以下、本発明の包装体を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の包装体は、たんぱく質、脂質、炭水化物の栄養素を含み、25℃での粘度が3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下であり、かつ、熱量が2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下である高カロリー栄養組成物と、該高カロリー栄養組成物を充填し、かつかつ容量が40〜60mLである容器とを有することを特徴とする。
本発明の包装体が備える容器に充填される高カロリー栄養組成物は、たんぱく質、脂質、炭水化物の栄養素を含み、熱量が2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下となっている。これにより、高カロリー栄養組成物の少量(40mL以上60mL以下)の摂取によっても、エネルギーを十分に補給することができるとともに、三大栄養素をバランスよく取得することができる。さらに、この高カロリー栄養組成物は、25℃での粘度が3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下のものであり、包装体は充填部の高さが105mm以下および幅が84mm以下であるため、摂取者は片手で握って容易に容器から補給することができる。
なお、以下では、本発明の包装体が備える容器を、ストロー付きアルミパウチに適用した場合を一例に説明する。
<包装体>
図1は、本発明の包装体の好適実施形態を示す斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図1に示すように、包装体1は、容器10と、この容器10内に充填された高カロリー栄養組成物(図示せず)とを有する。
<高カロリー栄養組成物>
高カロリー栄養組成物は、容器10内に充填されており、前述の通り、本発明では、栄養素(三大栄養素)として、たんぱく質と、脂質と、炭水化物とを含み、25℃での粘度が3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下であり、かつ、その熱量が2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下となっている。
以下、これらの栄養素について、順次、説明する。
たんぱく質は、窒素源やアミノ酸を供給するための栄養素(三大栄養素)として、高カロリー栄養組成物に含まれる。
高カロリー栄養組成物中における、たんぱく質の含有量は、高カロリー栄養組成物50mL中、好ましくは5.0g以上15.0g以下程度、より好ましくは6.0g以上8.0g以下程度に設定される。これにより、三大栄養素をバランスよく取得することができるとともに、高カロリー栄養組成物の熱量を2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下に設定できることから、高カロリー栄養組成物の少量(40mL以上60mL以下)の摂取、すなわち、包装体1に充填された高カロリー栄養組成物の摂取によって、エネルギーを十分に補給することができる。
なお、本明細書中において、たんぱく質とは、アミノ酸の重合度に関係なく低分子のものも含まれ、たんぱく質の他、たんぱく質の分解物としてのアミノ酸およびペプチドを含むこととする。
このたんぱく質として、コラーゲンペプチドおよび乳清たんぱく質を含むことが好ましい。
乳清たんぱく質は、牛乳が凝固する際に残存する乳清(ホエイ)から単離される球状たんぱく質の混合物であり、牛乳に含まれる可溶成分からなるものである。
この乳清たんぱく質としては、例えば、市販されているものを用いることができ、具体的には、WPC550(Fonterra社製)、エンラクトHG(日本新薬株式会社製)、エンラクトCC(日本新薬株式会社製)、PROGEL800(日本新薬株式会社製)、ラクトクリスタル(日本新薬株式会社製)、WPI18855(Fonterra社製)、WPI18822(Fonterra社製)、WPI1895(Fonterra社製)、WPC392(Fonterra社製)、WPC80(Fonterra社製)、WPC7009(Fonterra社製)、WPC164(Fonterra社製)、WPC162(Fonterra社製)、WPC132(Fonterra社製)、WPC472(Fonterra社製)等が挙げられる。
また、コラーゲンペプチドは、動物(主として豚、鶏および魚)由来のコラーゲンを酵素等により加水分解することで、好ましくは1,000以上8,500以下程度より好ましくは1,000以上5,000以下程度の重量平均分子量に低分子化したものである。
このコラーゲンペプチドは、市販品として、例えば、豚由来、鶏由来、魚由来のコラーゲンペプチドが挙げられ、具体的には、豚コラーゲン由来のウェルコラーゲン(日本新薬株式会社製)、SOLUGEL(日本ピュアフード株式会社製)、GELITA SOL NPE(株式会社ニッピ製)、GELITA SOL NPS(株式会社ニッピ製)、魚コラーゲン由来のマリンコラーゲンNH(日本ハム株式会社製)および鶏コラーゲン由来のC−LAP(日本ハム株式会社製)等が挙げられる。
これらのコラーゲンペプチドおよび乳清たんぱく質を、高カロリー栄養組成物における、乳清たんぱく質の重量含有量を1.0としたとき、コラーゲンペプチドの重量含有量が1.0以上26.0以下となっていることが好ましい。これにより、高カロリー栄養組成物を、その少量の摂取によってもエネルギーを十分に補給することができるものとしつつ、三大栄養素としてのたんぱく質、脂質および炭水化物が優れた安定性をもって分離することなく分散されており、安定化が図られたものとすることができる。また、コラーゲンペプチドの重量含有量が1.0未満の場合、高カロリー栄養組成物の少量の摂取によってはエネルギーを十分に補給することが困難となるおそれがある。さらに、コラーゲンペプチドの重量含有量が26.0を超えると、高カロリー栄養組成物に独特の臭みや、えぐ味、苦味等の不快に感じる風味が発生し、高カロリー栄養組成物を摂取する摂取者が美味しく食することができず、摂取者の食欲が低下するため、クオリティーオブライフ(QOL)の低下を招くおそれがある。
なお、コラーゲンペプチドの重量含有量は、乳清たんぱく質の重量含有量を1.0としたとき、1.0以上26.0以下でることが好ましいが、1.7以上4.3以下であることがより好ましい。これにより、高カロリー栄養組成物を、より安定化が図られたものとすることができる。
なお、たんぱく質としては、コラーゲンペプチドおよび乳清たんぱく質以外のものを含んでいてもよく、例えば、コラーゲンペプチドおよび乳清たんぱく質以外の動物性たんぱく質や植物性たんぱく質等の公知のものを用いることができる。
このたんぱく質としては、例えば、乳清たんぱく質を除く牛乳等に含まれるたんぱく質、大豆たんぱく等が挙げられる。
