JP2020193875A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧検出部が異常である場合でも、バッテリの過充放電判定の精度を高めることができる制御装置を提供すること。【解決手段】バッテリの充放電電流を検出する電流検出部と、バッテリのバッテリ電圧を検出する電圧検出部と、充放電電流を第1デジタル信号に変換するとともに、バッテリ電圧を第2デジタル信号に変換する変換部と、を備えるバッテリ監視装置に適用され、第1デジタル信号に基づいてバッテリのSOCを算出するとともに、第2デジタル信号に基づいてバッテリの過充放電状態を判定する制御装置であって、電圧検出部の異常を判定する異常判定部と、異常判定部により異常であると判定された場合に、変換部が充放電電流を第1デジタル信号に変換する電流範囲を、第1範囲から第1範囲よりも狭い第2範囲に切り替え、第2範囲で変換された第1デジタル信号に基づいてバッテリの過充放電状態を判定する状態判定部と、を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、バッテリ監視装置に適用される制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、電圧検出部を備え、電圧検出部により検出されたバッテリ電圧に基づいてバッテリの異常を判定する装置が知られている。この装置では、バッテリ電圧に基づいてバッテリの過放電状態を判定する。また、電圧検出部の異常を判定し、電圧検出部が異常であると判定された場合に、バッテリの充放電電流を通常時よりも抑制する。これにより、バッテリの充放電電流を抑制しながらバッテリを継続使用でき、当該バッテリを利用するシステムへの影響が軽減される。
特開2000−357541号公報
しかし、電圧検出部が異常である場合、バッテリ電圧に基づいてバッテリの過放電状態を判定できない。電圧検出部が異常である場合でもバッテリの過放電状態を判定するために、例えば電流検出部を設け、電流検出部により検出されるバッテリの充放電電流の積算値を用いてSOCを算出し、このSOCに基づいてバッテリの過放電状態を判定することも考えられる。
この場合、SOCは充放電電流の積算値に基づいて算出されるため、電流検出部が充放電電流を検出する電流範囲は、広域の充放電電流に対応させるべく広く設定する必要がある。電流検出部の電流範囲が広いほど、充放電電流の検出精度が悪化するため、充放電電流の積算値に基づいてバッテリの過放電状態を判定しても、過放電状態を精度よく判定できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電圧検出部が異常である場合でも、バッテリの過充放電判定の精度を高めることができる制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、バッテリの充放電電流を検出する電流検出部と、前記バッテリのバッテリ電圧を検出する電圧検出部と、前記充放電電流を、前記充放電電流の電流値を示す第1デジタル信号に変換するとともに、前記バッテリ電圧を、前記バッテリ電圧の電圧値を示す第2デジタル信号に変換する変換部と、を備えるバッテリ監視装置に適用され、前記第1デジタル信号に基づいて前記バッテリの蓄電状態を示すSOCを算出するとともに、前記第2デジタル信号に基づいて前記バッテリの過充放電状態を判定する制御装置であって、前記電圧検出部の異常を判定する異常判定部と、前記異常判定部により異常であると判定された場合に、前記変換部が前記充放電電流を前記第1デジタル信号に変換する電流範囲を、第1範囲から前記第1範囲よりも狭い第2範囲に切り替え、前記第2範囲で変換された前記第1デジタル信号に基づいて前記バッテリの過充放電状態を判定する状態判定部と、を備える。
バッテリ監視装置において、変換部は、電流検出部が検出した充放電電流を第1デジタル信号に変換するとともに、電圧検出部が検出したバッテリ電圧を第2デジタル信号に変換する。バッテリ監視装置の制御装置は、第1デジタル信号に基づいてバッテリのSOCを算出するとともに、第2デジタル信号に基づいてバッテリの過充放電状態を判定する。また、電圧検出部が異常であると判定された場合には、第1デジタル信号に基づいてバッテリの過充放電状態を判定する。つまり、電圧検出部の異常時には、電圧検出部の検出電圧によるバッテリの過充放電判定に代えて、電流検出部の検出電流によるバッテリの過充放電判定が実施される。ただし、電流検出部による電流検出は、広域の充放電電流に対応させるべく精度は低いが、充放電電流を検出する電流範囲を広くしているものであり、単にバッテリの過充放電判定のパラメータを電圧から電流に切り替えただけでは、過充放電判定の精度を担保できない。
この点、上記構成では、電圧検出部の異常時に、変換部は、充放電電流を第1デジタル信号に変換する電流範囲を、第1範囲から第1範囲よりも狭い第2範囲に切り替え、この第2範囲で変換された第1デジタル信号に基づいてバッテリの過充放電状態を判定する構成としたため、過充放電判定の精度を高めることができる。
第2の手段では、前記異常判定部により異常であると判定された場合に、前記充放電電流が所定値よりも小さくなるように前記バッテリの充放電を制限する充放電制限部を備え、前記状態判定部は、前記充放電制限部による制限の開始後に、前記電流範囲を前記第2範囲に切り替える。
変換部の電流範囲が第2範囲に切り替えられた後に、充放電電流が第2範囲を超えて変動すると、充放電電流を正確に検出できず、過充放電判定の精度が悪化する。この点、上記構成では、電圧検出部の異常時に、充放電電流が所定値よりも小さくなるようにバッテリの充放電を制限する。そのため、変換部の電流範囲が第2範囲に切り替えられた後に、充放電電流が第2範囲を超えて変動することを抑制でき、過充放電判定の精度を高めることができる。
第3の手段では、前記充放電制限部による制限の開始後に、前記充放電電流が前記所定値よりも小さくなったかを判定する電流判定部を備え、前記状態判定部は、前記電流判定部により前記所定値よりも小さくなったと判定された場合に、前記電流範囲を前記第2範囲に切り替える。
