバッファー経路として機能する。すなわち、媒体処理装置200の処理部201で用紙Sに対して後処理を行う場合、処理部201では一定の枚数の用紙Sに対して後処理を行っている一定期間、液体吐出装置100Bから媒体処理装置200への用紙Sの供給を待機させる待機時間が発生する。この際、記録された用紙Sを分岐経路R5及び合流経路R7に待機させ、媒体処理装置200での受け入れが可能となったら分岐経路R5及び合流経路R7に待機させた用紙Sを第1搬送経路R1から媒体処理装置200へ搬送させる。このようにすれば、液体吐出ヘッド13による用紙Sへの印刷処理を止めることなく、スループットを向上させることができる。
また、第1分岐点Pt1から第2分岐点Pt2における分岐経路R5、第2分岐点Pt2から第1搬送経路R1に合流する合流経路R7までの経路は、記録後の用紙Sに塗布された液体を乾燥させるための待機経路としても機能する。例えば、比較的多くの液体が塗布された用紙Sや両面印刷が施された用紙Sを媒体処理装置200に搬送した場合、用紙Sの反りやカールにより、搬送途中でジャムが発生しやすくなったり、第1トレイ249または第2トレイ271に積載された用紙Sを整列させることができなくなったりする。このため、媒体処理装置200に搬送する前に、分岐経路R5及び合流経路R7に待機させることで用紙Sに塗布された液体を乾燥させ、用紙Sの反りやカールが治まった状態で媒体処理装置200に搬送することにより、媒体処理装置200内での搬送ジャムの低減や、トレイ上での用紙Sの整列をすることができる。
なお、第1搬送経路R1、分岐経路R5及び合流経路R7は、装着部20の鉛直に沿った方向を通過しないため、装着部20から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の用紙Sに付着するおそれが低減される。これにより、画像品質の低下を抑制することができる。
また、受渡し部80と、第1搬送経路R1のうち受渡し部80に接続される接続部R1aと、排出部85と、分岐経路R5と、合流経路R7と、が一体で構成されるユニット搬送路90Bを構成してもよい。ユニット搬送路90Bの受渡し部80に接続される接続部R1a及び分岐経路R5は、装着部20の上方部分であり、第1及び第2分岐点Pt1,Pt2を含む部分である。そして、ユニット搬送路90Bは、接続部R1aを除く第1搬送経路R1の部分R1bに対して着脱可能に構成される。これにより、ユニット搬送路90Bにより第1搬送経路R1の一部と分岐経路R5と合流経路R7とを一体化させることで、液体吐出装置100Bにおける搬送経路Rの構成を簡易化することができる。
以上、本実施形態によれば、上記実施形態にかかる効果に加え、以下の効果を得ることができる。
液体吐出装置100B及び記録システム1Bにおいて、分岐経路R5の途中から分岐し、第1搬送経路R1に合流する合流経路R7を有する。これにより、記録後の用紙Sを待機させるバッファー経路として機能し、スループットを向上させることができる。
4.変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
・変形例1
液体吐出装置100,100A,100Bにおいて第1搬送経路R1や分岐経路R5に沿って搬送される用紙Sを加熱する加熱部を液体吐出ヘッド13より下流側の搬送経路Rに設けてもよい。加熱部は、用紙Sに対して非接触の構成でもよいし、用紙Sに接触する構成でもよい。例えば、第1搬送経路R1や分岐経路R5の途中に温風を発生させる温風発生装置を配置してもよし、第1搬送経路R1や分岐経路R5に設けられた搬送ローラー対に加熱ローラーを適用してもよい。このようにすれば、液体吐出装置100,100A,100Bから排出された用紙Sの未乾燥によるカールや転写等の不具合を抑制することができる。また、液体吐出装置100,100A,100Bから媒体処理装置200に搬送した場合に、媒体処理装置200における用紙Sの未乾燥によるカールや転写等の不具合を抑制することができる。さらに、液体吐出ヘッド13よりも下流側の搬送経路Rに設けることで、加熱部による熱を液体吐出ヘッド13の上方に逃がすことが出来るため、熱による液体吐出ヘッド13内の液体の増粘や気泡の増加を抑制することができる。
・変形例2
媒体処理装置200において液体吐出装置100,100A,100Bから搬送される用紙Sを加熱する加熱部を設けてもよい。加熱部は、用紙Sに非接触の構成でもよいし、用紙Sに接触する構成でもよい。例えば、温風を発生させる温風発生装置を配置してもよし、加熱ローラーを適用してもよい。このようにすれば、用紙Sの未乾燥によるカールや転写等の不具合を抑制することができる。
・変形例3
メンテナンス部31にワイパーを設けてもよい。ワイパーは、ノズル面13bを払拭する払拭部材を備える。払拭部材は、例えばゴム部材やエラストマーなど、弾性変形可能な板状部材から構成することが好ましいが、不織布等、液体を吸収可能な布や多孔質材等であってもよい。ワイパーは、移動機構34によって移動するキャップ33の移動方向と同じ方向に移動し、ノズル面13bを払拭する。これにより、キャップ33とワイパーの駆動機構を簡略化することができる。
