JP2020173984A - イオン源及びイオン注入装置並びにマグネシウムイオン生成方法 - Google Patents

イオン源及びイオン注入装置並びにマグネシウムイオン生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成で安定したマグネシウムイオンを生成することができるとともに、寿命の長いイオン源を提供する。【解決手段】本発明のイオン源10は、通電されたフィラメント20によってカソード電極22を加熱し、電子放出面38からリペラ電極23に向かって熱電子を放出させ、この熱電子がカソード電極22とリペラ電極23との間で往復移動するようにカソード電極22及びリペラ電極23の電位を制御し、導入されたスパッタガスを熱電子によって分解してスパッタガスのプラズマを生成する。このプラズマ中のイオンによって原料ブロック28をスパッタして正電荷のマグネシウムイオンを生成する。【選択図】 図2

Description

本発明は、イオン源に関し、特に、マグネシウム(Mg)をイオン化して基板に注入するイオン注入装置に用いるイオン源の技術に関する。
近年、例えば窒化ガリウム(GaN)からなる基板にマグネシウム(Mg)イオンをドーパントとして注入するプロセスを行う技術が実用化しつつあり、マグネシウムのイオンビームを生成するイオン源を有するイオン注入装置が開発されている。
このようなイオン源において、マグネシウムイオンを生成するには、真空中で容器内に配置された固体のマグネシウムを加熱して昇華させて気化し、このマグネシウムの気体をイオン生成容器内においてアーク放電させてプラズマを生成し、イオン化する方法がある。
この場合、装置構成の簡素化を目的として、イオン生成容器内においてマグネシウムの放電を補助(アシスト)するために例えばアルゴン等の放電補助ガスを供給する管をマグネシウムの気体を導入する原料気体導入管に接続し、一つの原料気体導入管のみを介してこれら2種類の気体をイオン生成容器内に導入することが広く行われている。
しかし、このような従来技術においては、固体のマグネシウムを昇華させる際、例えば図10に示すように、イオン原料供給部内の温度が500℃より低い場合に蒸気圧が急激に変化するため、安定したイオンビームを得るためには、イオン原料供給部内の温度を約500℃に高精度で調節する必要がある。
また、放電補助ガスをマグネシウムの気体と共に原料気体導入管を介してイオン生成容器内に導入すると、常温に近い温度の放電補助ガスが原料気体導入管内に流入するため、原料気体導入管と放電補助ガス供給管の先端部との接続部分にマグネシウムの気体が固体化して付着し、放電補助ガス供給管の導入口を塞いでしまうことがある。その結果、従来技術ではイオン源の寿命を延ばすことが困難である。
特開2004−139913号公報
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とするところは、簡素な構成で安定したマグネシウムイオンを生成することができるとともに、寿命の長いイオン源を提供することにある。
上記従来技術の課題を解決するためになされた本発明は、真空中でスパッタリングによってマグネシウムイオンを生成するイオン生成容器と、前記イオン生成容器内の一端に配置されたカソード電極と、前記イオン生成容器内の他端に配置され、前記カソード電極の表面と対向するように設けられたリペラ電極と、前記カソード電極に対して前記イオン生成容器の外部側に配置されたフィラメントとを有するとともに、前記イオン生成容器内に、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロックが設けられ、通電された前記フィラメントによって前記カソード電極を加熱し、電子放出面から前記リペラ電極に向かって熱電子を放出させ、当該熱電子が前記カソード電極と前記リペラ電極との間で往復移動するように当該カソード電極及び当該リペラ電極の電位を制御し、導入されたスパッタガスを前記熱電子によって分解して当該スパッタガスのプラズマを生成し、当該プラズマ中のイオンによって前記原料ブロックをスパッタして正電荷のマグネシウムイオンを生成するように構成されているイオン源である。
本発明では、前記カソード電極と前記リペラ電極のいずれか一方又は両方の近傍に前記原料ブロックが設けられていることも効果的である。
本発明では、前記原料ブロックが酸化マグネシウム(MgO)である場合にも効果的である。
本発明では、前記原料ブロックがフッ化マグネシウム(MgF2)である場合にも効果的である。
本発明では、前記リペラ電極が前記マグネシウム化合物からなる場合にも効果的である。
また、本発明は、上述したいずれかのイオン源を有し、当該イオン源から放出されたイオンビームを基板に照射して注入するように構成されているイオン注入装置である。