より具体的には、牛乳を原料とするものとして、例えば、カゼイン、カゼイネート、トータルミルクプロテイン(TMP)、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)が挙げられ、大豆を原料とするものとして、例えば、大豆たんぱくが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、TMP、MPCや、大豆たんぱく等は市販されているものを用いることができ、市販品としては、例えば、MPC80(日本新薬株式会社製)、MPC80LR(日本新薬株式会社製)、カゼインマグネシウムS(日本新薬株式会社製)、カゼインカリウムS(日本新薬株式会社製)、カゼインナトリウムCW(日本新薬株式会社製)、プロリーナ900(不二製油株式会社製)、プロリーナ700(不二製油株式会社製)、プロリーナ800(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ3000(不二製油株式会社製)、ニューフジプロ1700N(不二製油株式会社製)等が挙げられる。
また、アミノ酸としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン等の必須アミノ酸、およびグリシン、アラニン、セリン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン等の非必須アミノ酸が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、これらのアミノ酸は、無機酸塩(塩酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩等)、生体内で加水分解可能なエステル体(メチルエステル等)の形態をなすものであってもよい。
さらに、ペプチドとしては、上述したアミノ酸の2つ以上がペプチド結合(アミド結合)を介して重合したものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、このようなペプチドは、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド(アミノ酸が約10個程度のもの)、ポリペプチド(アミノ酸が数十〜数百個のもの)のいずれであってもよい。
なお、このペプチドは、コラーゲンを除くたんぱく質に低分子化処理を施したものを用いることができ、例えば、大豆ペプチド、カゼインペプチド、乳清ペプチド等も挙げられる。
なお、たんぱく質、アミノ酸、ペプチドは、フレーバー等から由来するものであっても良い。
脂質は、高効率にエネルギー源となる栄養素(三大栄養素)として、高カロリー栄養組成物に含まれる。
高カロリー栄養組成物中における、脂質の含有量は、高カロリー栄養組成物50mL中、好ましくは4.0g以上15.0g以下程度、より好ましくは4.4g以上12.5g以下程度に設定される。これにより、三大栄養素をバランスよく取得することができるとともに、高カロリー栄養組成物の熱量を2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下に設定できることから、高カロリー栄養組成物の少量(40mL以上60mL以下)の摂取すなわち、包装体1に充填された高カロリー栄養組成物の摂取によって、エネルギーを十分に補給することができる。高カロリー栄養組成物中の脂質の含有量が前記下限値未満の場合、脂質の種類によっては、皮膚の機能が低下するおそれがある。脂質の含有量が前記上限値を超えると、脂質の供給が過剰となり、脂質の種類によっては、肥満を誘発する可能性がある。
脂質としては、ヒトが摂取可能なものであれば特に限定されず、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、植物油、動物性油脂等が挙げられる。
飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、α−リノレン酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
植物油としては、例えば、ココナッツオイル、コーン油、綿実油、オリーブオイル、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、菜種油、サフラワー油(紅花油)、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、アーモンド油、カシュー油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴ油、ペカン油、松の実油、ピスタチオ油、クルミ油、ヒョウタン実油、バッファローカボチャ油、カボチャ実油、スイカ実油、アマランサスオイル、あんず油、リンゴ油、アルガンオイル、アボカド油、ババスオイル、モリンガ油、ボルネオ脂、ケープ栗油、ココアバター、キャロブオイル、コフネヤシ油、コリアンダー種油、ディカ油、アマニ油、グレープシードオイル、ヘンプオイル、カポック実油、ラッレマンチアオイル、マルーラ油、メドウフォーム油、カラシ油、ナツメグバター、オクラ油、パパイヤ油、シソ油、ペクイ油、ケシ油、プルーン油、キヌア油、ニガー種子油、こめ油、Royle油、サッチャインチオイル、ツバキ油、アザミ油、トマト油、コムギ油、エゴマ油、胚芽油、ヤシ油、落花生油等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
動物性油脂としては、例えば、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、脂質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、脂質は、フレーバー等から由来するものであっても良い。
炭水化物は、単糖を供給するための栄養素(三大栄養素)として、高カロリー栄養組成物に含まれる。
高カロリー栄養組成物中における、炭水化物の含有量は、高カロリー栄養組成物50mL中、好ましくは12.5g以上20.0g以下程度、より好ましくは16.0g以上19.0g以下程度に設定される。これにより、三大栄養素をバランスよく取得することができるとともに、高カロリー栄養組成物の熱量を2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下に設定できることから、高カロリー栄養組成物の少量(40mL以上60mL以下)の摂取、すなわち、包装体1に充填された高カロリー栄養組成物の摂取によって、エネルギーを十分に補給することができる。高カロリー栄養組成物中の炭水化物の含有量が前記下限値未満の場合、炭水化物の種類によっては、十分な熱量が得られないおそれがある。炭水化物の含有量が前記上限値を超えると、炭水化物の供給が過剰となり、炭水化物の種類によっては、糖尿病を誘発する可能性がある。
炭水化物としては、生体に吸収されてカロリー源(エネルギー源)になるものであれば特に限定はなく、例えば、単糖、二糖、および多糖が挙げられる。
単糖としては、例えば、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
二糖としては、例えば、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、イソマルトース、トレハロース等が挙げられる。