上記構成によれば、充放電電流が所定値よりも小さくなったと判定された場合に、電流範囲を第2範囲に切り替える。そのため、変換部の電流範囲が第2範囲に切り替えられた後に、充放電電流が第2範囲を超えて変動することを確実に抑制でき、過充放電判定の精度を好適に高めることができる。
第4の手段では、前記バッテリの充電時において、前記SOCが大きいほど小さい値となるように前記所定値を設定し、前記バッテリの放電時において、前記SOCが小さいほど小さい値となるように前記所定値を設定する所定値設定部を備える。
バッテリの充電時において、SOCが大きい場合には、SOCが小さい場合に比べて、充電電流の制限の程度を大きくすることが好ましく、充電電流の上限である所定値を小さく設定することが好ましい。一方、SOCが小さい場合まで所定値が小さい値に設定されると、充電電流が過度に制限され、バッテリの充電に支障が生じる。この点、上記構成では、SOCが大きいほど小さい値となるように所定値を設定するため、充電電流の過度な制限を抑制しつつ、バッテリが過充電状態となることを好適に抑制できる。
また、バッテリの放電時において、SOCが小さい場合には、SOCが大きい場合に比べて、充電電流の制限の程度を大きくすることが好ましく、充電電流の上限である所定値を小さく設定することが好ましい。一方、SOCが大きい場合まで所定値が小さい値に設定されると、放電電流が過度に制限され、バッテリの放電に支障が生じる。この点、上記構成では、SOCが小さいほど小さい値となるように所定値を設定するため、放電電流の過度な制限を抑制しつつ、バッテリが過放電状態となることを好適に抑制できる。
第5の手段では、前記状態判定部は、前記第2範囲の幅を変更可能であり、前記第2範囲を、前記充放電電流が小さいほど幅の狭い範囲とする。
上記構成によれば、充放電電流の収束に伴って第2範囲の幅を狭めることで、過充放電判定の精度を高めることができる。
第6の手段では、前記状態判定部は、前記充放電電流の積算値を用いて前記バッテリの過充放電状態を判定し、前記異常判定部により異常であると判定された場合に、異常判定前に検出された前記バッテリ電圧の平均値に基づいて、前記積算値の初期値を設定する初期値設定部を備える。
上記構成によれば、電流積算開始時の積算値の推定精度を向上させることができ、過充放電判定の精度を高めることができる。
第1実施形態に係るバッテリ監視装置の全体構成図。 第1実施形態に係る判定処理のフローチャート。 電圧センサの異常時における過充電状態の判定過程を示す図。 第1実施形態に係る充放電電流と第1デジタル信号との関係を示す図。 電流センサの分解能と検出誤差との関係を示す図。 変換部による充放電電流の変換過程を示す図。 第2実施形態に係る判定処理のフローチャート。 SOCと所定電流値との関係を示す図。 バッテリの充電中における所定電流値の推移を示す図。 第3実施形態に係るバッテリ監視装置の全体構成図。 第3実施形態に係る充放電電流と第1デジタル信号との関係を示す図。 第3実施形態に係る判定処理のフローチャート。 充放電電流と第2範囲との関係を示す図。 制御処理における第2範囲の切り替え過程を示す図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る制御装置を、車載のバッテリ監視装置100に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るバッテリ監視装置100は、バッテリ40の蓄電状態を示すSOC(State Of Charge)や充放電状態を監視する装置である。バッテリ40は、充放電可能な蓄電池であり、具体的には、複数のリチウムイオン蓄電池41が直列接続された組電池である。なお、バッテリ40は、他の種類の蓄電池であってもよい。
バッテリ40は、インバータ20を介して、回転電機10に接続されている。回転電機10は、バッテリ40との間で電力の入出力を行うものであり、力行時には、バッテリ40から供給される電力により車両に推進力を付与し、回生時には、車両の減速エネルギーを用いて発電を行い、バッテリ40に電力を出力する。
バッテリ監視装置100は、電圧検出部としての電圧センサ30と、リレースイッチ31と、電流検出部としての電流センサ32と、BMU(Battery Management Unit)50と、を備えている。電圧センサ30は、バッテリ40を構成するリチウムイオン蓄電池41それぞれの端子間電圧を検出し、これらの端子間電圧を合計したバッテリ電圧VBを検出する。
電流センサ32は、バッテリ40とインバータ20とを接続する接続線LC上に設けられており、接続線LCを流れるバッテリ40の充放電電流ISを検出する。リレースイッチ31は、接続線LC上においてバッテリ40と電流センサ32との間に設けられており、バッテリ40と回転電機10との接続状態を切り替える。
BMU50は、変換部51と、制御部60と、を備える。変換部51は、電流センサ32から出力される充放電電流ISを、充放電電流ISの電流値を示す第1デジタル信号DS1に変換する。具体的には、電流センサ32は、検出した充放電電流ISに対応するセンサ電圧VSを変換部51に出力し、変換部51は、このセンサ電圧VSを第1デジタル信号DS1に変換する。また、変換部51は、電圧センサ30から出力されるバッテリ電圧VBを、バッテリ電圧VBの電圧値を示す第2デジタル信号DS2に変換する。
制御部60は、変換部51から出力される第1デジタル信号DS1及び第2デジタル信号DS2を内部のRAM等に記憶する。制御部60は、取得された第1デジタル信号DS1に基づいて、バッテリ40のSOCを算出する。また、制御部60は、取得された第2デジタル信号DS2に基づいて、バッテリ40の過充放電状態を判定する。
制御部60は、CPU、ROM及びRAMなどから構成される制御装置である。制御部60は、図示されないリレー駆動部を介してリレースイッチ31に接続されており、リレースイッチ31の接続状態を切り替える制御信号CSを、リレースイッチ31に出力する。また、制御部60は、車載ネットワークインタフェース61を介して、走行制御ECU70と通信可能に接続されており、バッテリ40のSOCに基づいて回転電機10を制御する指令を走行制御ECU70に出力する。車載ネットワークインタフェース61としては、例えば、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)といった、周知のインタフェースを用いることができる。走行制御ECU70は、制御部60からの指令に基づき、回転電機10の制御量をその指令に従って制御すべく、インバータ20を制御する。制御量は、例えばトルクである。
