JP2020200719A - プレキャストコンクリート部材の接合方法 - Google Patents
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Description
この技術では、梁部材の主筋と構造物の主筋を機械式継手で接合した後、その機械式継手による接合部分を囲うように形成されている凹部空間にコンクリートを打設して、梁部材と構造物を接合するようにしている。
また、凹部空間に打設したコンクリートが硬化するまで、梁部材を支保工などで下支えしなければならないので、支保工の設置や撤去といった付帯作業が大掛かりになることに加え、コンクリートの養生などのために工期が増大するという問題があった。
構造物の側面にプレキャストコンクリート部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
前記構造物の所定部位には、その側面から略水平に突出した鉄筋が設けられており、
前記プレキャストコンクリート部材には、凹部が設けられ、前記鉄筋が挿通される貫通穴が形成されている鋼板が前記凹部内に固設されており、
前記貫通穴は、その貫通穴に挿通される鉄筋の径よりも大きな径を有する拡大孔として形成されており、
前記鉄筋を前記鋼板の貫通穴に挿し入れた後、前記鉄筋の端部側からナット部材を螺着し、前記ナット部材が前記鋼板に当接するまで締め付けて前記プレキャストコンクリート部材の一部を前記構造物に当接させて、前記プレキャストコンクリート部材の姿勢を維持するように取り付ける取付工程と、
前記凹部にコンクリートを打設して硬化させる工程と、
を備えるようにした。
そして、プレキャストコンクリート部材に固設されている鋼板の貫通穴に構造物の鉄筋を挿し入れた後、その鉄筋にナット部材を螺着して、そのナット部材が鋼板に当接するまで締め付けてプレキャストコンクリート部材の一部を構造物に当接させて、プレキャストコンクリート部材を構造物に取り付けて仮固定することができる。
こうして鉄筋にナット部材を螺着して、プレキャストコンクリート部材を構造物に仮固定した状態で、プレキャストコンクリート部材の凹部にコンクリートを打設して養生することができるので、構造物にプレキャストコンクリート部材を接合する過程で、プレキャストコンクリート部材を下支えする支保工は不要であり、支保工の設置にかかる工期や工費を削減することができる。
前記鉄筋は、前記構造物の側面から略水平に突出した第1の鉄筋と、前記第1の鉄筋とは異なる高さから前記第1の鉄筋と略平行に突出した第2の鉄筋とで構成されており、
前記プレキャストコンクリート部材の一端側には、前記構造物の側面に当接するようにその周囲よりも突き出している突起部が設けられており、
前記第1の鉄筋は、前記突起部と横並びの配置で前記鋼板に固定され、前記第2の鉄筋は、前記突起部よりも高い配置で前記鋼板に固定されるように構成されており、
前記取付工程において、前記第1の鉄筋に螺着したナット部材を締め付けることで、前記プレキャストコンクリート部材の突起部を前記構造物の側面に押し付けた後、前記第2の鉄筋に螺着したナット部材の締め付け量を調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側の高さを調整する角度調整を行うようにする。
また、第1の鉄筋および突起部よりも高い配置の第2の鉄筋に螺着して、その第2の鉄筋を鋼板に固定しているナット部材の締め付け量を調整することで、プレキャストコンクリート部材の他端側の高さを調整する角度調整を行うことができる。
このように、プレキャストコンクリート部材の一端側の突起部を構造物の側面に押し付けて支圧力を作用させた後、プレキャストコンクリート部材の他端側の高さを調整する角度調整を行うようにすることで、突起部と構造物の間に隙間が開かないように、その角度調整を行うことができる。
特に、プレキャストコンクリート部材の一端側に部分的に設けられている突起部が構造物の側面に当接しており、その突起部の周囲には間隙がある状態で構造物の側面に当接しているので、プレキャストコンクリート部材の一端側のほぼ全面が構造物の側面に当接している場合に比べ、プレキャストコンクリート部材の他端側を上げ下げする角度調整を行い易くなっている。
前記取付工程において、
前記第2の鉄筋に螺着して前記鋼板に当接させているナット部材の締め付け量を締める方向に調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側を上げる角度調整を行い、
前記第2の鉄筋に螺着して前記鋼板に当接させているナット部材の締め付け量を緩める方向に調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側を下げる角度調整を行うようにする。
第2の鉄筋に螺着して鋼板に当接させているナット部材の締め付け量を緩める方向に調整して、鋼板を構造物側に押し込む力を弱めるようにすることで、プレキャストコンクリート部材の他端側を下げる角度調整を行うことができる。