多糖の具体例としては、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、デキストリンであることが好ましい。
デキストリンは、数個のα−グルコースがグリコシド結合によって重合した物質の総称であり、デンプンを加水分解して得ることができる。デキストリンは、小腸内での分解速度が遅く吸収が緩やかであることから、急激な血糖上昇を防止しうる。また、デキストリンを用いることにより、高カロリー栄養組成物の浸透圧を低減することができ、浸透圧性の下痢を予防しうる。デキストリンとしては、α−グルコースの重合度が高い高分子デキストリン、およびα−グルコースの重合度が低い低分子デキストリンのいずれを用いてもよいが、より浸透圧を低減可能な高分子デキストリンを用いることが好ましい。なお、低分子デキストリンは、マルトデキストリンとも呼ばれ、通常、3〜5個のα−グルコースが重合したものである。
このデキストリンは、自ら調製しても、市販品を用いてもよい。デキストリンを調製する場合には、公知のデンプン、例えば、トウモロコシ、ワキシーコーン、小麦、米、ワキシーライス、ワキシーミロ、豆(ソラマメ、緑豆、小豆等)、馬鈴薯、甘藷、タピオカ等に含有されるデンプンを、公知の方法により加水分解することで調製することができる。一方、市販されたデキストリンとしては、例えば、TK−16(松谷化学工業株式会社製)、サンデック♯300(三和澱粉工業株式会社製)、サンデック♯250(三和澱粉工業株式会社製)、サンデック♯150(三和澱粉工業株式会社製)等が挙げられる。
上述の炭水化物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、炭水化物は、フレーバー等から由来するものであっても良い。
また、このような炭水化物において、本発明では、重合度が低い低分子の炭水化物、すなわち、単糖、二糖、または、低分子デキストリンのような低分子化多糖を含むことが好ましい。これにより、高カロリー栄養組成物における、炭水化物の相溶性が高くなることから、高カロリー栄養組成物中での炭水化物の含有量を前記範囲のように高くしたとしても、高カロリー栄養組成物中に炭水化物を溶かし合わせることができる。そのため、高カロリー栄養組成物中における、炭水化物の凝集物や沈殿物の発生が的確に抑制または防止され、高カロリー栄養組成物を、炭水化物が均一に分散されたものとすることができる。
高カロリー栄養組成物は、前述した、たんぱく質、脂質および炭水化物の栄養素(三大栄養素)の他、栄養素としてビタミンを含有していてもよい。
ビタミンとしては、特に限定されず、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、カルニチンのような各種ビタミンが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いることもできる。
なお、高カロリー栄養組成物50mLあたりの各種ビタミンの好ましい含有量は以下の通りである。
ビタミンA:好ましくは0〜1500μg、より好ましくは10〜125μg
ビタミンD:好ましくは0.05〜25μg、より好ましくは0.05〜2.5μg
ビタミンE:好ましくは0.1〜400mg、より好ましくは0.1〜2.5mg
ビタミンK:好ましくは0.25〜500μg、より好ましくは1〜25μg
ビタミンB1:好ましくは0.005〜5.0mg、より好ましくは0.05〜1.5mg
ビタミンB2:好ましくは0.005〜5.0mg、より好ましくは0.025〜1.5mg
ナイアシン:好ましくは0.05〜15mgNE、より好ましくは0.25〜3mgNE
パントテン酸:好ましくは0.05〜2.8mg、より好ましくは0.1〜1.5mg
ビタミンB6:好ましくは0.005〜3.0mg、より好ましくは0.05〜1.5mg
ビオチン:好ましくは0.05〜50μg、より好ましくは0.5〜10μg
葉酸:好ましくは0.5〜500μg、より好ましくは5〜50μg
ビタミンB12:好ましくは0.005〜5μg、より好ましくは0.1〜1.5μg
ビタミンC:好ましくは0.5〜100mg、より好ましくは2.5〜50mg
カルニチン:好ましくは0.5〜150mg、より好ましくは5〜35mg
なお、各種ビタミンの好ましい範囲およびより好ましい範囲の下限値および上限値は、それぞれの数値を含むこととする。
また、高カロリー栄養組成物は、前述した、たんぱく質、脂質および炭水化物の栄養素(三大栄養素)の他、栄養素としてミネラルを含有していてもよい。
ミネラルとしては、特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムのような各種ミネラルが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いることもできる。
なお、高カロリー栄養組成物50mLあたりの各種ミネラルの好ましい含有量は以下の通りである。
ナトリウム:好ましくは25〜150mg、より好ましくは50〜95mg
カルシウム:好ましくは5〜100mg、より好ましくは15〜50mg
リン:好ましくは0.5〜175mg、より好ましくは12.5〜75mg
マグネシウム:好ましくは0.5〜37.5mg、より好ましくは5〜25mg
カリウム:好ましくは0.5〜175mg、より好ましくは12.5〜90mg
なお、各種ミネラルの好ましい範囲およびより好ましい範囲の下限値および上限値は、それぞれの数値を含むこととする。
さらに、高カロリー栄養組成物は、前述した、たんぱく質、脂質および炭水化物の栄養素(三大栄養素)の他、栄養素として微量元素を含有していてもよい。
微量元素としては、特に限定されず、例えば、鉄、亜鉛、銅、塩素、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデンのような各種微量元素が挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いることもできる。
なお、高カロリー栄養組成物50mLあたりの各種微量元素の好ましい含有量は以下の通りである。
鉄:好ましくは0.05〜27.5mg、より好ましくは0.5〜5.0mg
銅:好ましくは0.005〜0.5mg、より好ましくは0.03〜0.3mg
塩素:好ましくは0.5〜175mg、より好ましくは12.5〜90mg
ヨウ素:好ましくは0.05〜500μg、より好ましくは0.5〜50μg
マンガン:好ましくは0.005〜5.0mg、より好ましくは0.05〜1.0mg
セレン:好ましくは0.05〜225μg、より好ましくは0.5〜17.5μg
亜鉛:好ましくは0.05〜10mg、より好ましくは0.5〜5mg
クロム:好ましくは0.05〜15μg、より好ましくは0.5〜10μg
モリブデン:好ましくは0.05〜15μg、より好ましくは0.5〜10μg
なお、各種微量元素の好ましい範囲およびより好ましい範囲の下限値および上限値は、それぞれの数値を含むこととする。