ところで、制御部60は、バッテリ電圧VBに基づいてバッテリ40の過充放電状態を判定しているため、電圧センサ30が異常である場合、バッテリ40の過充放電状態を判定できない。電圧センサ30が異常である場合でもバッテリ40の過放電状態を判定するために、充放電電流ISから算出されるSOCに基づいてバッテリ40の過放電状態を判定することも考えられる。
この場合、SOCは充放電電流ISの積算値に基づいて算出されるため、電流センサ32が充放電電流ISを検出する電流範囲HIは、広域の充放電電流ISに対応させるべく広く設定する必要がある。電流センサ32の電流範囲HIが広いほど、充放電電流ISの検出精度が悪化するため、電流範囲HIが広く設定された状態において、充放電電流ISの積算値に基づいてバッテリ40の過放電状態を判定しても、過放電状態を精度よく判定できない。
そこで、本実施形態では、制御部60は、電圧センサ30の異常時に、変換部51の電流範囲HIを、広域の充放電電流ISに対応した第1範囲HI1から、第1範囲HI1よりも狭い第2範囲HI2(図4参照)に切り替える。具体的には、BMU50は、第1範囲HI1を設定するための第1範囲設定部CV1と、第2範囲HI2を設定するための第2範囲設定部CV2と、を備えている。
第1範囲設定部CV1は、第1直流電源52と、第1オペアンプ53と、第1,第2抵抗器R1,R2と、を備えている。第1直流電源52は、直列接続された第1,第2抵抗器R1,R2を介して接地電圧GNDに接続されており、第1抵抗器R1と第2抵抗器R2との接続点が、第1オペアンプ53の一方の入力端子53Aに接続されている。第1オペアンプ53の他方の入力端子53Bは、制御部60に接続されている。
第1オペアンプ53は、入力端子53A,53Bに入力される電圧に基づいて、第1範囲HI1の最大電流IJ(図4参照)に対応する電圧を、出力端子55Cから電流センサ32に出力する。本実施形態において、第1範囲HI1は、ゼロ電流IE(図4参照)対称の範囲に設定されている。そのため、電流センサ32は、第1範囲設定部CV1から出力される電圧に基づいて、最大電流IJを設定できるとともに、最小電流IA(図4参照)を設定でき、これにより、第1範囲HI1を設定することができる。
第2範囲設定部CV2は、第2直流電源54と、第2オペアンプ55と、第3,第4抵抗器R3,R4と、を備えている。第2直流電源54は、直列接続された第3,第4抵抗器R3,R4を介して接地電圧GNDに接続されており、第3抵抗器R3と第4抵抗器R4との接続点が、第2オペアンプ55の一方の入力端子55Aに接続されている。第2オペアンプ55の他方の入力端子55Bは、制御部60に接続されている。第2オペアンプ55は、入力端子55A,55Bに入力される電圧に基づいて、第2範囲HI2の最大電流IH(図4参照)に対応する電圧を、出力端子55Cから電流センサ32に出力する。
第2オペアンプ55は、入力端子55A,55Bに入力される電圧に基づいて、第2範囲HI2の最大電流IH(図4参照)に対応する電圧を、出力端子55Cから電流センサ32に出力する。本実施形態において、第2範囲HI2は、ゼロ電流IE対称の範囲に設定されている。そのため、電流センサ32は、第2範囲設定部CV2から出力される電圧に基づいて、最大電流IHを設定できるとともに、最小電流IB(図4参照)を設定でき、これにより、第2範囲HI2を設定することができる。
制御部60は、変換部51の電流範囲HIを第1範囲HI1に設定する場合に、第1範囲設定部CV1に基準電圧VKを出力し、第2範囲設定部CV2に基準電圧VKを出力しないようにする。また、制御部60は、変換部51に対して第1範囲HI1に対応する分解能BCを指定する。電流範囲HIを第2範囲HI2に設定する場合についても同様である。そして、制御部60は、電流範囲HIを第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替える場合に、基準電圧VKを出力する範囲設定部CVを、第1範囲設定部CV1から第2範囲設定部CV2に切り替えるとともに、変換部51に対して指定する分解能BCを切り替える。
そして、制御部60は、電圧センサ30の異常時に、第2範囲HI2で変換された第1デジタル信号DS1に基づいてバッテリ40の過充放電状態を判定する判定処理を実施する。そのため、電圧センサ30の異常時においても、過充放電判定の精度を高めることができる。
図2に、本実施形態の判定処理のフローチャートを示す。本実施形態では、回転電機10の回生時、つまりバッテリ40の充電時における判定処理のフローチャートを示す。制御部60は、バッテリ40の充電中に、所定期間毎に判定処理を繰り返し実施する。
判定処理を開始すると、まずステップS10において、電圧センサ30が異常であるかを判定する。異常には、不可逆的な異常(故障)と、可逆的な異常とが含まれる。電圧センサ30の異常は、例えば電圧センサ30と変換部51とを接続する配線の断線であり、電圧センサ30から出力されるバッテリ電圧VBが、第1判定電圧Vtg1よりも小さい場合に、電圧センサ30が異常であると判定する。なお、本実施形態において、ステップS10の処理が「異常判定部」に相当する。
ステップS10で否定判定すると、ステップS12において、制限指令RBを解除する。なお、制限指令RBについては後述して詳細に説明する。続くステップS14において、変換部51の電流範囲HIを第1範囲HI1に切り替える。なお、前回の判定処理において、電圧センサ30が異常でないと判定されており、制限指令RBが既に解除され、且つ変換部51の電流範囲HIが既に第1範囲HI1に切り替えられている場合には、ステップS12、S14の処理を省略してもよい。
ステップS16において、電圧センサ30を用いてバッテリ電圧VBを検出する。続くステップS18において、ステップS16で検出されたバッテリ電圧VBを用いて、平均電圧VBAを算出する。平均電圧VBAは、所定期間の2倍よりも長い規定期間に検出されたバッテリ電圧VBの平均値である。