さらに、本発明は、真空中でスパッタリングによってマグネシウムイオンを生成するイオン生成容器と、前記イオン生成容器内の一端に配置されたカソード電極と、前記イオン生成容器内の他端に配置され、前記カソード電極の表面と対向するように設けられたリペラ電極と前記カソード電極に対して前記イオン生成容器の外部側に配置されたフィラメントとを有するイオン源を用いてマグネシウムイオンを生成する方法であって、前記イオン生成容器内に、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロックを設け、通電された前記フィラメントによって前記カソード電極を加熱し、電子放出面から前記リペラ電極に向かって熱電子を放出させ、当該熱電子が前記カソード電極と前記リペラ電極との間で往復移動するように当該カソード電極及び当該リペラ電極の電位を制御し、導入されたスパッタガスを前記熱電子によって分解して当該スパッタガスのプラズマを生成し、当該プラズマ中のイオンによって前記原料ブロックをスパッタして正電荷のマグネシウムイオンを生成する工程を有するマグネシウムイオン生成方法である。
本発明によれば、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロックがイオン生成容器内に設けられ、この原料ブロックをスパッタリングしてマグネシウムイオンを生成するようにしたことから、非常に簡素な構成で安定したマグネシウムイオンを生成することができる。
また、本発明によれば、マグネシウムの気体をイオン生成容器内に導入してプラズマを生成する従来技術のような、マグネシウムの気体の導入部分における気体の固体化によるマグネシウムの付着の問題は発生しないので、イオン源の長寿命化を図ることができる。
本発明のイオン源を用いた本発明のイオン注入装置の全体を示す概略構成図 本発明に係るイオン源の実施の形態の内部を示す概略構成図 (a):原料ブロックの構成を示す平面図、(b):原料ブロックの構成を示す斜視図 (a):装着部材の構成を示す平面図、(b):装着部材の構成を示す斜視図 (a):原料支持体の構成を示す平面図、(b):原料支持体の構成を示す斜視図 原料ブロックを原料支持体に装着した場合の構成を示す正面図 本発明に係るイオン源の他の実施の形態の内部を示す概略構成図 本発明に係るイオン源の他の実施の形態の内部を示す概略構成図 本発明に係るイオン源の他の実施の形態の内部を示す概略構成図 マグネシウムの飽和蒸気圧曲線を示すグラフ
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<イオン注入装置>
図1は、本発明のイオン源を用いた本発明のイオン注入装置1の全体を示す概略構成図である。
図1に示すように、本例のイオン注入装置1は、後述するイオン源10と、走行室2と、質量分析装置3と、加速装置4と、走査装置5と、注入室6とが、これらの順に接続されて構成されている。
なお、このイオン注入装置1は、イオン源10、走行室2、加速装置4、注入室6が、真空排気装置9a〜9dによってそれぞれ真空排気されるようになっている。
イオン源10にはガス供給部12が接続されており、イオン源10はガス供給部12が供給するスパッタガスを用いてスパッタリングによってマグネシウムイオンを生成する。
マグネシウムイオンは、走行室2の内部に引き出され、走行室2の内部を走行し、質量分析装置3の内部に入射するようになっている。
本実施の形態では、正電荷のマグネシウムイオンが質量分析装置3の内部を通過する際に質量分析され、所望の質量電荷比を有するイオンが通過して加速装置4に入射される。
加速装置4では、入射したマグネシウムイオンが加速され、走査装置5に入射すると、イオンビームは走査装置5によって進行方向が制御されて注入室6の内部に入射する。
注入室6の内部には、複数(ここでは二つ)の基板8が配置されており、上述した走査装置5によって、イオンビームは複数の基板8のうちいずれかの基板方向に向けられ、その基板8の表面に照射される。基板8の表面はイオンビームによって走査され、マグネシウムイオンが注入される。
<イオン源>
図2は、本発明に係るイオン源の実施の形態の内部を示す概略構成図である。
図2に示すように、本実施の形態のイオン源10は、筒状(ここでは四角筒)のイオン生成容器21を有し、このイオン生成容器21の内部は、図1に示した真空排気装置9aによって真空雰囲気に真空排気される。
イオン生成容器21は二つの底面31,32を有し、一方の底面31はイオン生成容器21の一端に位置するとともに、他方の底面32はイオン生成容器21の他端に位置し、各底面31,32には、それぞれ取付孔47,48が設けられている。