以上のような栄養素を含む高カロリー栄養組成物は、本発明では、その熱量が2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下であればよいが、3.0kcal/mL以上4.3kcal/mL以下であることが好ましく、3.5kcal/mL以上4.1kcal/mL以下であることがより好ましい。高カロリー栄養組成物中の熱量が2.5kcal/mL未満の場合、小容量で高熱量が摂取できない。高カロリー栄養組成物中の熱量が4.5kcal/mLを超えると、栄養素が溶解することが困難である。これにより、高カロリー栄養組成物の少量(40mL以上60mL以下)の摂取によっても、エネルギーを十分に補給することができる。すなわち、食欲が低下していたり、嚥下障害を伴う高齢者が、病院や介護施設等において、看護師や介護士等の第三者の監督下で、食事の補助栄養として取得できる高カロリー栄養組成物(流動食)の総量は、一般的に、100mL未満と言われる。そのため、容器10内に40mL以上60mL以下充填される高カロリー栄養組成物の熱量を前記範囲内に設定し、さらに、朝食、昼食および夕食の三食に食事の補助栄養として、包装体1から高カロリー栄養組成物を取得することで、200kcal以上1000kcal以下、好ましくは300kcal以上900kcal以下、より好ましくは400kcal以上800kcal以下のエネルギーを取得することができる。そのため、高カロリー栄養組成物の三食の摂取により、高齢者が1日で取得することが望ましいエネルギー量の不足分を満足することができる。
また、高カロリー栄養組成物は、本発明では、その25℃での粘度が3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下であればよいが、5,000mPa・s以上20,000mPa・s以下であることが好ましい。高カロリー栄養組成物中の粘度が前記下限値未満の場合、逆流性肺炎や下痢を誘発する可能性がある。高カロリー栄養組成物中の粘度が前記上限値を超えると、摂取時にべたつく可能性がある。前記粘度をかかる範囲内に設定することで、高カロリー栄養組成物の粘度を、流動食に適した範囲内に設定することができる。そのため、この高カロリー栄養組成物を、食欲が低下していたり、嚥下障害を伴う高齢者が摂取する場合であったとしても、経口により容易に高カロリー栄養組成物を取得する(食する)ことができる。また、後述する容器10が備える開口部20(供給部)を介して、片手で容易に排出させて、経口により高カロリー栄養組成物を摂取者が取得する(食する)ことができる。さらに、高カロリー栄養組成物中において、三大栄養素としてのたんぱく質、脂質および炭水化物が優れた安定性をもって分離することなく分散させることができ、安定化が図られた高カロリー栄養組成物とすることができる。
また、高カロリー栄養組成物は、前述した三大栄養素を含む栄養素の他に、乳化剤を含有することが好ましい。
これにより、高カロリー栄養組成物における、たんぱく質と脂質と炭水化物との相溶性がより高くなる。そのため、高カロリー栄養組成物中でのたんぱく質、脂質および炭水化物の含有量を、それぞれ、前記範囲のように高くしたとしても、高カロリー栄養組成物中に、たんぱく質と脂質と炭水化物とを溶かし合わせることができる。したがって、高カロリー栄養組成物を、たんぱく質、脂質および炭水化物が均一に分散・乳化されたものとすることができる。
この乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルのような脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン縮合リシノレート、ジアシルグリセロール、ワックス類、ステロールエステル類、リン脂質等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、有機酸モノグリセライドとポリグリセリンエステルとのうちの一方を含むことが好ましく、これらの双方を含むことがより好ましい。また、乳化剤として有機酸モノグリセライドとポリグリセリンエステルとの双方を含む場合、これらの含有量は、それぞれ、高カロリー栄養組成物中において、有機酸モノグリセライドが好ましくは0.25g/50mL以上0.75g/50mL以下、より好ましくは0.65g/50mL程度に設定され、ポリグリセリンエステルが好ましくは0.15g/50mL以上0.4g/50mL以下、より好ましくは0.35g/50mL程度に設定される。乳化剤として前記のものを選択し、さらに、その含有量を前記のように設定することで、前記効果をより顕著に発揮させることができる。また、高カロリー栄養組成物中の有機酸モノグリセライドが0.25g/50mL未満の場合、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、乳化系が安定せずに、水層と油層が分離するおそれがある。高カロリー栄養組成物中の有機酸モノグリセライドが0.75g/50mLを超えると、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、過剰な有機酸モノグリセライドによって乳化系が崩壊する可能性がある。高カロリー栄養組成物中のポリグリセリンエステルが0.15g/50mL未満の場合、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、乳化系が安定せずに、水層と油層が分離するおそれがある。高カロリー栄養組成物中の有機酸モノグリセライドが0.4g/50mLを超えると、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、過剰な有機酸モノグリセライドによって乳化系が崩壊する可能性がある。
また、有機酸モノグリセライドとしては、特に限定されず、例えば、市販のものを用いることができ、具体的には、ポエムW−60(理研ビタミン株式会社製)、ポエムG−002(理研ビタミン株式会社製)、ポエムB−10(理研ビタミン株式会社製)等が挙げられる。さらに、ポリグリセリンエステルとしても、特に限定されず、例えば、市販のものを用いることができ、具体的には、ポエムJ−0381V(理研ビタミン株式会社製)、ポエムJ−0281V(理研ビタミン株式会社製)等が挙げられる。
また、高カロリー栄養組成物は、前述した三大栄養素を含む栄養素の他に、発酵乳を含有することが好ましい。
ここで、高カロリー栄養組成物は、たんぱく質、脂質および炭水化物の栄養素を前述した含有量のように高濃度に含まれることが好ましいこと、また、たんぱく質および炭水化物の栄養素を前述したように低分子化することが好ましいこと等に起因して、独特の臭み、えぐ味や苦味等有するものとなる傾向を有する。
このような高カロリー栄養組成物を、発酵乳を含有するものとすることで、独特の臭みや、えぐ味、苦味等の不快に感じる風味を低減させることができる。そのため、この高カロリー栄養組成物を食する摂取者の食欲の向上が図られる。