なお、キャップ33の移動方向と交差する方向にワイパーを移動させる構成であってもよい。
さらに、キャップ33の移動方向と、キャップ33の移動方向と交差する方向と、に別個のワイパーを設けてもよい。
・変形例4
用紙カセット103の増設は適宜可能である。これにより、利便性を高めることができる。
・変形例5
液体吐出装置100,100A,100Bにおいて、筐体101の第1面101aに、媒体処理装置200を取り付けるための取付け部を設けることが好ましい。取付け部は、予め液体吐出装置100,100A,100Bに設置した構成であってもよいし、筐体101から着脱可能に取り付けられる構成であってもよい。このようにすれば、液体吐出装置100,100A,100Bと媒体処理装置200との取付けが容易に可能になるとともに、液体吐出装置100,100A,100Bと媒体処理装置200とのずれ等を抑制することができる。
・変形例6
媒体処理装置200は、処理部201を有し、用紙Sの束の綴じ処理やパンチ穴を穿孔する処理を行う構成を例として説明したが、これに限定されない。例えば、媒体処理装置200の処理としては、用紙Sの束に中折りを施す処理や用紙Sの束を製本する処理等であってもよい。また、用紙Sを搬送する搬送処理部を含めてもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
・変形例7
媒体処理装置200は、用紙Sの束の綴じ処理やパンチ穴を穿孔する処理を行う処理部201を設けたが、処理部201に加え、他の処理部も設けてもよい。すなわち、複数の処理部を設けてもよい。他の処理部としては、用紙Sの束に中折りを施す処理や用紙Sの束を製本する処理であってもよいし、用紙Sを搬送方向と直交する方向に所定量オフセットさせる処理等であってもよい。なお、この場合、設けられる各処理部に対応して用紙Sを堆積するトレイを配置する。このようにすれば、さらに利便性を高めることができる。
・変形例8
液体吐出装置100,100A,100Bの装着部20において、装着部20に装着される液体収容部19のうち、最も容積が大きい液体収容部19が装着される部分が、筐体の101の内壁面に最も近づくように、すなわち上記実施形態においては、第1面101aに近づくように装着部20を配置することが好ましい。このようにすれば、最も容積が大きい液体収容部19が装着される部分が内壁面の近傍に配置されることで剛性が高まり、装着部20の変形を抑制することができる。
・変形例9
液体吐出装置100,100A,100Bにおいて、筐体101の第2面101b側には、媒体支持部18、第1搬送経路R1及び反転経路R6の少なくとも一つを露出させることが可能なカバーを設けてもよい。このようにすれば、上記実施形態で得られる「搬送距離を長くすることによる媒体の未乾燥の抑制」や「筐体101内において各構成要素の効率化なレイアウトが可能」という効果に加え、媒体支持部18や第1搬送経路R1や反転経路R6で詰まった用紙Sを、液体吐出装置100に媒体処理装置200を並列させた状態のまま取り除くことができるという効果も得られるようになる。
・変形例10
媒体処理装置200は、後処理装置だけに限らない。媒体処理装置200は、受渡し部80から受け渡された用紙Sを後処理装置まで搬送する搬送処理を行う中間装置や、受渡し部80から受け渡された用紙Sに対して加熱処理を行った後、後処理装置へ受け渡す中間装置であってもよい。
・変形例11
媒体処理装置200は、搬入口226と第1トレイ249との間の搬送経路上に処理部201が配置されたが、この構成に限定されない。例えば、搬入口226と第1トレイ249との間の搬送経路上ではなく、搬入口226Aと第2トレイ271との間の搬送経路上に処理部201を配置してもよい。さらには、搬入口226と第1トレイ249との間の搬送経路上及び搬入口226Aと第2トレイ271との間の搬送経路上の両方に処理部201を配置してもよい。
・変形例12
媒体処理装置200において、搬入口226Aに搬入された用紙Sは第2トレイ271に積載され、搬入口226に搬入された用紙Sは第1トレイ249に積載される構成としたが、これに限定されない。例えば、搬入口226Aに搬入された用紙Sは第1トレイ249に積載され、搬入口226に搬入された用紙Sが第2トレイ271に積載される構成であってもよい。
・変形例13
本実施形態では、液体受容部72と廃液収容部37とを接続する廃液流路39を設けたが、廃液流路39を省略した構成であってもよい。すなわち、液体受容部72及び検知部73のみの構成であってもよい。このようにすれば、構成を簡易化することができる。
・変形例14