ステップS20において、ステップS18で算出された平均電圧VBAに基づいて、バッテリ40の過充電状態を判定する。具体的には、平均電圧VBAが閾値電圧Vthよりも大きいかを判定する。本実施形態において、閾値電圧Vthは、過充電状態に対応するバッテリ電圧VBに設定されており、例えばバッテリ40の実電池容量PSが80%である場合のバッテリ電圧VBに設定されている。
バッテリ40が過充電状態でない場合、ステップS20で否定判定する。この場合、ステップS22において、リレースイッチ31をオン状態に維持し、判定処理を終了する。また、バッテリ40が過充電状態である場合、ステップS20で肯定判定する。この場合、ステップS24において、リレースイッチ31をオフ状態に切り替え、判定処理を終了する。
一方、ステップS10で肯定判定すると、つまり、電圧センサ30が異常であると判定された場合、ステップS26において、電流センサ32が異常であるかを判定する。電流センサ32の異常は、例えば範囲設定部CV1,CV2と電流センサ32とを接続する配線、又は電流センサ32と変換部51とを接続する配線の断線であり、電流センサ32から出力されるセンサ電圧VSが、所定の第2判定電圧Vtg2よりも小さい場合、電流センサ32が異常であると判定する。
ステップS26で肯定判定すると、バッテリ40の過充放電状態を判定できないため、ステップS48において、リレースイッチ31をオフ状態に切り替え、判定処理を終了する。一方、ステップS26で否定判定すると、ステップS28において、走行制御ECU70に制限指令RBを出力する。ここで、制限指令RBは、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなるように、バッテリ40の充放電を制限する指令である。本実施形態において、所定電流値IKは、第2範囲HI2の最大電流IHに設定されている。制限指令RBに従って、回転電機10の制御量が制限されることで、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さく制御される。なお、本実施形態において、ステップS28の処理が「充放電制限部」に相当し、所定電流値IKが「所定値」に相当する。
制限指令RBの出力後に、ステップS30において、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなったかを判定する。ステップS30で否定判定すると、ステップS32において、変換部51の電流範囲HIを第1範囲HI1に維持する。なお、本実施形態において、ステップS28の処理が「電流判定部」に相当する。
一方、ステップS30で肯定判定すると、つまり、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなったと判定された場合に、ステップS34において、変換部51の電流範囲HIを、第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替える。
ステップS32,S34で電流範囲HIを設定すると、バッテリ40の過充電状態の判定に用いる積算値Σを算出する。ここで、積算値Σは、充放電電流ISの積算値であり、詳細には、ステップS32,S34で設定された電流範囲HIで変換された第1デジタル信号DS1の積算値である。
具体的には、ステップS36において、積算値Σの初期値Σsが既に設定されているかを判定する。ステップS36で否定判定すると、ステップS38において、前回以前の判定処理で算出された平均電圧VBAに基づいて初期値Σsを設定する。なお、平均電圧VBAは、電圧センサ30が異常でないと判定された場合に算出される。そのため、初期値Σsは、異常判定前に検出されたバッテリ電圧VBの平均値に基づいて設定される、ということができる。なお、本実施形態において、ステップS38の処理が「初期値設定部」に相当する。
ステップS36で肯定判定すると、又はステップS38において初期値Σsを設定すると、ステップS40において、電流センサ32を用いて充放電電流ISを検出する。続くステップS42において、ステップS40で検出された充放電電流ISを用いて、積算値Σを算出する。積算値Σは、初期値Σsに、この初期値Σsの設定後に検出された充放電電流ISを積算することで算出される。
ステップS44において、ステップS42で算出された積算値Σに基づいて、バッテリ40の過充電状態を判定する。そのため、ステップS34で変換部51の電流範囲HIが第2範囲HI2に切り替えられている場合には、第2範囲HI2で変換された第1デジタル信号DS1に基づいて、バッテリ40の過充電状態が判定される。
具体的には、積算値Σが閾値積算値Σthよりも大きいかを判定する。本実施形態において、閾値積算値Σthは、過充電状態に対応する積算値Σに設定されており、例えばバッテリ40の実電池容量PSが80%よりも僅かに小さい値(75%)である場合の積算値Σに設定されている。なお、本実施形態において、ステップS44の処理が「状態判定部」に相当する。
バッテリ40が過充電状態でない場合、ステップS44で否定判定する。この場合、ステップS46において、リレースイッチ31をオン状態に維持し、判定処理を終了する。また、バッテリ40が過充電状態である場合、ステップS44で肯定判定する。この場合、ステップS48において、リレースイッチ31をオフ状態に切り替え、判定処理を終了する。
続いて、図3に、判定処理の一例を示す。図3には、バッテリ40の充電中において、電圧センサ30が異常となった場合に、バッテリ40の過充放電状態を判定する過程が示されている。
図3において、(A)は、バッテリ電圧VBの推移を示し、(B)は、電流センサ32の推移を示し、(C)は、制限指令RBの推移を示し、(D)は、充放電電流ISの推移を示す。また、(E)は、電流範囲HIの推移を示し、(F)は、実電池容量PSの推移を示し、(G)は、積算値Σの推移を示し、(H)は、リレースイッチ31の接続状態の推移を示す。
また、図3(G),(H)では、電圧センサ30が異常である場合に、電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられる場合における各値の推移F1が、実線で示されている。また、電圧センサ30が異常である場合でも、電流範囲HIが第1範囲HI1に維持される場合における各値の推移F2が、破線で示されている。