また、高カロリー栄養組成における、発酵乳の含有量は、好ましくは0.5g/50mL以上1.5g/50mL以下、より好ましくは0.65g/50mL以上0.9g/50mL以下に設定される。高カロリー栄養組成物中の発酵乳が前記上限値未満の場合、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、苦味が強く感じられ、風味が損なわれるおそれがある。高カロリー栄養組成物中の発酵乳が前記下限値を超えると、高カロリー栄養組成物に含まれる栄養素の種類によっては、甘味と酸味が強く感じられ、風味が損なわれるおそれがある。発酵乳の含有量を前記範囲内に設定することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、本明細書中において、発酵乳とは、乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含むもの等が、乳酸菌や酵母等の微生物により乳酸を産生して発酵したもののことを言う。したがって、発酵乳は、乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含むものに由来して発酵したものであれば、特に限定されず、例えば、市販のヨーグルトの他、ハネピスJP−J(大洋香料株式会社製)、発酵乳FM−J(大洋香料株式会社製)、無糖発酵乳ベース(協同乳業株式会社製)、加糖発酵乳液(協同乳業株式会社製)等が挙げられる。
さらに、高カロリー栄養組成物は、フレーバーを含有していてもよい。
これにより、高カロリー栄養組成物のさらなる風味の向上が図られるため、この高カロリー栄養組成物を食する摂取者の食欲がより向上する。
なお、本明細書中において、「フレーバー」とは、高カロリー栄養組成物に香りや味を付与するために加えるものを言い、一般的に「フレーバー」として販売されているものや、「エキス」「粉末調味料」「粉末香料」「液体香料」として販売されているもの等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、高カロリー栄養組成物中における、フレーバーの含有量は、高カロリー栄養組成物50mL中、好ましくは0.05g以上1.75g以下程度、より好ましくは0.2g以上1.5g以下程度に設定される。これにより、高カロリー栄養組成物にフレーバーを添加することにより得られる効果をより顕著に発揮させることができる。
高カロリー栄養組成物において、フレーバーの種類としては、特に限定されないが、例えば、トマト風味等の野菜スープ味、アップル風味等の果実ジュース味、ヨーグルト風味、和風だし風味(かつお、こんぶ)、クリームシチュー風味、ビーフシチュー風味、カレー風味、味噌汁風味、豚汁風味、クラムチャウダー風味、または、ラーメン風味(味噌、とんこつ、醤油)のものが挙げられる。なお、フレーバーは、市販のスープの素や粉末スープを用いても良い。
高カロリー栄養組成物は、さらに、機能成分として、ポリグルタミン酸、グルコサミン、フコイダン、コラーゲン、ヒアルロン酸、食物繊維、オリゴ糖等を含有していてもよい。
これらの機能成分は、唾液分泌促進作用、カルシウム吸収促進、保湿作用、ピロリ菌の排除、胃粘膜の保護・修復促進、持久力向上、血漿コレステロールの低下、血糖応答の改善、大腸機能の改善、および大腸がんの予防等の様々な機能を発揮する。
食物繊維としては、特に限定されないが、例えば、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、不溶性ペクチン、キチン、キトサン、サイリウム種皮、低分子化アルギン酸ナトリウム等の不溶性食物繊維、水溶性ペクチン、グァーガム、コンニャクマンナン、グルコマンナン、アルギン酸、寒天、化学修飾多糖類、ポリデキストロース、難消化性オリゴ糖、マルチトール、イヌリン、カラギーナン、小麦ふすま、難消化性デキストリン(例えば、パインファイバーC(松谷化学工業社製))、グァーガム分解物等の水溶性食物繊維等が挙げられ、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。なお、高カロリー栄養組成物における食物繊維の含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
高カロリー栄養組成物は、さらにその他の公知の成分、例えば、保健機能成分、食品添加物、安定剤等を含有していてもよい。
保健機能成分とは、摂取することによって生体に対し一定の機能を発揮する成分である。
このような保険機能成分としては、特に限定されないが、例えば、難消化性オリゴ糖、糖アルコール、クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)、キトサン、L−アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、豆鼓エキス、ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール、大豆イソフラボン、乳塩基性たんぱく質等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
難消化性オリゴ糖とは、単糖類がグリコシド結合によって結合した化合物のうち、多糖類ほどは分子量が大きくない(300〜3000程度)糖類である。
なお、この難消化性オリゴ糖は、ヒトの消化酵素では分解されず、ヒトの消化酵素で分解されるものについては、前述した炭水化物に包含される。このような難消化性オリゴ糖を摂取することで、整腸効果が得られる。
難消化性オリゴ糖としては、特に限定されないが、例えば、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。これらの難消化性オリゴ糖は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。なお、高カロリー栄養組成物における難消化性オリゴ糖の含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種であり、小腸から体内への吸収が悪くカロリーになりにくいものである。
この糖アルコールは、口内細菌によって酸に代謝されにくく、歯垢の形成を防止しうる。当該糖アルコールは、低カロリー甘味料として用いられる。
糖アルコールとしては、特に限定されないが、エリトリトール、マルチトール、パラチノース等が挙げられる。これらの糖アルコールは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。なお、高カロリー栄養組成物における糖アルコールの含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
クエン酸リンゴ酸カルシウム(CCM)およびカゼインホスホペプチド(CPP)は、カルシウムの吸収を促進し、骨形成を促進する機能を有する。これらのCCMおよびCPPは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、CCMおよびCPPは、カルシウムと併用することが好ましい。なお、高カロリー栄養組成物におけるCCMおよびCPPの含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
食品添加物は、高カロリー栄養組成物の加工もしくは保存の目的で、高カロリー栄養組成物に添加、混和、湿潤その他の方法によって使用するものである。