このような角度調整を行って、プレキャストコンクリート部材が所定の姿勢をとるように調整することができる。
前記鋼板は、前記第1の鉄筋が固定される部分の板面よりも、前記第1の鉄筋よりも高い配置の前記第2の鉄筋が固定される部分の板面の方が小さく露出するように、前記プレキャストコンクリート部材に埋没した状態で固設されているようにする。
前記プレキャストコンクリート部材の鉄筋は、前記凹部内で前記鋼板に固定されており、
前記プレキャストコンクリート部材の鉄筋が固定されている箇所の横に並んだ状態で、前記鋼板に前記構造物の鉄筋が固定されるようにする。
なお、プレキャストコンクリート部材20は、例えば柱状の構造物10の上部側面に接合される片持ち梁である。
第1の鉄筋11と第2の鉄筋12は、ねじ節鉄筋であり、その端部側からナットやカプラーを螺入して螺着することができる。
本実施形態では、第1の鉄筋11が2本、第2の鉄筋12が5本設けられており、第1の鉄筋11よりも高い配置に第2の鉄筋12が設けられている。
貫通穴21,22は、鉄筋の径よりも大きな径を有するルーズホールであり、その貫通穴21,22に挿通される鉄筋11,12の径の少なくとも1.5倍の径を有する拡大孔として形成されている。本実施形態の貫通穴21,22は、鉄筋11,12の径の1.7倍程度の径を有する拡大孔とした。
図3(a)(b)、図4(a)(b)に示すように、第1の鉄筋11が挿通される貫通穴21は、鋼板23の高さ方向中央寄りの位置に設けられており、第2の鉄筋12が挿通される貫通穴22は、鋼板23の高さ方向上縁寄りの位置に設けられている。
なお、プレキャストコンクリート部材20に埋没した状態で固設されている鋼板23には、プレキャストコンクリート部材20の鉄筋20b,20cの端部がナット部材3とワッシャーによって締結されて固定されている。
具体的には、プレキャストコンクリート部材20には、最終的に間詰コンクリート28(図6(a)(b)参照)が打設される凹部20aが設けられている。その凹部20a内に一段高く形成された段部24が設けられており、その段部24の端面が突起部25として機能するようになっている。
また、プレキャストコンクリート部材20に埋没した状態で固設されている鋼板23は、段部24に覆われているため、第1の鉄筋11が固定される部分(貫通孔21が形成されている部分)の板面よりも、第2の鉄筋12が固定される部分(貫通孔22が形成されている部分)の板面の方が小さく露出している。このように鋼板23のより多くの部分をプレキャストコンクリート部材20に埋没した状態で固設することで、鋼板23をより強固に固設することができる。
このシール部材26は、プレキャストコンクリート部材20の凹部20aに間詰コンクリート28(図6(a)(b)参照)などを打設する際の漏れを防ぐために設けられている。
このとき、第1の鉄筋11は、突起部25(段部24)と横並びの配置で鋼板23に固定され、第2の鉄筋12は、突起部25(段部24)よりも高い配置で鋼板23に固定されている。そして、第1の鉄筋11はプレキャストコンクリート部材20の鉄筋20bの横に並んだ状態で鋼板23に固定されており、第2の鉄筋12はプレキャストコンクリート部材20の鉄筋20cの横に並んだ状態で鋼板23に固定されている。
また、このとき、プレキャストコンクリート部材20の突起部25は構造物10の側面に当接している。
特に、第1の鉄筋11は、突起部25(段部24)と横並びの配置で鋼板23に締結されているので、ナット部材30を締め付けて第1の鉄筋11にトルクを導入することによって、突起部25を構造物10の側面に好適に押し付けることができる。
なお、前述したように、鋼板23のより多くの部分をプレキャストコンクリート部材20に埋没した状態で固設して、鋼板23をより強固に固設しているので、第1の鉄筋11にトルクを導入する際、鋼板23から反力をとることができる。
このように突起部25を構造物10の側面に押し付けて支圧力Pを作用させた後、プレキャストコンクリート部材20の他端側の高さを調整する角度調整を行うようにすることで、突起部25と構造物10の間に隙間が開かないように、その角度調整を行うことができる。
また、図5(b)に示すように、第2の鉄筋12に螺着して鋼板23に当接させているナット部材30の締め付け量を緩める方向に調整して、鋼板23を構造物10側に押し込む力を弱めるようにすることで、プレキャストコンクリート部材20の他端側を下げる角度調整を行うことができる。
特に、プレキャストコンクリート部材20の一端側に部分的に設けられている突起部25が構造物10の側面に当接しており、その突起部25の周囲には間隙がある状態で構造物10の側面に当接しているので、プレキャストコンクリート部材20の一端側のほぼ全面が構造物10の側面に当接している場合に比べ、プレキャストコンクリート部材20の他端側を上げ下げする角度調整を行い易くなっている。
このような角度調整を行って、プレキャストコンクリート部材20が所定の姿勢をとるように調整する。