図示される例では、時刻t1において電圧センサ30が異常となり、バッテリ電圧VBが低下する。その後、時刻t2においてバッテリ電圧VBが第1判定電圧Vtg1よりも小さくなると、制御部60により電圧センサ30の異常が判定され、制限指令RBが出力される。これにより充放電電流ISが制限されて、充放電電流ISが低下する。
また、時刻t2において積算値Σの算出を開始し、算出された積算値Σに基づいてバッテリ40の過充電状態が判定される。具体的には、電圧センサ30の異常判定前に算出された平均電圧VBAに基づいて初期値Σsが設定され、所定の電流範囲HIで変換された第1デジタル信号DS1に基づいて、積算値Σが算出される。図示される例では、充放電電流ISの制限が開始された時刻t2においては、充放電電流ISが所定電流値IKよりも大きいため、電流範囲HIが第1範囲HI1に維持されている。そのため、時刻t2では、第1範囲HI1で変換された第1デジタル信号DS1に基づいて、積算値Σが算出され、経過時間に対して積算値Σが第1傾きθ1で上昇を開始する。
その後、時刻t3において充放電電流ISが所定電流値IKよりも低下すると、電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられ、第2範囲HI2で変換された第1デジタル信号DS1に基づいて、積算値Σが算出される。
図4に、充放電電流ISと第1デジタル信号DS1との関係を示す。図4に示すように、第2範囲HI2は第1範囲HI1よりも狭く設定されている。その一方、第1範囲HI1及び第2範囲HI2は、同一の階調数2KMの第1デジタル信号DS1に変換されている。そのため、第1範囲HI1における電流センサ32の分解能BCは、第2範囲HI2における分解能BCよりも小さくなる。
図5に、電流センサ32の分解能BCと検出誤差との関係を示す。図5に示すように、検出誤差は、分解能BCが小さいほど小さくなる。そのため、第2範囲HI2を第1範囲HI1に切り替えることで、電流センサ32の検出誤差が抑制される。
図3に図示される例では、時刻t3において電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられ、電流センサ32の検出誤差が抑制された結果、積算値Σの傾きθが、第1傾きθ1よりも傾き差Δθだけ大きい第2傾きθ2へと上昇している。本実施形態では、充放電電流ISの減少により、経過時間とともに積算値Σの傾きθが減少している。しかし、電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられることで、時刻t3において積算値Σの傾きθが、第1傾きθ1、つまり第1範囲HI1に維持される場合よりも傾き差Δθだけ大きい第2傾きθ2へと上昇している。
第2傾きθ2が上昇する例として、例えば図6に示す場合がある。具体的には、電流範囲HIが第1範囲HI1である場合に、破線で示すように、電流IXから電流IZまでの充放電電流ISが電流IXの電圧値を示す階調値KXに変換される場合を想定する。この場合において、電流範囲HIが第2範囲HI2に切り替えられ、実線で示すように、電流IXから電流IZまでの充放電電流ISのうち、電流IXと電流IZとの間の電流IYから電流IZまでの充放電電流ISが、電流IYの電圧値を示す階調値KYに変換されるように切り替わるとする。この場合、第2範囲HI2で変換された第1デジタル信号DS1は、第1範囲HI1で変換された第1デジタル信号DS1以上の電圧値を示すため、積算値Σの傾きθが上昇する。
仮に、図3(G),(H)に破線で示すように、電圧センサ30が異常である場合でも、電流範囲HIが第1範囲HI1に維持されると、積算値Σの傾きθが第1傾きθ1に維持される。この場合、バッテリ40の実電池容量PSが80%に到達する時刻t5よりも後の時刻t6に、積算値Σが閾値積算値Σthに到達することでバッテリ40が過充電判定され、リレースイッチ31がオフ状態に切り替えられる。バッテリ40の実電池容量PSが80%よりも大きい過充電状態となった後にバッテリ40が過充電判定されているため、過充電状態を精度よく判定できない。
一方、本実施形態では、図3(G),(H)に実線で示すように、電圧センサ30が異常である場合に、電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられる。この場合、時刻t5よりも前の時刻t4に、積算値Σが閾値積算値Σthに到達することでバッテリ40が過充電判定され、リレースイッチ31がオフ状態に切り替えられる。バッテリ40が過充電状態となる前にバッテリ40が過充電判定されるため、過充電判定を精度よく判定できる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・バッテリ監視装置100において、変換部51は、電流センサ32が検出した充放電電流ISを第1デジタル信号DS1に変換するとともに、電圧センサ30が検出したバッテリ電圧VBを第2デジタル信号DS2に変換する。BMU50の制御部60は、第1デジタル信号DS1に基づいてバッテリ40のSOCを算出するとともに、第2デジタル信号DS2に基づいてバッテリ40の過充放電状態を判定する。また、電圧センサ30が異常であると判定された場合には、第1デジタル信号DS1に基づいてバッテリ40の過充放電状態を判定する。つまり、電圧センサ30の異常時には、電圧センサ30の検出電圧によるバッテリ40の過充放電判定に代えて、電流センサ32の検出電流によるバッテリ40の過充放電判定が実施される。ただし、電流センサ32による電流検出は、広域の充放電電流ISに対応させるべく精度は低いが、充放電電流ISを検出する電流範囲HIを広くしているものであり、単にバッテリ40の過充放電判定のパラメータを電圧から電流に切り替えただけでは、過充放電判定の精度を担保できない。
この点、本実施形態では、電圧センサ30の異常時に、変換部51の電流範囲HIを、第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替え、この第2範囲HI2で変換された第1デジタル信号DS1に基づいてバッテリ40の過充放電状態を判定する。これにより、電圧センサ30の異常時において、過充放電判定の精度を高めることができる。