食品添加物としては、栄養強化の目的以外にも、例えば、グルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅、アスコルビン酸2−グルコシド、シクロデキストリン、保存料、防かび剤、酸化防止剤、着色料、マスキング剤、pH調整剤、酸味剤、香料、消泡剤等が挙げられる。
アスコルビン酸2−グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)の2位の水酸基にグルコースがα−配位で結合した化合物であり、酸素の攻撃を受けないため通常のビタミンCよりも安定性が高いビタミンC誘導体である。アスコルビン酸2−グルコシドによって効率的にビタミンCを吸収することができる。アスコルビン酸2−グルコシドの含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
シクロデキストリンとは、グルコースがグルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖である。6個のグルコースからなるものをα−シクロデキストリン、7個のグルコースからなるものをβ−シクロデキストリン、8個のグルコースからなるものをγ−シクロデキストリンという。シクロデキストリンは、アレルギー抑制効果、血糖値上昇抑制効果、乳化作用等の機能を有する。シクロデキストリンは、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。シクロデキストリンの含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
酸化防止剤は、酸化による変質を防止する機能を有する。酸化防止剤としては、特に限定されないが、アスコルビン酸およびそのナトリウム塩、エリソルビン酸およびそのナトリウム塩等が用いられる。これらの酸化防止剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
着色料は、高カロリー栄養組成物を、美しく見せる機能を有する。着色料としては、特に限定されないが、食用タール色素(食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、および106号、食用青色1号および2号、食用黄色4号および5号、食用緑色3号等)、β−カロテン、水溶性アナトー、クロロフィル誘導体(クロロフィルa、クロロフィルb、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等)、リボフラビン、三二酸化鉄、二酸化チタン、ベニバナ黄色素、コチニール色素、クチナシ黄色素、ウコン色素、赤キャベツ色素、ビートレッド、ブドウ果皮色素、パプリカ色素、カラメル等が挙げられる。これらの着色料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
マスキング剤は、高カロリー栄養組成物における原料由来の独特のえぐ味等を抑え、隠す機能を有する。マスキング剤としては、特に限定されないが、サッカリンおよびそのナトリウム塩、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ズルチン、チクロ(サイクラミン酸)、ネオテーム、トレハロース、エリスリトール、マルチトース、パラチノース、ソルビトール、甘草抽出物、ステビア、ソーマチン、クルクリン、リチルリチン酸二ナトリウム等が挙げられる。これらのマスキング剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
pH調整剤は、高カロリー栄養組成物のpHを調整する機能を有する。pH調整剤としては、特に限定されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アジピン酸等が用いられうる。これらのpH調整剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、高カロリー栄養組成物は、pH調整剤によりpHが調整されることで、そのpHは、3.0以上4.0以下であることが好ましく、4.0程度であることがより好ましい。高カロリー栄養組成物中のpHが3.0未満の場合、酸味が強く感じられ、風味が損なわれるおそれがある。高カロリー栄養組成物中のpHが4.0を超えると、真菌類などの微生物が繁殖する可能性が高くなるため、食品としての安全性が保たれないおそれがある。これにより、高カロリー栄養組成物の長期安定化を図ることができるとともに、高カロリー栄養組成物を食する際に、摂取者は、強度の酸味を感じることなく食することができる。
酸味料は、高カロリー栄養組成物への酸味の付与、高カロリー栄養組成物の酸化の防止、およびpHの調整等の機能を有する。酸味料としては、特に限定されないが、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸等が挙げられる。これらの酸味料は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
香料は、高カロリー栄養組成物の着香・嬌臭する機能を有する。香料としては、特に限定されないが、アセトフェノン、α−アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、デカナール、デカノール、アセト酢酸エチル、ケイ皮酸エチル、デカン酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、フェニル酢酸イソアミル、dl−メントール、l−メントール、サリチル酸メチル、ピペロナール、プロピオン酸、テルピネオール、バニリン、d−ボルネオール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
安定剤は、高カロリー栄養組成物の食感改良とともに製造工程の安定化に寄与する機能を有する。安定剤としては、一般的に使用されている安定剤を用いることができる。具体的には、例えば、寒天、ゼラチン、セルロース、キチン、デキストラン、分岐デキストラン、グリコーゲン、イヌリン、マンナン、グルコマンナン、キシラン、プルラン、アルギン酸、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、サイクロデキストリン、ファーセレラン、加工澱粉、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、グァーガム、グァーガム分解物、キサンタンガム、タマリンドガム、アラビアガム、ジェランガム、植物性たんぱく質、植物性たんぱく質分解物、動物性たんぱく質、動物性たんぱく質分解物等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いても、2種以上を混合して安定剤として用いてもよい。