イオン生成容器21の内部には、一方の底面31の近傍にフィラメント20が配置され、他方の底面32の近傍にリペラ電極23が配置されている。このフィラメント20はイオン生成容器21の外部側、すなわち、以下に説明するカソード電極22に対してイオン生成容器21の外部側の真空雰囲気中に設けられている。
イオン生成容器21の内部であって、フィラメント20とリペラ電極23との間のフィラメント20の近傍には、カソード電極22が配置されている。
カソード電極22とリペラ電極23は共に平板又は柱状に形成され、互いに向きあう面が平面で平行にされている。また、フィラメント20はカソード電極22の背面側に位置している。
イオン生成容器21の外部であって底面31の近傍には、ベース板30が配置されている。ベース板30は絶縁された状態でイオン生成容器21に固定されている。
イオン生成容器21の底面31の取付孔47には、原料支持体26と電極支持体33が挿通され、電極支持体33の一端である先端は、イオン生成容器21の内部に配置され、他端である根元部分はベース板30に固定されている。
カソード電極22は電極支持体33の先端に取り付けられている。なお、電極支持体33とカソード電極22は一体構造としてもかまわない。
イオン生成容器21の底面32の取付孔48には、支持棒36が挿通されている。支持棒36の先端はイオン生成容器21の内部に配置され、リペラ電極23が固定されている。
そして、支持棒36の先端に対する反対側の部分はイオン生成容器21の外部に配置されている。
支持棒36は絶縁体41によってイオン生成容器21に固定され、支持棒36とイオン生成容器21との間は絶縁されている。
原料支持体26は、イオン生成容器21と電極支持体33とに対して接触しないように、取付孔47の縁と電極支持体33との間に配置されている。したがって、原料支持体26は、イオン生成容器21との間の電気的絶縁性が維持された状態でイオン生成容器21に固定されている。
原料支持体26の根元部分はベース板30に固定され、その先端部分には所定形状に成形された、スパッタリングターゲットとしての固体の原料ブロック28が取り付けられている。
本発明の場合、原料ブロック28としては、酸化マグネシウム(MgO)を用いることが好ましい。
すなわち、酸化マグネシウムの融点は2800℃以上であるから、マグネシウムイオンの生成時にカソード電極22が高温(2200℃程度)になった場合であっても、原料ブロック28が溶融することがないからである。
電極支持体33と原料支持体26とは電気伝導性を有しており、ベース板30と同電位になるから、カソード電極22と原料ブロック28ともベース板30と同電位になる。
原料ブロック28は、カソード電極22の側面とイオン生成容器21の側面25の間に、カソード電極22及びイオン生成容器21の両方に接触しないように配置されている。
原料ブロック28のリペラ電極23に対向する部分には平面状のスパッタ面37が設けられ、このスパッタ面37は上述したカソード電極22とリペラ電極23とが対向する面と平行にされている。
カソード電極22のリペラ電極23と対向する面を電子放出面38とすると、原料ブロック28のスパッタ面37は、リペラ電極23のカソード電極22と対向する面と電子放出面38との間に位置している。
すなわち、原料ブロック28のスパッタ面37は、スパッタ面37が位置する平面とリペラ電極23との間の距離が、電子放出面38とリペラ電極23との間の距離よりも小さくなる位置に配置されている。
またスパッタ面37は、スパッタ面37が位置する平面と電子放出面38との間の距離が、スパッタ面37が位置する平面とリペラ電極23との間の距離よりも小さくなる位置に配置されている。
原料ブロック28は、金属体の中央に窓孔27が形成されたリング形状のものであり(図3(a)(b)参照)、中央部分に形成された窓孔27の中に、カソード電極22の電子放出面38が配置され、窓孔27の中部において電子放出面38が露出するように構成されている。
原料ブロック28の窓孔27は円形に形成され、カソード電極22は円盤状に形成され、窓孔27の直径がカソード電極22の直径よりも大きくなるように設定されている。
イオン生成容器21の外部には、放電電源52と、カソード加熱電源53と、フィラメント加熱電源54とが配置されている。放電電源52の正電圧端子には、イオン生成容器21が電気的に接続されている。
放電電源52の負電圧端子にはベース板30が電気的に接続されている。ここでは原料支持体26を介して電気的に接続されている。したがって、放電電源52が動作すると、カソード電極22と原料ブロック28とに、イオン生成容器21に対して負電圧が印加される。