・一方、変換部51の電流範囲HIが第2範囲HI2に切り替えられた後に、充放電電流ISが第2範囲HI2を超えて変動すると、充放電電流ISを正確に検出できず、SOCの算出精度が悪化するとともに、過充放電判定の精度が悪化する。この点、本実施形態では、電圧センサ30の異常時に、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなるようにバッテリ40の充放電を制限する。そのため、変換部51の電流範囲HIが第2範囲HI2に切り替えられた後に、充放電電流ISが第2範囲HI2を超えて変動することを抑制でき、SOCの算出精度を高めることができるとともに、過充放電判定の精度を高めることができる。
・特に、本実施形態では、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなったと判定された場合に、電流範囲HIを第2範囲HI2に切り替える。そのため、変換部51の電流範囲HIが第2範囲HI2に切り替えられた後に、充放電電流ISが第2範囲HI2を超えて変動することを確実に抑制でき、SOCの算出精度及び過充放電判定の精度を好適に高めることができる。
・例えば、第1範囲HI1の充放電電流ISを、第2範囲HI2における分解能BCで検出できれば、電流範囲HIを切り替える必要がない。しかし、電流範囲HIが広く、且つ分解能BCが小さい電流センサ32は高コストであるため、このような電流センサ32を使用すると、バッテリ監視装置100の製造コストが増大する。この点、本実施形態では、電流範囲HIが広く分解能BCが大きい電流センサ32と、電流範囲HIが狭く分解能BCが小さい電流センサ32と、を組み合わせて用いる構成としたため、電流センサ32をコストを抑制することができ、バッテリ監視装置100の製造コストを抑制することができる。
・本実施形態では、電圧センサ30の異常時に、異常判定前に検出されたバッテリ電圧VBの平均値である平均電圧VBAに基づいて、積算値Σの初期値Σsを設定する。そのため、算出開始時における積算値Σの推定精度を向上させることができ、過充放電判定の精度を高めることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図7〜図9を参照しつつ説明する。図7において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
本実施形態では、所定電流値IKが可変である点で、第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態の判定処理では、制限指令RBによりバッテリ40の充放電を制限する際に、所定電流値IKを設定する。
図7に、本実施形態に係る判定処理のフローチャートを示す。本実施形態の判定処理では、ステップS26で否定判定すると、ステップS50において、バッテリ40のSOCに基づいて所定電流値IKを設定し、ステップS28に進む。なお、本実施形態において、ステップS50の処理が「所定値設定部」に相当する。
図8に、SOCと所定電流値IKとの関係を示す。図8において、(A)は、バッテリ40の放電時におけるSOCと所定電流値IKとの関係を示し、(B)は、バッテリ40の充電時におけるSOCと所定電流値IKとの関係を示す。
図8(A)に示すように、バッテリ40の放電時において、SOCが小さいほど小さい値となるように所定電流値IKが設定されている。具体的には、SOCが0%から第1蓄電状態SK1までは、第1所定電流値IK1に設定されている。SOCが第1蓄電状態SK1から、第1蓄電状態SK1よりも大きい第2蓄電状態SK2までは、第1所定電流値IK1よりも大きい第2所定電流値IK2に設定されている。SOCが第2蓄電状態SK2から、第2蓄電状態SK2よりも大きい第3蓄電状態SK3までは、第2所定電流値IK2よりも大きい第3所定電流値IK3に設定されている。
また、図8(B)に示すように、バッテリ40の充電時において、SOCが大きいほど小さい値となるように所定電流値IKが設定されている。具体的には、SOCが0%から第1蓄電状態SK1までは、第3所定電流値IK3に設定されている。SOCが第1蓄電状態SK1から第2蓄電状態SK2までは、第2所定電流値IK2に設定されている。SOCが第2蓄電状態SK2から第3蓄電状態SK3までは、第3所定電流値IK3に設定されている。
図9に、バッテリ40の充電中における所定電流値IKの推移を示す。図9に示すように、本実施形態では、所定電流値IKが一定値ではなく、SOCに基づいて可変に設定されている。具体的には、時刻t15から時刻t16までの期間では、SOCが第2蓄電状態SK2を超えて上昇しているため、所定電流値IKが比較的小さい第1所定電流値IK1に設定されている。バッテリ40の充電時において、SOCが大きい場合には、SOCが小さい場合に比べて、充電電流の制限の程度を大きくすることが好ましく、充電電流の上限である所定電流値IKを小さく設定することが好ましい。
一方、過充電状態を抑制するためであれば、SOCによらず所定電流値IKを小さい値に設定することも考えられる。しかし、SOCが小さい場合まで所定電流値IKが小さい値に設定されると、過充電状態となる可能性が低いにも関わらず充電電流が過度に制限され、車両の減速エネルギーを十分に回収することができないなど、バッテリ40の充電に支障が生じる。
以上説明した本実施形態によれば、SOCが大きいほど小さい値となるように所定電流値IKを設定する。そのため、充電電流の過度な制限を抑制しつつ、バッテリ40が過充電状態となることを好適に抑制できる。
また、本実施形態では、バッテリ40の放電中において、SOCが小さい場合には、SOCが大きい場合に比べて、放電電流の制限の程度を大きくすることが好ましく、放電電流の上限である所定電流値IKを小さく設定することが好ましい。
一方、過放電状態を抑制するためであれば、SOCによらず所定電流値IKを小さい値に設定することも考えられる。しかし、SOCが大きい場合まで所定電流値IKが小さい値に設定されると、過充電状態となる可能性が低いにも関わらず放電電流が過度に制限され、車両に十分な推進力を付与できないなど、バッテリ40の放電に支障が生じる。