液体受容部72上に検知部73を配置する場合、液体受容部72の底面に、配置された検知部73に繋がる複数の溝を設けてもよい。このようにすれば、液体受容部72に受容した液体は溝の毛細管力によって検知部73側に流動するため、少量の液体の垂れや漏れで早期に検出することができる。
また、液体受容部72の底面に、検知部73に一部が接触する吸収材を設けてもよい。吸収材は、例えば不織布である。この場合、液体受容部72の底面の全体に吸収材を敷き詰める構成であってもよいし、帯状または線状の吸収材を液体受容部72の底面に引き回した構成であってもよい。なお、吸収材の上面を覆うカバーを設けることが好ましい。これにより、吸収材に吸収した液体の乾燥を防止することができる。
また、液体受容部72の底面に、検知部73に一部が接触する金属材を設けてもよい。この場合、液体受容部72の底面の全体に金属材を敷き詰める構成であってもよいし、帯状または線状の金属材を液体受容部72の底面に引き回した構成であってもよい。このようにすれば、効率良く液体の垂れや漏れを検出することができる。
・変形例15
分岐経路R5、合流経路R7、分岐点Pt、第1分岐点Pt1、第2分岐点Pt2を、液体吐出装置100,100A,100Bではなく、媒体処理装置200に設けても良い。また、この場合、液体吐出装置100,100A,100Bまたは、ユニット搬送路90,90A,90Bには第1搬送経路R1だけを設けるのが好ましい。このような構成であっても、装着部等から垂れた液体が記録後の媒体に付着するおそれを低減できるため、画像品質の低下を抑制することができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
液体吐出装置は、搬送経路に沿って媒体を搬送する搬送部と、搬送された前記媒体に対して、ノズル面に形成されたノズルから液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給する前記液体を収容する液体収容部が装着される装着部と、前記媒体に対して処理を行う媒体処理装置に向けて、前記記録が行われた前記媒体を受け渡す受渡し部と、前記受渡し部の上方に設けられ、前記媒体処理装置に向けて、前記記録が行われた前記媒体を受け渡す排出部と、を備え、前記装着部は前記ノズル面よりも高い位置に配置され、前記搬送経路は、前記液体吐出ヘッドに対応する位置から前記受渡し部までの部分の第1搬送経路と、前記第1搬送経路の途中から分岐し、前記第1搬送経路の上方を通過して前記排出部に接続される分岐経路と、を有し、前記第1搬送経路は、前記装着部の上方を通過することを特徴とする。
この構成によれば、第1搬送経路と分岐経路とが、装着部の上方を通過する。これにより、装着部から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の媒体に付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。また、装着部がノズル面よりも高い位置に配置されるため、液体吐出ヘッドに対して容易に加圧供給することができる。
上記液体吐出装置は、前記受渡し部と、前記第1搬送経路のうち前記受渡し部に接続される部分の接続部と、前記排出部と、前記分岐経路と、が一体で構成されるユニット搬送路を有し、前記ユニット搬送路は、前記接続部を除く前記第1搬送経路の部分に対して着脱可能であることが好ましい。
この構成によれば、ユニット搬送路の搬送系の部分を一体化させることで、液体吐出装置における搬送経路の構成を簡易化することができる。
上記液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドを収容する筐体をさらに備え、前記受渡し部は前記筺体の第1面側に設けられ、前記液体吐出ヘッドは、前記筐体の前記第1面よりも、該第1面と対向する第2面に近い位置で前記媒体に対して記録を行うことが好ましい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドが記録する位置と受渡し部の位置とが互いに反対方向となる。これにより、記録された媒体が受渡し部まで搬送される距離が長くなり、媒体に塗布された液体の乾燥期間をより長く設けることができる。従って、媒体の未乾燥による媒体のカールや媒体上の液体による転写等の不具合の発生を抑制することができる。
上記液体吐出装置は、前記液体収容部および前記液体吐出ヘッドに連通するとともに、前記液体を貯留可能な貯留部をさらに備え、前記貯留部は、前記ノズル面よりも上方に配置され、且つ、前記装着部よりも下方に配置されることが好ましい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドに対して容易に加圧供給ができる。
上記液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部をさらに備え、前記メンテナンス部は、前記貯留部よりも下方に配置されることが好ましい。