また、放電電源52の負電圧端子はカソード加熱電源53の正電圧端子に電気的に接続され、カソード加熱電源53の負電圧端子はフィラメント20の一端に電気的に接続されている。これによりカソード加熱電源53が動作した場合に、フィラメント20にはカソード電極22に対して負電圧が印加される。
フィラメント20の一端はカソード加熱電源53の負電圧端子とフィラメント加熱電源54の負電圧端子とに電気的に接続され、フィラメント20の他端はフィラメント加熱電源54の正電圧端子に電気的に接続されている。
カソード電極22とリペラ電極23とフィラメント20とは真空雰囲気に置かれており、フィラメント加熱電源54が動作して真空雰囲気中でフィラメント20が通電されると発熱する。
その状態でカソード加熱電源53によってフィラメント20に負電圧が印加されると、熱電子がフィラメント20からカソード電極22に向けて放出され、熱電子がカソード電極22に衝突してカソード電極22が加熱される。
放電電源52によってカソード電極22にイオン生成容器21に対して負電圧が印加されている状態で、カソード電極22が加熱されると、カソード電極22の露出された電子放出面38からリペラ電極23に向かって熱電子が放出され、加速される。
リペラ電極23は、カソード電極22と同等の負電位(本実施の形態では浮遊電位)になるように構成されている。そして、カソード電極22から放出・加速された熱電子(一次電子)は静電気力によって、飛行方向が反転され、カソード電極22に向かって飛行する。
カソード電極22に向かった熱電子も、カソード電極22によって飛行方向が反転され、リペラ電極23に向かって反転する。
このように、熱電子はカソード電極22とリペラ電極23との間を繰り返し往復移動する。
イオン生成容器21の外部には、N極とS極の二個の磁極のうちイオン生成容器21に向けて一方の磁極が向けられた磁石58と、他方の磁極が向けられた磁石59とが配置され、N極とS極との間に形成される磁力線が、カソード電極22とリペラ電極23とを貫通するように構成されている。
その結果、イオン生成容器21内において、熱電子は磁力線に巻き付いて螺旋状に移動しながら往復移動する。これらの作用により、イオン生成容器21内のアルゴンガスと熱電子との衝突確率を高め、プラズマ生成効率の増大を図っている。
イオン生成容器21の側面には、ガス導入孔34とイオン放出孔35とが設けられている。
ガス導入孔34はガス供給部12に接続されており(図1参照)、ガス供給部12からスパッタガスであるアルゴンガスが供給される。
カソード電極22は高融点金属で構成されており、フィラメント20によって2200℃程度の温度に加熱される。
原料ブロック28はカソード電極22の近傍においてカソード電極22及びイオン生成容器21に対して非接触状態で配置されている。
これにより原料ブロック28は、カソード電極22から放出される熱線によって、イオン生成容器21に熱が流出しないように加熱され、昇温する。
イオン生成容器21に導入されたアルゴンガスは熱電子によってアルゴンのプラズマが生成され、このアルゴンプラズマはスパッタ面37と接触する。
そして、アルゴンプラズマ中のアルゴンイオン(Ar+)が原料ブロック28のスパッタ面37にて露出したマグネシウム化合物と接触し、スパッタリングによって、Mg原子が放電室内に放出され、カソードから放出された熱電子を利用した電子衝撃法によって、放出されたMg原子から正電荷のマグネシウムイオン(Mg+)が生成される。
イオン生成容器21の外部のイオン放出孔35の近傍には、イオン生成容器21に対して負電圧が印加された平板状の引出電極24が配置されており、イオン生成容器21の内部で生成された正電荷のマグネシウムイオンは引出電極24が形成する電界によって引出電極24に吸引され、イオン放出孔35からイオン生成容器21の外部に引き出されて、引出電極24の中央の孔39を通過して図1に示す走行室2の内部に入射する。
図3(a)は、原料ブロックの構成を示す平面図、図3(b)は、原料ブロックの構成を示す斜視図である。
図4(a)は、装着部材の構成を示す平面図、図4(b)は、装着部材の構成を示す斜視図である。
図5(a)は、原料支持体の構成を示す平面図、図5(b)は、原料支持体の構成を示す斜視図である。
図6は、原料ブロックを原料支持体に装着した場合の構成を示す正面図である。
本例の電極支持体33及び原料支持体26は、共に円筒形状のものであり、電極支持体33の直径が原料支持体26の直径より小さくなるように構成されている(図2参照)。
ここで、電極支持体33と原料支持体26は、中心軸線が一致するように配置され、電極支持体33が原料支持体26の中空内部に配置されてそれぞれベース板30に固定されている。
図3(a)(b)に示すように、原料ブロック28には図6に示すネジ43が挿入可能な挿通孔29aが形成されている。