なお、プレキャストコンクリート部材20の他端側を上げ下げする角度調整を行う際、プレキャストコンクリート部材20の一端側に配設されているシール部材26は弾性変形して構造物10の側面に当接している。
鋼板23の貫通孔21,22は拡大孔(ルーズホール)であるので、第1の鉄筋11と第2の鉄筋12を貫通孔21,22に挿し入れ易くなっており、その接合作業を好適に行うことができる。
また、ナット部材30の螺着によってプレキャストコンクリート部材20を構造物10に取り付けて仮固定した状態で、プレキャストコンクリート部材20の凹部20aに間詰コンクリート28を打設して養生することができるので、構造物10にプレキャストコンクリート部材20を接合する過程で、プレキャストコンクリート部材20を下支えする支保工は不要であり、支保工の設置にかかる工期や工費を削減することができる。
例えば、図7(a)(b)に示すように、プレキャストコンクリート部材20の突起部25の端面を、側面視して構造物10に向けて凸の湾曲面に形成してもよい。
こうすることで、プレキャストコンクリート部材20の他端側の高さを調整する角度調整を行い易くなる。
11 第1の鉄筋
12 第2の鉄筋
20 プレキャストコンクリート部材
20a 凹部
20b、20c 鉄筋(プレキャストコンクリート部材の鉄筋)
21、22 貫通穴2
23 鋼板
24 段部
25 突起部
26 シール部材
27 無収縮モルタル
28 間詰コンクリート
30 ナット部材
P 支圧力
Claims (5)
- 構造物の側面にプレキャストコンクリート部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法であって、
前記構造物の所定部位には、その側面から略水平に突出した鉄筋が設けられており、
前記プレキャストコンクリート部材には、凹部が設けられ、前記鉄筋が挿通される貫通穴が形成されている鋼板が前記凹部内に固設されており、
前記貫通穴は、その貫通穴に挿通される鉄筋の径よりも大きな径を有する拡大孔として形成されており、
前記鉄筋を前記鋼板の貫通穴に挿し入れた後、前記鉄筋の端部側からナット部材を螺着し、前記ナット部材が前記鋼板に当接するまで締め付けて前記プレキャストコンクリート部材の一部を前記構造物に当接させて、前記プレキャストコンクリート部材の姿勢を維持するように取り付ける取付工程と、
前記凹部にコンクリートを打設して硬化させる工程と、
を備えたことを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合方法。 - 前記鉄筋は、前記構造物の側面から略水平に突出した第1の鉄筋と、前記第1の鉄筋とは異なる高さから前記第1の鉄筋と略平行に突出した第2の鉄筋とで構成されており、
前記プレキャストコンクリート部材の一端側には、前記構造物の側面に当接するようにその周囲よりも突き出している突起部が設けられており、
前記第1の鉄筋は、前記突起部と横並びの配置で前記鋼板に固定され、前記第2の鉄筋は、前記突起部よりも高い配置で前記鋼板に固定されるように構成されており、
前記取付工程において、前記第1の鉄筋に螺着したナット部材を締め付けることで、前記プレキャストコンクリート部材の突起部を前記構造物の側面に押し付けた後、前記第2の鉄筋に螺着したナット部材の締め付け量を調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側の高さを調整する角度調整を行うことを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合方法。 - 前記取付工程において、
前記第2の鉄筋に螺着して前記鋼板に当接させているナット部材の締め付け量を締める方向に調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側を上げる角度調整を行い、
前記第2の鉄筋に螺着して前記鋼板に当接させているナット部材の締め付け量を緩める方向に調整することで、前記プレキャストコンクリート部材の他端側を下げる角度調整を行うことを特徴とする請求項2に記載のプレキャストコンクリート部材の接合方法。 - 前記鋼板は、前記第1の鉄筋が固定される部分の板面よりも、前記第1の鉄筋よりも高い配置の前記第2の鉄筋が固定される部分の板面の方が小さく露出するように、前記プレキャストコンクリート部材に埋没した状態で固設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のプレキャストコンクリート部材の接合方法。
- 前記プレキャストコンクリート部材の鉄筋は、前記凹部内で前記鋼板に固定されており、
前記プレキャストコンクリート部材の鉄筋が固定されている箇所の横に並んだ状態で、前記鋼板に前記鉄筋が固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合方法。
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