なお、これらは市販されているものを用いることができ、例えば、寒天の市販品としては、例えば、ウルトラ即溶性寒天 UX−30、ウルトラ即溶性寒天 UX−100、ウルトラ即溶性寒天 UX−200、ウルトラ寒天 AX−30、ウルトラ寒天 AX−100、ウルトラ寒天 AX−200、ウルトラ寒天 BX−30、ウルトラ寒天 BX−100、ウルトラ寒天 BX−200、ウルトラ寒天イーナ、伊那寒天カリコリカン(全て伊那食品工業株式会社製)等が挙げられ、ペクチンの市販品としては、例えば、GENUペクチンYM−150−LJ、GENUペクチンYM−150−LJ−TF、GENUペクチンYM−115−H−J、GENUペクチンYM−115−LJ、GENUペクチンJM−150−J、GENUペクチンJMJ−J、GENUペクチンLM−105AS−J、GENUペクチンLM−101AS−JS−J、GENUペクチンLM−102AS−J、GENUペクチンLM−84AS、GENUペクチンLM−104AS−J、GENUペクチンLM−104AS−FS−J(全てCP Kelco社製)が挙げられる。
なお、安定剤は、前述した食物繊維としての作用を兼ねることもできる。安定剤の含有量は、食感、安定性等を考慮して適宜調節される。
ここで、高カロリー栄養組成物が、機能成分として食物繊維、および、安定剤を含む場合、寒天を含むことが好ましい。このように高カロリー栄養組成物に寒天が含まれることで、食物繊維および安定剤としての機能を発揮させることができるとともに、高カロリー栄養組成物の25℃での粘度を前述した範囲内、すなわち、3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下、好ましくは5,000mPa・s以上17,500mPa・s以下に比較的容易に設定することができる。
この場合、高カロリー栄養組成物における、寒天の含有量は、50mL中、0.025g以上0.16g以下であることが好ましく、0.06g以上0.15g以下であることがより好ましい。これにより、高カロリー栄養組成物の25℃での粘度を前述した範囲内により確実に設定することができる。
さらに、高カロリー栄養組成物が寒天を含む場合、高カロリー栄養組成物は、炭水化物(多糖)、食物繊維および安定剤としてペクチンを含有することが好ましい。これにより、高カロリー栄養組成物の25℃での粘度を前述した範囲内により確実に設定することができる。なお、この場合、高カロリー栄養組成物における、ペクチンの含有量は、50mL中、好ましくは0.025g以上0.15g以下、より好ましくは0.05g以上0.1g以下に設定される。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
その他の添加剤として、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、トレハロース生成酵素、トレハロース遊離酵素、グルタミナーゼ等の酵素や酵母等が用いられる。これらその他の添加物の含有量は、高カロリー栄養組成物を適用する対象者等によって適宜調節される。
なお、上述したような高カロリー栄養組成物は、公知の方法によって製造することができる。
<容器>
容器10は、本実施形態では、ストロー付きアルミパウチであり、上述した高カロリー栄養組成物が充填され、この高カロリー栄養組成物を持ち運び(輸送)する際、および、摂取する際の容器としての機能を併せ持つ。
この容器10は、図1に示すように、袋状をなし高カロリー栄養組成物が充填される容器本体30と、容器本体30の上端部に設けられ、容器本体30に連通する開口部20と、開口部20に着脱可能に設けられた蓋体25とを有している。
容器本体30は、本実施形態では、平面視形状が長方形状をなし、底部に内側に折り込まれた折込部を有するスタンディングタイプのパウチ容器であり、その容量が40〜60mLとなるように、その高さA105mm×幅B84mm×折込幅48mmに設定されている。
この容器本体30に、熱量が2.5kcal/mL以上4.5kcal/mL以下の高カロリー栄養組成物が充填されており、その充填量が40mL以上60mL以下、好ましくは45mL以上55mL以下、具体的には50mLとなっている。そのため、例えば、朝食、昼食および夕食の三食に、包装体1により、容器本体30内に充填されている高カロリー栄養組成物を取得することで、200kcal以上1000kcal以下のエネルギーの取得が可能である。したがって、包装体1による高カロリー栄養組成物の三食の摂取によって、高齢者が1日で取得することが望ましいエネルギー量の不足分を満足することができる。
なお、容器10(容器本体30)は、かかる範囲内の容量を有するものであれば、持ち運びも容易であり、かつ、望ましいとされるエネルギー量を取得することができる。
この容器本体30は、例えば、アルミホイルの両面が樹脂材料で構成される被覆層で被覆されたフィルム材で構成される。
開口部20は、その全体形状が円筒状をなし、容器本体30の上端部のほぼ中央に設けられ、これにより、容器本体30に連通するストローとして機能する。
この開口部20を介して、包装体1の製造時には、高カロリー栄養組成物が容器本体30内に充填され、さらに、摂取者により高カロリー栄養組成物を食する際には、容器本体30の押圧により容器本体30から排出される。
この開口部20は、その内口径(直径)が、本実施形態では、8.33mmに設定されている。内口径(開口径)をかかる大きさに設定し、さらに、前述の通り、25℃での粘度が3,500mPa・s以上22,000mPa・s以下である高カロリー栄養組成物を容器本体30に充填することで、摂取者は、液だれを生じさせることなく、容器本体30の押圧により、高カロリー栄養組成物を、開口部20を介して容器本体30から容易に排出させて、経口により高カロリー栄養組成物を摂取者が取得する(食する)ことができる。また、この際、片手で握れる大きさとして、充填部の高さが105mm以下および幅が84mm以下に設定することができる。これにより、高齢者のように握力が低下した摂取者であっても、手による容器本体30の押圧により、開口部20を介して、容器本体30から高カロリー栄養組成物を片手で容易に排出させて、食することができる。
また、開口部20は、その外周面の上端側に、雄ネジ(図示せず)を備えている。さらに、蓋体25は、その全体形状が有底の円筒状をなし、その内周面に、雌ネジ(図示せず)を備えている。開口部20が備える雄ネジに、蓋体25が備える雌ネジが螺合することで、蓋体25としての機能が発揮して、図1に示すように、開口部20の密閉性が確保される。
この蓋体25は、着脱可能であるため、包装体1の輸送・保管時には、図1に示すように、装着された状態とされて開口部20ひいては容器本体30の密閉性が確保され、容器本体30への高カロリー栄養組成物の充填時および高カロリー栄養組成物の摂取時には、装脱された状態とされ、開口部20を介した高カロリー栄養組成物の充填および排出が可能となる。
これらの開口部20および蓋体25は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)のような樹脂材料で構成される。
なお、包装体1は、容器本体30に、連続殺菌された後の高カロリー栄養組成物が充填されることで製品化がなされている。この連続殺菌の方法としては、特に限定されないが、例えば、超高温短時間(UHT)殺菌、熱水殺菌、バッチ式殺菌、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