装着部材44は、原料ブロック28を原料支持体26に装着するための平板状の部材で、図4(a)(b)に示すように、装着部材44には内周面にネジ溝が形成されたねじ孔29bが設けられている。
装着部材44には、半円形状の切り欠きである装着部45が形成されている。
この装着部45の半円の直径の大きさは、原料支持体26の外径と同じであるか、若干大きく形成されている。したがって、装着部材44の装着部45の位置に原料支持体26が配置されるように、装着部材44を原料支持体26に嵌め込むことができる。
図5(a)(b)に示すように、原料支持体26の先端には突状部46が設けられている。この突状部46は、原料支持体26の側面に対して垂直で外側方向に突き出されており、例えばフランジ状に形成されている。
本実施の形態では、リペラ電極23はイオン生成容器21の下方の位置に配置され、原料支持体26は突状部46が原料支持体26の下端に位置するように鉛直に配置されている。
装着部材44は、原料支持体26に装着された場合に、原料支持体26の突状部46の上に乗るように装着部45の半円の直径の大きさが設定されている。
原料ブロック28を原料支持体26に装着するには、原料支持体26の突状部46のリペラ電極23と対向する面に原料ブロック28を当接させ、突状部46を原料ブロック28と装着部材44との間に配置した状態で、図6に示すように、原料ブロック28の挿通孔29aにネジ43を挿通し、ネジ43の先端を装着部材44のネジ孔29bにねじ込む。
そして、ネジ43を回転させ、原料ブロック28と装着部材44とに互いに近づく方向の力を加え、ネジ43のネジ頭部分を原料ブロック28に当接させ、原料ブロック28と装着部材44とによって突状部46を挟み込み、原料ブロック28を原料支持体26に固定する。
以上述べた本実施の形態によれば、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロック28がイオン生成容器21内に設けられ、この原料ブロック28をスパッタリングしてマグネシウムイオンを生成するようにしたことから、非常に簡素な構成で安定したマグネシウムイオンを生成することができる。
また、本実施の形態によれば、マグネシウムの気体をイオン生成容器内に導入してプラズマを生成する従来技術のような、マグネシウムの気体の導入部分における気体の固体化によるマグネシウムの付着の問題は発生しないので、イオン源の長寿命化を図ることができる。
図7〜図9は、本発明に係るイオン源の他の実施の形態の内部を示す概略構成図である。以下、上記実施の形態と対応する部分には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図7に示す実施の形態のイオン源10Aは、原料ブロック28Aが、リペラ電極23Aの近傍に設けられ、カソード電極22の近傍には原料ブロックは設けていないものである。
本実施の形態では、壁部23aを有するカップ状のリペラ電極23Aが設けられ、リペラ電極23Aに原料ブロック28Aが配置されている。
リペラ電極23Aは、その底部23bがカソード電極22と対向するように設けられ、この底部23b内にマグネシウム化合物からなる原料ブロック28Aが配置されている。
本発明の場合、原料ブロック28Aとしては、それぞれの融点を考慮すると、上述した酸化マグネシウム(MgO)の他、融点が1200℃程度のフッ化マグネシウム(MgF2)を用いることが好ましい。
この理由は、マグネシウムイオンの生成時において、リペラ電極23Aの温度はカソード電極22の温度と比べてかなり(1000℃程度)低いからである。
また、原料ブロック28Aとしてフッ化マグネシウム(MgF2)を用いた場合は、原料ブロック28Aからの酸素供給が無いことから、周辺環境の酸化による問題(腐食や膜剥がれ等)の発生がなく、フッ化による問題の発生を考慮しても、メンテナンス周期を延ばすことができる効果の面で、より好ましいと言える。
本実施の形態において、例えばカソード電極22が上側、リペラ電極23Aが下側になるようにイオン生成容器21が配置される場合には、原料ブロック28Aは、リペラ電極23Aから脱落することはないので、リペラ電極23Aの底部23bにそのまま置くだけでよい。
一方、リペラ電極23Aが上側になるようにイオン生成容器21が配置される場合、又は、カソード電極22及びリペラ電極23Aが同じ高さ位置となるようにイオン生成容器21が配置される場合には、例えばネジによって原料ブロック28Aをリペラ電極23Aの底部23bに固定すればよい。
このような本実施の形態によっても、上記実施の形態と同等の効果を発揮させることができる。
図8に示す実施の形態のイオン源10Bは、カソード電極22の近傍に図2に示す原料ブロック28が設けられるとともに、リペラ電極23Aの近傍に図7に示す原料ブロック28Aが設けらているものである。