この構成によれば、容易に液体吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
上記液体吐出装置は、前記媒体を収容する媒体収容部をさらに備え、前記媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドよりも下方の前記第1面側に配置され、前記媒体収容部と、前記搬送経路のうち前記媒体収容部から前記液体吐出ヘッドに対応する位置までの給紙搬送経路と、前記給紙搬送経路に接続される前記第1搬送経路と、前記筐体の前記第1面と、によって囲まれた領域に、鉛直に沿って前記装着部、前記貯留部、前記メンテナンス部が配置されることが好ましい。
この構成によれば、筐体内のレイアウトが効率化され、省スペース化を図ることができる。
上記液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドから吐出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、前記筐体の一部を開閉可能なカバーと、をさらに備え、前記廃液収容部は、前記カバーを開けた状態で脱着可能であることが好ましい。
この構成によれば、カバーを開けることにより容易に廃液収容部にアクセス可能となるため、ユーザーの利便性を向上させることができる。
上記液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドから排出された前記液体を収容可能な廃液収容部と、前記装着部の下方、または前記貯留部の下方、または前記メンテナンス部の下方に設けられ、前記液体を受容可能な液体受容部と、前記液体受容部で受容した前記液体を検知する検知部と、をさらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、装着部、または貯留部、またはメンテナンス部からの液体の漏れや垂れを早期に検知することができる。
記録システムは、媒体に対して処理を行う媒体処理装置と、搬送経路に沿って前記媒体を搬送する搬送部と、搬送された前記媒体に対して、ノズル面に形成されたノズルから液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに供給する前記液体を収容する液体収容部が装着される装着部と、前記媒体処理装置に向けて、前記記録が行われた前記媒体を受け渡す受渡し部と、前記受渡し部の上方に設けられ、前記媒体処理装置に向けて、前記記録が行われた前記媒体を受け渡す排出部と、を有する液体吐出装置と、を備え、前記装着部は前記ノズル面よりも高い位置に配置され、前記搬送経路は、前記液体吐出ヘッドに対応する位置から前記受渡し部までの部分の第1搬送経路と、前記第1搬送経路の途中から分岐し、前記第1搬送経路の上方を通過して前記排出部に接続される分岐経路と、を有し、前記第1搬送経路は、前記装着部の上方を通過することを特徴とする。
この構成によれば、第1搬送経路と分岐経路とが、装着部の上方を通過する。これにより、装着部から液体が垂れた場合であっても、垂れた液体が記録後の媒体に付着するおそれが低減されるため、画像品質の低下を抑制することができる。また、装着部がノズル面よりも高い位置に配置されるため、液体吐出ヘッドに対して容易に加圧供給することができる。
上記記録システムは、前記受渡し部と、前記第1搬送経路のうち前記受渡し部に接続される接続部と、前記排出部と、前記分岐経路と、が一体で構成されるユニット搬送路を有し、前記ユニット搬送路は、前記接続部を除く前記第1搬送経路の部分に対して着脱可能であることが好ましい。
この構成によれば、ユニット搬送路の搬送系の部分を一体化させることで、液体吐出装置における搬送経路の構成を簡易化することができる。
上記記録システムの前記媒体処理装置は、前記排出部から受け渡された前記媒体を処理せずに積載する第1積載部と、前記受渡し部から受け渡された前記媒体に処理を行う処理部と、前記処理部により処理された前記媒体を積載する第2積載部と、を備えたことが好ましい。
この構成によれば、処理部や載積部が媒体処理装置に配置されるので、液体吐出装置の搬送部の構成を簡易化させることができる。
上記記録システムでは、前記液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドを収容する筐体を備え、前記受渡し部は前記筺体の第1面側に設けられ、前記液体吐出ヘッドは、前記筐体の前記第1面よりも、該第1面と対向する第2面に近い位置で前記媒体に対して記録を行うことが好ましい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドが記録する位置と受渡し部の位置とが互いに反対方向となる。これにより、記録された媒体が受渡し部まで搬送される距離が長くなり、媒体に塗布された液体の乾燥期間をより長く設けることができる。従って、媒体の未乾燥による媒体のカールや媒体上の液体による転写等の不具合の発生を抑制することができる。