また、高カロリー栄養組成物を充填する容器10、すなわち、包装体1が備える容器10としては、本実施形態で説明した、ストロー付きアルミパウチに、限定されず、例えば、他の公知の容器が用いられ、この容器としては、テトラパック、カート缶、ガラス容器、金属缶、プラスチック容器等が挙げられる。
さらに、高カロリー栄養組成物は、上述したように、経口摂取する流動食に適用できる他、PEGチューブ等を介して経腸投与する経腸栄養剤に適用することも可能である。
以上、本発明の包装体を好適実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明の包装体が備える高カロリー栄養組成物に含まれる各種の栄養素は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の機能を有するものを付加することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
以下に1700L仕込み時の調合方法を記す。各原料の配合量は、表1に示す通りである。
調合水450kgを計量し、湯浴にて80℃以上に加温した。次いで、寒天、ペクチン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カリウム、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステルを加え、十分に溶解させた後に65℃まで冷却し、コラーゲンペプチド(ウェルコラーゲン、分子量:4,300、日本新薬株式会社製)、乳清たんぱく質(WPC550、Fonterra社製)を添加した。
当該溶液に植物混合油、中鎖脂肪酸を65℃で混合した分散液を混合した。さらに、グラニュー糖、リン酸三カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸鉄、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、セレン酵母、モリブデン酵母、クロム酵母、マンガン酵母、昆布ミネラル、クエン酸、リンゴ酸、甘味料、水溶性ビタミンミックス、ビタミンC、L−カルニチン、ビタミンK2油、デキストリン、カラメル、脂溶性ビタミンミックス、クエン酸三ナトリウム、消泡剤、ニコチン酸アミド、発酵乳、アップルフレーバーを適宜添加して攪拌した。全量が1700Lとなるまで水を添加し、均一な状態となるまで溶解分散させた。
得られた溶液は、均質化し、1個当たり50mLとなるようにストロー(口栓)付きのアルミパウチ(図1参照)に充填後、90℃、10分間の殺菌処理を行った。前記殺菌処理の後、冷却することで、高カロリー栄養組成物(高濃度栄養組成物)が充填された包装体を製造した。
なお、得られた栄養組成物において、蛋白の含有量は7.0g/50mL(コラーゲンペプチドの濃度は5.0g/50mL、乳清たんぱく質の濃度は2.0g/50mL)、炭水化物の含有量は18.7g/50mL、脂質の含有量は10.8g/50mLであった。
次いで、得られた栄養組成物について性状を観察し、各種物性を評価した。評価方法は以下の通りである。
(1)均一性:50メッシュの篩で濾過した後、試料の残渣状況を目視で確認し、以下の評価によって評価した
◎:残渣無
×:残渣有
(2)pH:栄養組成物を25℃で24時間静置後、pH測定器METTLER TOLEDO MP220(METTLER TOLEDO社製)を用いてpHを測定した。
(3)粘度:栄養組成物を25℃で24時間静置後、B型回転粘度計(メーカー:BROOKFIELD、型式:DV−II+Pro、測定条件:回転速度6rpm、測定時間1分、ローターNo.63)を用いて測定した。
(4)安定性:製造後6ヶ月後に栄養組成物約50mLを容器に出した際の様子を観察して、以下の評価によって評価した。
◎:分離無
○:若干の離水による分離が認められる
×:離水により二層に分離、または、寒天の凝集が発生
(5)片手での排出のし易さ:栄養組成物50mLを図1に示す容器10内に充填し、その後、容器本体30を片手で押圧した際の、開口部20からの栄養組成物(内容物)の排出のし易さについて観察した。
◎:容器本体30の押圧により栄養組成物が片手で容易に排出される
×:容器本体30の押圧によっても栄養組成物が片手で容易には排出されない、もしくは、容易に排出しすぎて吹きこぼれが生じる
得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、寒天の濃度は0.060g/50mL、粘度は7,785±269mPa・s、安定性は「◎」、片手での排出のし易さは「◎」であった。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例2において、寒天の濃度が0.025g/50mLとなるように寒天の添加量を変更したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は3,453±254mPa・s、安定性は「○」、片手での排出のし易さは「◎」であった。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例3において、寒天の濃度が0.120g/50mLとなるように寒天の添加量を変更したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は12,930±372mPa・s、安定性は「◎」、片手での排出のし易さは「◎」であった。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例4において、寒天の濃度が0.160g/50mLとなるように寒天の添加量を変更したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は17,093±600mPa・s、安定性は「◎」、片手での排出のし易さは「◎」であった。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例5において、寒天の濃度が0.170g/50mLとなるように寒天の添加量を変更したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は22,251±1,453mPa・s、安定性は「○」、片手での排出のし易さは「◎」であった。結果を表2に示す。
(比較例1)
比較例1において、寒天の濃度が0.00g/50mLとなるように寒天の添加を省略したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は2,719±140mPa・s、安定性は「×」、片手での排出のし易さは「×」であった。結果を表3に示す。
(比較例2)
比較例2において、寒天の濃度が0.175g/50mLとなるように寒天の添加量を変更したこと以外は、実施例1と全く同じ調製法を繰り返して栄養組成物を得た。得られた栄養組成物の熱量は4.0kcal/mL、均一性は「◎」、pHは3.8、粘度は25,128±2,663mPa・s、安定性は「×」、片手での排出のし易さは「×」であった。結果を表3に示す。
以上のことから明らかな通り、各実施例では、各比較例と比較して、片手での排出がし易いことが明らかとなった。