このような本実施の形態によれば、マグネシウムイオンの生成効率を向上させることができる。
図9に示す実施の形態のイオン源10Cは、リペラ電極23Cそのものがマグネシウム化合物からなるものである。
本実施の形態の場合、マグネシウム化合物としては、上述した酸化マグネシウム、フッ化マグネシウムのいずれも用いることができる。
このような本実施の形態によっても、上記実施の形態と同等の効果を発揮させることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られず、種々の変更を行うことができる。
例えば、図2に示す実施の形態では、カソード電極22の近傍にリング形状の原料ブロック28を設けるようにしたが、本発明はこれに限られず、カソード電極22のリペラ電極23と対向する面上に原料ブロック28を配置することもできる。
この場合は、カソード電極22のリペラ電極23と対向する面の大半が原料ブロック28によって覆われないように原料ブロック28の形状・大きさを調整することが好ましい。
また、マグネシウム化合物からなるリペラ電極23Cを設けた図9に示す実施の形態においては、リペラ電極23Cのカソード電極22と対向する面上に更に図7に示すマグネシウム化合物からなる原料ブロック28Aを配置することもできる。
1……イオン注入装置
10……イオン源
12……ガス供給部
20……フィラメント
21……イオン生成容器
22……カソード電極
23……リペラ電極
26……原料支持体
28、28A……原料ブロック
37…スパッタ面
38……電子放出面

Claims (7)

  1. 真空中でスパッタリングによってマグネシウムイオンを生成するイオン生成容器と、
    前記イオン生成容器内の一端に配置されたカソード電極と、
    前記イオン生成容器内の他端に配置され、前記カソード電極の表面と対向するように設けられたリペラ電極と、
    前記カソード電極に対して前記イオン生成容器の外部側に配置されたフィラメントとを有し、
    前記イオン生成容器内に、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロックが設けられるとともに、
    通電された前記フィラメントによって前記カソード電極を加熱し、電子放出面から前記リペラ電極に向かって熱電子を放出させ、当該熱電子が前記カソード電極と前記リペラ電極との間で往復移動するように当該カソード電極及び当該リペラ電極の電位を制御し、導入されたスパッタガスを前記熱電子によって分解して当該スパッタガスのプラズマを生成し、当該プラズマ中のイオンによって前記原料ブロックをスパッタして正電荷のマグネシウムイオンを生成するように構成されているイオン源。
  2. 前記カソード電極と前記リペラ電極のいずれか一方又は両方の近傍に前記原料ブロックが設けられている請求項1記載のイオン源。
  3. 前記原料ブロックが酸化マグネシウム(MgO)である請求項1又は2のいずれか1項記載のイオン源。
  4. 前記原料ブロックがフッ化マグネシウム(MgF2)である請求項1乃至3のいずれか1項記載のイオン源。
  5. 前記リペラ電極が前記マグネシウム化合物からなる請求項1乃至4のいずれか1項記載のイオン源。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のイオン源を有し、
    当該イオン源から放出されたイオンビームを基板に照射して注入するように構成されているイオン注入装置。
  7. 真空中でスパッタリングによってマグネシウムイオンを生成するイオン生成容器と、前記イオン生成容器内の一端に配置されたカソード電極と、前記イオン生成容器内の他端に配置され、前記カソード電極の表面と対向するように設けられたリペラ電極と、前記カソード電極に対して前記イオン生成容器の外部側に配置されたフィラメントとを有するイオン源を用いてマグネシウムイオンを生成する方法であって、
    前記イオン生成容器内に、マグネシウム化合物からなるスパッタリングターゲットとしての固体状態の原料ブロックを設け、
    通電された前記フィラメントによって前記カソード電極を加熱し、電子放出面から前記リペラ電極に向かって熱電子を放出させ、当該熱電子が前記カソード電極と前記リペラ電極との間で往復移動するように当該カソード電極及び当該リペラ電極の電位を制御し、導入されたスパッタガスを前記熱電子によって分解して当該スパッタガスのプラズマを生成し、当該プラズマ中のイオンによって前記原料ブロックをスパッタして正電荷のマグネシウムイオンを生成する工程を有するマグネシウムイオン生成方法。
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