本実施形態によれば、SOCが小さいほど小さい値となるように所定電流値IKを設定する。そのため、放電電流の過度な制限を抑制しつつ、バッテリ40が過放電状態となることを好適に抑制できる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図10〜図14を参照しつつ説明する。図10において、先の図1に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、バッテリ監視装置100が、複数の電流センサ32A〜32Dを備える点で、第1実施形態と異なる。なお、第1〜第4電流センサ32A〜32Dの電流範囲HIは予め一定値に設定されており、BMU50に、電流範囲HIを設定するための範囲設定部CVが設けられていない。
変換部51は、第1〜第4電流センサ32A〜32Dに対応する第1〜第4電流変換部56A〜56Dと、電圧センサ30に対応する電圧変換部58と、を備えている。第1電流変換部56Aは、第1電流センサ32Aから出力される充放電電流ISを、充放電電流ISの電流値を示す第1デジタル信号DS1に変換する。具体的には、第1電流センサ32Aは、検出した充放電電流ISに対応するセンサ電圧VSを第1電流変換部56Aに出力し、第1電流変換部56Aは、このセンサ電圧VSを第1デジタル信号DS1に変換する。第2〜第4電流変換部56B〜56Dについても同様である。電圧変換部58は、電圧センサ30から出力されるバッテリ電圧VBを、バッテリ電圧VBの電圧値を示す第2デジタル信号DS2に変換する。
制御部60は、第1〜第4電流センサ32A〜32Dから、1つの電流センサ32を選択し、選択された電流センサ32を用いて充放電電流ISを検出する。制御部60は、第1電流センサ32Aを選択する場合に、第1電流センサ32Aに対応する第1電流変換部56Aに基準電圧VKを出力し、他の電流変換部56B〜56Dに基準電圧VKを出力しないようにする。第2〜第4電流センサ32A〜32Dについても同様である。なお、第1電流変換部56Aには、第1電流センサ32Aに対応する分解能BCが予め設定されているため、制御部60は分解能BCを設定する必要がない。
図11に、本実施形態における充放電電流ISと第1デジタル信号DS1との関係を示す。第1〜第4電流センサ32A〜32Dは、それぞれ異なる電流範囲HIを有しており、第1電流センサ32Aの電流範囲HIは、第1範囲HI1である。また、第2〜第4電流センサ32B〜32Dの電流範囲HIは、第1〜第3検出範囲HD1〜HD3であり、これら第1〜第3検出範囲HD1〜HD3により第2範囲HI2が構成されている。
図11に示すように、第2範囲HI2は第1範囲HI1よりも狭く設定されており、第2範囲HI2において、第1〜第3検出範囲HD1〜HD3は、この順序で電流範囲HIが狭く設定されている。そのため、本実施形態では、第2〜第4電流センサ32B〜32Dの選択により、第2範囲HI2の幅を変更することができる。
具体的には、第1範囲HI1及び第1〜第3検出範囲HD1〜HD3は、ゼロ電流IE(図4参照)対称の範囲に設定されており、各範囲の最大電流IJ,IH,IG,IFは、この順序で小さくなるように設定されている。また、各範囲の最小電流IA,IB,IC,IDは、この順序で大きくなるように設定されている。その一方、第1範囲HI1及び第1〜第3検出範囲HD1〜HD3は、同一の階調数2KMの第1デジタル信号DS1に変換される。そのため、第1範囲HI1及び第1〜第3検出範囲HD1〜HD3における分解能BCは、この順序で小さくなるように設定されている。
このように、本実施形態では、第2範囲HI2の幅を変更可能である。そのため、本実施形態の判定処理では、電流範囲HIを第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替える際に、検出範囲HDを設定する。
図12に、本実施形態に係る判定処理のフローチャートを示す。本実施形態の判定処理では、ステップS30で肯定判定すると、ステップS60において、充放電電流ISに基づいて検出範囲HDを設定し、ステップS34に進む。
図13に、充放電電流ISと第2範囲HI2との関係を示す。図13に示すように、充放電電流ISが小さいほど幅の狭い検出範囲HDに設定されている。具体的には、充放電電流ISがゼロ電流から第1判定電流Itg1までは、第3検出範囲HD3に設定されている。充放電電流ISが第1判定電流Itg1から、第1判定電流Itg1よりも大きい第2判定電流Itg2までは、第2検出範囲HD2に設定されている。充放電電流ISが第2判定電流Itg2から所定電流値IKまでは、第1検出範囲HD1に設定されている。
続いて、図14に、本実施形態に係る判定処理の一例を示す。図14には、バッテリ40の充電中において、電圧センサ30が異常となった後に、バッテリ40の充電が制限された場合に、第2範囲HI2を切り替える過程が示されている。
図14において、(A)は、充放電電流ISの推移を示し、(B)は、第2範囲HI2の推移を示し、(C)は、充放電電流ISの積算値Σの推移を示す。なお、図示される例では、バッテリ40の充電制限後において、充放電電流ISが単調に減少している。
図示される例では、時刻t21において充放電電流ISが所定電流値IKよりも低下すると、電流範囲HIが第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替えられる。第2範囲HI2に切り替えられた時刻t21において、充放電電流ISが第2判定電流Itg2よりも大きいため、第2範囲HI2のうち、第1検出範囲HD1に設定される。本実施形態では、充放電電流ISの減少により、経過時間とともに積算値Σの傾きθが減少している。しかし、電流範囲HIが第1範囲HI1から第1検出範囲HD1に切り替えられることで、時刻t21において積算値Σの傾きθが、第1傾きθ1、つまり第1範囲HI1に維持される場合よりも第1傾き差Δθ1だけ大きい第2傾きθ2へと上昇している。
その後、時刻t22において充放電電流ISが第2判定電流Itg2よりも低下すると、電流範囲HIが第2検出範囲HD2に切り替えられる。これに伴って、時刻t22において第2傾きθ2が、第1検出範囲HD1に維持される場合よりも第2傾き差Δθ2だけ上昇する。また、時刻t23において充放電電流ISが第1判定電流Itg1よりも低下すると、電流範囲HIが第3検出範囲HD3に切り替えられる。これに伴って、時刻t23において第2傾きθ2が、第2検出範囲HD2に維持される場合よりも第3傾き差Δθ3だけ上昇する。
・以上説明した本実施形態によれば、充放電電流ISの収束に伴って、第2範囲HI2の幅が狭められる。これにより、電流センサ32の検出誤差を抑制でき、過充放電判定の精度を高めることができる。
・本実施形態では、電流センサ32における検出誤差の抑制に伴って、積算値Σの傾きθを上昇させることができる。これにより、積算値Σが閾値積算値Σthに到達する時間を早めることができ、バッテリ40が過充電状態となることを好適に抑制できる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、電圧センサ30の異常時に、制限指令RBを出力する例を示したが、これに限られない。例えば、電圧センサ30の異常時に、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さい場合には、制限指令RBを出力しなくてもよい。
・上記実施形態では、制限指令RBの出力後、電流範囲HIを第1範囲HI1から第2範囲HI2に切り替える際に、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなったかを判定する例を示したが、これに限られない。例えば、制限指令RBを出力してから、充放電電流ISが所定電流値IKよりも小さくなるまでに必要な最大期間である基準期間TK(図1参照)が予め知られている場合には、この基準期間後に電流範囲HIを第2範囲HI2に切り替えてもよい。
この場合に、基準期間を超えて充放電電流ISが所定電流値IKよりも大きい状態が維持されている場合には、図示されない上位ECU等にその旨を報知してもよい。
・上記実施形態では、積算値Σの初期値Σsが、平均電圧VBAに基づいて設定される例を示したが、これに限られず、初期値Σsは、SOCに基づいて設定されてもよければ、異常判定直前に検出されたバッテリ電圧VBに基づいて設定されてもよい。
・上記実施形態では、変換部51がBMU50内に設けられている例を示したが、BMU50外に設けられていてもよい。
・上記第3実施形態では、バッテリ監視装置100が4つの電流センサ32を備える例を示したが、これに限られない。例えば、バッテリ監視装置100は、2つ又は3つの電流センサ32を備えていてもよければ、5つ以上の電流センサ32を備えていてもよい。
・上記実施形態では、電流範囲HIが広く分解能BCが大きい電流センサ32と、電流範囲HIが狭く分解能BCが小さい電流センサ32と、を実現する構成として、範囲設定部CVを複数備える例と、電流センサ32を複数備える例とを示したが、これに限られない。例えば、範囲設定部CVを複数備え、且つ電流センサ32を複数備えていてもよい。
30…電圧センサ、32…電流センサ、40…バッテリ、51…変換部、60…制御部、100…バッテリ監視装置、HI…電流範囲、HI1…第1範囲、HI2…第2範囲、IS…充放電電流、VB…バッテリ電圧。

Claims (6)

  1. バッテリ(40)の充放電電流(IS)を検出する電流検出部(32)と、
    前記バッテリのバッテリ電圧(VB)を検出する電圧検出部(30)と、
    前記充放電電流を、前記充放電電流の電流値を示す第1デジタル信号に変換するとともに、前記バッテリ電圧を、前記バッテリ電圧の電圧値を示す第2デジタル信号に変換する変換部(51)と、
    を備えるバッテリ監視装置(100)に適用され、前記第1デジタル信号に基づいて前記バッテリの蓄電状態を示すSOCを算出するとともに、前記第2デジタル信号に基づいて前記バッテリの過充放電状態を判定する制御装置であって、
    前記電圧検出部の異常を判定する異常判定部と、
    前記異常判定部により異常であると判定された場合に、前記変換部が前記充放電電流を前記第1デジタル信号に変換する電流範囲を、第1範囲(HI1)から前記第1範囲よりも狭い第2範囲(HI2)に切り替え、前記第2範囲で変換された前記第1デジタル信号に基づいて前記バッテリの過充放電状態を判定する状態判定部と、を備える制御装置。
  2. 前記異常判定部により異常であると判定された場合に、前記充放電電流が所定値(IK)よりも小さくなるように前記バッテリの充放電を制限する充放電制限部を備え、
    前記状態判定部は、前記充放電制限部による制限の開始後に、前記電流範囲を前記第2範囲に切り替える請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記充放電制限部による制限の開始後に、前記充放電電流が前記所定値よりも小さくなったかを判定する電流判定部を備え、
    前記状態判定部は、前記電流判定部により前記所定値よりも小さくなったと判定された場合に、前記電流範囲を前記第2範囲に切り替える請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記バッテリの充電時において、前記SOCが大きいほど小さい値となるように前記所定値を設定し、前記バッテリの放電時において、前記SOCが小さいほど小さい値となるように前記所定値を設定する所定値設定部を備える請求項2又は請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記状態判定部は、前記第2範囲の幅を変更可能であり、前記第2範囲を、前記充放電電流が小さいほど幅の狭い範囲とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記状態判定部は、前記充放電電流の積算値(Σ)を用いて前記バッテリの過充放電状態を判定し、
    前記異常判定部により異常であると判定された場合に、異常判定前に検出された前記バッテリ電圧の平均値(VBA)に基づいて、前記積算値の初期値を設定する初期値設定部を備える請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の制御装置。
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